JP2005219450A - 熱転写用記録シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 転写感度と保存安定性の双方に優れた効果を奏する熱転写記録用シートを提供する。
【解決手段】 ベースフィルムの片面に色素とバインダー樹脂を含む熱転写性色材層を設けた熱転写記録用シートであって、バインダー樹脂がカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂を含むことを特徴とする熱転写記録用シートに関する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱転写用記録シートに関する。詳しくは、転写感度等の印刷特性に優れ、且つ保存安定性に優れた熱転写記録用シートに関する。
カラー記録には、電子写真、インクジェット、感熱転写記録などの種々の方式が提案されているが、熱転写記録方式は装置の保守性、操作の容易性、高画質であることなどの点において、他の方式に比べて有利である。熱転写記録方式の中でも、特に昇華型転写記録方式は、高解像度の画像を形成できる特徴を有している。これは、熱転写用記録シートの背面をサーマルヘッドで加熱し、熱転写用記録シートの他方の面に設けた昇華性または熱拡散性色素を含む熱転写性色材層から被記録材に色素のみを転写させる記録方式を採用している為であって、この方法によって銀塩写真同様の連続階調を(サーマルヘッドの加熱状況等を調整することにより)再現できるからである。
近年、この様な熱転写記録方式においては記録速度の高速化要求が著しく高くなっており、より短時間で十分な量の色素を転写させること、即ちサーマルヘッドを同程度に加熱した際、従来に比べてより多くの色素を転写し、被記録材上に高い光学濃度の記録物を得ることが可能な熱転写用記録シートの開発が求められている。更に、熱転写用記録シートを長期保存した後でも、保存前と同程度の光学濃度を有する記録物を得られる、優れた保存安定性も要求されている。
この要求に応えるために、様々な改良方法が提案されている。例えば熱転写用記録シートの熱転写性色材層に用いる色素とバインダー樹脂との関係についての改良方法が提案されている(特許文献1、2参照)。また熱転写性色材層に用いるバインダー樹脂として、ポリビニルアセタール樹脂やテレフタル酸変性ポリエステル樹脂等を用いた改良方法(特許文献3〜5参照)や、ポリビニルアセタール樹脂を更に改良した方法が提案されている(特許文献6参照)。
特公平7‐51387号公報 特開平10‐181224号公報 特開昭61‐94794号公報 特開昭63‐151484号公報 特開2003‐89276号公報 特公平7‐29504号公報
しかしながら、これら特許文献1乃至6に記載の技術では、転写感度と保存安定性の双方において優れた効果を奏する熱転写記録用シートは提供されていなかった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものである。即ち、本発明の目的は、転写感度と保存安定性の双方において優れた効果を奏する熱転写記録用シートを提供することにある。
そこで、本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、熱転写用記録シートの熱転写性色材層におけるバインダー樹脂として、特定の置換基によって変性されたポリビニルアセタール樹脂、具体的にはカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂を用いることによって、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、ベースフィルムの片面に色素とバインダー樹脂を含む熱転写性色材層を設けた熱転写記録用シートであって、バインダー樹脂がカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂を含むことを特徴とする熱転写記録用シートに関する。
本発明の熱転写用記録シートによれば、該シートへの印字ヘッド加熱条件を一定として得られ印字物の光学濃度が従来の熱転写用記録シートを用いたものに比べて高く、優れた転写感度を奏し、且つ該シートを長期間保存した後でも保存前と同様の光学濃度が維持できるという、優れた保存安定性の双方を奏することが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[1.カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂]
本発明の熱転写用記録シートにおいては、その熱転写性色材層におけるバインダー樹脂にカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂を用いることを特徴とする。本発明における「カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂」とは、ポリビニルアセタールの一部がカルボン酸で変性されている樹脂である。
本発明において用いるカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂におけるカルボン酸変性の割合は、用いる色素等によって適宜選択すればよいが、一般的にはカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂中のビニルアルコール単位に換算して1モル%以上20モル%以下の範囲であると、本発明の効果が顕著となるので好ましい。カルボン酸変性の割合が少なすぎると、カルボン酸変性による効果が低下してしまい、逆に多すぎてもカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂の吸水性が増加しすぎて、熱転写性色材層の膜性能が低下する場合がある。
またカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂中の残存水酸基量は、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂中のビニルアルコール単位に換算して40モル%以下が好ましい。残存する水酸基が多すぎると溶媒溶解性が低下し、また吸水性が増加しすぎて、熱転写性色材層の膜性能が低下する場合がある。
本発明において用いるカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂の分子量は、用いる色素等により適宜選択すればよく、例えば熱転写性色材層を熱転写性色素含有インクの塗布、乾燥により形成する際には、このインクの特性や塗膜形成が良好となるので200〜2000であることが好ましい。
〔カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂の製造方法〕
本発明において用いるカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂は、例えば以下の(i)〜(iii)等にある様な、従来公知の何れの方法によって製造されたものでよい。
(i)カルボン酸変性ポリビニルアルコールをアセタール化する方法。
(ii)ポリビニルアルコールを、通常アセタール化に用いられるアルデヒドと、カルボキシル基を有するアルデヒドと共にアセタール化する方法。
(iii)ポリビニルアセタール樹脂と無水フタル酸等のカルボン酸無水物と反応させてカルボン酸変性ポリビニルアセタールを得る方法。
これらの中でも、特に(iii)が好ましい。これは、反応操作が容易で、より純度の高い、多種のカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂が得られるためである。また、(i)や(ii)に記載の方法ではカルボン酸変性後のアセタール化反応での酸触媒の中和操作に塩基を用いるので、これとカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂中のカルボン酸部分が塩となり、このカルボン酸塩をカルボン酸にする工程が増加する。この点でも、この様な工程が不要な(iii)が好ましい。以下、製造方法として(iii)を例にして説明する。
ポリビニルアルコールのアセタール化反応は、ポリビニルアルコールとアルデヒドとを酸触媒を用いて、水又は有機溶媒中で反応させることにより行われる。
アルデヒド類の具体例としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、カプロンアルデヒド、カプリルアルデヒド、カプリンアルデヒド、ベンズアルデヒド、1−ナフトアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、p−トルアルデヒド、o−アンスアルデヒド、m−アンスアルデヒド、p−アンスアルデヒド、p−エチルベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、ケイ皮アルデヒド等が挙げられる。
これらのアルデヒド類は、必要に応じて任意の2種以上のものを組み合わせて使用してもよい。中でも、ブチルアルデヒド、アセトアルデヒド、フェニルアセトアルデヒドは、これらのアルデヒド類によりアセタール化して得られるポリビニルアセタール樹脂をカルボン酸変性した樹脂を用いることで、本発明の効果が顕著となるので好ましい。
アセタール化反応に用いる酸触媒としては、例えば塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。中でも塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸が好ましい。なお、触媒の使用量は、反応に用いるアルデヒド1モルに対して0.005〜0.2モルである。
アセタール化反応温度は、通常、20℃以上、好ましくは40℃以上、100℃以下、好ましくは90℃以下である。反応時間は、通常、2〜10時間である。
次いで、得られたポリビニルアセタールにカルボン酸、好ましくは2価以上のカルボン酸無水物を反応させる。2価以上のカルボン酸無水物としては無水フタル酸、ナフタレン−1,2−ジカルボン酸無水物、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタル酸、無水トリメリット酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−メチル−シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物などを挙げることが出来る。これらのうち、特に無水コハク酸、無水フタル酸が好ましい。また、必要に応じこれらの酸無水物の2種以上を組み合わせて使用してもよい。
この反応は触媒を用いずに行ってもよいが、触媒を用いることで、より穏和な条件で反応を行うことができる。この触媒としては、例えばピリジン、ルチジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−エチルピペリジン、ジアザビシクロウンデセン等の第三アミン類;酢酸ナトリウム等の塩基;硫酸、塩酸、塩化亜鉛、過塩素酸等の酸が挙げられる。中でも第三アミン類が好ましい。なお触媒の使用量は、酸無水物1モルに対して、通常、0.001〜1モルである。
この反応は通常、溶媒中で行われ、これに用いる溶媒としては、炭化水素系、ケトン系、エステル系、エーテル系、アミド系等の各種溶媒が挙げられ、具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン等が挙げられる。溶媒の使用量は、原料であるポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して100重量部以上、好ましくは200重量部以上、2000重量部以下、好ましくは1000重量部以下である。反応温度は通常、30℃以上、好ましくは50℃以上、200℃以下、好ましくは150℃以下で、反応時間は通常、1〜15時間である。
本発明においては任意のカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂を使用でき、また単独でも複数種を任意の割合で併用してもよい。具体的には、上述したポリビニルアセタール樹脂やカルボン酸等の原料を任意に組み合わせて得られるカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂を用いることが出来、中でも二価以上のカルボン酸無水物で変性されたポリビニルアセタール樹脂が好ましい。具体的にはポリビニルホルマール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルブチラール又はポリビニルフェニルアセトアセタールの無水コハク酸変性物又は無水フタル酸変性物が好ましく、中でもポリビニルアセトアセタール又はポリビニルブチラールの無水コハク酸変性物が、本発明の効果が顕著となるので好ましい。
本発明の熱転写用記録シートにおける熱転写性色材層のバインダー樹脂としてはカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂を必須成分とするが、必要に応じて、未変性のポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアラミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル‐スチレン樹脂、及びアセチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース系樹脂を用いてもよい。
[2.色素]
本発明の熱転写用記録シートの熱転写性色材層に用いる色素としては、昇華性または熱拡散性を有する色素であれば、任意のものを使用することが出来る。昇華性または熱拡散性を有する色素としては、具体的には例えばアゾ系、アントラキノン系、ニトロ系、スチリル系、ナフトキノン系、キノフタロン系、アゾメチン系、クマリン系、縮合多環系化合物等の、各種非イオン性の色素等が挙げられる。またその分子量は適宜選択すればよいが、一般的には200以上、中でも230以上、特に250以上であることが好ましく、400以下、中でも370以下であることが好ましい。
色素としては、その構造としてカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂を含むバインダー樹脂中での分散安定性の観点から、水酸基、アミノ基、ニトロ基、含窒素複素環基、スルホン酸基等の極性基を有する化合物であることが好ましく、またスルホン酸基、カルボキシル基等のイオン性基含有量が低い化合物であることが、分散安定性の観点から好ましい。この理由は定かではないが、この様な色素自身が、バインダー樹脂に含まれるカルボン酸変性されたポリビニルアセタール樹脂との相溶化剤的作用をする為と考えられる。なかでも色素としては、アミノ基や含窒素複素環基を有する化合物が好ましい。具体的には例えば、以下の色素が挙げられる。
(1)シアン色形成用染料;
C.I.ソルベントブルー63、
C.I.ソルベントブルー36 (三菱化学 ダイアレジンブルーP)、
三菱化学 PBK
(2)マゼンタ色形成用染料;
C.I.ディスパースレッド60 (住友化学 SumikaronRed FB)、
C.I.ディスパースレッド26 (住友化学 SumikaronBordeauxB)、
C.I.ディスパースレッド210、
C.I.ソルベントレッド19、
C.I.ソルベントレッド167、
三菱化学 PTR‐63
(3)イエロー色形成用染料;
C.I.ディスパースイエロー141 (三菱化学 PTY‐52)
〔色材とカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂との関係〕
本発明の熱転写用記録シートのおける熱転写性色材層に含まれる色素の割合は、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、通常0.1重量部以上、好ましくは1重量部以上、より好ましくは5重量部以上、100重量部以下、好ましくは80重量部以下、より好ましくは60重量部以下の範囲である。色素の含有量が多すぎると熱転写性色材層の機械的強度や透明性が極端に悪化する場合があり、逆に少なすぎても画像成形収縮率の低下効果が不十分になる場合がある。
また本発明の熱転写用記録シートにおける熱転写性色材層では、上述したカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂と色素のうち、各々好ましいもの同士を用いることによって、本発明の効果がより顕著となるので、好ましい。
以上の特徴により、本発明の熱転写用記録シートは、転写感度が良好であり、且つ保存安定性に優れたものとなる。
[3.熱転写用記録シートの製造方法]
本発明の熱転写用記録シートを製造する方法は特に制限されない。具体例として、必要に応じて表面処理を施したベースフィルムの一方の面に、熱転写性色材層となる熱転写性色素含有インク等を塗布・乾燥させて熱転写性色材層を設けて熱転写用記録シートとする方法がある。以下、この方法を例にして説明する。
〔ベースフィルム〕
ベースフィルムとしては従来公知の任意のものを使用することが出来、一般的には各種合成樹脂からなる可撓性のフィルムが挙げられる。具体的には例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアラミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどが挙げられる。中でも機械的強度、寸法安定性、耐熱性、価格などの点からポリエチレンテレフタレートフィルム好ましく、特に2軸延伸したポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
ベースフィルムの厚みも任意であるが、熱転写性や可撓性等を考慮して、一般的には1μm以上、中でも2μm以上であることが好ましく、30μm以下、好ましくは15μm以下である。また本発明の熱転写記録用シートの製造においては、上記の塗布により形成される各層とベースフィルムとの接着性を改良するために、ベースフィルム表面を予めコロナ処理したり、あるいはポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ウレタン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂などにより下引きコート層を設けてもよい。
〔熱転写性色材層〕
熱転写性色材層は、例えば色素とバインダー樹脂とを溶剤に溶解混合又は分散処理させて熱転写性色材層形成用インクを調整し、これをベースフィルムに塗布・乾燥して得られる。
このインクに使用される溶剤としては、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;イソプロパノール、ブタノール、メチルセロソルブなどのアルコール系溶剤;ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤;ジメチルホルムアミド、N‐メチルピロリドン等のアミド系溶剤;が挙げられる。またインクには、必要に応じて、従来公知の各種添加剤を含有させてもよい。
ベースフィルム上に形成せしめる熱転写性色材層の厚みは、乾燥後膜厚が通常0.1μm以上、好ましくは0.3μm以上、10μm以下、好ましくは5μm以下である。また、熱転写性色材層中の色素含有量は、熱転写性色材層の全固形分(熱転写性色材層用インクから溶剤を除いた成分)中において5重量%以上、好ましくは20重量%以上、70重量%以下、好ましくは60重量%以下である。
〔耐熱滑性層等〕
またベースフィルムの他方の面(熱転写性色材層を設けた面の反対面)には、耐熱滑性相を設けてもよい。耐熱滑性層の厚さは通常、0.1μm以上、好ましくは0.3μm以上、10μm以下、好ましくは5μm以下である。
耐熱滑性層は、通常、バインダー樹脂、微粒子および滑剤等の添加剤を含むものである。バインダー樹脂としては、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂、又は熱可塑性樹脂等からなるバインダー樹脂が用いられる。
熱硬化性樹脂としては、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂などの活性水素を有する樹脂とイソシアネートなどの架橋体などが挙げられる。光硬化性樹脂としては、ポリエステルアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリオールアクリレート樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂としてはガラス転移温度が50℃以上の熱可塑性樹脂が挙げられ、具体的にはアクリル樹脂、塩化ビニル共重合体、アクリロニトリル‐スチレン共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアセタール樹脂などが挙げられる。
微粒子としては、シリカ、アルミナ、酸化チタンなどの無機粒子や、シリコーン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の有機微粒子などが挙げられる。
滑剤としては、各種変性シリコーンオイルや燐酸エステル系、脂肪酸金属塩系界面活性剤等が用いられる。また耐熱滑性層には、必要に応じて有機または無機の非昇華性粒子、分散剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、消泡剤、酸化防止剤、粘度調節剤などの添加剤を添加することができる。
更には、熱転写記録にレーザー光線等のエネルギー線を用いる場合には、熱転写性色材層中に光熱変換材を含有させるか、または熱転写性色材層とベースフィルム間に光熱変換材含有層を設ければよい。光熱変換材としては赤外線吸収剤やカーボンブラック等が挙げられる。
これらベースフィルム上に設ける熱転写性色材層や耐熱滑性層等の各層の形成方法は任意であり、またその形成は逐次または同時に行ってもよい。一般的には、熱転写性色材層や耐熱滑性層の組成物を塗布・乾燥して形成する。この塗布方法としては例えば、グラビアコーター、リバースコーター、エアドクターコーター等、従来公知の任意の方法を用いることが出来る。
[4.熱転写記録方法、被記録材]
本発明の熱転写用記録シートは、従来公知の熱転写記録方法に供して、熱転写記録を行うことが出来る。熱転写性色材層中の色素を被記録材上へ移行させるための熱源としては、ライン型サーマルヘッドやレーザー光線が使用できる。
本発明の熱転写用記録シートは、従来公知の任意の熱転写記録用被記録材上に画像を形成できる。被記録材は通常、基材の少なくとも一方の面に受像層が設けられている。基材は通常、合成紙、セルロース紙、キャストコート紙、フィルム、セルロース紙の両側に合成紙を貼り合わせたものが用いられている。色材層との密着性が高い方が記録時の色素の転写が均一に行われることから、その表面は平滑であることが好ましく、できればベック平滑度で10000秒以上の基材を用いることが好ましい。この点から合成紙やフィルムを使用した基材が好ましい。
受像層は樹脂を主体とした層で、色素を受容して画像を形成する役目を持つ。樹脂としては色素の染まりやすい樹脂が好ましく。例えば、酢ビ樹脂、塩酢ビ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル‐スチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等が挙げられる。これらは併用して用いることが可能である。ガラス転移点の低すぎる樹脂を使用すると画像が保存時に滲む場合があるので、ガラス転移点が35℃以上の樹脂を用いることが好ましい。
受像層には樹脂の他に、必要に応じて添加剤を加えることができる。添加剤としては、樹脂を硬化させるためのイソシアネート等の硬化剤、熱転写時の色材層との融着防止の為に添加されるシリコーンなどの剥離剤、耐光性を上げるための紫外線吸収剤、耐候性向上の為の酸化防止剤等を挙げることができる
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲において、以下の実施例に制限されること無く、任意に変形して実施することができる。なお、以下において特に明記しない限り、「%」、「部数」は重量換算で示す。
またカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂の酸価については、JIS K0070 の電位差滴定法に従った機器を用い、変性ポリビニルアセタール系樹脂1.0gをN,N−ジメチルホルムアミド200mlに溶解し、三菱化学社製自動滴定装置GT−05型を用いて、0.5mol/リットル エタノール性水酸化カリウム水溶液で滴定し、求めた。
<実施例1>
〔カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂〕
カルボン酸変性されたポリビニルアセタール樹脂として、特開2001−98165号公報記載の方法で合成した無水コハク酸変性ポリビニルブチラール樹脂を用いた。この樹脂の酸価は40mgKOH/gであった。
〔感熱転写シートの作成〕
熱転写性色材層インキ組成物として、分散染料(三菱化学製PTY−52)4.5重量部、カルボン酸変性されたポリビニルアセタール樹脂 4.5重量部、トルエン 40重量部、メチルエチルケトン 40重量部を混合攪拌して得られたインクを厚さ6μmのポリエステルフィルムにバーコーターを用いて、乾燥膜厚が1μmになるように塗工乾燥した。その背面にアクリル樹脂(商品名:BR−80、三菱レイヨン(株)製)10重量部、アミノ変性シリコーンオイル(商品名:KF393、信越化学(株)製)1重量部、およびトルエン89重量部を混合した液を、バーコーターを用いて乾燥厚みが1μmになるように塗工乾燥し、耐熱滑性層を設けた。
〔受像紙の作成〕
ポリビニルフェニルアセタール樹脂70部、塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール共重合樹脂(商品名:エスレックA、積水化学(株)製)25部、変性用シリコーンワニス(商品名:TSR‐160、固形分濃度60%、東芝シリコーン(株)製)40部、アミノ変性シリコーンオイル(商品名:KF393、信越化学工業(株)製)3部、ヘキサメチレンジイソシアネート系多官能イソシアネート化合物(商品名:マイテックNY‐710A、固形分濃度75%、三菱化学(株)製)10部、メチルエチルケトン500部、トルエン500部を混合攪拌して得られた組成物を、厚み150μmのポリプロピレン製合成紙(商品名:ユポFPG150、ユポ・コーポレーション製)にバーコーターを用いて、乾燥後の膜厚が5μmになるよう、塗布、乾燥し、さらにオーブン中で80℃12時間処理して受像紙を得た。
〔印字条件〕
作成した熱転写用記録シートを松下電器産業(株)製プリンタ「NV‐MPX5」のVM‐MPA50のインクリボンとつなぎ合わせて、作成した受像紙に0〜16階調で印字を行った。
〔測色〕
印字された印字物の濃度を分光測色計(商品名:SPM‐50 グレタグ社製)で測定した。階調9のときの、印字物の光学濃度は1.10であった。
<実施例2>
感熱転写シートの色剤層に用いた染料を分散染料(三菱化学製PTY−52)のかわりに三菱化学製 PTR‐63とした他は実施例1と同様にして熱転写用記録シートを作成し、受像層、印字条件は同様にして印字を行った。階調9のときの、印字物の光学濃度は1.05であった。
<比較例1>
実施例1で熱転写層用インキ組成物のポリビニルブチラールの無水コハク酸付加物の代わりにアクリロニトリル−スチレン共重合樹脂を用いた他は実施例1と同様の方法で実験を行った。階調9のときの、印字物の光学濃度は0.98であった。
<比較例2>
実施例2で熱転写層用インキ組成物のポリビニルブチラールの無水コハク酸付加物の代わりにアクリロニトリル−スチレン共重合樹脂を用いた他は実施例1と同様の方法で実験を行った。階調9のときの、印字物の光学濃度は0.84であった。
上述の通り、本発明の熱転写用記録シートである実施例1及び2は印字濃度の高い印字物を提供することが出来た。
上述のように、本発明の熱転写用記録シートは、転写感度に優れた効果を奏する。加えて、カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂により奏する、カルボン酸残基による優れた分散性によって、高い保存安定性も期待される。よって、熱転写用記録シートが用いられる各種の用途に好適に用いることが可能であり、その産業上の利用可能性は極めて高い。

Claims (4)

  1. ベースフィルムの片面に色素とバインダー樹脂を含む熱転写性色材層を設けた熱転写記録用シートであって、バインダー樹脂がカルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂を含むことを特徴とする熱転写記録用シート。
  2. カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂のカルボン酸残基含有量が1mol%以上20mol%以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写用記録シート。
  3. カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂の水酸基含有量が40mol%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写用記録シート。
  4. カルボン酸変性ポリビニルアセタール樹脂のガラス転移温度が50℃以上130℃以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の熱転写用記録シート。


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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012196912A (ja) * 2011-03-22 2012-10-18 Toppan Printing Co Ltd 感熱転写記録媒体
JP2013180521A (ja) * 2012-03-02 2013-09-12 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写シート

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