JP2005212381A - 印刷装置および印刷装置の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクカートリッジの記憶部に記憶されている情報において、情報内容が更新されている場合にのみ、更新されている部分を記憶部へ上書きする、印刷装置および印刷装置の制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】記憶部15を備えたインクカートリッジ10を装着する装着部と、記憶部15のインク残量を示すデータを読み出して格納する書込み読出し部78と、印刷データを格納する受信バッファと、印刷データに応じて、インクを被印刷物上へ吐出する印刷部と、印刷部からインクが吐出された場合に、記憶部15に格納されたデータを更新する処理部と、を備えた印刷装置1であって、印刷装置1とホストコンピュータとの間がオンライン状態であり、印刷部が非印刷状態であり、受信バッファに印刷データが格納されてなく、かつ、記憶部15のデータが更新されている場合に、書込み読出し部78は、更新されたデータを記憶部15に格納する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気的に読み書き可能な記憶部を備えるインクカートリッジを装着した、印刷装置および印刷装置の制御方法に関する。
従来、インクを液滴状態でヘッドから吐出して、被印刷物へ印刷を行うインクジェット方式の印刷装置では、ヘッドへ供給するインクを貯留しているインクカートリッジ内のインク内蔵量(残量)に関する情報等を、インクカートリッジの記憶部に記憶させている。印刷装置は、記憶部から、例えばインクの内蔵量に関する情報を読み取り、印刷装置が算出した印刷等によるインクの消費量を基に、インクの内蔵量に関する情報を更新する。更新したインクの内蔵量に関する情報は、他の情報と共に、インクカートリッジの記憶部へ上書きされる。
特許文献1によれば、インクカートリッジの記憶部への上書きは、電源OFF指令時、印刷停止や改ページ操作時などの非印刷状態の時に行われる設定である。
特開2001−130026号公報
しかし、従来の技術において、非印刷状態の時に行われる記憶部への上書きは、単なる改ページのみの操作後のように、記憶部にかかわる情報に変化が生じていなくても実行される。同様に、複数種のインクの内、使用されずに変化のなかったインクに関する情報についても、上書き処理が実行される。
本発明は上記課題に鑑みてなされており、インクカートリッジの記憶部に記憶されているインクに関する情報において、印刷装置によって印刷等がなされて、インクに関する情報の内容が更新された場合にのみ、更新されている部分を記憶部へ上書きする、印刷装置および印刷装置の制御方法を提供することを目的とする。
本発明の印刷装置は、記憶部を備えたインクカートリッジを装着する装着部と、記憶部に格納されたデータであって、インクカートリッジ内のインク残量を示すデータを読み出して格納する書込み読出し部と、ホストコンピュータから供給される印刷データを格納する受信バッファと、受信バッファに格納された印刷データに応じて、インクカートリッジからのインクをヘッドから被印刷物上へ吐出する印刷部と、印刷部から所定量のインクが吐出された場合に、所定量に基づいて記憶部に格納されたデータを更新する処理部と、を備えた印刷装置であって、印刷装置とホストコンピュータとの間がオンライン状態であり、印刷部が非印刷状態であり、受信バッファに印刷データが格納されてなく、かつ、記憶部のデータが更新されている場合に、書込み読出し部は、更新されたデータを記憶部に格納する。
この印刷装置によれば、インクカートリッジの記憶部へ、インクに関する情報を書き込むタイミングが、明確に設定されており、印刷装置が、オンライン、非印刷および受信バッファにデータのない状態の時である。また、記憶部へ情報を書き込めるタイミングであっても、インクに関する情報に変化が生じている場合にのみ、記憶部へ情報が書き込まれる。従って、同じ情報を何度も書き込んで更新するような、無駄な処理が行われることがない。さらに、記憶部へ情報を書き込めるタイミング時には、ヘッド等が作動していない非印刷状態の時であり、情報の書き込みに障害となるノイズなどの影響を受けることもない。インクカートリッジの記憶部に記憶する情報として、主にはインクカートリッジに収容しているインクの残量情報である。記憶部には、印刷によって消費されたインク量を差し引いた最新のインク残量が記憶されていて、常に、最新のインク残量を確認できる。なお、記憶している情報は、インク残量情報のほかに、インクが残り少なくなったことを、インク残量情報と比較して判定するためのニアエンド閾値や、インクの色情報などがある。また、印刷装置の電源が不意に遮断されても、インクカートリッジの記憶部には、最新のインクに関する情報が保持されており、正しいインク残量が分からなくなるような事態は、回避できる。
この場合、記憶部は、書き換え可能な不揮発性のメモリである、ことが好ましい。
この構成によれば、記憶部は、頻繁にインクに関する情報を更新することができ、常に、最新のインクに関する情報を保持している。また、インクに関する情報を記憶しておくための電源が不要で、印刷装置からインクカートリッジを取り外しても、インクに関する情報は保持されている。
この場合、インクカートリッジは、複数種類のインクを収容しており、記憶部は、複数種類のインクのそれぞれに関する情報を個別に記憶している、ことが好ましい。
この構成によれば、複数種類のインクを使い分けてさらに多様な印刷ができる。使用量の異なるそれぞれのインクに関する情報を、容易に管理することができる。
本発明の印刷装置の制御方法によれば、記憶部を備えたインクカートリッジを装着する装着部と、書込み読出し部と、ホストコンピュータから供給される印刷データを格納する受信バッファと、受信バッファに格納された印刷データに応じて、インクカートリッジからのインクをヘッドから被印刷物上へ吐出する印刷部と、を備えた印刷装置の制御方法であって、記憶部に格納されたデータであって、インクカートリッジ内のインク残量を示すデータを読み出して、書込み読出し部に格納するステップ(A)と、印刷部から所定量のインクが吐出された場合に、所定量に基づいて書込み読出し部に格納されたデータを更新するステップ(B)と、印刷装置とホストコンピュータとの間がオンライン状態であり、印刷部が非印刷状態であり、受信バッファに印刷データが格納されてなく、かつ、ステップ(B)によって記憶部のデータが更新されている場合に、更新されたデータを記憶部に格納するステップ(C)と、を有する。
この印刷装置の制御方法によれば、インクカートリッジの記憶部へインクに関する情報を書き込むステップが明確に設定されている。また、記憶部へ情報を書き込めるタイミングであっても、インクに関する情報に変化が生じている場合にのみ、記憶部へ情報を書き込むステップを実行する。従って、同じ情報を何度も書き込んで更新するような、無駄な処理が行われることがない。さらに、記憶部へ情報を書き込めるタイミング時には、ヘッド等が作動していない非印刷状態の時であり、情報の書き込みに障害となるノイズなどの影響を受けることもない。また、印刷装置の電源が不意に遮断されても、インクカートリッジの記憶部には、最新のインクに関する情報が保持されている。
この場合、インクカートリッジは、複数種類のインクを収容しており、記憶部へのインクに関する情報の書き込みは、複数種類のインクのそれぞれに関する情報を個別に書き込むステップに基づいて行われる、ことが好ましい。
この構成によれば、収容しているそれぞれのインクに関する情報を、記憶部へ書き込むステップにおいて、インク毎に該当するインクに関する情報を書き込むため、インクの個別管理が行える。
以下に添付図面を参照して、本発明の印刷装置について説明する。図1に示すように、印刷装置1は、制御部36と、インクの吐出等を行う図示していない機構部と、インクカートリッジ10を装着する装着部と、を備えている。インクカートリッジ10は、印刷装置1に装着されて、インクカートリッジ10が内蔵しているインクを印刷装置1へ供給する。また、インクカートリッジ10は、書き換え可能な不揮発性の記憶部15を備えている。記憶部15は、インクカートリッジが内蔵するインクに関する主な情報としてのインクの残量を記憶する、インク残量メモリ部51を有する。制御部36は、インクカートリッジ10の記憶部15およびホストコンピュータ(ホスト)との入出力を扱う入出力インタフェース、各種の処理を行うCPU、ROMおよびRAMを有している。
このような構成のインクカートリッジ10が印刷装置1に装着されると、インクカートリッジ10の記憶部15と印刷装置1の制御部36とが電気的に導通する。そして、インク残量メモリ部51から、インクカートリッジ10が内蔵するインクの残量等の情報が、制御部36へ読み込まれ保存(格納)される(ステップA)。印刷装置1が印刷を行い、インクを消費すると、インクカートリッジ10内のインクの残量が変化する。インク残量が変化すると、制御部36内で記憶しているインクの残量が、都度、更新される(ステップB)。更新されたインクの残量は、インクカートリッジ10の記憶部15へ書き込まれる(ステップC)。
なお、記憶部15に対して、更新されたインク残量の書き込みができるのは、印刷装置1がスリープを開始するときである。スリープ状態とは、印刷装置1がオンライン状態で、ヘッドからインクを吐出して印刷を行うなどのメカ動作がされていない非印刷状態であり、受信バッファにデータがない、いわゆる省電力状態のことである。
従って、制御部36は、待機状態(S10)からスリープ開始できるかをチェックする。まず、ステップS50でオンラインであることを確認し、オンラインであれば印刷中であるかどうかを確認する(S51)。ステップS50でオンラインでなければ待機状態へ戻る(S10)。次に、ステップS51で印刷中でなければ、受信バッファにデータがあるかどうかを確認する(S52)。ステップS51で印刷中であれば、待機状態をへて印刷を続行する。さらに、ステップS52で受信バッファにデータがなければ、記憶部への書き込み情報が更新されているかどうかを確認する(S53)。ステップS52で受信バッファにデータがあれば、待機状態へ戻る。最後にステップS53にて書き込み情報が更新されていれば、インクカートリッジ10の記憶部15へ更新されている情報を書き込み(S54)、スリープを開始する(S55)。ステップS53で書き込み情報が更新されていなければ、記憶部15へ書き込みをせずにスリープを開始する(S55)。
ここで、待機状態とは、電源OFFの状態を含めて、印刷装置1が即作動可能状態で次の指令を待つ状態のことである。また、オンライン状態とは、印刷装置1が電源ONの状態でホストと接続され、印刷などのメカ動作の作動中、あるいは待機状態にある場合を表す。
以上のように、インクカートリッジ10の記憶部15へのインクに関する情報の書き込みは、スリープ開始時に、インクに関する情報が変化している場合にのみ、実行される。スリープ開始時は、非印刷状態であって、情報の書き込みに障害となるノイズなどの影響を、受けることがなく、確実に書き込みがなされる。こうして、記憶部15には、常に、最新のインクに関する情報が記憶されている。
次に、本発明の印刷装置について、インクを液滴状態でヘッドから吐出して、被印刷物である用紙へ印刷を行うインクジェット方式の印刷装置1を例にして、さらに詳細に説明する。
図2は本発明に係わる印刷装置1の外観斜視図である。印刷装置1は、基部2と、基部2の一端部に位置する片持部4と、片持部4を介して片持ち支持されている記録部3とから構成されている。そして、基部2と記録部3との間には、用紙が挿入される用紙搬送路5が設けられている。用紙搬送路5は、片持部4以外の3方向が、正面開口5a、背面開口5b、側面開口5cとして連通している。また、記録部3の基部2側と反対側に、インクカートリッジ10の脱着等のための開口部7と、開口部7を塞ぐカバー6と、カバー6を記録部3へ取り付けるヒンジ6aと、カバー6の一隅にあり開閉を容易にするための開閉突起6bと、が設けられている。片持部4の背面開口5b側には、用紙搬送路5の用紙を押さえたり、あるいは開放するためのレリーズレバー8が備えられている。レリーズレバー8が用紙を開放している場合には、ユーザーは手動で用紙を抜き差しできる。そして、インクカートリッジ10が、開口部7から脱着可能なように、記録部3内へ収容されている。
図3は、インクカートリッジ10の外観図である。インクカートリッジ10は、印刷用のシアン色インクを収容するシアン色タンク11aと、マゼンタ色タンク11bと、イエロ色タンク11cと、クロ色タンク11dと、廃液タンク11eと、を順に連結して一体化した略直方体の収容部11を備え、インクカートリッジ10を印刷装置1からとりだすためのタブ16が、収容部11の一面に設けられている。また、各インクタンクは、タブ16が設けられている面と反対側の面に、インクを印刷装置1へ供給するためのインク供給口12をそれぞれ備え、廃液タンク11eは、廃液を受け入れるための廃液受入口13を備えている。
さらに、廃液タンク11eの一側面には、インクカートリッジ10に関する情報を記憶する記憶部15が設けられている。記憶部15は、書き換え可能な不揮発性のメモリであるフラッシュメモリなどのEEPROM(Electrically Erasable Programable ROM)である。
図4は、印刷装置1のインク供給系統の構成を示す断面図であり、図5は、印刷装置1の概構成を示す模式図である。両図を参照して印刷装置1のインクに関する部分から説明をする。印刷装置1の記録部3は、インクカートリッジ10を装着するカートリッジホルダ31と、カートリッジホルダ31からヘッド20へインクを供給するためのインク供給チューブ32と、ヘッド20を保持するキャリッジ25と、キャリッジ25の移動をガイドするガイド軸26、およびキャリッジ25に設けられているスライド溝40と係合するガイドプレート28と、を内蔵している。
ガイド軸26とガイドプレート28とは、記録部3の側面開口5c側から片持部4の方向へ延在しており、このため、キャリッジ25は、ガイド軸26、ガイドプレート28に沿って移動可能である。キャリッジ25の移動は、ガイドプレート28と平行に配置され、両端を回転自在のプーリーで張設されている、リング状のタイミングベルト41によって行われる。片持部4側のプーリ―42は、モータと連動しており、プーリー42の回転によってタイミングベルト41が回転し、タイミングベルト41と連結しているキャリッジ25を移動させることができる。
カートリッジホルダ31からは、さらに、廃液をインクカートリッジ10へ受け入れるための廃液チューブ33が設けられており、片持部4の下部に設置されているポンプ34、キャッピング部35と連通している。キャッピング部35は、ヘッド20の機能を維持するためのメンテナンス装置である。ヘッド20がキャッピング部35の直上へ移動して来ると、キャッピング部35はカム機構によって上昇し、ヘッド20と密着する。そして、ポンプ34の吸引作用によりヘッド20からインクを強制的に吸引する。この吸引作用によって、インク乾燥によるヘッド20の詰まり、異物の付着、等を防ぐことができる。このメンテナンスをクリーニングと称する。また、印刷の途中において、キャッピング部35の位置で、ヘッドから一斉にインクを吐出して、インク吐出の少ないヘッド部が、詰まりなどの異常をきたさないようにする。このメンテナンスをフラッシングと称する。クリーニング、フラッシングは、所定量の印刷がなされた時点で定期的に行われ、常に、正常なインク吐出のできる状態が維持される。
ここで、インクカートリッジ10を装着する装着部であるカートリッジホルダ31について説明する。カートリッジホルダ31は、インクカートリッジ10を装着する内側部分に、インクカートリッジ10の対応するインク供給口12からインクを受け入れる4つのインク受入部18と、廃液受入口13へ廃液を供給する廃液供給部17と、記憶部15と導通してデータの授受を行うホルダ基板部14と、を備えている。
カートリッジホルダ31へインクカートリッジ10が装着されると、インク供給口12とインク受入部18とが接続され、各インク色毎にインク供給チューブ32a、32b、32c、32dを通してヘッド20へ供給される。この時、ホルダ基板部14に対してインクカートリッジ10の記憶部15が、反対方向へ向いて装着されないように、インクカートリッジ10の記憶部15が設けられている面は角状で、反対側の面は円弧状となっている。カーリッジホルダ31も、ホルダ基板部14が設けられている面は角状で、反対側の面は円弧状となっている。従って、インクカートリッジ10は、カートリッジホルダ31へ正しい方向でのみ、確実に押し込むことができる。
この場合、インクカートリッジ10と、キャリッジ25とが別々に離れて位置する、いわゆるオフキャリッジ構造を採用しているが、キャリッジ25がインクカートリッジ10を背負う構成で、一体となって移動する、いわゆるオンキャリッジ構造を採用することも可能である。
次に、用紙9の搬送機構について説明する。印刷装置1の背面開口5bから正面開口5aに至る用紙搬送路5の下面は、板状部材のプラテン21で主に構成され、さらに用紙9の搬送の上流側である背面開口5b方向から、用紙9を感知するBOFレバー27と、用紙送りローラ24と、用紙搬送サブローラ30と、が配置されている。プラテン21と対向する用紙搬送路5の上面は、背面開口5b方向から、用紙ガイド22と、用紙送りローラ24に対峙する用紙搬送メインローラ23と、キャリッジ25と、用紙搬送サブローラ30に対峙するTOFレバー29と、が配置されている。TOFレバー29は、BOFレバー27と同様、用紙9を感知するためのものである。そして、プラテン21の下方には、制御部36が配置されている。
印刷装置1では、図4に示すように用紙搬送路5の上下方向が離れている状態の時、用紙9を挿入することができる。用紙搬送路5に用紙9を挿入して、レリーズレバー8を上げると、プラテン21が上昇して用紙を挟み込む。この時、BOFレバー27は用紙9によって押し下げられ、TOFレバー29は押し上げられて、それぞれ用紙9が挿入されたことを感知する。用紙9は、用紙搬送メインローラ23と用紙送りローラ24とで挟まれ、モータで駆動される用紙搬送メインローラ23の回転によって、背面開口5b方向へ一旦送られる。用紙9がTOFレバー29から離れると、その位置が用紙9の先端部であると認識して、その後の用紙9送りを制御する基準とする。用紙9が、BOFレバー27あるいはTOFレバー29のどちらかにかかっていない状態で挿入されると、まず、両レバーで用紙9が感知される位置まで、用紙を移動させてから、先端部の認識を行う。
このように用紙搬送路5の3方向が開口している構成であるため、特に、綴じられた多数の用紙の中の一枚に、綴じたまま印刷することなどの、特殊な状態での印刷が可能である。定型紙給材装置やロール紙給材装置を取り付けての自動給紙も可能である。
次に、図6を基にヘッド20の構成について説明する。図6は、ヘッド20を用紙9の側から見た図である。ヘッド20は、インクを吐出する128個のノズル45を有する。そして、128個のノズル45は、それぞれ64個のノズル45を有するA列、B列の2つのノズル列からなる。A列に属するノズル45のうち、32個のノズル45(20a)は、シアン色のインクを吐出し、残りの32個のノズル45(20b)は、マゼンタ色のインクを吐出する。同様に、B列のノズル45の20c、20dは、それぞれイエロ色とクロ色を吐出する。この構成のヘッド20では、A列およびB列が用紙9の搬送方向と同じ方向に配置されており、印刷時に32個のノズル45で印刷した幅ずつ用紙送りが行われる。例えば、インクがすべてクロ色の単色印刷の場合、64個のノズル45で印刷した幅で用紙送りができ、印刷速度を早めることも可能である。
ノズル45からインクを吐出する機構は、既に知られている静電アクチュエータ方式を用いており、顔料系、染料系等のインクの種類に適した吐出パターンや、吐出量を設定することができる。従って、インクを幅広く選定でき、多用途の印刷に対応できるものである。異なったインクを収容しているインクカートリッジ10を使用する場合には、印刷装置1のインク流路の洗浄が必要となる。その場合、インクの代わりに洗浄液を収容したインクカートリッジ10を、印刷装置1に装着し、クリーニングを行う。洗浄液は同じインクカートリッジ10へ廃液として回収されるため、印刷装置1側は、洗浄のためのプログラムや付加装置等の、特別な配慮が不要である。なお、インクを吐出する機構は、静電アクチュエータ方式以外に、ピエゾ素子や電気熱変換素子を用いた方式であっても良い。
さらに、インクカートリッジ10は、インクの収容部と廃液の収容部とが一体の構成のものが、扱いやすいが、インクと廃液の収容部を別体にして、それぞれ個別に交換することも可能である。また、インクも各色を別体の収容部として、それぞれ個別に交換できるようにしても良い。こうすることにより、各インク色および廃液をより緻密に個別管理することができる。
以上、印刷装置1の構成および作用について説明した。次に、インクに関連する印刷装置1の制御方法について述べる。図7は、インクカートリッジ10の記憶部15と印刷装置1の制御部36とのデータ処理の概念を示すフローチャートである。インクカートリッジ10が印刷装置1へ装着されると、インクカートリッジ10の記憶部15と印刷装置の制御部36とが電気的に導通し、記憶部15のインクに関するデータが制御部36へ送出される(ステップS1)。制御部36において、CPU53の制御下に、記憶部15のデータがRAM55に取り込まれ、ヘッド20やポンプ34の駆動制御等が予め組み込まれているROM54の情報と合わせて、各種制御が行われる。
インクに関する主なデータは、図8のインクカートリッジ10の記憶部15に示す通り、インク残量を記憶するインク残量メモリ部51と、インクが残り少なくなったことを判定するためのニアエンド閾値を記憶するニアエンド閾値メモリ部50と、廃液量を記憶する廃液量メモリ部61と、廃液量が廃液タンク11eに満杯近いことを判定するためのニアフル閾値を記憶するニアフル閾値メモリ部60と、である。その他に、インクが顔料系か染料系かの種別や、収容しているインクの色や、製造年月日・シリアル番号などの情報がある。このうち、印刷装置1のインク消費に基づき編集および更新されるデータは、インク残量の値と、廃液量の値である。
記憶部15から送出されたデータ(情報)は、制御部36のRAM55の生データ領域へ取り込まれ保存(格納)される(S2)。さらに、インク残量値と、廃液量値とは、編集のため編集データ領域へ送られる(S3)。編集データ領域のデータは、変数(パラメータ)として扱われ、パラメータ作業領域に取り込まれて演算される(S4)。パラメータ作業領域での演算時には、ヘッド20からのインクの吐出回数を数えることによって、インクの消費量を算出するショットカウンタ値領域からのデータの取り込み(S5)と、フラッシングおよびクリーニングによるインクの消費量を算出するフラッシングカウンタ値領域からのデータの取り込み(S6)とを行う。また、インクの種別による、ヘッド20の吐出パターンや、一回の吐出によるインク吐出量等の各データも取り込む(S7)。
ショットカウンタ値領域は、印刷にかかわるヘッド20からのインクの吐出回数を計数してインク消費量算出の処理を行う。また、フラッシングカウンタ値領域は、キャッピング位置でのヘッド20からのフラッシングによるインク吐出回数を計数するとともに、同じくキャッピング位置でのクリーニングによるインク吸引量を、ヘッド20からのインク吐出回数に置き換えて計数することにより、インク消費量算出の処理を行う。つまり、インクの総消費量は、ショットカウンタ値領域とフラッシングカウンタ値領域で算出したインク消費量の合計である。そして、廃液として回収するインクの量は、フラッシングカウンタ値領域で算出したインク消費量が該当する。インク量は、吐出回数を代用値として表される。
ショットカウンタ値領域におけるインク消費量算出の処理は、ヘッド20からのインクの吐出回数が、一定の回数に達するごとに、パラメータ作業領域において取り込まれているインク残量値から所定の値、例えば1Digitずつを減算していく。この場合、インク残量値は、一定の吐出回数で吐出されるインク量を基に、Digit値に換算した値を用いる。ヘッド20からインクが吐出されると、インク残量を示すDigit値がしだいに減少していき、インクが消費される過程が把握できる。なお、この処理は、インクカートリッジ10が収容しているインク色毎に行われる。
フラッシングカウンタ値領域におけるインク消費量算出の処理も、同様に行われ、吐出回数が、一定の回数に達するごとに、パラメータ作業領域において取り込まれている廃液量値から所定の値、例えば1Digitずつを減算していく。この場合、廃液量値は、一定の吐出回数で吐出されるインク量を基に、収容できる廃液量をDigit値に換算した値を用いる。フラッシングおよびクリーニングが行われると、廃液量を示すDigit値がしだいに減少していく。
ここでは、Digit値を減算する処理方法を説明したが、加算して行く処理方法であっても、同様にインク残量、廃液量を管理できる。また、インク残量、廃液量をDigit値に換算せずに、例えば、インクカートリッジ容量を50cc、一定吐出回数のインク吐出量を0.1ccと算定して、容量値をそのまま使用しても良い。あるいは、容量値ではなく重量値を使用することも可能である。
このように、パラメータ作業領域で処理されたインク残量および廃液量のデータは、記憶部15からデータを読み出すのと逆の流れにより、記憶部15へ書き込まれる。まず、パラメータ作業領域で処理されたデータは、編集データ領域へ書き込まれて保存される。この時、編集データ領域からパラメータ作業領域へ、データを読み込んで処理を行い、再び編集データ領域へ処理データを書き込む、という一連の作業は、常に1セットになっており、都度セットで実行される。編集データ領域に書き込まれたデータは、生データ領域のデータと比較され、データが更新されているかどうかの判定を受け、データが更新されていればインクカートリッジ10の記憶部15へ書き込まれる。データを記憶部15へ書き込むのは、既述したように印刷装置1がスリープを開始する直前である。
以上述べたデータ処理について、図8のブロック図を参照して、さらに詳細に説明する。インクカートリッジ10の記憶部15は、インク内蔵量に関する情報として、インク残量を記憶するインク残量メモリ部51と、ニアエンド閾値を記憶するニアエンド閾値メモリ部50と、廃液量を記憶する廃液量メモリ部61と、ニアフル閾値を記憶するニアフル閾値メモリ部60と、を有する。
インクカートリッジ10が印刷装置1に装着されると、印刷装置1の制御部36の書込/読出部(書込み読出し部)78は、記憶部15からインク残量、ニアエンド閾値、廃液量およびニアフル閾値を読み出して保存する。書込/読出部78は、図7で述べた生データ領域に該当する。そして、インク残量および廃液量は、編集データ領域/パラメータ作業領域であるインク消費量演算部72と廃液量演算部76へ、それぞれ取り込まれる。
処理部でもあるインク消費量演算部72は、ヘッド20から吐出されたインク消費量を算出するため、ショットカウンタ値領域である印刷制御部70、フラッシングカウンタ値領域であるフラッシング制御部73およびクリーニング制御部74へアクセスして、それぞれが持っているデータを基に全インク消費量を算出する。
印刷制御部70は、印刷制御部70の受信バッファに格納しているホストからの印刷指令により、印刷部であるヘッド駆動部71を介して、各色のインクを吐出するヘッド20a、20b、20c、20dを駆動させ、用紙9へ印刷を行う。同時に、印刷に要したインク吐出回数をカウントしており、インク消費量演算部72は、第一の演算として、この吐出回数をインク消費量の値として算出する。
また、クリーニング制御部74は、一定の印刷実行後等に、ポンプ駆動部75を介して、ヘッド20からインクを吸引するクリーニングを行う。また、インクカートリッジ10装着時には、ヘッド20までインクが充填するように、インクの吸引を行う。インク消費量演算部72は、第二の演算として、ポンプ一回転のインク吸引量とポンプ34の回転数とから吸引したインク量を算出する。インク量としては、第一の演算に合わせて、吸引したインク量をヘッド20からのインク吐出回数に置き換えた値にして用いる。クリーニングは、ホストからの指令による実行や、印刷装置1に設けられているボタン等のクリーニング指令部79の指令を、検知部80で受けて強制的に実行することもできる。この強制クリーニングによるインク消費量も、第二の演算に含まれる。
さらに、フラッシング制御部73は、一定の印刷実行毎に行われるフラッシングによって吐出されるインク量を算出する。インク消費量は、印刷制御部70と同様に吐出回数で算出される(第三の演算)。そして、これらの各演算結果に基づいて、インク残量が新たに算出される(第四の演算)。新たに算出されたインク残量は、書込/読出部78を通じて、印刷装置1がスリープを開始する都度、インクカートリッジ10のインク残量メモリ部51へ書き込まれる。このようにして、インク残量メモリ部51は、常に最新のインク残量情報を保持している。
インク残量メモリ部51へ書き込まれる更新されたインク残量は、一定の吐出回数を1DigitとしてDigit数で表されている。そのため、電源OFF等の作動終了時には、一定の吐出回数に満たない端数回数の処理を行う。端数回数が一定の吐出回数の半分以上の回数の場合は、繰り上げて1Digitとして扱う。以下の場合は、切り捨てる。繰上げの端数処理が行われたことは、インク残量メモリ部51へフラグとして記憶される。
廃液量演算部76は、第二の演算および第三の演算によるインク消費量を、廃液と判断して、既に読み込まれている廃液量の値を更新する。更新された廃液量は、インク残量と同様、書込/読出部78を通じて、インクカートリッジ10の廃液量メモリ部61へ書き込まれる。このようにして、廃液量メモリ部61は、常に最新の廃液量情報を保持している。
判定部77は、書込/読出部78に読み込まれているニアエンド閾値と、インク消費量演算部72による第四の演算で算出された新たなインク残量と、を比較していて、インク残量の値がニアエンド閾値に達した場合に、インク残量が残り少なくなったニアエンドの状態である、と判定する。そして、表示部56にニアエンドであるとの表示を、LEDのランプ点滅で行う。
判定部77は、さらに、書込/読出部78に読み込まれているニアフル閾値と、インク消費量演算部72による第二および第三の演算で算出された新たな廃液量と、を比較していて、廃液量の値がニアフル閾値に達した場合に、廃液量が廃液タンク11eに満杯に近くなったニアフルの状態である、と判定する。そして、表示部56にニアフルであるとの表示を、LEDのランプ点滅で行う。これらニアエンド、ニアフルの表示は、液晶パネルによる画像や文字によって行い、ユーザーに知らせる方法もある。
ここで、インクカートリッジ10の記憶部15のデータ構造について簡単に説明する。表1がデータ構造の一部を表す表である。記憶部15は、更新情報として、4種類のインクのインク残量と、廃液吸収可能量とを持ち、閾値情報として、インクのニアエンド閾値と、廃液のニアフル閾値と、を持っている。すなわち、インクカートリッジ10にかかわる固有の情報は、すべて記憶部15で有していることになる。
Figure 2005212381
このように、インクカートリッジ10の記憶部15が、インク残量等の情報に加え、ニアエンド閾値をも有することにより、印刷装置1の制御部36は、装着可能なインクカートリッジ10の個別情報を保持する必要が無くなる。従って、制御部36は、インク残量の更新、更新したインク残量とニアエンド閾値との比較判定などの、汎用的な処理が行えればよく、インクカートリッジ10の新規追加、仕様変更などがあっても、制御部36のプログラム変更を行う等の必要が無い。廃液量についても同様である。
次に、図9、図10、図11を参照して、インクカートリッジ10を装着した印刷装置1によるインク関連の処理の流れについて説明する。図9は、印刷装置1の待機状態からの演算処理およびデータ保存処理の流れを示すフローチャートである。フローは、A、B、C、Dの4つのフローがある。待機状態とは、電源OFFの状態を含めて、印刷装置が即作動可能状態で次の指令を待つ状態のことである。フローAは、待機状態(ステップS10)から、電源がONされた時、あるいは電源ONの待機状態で、インクカートリッジ10の交換等で開けられていたカバー6が閉じられて、カバークローズ状態になった時に実行され、インクカートリッジ10の記憶部15からデータを読み出して、各種の判定処理を行う(S11)。判定処理が終わると判定結果に応じたレスポンスを行い(S12)、待機状態へ戻る(S10)。
フローB(ステップB)は、クリーニング開始直前と、1パスの印字終了後と、インク量計算および判定要求がなされた時と、に実行され、インク残量の算出、インク状態の判定を行い(S13)、待機状態へ戻る(S10)。
フローCは、印刷が終了して電源OFFの入力時、データを強制的に保存する保存要求時、インクカートリッジ10交換のためのカバーオープン時に実行され、データがインクカートリッジ10の記憶部15へ保存される(S14)。
フローDは、スリープが開始される直前に実行され、データがインクカートリッジ10の記憶部15へ保存される(S15)。スリープの状態とは、印刷装置1がオンラインであって、ヘッドからインクを吐出して印刷を行うなどのメカ動作がされていない非印刷状態であり、受信バッファにデータがない、いわゆる省電力状態のことである。フローCによるデータの記憶部15への保存に加え、フローDによってもデータを記憶部15へ、都度保存するため、記憶部15は、常に最新のインク残量等の情報を記憶している。フローDでデータを記憶部15へ保存するのは、データが更新されている場合の更新されている部分だけであり、データが更新されていない場合、保存の実行はなされない。
まず、図10を参照して、フローAの流れの詳細な説明から行う。待機状態(S10)から、最初に、記憶部15のデータを書込/読出部78へ読み出して保存し(S21)、判定部77にて以下の判定を行う。まず、インクカートリッジ10の有無を判定し(S22)、有りならば、印刷装置1が使用するインクの色モードが確定しているかどうかの判定をする(S23)。インクカートリッジ10を装着せずにカバークローズしたり、インクカートリッジ10のデータが読み込めなかった場合等は、インクカートリッジ10が無しと判定して処理する(S24)。ステップS23にて色モードが確定していれば、印刷装置1の色モードとインクカートリッジ10の色モードとが合致しているかを判定する(S25)。色モードが確定していなければ、印刷装置1の色モードを、装着したインクカートリッジ10の色モードに設定し(S26)、ステップS27の処理へ進む。
ステップS25にて印刷装置1の色モードととインクカートリッジ10の色モードとが合致していれば、インクカートリッジ10が新品かどうかの判定を行う(S27)。S25において、合致していなければ、インクカートリッジ10無しの判定をして処理する(S24)。S27において、インクカートリッジ10が新品であると判定されれば、次回再装着されることがあった場合に、新品と判定されないように、インクカートリッジ10の新品フラグをOFFにして、記憶部15のデータを書き戻し処理する(S28)。この時同時に、印刷装置1側の新品交換カウンタの回数を1回増やす処理を行い、次に、新品交換回数が5回になったかどうかを判定する(S29)。5回に達していれば、交換クリーニングフラグをセットし、クリーニング開始指令を出す。そして印刷装置1側の新品交換カウンタの回数をクリアし(S30)、判定終了レスポンスを行う(S35)。5回に達していなければ、判定終了レスポンスを行う(S35)。
ステップS27で新品でないと判定されると、前回装着したインクカートリッジ10と同じものか、交換されたものかを判定する(S31)。交換されたものである場合には、印刷制御部70、フラッシング制御部73が持っている吐出回数(ショット数)、クリーニングを含めたフラッシングの吐出回数をクリアし、インクカートリッジ10の持つインク残量に置き換える。同時に制御部36のニアエンド閾値も置き換える(S32)。インクカートリッジ10が交換されていない場合には、インクカートリッジ10に書き込まれている端数処理のフラグを認識して、繰上げの端数処理が行われていれば、フラグ設定をクリアする(S33)。ステップS32およびS33は、インク残量についてだけでなく、廃液量、ニアフル閾値についても、同様に処理される。ステップS32あるいはS33のあと、インク残量がニアエンド閾値に達しているか、また、廃液量がニアフル閾値に達しているか、を判定して、達していればニアエンド、ニアフルの表示指示を行い(S34)、判定終了レスポンスを行う(S35)。判定終了レスポンスを行った後、待機状態へ戻る。
以上のようなフローAによって、装着されたインクカートリッジ10のインク残量、廃液量等のインク情報を正しく認識でき、印刷途中のインク切れ、廃液溢れなどの障害を防ぐことができる。インク情報は、インクカートリッジ10にすべて記憶され、印刷装置1で情報を持つ必要がない。
次は、図11を参照して、フローB、フローCおよびフローDについて説明する。フローBは、ステップS41の容量計算処理において、クリーニングを行うのに必要なインク残量の確認と、1パスの印字終了後に消費したインク量の算出と、判定要求内容の確認と、インク消費量の内、廃液となるインク量の算出と、を行う。そして、インク消費量演算部72でインク残量の新たな算出と、廃液量演算部76で廃液量の新たな算出とが行われる。次いで、インク状態判定処理S42において、容量計算処理S41で算出されたインク残量および廃液量と、ニアエンド閾値およびニアフル閾値とをそれぞれ比較して、インク状態を判定する。この判定結果を基に、計算・判定終了レスポンスS43において、インク残量がニアエンド状態か、廃液量がニアフル状態か、正常状態か、をレスポンスする。ニアエンドあるいはニアフルの状態と判定された場合は、表示部56に状態表示を表示する。
ステップS43の後、1パスの印字終了後のインク量計算の場合は、待機状態を経て印字を継続し、判定要求の場合は、待機状態に戻る。クリーニングの場合は、クリーニングを実行してフローCへ進む。
フローCは、インク残量値、廃液量値の端数処理S44において、印刷制御部70、フラッシング制御部73、およびクリーニング制御部74のそれぞれで計数している吐出回数の中で、一定の吐出回数に満たない端数回数を処理する。端数回数が一定の吐出回数の半分以上の回数の場合は、1Digitとして繰り上げ、以下の場合は、切り捨てる処理を、インク消費量演算部72が行い、インク残量を算出する。廃液量演算部76は、廃液となるフラッシング制御部73およびクリーニング制御部74の端数回数の処理を行い、廃液量を算出する。
端数処理が行われたインク残量および廃液量は、書込/読出部78を介してインクカートリッジ10の記憶部15へ書き込まれる(S45)。正常に書き込みが行われると、書き込み終了のレスポンスを指示元へ行い(S46)、待機状態へ戻り、指令された電源OFF等の状態となる。
そして、フローDは、まず、待機状態(S10)からスリープ開始できるかどうかをチェックするため、ステップS50でオンラインであることを確認し、オンラインであれば印刷中であるかどうかを確認するステップS51へ進む。ステップ50でオンラインでなければ待機状態へ戻る(S10)。次に、ステップS51で印刷中でなければ受信バッファにデータがあるかどうかを確認するステップS52へ進む。ステップS51で印刷中であれば待機状態をへて印刷を続行する。さらに、ステップS52で受信バッファにデータがなければ、記憶部への書き込みをする情報が更新されているかどうかを確認するステップS53へ進む。ステップS52で受信バッファにデータがあれば待機状態へ戻る(S10)。最後にステップS53にて書き込み情報が更新されていれば、インクカートリッジ10の記憶部15へ、更新されている情報を書き込むステップS54を経て、ステップS55のスリープを開始する。ステップS53で、書き込み情報が更新されていなければ、記憶部15へ書き込みをせずに、ステップS55のスリープを開始する。スリープ状態は、印刷装置1へ次の指令が入力されるまで継続し、指令が入力されると、印刷装置1は、待機状態(S10)を経て指令を実行する。
以上が、インクに関連する処理の流れである。最後に、これまで説明した印刷装置および印刷装置の制御方法による効果をまとめて述べる。
(1)インクカートリッジ10の記憶部15への、インクに関する情報の書き込みは、印刷装置1によって印刷等がなされて、インクに関する情報に変化が生じている場合にのみ、実行される。従って、同じ情報を何度も書き込んで更新するような、無駄な処理が行われることがない。
(2)記憶部15へインクに関する情報を書き込めるスリープ開始時は、ヘッド等の機構が作動していない非印刷状態の時であり、情報の書き込みに障害となるようなノイズなどの発生がない。従って、確実に、記憶部15へインクに関する情報を書き込むことができる。
(3)インクカートリッジ10の記憶部15には、常に、最新のインクに関する情報が保持されている。仮に、印刷装置1の電源が不意に遮断されて、フローCの処理がなされずに印刷装置1が停止してしまっても、記憶部15の記憶するインク残量情報と、実際にインクカートリッジ10に残っているインク量と、が乖離することがない。つまり、正確なニアエンド判定が行える。
(4)通常、印刷装置1の電源が不意に遮断された場合に、記憶部15へのインクに関する情報を書き込んでから印刷装置1が停止できるようにするためには、回路上の電源検知部や、大容量コンデンサなどのバックアップ電源が必要である。本発明に係わる印刷装置1では、記憶部15に、常に、最新のインクに関する情報が保持されているため、電源検知部や、バックアップ電源は、不必要である。
(5)インクカートリッジ10の記憶部15は不揮発性のメモリであって、インクに関する情報を記憶しておくための電源が不要で、印刷装置1からインクカートリッジ10を取り外しても、インクに関する情報は保持されている。
(6)記憶部15に、フラッシュメモリを用いており、読み出し書き込みが瞬時にできる。そのため、インク情報の更新を随時行っても、印刷装置1の各種レスポンスを遅くする等の負荷がほとんどない。
(7)インクカートリッジ10が、複数色のインクを一体のインクカートリッジ内に収容せずに、個別の単体インクカートリッジに収容する場合でも、単体インクカートリッジ毎に記憶部15を設けて、一体のインクカートリッジ10と同様にインクに関する情報を管理できる。
(8)インクカートリッジ10の仕様は記憶部15に記憶され、印刷装置1は、記憶部15からのデータの読み出し、記憶部15へのデータの書き込み、比較判定等の汎用処理ができればよい。つまり、インクカートリッジ10の仕様変更等に対応した印刷装置1側のプログラムなどのバージョン変更が不要である。
本発明に係る印刷装置とインクカートリッジとのデータ授受関係を示す模式図。 印刷装置の外観斜視図。 インクカートリッジの外観図。 印刷装置のインク供給系統の構成を示す断面図。 印刷装置の概構成を示す模式図。 ヘッドの構成を示す平面図。 インクカートリッジ記憶部と印刷装置とのデータ処理の概念を示すフローチャート。 インクカートリッジ記憶部と印刷装置とのインク量に関する処理を示すブロック図。 待機状態からの演算処理およびデータ保存処理の流れを示すフローチャート。 電源ON時の実行処理の流れを示すフローチャート。 インク消費量の演算およびデータ書き込みの処理の流れを示すフローチャート。
符号の説明
1…印刷装置、10…インクカートリッジ、11…収容部、14…ホルダ基板部、15…記憶部、20…ヘッド、31…カートリッジホルダ、35…キャッピング部、36…制御部、51…インク残量メモリ部、70…印刷制御部、72…インク消費量演算部、73…フラッシング制御部、74…クリーニング制御部、77…判定部、78…書込/読出部。

Claims (5)

  1. 記憶部を備えたインクカートリッジを装着する装着部と、
    前記記憶部に格納されたデータであって、前記インクカートリッジ内のインク残量を示すデータを読み出して格納する書込み読出し部と、
    ホストコンピュータから供給される印刷データを格納する受信バッファと、
    前記受信バッファに格納された前記印刷データに応じて、前記インクカートリッジからのインクをヘッドから被印刷物上へ吐出する印刷部と、
    前記印刷部から所定量の前記インクが吐出された場合に、前記所定量に基づいて前記記憶部に格納された前記データを更新する処理部と、
    を備えた印刷装置であって、
    前記印刷装置とホストコンピュータとの間がオンライン状態であり、前記印刷部が非印刷状態であり、前記受信バッファに前記印刷データが格納されてなく、かつ、前記記憶部の前記データが更新されている場合に、前記書込み読出し部は、更新された前記データを前記記憶部に格納する、
    印刷装置。
  2. 前記記憶部は、書き換え可能な不揮発性のメモリである請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記インクカートリッジは、複数種類の前記インクを収容しており、
    前記記憶部は、前記複数種類のインクのそれぞれに関する情報を個別に記憶している
    請求項1または2に記載の印刷装置。
  4. 記憶部を備えたインクカートリッジを装着する装着部と、
    書込み読出し部と、
    ホストコンピュータから供給される印刷データを格納する受信バッファと、
    前記受信バッファに格納された前記印刷データに応じて、前記インクカートリッジからのインクをヘッドから被印刷物上へ吐出する印刷部と、
    を備えた印刷装置の制御方法であって、
    前記記憶部に格納されたデータであって、前記インクカートリッジ内のインク残量を示すデータを読み出して、前記書込み読出し部に格納するステップ(A)と、
    前記印刷部から所定量の前記インクが吐出された場合に、前記所定量に基づいて前記書込み読出し部に格納された前記データを更新するステップ(B)と、
    前記印刷装置とホストコンピュータとの間がオンライン状態であり、前記印刷部が非印刷状態であり、前記受信バッファに前記印刷データが格納されてなく、かつ、前記ステップ(B)によって前記記憶部の前記データが更新されている場合に、更新された前記データを前記記憶部に格納するステップ(C)と、を有する、
    印刷装置の制御方法。
  5. 前記インクカートリッジは、複数種類の前記インクを収容しており、
    前記記憶部への前記インクに関する情報の書き込みは、前記複数種類のインクのそれぞれに関する情報を個別に書き込むステップに基づいて行われる
    請求項4に記載の印刷装置の制御方法。
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