JP2005206027A - シートバックのサイドサポート構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 シートバック11の両側のサイド部70の位置状態を変化させて着座者の両側部の保持状態を変えることのできるシートバックのサイドサポート構造であって、サイド部70を応動させ得るように配されたサポートプレート40と、サポートプレート40を、シートバック11の天板部とサイド部70との境界部位Bの前端を回動中心Cとして、サイド部70を前後に屈曲回動させる方向に案内するブラケット30と、を備える。
【選択図】 図2
Description
そこで、このような問題に対処すべく、例えば、後記特許文献1に示すように、乗員の両サイドを保持状態にして横方向への変位を抑止するサイドサポート装置が開示されている。この開示では、シートバックフレームの両側に、リンク構造により回動可能とされたサポートステーが備えられており、必要時には、このサポートステーが着座者の上体から離反したオープン位置から着座者の両サイドをサポートするクローズ位置に位置調節ができる装置が提案されている。ここで、シートバックは、着座者の背面を支持する天板部と、天板部の両側に設けられて着座者を両サイドから支持するサイドサポートと、を含んで構成されている。したがって、この開示では、サイドサポートを後側から支持しているサポートステーの位置調節を行うことにより、サイドサポートを内向させ、着座姿勢の崩れを抑止するようにしている。
すなわち、この開示のものは、サポートステーをシートバックフレーム(シートバックフレームに剛結合されたリンク)に対向配置し、これらの両側をリンク(主動節と従動節)により回動可能に連結した、いわゆる四節リンクの構造とされている。詳しくは、四節リンクの主動節をシートバックの内方側に配し、従動節(主動節よりも長尺に形成されたもの)を外方側に配し、主動節のシートバックフレーム側の節に駆動力を付与して回動させることで、サポートステーを内方向に移動させるようにしていた。より詳しくは、主動節は、サポートステーをクローズ位置(サポート状態の位置)に移動させるに伴い、前方向(シートの前方向)に立上がる(突出する)ようにして回動していた。すなわち、サポートステーは、あくまでもオープン位置が使用時の基準位置(通常位置)とされるため、クローズ位置(サポート状態となる位置)に到達する頃には、主動節の長さによって基準位置よりも前方向に突出することになる。このことは、サイドサポートを天板部に対して前方向に突出させる(天板部とサイドサポートとの境界部位に段差を生じさせる)ことになり、座り心地を不快にするものであった。または、クローズ位置によっては、サイドサポートの位置が天板部の位置まで到達せず、両者の間に間隙を生じさせることとなった。または、サイドサポートの位置が天板部の位置よりも更に食込んで押圧し、両者の間に肉余りを生じさせることとなった。加えて、サポートステーは、クローズ位置に接近するに連れて、内方向に移動して支持幅を狭め、更に、サイドサポートと天板部との間に生じる段差を大きくする。したがって、特に、体型の細い着座者が利用する場合には、より一層の不快感を与えるものであった。
なお、上述したような問題を解決すべく、例えば、主動節を短尺に形成しすぎると、サポートステーの変位量が減少し、サイドサポートによるサポート効果がほとんど得られない結果となる。
先ず、本発明の第1の発明は、シートバックの両側のシートサイドの位置状態を変化させて着座者の両側部の保持状態を変えることのできるシートバックのサイドサポート構造であって、シートサイドを応動させ得るように配されたサポートプレートと、該サポートプレートを、シートバックの天板部とシートサイドとの境界部位の前端を回動中心として、シートサイドを前後に屈曲回動させる方向に案内する案内部と、を備えるものである。
この第1の発明によれば、シートバックの両シートサイドは、サポートプレートによって応動可能状態とされている。また、このサポートプレートは、案内部によって、シートバックの天板部とシートサイドとの境界部位の前端を回動中心として前後方向に回動可能状態とされている。したがって、シートサイドは、この回動可能なサポートプレートに応動して、同回動中心回りに屈曲回動される。すなわち、シートサイドを、終始、シートバックの天板部とシートサイドとの間の境界部位の前端を回動中心として回動させる。
この第2の発明によれば、サポートプレートに備えられた摺動ピンが、案内部の案内溝に係合されて摺動回動される。すなわち、サポートプレートの回動が滑らかに行われ、延いては、シートサイドの回動が滑らかに行われる。
また、摺動ピンがサポートプレートの上下部に備えられているため、案内部の案内溝は、摺動ピンに係合可能なサイズで、かつ、サポートプレートの回動に必要な長さ分だけ形成されれば足る。
ここで、駆動手段とは、周知の電動モータ等の駆動力を発生させるもののことであり、所定のスイッチ操作によって作動するものや手動操作をアシストするように作動するものを含む。
この第3の発明によれば、サポートプレートの回動が、駆動手段による駆動力の作用によって行われる。したがって、例えば、手動操作による場合と比べて、操作が簡単となり、サポートプレートの回動量の微調整や回動規制などが適確に行われる。
先ず、本発明の第1の発明によれば、着座者をシートバックにてサイドサポートするに際し、天板部とシートサイドとの間の境界部位の前端を回動中心としてシートサイドを屈曲回動させることにより、終始、天板部との間(天板部との境界部位)に段差や間隙や肉余りを生じさせない。したがって、着座者に与える不快感を少なくすることができる。また、案内部の案内によりシートサイドを屈曲回動させるため、シートサイドの位置状態を変えることが滑らかに行える。加えて、このような効果は、従前のサイドサポート効果を何ら損なうことなく得ることができる。
次に、本発明の第2の発明によれば、シートサイドの屈曲回動を、更に滑らかに行うことができる。また、サポートプレートを摺動案内する案内部をコンパクトにすることができ、係る構成を簡単にすることができる。
次に、本発明の第3の発明によれば、シートサイドの屈曲回動操作を簡単に行うことができ、更に、回動量の微調整や回動規制などが適確に行える。
図1〜図6は、シートバック11のサイドサポート構造の一実施例を示すものである。図1はシートバック11のサイドサポート構造の斜視図、図2は図1における部分拡大斜視図、図3は図2におけるA方向から見た図(通常状態)、図4はサイド部のサイドサポート状態を示す図、図5は図4において更にエアバッグを展開させた時のサイドサポート状態を示す図、図6はシート10の使用状態を示す概略平面図である。なお、本実施例において、「前」を示す方向は車両のフロント方向のことであり、「後」を示す方向は車両のリア方向のことである。
本実施例のシートバック11のサイドサポート構造は、図1に良く示されているように、自動車等の車両用シート10のシートバック11の両側を構成するサイド部70の位置状態を変化させて、着座者の両側部の保持状態を変えることのできる構成を有している。なお、12はシートクッションである。詳しくは、サイド部70を、着座者の上体両側から離反する方向に位置するオープン位置と着座者の両サイドをサポートするクローズ位置との間で移動させ得る構成とされる。なお、サイド部70が、本発明のシートサイドに相当する。
先ず、図1及び図2に良く示されるように、シートバック11には、平板面21を有して形成されたシートバックフレーム(以下、フレーム20とする)が内部に備えられている。そして、この平板面21の所定位置において、上下一対のブラケット30が左右にそれぞれ固設されている。ここで、ブラケット30が本発明の案内部に相当する。
また、一方で、シートバック11は、天板部60を挟む両側に形成されたサイド部70内所のパッド71(図3参照)において、上下に摺動ピン41,43を有するサポートプレート40(摺動ピン43を有する補助具42が一体的に形成されている)が着接状態で配されている。詳しくは、図3等に良く示されるように、サイド部70のパッド71後側が窪み形状を呈しており、サポートプレート40が嵌込まれている。なお、天板部60内のパッド61とサイド部70のパッド71(これらパッド61,71はウレタン樹脂等から成る)は、互いに分離して形成されている。
したがって、例えば、サイド部70を前方向に屈曲回動させるなどの場合には、シートバック11の後側面において不足されるシートカバー80がボード100とフレーム20との間の隠れた位置から必要な分だけ送出される。また、この状態(サイド部70が前方向に屈曲回動させた状態)から後方向に屈曲回動させる場合には、余分なシートカバー80がバネ90の弾性力によってボード100とフレーム20との間の隠れた位置に引戻される。
また、前述したように、サイド部70を屈曲回動してもパッド61,71間に段差や間隙や肉余りが生じない。したがって、シートカバー80の前面側の張設状態は一定とされ、屈曲回動によってシートカバー80の前面側にシワが生じるといったことはない。
したがって、この回動駆動力によって摺動ピン43を押引することにより、サポートプレート40を第2溝32に沿って(第1溝31にも沿って)摺動させることができる。なお、本実施例においては、スイッチ操作により駆動装置50が駆動され、サポートプレート40を所望の分だけ回動させることが簡単に(スイッチ操作により自動的に)行えるようになっている。
始めに、図3及び図6(サイド部70の二点鎖線で示す開いた側)に示されるように、サポートプレート40がオープン位置の姿勢とされている。この状態においては、サイド部70の前面は天板部60に対して滑らかな略面一状態とされている。また、サポートプレート40の補助具42との間に形成されている段差は、着座者に違和感を感じさせない程度に形成されたものである。
したがって、サイド部70の天板部60の前隅部位と天板部60のパッド61の前隅部位との位置関係は常に保持され、両パッド61,71間に段差や間隙や肉余りを生じさせることはない。また、シートバック11の前面側に、シートカバー80のシワを生じさせることもない。
そして、サイド部70が着座者の両側部を好適に保持する位置まで到達したら、駆動装置50の駆動を停止する。このようにして、サイド部70は、着座者に凹凸による違和感を与えることなく、オープン位置からクローズ位置に滑らかに移動される。
したがって、終始、天板部60との間に段差や間隙や肉余りを生じさせることなく、サポートするに十分な位置までサイド部70を滑らかに屈曲回動させる(位置状態を変える)ことができる。すなわち、着座者の座り心地を不快にすることなく十分なサイドサポート効果を得ることができるため、好適である。
更に、サイド部70の回動は、駆動装置50(駆動手段)により自動的に(スイッチ操作のみで)行える。したがって、例えば、サイド部70の回動を手動操作で行う場合に比べて、係る操作が簡単となり、また、サポートプレート40の回動量の微調整や回動規制などを適確に行うことができる。
例えば、本実施例においては、ブラケット30に形成される溝31,32を、図2及び図3などに示すようにして2箇所に形設したものを示したが、このような形設位置に限定されることはなく、同様にしてサイド部70を回動中心Cの回りに回動させることのできる位置に形成されていれば構わない。すなわち、サポートプレートに付設される摺動ピンの位置に対応させて溝を形成するようにすれば、同様の作用及び効果を得ることができる。
また、シートカバー80の素材は、特に伸張性のないものとし、両至端をシートバック11の後側においてバネ90で連結することにより、サイド部70の回動に柔軟に対応できるものを示したが、バネ90に限定されるものではなく、ゴム等の弾性素材に代替したものであってもよい。また、シートカバーを伸張性のある素材で形成した場合には、このような構成をとることなくサイド部の回動に柔軟に対応できることは言うまでもない。
11 シートバック
12 シートクッション
20 フレーム
21 平板面
30 ブラケット(案内部)
31 第1溝(案内溝)
32 第2溝(案内溝)
40 サポートプレート
41 摺動ピン
42 補助具
43 摺動ピン
50 駆動装置(駆動手段)
51 モータ
52 スクリュー
53 ナット
53a ピン
54 プッシュロッド
54a 貫通孔
54b 貫通孔
60 天板部
61 パッド
70 サイド部(シートサイド)
71 パッド
80 シートカバー
90 バネ
100 ボード
110 エアチューブ
B 境界部位
C 回動中心
Claims (3)
- シートバックの両側のシートサイドの位置状態を変化させて着座者の両側部の保持状態を変えることのできるシートバックのサイドサポート構造であって、
前記シートサイドを応動させ得るように配されたサポートプレートと、
該サポートプレートを、前記シートバックの天板部と前記シートサイドとの境界部位の前端を回動中心として、前記シートサイドを前後に屈曲回動させる方向に案内する案内部と、
を備えることを特徴とするシートバックのサイドサポート構造。 - 請求項1に記載のシートバックのサイドサポート構造であって、
前記サポートプレートの上下部に摺動ピンを備え、前記案内部に該摺動ピンの摺動案内を行う案内溝が備えられていることを特徴とするシートバックのサイドサポート構造。 - 請求項1または請求項2に記載のシートバックのサイドサポート構造であって、
更に、前記サポートプレートを回動させる駆動手段が設けられていることを特徴とするシートバックのサイドサポート構造。
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