JP2005208677A - 乾式トナーの製造方法、及び現像方法、転写方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 固体の微粒子分散剤を用いてトナー組成物を水系媒体中で分散し、水と溶解可能な有機溶媒の含まれる水系媒体中で分散後、体積収縮工程を経て粒子化することを特徴とする乾式トナーの製造方法。
【選択図】 なし
Description
従来、電子写真、静電記録、静電印刷などに用いられる乾式トナーとしては、スチレン系樹脂、ポリエステルなどのトナーバインダーを着色剤などと共に溶融混練し微粉砕したものが用いられている。
しかし、球状のトナーは、感光体や転写媒体に残ったトナ−を除去するための装置(例えばクリーニングブレードやクリーニングブラシ)では除去できずクリーニング不良が発生してしまう。また、球状であるが故にトナーの表面が全方位外側に露出しており、キャリアや帯電ブレードなどの帯電部材との接触に晒され易く、トナー表面の外添剤や最表面に存在する帯電制御剤がトナー表面に埋め込まれ易く、トナーの流動性が直に低下してしまうなど耐久性に問題があった。
懸濁重合によるトナー製造法においては、球状のトナーしか製造できず、また水中への懸濁分散時に不規則にせん断を受けるため超微粉が発生し易く、クリーニング性、キャリアや機械部品への固着の問題は解決されていない。
一方、乳化重合によるトナー製造法においては、不定形のトナーから球形まで製造できるが、後処理の加熱による形状調節が必要であり、また水中での凝集、会合時に凝集しなかった超微粉が残り易く、そのような微粒子によるキャリア汚染や機械部品への固着の問題は解決されていない。
この方法はトナー材料を低沸点有機溶媒などの揮発性溶剤に分散、溶解させ、これを分散剤の存在する水系媒体中で乳化、液滴化した後に揮発性溶剤を除去するものである。その際、液滴の体積収縮が起こるが、分散剤として水系媒体に溶解しない固体微粒子分散剤を選択した場合、不定形の粒子しか得られなかった。また生産性を高めるために溶剤中の固形分量を多くした場合、分散相の粘度が上昇し、結果的に得られる粒子は粒径が大きくその分布もブロードとなってしまった。逆に、用いる樹脂の分子量を小さくして分散相の粘度を下げた場合には、定着性(特に耐ホットオフセット性)を犠牲にしなければならなかった。
また水中への懸濁分散時に不規則にせん断を受けるため超微粉が発生し易く、キャリアや機械部品への固着の問題は依然として解決されていない。
また、これらの乾式トナーは紙などに現像転写された後、熱ロールを用いて加熱溶融することにより定着が行われている。その際、熱ロール温度が高過ぎるとトナーが過剰に溶融し熱ロールに融着する問題(ホットオフセット)が発生するし、熱ロール温度が低過ぎるとトナーが充分に溶融せず定着が不十分になる問題が発生する。
しかしながら、熱ロールにシリコーンオイルを塗布する方法は、オイルタンク、オイル塗布装置を必要とし、装置が複雑かつ大型となる。また、熱ロールの劣化をも引き起こし、一定期間毎のメンテナンスを必要とする。更に、コピー用紙、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)用フィルム等へのオイルの付着が避けられず、とりわけOHPにおいては付着オイルによる色調の悪化の問題がある。
また、今まで形状に重要な影響を与える固体微粒子分散剤を用いた場合の体積収縮率に着目して形状を制御しようとする試みはなかった。
1) 固体の微粒子分散剤を用いてトナー組成物を水系媒体中で分散し、水と溶解可能な有機溶媒の含まれる水系媒体中で分散後、体積収縮工程を経て粒子化することを特徴とする乾式トナーの製造方法。
2) 体積収縮後に固体の微粒子分散剤を除去する工程を有することを特徴とする1)記載の乾式トナーの製造方法。
3) トナー組成物が変性ポリエステルを含むことを特徴とする1)又は2)記載の乾式トナーの製造方法。
4) 変性ポリエステルを含むトナー組成物を有機溶剤に溶解又は分散させ、水と溶解可能な有機溶媒の含まれる水系媒体中で分散する工程中に、ウレタン又はウレア結合を有するポリエステルを生成させることを特徴とする3)記載の乾式トナーの製造方法。
5) 現像ロール及び該現像ロール上に供給する現像剤の層厚を均一に規制する現像ブレードを備えた複数の現像装置によって、単一の感光体上に形成された各色に分割された静電潜像をそれぞれの色に対応する現像剤により現像する方法において、1)〜4)の何れかの方法で製造された乾式トナーを用いた現像剤を使用することを特徴とする現像方法。
6) 現像ロール及び該現像ロール上に供給する現像剤の層厚を均一に規制する現像ブレードを備えた複数の現像装置によって、単一の感光体上に形成された各色に分割された静電潜像をそれぞれの色に対応する現像剤により現像し、電界によって中間転写体に転写する方法において、1)〜4)の何れかの方法で製造された乾式トナーを用いた現像剤を使用することを特徴とする転写方法。
7) 現像ロール及び該現像ロール上に供給する現像剤の層厚を均一に規制する現像ブレードを備えた複数の現像装置によって、現像装置に対応した複数の感光体上に形成された各色に分割された静電潜像をそれぞれの色に対応する現像剤により現像する方法において、1)〜4)の何れかの方法で製造された乾式トナーを用いた現像剤を使用することを特徴とする現像方法。
8) 現像ロール及び該現像ロール上に供給する現像剤の層厚を均一に規制する現像ブレードを備えた複数の現像装置によって、現像装置に対応した複数の感光体上に形成された各色に分割された静電潜像をそれぞれの色に対応する現像剤により現像し、電界によって中間転写体に転写する方法において、1)〜4)の何れかの方法で製造された乾式トナーを用いた現像剤を使用することを特徴とする転写方法。
一般的には、トナーの粒子径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得る為に有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。本発明者らは特定の円形度と超微粉である2μm以下の含有率が少ないトナーを用いることにより、転写性が良好でクリーニング性が良好な高画質を与えることを見出し本発明に至った。
また、本発明の方法により製造される乾式トナーは、二成分現像剤に用いた場合には、現像装置における長期の攪拌において、キャリアの表面にトナーが融着せず、かつキャリアの帯電能力が低下せず、一成分現像剤に用いた場合には、現像ローラーへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着が発生しないで、高耐久性が実現できることを見出し本発明に至った。
また、体積平均粒子径/個数平均粒子径が1.10より小さい場合には、トナーの挙動の安定化、帯電量の均一化の面から好ましい面もあるが、トナーを十分に帯電出来なかったり、クリーニング性を悪化させる場合があることが明らかとなった。
また、体積平均粒径/個数平均粒径が1.10より小さい場合には、トナーの挙動の安定化、帯電量の均一化の面からは好ましいが、トナーを十分に帯電できなかったり、クリーニング性を悪化させる場合もあることが明らかとなった。
更に、好ましい体積平均粒径/個数平均粒径は1.15〜1.20である。
体積収縮率=(1−Vt/Vo)×100
で表わされ、乳化前と乳化分散を経て粒子化された後の特性変化を測定する。
具体的には、次に例示するような方法によって求めることができる。
(1)乳化前の油相と得られたトナーの重量と真比重を測定する方法
(2)水系媒体中に乳化分散した後の液滴と揮発成分を除去した粒子の平均粒径を測定し、体積換算する方法
体積収縮率が10〜90%の範囲を外れると、粒子形状が不定形となるため好ましくない。また、より好ましい範囲は30〜70%である。
通常、固体微粒子は乳化した油滴の表面に付着し液滴を球状で安定化させる。揮発成分が除去されていくと液滴の体積は減少していくが固体微粒子はそのまま付着して残る。液滴の表面積の減少は遅いので体積の減少に追いつかず、球体を維持できなくて不定形化する。
しかし揮発成分を除去する際に固体微粒子の界面での吸着力を弱めると、液滴からの脱離が起こり、液滴の表面積の減少の遅さは緩和され、体積の減少に応じて表面に凹凸のある疑似球体を維持しながら粒子化する。
例えば、界面活性剤や高分子保護コロイドを添加して交換吸着させたり、水系媒体中のpHを調節して液滴表面と固体微粒子の荷電を変化させたりすることによって固体微粒子の界面での吸着力を弱めることができる。
また、2μm以下の超微粒子含有量を低減するためには、乳化分散時の油滴の液滴粘度が比較的高いとせん断力を受けた際に細かい部分にちぎれ難く、合一し易くなるので有利である。しかし初期から油相の粘性を高くしておくと逆に小粒径の液滴まで分散ができない不具合がある。
本発明では、固体の微粒子分散剤を用いてトナー組成物を有機溶剤に溶解又は分散し、水と溶解可能な有機溶媒の含まれる水系媒体中で分散することによって、油相に用いた有機溶剤が水系媒体中に拡散し、ちぎれ難く合一し易い適正な粘度となり超微粒子含有量を低減することができる。
具体的には後述する製造方法による。
トナーの平均粒径及び粒度分布は、コールターマルチサイザーIII(コールター社製)を用い、パーソナルコンピューター(IBM社製)を接続し、専用解析ソフト(コールター社製)を用いてデータ解析した。Kd値は10μmの標準粒子を用いて設定し、アパーチャカレントはオートマティックの設定で行なった。
電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製した。
その他に、ISOTON−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。
測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加えた。
試料を懸濁した電解液は越音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、100μmアパーチャーチューブを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を5万カウント測定して体積分布と個数分布とを算出した。それから、体積分布から求めた体積基準の体積平均粒径及び個数分布から求めた個数基準の個数平均粒径を求めた。
本発明の方法で製造されるトナーは、特定の形状及び分布を有することが重要であり、平均円形度が0.93未満で、球形からあまりに離れた不定形の形状では、満足した転写性やチリのない高画質画像が得られない。また、平均円形度の実用上の上限は0.99である。
なお、形状の計測方法としては、粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し解析する光学的検知帯の手法が適当である。
この手法で得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を、実在粒子の周囲長で除した値である平均円形度が0.93以上のトナーが、適正な濃度で再現性のある高精細な画像を形成するのに有効であることが判明した。平均円形度は、好ましくは0.95〜0.98である。また、2μm以下の微粉含有率は20個数%以下、好ましくは10個数%以下である。この値はフロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子株式会社製)により平均円形度として計測できる。
具体的な測定方法としては、予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は越音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定する。
本発明に係るトナーのトナーバインダー成分の分子量分布は、以下に示す方法により測定する。
トナー約1gを三角フラスコで秤量した後、THF(テトラヒドロフラン)10〜20gを加え、バインダー濃度5〜10%のTHF溶液とする。
40℃のヒートチャンバー内でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを1ml/minの流速で流し、前記THF試料溶液20μlを注入する。
試料の分子量は、単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とリテンションタイムとの関係から算出する。検量線はポリスチレン標準試料を用いて作成される。単分散ポリスチレン標準試料としては、例えば東ソー社製の、分子量2.7×102〜6.2×106の範囲のものを使用する。
検出器には屈折率(RI)検出器を使用する。
カラムとしては、例えば東ソー社製のTSKgel、G1000H、G2000H、G2500H、G3000H、G4000H、G5000H、G6000H、G7000H、GMHを組み合わせて使用する。
メインピーク分子量は、通常1000〜30000、好ましくは1500〜10000、更に好ましくは2000〜8000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、30000を越えると低温定着性が悪化する。
分子量30000以上の成分の含有量は1〜10%、好ましくは3〜6%である。1%未満では充分な耐ホットオフセット性が得られず、10%以上では光沢性、透明性が悪化する。
Mw/Mnの値は5以下が好ましい。5以上では、シャープメルト性に欠け、光沢性が損なわれる。
本発明の方法で製造されるトナーのDSC測定では、トナーの熱の遣り取りを測定し、その挙動を観測するので、測定原理から、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定する必要がある。例えば、セイコー電子社製DSC−200が利用できる。
測定方法は、ASTM D3418−82に準じて行う。本発明では、1回昇温させて前履歴を取った後、温度速度10℃/min、温度0〜200℃の範囲で降温、昇温させた時に測定されるDSC曲線を用いる。
具体的には以下の手順で測定する。
(1)試料を粉砕し、重量10±1mgの試料をアルミ製試料容器に計り取り、その上からアルミ蓋をクリンプする。
(2)窒素雰囲気中でDSC法によりガラス転移点(Tg)を測定する。
ここで、試料は、室温から昇温速度10℃/minで200℃まで加熱した後150℃で10分間放置し、次に降温速度50℃/minで0℃まで試料を冷却した後10分間放置し、最後に窒素雰囲気(20cc/min)中、昇温速度10℃/minで再度200℃まで加熱してDSC測定を行う。この時、Tgとは昇温時ベースラインより明らかに曲線が離れたと認められる温度、即ち、ピーク曲線の微分値が正で、微分値の増加が大きくなり始める温度、又は微分値が負から正になる温度をいう。
変性ポリエステルとは、ポリエステル樹脂中に、酸及び/又はアルコールのモノマーユニットに含まれる官能基とのエステル結合以外の結合基が存在したり、又はポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合したものを指す。
例えば、ポリエステル末端をエステル結合以外の結合を生じる化合物と反応させたものが挙げられ、具体的には、末端に酸基及び/又は水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し、活性水素含有化合物と更に反応させ末端を変性したり伸長反応させたものも含まれる。
更に活性水素基が複数存在する化合物であれば、ポリエステル末端同士を結合させたものも含まれる(ウレア変性ポリエステル、ウレタン変性ポリエステルなど)。
また、ポリエステル主鎖中に二重結合などの反応性基を導入し、そこからラジカル重合を起こして側鎖に炭素−炭素結合のグラフト成分を導入したり二重結合同士を橋かけしたものも含まれる(スチレン変性、アクリル変性ポリエステルなど)。
また、ポリエステルの主鎖中に構成の異なる樹脂成分を共重合させたり末端のカルボキシル基や水酸基と反応させたもの、例えば末端がカルボキシル基、水酸基、エポキシ基、メルカプト基によって変性されたシリコーン樹脂と共重合させたもの(シリコーン変性ポリエステルなど)も含まれる。
<ウレア変性ポリエステル(ウレア結合を介して変性されたポリエステル)>
ウレア変性ポリエステル(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応物などが挙げられる。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、ポリオール(イ)とポリカルボン酸(ロ)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルを更にポリイソシアネート(ハ)と反応させた物などが挙げられる。
上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
ポリオール(イ)としては、ジオール(イ−1)及び3価以上のポリオール(イ−2)が挙げられ、(イ−1)単独、又は(イ−1)と少量の(イ−2)の混合物が好ましい。
3価以上のポリオール(イ−2)としては、3〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
ジカルボン酸(ロ−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
3価以上のポリカルボン酸(ロ−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。
なお、ポリカルボン酸(ロ)としては、上述のものの酸無水物又は低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(イ)と反応させてもよい。
ポリオール(イ)とポリカルボン酸(ロ)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比=[OH]/[COOH]で、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、更に好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
ポリイソシアネート(ハ)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比=[NCO]/[OH]で、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、更に好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を越えると低温定着性が悪化するし、[NCO]/[OH]が1未満では、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するプレポリマー(A)1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、更に好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジシクロヘキシルメタン、シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミンなど);及び脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。
3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1及びB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比=[NCO]/[NHx]で、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、更に好ましくは1.2/1〜1/1.2である。
[NCO]/[NHx]が2を越えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステル(i)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
本発明におけるウレア変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。
(i)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2〜1000万、更に好ましくは3〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。
(i)の数平均分子量は、後述の未変性ポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに都合のよい数平均分子量でよい。
(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、更に好ましくは2000〜8000である。20000を越えると低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
本発明においては、前記ウレア変性ポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、未変性ポリエステル(ii)をトナーバインダー成分として含有させることもできる。(ii)を併用することにより、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上するので、単独使用より好ましい。
(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様なポリオール(イ)とポリカルボン酸(ロ)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。
また、(ii)に代えて、ウレア結合以外の化学結合を介して変性されているポリエステル、例えばウレタン結合を介して変性されたポリエステルを用いることも可能である。
(i)と(ii)は、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)の変性部分を除くポリエステル成分と(ii)は類似の組成のものであることが好ましい。
また、この組成比の範囲は、ウレア変性ポリエステル(i)の場合だけでなく、本発明で用いる他の変性ポリエステルの場合にも当てはまるものである。
(ii)のピーク分子量は、通常1000〜30000、好ましくは1500〜10000、更に好ましくは2000〜8000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を越えると低温定着性が悪化する。
(ii)の水酸基価は5mgKOH以上であることが好ましく、更に好ましくは10〜120mgKOH、特に好ましくは20〜80mgKOHである。5mgKOH未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
(ii)の酸価は通常1〜30mgKOH、好ましくは5〜20mgKOHである。酸価を持たせることにより負帯電性となり易い傾向がある。
トナーバインダーの貯蔵弾性率としては、測定周波数20Hzにおいて10000dyne/cm2となる温度(TG′)が、通常100℃以上、好ましくは
110〜200℃のものを用いる。100℃未満では耐ホットオフセット性が悪化する。
トナーバインダーの粘性としては、測定周波数20Hzにおいて1000ポイズとなる温度(Tη)が、通常180℃以下、好ましくは90〜160℃のものを用いる。180℃を越えると低温定着性が悪化する。即ち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、TG′はTηより高いことが好ましい。
言い換えるとTG′とTηの差(TG′−Tη)は0℃より大きい方が好ましく、より好ましくは10℃以上であり、特に好ましくは20℃以上である。差の上限は特に限定されない。
また、耐熱保存性と低温定着性の両立の観点から、TηとTgの差は0〜100℃の範囲内が好ましく、より好ましくは10〜90℃であり、特に好ましくは20〜80℃である。
本発明で用いる着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤と共に混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も、着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。
混合混練するには3本ロールミル等の高剪断分散装置が好ましく用いられる。
本発明の方法で製造されるトナーには、トナーバインダー、着色剤と共にワックスを含有させることもできる。
ワックスとしては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。
カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);及びジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。
また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、更に好ましくは10〜100cpsである。
1000cpsを越えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。
トナー中のワックスの含有量は、通常0〜40重量%であり、好ましくは3〜30重量%である。
本発明の方法で製造されるトナーには、必要に応じて帯電制御剤を含有させてもよい。
帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。
具体的には、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カ一リット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
これらの帯電制御剤、離型剤は、マスターバッチ、樹脂と共に溶融混練することもできるし、勿論有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
本発明に用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
トナーバインダーは、以下に例示する方法で製造することができる。
ポリオール(イ)とポリカルボン酸(ロ)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなどの公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要に応じて減圧にしながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。
次いで、このポリエステルに、40〜140℃にてポリイソシアネート(ハ)を反応させ、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)を得る。
更に、0〜140℃にて、(A)にアミン類(B)を反応させ、ウレア結合で
変性されたポリエステルを得る。
(ハ)を反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。
使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど);エーテル類(テトラヒドロフランなど)等の、ポリイソシアネート(ハ)に対して不活性なものが挙げられる。
トナー組成物を体積収縮させ、油相の粘度を低くするために、変性ポリエステル(i)や(A)が可溶の揮発性溶剤を使用する。
該溶剤としては、除去の容易性の点で沸点が100℃未満の揮発性のものが好ましく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロルエタン、1,1,2−トリクロルエタン、トリクロルエチレン、クロロホルム、モノクロルベンゼン、ジクロルエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独で又は2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、及び塩化メチレン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。
その他アルコール、水等の水性媒体に溶解可能な溶剤を併用することにより体積収縮を調節したりすることもできる。
トナー組成物100重量部に対する溶剤の使用量は、通常10〜900重量部である。
水系媒体中で変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)とトナー組成物からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中にウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなるトナー原料の組成物を加えて、剪断力により分散させる方法などが挙げられる。
プレポリマー(A)と他のトナー組成物である(以下トナー原料と呼ぶ)着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、荷電制御剤、未変性ポリエステル樹脂などは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、予めトナー原料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させた方がより好ましい。
分散には通常の攪拌による混合機、より好ましくは高速回転体とステータを有するホモジナイザー、高圧ホモジナイザーの他、ボールミル、ビーズミル、サンドミルといった分散媒体を用いた分散機などが用いられる。
分散の方法は特に限定されるものではないが、低速剪断式、高速剪断式、摩擦式、高圧ジェット式、越音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするためには高速剪断式が好ましい。
回転羽根を有する乳化機も特に限定されるものではなく、乳化機、分散機として一般に市販されているものであれば使用することができる。例えば、ウルトラタラックス(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミクサー(特殊機化工業社製)、エバラマイルダー(荏原製作所製)、TKパイプラインホモミクサー、TKホモミックラインフロー(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機社製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機、クレアミックス(エムテクニック社製)、フィルミックス(特殊機化工業社製)等のバッチ又は連続両用乳化機等が挙げられる。
分散時間も特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度は、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは10〜98℃である。高温の方が、ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなる分散体の粘度が低く、分散が容易な点で好ましい。
ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)を含むトナー組成物100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られないし、2000重量部を越えると経済的でない。
水系媒体には固体微粒子分散剤を分散しておくが、先に示したように固体微粒子分散剤の液滴への吸着性を調整するためにその他の分散剤を併用することができる。該その他の分散剤は、トナー組成物を乳化する前や乳化後揮発成分を除去する時などに添加できる。
固体微粒子分散剤は、水系媒体中で水に難溶の固体状で存在するものであり、平均粒径が0.01〜1μmの無機微粒子が好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
更に好ましくはリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、コロイド状酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなども用いることが出来る。特に水中でリン酸ナトリウムと塩化カルシウムを塩基性条件下で反応させて合成したヒドロキシアパタイトが好ましい。
なお、固体微粒子分散剤として、リン酸カルシウム塩、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸と共重合された高分子微粒子などのアルカリに溶解可能なものを用いた場合は、塩酸や水酸化ナトリウム等の酸や塩基により、固体微粒子分散剤を溶解した後、水洗するなどの方法によって、形状が調整されたトナー粒子から固体微粒子分散剤を除去する。その他、酵素による分解などの操作によっても除去できる。
アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオルオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオルアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオルアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオルアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオルアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオルアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオルオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオルオクタンスルホンアミド、パーフルオルアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオルアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオルアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
また、カチオン界面活性剤としては、フルオルアルキル基を有する脂肪族一級、二級又は三級アミン、パーフルオルアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などが挙げられ、商品名としては、サーフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業社製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−l32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸又は無水マレイン酸などの酸類;水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロル−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−3−クロル−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど;ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど;ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど;アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどの酸アミド類;アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類;ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、又はその複素環を有するものなどのホモポリマー又は共重合体;ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系;メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
伸長及び/又は架橋反応時間は、プレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせに基づく反応性により選択されるが、通常、10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。
反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。
また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。その具体例としてはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。或いは、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧し、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。
乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
分級操作としては、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。勿論乾燥することにより粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行う方が効率の面で好ましい。
得られた不要の微粒子又は粗粒子は、再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際、微粒子又は粗粒子はウェットの状態でも構わない。
用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましく、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
得られた乾燥後のトナーの粉体と、離型剤微粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子などの異種粒子を共に混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって、表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。
装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
乾式トナーは以下の方法で製造することができるが、勿論これらに限定されることはない。また、現像剤を調製する際には、現像剤の流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上のようにして製造された現像剤に更に先に挙げた疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合してもよい。
外添剤の混合には一般の粉体用の混合機を用いるが、ジャケット等を装備して内部の温度を調節することが好ましい。外添剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中又は漸次外添剤を加えていけばよい。勿論混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。始めに強い負荷を、次に比較的弱い負荷を与えても良いし、その逆でも良い。
使用できる混合設備の例としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。
得られたトナーの形状を更に調節するには、トナーバインダー、着色剤からなるトナー材料を溶融混練後、微粉砕したものを、ハイブリタイザー、メカノフュージョンなどを用いて機械的に形状を調節する方法や、トナー材料をトナーバインダーが可溶な溶剤に溶解分散後、スプレードライ装置を用いて脱溶剤して球形トナーを得るいわゆるスプレードライ法と呼ばれる方法、また、水系媒体中で加熱することにより球形化する方法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明で得られた着色粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。
この無機微粒子の一次粒径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に5〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。
この無機微粒子の使用割合は、トナー全体に対して0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
このような流動化剤は、表面処理を行って疎水性を上げることにより、高湿度下における流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。
例えば好ましい表面処理剤として、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
転写後に感光体や一次転写媒体に残存する現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造されたポリマー微粒子などを挙げることができる。
ポリマー微粒子としては、比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好ましい。
本発明の方法で製造されるトナーを2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。
磁性キャリアとしては、粒径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。
また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂等が挙げられる。またポリビニル系樹脂及びポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリスチレン及びスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン、ポリ弗化ビニル、ポリ弗化ビニリデン、ポリトリフルオルエチレン、ポリヘキサフルオルプロピレン、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオルエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオルターポリマー、及びシリコーン樹脂等が使用できる。
また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒径1μm以下のものが好ましい。平均粒径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
また、本発明の方法で製造されるトナーは、キャリアを使用しない1成分系現像剤用の磁性トナー或いは非磁性トナーとしても用いることができる。
また、実施例及び比較例中の「部」は「重量部」である。
★テスト1
〔水系媒体中へ添加する有機溶剤量と脱溶剤前の処理による平均円形度、微粒子含有率を振ったトナーの作成と評価〕
≪トナーバインダーの合成≫
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で8時間重縮合反応し、更に10〜15mmHgの減圧下で5時間反応して、ピーク分子量5300の未変性ポリエステル(a)を得た。
この未変性ポリエステル(a)100部を酢酸エチル100部に溶解、混合し、トナーバインダーの酢酸エチル溶液を得た。一部を取って減圧乾燥しトナーバインダーを単離した。Tgは62℃、酸価は10であった。
≪トナーの作成≫
密閉されたポット内に上記トナーバインダーの酢酸エチル溶液200部、カルナウバワックス5部、銅フタロシアニンブルー顔料4部、ジターシャリーブチルサリチル酸亜鉛1部を入れ、5mmφのジルコニアビーズを用いて24時間ボールミル分散を行ないトナー組成物を得た。
別に、ビーカー内にイオン交換水600部、メチルエチルケトンX部、リン酸三カルシウム60部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3部を入れ均一に溶解分散させた。
次いで、20℃にビーカー内温を保ち、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)で12000rpmに攪拌しながら、上記トナー組成物を投入し3分間攪拌して乳化した。
次いで、この混合液を攪拌棒及び温度計付のフラスコに移し、ラウリル硫酸ナトリウム0.3部及び35%濃塩酸Y部を加え、30分室温下で攪拌し溶解させた。
次いで、30℃、50mmHgの減圧下で溶剤を除去した。
ガスクロマトグラフィーによって分散液を分析したところ、残存酢酸エチルはトナー粒子に対して50ppmであった。
続いて、35%濃塩酸を120部加え、リン酸三カルシウムを溶解した後に、濾別し、得られたケーキを蒸留水に再分散し濾過する操作を3回繰り返して洗浄した後、40℃で24時間減圧乾燥してトナー粒子を得た。
最後に、トナー粒子100部に、疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部を加えてヘンシェルミキサーで混合し、本発明に係るトナーを得た。
これらのトナーの作成条件とトナーの特性値は下記表1に示す通りである。
≪画像評価方法≫
得られた各カラートナー5重量部と、下記のキャリア95重量部を、ブレンダーで10分間混合し、現像剤を作成した。
その際、トナーの十分な現像性を得るため、及び、逆帯電トナーによる地汚れを防止するために、帯電量が絶対値で15〜25(μC/g)程度になるように攪拌時間と速度を調節した。
〔キャリア〕
・芯材:平均粒径50μmの球形フェライト粒子
・コート材構成材料:アミノシラン系カップリング剤を分散したシリコーン
樹脂(アミノシラン系カップリング剤とシリコーン樹脂をトルエンに分散
させ、分散液を調整した後、加温状態にて芯材にスプレーコートし、次い
で焼成、冷却し、平均コート樹脂膜厚み0.2μmとしたもの。)
(PRETER550:リコー製)に入れ、画像占有率7%の印字率でリコー社製6000ペーパーを用いてランニングを実施し、その時の初期10枚目の画像と3万枚目の画像の細線部を原稿と比較し、光学顕微鏡で100倍に拡大して観察し、ラインの抜けの状態を段階見本と比較しながら4段階で評価した。
クリーニング性は、細線再現性の場合と同様の条件で3万枚ランニングした後に、全面カラーベタ画像を10枚連続出力させ、10枚目の現像中に停止させ、感光体上のクリーニングブレード以降のトナーをテープ転写し、テープの汚れ度合いを4段階の段階見本と比較して評価した。
細線再現性、クリーニング性の何れも、◎>○>△>×の順に画像品質が高い。特に×の評価は製品として採用できないレベルである。
〔収縮率、粒径、粒度分布、形状が画質に及ぼす効果の確認実験〕
表1の本発明トナーH(本発明の製造方法により得られたトナーH)を実施例1とし、以下の実施例2〜12のように種々製造条件を変化させて、収縮率、粒径粒度分布、形状が画質に及ぼす影響を調べた。
実施例1で得られたボールミル分散後のトナー組成物210部を、酢酸エチル576部で希釈し、この希釈した分散体210部を、実施例1と同様に処理して乳化後粒子化した。その後も実施例1と同様に操作して本発明に係るトナーを得た。
実施例1で得られたボールミル分散後のトナー組成物350部を、エバポレータによって210部に濃縮し、この濃縮した分散体210部を実施例1と同様に処理して乳化後粒子化した。その後も実施例1と同様に操作して本発明に係るトナーを得た。
実施例1で得られたボールミル分散後のトナー組成物210部を、酢酸エチル1165部で希釈し、この希釈した分散体210部を実施例1と同様に処理して乳化後粒子化した。その後も実施例1と同様に操作して本発明に係るトナーを得た。
実施例1で得られたボールミル分散後のトナー組成物368部を、エバポレータによって210部に濃縮し、この濃縮した分散体210部を実施例1と同様に処理して乳化後粒子化した。その後も実施例1と同様に操作して本発明に係るトナーを得た。
実施例1で得られたトナーを風力分級機により更に微粉分級し、粒度分布が非常に狭い本発明に係るトナーを得た。
実施例1で用いた乳化装置(TK式ホモミキサー)に代えて、TKフィルミックス FM30−50(特殊機化社製)を用い、15000rpmで乳化した点以外は、実施例1と同様に操作して本発明に係るトナーを得た。
実施例1において水系媒体の作成に用いたドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの量を0.2部に変更した点以外は、実施例1と同様に操作して本発明に係るトナーを得た。
実施例1において水系媒体の作成に用いたドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの量を0.1部に変更した点以外は、実施例1と同様に操作して本発明に係るトナーを得た。
実施例1における操作のうち、乳化後にラウリル硫酸ナトリウムを加える操作を省略した点以外は、実施例1と同様に操作して比較トナーを得た。
実施例1において乳化後に加えたラウリル硫酸ナトリウムの量を0.1部に変更した点以外は、実施例1と同様に操作して本発明に係るトナーを得た。
実施例1において乳化後に加えたラウリル硫酸ナトリウムの量を0.5部に変更した点以外は、実施例1と同様に操作して本発明に係るトナーを得た。
〔トナーバインダーに変性ポリエステルを用いた場合の効果の確認〕
≪変性ポリエステルの合成1≫
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、イソフタル酸276部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応させ、更に10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させた後、160℃まで冷却し、続いて32部の無水フタル酸を加え2時間反応させた。
次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にて、イソホロンジイソシアネート188部と2時間反応させてイソシアネート含有プレポリマー(1)を得た。
次いで、プレポリマー(1)267部とイソホロンジアミン14部を50℃で2時間反応させ、酢酸エチルを蒸留除去して、重量平均分子量64000のウレア変性ポリエステル(1)を得た。
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、イソフタル酸200部及びフマール酸70部、ジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応させ、更に10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させた後、160℃まで冷却し、続いて32部の無水フタル酸を加え2時間反応させた。
次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてスチレン200部、過酸化ベンゾイル1部、ジメチルアニリン0.5部を加えて2時間反応させ、酢酸エチルを蒸留除去し、重量平均分子量92000のポリスチレングラフト変性ポリエステル(2)を得た。
ウレア変性ポリエステル(1)30部と未変性ポリエステル(a)970部(実施例1参照)を、酢酸エチル/MEK(メチルエチルケトン)(容量比1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(3)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。
一部を取って減圧乾燥し、トナーバインダー(3)を単離した。
ウレア変性ポリエステル(1)500部と未変性ポリエステル(a)500部を、酢酸エチル/MEK(容量比1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(4)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。
一部を取って減圧乾燥し、トナーバインダー(4)を単離した。
ウレア変性ポリエステル(1)750部と未変性ポリエステル(a)250部を、酢酸エチル/MEK(容量比1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(5)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。
一部を取って減圧乾燥し、トナーバインダー(5)を単離した。
ウレア変性ポリエステル(1)850部と未変性ポリエステル(a)150部を、酢酸エチル/MEK(容量比1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(6)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。
一部を取って減圧乾燥し、トナーバインダー(6)を単離した。
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物924部、テレフタル酸276部を、常圧下230℃で8時間重縮合させ、次いで、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させて、ピーク分子量5000の未変性ポリエステル(b)を得た。
ウレア変性ポリエステル(1)100部と未変性ポリエステル(b)900部を、酢酸エチル/MEK(容量比1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(7)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。
一部を取って減圧乾燥し、トナーバインダー(7)を単離した。酸価は0.5であった。
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物824部、テレフタル酸276部を、常圧下230℃で8時間重縮合させ、次いで、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させて、ピーク分子量5000の未変性ポリエステル(c)を得た。
ウレア変性ポリエステル(1)100部と未変性ポリエステル(c)900部を、酢酸エチル/MEK(容量比1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(8)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。
一部を取って減圧乾燥し、トナーバインダー(8)を単離した。酸価は2であった。
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を、常圧下230℃で8時間重縮合させ、次いで、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させた後、160℃まで冷却し、これに32部の無水トリメリット酸を加えて2時間反応させ、ピーク分子量5000の未変性ポリエステル(d)を得た。
ウレア変性ポリエステル(1)100部と未変性ポリエステル(d)900部を、酢酸エチル/MEK(容量比1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(9)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。
一部を取って減圧乾燥し、トナーバインダー(9)を単離した。酸価は25であった。
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を、常圧下230℃で8時間重縮合させ、次いで、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させた後、160℃まで冷却し、これに48部の無水トリメリット酸を加えて2時間反応させ、ピーク分子量5000の未変性ポリエステル(e)を得た。
ウレア変性ポリエステル(1)100部と未変性ポリエステル(e)900部を、酢酸エチル/MEK(容量比1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(10)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。
一部を取って減圧乾燥し、トナーバインダー(10)を単離した。酸価は35であった。
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を、常圧下230℃で2時間重縮合させ、次いで、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させて、ピーク分子量1000の未変性ポリエステル(f)を得た。
ウレア変性ポリエステル(1)100部と未変性ポリエステル(f)900部を、酢酸エチル/MEK(容量比1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(11)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。
一部を取って減圧乾燥し、トナーバインダー(11)を単離した。Tgは45℃であった。
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を、常圧下230℃で4時間重縮合させ、次いで、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させて、ピーク分子量2000の未変性ポリエステル(g)を得た。
ウレア変性ポリエステル(1)100部と未変性ポリエステル(g)900部を、酢酸エチル/MEK(容量比1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(12)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。
一部を取って減圧乾燥し、トナーバインダー(12)を単離した。Tgは52℃であった。
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を、常圧下230℃で10時間重縮合させ、次いで、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させて、ピーク分子量30000の未変性ポリエステル(h)を得た。
ウレア変性ポリエステル(1)100部と未変性ポリエステル(h)900部を、酢酸エチル/MEK(容量比1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(13)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。
一部を取って減圧乾燥し、トナーバインダー(13)を単離した。Tgは69℃であった。
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を、常圧下230℃で12時間重縮合させ、次いで、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させて、ピーク分子量30000の未変性ポリエステル(j)を得た。
ウレア変性ポリエステル(1)100部と未変性ポリエステル(j)900部を、酢酸エチル/MEK(容量比1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(14)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。
一部を取って減圧乾燥し、トナーバインダー(14)を単離した。Tgは73℃であった。
≪トナーの作成≫
テスト1における本発明トナーGと同一の方法によりトナーを作成した。
即ち、密閉されたポット内に、表2に示す組成のトナーバインダー100部と酢酸エチル100部からなる溶液200部、カルナウバワックス5部、銅フタロシアニンブルー顔料4部、ジターシャリーブチルサリチル酸亜鉛1部を入れ、5mmφのジルコニアビーズを用いて24時間ボールミル分散を行ない、トナー組成物を得た。
別に、ビーカー内にイオン交換水600部、メチルエチルケトン30部、リン酸三カルシウム60部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3部を入れ均一に溶解分散させた。
次いで20℃にビーカー内温を保ち、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)で12000rpmに攪拌しながら、上記トナー組成物を投入し3分間攪拌して乳化した。
次いで、この混合液を攪拌棒及び温度計付のフラスコに移し、ラウリル硫酸ナトリウムを0.3部、35%塩酸を30部加え、室温下で30分間攪拌し溶解させた。
次いで30℃、50mmHgの減圧下で溶剤を除去した。
ガスクロマトグラフィーによって分散液を分析したところ、残存酢酸エチルはトナー粒子に対して50ppmであった。
続いて、35%濃塩酸を120部加え、リン酸三カルシウムを溶解した後に、濾別し、得られたケーキを蒸留水に再分散し濾過する操作を3回繰り返して洗浄した後、40℃で24時間減圧乾燥しトナー粒子を得た。
最後に、トナー粒子100部に、疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーで混合して、本発明に係るトナーを得た。
≪粉体流動性≫
ホソカワミクロン製パウダーテスターを用いてかさ密度を測定した。流動性の良好なトナーほど、かさ密度は大きく、次の4段階で評価した。
×:0.25未満
△:0.25以上〜0.30未満
○:0.30以上〜0.35未満
◎:0.35以上
≪耐熱保存性≫
トナーを50℃×8時間保管後、42メッシュの篩により2分間篩いにかけ、金網上の残存率をもって耐熱保存性とした。耐熱保存性の良好なトナーほど残存率は小さく、次の4段階で評価した。
×:30%以上
△:20以上〜30%未満
○:10以上〜20%未満
◎:10%未満
定着ローラーとしてテフロン(登録商標)ローラーを使用した(株)リコー製複写機MF−200の定着部を改造した装置を用いて、これにリコー製のタイプ6200紙をセットし複写テストを行った。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。
≪ホットオフセット発生温度(HOT)≫
上記定着下限温度と同様にして複写テストを行い、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。ホットオフセットが発生した定着ロール温度をもってホットオフセット発生温度とした。
≪光沢発現温度(GLOSS)≫
市販カラー複写機(PRETER550;リコー製)の定着装置を用いて定着評価した。定着画像の60゜光沢が10%以上となる定着ロール温度をもって光沢発現温度とした。
Claims (8)
- 固体の微粒子分散剤を用いてトナー組成物を水系媒体中で分散し、水と溶解可能な有機溶媒の含まれる水系媒体中で分散後、体積収縮工程を経て粒子化することを特徴とする乾式トナーの製造方法。
- 体積収縮後に固体の微粒子分散剤を除去する工程を有することを特徴とする請求項1記載の乾式トナーの製造方法。
- トナー組成物が変性ポリエステルを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の乾式トナーの製造方法。
- 変性ポリエステルを含むトナー組成物を有機溶剤に溶解又は分散させ、水と溶解可能な有機溶媒の含まれる水系媒体中で分散する工程中に、ウレタン又はウレア結合を有するポリエステルを生成させることを特徴とする請求項3記載の乾式トナーの製造方法。
- 現像ロール及び該現像ロール上に供給する現像剤の層厚を均一に規制する現像ブレードを備えた複数の現像装置によって、単一の感光体上に形成された各色に分割された静電潜像をそれぞれの色に対応する現像剤により現像する方法において、請求項1〜4の何れかの方法で製造された乾式トナーを用いた現像剤を使用することを特徴とする現像方法。
- 現像ロール及び該現像ロール上に供給する現像剤の層厚を均一に規制する現像ブレードを備えた複数の現像装置によって、単一の感光体上に形成された各色に分割された静電潜像をそれぞれの色に対応する現像剤により現像し、電界によって中間転写体に転写する方法において、請求項1〜4の何れかの方法で製造された乾式トナーを用いた現像剤を使用することを特徴とする転写方法。
- 現像ロール及び該現像ロール上に供給する現像剤の層厚を均一に規制する現像ブレードを備えた複数の現像装置によって、現像装置に対応した複数の感光体上に形成された各色に分割された静電潜像をそれぞれの色に対応する現像剤により現像する方法において、請求項1〜4の何れかの方法で製造された乾式トナーを用いた現像剤を使用することを特徴とする現像方法。
- 現像ロール及び該現像ロール上に供給する現像剤の層厚を均一に規制する現像ブレードを備えた複数の現像装置によって、現像装置に対応した複数の感光体上に形成された各色に分割された静電潜像をそれぞれの色に対応する現像剤により現像し、電界によって中間転写体に転写する方法において、請求項1〜4の何れかの方法で製造された乾式トナーを用いた現像剤を使用することを特徴とする転写方法。
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