JP2007170642A - 金属ガスケット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】各燃焼室孔2の周縁に沿って増厚部5が形成され、その外周を囲繞するように金属ビード6とゴムビードとからなる合成ビードが形成され、さらに外側に水孔4やボルト孔3が配置される。隣接する燃焼室孔2の間である孔境界部Xに、合成ビードを配することなく上記増厚部5だけを配置し、各増厚部5の周方向に沿った面圧が均等となるように、周方向に沿った増厚部5の高さに変化を形成する。隣接する燃焼室孔2の各ビード同士を連結させる。
【選択図】 図1
Description
そして、隣接する燃焼室孔の間である孔境界部においては、当該隣接する燃焼室孔に共通した上記合成ビードを一本だけ設けると共に、上記孔境界部における燃焼室孔周縁に沿った増厚部の幅を隣接する燃焼室孔間のクリアランスに応じた幅としたものである。
本発明は、このような点に着目してなされたもので、ボア間のクリアランスが厳しいエンジンにも適用可能な金属ガスケットを提供することを課題としている。
少なくとも一箇所の隣接する燃焼室孔の間である孔境界部においては、上記ビードを配することなく上記増厚部だけを配置し、各増厚部の周方向に沿った面圧が均等となるように、周方向に沿った増厚部の高さに変化を形成し、且つ、上記隣接する燃焼室孔の各ビード同士を連結させたことを特徴とするものです。
次に、請求項3に記載した発明は、請求項1又は請求項2に記載した構成に対し、上記増厚部は板を積層して構成され、上記孔境界部に位置する部分で積層される上記板と基板との間に、基板よりも板厚の薄いシム板を介挿したことを特徴とするものである。
次に、請求項5に記載した発明は、請求項4に記載した構成に対し、上記突出部裏側の凹部に、突出部の板厚方向への弾性変形によってバネ力を発生する弾性シール材を充填したことを特徴とするものである。
図1は、本実施形態に係る金属ガスケット10を示す部分平面図である。図2は、図1のA−A線での断面図つまり孔境界部Xにおける断面図である。図3は、図1のB−B線での部分断面図である。
本実施形態の金属ガスケット10は、多気筒を有する内燃機関のシリンダヘッドとシリンダブロックとの対向する接合面間に介挿される金属ガスケットの例である。
その金属ガスケット10の基板1の素材としては、例えばステンレス鋼板または軟鋼板、アルミニウム板等の金属薄板を適宜、採用可能であるが、ここでは、ビードとして後述のような合成ビードを採用する結果、剛性の低い軟鋼板を使用することができる。
その基板1の中央部には、図1に示すように、長手方向に沿って、複数個の燃焼室孔2が配列している。また、燃焼室孔2よりも基板1外周側には複数個の水孔4及びボルト孔3が開口している。
ここで、本実施形態のガスケット10は、ボア間のクリアランスが厳しいエンジンに適用するガスケット10であるため、燃焼室孔2間のクリアランスが大幅に狭くなっている。また、隣接する燃焼室孔2間の孔境界部Xにあっては、その中央位置の燃焼室孔2間のクリアランスが一番小さく厳しい。
すなわち、ボルト孔3に近い位置の高さを相対的に低く、ボルト孔3から離れるにつれて相対的に高くなるように鍛造などで高さ調整を行う。また、孔境界部X位置については、相対的に高くして面圧を稼ぐことで、面圧の均一化を図る。
ここで、本実施形態では、基板1の材料として剛性が低い軟鋼が採用できる結果、増厚部5を形成するための折り返し加工が容易になると共に、増厚部5の高さ調整も容易であると共に材料硬度を低くすることで曲げR部の疲労破壊を抑えることが出来る。
上記燃焼室孔2の外周に配置された各内周側シールラインL1は、図1のように、水孔4やボルト孔3よりも内周側に配置されると共に、上記孔境界部X位置には配置されずに省略される代わりに、隣接する燃焼室孔2を囲繞する内周側シールラインL1同士を孔境界部X近傍で連結して、1本のシールラインとなっている。
また、基板1の防錆対策として、基板1の端面や各孔の断面も含めてメッキ仕上げを施す方法や、冷却水に接触する部分全体や内周側シールラインL1より外側で腐食する心配のある部分に対し、極薄のゴム被膜を成型被覆しても良い。
エンジンの更なる小型軽量化で、隣接するボア間のクリアランスがさらに小さくて、隣接する燃焼室孔2間のクリアランスが小さくなったとしても、本実施形態では、孔境界部Xには、一対の幅が狭い増厚部5だけが配置されることで対応可能となる。また、増厚部5における周方向に沿った面圧が均等化するように増厚部5の高さに抑揚を付けることで、隣接する燃焼室孔2間のシールも確実に行われる。
また、上記実施形態では、増厚部5を構成する折り返し部8−1a、8−2bの厚さについて周方向に沿って適切な抑揚を付けることで、周方向に沿った面圧の均一化を図って、少なくとも孔境界部Xにおける増厚部5の板厚を相対的に高くして、当該孔境界部Xでの面圧を稼いでいるが、これに限定されない。
次に、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態と同様な部分などについて同一の符号を付して説明する。
本実施形態の基本構成は、上記第1実施形態と同様であるが、孔境界部Xでのシール構造が若干異なる。
本実施形態では、図7のようにして、ボア間の面圧を稼ぐ構造のものである。すなわち、孔境界部Xに位置する基板1の中央部に対し、当該基板1を板厚方向に屈曲して形成されて上記折り返し部8−1a、8−2b側(上側)に突出するフルビード状の突出部14を設け、その突出部14の裏側(下側)の凹部に耐熱性を有し且つ弾性を持った弾性シール材15を充填したものである。
また、突出部14の一部が左右の各境界増厚部8−1,8−2と対向して折り返し部8−1a、8−2bを持ち上げる形となっている。
上記突出部14の裏側に充填した弾性シール材15の弾性力によって、孔境界部Xの増厚部部分8−1,8−2の面圧が稼げる。また、突出部14が板厚方向に弾性変形したときに、上記弾性シール材15は、圧力に応じて突出部14の延び方向に逃げることで、突出部14の延在方向に沿った圧の均等化も行われる。すなわち、孔境界部Xにおける孔境界部Xの延在方向に沿った面圧が自然と均一化する方向に作用して、より燃焼室孔2周りの面圧の均一化に寄与することとなる。
なお、図7は中央部に弾性シール材15入りの突出部14を1条設け、一対の増厚部5に共通の突出部14とした場合を例示しているが、これに限定されない。図8のように2条以上設けても良い。図8では、各増厚部5毎に突出部14及び弾性シール材15を個別に設けた場合の例である。
ここで、上記説明では、全ての隣接する燃焼室孔2間の孔境界部Xについて合成ビードの配置を省略する場合を例示しているが、各孔境界部Xの幅が異なって、例えば途中の孔境界部Xでの幅が広い場合には、その部分だけは増厚部5と共に合成ビードも配置しても良い。
2 燃焼室孔
3 ボルト孔
4 水孔
5 増厚部
5a 孔境界部X以外の増厚部
6 金属ビード
8−1,8−2 境界増厚部
8−1a、8−2b 折り返し部(積層する板)
8−3,8−4 折り返し部の幅拡大部
10 金属ガスケット
11,12 弾性シール材
13 シム板
14 突出部
15 弾性シール材
16 突出部
20 弾性シール材
X 孔境界部
L1 内周側シールライン
L2 外周側シールライン
L3 ボルト孔周りのシールライン
Claims (5)
- 複数の燃焼室孔が隣接して開口した金属板を基板とし、各燃焼室孔の周縁に沿って板厚が厚い増厚部が形成され、さらにその外周を囲繞するようにビードが形成され、そのビードは基板を屈曲してなる金属ビードと、その金属ビードの凸部側表面に固着すると共に凸部裏側の凹部に充填されて上記金属ビードと共にバネ力を発生可能な弾性シール材からなるゴムビードとの合成ビードで構成され、さらに上記ビードよりも外側に水孔が配置される金属ガスケットであって、
少なくとも一箇所の隣接する燃焼室孔の間である孔境界部においては、上記ビードを配することなく上記増厚部だけを配置し、各増厚部の周方向に沿った面圧が均等となるように、周方向に沿った増厚部の高さに変化を形成し、
且つ、上記隣接する燃焼室孔の各ビード同士を連結させたことを特徴とする金属ガスケット。 - 上記孔境界部に位置する増厚部部分は、他の増厚部部分よりも幅が狭いことを特徴とする請求項1に記載した金属ガスケット。
- 上記増厚部は板を積層して構成され、上記孔境界部に位置する部分で積層される上記板と基板との間に、基板よりも板厚の薄いシム板を介挿したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した金属ガスケット。
- 上記孔境界部に位置する基板に対し、当該基板を板厚方向に突出するように屈曲成形してなる突出部を少なくとも1条設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した金属ガスケット。
- 上記突出部裏側の凹部に、突出部の板厚方向への弾性変形によってバネ力を発生する弾性シール材を充填したことを特徴とする請求項4に記載した金属ガスケット。
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2005
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