JP2005196033A - 液晶装置および投射型表示装置 - Google Patents

液晶装置および投射型表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 コントラスト比の向上が可能な液晶装置を提供する。
【解決手段】 ツイステッドネマチックモードで動作する液晶装置100であって、液晶パネル60を構成する各基板の外側に、負の屈折率異方性を示すディスコティック液晶分子75bをハイブリッド配向させてなる第1光学補償板70および第2光学補償板80が配置されている。各光学補償板70,80は、液晶パネル60の対応する基板と配向方向がほぼ一致するように配置されている。そして、各光学補償板70,80における液晶分子75bの光軸76bと各光学補償板70,80の法線とのなす角度が小さい方の面70bを、液晶パネル60に対向させて、各光学補償板70,80が配置されている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、液晶装置および投射型表示装置に関するものである。
液晶装置は、一対の基板により液晶層を挟持して構成されている。その一対の基板の内側には、液晶層に対して電界を印加する電極が形成されている。その電極の内側には、電界無印加時における液晶分子の配向状態を規制する配向膜が形成されている。そして、電圧無印加時と電圧印加時との液晶分子の配列変化に基づいて、液晶装置に画像表示が行われるようになっている。
液晶装置は、視角が狭いという問題がある。これは、視角が大きくなるにつれて液晶層の位相差(リタデーション)が大きくなり、黒表示における光透過率が大きくなってコントラスト比が低下することが原因である。そこで、液晶層の位相差を補償する光学補償板が開発されている。
図16は、従来技術に係る液晶装置の分解斜視図および光学補償の説明図である。図16に示す第1光学補償板70および第2光学補償板80は、負の屈折率異方性を示すディスコティック液晶をハイブリッド配向させたものである(例えば、特許文献1および非特許文献1参照)。なおハイブリッド配向とは、液晶分子の光軸の傾斜角度が光学補償板の厚さ方向に連続的に変化する配向状態である。第1光学補償板70は、液晶パネル60を構成する一対の基板のうち光入射側の基板の外側に配置されている。また第2光学補償板80は、一対の基板のうち光出射側の基板の外側に配置されている。ここで各光学補償板70,80は、その配向方向71,81が、対応する基板の配向方向67,68とほぼ逆方向になるように配置されている。また、第1光学補償板70における液晶分子75aの光軸76aと第1光学補償板70の法線とのなす角度が大きい方の面(すなわち、液晶分子75aが垂直配向している方の面)70aを、液晶パネル60に対向させて配置されている。なお第2光学補償板80についても、第1光学補償板70と同様に配置されている。
図17は、他の従来技術に係る液晶装置の分解斜視図および光学補償の説明図である。図17に示す第1光学補償板170および第2光学補償板180は、正の屈折率異方性を示すネマチック液晶をハイブリッド配向させたものである。各光学補償板170,180は、液晶パネル60を構成する一対の基板の外側にそれぞれ配置されている。ここで各光学補償板170,180は、その配向方向171,181が、対応する基板の配向方向67,68とほぼ直交するように配置されている。また、第1光学補償板170における液晶分子175aの光軸176aと第1光学補償板170の法線とのなす角度が大きい方の面(すなわち、液晶分子175aが水平配向している方の面)170aを、液晶パネル60に対向させて配置されている。なお第2光学補償板180についても、第1光学補償板170と同様に配置されている。
特開平9−230335号公報 森裕行、「液晶ディスプレイ入門講座第11回:ディスコティック光学補償膜によるTFT−LCDの視野角拡大技術」、液晶、日本液晶学会、2002年1月25日、第6巻、第1号、p84−92
液晶装置では、さらなるコントラスト比の向上および視角の拡大が望まれている。特に、投射型表示装置の光変調手段に採用される液晶装置では、入射角が12°程度であり、その範囲内でのコントラスト比の向上が望まれている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、コントラスト比の向上が可能な液晶装置の提供を目的とする。また、表示品質に優れた投射型表示装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の液晶装置は、一対の基板により液晶層が挟持された液晶パネルを備え、前記液晶パネルがツイステッドネマチックモードで動作する液晶装置であって、前記液晶パネルにおける少なくとも一方の基板の外側に、負の屈折率異方性を示す液晶分子をハイブリッド配向させてなる光学補償板が配置され、前記光学補償板の配向方向と、前記液晶パネルにおける前記一方の基板の配向方向とがほぼ一致するように、前記光学補償板が配置されるとともに、前記光学補償板における前記液晶分子の光軸と前記光学補償板の法線とのなす角度が小さい方の面を、前記一方の基板に対向させて、前記光学補償板が配置されていることを特徴とする。
電界印加時における液晶パネルの液晶分子を微視的に観察すれば、配向膜付近の液晶分子は完全に水平配向しているわけではなく、垂直配向との中間的な状態にある。そこで、光学補償板における液晶分子の光軸と光学補償板の法線とのなす角度が小さい方の面を、液晶パネルに対向させて配置する構成とした。この場合、液晶パネルにおける配向膜付近の液晶分子の光軸と、光学補償板における液晶パネル付近の液晶分子の光軸とが、より平行に近い状態で配置されるようになる。これにより、斜め方向から観察した場合の位相差をより好適に補償することが可能になる。したがって、黒表示における光漏れが減少し、液晶パネルのコントラスト比を向上させることができる。
また、本発明の他の液晶装置は、一対の基板により液晶層が挟持された液晶パネルを備え、前記液晶パネルがツイステッドネマチックモードで動作する液晶装置であって、前記液晶パネルにおける少なくとも一方の基板の外側に、正の屈折率異方性を示す液晶分子をハイブリッド配向させてなる光学補償板が配置され、前記光学補償板の配向方向と、前記液晶パネルにおける前記一方の基板の配向方向とがほぼ直交するように、前記光学補償板が配置されるとともに、前記光学補償板における前記液晶分子の光軸と前記光学補償板の法線とのなす角度が小さい方の面を、前記一方の基板に対向させて、前記光学補償板が配置されていることを特徴とする。
この構成によっても、斜め方向から観察した場合の位相差をより好適に補償することが可能になる。したがって、黒表示における光漏れが減少し、液晶パネルのコントラスト比を向上させることができる。
また、前記一対の基板のうち一方の前記基板の外側に、第1の前記光学補償板が配置され、前記一対の基板のうち他方の前記基板の外側に、第2の前記光学補償板が配置されていることが望ましい。
この構成によれば、液晶パネルの各基板における配向膜付近の液晶分子について、斜め方向から観察した場合の位相差を好適に補償することが可能になる。したがって、黒表示における光漏れが減少し、液晶パネルのコントラスト比を向上させることができる。
なお、前記一対の基板のうち一方の前記基板の外側に、第1の前記光学補償板が配置され、前記第1の光学補償板の外側に、第2の前記光学補償板が配置され、前記第2の光学補償板は、前記一対の基板のうち他方の前記基板と配向方向がほぼ一致するように配置されるとともに、前記第2の光学補償板における前記液晶分子の光軸と前記第2の光学補償板の法線とのなす角度が大きい方の面を、前記第1の光学補償板に対向させて、前記第2の光学補償板が配置されていてもよい。
この構成によれば、負の屈折率異方性を示す液晶分子をハイブリッド配向させてなる第1の光学補償板および第2の光学補償板を、1個の支持基板に積層配置することが可能になる。これにより、支持基板の位相差の影響を低減することが可能になり、液晶パネルのコントラスト比を向上させることができる。
なお、前記一対の基板のうち一方の前記基板の外側に、第1の前記光学補償板が配置され、前記第1の光学補償板の外側に、第2の前記光学補償板が配置され、前記第2の光学補償板は、前記一対の基板のうち他方の前記基板と配向方向がほぼ直交するように配置されるとともに、前記第2の光学補償板における前記液晶分子の光軸と前記第2の光学補償板の法線とのなす角度が大きい方の面を、前記第1の光学補償板に対向させて、前記第2の光学補償板が配置されていてもよい。
この構成によれば、正の屈折率異方性を示す液晶分子をハイブリッド配向させてなる第1の光学補償板および第2の光学補償板を、1個の支持基板に積層配置することが可能になる。これにより、支持基板の位相差の影響を低減することが可能になり、液晶パネルのコントラスト比を向上させることができる。
また、前記第1の光学補償板および前記第2の光学補償板は、前記一対の基板のうち光出射側の前記基板の外側に配置されていることが望ましい。
この構成によれば、第1の光学補償板および第2の光学補償板が光源から離間配置されるので、光源からの熱影響による劣化を抑制することができる。
一方、本発明の投射型表示装置は、上述した液晶装置を、光変調手段に採用したことを特徴とする。
投射型表示装置の光変調手段に使用される液晶装置では、電界印加時における配向膜付近の液晶分子が垂直配向に近い状態となっている。そこで、上述した液晶装置を光変調手段に採用することにより、液晶分子の位相差を好適に補償することができる。また、投射型表示装置の光変調手段に使用される液晶装置では、光源光の入射角度が小さくなる。そこで、上述した液晶装置を光変調手段に採用することにより、光源光の入射角度の範囲内においてコントラスト比を向上させることが可能になる。したがって、投影画像全体のコントラスト比を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。なお本明細書では、液晶装置の各構成部材における液晶層側を内側と呼び、その反対側を外側と呼ぶことにする。
[第1実施形態]
最初に、本発明の第1実施形態に係る液晶装置につき、図1ないし図6を用いて説明する。第1実施形態に係る液晶装置は、一対の基板により液晶層が挟持された液晶パネルと、その液晶パネルの外側にそれぞれ配置された光学補償板と、その光学補償板の外側にそれぞれ配置された偏光板とを有するものである。なお本実施形態では、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下TFTという)素子を用いたアクティブマトリクス方式の透過型液晶パネルを例にして説明する。
(等価回路)
図1は、液晶パネルの等価回路図である。透過型液晶パネルの画像表示領域を構成すべくマトリクス状に配置された複数のドットには、画素電極9が形成されている。また、その画素電極9の側方には、当該画素電極9への通電制御を行うためのスイッチング素子であるTFT素子30が形成されている。このTFT素子30のソースには、データ線6aが電気的に接続されている。各データ線6aには画像信号S1、S2、…、Snが供給される。なお画像信号S1、S2、…、Snは、各データ線6aに対してこの順に線順次で供給してもよく、相隣接する複数のデータ線6aに対してグループ毎に供給してもよい。
また、TFT素子30のゲートには、走査線3aが電気的に接続されている。走査線3aには、所定のタイミングでパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmが供給される。なお走査信号G1、G2、…、Gmは、各走査線3aに対してこの順に線順次で印加する。また、TFT素子30のドレインには、画素電極9が電気的に接続されている。そして、走査線3aから供給された走査信号G1、G2、…、Gmにより、スイッチング素子であるTFT素子30を一定期間だけオン状態にすると、データ線6aから供給された画像信号S1、S2、…、Snが、各画素の液晶に所定のタイミングで書き込まれる。
液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、画素電極9と後述する共通電極との間に形成される液晶容量で一定期間保持される。なお、保持された画像信号S1、S2、…、Snがリークするのを防止するため、画素電極9と容量線3bとの間に蓄積容量17が形成され、液晶容量と並列に配置されている。このように、液晶に電圧信号が印加されると、印加された電圧レベルにより液晶分子の配向状態が変化する。これにより、液晶に入射した光が変調されて階調表示が可能となる。
(平面構造)
図2は、液晶パネルの平面構造の説明図である。本実施形態の液晶パネルでは、TFTアレイ基板上に、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide、以下ITOという)等の透明導電性材料からなる矩形状の画素電極9(破線9aによりその輪郭を示す)が、マトリクス状に配列形成されている。また、画素電極9の縦横の境界に沿って、データ線6a、走査線3aおよび容量線3bが設けられている。本実施形態では、各画素電極9の形成された領域がドットであり、マトリクス状に配置されたドットごとに表示を行うことが可能な構造になっている。
TFT素子30は、ポリシリコン膜等からなる半導体層1aを中心として形成されている。半導体層1aのソース領域(後述)には、コンタクトホール5を介して、データ線6aが電気的に接続されている。また、半導体層1aのドレイン領域(後述)には、コンタクトホール8を介して、画素電極9が電気的に接続されている。一方、半導体層1aにおける走査線3aとの対向部分には、チャネル領域1a’が形成されている。なお走査線3aは、チャネル領域1a’との対向部分においてゲート電極として機能する。
容量線3bは、走査線3aに沿って略直線状に伸びる本線部(すなわち平面的に見て、走査線3aに沿って形成された第1領域)と、データ線6aとの交点からデータ線6aに沿って前段側(図中上向き)に突出した突出部(すなわち平面的に見て、データ線6aに沿って延設された第2領域)とによって構成されている。また、図2中に右上がりの斜線で示した領域には、第1遮光膜11aが形成されている。そして、容量線3bの突出部と第1遮光膜11aとがコンタクトホール13を介して電気的に接続され、後述する蓄積容量が形成されている。
(断面構造)
図3は、液晶パネルの断面構造の説明図であり、図2のA−A’線における側面断面図である。図3に示すように、本実施形態の液晶パネル60は、TFTアレイ基板10と、これに対向配置された対向基板20と、これらの間に挟持された液晶層50とを主体として構成されている。TFTアレイ基板10は、ガラスや石英等の透光性材料からなる基板本体10A、およびその内側に形成されたTFT素子30や画素電極9、配向膜16などを主体として構成されている。一方の対向基板20は、ガラスや石英等の透光性材料からなる基板本体20A、およびその内側に形成された共通電極21や配向膜22などを主体として構成されている。
TFTアレイ基板10の表面には、後述する第1遮光膜11aおよび第1層間絶縁膜12が形成されている。そして、第1層間絶縁膜12の表面に半導体層1aが形成され、この半導体層1aを中心としてTFT素子30が形成されている。半導体層1aにおける走査線3aとの対向部分にはチャネル領域1a’が形成され、その両側にソース領域およびドレイン領域が形成されている。なお、このTFT素子30はLDD(Lightly Doped Drain)構造を採用しているため、ソース領域およびドレイン領域に、それぞれ不純物濃度が相対的に高い高濃度領域と、相対的に低い低濃度領域(LDD領域)とが形成されている。すなわち、ソース領域には低濃度ソース領域1bと高濃度ソース領域1dとが形成され、ドレイン領域には低濃度ドレイン領域1cと高濃度ドレイン領域1eとが形成されている。
半導体層1aの表面には、ゲート絶縁膜2が形成されている。そして、ゲート絶縁膜2の表面に走査線3aが形成されて、その一部がゲート電極を構成している。また、ゲート絶縁膜2および走査線3aの表面には、第2層間絶縁膜4が形成されている。そして、第2層間絶縁膜4の表面にデータ線6aが形成され、第2層間絶縁膜4に形成されたコンタクトホール5を介して、データ線6aが高濃度ソース領域1dと電気的に接続されている。さらに、第2層間絶縁膜4およびデータ線6aの表面には、第3層間絶縁膜7が形成されている。そして、第3層間絶縁膜7の表面に画素電極9が形成され、第2層間絶縁膜4および第3層間絶縁膜7に形成されたコンタクトホール8を介して、画素電極9が高濃度ドレイン領域1eと電気的に接続されている。さらに、画素電極9を覆うように、ポリイミド等からなる配向膜16が形成されている。配向膜16の表面にはラビング等が施され、電界無印加時における液晶分子の配向方向を規制しうるようになっている。
なお、本実施形態では、半導体層1aを延設して第1蓄積容量電極1fが形成されている。また、ゲート絶縁膜2を延設して誘電体膜が形成され、その表面に容量線3bが配置されて第2蓄積容量電極が形成されている。これらにより、上述した蓄積容量17が構成されている。
また、TFT素子30の形成領域に対応するTFTアレイ基板10の表面に、第1遮光膜11aが形成されている。第1遮光膜11aは、液晶パネルに入射した光が、半導体層1aのチャネル領域1a'、低濃度ソース領域1bおよび低濃度ドレイン領域1cに侵入することを防止するものである。なお、第1遮光膜11aは、第1層間絶縁膜12に形成されたコンタクトホール13を介して、前段あるいは後段の容量線3bと電気的に接続されている。これにより、第1遮光膜11aは第3蓄積容量電極として機能し、第1層間絶縁膜12を誘電体膜として、第1蓄積容量電極1fとの間に新たな蓄積容量が形成されている。
一方、データ線6a、走査線3aおよびTFT素子30の形成領域に対応する対向基板20の表面には、第2遮光膜23が形成されている。第2遮光膜23は、液晶パネルに入射した光が、半導体層1aのチャネル領域1a’や低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1cに侵入するのを防止するものである。また、対向基板20および第2遮光膜23の表面には、ほぼ全面にわたってITO等の導電体からなる共通電極21が形成されている。さらに、共通電極21の表面には、ポリイミド等からなる配向膜22が形成されている。配向膜22の表面にはラビング等が施され、電界無印加時における液晶分子の配向方向を規制しうるようになっている。
そして、TFTアレイ基板10と対向基板20との間には、液晶層50が挟持されている。この液晶層50は、正の誘電率異方性を示すネマチック液晶等によって構成されている。すなわち、液晶層50を構成する液晶分子は、電界無印加時に水平配向し、電界印加時に垂直配向するようになっている。なお、TFTアレイ基板10における配向膜16の配向方向と、対向基板20における配向膜22の配向方向とは、図4(b)中の矢印で示すように、約93°ねじれた状態で配置されている。これにより、本実施形態の液晶パネル60は、ツイステッドネマチックモードで動作するようになっている。
(偏光板)
図4(b)は、第1実施形態の液晶装置の分解斜視図である。本実施形態の液晶装置100は、上述した液晶パネル60と、液晶パネル60の外側に配置された光学補償板70,80と、光学補償板70,80の外側に配置された偏光板62,64とによって構成されている。
液晶パネル60の光入射側には偏光板62が配置され、光出射側には偏光板64が配置されている。偏光板は、その透過軸方向の直線偏光のみを透過する機能を有する。そして、光出射側の偏光板64は、その透過軸が、液晶パネル60の光出射側の基板における配向膜の配向方向と一致するように配置されている。また、光入射側の偏光板62は、その透過軸が、光出射側の偏光板64の透過軸と直交するように配置されている。なお、偏光板62の透過軸は、液晶パネル60の光入射側の基板における配向膜の配向方向と、約3°ずれた状態で配置されている。
そして、液晶装置100に対して偏光板62の下方から光が入射すると、偏光板62の透過軸と一致する直線偏光のみが偏光板62を透過する。電界無印加時の液晶パネル60では、液晶分子がらせん状に水平配向している。そのため、液晶パネル60に入射した直線偏光は、約90°旋光されて液晶パネル60から出射する。この直線偏光は、偏光板64の透過軸と一致するため、偏光板64を透過する。したがって、電界無印加時の液晶パネル60では白表示が行われる(ノーマリーホワイトモード)。また、電界印加時の液晶パネル60では、図4(a)に示すように液晶分子が垂直配向している。そのため、液晶パネル60に入射した直線偏光は、旋光されることなく液晶パネル60から出射する。そして、この直線偏光は、偏光板64の透過軸と直交するため、その偏光板64を透過しない。したがって、電界印加時の液晶パネル60では黒表示が行われる。
(光学補償板)
そして本実施形態では、液晶パネル60における光入射側の基板の外側に第1光学補償板70が配置され、光出射側の基板の外側に第2光学補償板80が配置されている。
図5は、光学補償板の側面断面図である。第1光学補償板70は、三酢酸セルロース(TAC)等の支持体72上に配向膜(不図示)を設け、その配向膜上にトリフェニレン誘導体等のディスコティック層74を塗設したものである。ディスコティック化合物は、液晶相を呈したときに、光学的に負の一軸性を示す。そこで、支持体72上に塗設されたディスコティック化合物74を加熱し、ディスコティックネマチック(N)相を形成させた後に、配向状態を固定化する。このN相の形成時に、ディスコティック層74は、空気界面付近で液晶分子75aの光軸76aが配向膜による配向規制方向に沿って水平になるホモジニアス配向をとり、支持体72付近で液晶分子75bの光軸76bが垂直になるホメオトロピック配向をとる。したがって、ディスコティック層74は、厚み方向で液晶分子の配向角度が連続的に変化するハイブリッド配向となっている。なお、配向膜の表面にはラビング等が施され、液晶分子の配向方向を規制しうるようになっている。このような第1光学補償板70として、具体的には富士フィルム製のWVフィルムを採用することが可能である。
上述した第1光学補償板70は、支持基板78に装着されている。支持基板78は、サファイヤや無アルカリガラス等の熱伝導率の大きい透光性材料で構成されている。そして支持基板78に装着された第1光学補償板70は、図4に示す液晶パネル60の表面から所定距離をおいて、液晶装置100に配設されている。これにより、液晶パネル60からの熱影響による第1光学補償板70の劣化を抑制しうるようになっている。なお、第2光学補償板80についても、上述した第1光学補償板70と同様に構成されて、液晶装置100に配設されている。
図4(b)に戻り、第2光学補償板80は、その配向膜の配向方向81が、液晶パネル60の光出射側の基板における配向膜の配向方向68とほぼ一致するように配置されている。また第1光学補償板70は、その配向膜の配向方向71が、第2光学補償板80における配向膜の配向方向81とほぼ直交するように配置されている。なお、第1光学補償板70における配向膜の配向方向71は、液晶パネル60の光入射側の基板における配向膜の配向方向67と、約3°ずれた状態になっている。
図4(a)は、光学補償の説明図である。液晶パネル60に封入されたネマチック液晶は、光学的に正の一軸性を示すものである。すなわち、光軸66方向の屈折率が他の方向の屈折率より大きく、屈折率楕円体ではラグビーボール型となる。ラグビーボール型の屈折率楕円体は、斜め方向から観察すると楕円になり、その長軸と短軸との差が位相差となる。この斜め方向から観察した場合の位相差が、黒表示における光漏れの原因となり、液晶パネルの視角を低下させることになる。
これに対して、第1光学補償板70を構成するディスコティック液晶は、光学的に負の一軸性を示すものである。すなわち、光軸76b方向の屈折率が他の方向の屈折率より小さく、屈折率楕円体では円盤型となる。この第1光学補償板70における配向膜の配向方向と、液晶パネル60の光入射側の基板における配向膜の配向方向とをほぼ一致させて配置することにより、第1光学補償板70における円盤型の屈折率楕円体が、液晶パネル60におけるラグビーボール型の屈折率楕円体の位相差を打ち消すように作用する。なお、第1光学補償板70における円盤型の屈折率楕円体の光軸を、液晶パネル60におけるラグビーボール型の屈折率楕円体の光軸と平行に配置すれば、あらゆる方向から観察した場合の位相差を完全に補償することが可能になる。そして、液晶パネル60の液晶層に含まれる液晶分子のうち、光入射側に配置された液晶分子の位相差は、第1光学補償板70によって補償される。また、光出射側に配置された液晶分子の位相差は、第2光学補償板80によって補償される。
ところで、電界印加時における液晶パネル60の液晶分子を微視的に観察すれば、液晶層の中央付近の液晶分子は垂直配向しているが、配向膜付近の液晶分子は完全に垂直配向していない。そこで、図16に示す従来の液晶装置では、第1光学補償板70における液晶分子75aの光軸76aと第1光学補償板70の法線とのなす角度が大きい方の面(すなわち、液晶分子75aが垂直配向している方の面)70aを、液晶パネル60に対向させて、第1光学補償板70を配置していた。
しかしながら、液晶パネル60における配向膜付近の液晶分子は、完全に水平配向しているわけではなく、垂直配向との中間的な状態にある。特に、投射型表示装置の光変調手段に使用される液晶パネルでは、配向膜付近の液晶分子も垂直配向に近い状態となっている。一方、第1光学補償板70においても、空気界面付近の液晶分子は完全に垂直配向しているわけではなく、水平配向との中間的な状態にある。
そこで、図4に示す本実施形態では、第1光学補償板70における液晶分子75bの光軸76bと第1光学補償板70の法線とのなす角度が小さい方の面(すなわち、液晶分子75bが水平配向している方の面)70bを、液晶パネル60に対向させて、第1光学補償板70を配置した。これにより、液晶パネル60におけるラグビーボール型の屈折率楕円体の光軸66と、第1光学補償板70における円盤型の屈折率楕円体の光軸76bとが、より平行に近い状態で配置されるようになり、斜め方向から観察した場合の位相差をより好適に補償することができる。なお第2光学補償板80についても、第1光学補償板70と同様に配置した。したがって、黒表示における光漏れが減少し、液晶パネルのコントラスト比を向上させることができる。これに伴って、液晶パネルの視角を拡大することができる。
図6は、12°コーンにおける等コントラスト比曲線である。なお、図6(a)は図4に示す本実施形態の液晶装置の場合であり、図6(b)は図16に示す従来の液晶装置の場合である。等コントラスト比曲線は、液晶装置を正面から所定角度の範囲内で見た場合に、コントラスト比が等しくなる点を結んだものである。図6(a)に示す本実施形態の液晶装置の場合には、図6(b)に示す従来の液晶装置の場合に比べて、液晶装置の正面付近におけるコントラスト比が高くなっているのがわかる。なお投射型表示装置では、光変調手段である液晶パネルへの光源光の入射角度が約12°以内であり、その範囲内で平均された光が投影光となる。その投影光のコントラスト比は、従来の液晶装置の場合が約800であるのに対して、本実施形態の液晶装置の場合には約1000になることが確認されている。このように、本実施形態の構成を採用することにより、コントラスト比を向上させることができる。
[第1変形例]
図7(b)は、第1実施形態に係る液晶装置の第1変形例の分解斜視図である。上述した第1実施形態に係る液晶装置では、液晶パネル60の両側に第1光学補償板70および第2光学補償板80を配置した。これに対して、図7(b)に示す第1変形例では、液晶パネル60の光入射側のみに第1光学補償板70および第2光学補償板80をこの順序で配置している。
図8は、積層配置した光学補償板の側面断面図である。第1変形例では、支持基板78の表面に第1光学補償板70が装着され、さらに第1光学補償板70の表面に第2光学補償板80が配置されている。このように、第1光学補償板70および第2光学補償板80は、1個の支持基板78に積層された状態で液晶装置に配設されている。
図7(b)に戻り、第1光学補償板70は、その配向膜の配向方向71が、液晶パネル60の光入射側の基板における配向膜の配向方向67と、約3°ずれた状態で配置されている。また第2光学補償板80は、その配向膜の配向方向81が、液晶パネル60の光出射側の基板における配向膜の配向方向68とほぼ一致するように配置されている。すなわち、第1光学補償板70および第2光学補償板80は、それぞれの配向膜の配向方向71,81がほぼ直交するように配置されている。
図7(a)は、光学補償の説明図である。第1光学補償板70における液晶分子75bの光軸76bと第1光学補償板70の法線とのなす角度が小さい方の面(すなわち、液晶分子75bが水平配向している方の面)70bを、液晶パネル60に対向させて、第1光学補償板70が配置されている。さらに、第2光学補償板80における液晶分子85aの光軸86aと第2光学補償板80の法線とのなす角度が大きい方の面(すなわち、液晶分子85aが垂直配向している方の面)80aを、第1光学補償板70に対向させて、第2光学補償板80が配置されている。これにより、図4に示す第1実施形態では液晶パネル60の光出射側に配置されていた第2光学補償板80が、図7(a)に示す第1変形例では第1光学補償板70の光入射側に平行移動した状態となっている。
この第1変形例でも、液晶パネル60の液晶層に含まれる液晶分子のうち光入射側に配置された液晶分子の位相差は、第1光学補償板70によって補償される。また、光出射側に配置された液晶分子の位相差は、第2光学補償板80によって補償される。したがって、第1実施形態と同様に、黒表示における光漏れが減少し、液晶装置のコントラスト比を向上させることができる。
そして第1変形例では、図8に示すように、第1光学補償板70および第2光学補償板80を1個の支持基板78に積層した状態で液晶装置に配設するので、支持基板78の使用個数を削減することができる。支持基板78は、サファイヤや無アルカリガラス等の熱伝導率の大きい透光性材料で構成されているが、サファイヤは位相差が大きく、また無アルカリガラスも光学補償板の粘着層の熱による歪から位相差を生じる。しかしながら、第1変形例では、支持基板78の使用個数を削減することができるので、支持基板78の位相差による影響を低減することが可能になる。これにより、黒表示における光漏れが減少して、液晶装置のコントラスト比を向上させることができる。また、支持基板78による光の減衰を低減することも可能になり、出射光の明るさを確保することができる。さらに、液晶装置の製造コストを低減することも可能になる。
[第2変形例]
図9(b)は、第1実施形態に係る液晶装置の第2変形例の分解斜視図である。上述した第1変形例に係る液晶装置では、液晶パネル60の光入射側のみに第1光学補償板70および第2光学補償板80を順次配置した。これに対して、図9(b)に示す第2変形例では、液晶パネル60の光出射側のみに第2光学補償板80および第1光学補償板70をこの順序で配置している。この場合にも、1個の支持基板に第1光学補償板70および第2光学補償板80を積層した状態で、液晶パネル60の光出射側に配設することが可能である。したがって、第1変形例と同様に、支持基板の使用個数を削減することが可能になる。
図9(b)に戻り、第2光学補償板80は、その配向膜の配向方向81が、液晶パネル60の光出射側の基板における配向膜の配向方向68とほぼ一致するように配置されている。また、第1光学補償板70は、その配向膜の配向方向71が、液晶パネル60の光入射側の基板における配向膜の配向方向67と、約3°ずれた状態で配置されている。すなわち、第1光学補償板70および第2光学補償板80は、それぞれの配向膜の配向方向71,81がほぼ直交するように配置されている。
図9(a)は、光学補償の説明図である。第2光学補償板80における液晶分子85bの光軸86bと第2光学補償板80の法線とのなす角度が小さい方の面(すなわち、液晶分子85bが水平配向している方の面)80bを、液晶パネル60に対向させて、第2光学補償板80が配置されている。さらに、第1光学補償板70における液晶分子75aの光軸76aと第1光学補償板70の法線とのなす角度が大きい方の面(すなわち、液晶分子75aが垂直配向している方の面)70aを、第2光学補償板80に対向させて、第1光学補償板70が配置されている。これにより、図4に示す第1実施形態では液晶パネル60の光入射側に配置されていた第1光学補償板70が、図9に示す第2変形例では第2光学補償板80の光出射側に平行移動した状態となっている。
この第2変形例でも、液晶パネル60の液晶層に含まれる液晶分子のうち、光入射側に配置された液晶分子の位相差は、第1光学補償板70によって補償される。また、光出射側に配置された液晶分子の位相差は、第2光学補償板80によって補償される。したがって、第1実施形態と同様に、黒表示における光漏れが減少し、液晶パネルのコントラスト比を増加させることができる。
そして第2変形例では、第1光学補償板70および第2光学補償板80を液晶パネル60の光出射側のみに配置するので、第1光学補償板70および第2光学補償板80が光源(不図示)から離間配置されて熱影響を受け難くなる。したがって、第1実施形態およびその第1変形例に比べて、第1光学補償板70および第2光学補償板80の熱劣化を抑制することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る液晶装置につき、図10ないし図12を用いて説明する。第2実施形態に係る液晶装置は、ネマチック液晶をハイブリッド配向させた光学補償板を使用する点で第1実施形態と異なっている。なお、第1実施形態と同様の構成となる部分については、その詳細な説明を省略する。
図10(b)は、本実施形態の液晶装置の分解斜視図である。本実施形態の液晶装置では、液晶パネル60における光入射側の基板の外側に第1光学補償板170が配置され、その外側に偏光板62が配置されている。また、液晶パネル60における光出射側の基板の外側に第2光学補償板180が配置され、その外側に偏光板64が配置されている。なお、液晶パネル60および偏光板62,64の構成や配置等は第1実施形態と同様であるから、その詳細な説明を省略する。
図11は、光学補償板の側面断面図である。この第1光学補償板170は、三酢酸セルロース(TAC)等の支持体172上に配向膜(不図示)を設け、その配向膜上にネマチック層174を形成したものである。このネマチック層174は、空気界面付近で液晶分子175aが配向膜による配向規制方向に沿って水平配向をとり、配向膜付近では液晶分子175bが垂直配向をとっている。すなわち、ネマチック層174は、厚み方向で液晶分子の配向角度が連続的に変化するハイブリッド配向となっている。なお、配向膜の表面にはラビング等が施され、液晶分子の配向方向を規制しうるようになっている。このような第1光学補償板170として、具体的には日本石油製のNHフィルムを採用することが可能である。そして第1光学補償板170は、支持基板178に装着された状態で液晶装置に配設されている。
図10(b)に戻り、第2光学補償板180は、その配向膜の配向方向181が、液晶パネル60の光出射側の基板における配向膜の配向方向68とほぼ直交するように配置されている。また、第1光学補償板170は、その配向膜の配向方向171が、第2光学補償板180における配向膜の配向方向181とほぼ直交するように配置されている。なお、第1光学補償板170における配向膜の配向方向171は、液晶パネル60の光入射側の基板における配向膜の配向方向67と、約93°ずれた状態になっている。
図10(a)は、光学補償の説明図である。第1光学補償板170を構成するネマチック液晶は、液晶パネル60に封入されたネマチック液晶と同様に、光学的に正の一軸性を示すものである。すなわち、光軸176b方向の屈折率が他の方向の屈折率より大きく、屈折率楕円体ではラグビーボール型となる。この第1光学補償板170における配向膜の配向方向と、液晶パネル60の光出射側の基板における配向膜の配向方向とをほぼ直交させて配置することにより、第1光学補償板170におけるラグビーボール型の屈折率楕円体が、液晶パネル60におけるラグビーボール型の屈折率楕円体の位相差を打ち消すように作用する。
本実施形態では、第1光学補償板170における液晶分子175bの光軸176bと第1光学補償板170の法線とのなす角度が小さい方の面(すなわち、液晶分子175bが垂直配向している方の面)170bを、液晶パネル60に対向させて、第1光学補償板170を配置した。なお第2光学補償板180についても、第1光学補償板170と同様に配置した。これにより、斜め方向から観察した場合の位相差をより好適に補償することができる。したがって、黒表示における光漏れが減少し、液晶パネルのコントラスト比を向上させることができる。これに伴って、液晶パネルの視角を拡大することができる。
図12は、12°コーンにおける等コントラスト比曲線である。図12(a)に示す本実施形態の液晶装置の場合には、図12(b)に示す従来の液晶装置の場合に比べて、液晶装置の正面付近におけるコントラスト比が高くなっているのがわかる。したがって、本実施形態の構成を採用することにより、コントラスト比を向上させることができる。
[第1変形例]
図13(b)は、第2実施形態に係る液晶装置の第1変形例の分解斜視図である。上述した第2実施形態に係る液晶装置では、液晶パネル60の両側に第1光学補償板170および第2光学補償板180を配置した。これに対して、図13(b)に示す第1変形例では、液晶パネル60の光入射側のみに第1光学補償板170および第2光学補償板180をこの順序で配置している。この第1光学補償板170および第2光学補償板180は、1個の支持基板に積層した状態で、液晶パネル60の光入射側に配設することが可能である。
第1光学補償板170は、その配向膜の配向方向171が、液晶パネル60の光入射側の基板における配向膜の配向方向67と、約93°ずれた状態で配置されている。また第2光学補償板180は、その配向膜の配向方向181が、液晶パネル60の光出射側の基板における配向膜の配向方向68とほぼ直交するように配置されている。すなわち、第1光学補償板170および第2光学補償板180は、それぞれの配向膜の配向方向171,181がほぼ直交するように配置されている。
図13(a)は、光学補償の説明図である。第1光学補償板170における液晶分子175bの光軸176bと第1光学補償板170の法線とのなす角度が小さい方の面(すなわち、液晶分子175bが垂直配向している方の面)170bを、液晶パネル60に対向させて、第1光学補償板170が配置されている。さらに、第2光学補償板180における液晶分子185aの光軸186aと第2光学補償板180の法線とのなす角度が大きい方の面(すなわち、液晶分子185aが水平配向している方の面)180aを、第1光学補償板170に対向させて、第2光学補償板180が配置されている。これにより、図10に示す第2実施形態では液晶パネル60の光出射側に配置されていた第2光学補償板180が、図13に示す第1変形例では第1光学補償板170の光入射側に平行移動した状態となっている。
この第1変形例でも、第2実施形態と同様に、黒表示における光漏れが減少し、液晶パネルのコントラスト比を向上させることができる。そして第1変形例では、第1光学補償板170および第2光学補償板180を1個の支持基板に積層した状態で液晶装置に配設するので、支持基板の使用個数を削減することができる。したがって、支持基板の位相差による影響を低減することが可能になり、液晶装置のコントラスト比を向上させることができる。
[第2変形例]
図14(b)は、第2実施形態に係る液晶装置の第2変形例の分解斜視図である。上述した第1変形例に係る液晶装置では、液晶パネル60の光入射側のみに第1光学補償板170および第2光学補償板180を順次配置した。これに対して、図14(b)に示す第2変形例では、液晶パネル60の光出射側のみに第2光学補償板180および第1光学補償板170をこの順序で配置している。この場合も、第1光学補償板170および第2光学補償板180を1個の支持基板に積層した状態で、液晶パネル60の光出射側に配設することが可能である。したがって、第1変形例と同様に、支持基板の使用個数を削減することが可能になる。
第2光学補償板180は、その配向膜の配向方向181が、液晶パネル60の光出射側の基板における配向膜の配向方向68とほぼ直交するように配置されている。また第1光学補償板170は、その配向膜の配向方向171が、液晶パネル60の光入射側の基板における配向膜の配向方向67と、約93°ずれた状態で配置されている。すなわち、第1光学補償板170および第2光学補償板180は、それぞれの配向膜の配向方向171,181がほぼ直交するように配置されている。
図14(a)は、光学補償の説明図である。第2光学補償板180における液晶分子185bの光軸186bと第2光学補償板180の法線とのなす角度が小さい方の面(すなわち、液晶分子185bが垂直配向している方の面)180bを、液晶パネル60に対向させて、第2光学補償板180が配置されている。さらに、第1光学補償板170における液晶分子175aの光軸176aと第1光学補償板170の法線とのなす角度が大きい方の面(すなわち、液晶分子175aが水平配向している方の面)170aを、第2光学補償板180に対向させて、第1光学補償板170が配置されている。これにより、図10に示す第2実施形態では液晶パネル60の光入射側に配置されていた第1光学補償板170が、図14に示す第2変形例では第2光学補償板180の光出射側に平行移動した状態となっている。
この第2変形例でも、第2実施形態と同様に、黒表示における光漏れが減少し、液晶パネルのコントラスト比を向上させることができる。そして第2変形例では、第1光学補償板170および第2光学補償板180を液晶パネル60の光出射側のみに配置するので、第1光学補償板170および第2光学補償板180が光源(不図示)から離間配置されて熱影響を受け難くなる。したがって、第2実施形態およびその第1変形例に比べて、第1光学補償板170および第2光学補償板180の熱劣化を抑制することができる。
[投射型表示装置]
次に、本発明の電子機器の具体例である投射型表示装置につき、図15を用いて説明する。図15は、投射型表示装置の要部を示す概略構成図である。この投射型表示装置は、上述した各実施形態またはその変形例に係る液晶装置を、光変調手段として備えたものである。
図15において、810は光源、813、814はダイクロイックミラー、815、816、817は反射ミラー、818は入射レンズ、819はリレーレンズ、820は出射レンズ、822、823、824は本発明の液晶装置からなる光変調手段、825はクロスダイクロイックプリズム、826は投射レンズである。光源810は、メタルハライド等のランプ811とランプの光を反射するリフレクタ812とからなる。
ダイクロイックミラー813は、光源810からの白色光に含まれる赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー817で反射されて、赤色光用光変調手段822に入射される。また、ダイクロイックミラー813で反射された緑色光は、ダイクロイックミラー814によって反射され、緑色光用光変調手段823に入射される。さらに、ダイクロイックミラー813で反射された青色光は、ダイクロイックミラー814を透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ818、リレーレンズ819および出射レンズ820を含むリレーレンズ系からなる導光手段821が設けられている。この導光手段821を介して、青色光が青色光用光変調手段824に入射される。
各光変調手段により変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム825に入射する。このクロスダイクロイックプリズム825は4つの直角プリズムを貼り合わせたものであり、その界面には赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とがX字状に形成されている。これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ826によってスクリーン827上に投写され、画像が拡大されて表示される。
このように、投射型表示装置の光変調手段822,823,824として、上述した各実施形態またはその変形例に係る液晶装置を使用すれば、光源光が斜め方向から入射した場合の位相差を補償することができる。なお、光源810におけるランプ811からの光は、リフレクタ812により略平行光に変換されるので、光変調手段822,823,824に対する入射光の入射角度は、最大でも12°程度となる。そして、上述した各実施形態またはその変形例に係る液晶装置では、12°コーンにおけるコントラスト比を向上させることができるので、スクリーン827上に投写された画像のコントラスト比を向上させることができる。
また、本発明の電子機器の他の具体例として、携帯電話を挙げることができる。この携帯電話は、上述した各実施形態またはその変形例に係る液晶装置を表示部に備えたものである。また、その他の電子機器としては、たとえばICカード、ビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、ヘッドマウントディスプレイ、さらに表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、DSP装置、PDA、電子手帳、電光掲示盤、宣伝公告用ディスプレイ等が挙げられる。
なお、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。たとえば、実施形態ではスイッチング素子としてTFTを備えた液晶装置を例にして説明したが、スイッチング素子として薄膜ダイオード(Thin Film Diode)等の二端子型素子を採用してもよい。また、実施形態では透過型液晶装置を例にして説明したが、本発明の液晶装置を反射型や半透過型の液晶装置に適用することも可能である。さらに、電子機器として3板式の投射型表示装置を例にして説明したが、本発明の液晶装置を単板式の投射型表示装置や直視型表示装置に適用することも可能である。
液晶パネルの等価回路図である。 液晶パネルの平面構造の説明図である。 液晶パネルの断面構造の説明図であり、図2のA−A’線における側面断面図である。 第1実施形態の液晶装置の分解斜視図および光学補償の説明図である。 光学補償板の側面断面図である。 12°コーンにおける等コントラスト比曲線である。 第1実施形態に係る液晶装置の第1変形例の分解斜視図および光学補償の説明図である。 積層配置した光学補償板の側面断面図である。 第1実施形態に係る液晶装置の第2変形例の分解斜視図および光学補償の説明図である。 第2実施形態の液晶装置の分解斜視図および光学補償の説明図である。 光学補償板の側面断面図である。 12°コーンにおける等コントラスト比曲線である。 第2実施形態に係る液晶装置の第1変形例の分解斜視図および光学補償の説明図である。 第2実施形態に係る液晶装置の第2変形例の分解斜視図および光学補償の説明図である。 投射型表示装置の要部を示す構成図である。 従来技術に係る液晶装置の分解斜視図および光学補償の説明図である。 他の従来技術に係る液晶装置の分解斜視図および光学補償の説明図である。
符号の説明
60液晶パネル 70第1光学補償板 75b液晶分子 76b光軸 80第2光学補償板 100液晶装置

Claims (7)

  1. 一対の基板により液晶層が挟持された液晶パネルを備え、前記液晶パネルがツイステッドネマチックモードで動作する液晶装置であって、
    前記液晶パネルにおける少なくとも一方の基板の外側に、負の屈折率異方性を示す液晶分子をハイブリッド配向させてなる光学補償板が配置され、
    前記光学補償板の配向方向と、前記液晶パネルにおける前記一方の基板の配向方向とがほぼ一致するように、前記光学補償板が配置されるとともに、
    前記光学補償板における前記液晶分子の光軸と前記光学補償板の法線とのなす角度が小さい方の面を、前記一方の基板に対向させて、前記光学補償板が配置されていることを特徴とする液晶装置。
  2. 一対の基板により液晶層が挟持された液晶パネルを備え、前記液晶パネルがツイステッドネマチックモードで動作する液晶装置であって、
    前記液晶パネルにおける少なくとも一方の基板の外側に、正の屈折率異方性を示す液晶分子をハイブリッド配向させてなる光学補償板が配置され、
    前記光学補償板の配向方向と、前記液晶パネルにおける前記一方の基板の配向方向とがほぼ直交するように、前記光学補償板が配置されるとともに、
    前記光学補償板における前記液晶分子の光軸と前記光学補償板の法線とのなす角度が小さい方の面を、前記一方の基板に対向させて、前記光学補償板が配置されていることを特徴とする液晶装置。
  3. 前記一対の基板のうち一方の前記基板の外側に、第1の前記光学補償板が配置され、
    前記一対の基板のうち他方の前記基板の外側に、第2の前記光学補償板が配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶装置。
  4. 前記一対の基板のうち一方の前記基板の外側に、第1の前記光学補償板が配置され、
    前記第1の光学補償板の外側に、第2の前記光学補償板が配置され、
    前記第2の光学補償板は、前記一対の基板のうち他方の前記基板と配向方向がほぼ一致するように配置されるとともに、
    前記第2の光学補償板における前記液晶分子の光軸と前記第2の光学補償板の法線とのなす角度が大きい方の面を、前記第1の光学補償板に対向させて、前記第2の光学補償板が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
  5. 前記一対の基板のうち一方の前記基板の外側に、第1の前記光学補償板が配置され、
    前記第1の光学補償板の外側に、第2の前記光学補償板が配置され、
    前記第2の光学補償板は、前記一対の基板のうち他方の前記基板と配向方向がほぼ直交するように配置されるとともに、
    前記第2の光学補償板における前記液晶分子の光軸と前記第2の光学補償板の法線とのなす角度が大きい方の面を、前記第1の光学補償板に対向させて、前記第2の光学補償板が配置されていることを特徴とする請求項2に記載の液晶装置。
  6. 前記第1の光学補償板および前記第2の光学補償板は、前記一対の基板のうち光出射側の前記基板の外側に配置されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の液晶装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の液晶装置を、光変調手段に採用したことを特徴とする投射型表示装置。
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