JP2005214361A - 金属ガスケット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃焼室孔5周りのシールラインに沿って、基板2にフルビードが形成される。上記ビード8の凹部側から上記基板2に積層する副板3を備える。上記副板3に対し上記ビード2の凹部内に向けて突出して当該ビードの板厚方向の圧縮変形量を規制するストッパ9を設けた。ストッパ9は、無負荷状態でビード2と接触しない。
【選択図】 図2
Description
すなわち、金属ガスケットを構成する基板には、ボアに対応した位置に燃焼室孔が開口し、その燃焼室孔を囲むシールラインに沿ってビードが形成されている。さらに、そのビードよりも燃焼室孔側の基板部分には、増厚部からなるストッパが形成されている。このストッパによって、上記ビードの板厚方向の圧縮変形量が規制されて当該ビードの全屈の防止及びエンジン運転時の振動振幅による疲労破壊を防止している。
また、複数の基板や副板を積層して構成される場合には、各基板及び副板に対し燃焼室孔や水孔、油孔、ボルト孔などが同一位置に開口している。
また、ストッパを設けることなくビードの疲労破壊を防止する場合には、従来にあっては、積層する基板や副板の枚数を増やすことで対処しているが、この対処方法はコストが高くなったり、層間数が増加して圧漏れの機会が多くなる欠点を有していた。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、狭いシール幅にも対応可能な金属ガスケットを提供することを課題としている。
上記ビードの凹部側から上記基板に積層する副板を備え、上記副板に対し上記ビードの凹部内に向けて突出して当該ビードの板厚方向の圧縮変形量を規制する剛性の高いストッパを設けたことを特徴とするものである。
次に、請求項3に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対し、上記ストッパは、上記シールラインに沿って並ぶと共に上記ビード凹部内に向けてそれぞれ突出する複数の突起からなることを特徴とするものである。
次に、請求項5に記載した発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載した構成に対し、上記ストッパは、副板における上記ビードと対向する部分を当該ビード凹部内に向けて突出するように屈曲させて形成され、そのストッパは、無負荷状態で上記ビードの凹面と非接触となる高さ及び幅に設定されていると共に、延在方向に沿って蛇行若しくは幅が変化することで板厚方向に対する剛性を高めたことを特徴とするものである。
次に、請求項7に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対し、上記ストッパとして、上記シールラインに沿って連続若しくは断続的に延び且つ上記ビードに向けて突出すると共に頂部が平坦なストッパ本体を設け、そのストッパ本体の平坦な頂部に対し、当該ストッパ本体の突出方向とは反対方向に突出若しくは凹んだ剛性向上部を、当該ストッパ本体の延在方向に沿って連続若しくは断続的に形成したことを特徴とするものである。
図1は、本実施形態に係る金属ガスケット1を示す要部平面図である。この金属ガスケット1は、基板2及び副板3から構成され、図示しないシリンダブロック及びシリンダヘッドの対向する接合面間に介挿される。
その構成について説明すると、図1のように、副板3の上に基板2が積層配置され、その副板3及び基板2の略中央部には、複数の燃焼室孔5が長手方向に沿って並んで開口している。また、その各燃焼室孔5をそれぞれ囲むように内周側シールラインSL1が設定されている。燃焼室孔5間のシール幅が狭い位置にあっては、隣り合う内周側シールラインSL1は合流して1本のラインを共有する。
基板2には、内周側シールラインSL1に沿ってビード8が形成されている。そのビード8は、図2及び図3に示すように、基板2を板厚方向に屈曲して上側に凸となるように成形してなるフルビードであって、板厚方向に圧縮変形してバネを発揮する。
また、上記副板3には、ボルト孔7の周りや副板3外周に沿った別のシールライン位置SL2に、不図示のハーフビード若しくはフルビードなどのビードが形成されている。
シリンダブロックとシリンダヘッドの対向する接合面間に配置して、ボルト孔7に挿入される締付けボルト(不図示)で締め付けることで、ビード8が板厚方向に弾性変形して所定の面圧でシールラインに沿ってシールする。このとき、上記ビード8内に配置したストッパ用突起9がビード8に対する板厚方向のストッパとなって、ビード8の弾性変形量は圧縮破壊をしない範囲に規制され、これによって、外周側のビードに比べて高面圧でシール可能となる。すなわち、シール面幅が狭くても高面圧で燃焼室孔5の外周をシールすることが可能となる。
また、副板3に対し、ビード8を形成した基板2の併設位置を燃焼室孔5の近傍に限定することで、つまり燃焼室孔5の近傍の板厚だけを厚くすることによって、内周側シールラインSL1に沿ったビード8への締付け荷重が更に大きくなり、その分、有効に燃焼室孔5周りのシール圧を高めることができる。なお、基板2側を接合面とほぼ同じ寸法とし、副板3の大きさを水孔の外周位置以内として小さくしても良い。
なお、ストッパの頂部は平坦にすることが好ましい。平坦にすることで、剛性が増加すると共に、弾性変形したビード8の変形量の規制を安定して行うことができる。
また、副板3を成型してストッパを形成する場合に、図10に示すように、段部11a(ほぼ垂直に立ち上がる部分)が形成されている突起11の方が、剛性を高く設定することでできる。
また、ストッパを、図12に示すように形成しても良い。すなわち、ビード8の凹部内に収まる大きさで、副板3におけるビード8と対向する部分にバーリングで孔17を開け、そのバーリングで立ち上がったばりを、カーリングして折返し平押しで設定高さに鍛造圧縮してストッパとなる突起14を、シールラインSL1に沿って複数個形成する。上記複数の突起14は、設定高さに抑揚を付けることで、シールラインSL1に沿ったビード8の面圧を均一化させるように当該ビード8の圧縮変形量を規制する。
また、上記実施形態では、燃焼室孔5を囲む内周側シールラインSL1のビードがフルビード8である場合を例示しているが、図17及び図18のように、ハーフビード13であっても良い。ハーフビード13の場合には、ビード13の頂部13a(接合面と接触する面、つまりシール部分で、面圧を高くしたい部分)の下方にストッパ9、10が位置するようにすることが好ましい。
また、上述のような基板2と副板3の組を複数組積層して高圧に対応するようにしても良い。
また、上記実施形態では燃焼室孔周りのシールラインを例に説明したが、これに限定されない。シール幅が狭く且つストッパが必要な箇所であれば、本発明は適用可能である。 また、1本のシールライン全部に本発明を適用しなくても良く、シール幅が狭い部分及びその近傍だけに本願発明を適用しても構わない。
2 基板
3 副板
5 燃焼室孔
6 水孔
7 ボルト孔
8 ビード
9、10、11、12
ストッパ
13 ハーフビード
15 ストッパ本体
17 バーリング孔
16 剛性向上部
Claims (8)
- 薄肉金属板を基板とし、その基板には、予め設定したシールラインに沿って、上記基板を板厚方向に屈曲して形成され板厚方向にバネを発揮する凸状のビードが形成されている金属ガスケットであって、
上記ビードの凹部側から上記基板に積層する副板を備え、上記副板に対し上記ビードの凹部内に向けて突出して当該ビードの板厚方向の圧縮変形量を規制する剛性の高いストッパを設けたことを特徴とする金属ガスケット。 - 上記ストッパは、上記シールラインに沿って連続して形成されていることを特徴とする請求項1に記載した金属ガスケット。
- 上記ストッパは、上記シールラインに沿って並ぶと共に上記ビード凹部内に向けてそれぞれ突出する複数の突起からなることを特徴とする請求項1に記載した金属ガスケット。
- 上記ストッパの頂部は平坦になっていることを特徴をとする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した金属ガスケット。
- 上記ストッパは、副板における上記ビードと対向する部分を当該ビード凹部内に向けて突出するように屈曲させて形成され、そのストッパは、無負荷状態で上記ビードの凹面と非接触となる高さ及び幅に設定されていると共に、延在方向に沿って蛇行若しくは幅が変化することで板厚方向に対する剛性を高めたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載した金属ガスケット。
- 上記ストッパは、副板における上記ビードと対向する部分にバーリングで孔を開け、そのバーリングで立ち上がったばりを、カーリングして折返し平押しで設定高さに鍛造圧縮して形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載した金属ガスケット。
- 上記ストッパとして、上記シールラインに沿って連続若しくは断続的に延び且つ上記ビードに向けて突出すると共に頂部が平坦なストッパ本体を設け、そのストッパ本体の平坦な頂部に対し、当該ストッパ本体の突出方向とは反対方向に突出若しくは凹んだ剛性向上部を、当該ストッパ本体の延在方向に沿って連続若しくは断続的に形成したことを特徴とする請求項1に記載した金属ガスケット。
- 上記基板には少なくとも燃焼室孔が開口し、上記シールラインは、上記燃焼室孔を囲って当該燃焼室孔をシールするシールラインであり、上記基板及び副板の一方には、少なくとも上記シールラインよりも外周側に水孔が開口し、上記基板及び副板の他方の外周縁位置は、水孔の位置若しくはそれよりも燃焼室孔側となっていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載した金属ガスケット。
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