JP2005201961A - 液晶装置および投射型表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 逆ティルトディスクリネーションの発生を防止することが可能な液晶装置を提供する。
【解決手段】 TFTアレイ基板10および対向基板20により液晶層50が挟持され、ツイステッドネマチックモードで動作する液晶パネル60を備えた液晶装置であって、TFTアレイ基板10に複数の画素電極91a,91bがマトリクス状に配置され、各画素電極91a,91bはライン反転駆動されるようになっており、画素電極91aに対する選択電圧無印加時において、TFTアレイ基板10の内面付近における液晶分子51が、ライン反転駆動のライン方向(68)と略平行に配向規制されていることを特徴とする。
【選択図】 図7

Description

本発明は、液晶装置および投射型表示装置に関するものである。
液晶プロジェクタ等の投射型表示装置における光変調手段として、液晶装置が用いられている。液晶装置は、一対の基板により液晶層を挟持して構成されている。その一対の基板の内側には、液晶層に対して電界を印加する電極が形成されている。その電極の内側には、非選択電圧印加時における液晶分子の配向状態を規制する配向膜が形成されている。そして、非選択電圧印加時と選択電圧印加時との液晶分子の配向変化に基づいて、画像光が形成されるようになっている。
近年、プロジェクタに用いられる液晶装置は、その精細度が急速に高まりつつある。これは、プロジェクタの筐体の小型化およびコスト低減のための液晶装置に対する小型化要求(対角1.3”→0.9”→0.7”→0.5”)と、より滑らかな表示を求める表示容量増大要求(VGA→SVGA→XGA→ハイビジョン)とに応えたものである。ところが、液晶装置が小型化および大容量化するとともに、以下のように画素ピッチが小さくなり、開口率が低下するという問題が生じてきた。
1.3”VGA :42μmピッチ、開口率85%
1.3”SVGA:33μmピッチ、開口率82%
1.3”XGA :26μmピッチ、開口率76%
0.9”SVGA:23μmピッチ、開口率72%
0.7”SVGA:18μmピッチ、開口率63%
0.7”XGA :14μmピッチ、開口率51%
画素ピッチが小さくなると開口率が低下する理由は、横電界による液晶配向の乱れを隠すために、画素と画素との間の領域に、一定幅のブラックマスクを備えているためである。
そこで特許文献1では、ソース線またはゲート線に対して液晶分子の配向方向を平行にすることによって、この問題を一部解決した。特許文献1の図10において、ソース線(2)と画素電極(3)が同極性である場合には、液晶分子(20)は、ソース線と画素電極の間の領域においても画素電極内の領域と同様に動作する。ところが、特許文献1の図11に示すように、ソース線と画素電極が逆極性である場合は、ソース線と画素電極の間で電気力線が横を向く(横電界がかかる)ため、液晶の配向が乱れる。そこで、特許文献1の図16に示すように、液晶分子の配向方向をソース線(2)と平行にすることによって、少なくともティルトディスクリネーション(逆側にティルトを持つ不良領域)を回避している。なお、ゲート線と画素電極間の横電界が問題になる場合には、液晶分子の配向方向をゲート線と平行にすればよいことが開示されている。しかし実際には、ソース線との間の横電界が強いため、ソース線と平行に液晶を配向していた。
ところが、最近の高精細のプロジェクタ用液晶表示装置では、ソース線やゲート線が画素電極の下に埋め込まれるケースが増えている。例えば、特許文献2の図4および図5における画素電極(9a)は、ゲート線(3a)、ソース線(6a)および容量線(3b)の一部に被っている。これにより、ソース線およびゲート線と画素電極との間の横電界はもはや間題ではなくなっている。
その代わりに浮上した問題は、隣接する画素電極間に生じる横電界である。特に、画素電極群をライン反転駆動する場合に、極性が異なる隣接画素間の横電界は液晶分子の配向を乱す原因となっている。そこで特許文献2では、同じ極性の電圧が印加される画素電極群の配列方向と略直交した方向に液晶分子を配向させることによって、隣接する画素電極間に生じる横電界による液晶分子のツイスト変化を防止している。
特開平7−253597号公報 特開2001−194672号公報
しかしながら、特許文献2の液晶装置は垂直配向型の液晶を前提にしたものであり、ツイステッドネマチックモードで動作する液晶装置では以下のような問題が生じる。
図13は、従来の配向を採用した液晶装置の作用の説明図である。ツイステッドネマチック(TN)モードの液晶装置には、正の誘電率異方性を示す液晶分子51が採用されている。この液晶分子51は、選択電圧無印加時には基板に沿って水平配向し、選択電圧印加時には電界方向に沿って垂直配向するものである。また、隣接する画素電極91a,92aには異なる極性の電圧が印加されて、ライン反転駆動されるようになっている。さらに、各画素電極91a,92aを覆うように配向膜16が形成され、その表面にラビング処理が施されて、液晶分子51が配向規制されるとともに、液晶分子51にプレティルトが付与されている。
ここで、特許文献2に記載されているように、同じ極性の電圧が印加される画素電極群の配列方向と略直交した方向に液晶分子が配向規制されている場合を考える。まず、画素電極91aと共通電極21との間に選択電圧が印加されて縦電界52が発生すると、プレティルトの付与された液晶分子51は矢印53の方向に起立しようとする。一方、ライン反転駆動により画素電極91aと画素電極92aとの間に横電界54が発生すると、液晶分子51は矢印55の方向に傾倒しようとする。すなわち、液晶分子51は、縦電界52および横電界54によって、それぞれ逆方向に力を受けることになる。これにより、液晶分子51の配向が乱され、逆ティルトディスクリネーションが発生するという問題がある。そして、液晶装置に発生した逆ティルトディスクリネーションにより、プロジェクタからの投影画像に表示ムラが発生することになる。また、黒表示において光漏れが発生し、投影画像のコントラストを低下させることになる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、逆ティルトディスクリネーションの発生を防止することが可能な、液晶装置の提供を目的とする。また、表示品質に優れた投射型表示装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の液晶装置は、一対の基板により液晶層が挟持され、ツイステッドネマチックモードで動作する液晶パネルを備えた液晶装置であって、前記一対の基板のうち一方の前記基板に、複数の画素電極がマトリクス状に配置され、前記各画素電極はライン反転駆動されるようになっており、前記画素電極に対する選択電圧無印加時において、前記一方の基板の内面付近における前記液晶層の液晶分子が、前記ライン反転駆動のライン方向と略平行に配向規制されていることを特徴とする。
ここで、ライン反転駆動のライン方向とは、ライン反転駆動により同じ極性の電圧が印加される画素電極の配列方向である。一般に、ライン反転駆動による横電界はライン方向と略垂直に発生するので、ライン反転駆動のライン方向と略平行に液晶分子を配向規制することにより、縦電界による液晶分子の起立方向と横電界による液晶分子の傾倒方向とが逆方向とはならなくなる。したがって、逆ティルトディスクリネーションの発生を抑制することができる。
また、前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板の外側に、負の屈折率異方性を示す液晶分子をハイブリッド配向させてなる光学補償板が配置されていることが望ましい。
この構成によれば、液晶パネルを斜め方向から観察した場合の位相差を補償することが可能になる。したがって、黒表示における光漏れが減少し、投影画像のコントラストを向上させることができる。
一方、本発明の他の液晶装置は、一対の基板により液晶層が挟持され、ツイステッドネマチックモードで動作する液晶パネルを備えた液晶装置であって、前記一対の基板のうち一方の前記基板に、複数の画素電極がマトリクス状に配置され、前記各画素電極はライン反転駆動されるようになっており、前記画素電極に対する選択電圧無印加時において、前記一方の基板の内面付近における前記液晶層の液晶分子が、前記ライン反転駆動のライン方向と略±45°で交差する方向に配向規制されているとともに、前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板の外側に、負の屈折率異方性を示す液晶分子をハイブリッド配向させてなる光学補償板が配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、ライン反転駆動のライン方向と略±45°で交差する方向に液晶分子を配向することにより、ツイステッドネマチックモード本来の旋光効果はなくなるが、負の屈折率異方性を示す液晶分子をハイブリッド配向させてなる光学補償板を配置することにより、液晶パネルの位相差が補償されるので、投影画像のコントラストを向上させることができる。
また、前記一方の基板の内面に、前記画素電極を駆動するための配線が設けられ、前記画素電極が、前記配線の少なくとも一部を覆って設けられていることが望ましい。
この構成によれば、画素電極と配線との間に横電界が発生することはない。そして上記のように配向規制することにより、画素電極間の横電界による逆ティルトディスクリネーションの発生を抑制することができる。
また、前記一方の基板の内面に、前記一方の基板の内面付近における前記液晶層の液晶分子を所定方向に配向規制する配向膜が形成されていることが望ましい。
この構成によれば、一方の基板の内面に形成された配向膜により、一方の基板の内面付近における液晶層の液晶分子を所定方向に配向させることができる。
また、前記一対の基板のうち一方の前記基板の外側に第1の前記光学補償板が配置されるとともに、前記一対の基板のうち他方の前記基板の外側に第2の前記光学補償板が配置されていることが望ましい。
この構成によれば、液晶パネルにおける一方の基板側の液晶層の位相差が第1の光学補償板によって補償され、他方の基板側の液晶層の位相差が第2の光学補償板によって補償される。したがって、黒表示における光漏れが減少し、液晶パネルのコントラスト比を向上させることができる。
また、前記一対の基板のうち一方の前記基板の外側に第2の前記光学補償板が配置されるとともに、前記第2の光学補償板の外側に第1の前記光学補償板が配置されていることが望ましい。
この構成によっても、液晶パネルにおける一方の基板側の液晶層の位相差が第1の光学補償板によって補償され、他方の基板側の液晶層の位相差が第2の光学補償板によって補償される。加えて、第1の光学補償板および第2の光学補償板を、1個の支持基板に積層配置することが可能になる。これにより、支持基板の位相差の影響を低減することが可能になり、液晶パネルのコントラスト比を向上させることができる。
前記第1の光学補償板および前記第2の光学補償板は、前記一対の基板のうち光出射側の前記基板の外側に配置されていることが望ましい。
この構成によれば、第1の光学補償板および第2の光学補償板が光源から離間配置されるので、光源から遠くなる分と液晶装置の開口率により光量が減ずる分だけ、光源からの熱影響による劣化を抑制することができる。
一方、本発明の投射型表示装置は、上述した液晶装置を、光変調手段として備えたことを特徴とする。
上述した液晶装置により、逆ティルトディスクリネーションの発生を抑制することが可能である。そして、その液晶装置を光変調手段として備えることにより、投影画像の表示ムラを抑制することができる。また、黒表示における光漏れを抑制して、投影画像のコントラストを向上させることができる。したがって、表示品質に優れた投射型表示装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。なお本明細書では、液晶装置の各構成部材における液晶層側を内側と呼び、その反対側を外側と呼ぶことにする。また、「非選択電圧印加時」および「選択電圧印加時」とは、それぞれ「液晶層への印加電圧が液晶のしきい値電圧近傍である時」および「液晶層への印加電圧が液晶のしきい値電圧に比べて十分高い時」を意味しているものとする。
[第1実施形態]
最初に、本発明の第1実施形態に係る液晶装置につき、図1ないし図7を用いて説明する。第1実施形態に係る液晶装置は、一対の基板により液晶層が挟持された液晶パネルと、その液晶パネルの外側にそれぞれ配置された光学補償板と、その光学補償板の外側にそれぞれ配置された偏光板とを有するものである。なお本実施形態では、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下TFTという)素子を用いたアクティブマトリクス方式の透過型液晶パネルを例にして説明する。
(等価回路)
図1は、液晶パネルの等価回路図である。透過型液晶パネルの画像表示領域を構成すべくマトリクス状に配置された複数のドットには、画素電極9が形成されている。また、その画素電極9の側方には、当該画素電極9への通電制御を行うためのスイッチング素子であるTFT素子30が形成されている。このTFT素子30のソースには、データ線6aが電気的に接続されている。各データ線6aには画像信号S1、S2、…、Snが供給される。なお画像信号S1、S2、…、Snは、各データ線6aに対してこの順に線順次で供給してもよく、相隣接する複数のデータ線6aに対してグループ毎に供給してもよい。
また、TFT素子30のゲートには、走査線3aが電気的に接続されている。走査線3aには、所定のタイミングでパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmが供給される。なお走査信号G1、G2、…、Gmは、各走査線3aに対してこの順に線順次で印加する。また、TFT素子30のドレインには、画素電極9が電気的に接続されている。そして、走査線3aから供給された走査信号G1、G2、…、Gmにより、スイッチング素子であるTFT素子30を一定期間だけオン状態にすると、データ線6aから供給された画像信号S1、S2、…、Snが、各画素の液晶に所定のタイミングで書き込まれる。
液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、画素電極9と後述する共通電極との間に形成される液晶容量で一定期間保持される。なお、保持された画像信号S1、S2、…、Snがリークするのを防止するため、画素電極9と容量線3bとの間に蓄積容量17が形成され、液晶容量と並列に配置されている。このように、液晶に電圧信号が印加されると、印加された電圧レベルにより液晶分子の配向状態が変化する。これにより、液晶に入射した光が変調されて階調表示が可能となる。
(平面構造)
図2は、液晶パネルの平面構造の説明図である。本実施形態の液晶パネルでは、TFTアレイ基板上に、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide、以下ITOという)等の透明導電性材料からなる矩形状の画素電極9(破線9aによりその輪郭を示す)が、マトリクス状に配列形成されている。また、画素電極9の縦横の境界に沿って、データ線6a、走査線3aおよび容量線3bが設けられている。本実施形態では、各画素電極9の形成された矩形領域がドットであり、マトリクス状に配置されたドットごとに表示を行うことが可能な構造になっている。
TFT素子30は、ポリシリコン膜等からなる半導体層1aを中心として形成されている。半導体層1aのソース領域(後述)には、コンタクトホール5を介して、データ線6aが電気的に接続されている。また、半導体層1aのドレイン領域(後述)には、コンタクトホール8を介して、画素電極9が電気的に接続されている。一方、半導体層1aにおける走査線3aとの対向部分には、チャネル領域1a’が形成されている。なお走査線3aは、チャネル領域1a’との対向部分においてゲート電極として機能する。
容量線3bは、走査線3aに沿って略直線状に伸びる本線部(すなわち平面的に見て、走査線3aに沿って形成された第1領域)と、データ線6aとの交点からデータ線6aに沿って前段側(図中上向き)に突出した突出部(すなわち平面的に見て、データ線6aに沿って延設された第2領域)とによって構成されている。また、図2中に右上がりの斜線で示した領域には、第1遮光膜11aが形成されている。そして、容量線3bの突出部と第1遮光膜11aとがコンタクトホール13を介して電気的に接続され、後述する蓄積容量が形成されている。
(断面構造)
図3は、液晶パネルの断面構造の説明図であり、図2のA−A’線における側面断面図である。図3に示すように、本実施形態の液晶パネル60は、TFTアレイ基板10と、これに対向配置された対向基板20と、これらの間に挟持された液晶層50とを主体として構成されている。TFTアレイ基板10は、ガラスや石英等の透光性材料からなる基板本体10A、およびその内側に形成されたTFT素子30や画素電極9、配向膜16などを主体として構成されている。一方の対向基板20は、ガラスや石英等の透光性材料からなる基板本体20A、およびその内側に形成された共通電極21や配向膜22などを主体として構成されている。
TFTアレイ基板10の表面には、後述する第1遮光膜11aおよび第1層間絶縁膜12が形成されている。そして、第1層間絶縁膜12の表面に半導体層1aが形成され、この半導体層1aを中心としてTFT素子30が形成されている。半導体層1aにおける走査線3aとの対向部分にはチャネル領域1a’が形成され、その両側にソース領域およびドレイン領域が形成されている。なお、このTFT素子30はLDD(Lightly Doped Drain)構造を採用しているため、ソース領域およびドレイン領域に、それぞれ不純物濃度が相対的に高い高濃度領域と、相対的に低い低濃度領域(LDD領域)とが形成されている。すなわち、ソース領域には低濃度ソース領域1bと高濃度ソース領域1dとが形成され、ドレイン領域には低濃度ドレイン領域1cと高濃度ドレイン領域1eとが形成されている。
半導体層1aの表面には、ゲート絶縁膜2が形成されている。そして、ゲート絶縁膜2の表面に走査線3aが形成されて、その一部がゲート電極を構成している。また、ゲート絶縁膜2および走査線3aの表面には、第2層間絶縁膜4が形成されている。そして、第2層間絶縁膜4の表面にデータ線6aが形成され、第2層間絶縁膜4に形成されたコンタクトホール5を介して、データ線6aが高濃度ソース領域1dと電気的に接続されている。さらに、第2層間絶縁膜4およびデータ線6aの表面には、第3層間絶縁膜7が形成されている。そして、第3層間絶縁膜7の表面に画素電極9が形成され、第2層間絶縁膜4および第3層間絶縁膜7に形成されたコンタクトホール8を介して、画素電極9が高濃度ドレイン領域1eと電気的に接続されている。このように画素電極9は、少なくとも配線(走査線やデータ線、容量線等)の一部を覆って設けられている。さらに、画素電極9を覆うように、ポリイミド等からなる配向膜16が形成されている。配向膜16の表面にはラビング等が施され、非選択電圧印加時における液晶分子の配向方向を規制しうるようになっている。
なお、本実施形態では、半導体層1aを延設して第1蓄積容量電極1fが形成されている。また、ゲート絶縁膜2を延設して誘電体膜が形成され、その表面に容量線3bが配置されて第2蓄積容量電極が形成されている。これらにより、上述した蓄積容量17が構成されている。
また、TFT素子30の形成領域に対応するTFTアレイ基板10の表面に、第1遮光膜11aが形成されている。第1遮光膜11aは、液晶パネルに入射した光が、半導体層1aのチャネル領域1a'、低濃度ソース領域1bおよび低濃度ドレイン領域1cに侵入することを防止するものである。なお、第1遮光膜11aは、第1層間絶縁膜12に形成されたコンタクトホール13を介して、前段あるいは後段の容量線3bと電気的に接続されている。これにより、第1遮光膜11aは第3蓄積容量電極として機能し、第1層間絶縁膜12を誘電体膜として、第1蓄積容量電極1fとの間に新たな蓄積容量が形成されている。
一方、データ線6a、走査線3aおよびTFT素子30の形成領域に対応する対向基板20の表面には、第2遮光膜23が形成されている。第2遮光膜23は、液晶パネルに入射した光が、半導体層1aのチャネル領域1a’や低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1cに侵入するのを防止するものである。また、対向基板20および第2遮光膜23の表面には、ほぼ全面にわたってITO等の導電体からなる共通電極21が形成されている。さらに、共通電極21の表面には、ポリイミド等からなる配向膜22が形成されている。配向膜22の表面にはラビング等が施され、非選択電圧印加時における液晶分子の配向方向を規制しうるようになっている。
そして、TFTアレイ基板10と対向基板20との間には、ネマチック液晶からなる液晶層50が挟持されている。このネマチック液晶分子は、正の誘電率異方性を示すものであり、非選択電圧印加時には基板に沿って水平配向し、選択電圧印加時には電界方向に沿って垂直配向するようになっている。またネマチック液晶分子は、正の屈折率異方性を示すものであり、その複屈折と液晶層厚との積(リタデーション)Δndは、例えば約0.40μm(60℃)となっている。なお、TFTアレイ基板10の配向膜16による配向規制方向と、対向基板20の配向膜22による配向規制方向とは、図4の矢印67,68で示すように、約90°ねじれた状態で配置されている。これにより、本実施形態の液晶パネル60は、ツイステッドネマチックモードで動作するようになっている。
図4は、第1実施形態の液晶装置の斜視図である。本実施形態の液晶装置100は、上述した液晶パネル60と、液晶パネル60の外側に配置された偏光板62,64とによって構成されている。液晶パネル60は、TFTアレイ基板を光出射側に向け、対向基板を光入射側に向けて配置されている。また各偏光板62,64は、サファイヤガラスや水晶等の熱伝導率が高い光透過性材料で構成された支持基板に装着されて、液晶パネル60から離間配置されている。
図4に示すように、液晶パネル60の光入射側には偏光板62が配置され、光出射側には偏光板64が配置されている。各偏光板62,64は、その吸収軸方向の直線偏光を吸収し、透過軸方向の直線偏光を透過する機能を有する。そして、光入射側偏光板62の透過軸63は、液晶パネル60に形成されたデータ線と略平行に配置されている。また、光出射側偏光板64の透過軸65は、液晶パネル60に形成された走査線と略平行に配置されている。このような偏光板配置は、プロジェクタの光変調手段として液晶装置を適用する場合に、最も光利用効率がよい構成である。なぜなら、液晶パネルの前後に置かれるダイクロイックミラーやクロスダイクロイックプリズム等は偏光依存性を有するからである。
そして、液晶装置100に対して偏光板62の下方から光が入射すると、偏光板62の透過軸と一致する直線偏光のみが偏光板62を透過する。非選択電圧印加時の液晶パネル60では、液晶分子がらせん状に水平配向している。そのため、液晶パネル60に入射した直線偏光は、約90°旋光されて液晶パネル60から出射する。この直線偏光は、偏光板64の透過軸と一致するため、偏光板64を透過する。したがって、非選択電圧印加時の液晶パネル60では白表示が行われる(ノーマリーホワイトモード)。また、選択電圧印加時の液晶パネル60では、液晶分子が垂直配向している。そのため、液晶パネル60に入射した直線偏光は、旋光されることなく液晶パネル60から出射する。そして、この直線偏光は、偏光板64の透過軸と直交するため、その偏光板64を透過しない。したがって、選択電圧印加時の液晶パネル60では黒表示が行われる。
図5(e)は、ライン反転駆動の説明図である。上述した画素電極9には、画像信号に相当する電圧が印加される。ここで、マトリクス状に配置された複数の画素電極9は、ライン反転駆動されるようになっている。ライン反転駆動とは、同じライン91に属する画素電極91a,91b,91c,91dには同じ極性の電圧を印加し、隣接するライン91,92には異なる極性の電圧を印加して、液晶を駆動するものである。なお、各画素電極9に印加される電圧は、単位期間毎に極性が反転するようになっている。この場合でも、同じライン91に属する画素電極91a,91b,91c,91dには同じ極性の電圧が印加され、隣接するライン91,92には異なる極性の電圧が印加されることになる。
(配向規制方向)
ところで、図13に示すように、画素電極91aに選択電圧が印加されると、画素電極91aと共通電極21との間に縦電界が発生する。これにより、プレティルトの付与された液晶分子51は矢印53の方向に起立しようとする。一方、ライン反転駆動により異なる極性の電圧が印加されると、画素電極91aと画素電極92aとの間に横電界54が発生する。この場合、液晶分子51は矢印55の方向に傾倒しようとする。そして、矢印53と矢印55とが逆方向となる場合には、液晶分子の配向が区々となって、逆ティルトディスクリネーションが発生することになる。
このように、逆ティルトディスクリネーションは、選択電圧無印加時における液晶分子の配向規制方向と、ライン反転駆動による横電界の発生方向とが、密接に関連して発生するものと考えられる。そこで発明者は、選択電圧無印加時における液晶分子の配向規制方向を横電界の発生方向に対して様々に変化させた液晶装置を試作した。なお、配向規制方向を変化させた場合でも、偏光板における吸収軸方向は固定した。そして、各液晶装置の光透過率を測定するとともに、各液晶装置を光変調手段に採用したプロジェクタの投影コントラストを測定した。
図5(a)ないし図5(d)は、液晶分子の配向規制方向の説明図である。図5(e)に示すようにライン反転駆動される画素電極に対して、図5(a)ないし図5(d)に示すように液晶分子の配向規制方向を設定した。液晶分子の配向規制は、配向膜をラビング処理することによって行った。なお、図5(a)ないし図5(d)において、実線の矢印68はTFTアレイ基板側の配向膜における配向規制方向であり、破線の矢印67は対向基板側の配向膜における配向規制方向である。図5(a)では、TFTアレイ基板側の配向膜における配向規制方向が、ライン反転駆動のライン方向と略垂直になっている。ここで、ライン反転駆動のライン方向とは、ライン反転駆動により同じ極性の電圧が印加される画素電極の配列方向である。一方、図5(c)では、配向規制方向がライン方向と略平行になっている。また、図5(b)および図5(d)では、配向規制方向がライン方向に対して略±45°の方向になっている。
図6は、各液晶装置の黒表示における光透過率の測定結果を示すグラフである。光透過率の測定は、図5(e)のA−A′間において、ライン反転駆動のライン方向と略垂直方向に画素電極9を横断するように行った。また、図6における曲線(a)ないし(d)は、それぞれ図5(a)ないし図5(d)の配向を採用した場合に対応している。図6に示すように、図5(c)の配向を採用した場合には、画素電極の端部における光透過率が最小限に抑えられている。これは、図5(c)の配向を採用することにより、逆ティルトディスクリネーションが発生しにくくなっていることが原因と考えられる。以下にその作用を説明する。
図7は、図5(c)の配向を採用した場合における液晶装置の作用の説明図である。図7では、TFTアレイ基板側の配向膜16における配向規制方向16aが、ライン反転駆動におけるライン方向(すなわち、ライン反転駆動により同じ極性の電圧が印加される画素電極91a,91bの配列方向)と略平行になっている。ここで、画素電極91aに選択電圧が印加されると、画素電極91aと共通電極21との間に縦電界52が発生する。これにより、液晶分子51は矢印53の方向に起立しようとする。これに対して、ライン反転駆動により発生する横電界は、図7の紙面に対して垂直方向に発生する。この場合、液晶分子51は図7の紙面に対して垂直方向に傾倒しようとする。すなわち、縦電界52および横電界によって液晶分子51が受ける配向規制力は、相互に逆方向とならない。これにより、逆ティルトディスクリネーションが発生しにくくなっていると考えられるのである。
Figure 2005201961
表1に、各液晶装置を光変調手段に採用したプロジェクタの投影コントラストを示す。なお、表1における配向(a)ないし(d)は、それぞれ図5(a)ないし図5(d)の配向を採用した場合に対応している。図5(c)の配向を採用した場合には、上記のように画素電極の端部における光透過率が最小限に抑えられるので、投影コントラストが最も高くなっている。従来では、特許文献1の考え方を引きずって図5(a)の配向を採用していたが、図5(c)の配向を採用することにより投影コントラストが約4割向上する。また、同じ投影コントラストになるように開口率を広げると、0.7”XGAで約1割明るくなる。一方、配向(b)および配向(d)の投影コントラストが低くなっているが、これは偏光板の配置を固定したために、TNモード本来の旋光モードではなく、複屈折モードになったためである。
以上に詳述したように、本実施形態の液晶装置では、画素電極に対する選択電圧無印加時において、TFTアレイ基板付近の液晶分子が、ライン反転駆動のライン方向と略平行に配向規制されている構成とした。一般に、ライン反転駆動による横電界はライン方向と略垂直に発生するので、ライン反転駆動のライン方向と略平行に液晶分子を配向規制することにより、縦電界による液晶分子の起立方向と横電界による液晶分子の傾倒方向とが逆方向とはならなくなる。したがって、逆ティルトディスクリネーションの発生を抑制することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る液晶装置につき、図8ないし図11を用いて説明する。図8に示すように、第2実施形態に係る液晶装置では、液晶パネル60における光出射側の基板の外側に第2光学補償板80が配置され、その第2光学補償板80の外側に第1光学補償板70が配置されている。すなわち、液晶パネル60と出射側偏光板64との間に第1光学補償板70および第2光学補償板80が配置されている点で、第1実施形態と異なっている。なお、第1実施形態と同様の構成となる部分については、その詳細な説明を省略する。
(光学補償板)
図9は、光学補償板の側面断面図である。第1光学補償板70は、トリアセチルセルロース(TAC)等からなる支持体72上に配向膜(不図示)を設け、その配向膜上にトリフェニレン誘導体等のディスコティック化合物層74を形成したものである。なお、配向膜はポリビニルアルコール(PVA)等からなり、その表面にはラビング等が施されて、液晶分子の配向方向を規制しうるようになっている。一方、ディスコティック化合物層74は、負の一軸性を示す屈折率楕円体の光軸の傾斜角度が膜厚方向に連続的に変化した光学的構造を有するものである。このようなハイブリッド配向構造は、支持体72上に液晶性ディスコティック化合物を塗布し、一定温度で配向・硬化させることによって得ることができる。なおディスコティック化合物は、支持体72側で0〜15°のティルト角を示し、その反対側で20〜60°のティルト角を示す。なお、ディスコティック液晶の配向規制方向をX軸方向と定義する。このX軸方向は、光学補償板を法線方向から見た場合の進相軸方向である。このような第1光学補償板70として、具体的には富士写真フィルム製のWVフィルムを採用することが可能である。なお、第2光学補償板80についても、上述した第1光学補償板70と同様に構成されている。
そして、支持基板78の表面に第1光学補償板70が装着され、さらに第1光学補償板70の表面に第2光学補償板80が配置されている。このように、第1光学補償板70および第2光学補償板80は、1個の支持基板78に装着された状態で液晶装置に配設されている。
図10は、光学補償の説明図である。液晶パネル60に封入されたネマチック液晶は、光学的に正の一軸性を示すものである。すなわち、光軸66方向の屈折率が他の方向の屈折率より大きく、屈折率楕円体ではラグビーボール型となる。そして、液晶パネル60のネマチック液晶に選択電圧を印加すると、液晶層の厚さ方向中央部から端部にかけて液晶分子が垂直配向する。ここで、ラグビーボール型の屈折率楕円体は、斜め方向から観察すると楕円になり、その長軸と短軸との差が複屈折となる。この斜め方向から観察した場合の位相差が、黒表示における光漏れの原因となり、液晶パネルのコントラスト比を低下させて、視角特性を悪化させることになる。
これに対して、第1光学補償板70および第2光学補償板80を構成するディスコティック液晶は、光学的に負の一軸性を示すものである。すなわち、光軸86方向の屈折率が他の方向の屈折率より小さく、屈折率楕円体では円盤型となる。ここで、第2光学補償板80における円盤型の屈折率楕円体85の光軸86を、液晶パネル60におけるラグビーボール型の屈折率楕円体65の光軸66と平行に配置すれば、光学的な正負が逆になって、屈折率楕円体65の複屈折効果を打ち消すことができる。
そこで、図8に示すように、第2光学補償板80における配向膜の配向規制方向(進相軸方向)81が、液晶パネル60における光出射側の基板における配向膜の配向規制方向68と略一致するように、第2光学補償板80を配置する。なおかつ、図10に示すように、第2光学補償板80における液晶分子85の光軸86と第2光学補償板80の法線とのなす角度が大きい方の面80aが、液晶パネル60と対向するように、第2光学補償板80を配置する。一方、図8に示すように、第1光学補償板70における配向膜の配向規制方向(進相軸方向)71が、液晶パネル60における光入射側の基板における配向膜の配向規制方向67と略一致するように、第1光学補償板70を配置する。なおかつ、図10に示すように、第1光学補償板70における液晶分子75の光軸76と第1光学補償板70の法線とのなす角度が小さい方の面70bが、第2光学補償板80と対向するように、第1光学補償板70を配置する。
これにより、図10に矢印で示すように、液晶パネル60を構成する正の屈折率楕円体の光軸に対して、第1光学補償板70および第2光学補償板80を構成する負の屈折率楕円体の光軸が平行に配置される。そのため、液晶パネル60の光出射側に配置された液晶分子の複屈折効果が第2光学補償板80によって補償されるとともに、液晶パネル60の光入射側に配置された液晶分子の複屈折効果が第1光学補償板70によって補償される。これにより、あらゆる方向から観察した場合の位相差をほぼ完全に補償することが可能になる。したがって、黒表示における光漏れを防止することが可能となり、液晶パネルのコントラスト比が向上して、視角特性を改善することができる。なお、投射型表示装置の光変調手段に対する光源光の入射角度は最大でも極角12°程度であり、その入射光によって投影画像が構成されることになる。したがって、本実施形態の液晶装置を用いて投射型表示装置を構成することにより、投影画像のコントラスト比を向上させることができる。
ところで、液晶パネル60を構成する一対の基板の外側にそれぞれ第1光学補償板および第1光学補償板を配置した場合には、各光学補償板を別個の支持基板で指示する必要がある。この支持基板は、サファイヤや無アルカリガラス等の熱伝導率の大きい透光性材料で構成されているが、サファイヤは位相差が大きく、また無アルカリガラスも熱により位相差を生じるという問題がある。しかしながら、第2実施形態では、図9に示すように、第1光学補償板70および第2光学補償板80を1個の支持基板78に装着した状態で液晶装置に配設するので、支持基板78の使用個数を削減することができる。これにより、支持基板78の位相差による影響を低減することが可能になり、黒表示における光漏れが減少して、液晶装置のコントラスト比を向上させることができる。また、支持基板78による光の減衰を低減することも可能になり、出射光の明るさを確保することができる。さらに、省スペース化が可能になり、液晶装置の製造コストを低減することも可能になる。
また第2実施形態では、図8に示すように、第1光学補償板70および第2光学補償板80を液晶パネル60の光出射側のみに配置するので、第1光学補償板70および第2光学補償板80が光源(不図示)から離間配置されるとともに、液晶パネルによって光量が減衰するために熱影響を受け難くなる。したがって、第1光学補償板70および第2光学補償板80を液晶パネル60の光入射側のみに配置した場合に比べて、第1光学補償板70および第2光学補償板80の熱劣化を抑制することができる。
(配向規制方向)
第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、選択電圧無印加時における液晶分子の配向方向を横電界の発生方向に対して様々に変化させた液晶装置を試作し、各液晶装置の光透過率を測定するとともに、各液晶装置を光変調手段に採用したプロジェクタの投影コントラストを測定した。具体的には、図5(e)に示すようにライン反転駆動される画素電極に対して、図5(a)ないし図5(d)に示すように液晶分子の配向規制方向を設定した。なお、液晶パネルにおける配向規制方向を変化させた場合でも、偏光板における吸収軸方向は固定した。ただし、第1光学補償板の進相軸と第2光学補償板の進相軸との交差角度は、投影コントラストが最大となるように最適化した。
図11は、各液晶装置の黒表示における光透過率の測定結果を示すグラフである。光透過率の測定は、図5(e)のA−A′間において、ライン反転駆動のライン方向と略垂直方向に画素電極9を横断するように行った。図11における曲線(a)ないし(d)は、それぞれ図5(a)ないし図5(d)の配向を採用した場合に対応している。いずれの配向を採用した場合でも、第2実施形態に係る液晶装置の光透過率は、第1実施形態に係る液晶装置の光透過率(図6参照)と比べて、大幅に減少している。これは、光学補償板を採用することにより液晶パネルの位相差が補償されて、光漏れが減少したからであると考えられる。その中でも、図5(c)の配向を採用した場合には、画素電極の端部における光透過率が最小限に抑えられている。これは、第1実施形態と同様の図5(c)の配向を採用することにより、逆ティルトディスクリネーションが発生しにくく、配向が均一になっているためであると考えられる。
Figure 2005201961
表2に、各液晶装置を光変調手段に採用したプロジェクタの投影コントラストを示す。なお、表2における配向(a)ないし(d)は、それぞれ図5(a)ないし図5(d)の配向を採用した場合に対応している。いずれの配向を採用した場合でも、第2実施形態に係る液晶装置を採用したプロジェクタの投影コントラストは、第1実施形態に係る液晶装置を採用したプロジェクタの投影コントラスト(表1参照)と比べて、大幅に増加している。これは、光学補償板を採用することにより液晶パネルの位相差が補償されて、黒表示における光漏れが減少したからであると考えられる。その中でも、図5(c)の配向を採用した場合には、上記のように画素電極の端部における光透過率が最小限に抑えられるので、投影コントラストが最も高くなっている。従来では、特許文献1の考え方を引きずって図5(a)の配向を採用していたが、図5(c)の配向を採用することにより投影コントラストが倍増する。また、同じ投影コントラストになるように開口率を広げると、0.7”XGAで約2割明るくなる。一方、配向(b)および配向(d)を採用した場合も相当に投影コントラストが高くなっている。配向(b)および配向(d)では、偏光板の配置を固定したためにTNモード本来の旋光効果がなくなっているが、光学補償板を採用することにより液晶パネルの位相差が補償されて投影コントラストが高くなったものと考えられる。
以上に詳述した第2実施形態の液晶装置では、画素電極に対する選択電圧無印加時において、TFTアレイ基板付近の液晶分子が、ライン反転駆動のライン方向と略平行に配向規制されている構成とした。加えて、液晶パネルにおける光出射側の基板の外側に第2光学補償板が配置され、その第2光学補償板の外側に第1光学補償板が配置されている構成とした。この構成によれば、第1実施形態と同様に逆ティルトディスクリネーションの発生を抑制することができる。加えて、光学補償板を採用することにより、投影コントラストを向上させることができる。なお、画素電極に対する選択電圧無印加時において、TFTアレイ基板付近の液晶分子が、ライン反転駆動のライン方向に対して略±45°に配向規制されている場合でも、光学補償板を併用することにより液晶パネルの位相差が補償されるので、投影コントラストを向上させることができる。
[投射型表示装置]
次に、本発明の電子機器の具体例である投射型表示装置につき、図12を用いて説明する。図12は、投射型表示装置の要部を示す概略構成図である。この投射型表示装置は、上述した各実施形態に係る液晶装置を、光変調手段として備えたものである。
図12において、810は光源、813、814はダイクロイックミラー、815、816、817は反射ミラー、818は入射レンズ、819はリレーレンズ、820は出射レンズ、822、823、824は本発明の液晶装置からなる光変調手段、825はクロスダイクロイックプリズム、826は投射レンズである。光源810は、メタルハライド等のランプ811とランプの光を反射するリフレクタ812とからなる。
ダイクロイックミラー813は、光源810からの白色光に含まれる赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー817で反射されて、赤色光用光変調手段822に入射される。また、ダイクロイックミラー813で反射された緑色光は、ダイクロイックミラー814によって反射され、緑色光用光変調手段823に入射される。さらに、ダイクロイックミラー813で反射された青色光は、ダイクロイックミラー814を透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ818、リレーレンズ819および出射レンズ820を含むリレーレンズ系からなる導光手段821が設けられている。この導光手段821を介して、青色光が青色光用光変調手段824に入射される。
各光変調手段により変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム825に入射する。このクロスダイクロイックプリズム825は4つの直角プリズムを貼り合わせたものであり、その界面には赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とがX字状に形成されている。これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ826によってスクリーン827上に投影され、画像が拡大されて表示される。
なお、光源810におけるランプ811からの光は、リフレクタ812により略平行光に変換されるので、光変調手段822,823,824に対する光源光の入射角度は、最大でも12°程度である。そして、その入射光により投影画像が構成されることになる。ここで、光変調手段822,823,824として、上述した各実施形態に係る液晶装置を使用すれば、逆ティルトディスクリネーションの発生を抑制することが可能になる。したがって、その液晶装置を光変調手段として備えることにより、スクリーン827上に投影された画像の表示ムラを抑制することができる。また、黒表示における光漏れを抑制して、投影画像のコントラストを向上させることができる。
また、本発明の電子機器の他の具体例として、携帯電話を挙げることができる。この携帯電話は、上述した各実施形態またはその変形例に係る液晶装置を表示部に備えたものである。また、その他の電子機器としては、たとえばICカード、ビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、ヘッドマウントディスプレイ、さらに表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、DSP装置、PDA、電子手帳、電光掲示盤、宣伝公告用ディスプレイ等が挙げられる。
なお、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。たとえば、実施形態ではスイッチング素子としてTFTを備えた液晶装置を例にして説明したが、スイッチング素子として薄膜ダイオード(Thin Film Diode)等の二端子型素子を採用してもよい。また、実施形態では透過型液晶装置を例にして説明したが、本発明の液晶装置を反射型や半透過型の液晶装置に適用することも可能である。さらに、電子機器として3板式の投射型表示装置を例にして説明したが、本発明の液晶装置を単板式の投射型表示装置や直視型表示装置に適用することも可能である。
液晶パネルの等価回路図である。 液晶パネルの平面構造の説明図である。 液晶パネルの断面構造の説明図である。 第1実施形態の液晶装置の斜視図である。 (a)ないし(d)は液晶分子の配向規制方向の説明図であり、(e)はライン反転駆動の説明図である。 液晶装置の黒表示における光透過率の測定結果を示すグラフである。 第1実施形態の配向を採用した液晶装置の作用の説明図である。 第2実施形態の液晶装置の斜視図である。 光学補償板の側面断面図である。 光学補償の説明図である。 液晶装置の黒表示における光透過率の測定結果を示すグラフである。 投射型表示装置の要部を示す構成図である。 従来の配向を採用した液晶装置の作用の説明図である。
符号の説明
10TFTアレイ基板 20対向基板 50液晶層 51液晶分子 60液晶パネル 91a画素電極 91b画素電極

Claims (9)

  1. 一対の基板により液晶層が挟持され、ツイステッドネマチックモードで動作する液晶パネルを備えた液晶装置であって、
    前記一対の基板のうち一方の前記基板に、複数の画素電極がマトリクス状に配置され、前記各画素電極はライン反転駆動されるようになっており、
    前記画素電極に対する選択電圧無印加時において、前記一方の基板の内面付近における前記液晶層の液晶分子が、前記ライン反転駆動のライン方向と略平行に配向規制されていることを特徴とする液晶装置。
  2. 前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板の外側に、負の屈折率異方性を示す液晶分子をハイブリッド配向させてなる光学補償板が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
  3. 一対の基板により液晶層が挟持され、ツイステッドネマチックモードで動作する液晶パネルを備えた液晶装置であって、
    前記一対の基板のうち一方の前記基板に、複数の画素電極がマトリクス状に配置され、前記各画素電極はライン反転駆動されるようになっており、
    前記画素電極に対する選択電圧無印加時において、前記一方の基板の内面付近における前記液晶層の液晶分子が、前記ライン反転駆動のライン方向と略±45°で交差する方向に配向規制されているとともに、
    前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板の外側に、負の屈折率異方性を示す液晶分子をハイブリッド配向させてなる光学補償板が配置されていることを特徴とする液晶装置。
  4. 前記一方の基板の内面に、前記画素電極を駆動するための配線が設けられ、
    前記画素電極が、前記配線の少なくとも一部を覆って設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の液晶装置。
  5. 前記一方の基板の内面に、前記一方の基板の内面付近における前記液晶層の液晶分子を所定方向に配向規制する配向膜が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の液晶装置。
  6. 前記一対の基板のうち一方の前記基板の外側に第1の前記光学補償板が配置されるとともに、前記一対の基板のうち他方の前記基板の外側に第2の前記光学補償板が配置されていることを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の液晶装置。
  7. 前記一対の基板のうち一方の前記基板の外側に第2の前記光学補償板が配置されるとともに、前記第2の光学補償板の外側に第1の前記光学補償板が配置されていることを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の液晶装置。
  8. 前記第1の光学補償板および前記第2の光学補償板は、前記一対の基板のうち光出射側の前記基板の外側に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の液晶装置。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の液晶装置を、光変調手段として備えたことを特徴とする投射型表示装置。
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