JP2005187080A - 詰め替え用パウチ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 詰め替え用パウチ100 を、スタンディングパウチ形式で形成し、上部のコーナー部に狭い幅の注出口部6を設け、その側部に容器の口部に固定するための切り欠き部7a,7b を設けると共に、パウチ100 の少なくとも一方の壁面フィルム5に、注出口部6からパウチの幅方向の中心線を超えるまでの上部では斜め下方に向かい、その先の中間部で曲線状に下方に曲がり、下部では垂直となる形状の膨らみ部Sを、注出口部ではその幅と高さが大きく、斜め下方に向かって徐々に幅と高さが小さくなり、中間部から下では幅と高さが一定となるように設けて構成する。
【選択図】 図1
Description
即ち、請求項1に記載した発明は、両側のヒートシール部により形成される狭い幅の注出口部を具え、内部に流動性を有する内容物が密封包装される詰め替え用パウチにおいて、前記注出口部近傍の少なくとも一方の壁面フィルムに、フラットな面の組み合わせであって、幅方向の断面形状が直線の組み合わせで形成される膨らみ部を有することを特徴とする詰め替え用パウチからなる。
尚、本発明において、フラットな面とは、高さ方向に曲線部のない面を意味するものとする。
このような構成を採ることにより、詰め替え用パウチは、その一部に両側のヒートシール部により形成される狭い幅の注出口部を具え、且つ、その注出口部近傍の少なくとも一方の壁面フィルムには、フラットな面の組み合わせで形成される膨らみ部が設けられているので、パウチに充填された内容物をボトルなど他の容器に移し替える際、注出口部の先端部を切り取って開封するだけで、膨らみ部により自動的に保形性のよい注出口が開口される。
この時、膨らみ部は、フラットな面の組み合わせで形成されており、面と面との境界には、それぞれ線状の折れ曲がり部が形成され、この折れ曲がり部がそれぞれリブ効果を奏するため、圧縮などの力に対して、抵抗性、復元性があり、保形性においても優れている。
従って、注出の途中で注出口が閉塞するようなことがなく、最後まで安全且つ容易に内容物を移し替えることができる。
そして、パウチ上部のコーナー部には、狭い幅の注出口部が設けられ、少なくともその一方の側部に切り欠き部が設けられているので、パウチに充填された内容物をボトルなど他の容器に移し替える際、注出口部の先端部を切り取って開封し、注出口部を例えばボトルの口部に差し込み、或いは、注出口部の側部の切り欠き部をボトルの口部にあてがいながら内容物を注出することができるので、注出中、注出口部がボトルの口部に安定して固定され、安全に内容物を移し替えることができる。
また、膨らみ部の下部は、その幅と高さが比較的小さく且つ一定となる形状で垂直に設けられているので、そのリブ効果によりパウチの形態安定性と自立性が向上する。
尚、このような膨らみ部は、パウチの一方の壁面フィルムのみに設けてもよいが、例えば、両面の壁面フィルムに対称形などに設けることにより、その作用効果を一層向上させることができる。
従って、注出口部の先端部を切り取って開封するだけで、両面の膨らみ部により、自動的に一層大きく開口した注出口部が保形性のよい状態で形成される。
また、膨らみ部の下部は、略垂直な押し罫状となっているため、そのリブ効果によりパウチの形態安定性および自立性を向上させることができる。
膨らみ部は、熱エンボス法、真空成形法、圧空・真空成形法などにより設けることができるが、特に、熱エンボス法は、細かいパターンの再現性およびその生産性に優れている。
従って、上記のような構成を採ることにより、前記請求項1乃至5のいずれかに記載した発明の作用、効果に加えて、希望する形状の膨らみ部が一層再現性よく、且つ容易に得られるので、膨らみ部による前記作用、効果も確実に得ることができる。
上記易開封性手段は、通常のパウチでも多用されるノッチのほか、レーザー光照射などによるハーフカット線、或いは、パウチの積層フィルム中に一軸延伸フィルムを積層する方法(この場合、一軸延伸フィルムは、その延伸方向が注出口部の開封方向と一致するように用いる)などがあり、これらは単独で用いてもよく、また、例えば、ノッチと、一軸延伸フィルムの積層またはハーフカット線などのように適宜組み合わせて用いることもできる。
また、このようなハーフカット線は、1本でもよいが、引き裂き方向がずれた場合を想定して、中心のハーフカット線の両側に各1本、または各2本など複数本のハーフカット線を平行に設けることもできる。
尚、前記ノッチは、通常、一字形やV字形のノッチが利用されているが、形状は特に限定されず、切り取り方向に鋭角部分を有する形状であれば何でも使用することができる。
上記摘み部は、通常、注出口部の易開封性手段の上部で注出口部の側部に、ヒートシール部を延長する形式で設けられる。
本発明の詰め替え用パウチの製造に用いるフィルムは、主にプラスチックを主体とする積層フィルムが用いられるが、特に限定はされず、例えば、各種液体用パウチに用いられている公知の積層フィルムは、いずれも使用できる。
これらの中から、包装する内容物の種類や充填後の加熱処理の有無など使用条件に応じて適するものを自由に選択して使用することができる。
好ましく使用できる積層フィルムの構成の代表的な例として、以下のような構成が挙げられる。
(2) ONフィルム/接着剤/一軸延伸HDPEフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(3) ONフィルム/接着剤/一軸延伸PPフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(4) ONフィルム/接着剤/一軸延伸PPフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(5) ONフィルム(シリカ蒸着層)/接着剤/一軸延伸HDPEフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(6) ONフィルム/アンカーコート層/共押し出しコート層(HDPE層/L・LDPE層)(シーラント層はL・LDPE層)
(7) ONフィルム/アンカーコート層/共押し出しコート層(HDPE層/LDPE層)/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(8) PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/ONフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(9) PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/ONフィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
(10)PETフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラント層)
(11)PETフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
(12)PETフィルム/接着剤/EVOHフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント層)
などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく様々な組み合わせの積層フィルムを使用することができる。
また、アンカーコートは、押し出しコーティングで樹脂を積層する際、接着性を向上させるために基材フィルム側に予めコーティングするものでプライマーコートの一種である。
そして、アルミニウム箔、シリカ蒸着層、EVOHフィルムなどは、ガスバリヤー性を付与するために積層するものである。
また、シーラント層としては、L・LDPEフィルムとCPPフィルムの2種類の例を挙げたが、L・LDPEフィルムは、ヒートシールの安定性や耐内容物性、例えば界面活性剤に対する耐ストレスクラッキング性などに優れ、CPPフィルムは、耐熱性、低臭性に優れており、これらの性能を必要とする内容物の包装用に適している。
更に、前記共重合体にオレフィン系エラストマーをブレンドしたものを用いることにより、シーラント層の熱流動性が改善され、前記段差によるピンホールの発生も一層効果的に防止することができる。
本発明の詰め替え用パウチは、基本的には本体部分の形状に応じて、即ち、本体部分がスタンディングパウチ形式の場合は、従来のスタンディングパウチ用の製袋機を利用して製造することができる。
(1) パウチの一部に狭い幅の注出口部を設けている点。
(2) 前記注出口部の側部に、必要に応じて、容器の口部に固定するための切り欠き部を設けている点。
(3) 更に必要に応じて、前記注出口部に易開封性手段や、摘み部を設けている点。
(4) パウチの壁面フィルムに、前記注出口部近傍、または、注出口部から斜め下方向のパウチ底部近くの位置にかけて、種々の形状の膨らみ部を設けている点である。
膨らみ部の注出口部以外の部分の高さは、例えば注出口部から斜め下方に向かって幅が徐々に先細りとなる中間部で傾斜を付けて、1.8〜0.5mm程度まで低くすることができる。
但し、本発明はこれらの図面に限定されるものではない。また、図面に付した符号は、異なる図面においても同じ名称の部分には同じ符号を用いた。
図2の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)は、それぞれ図1に示した詰め替え用パウチの壁面フィルムに設けた膨らみ部の幅方向の断面形状の一例を示す拡大断面図であり、(イ)は、一方(前面)の壁面フィルムのみに膨らみ部を設けた場合のA−A線における拡大断面図で、(ロ)は、その時のB−B線における拡大断面図である。また、(ハ)は、前後両面の壁面フィルムに、対称形に膨らみ部を設けた場合のA−A線における拡大断面図で、(ニ)は、その時のB−B線における拡大断面図である。
また、注出口部6の先端部近傍には、切り欠き部7b のトリミングの際、摘み部8と、易開封性手段としてV字形のノッチ9とが同時に設けられ、更に、ノッチ9につながる切り取り線の位置には、切り取りを容易にし、且つ、その方向性を安定化させるため、レーザー光照射などによるハーフカット線11(図では3本)が設けられている。このような摘み部8とノッチ9は、切り欠き部7a 側に設けてもよく、また、注出口部6の両側に設けることもできる。
このような膨らみ部Sは、前後両面の壁面フィルム5のうち、一方の壁面フィルム5のみに設けてもよいが、両面の壁面フィルム5に、対称形に設けるができる。
即ち、図2の(イ)は、先に説明したように図1に示した詰め替え用パウチ100の壁面フィルム5の一方、例えば前面のフィルムのみに膨らみ部Sを設けた場合のA−A線における拡大断面図であり、膨らみ部Sは、上部に幅が2mm程度の水平面を有し、その両側に肩下がりの傾斜面を有し、更にその下に略垂直な立ち上がり部を有する形状である。
また、図2の(ロ)は、同様にB−B線における拡大断面図であり、前記(イ)の場合よりも、その幅wと高さhが小さくなっているが、上面の幅は、前記(イ)の場合と同様、2mm程度が好ましく、全体の幅(立ち上がり部の幅)wは3〜4mm程度が好ましい。
尚、このような膨らみ部Sを、前後両面の壁面フィルム5に対称形に設けた場合は、そのA−A線の断面が図2の(ハ)に示すような形状となり、B−B線の断面が図2の(ニ)に示すような形状となる。
この膨らみ部Sの形状は、略垂直な立ち上がり部を、両側の肩下がりの傾斜面の下だけでなく、上部の水平面の両側にも設けたものであり、このような形状を採ることにより、膨らみ部Sを形成する面の数が増し、同時に面と面の境界に形成される線状の折れ曲がり部の数も増加するため、これらによるリブ効果も増し、圧縮に対する抵抗性、復元性を一層向上させることができる。
そして、充填された内容物を他の容器に移し替える際には、注出口部6の先端部を、摘み部8を指で摘んでハーフカット線11の方向に引き裂くことにより、ノッチ9を始点としてハーフカット線11に沿って容易に引き裂かれ、注出口部6を開封することができる。
そして、下部の膨らみ部S3 は、垂直に設けられており、リブ効果を有するため、パウチ100の自立性、形態安定性が向上される。
図4に示した詰め替え用パウチ110は、前記図1に示した詰め替え用パウチ100の構成において、注出口部6の両側に設けた切り欠き部7a 、7b を、一方の側、即ち、図において注出口部6の左側のみに切り欠き部7a を設けて構成したものであり、その他の点では図1に示した詰め替え用パウチ100と同じ構成である。但し、切り欠き部7a のハーフカット線11につながる位置には、ノッチ9を追加して設けており、更に、ノッチ9の上部、即ち、注出口部の先端側に摘み部を設けることもできる。
また、図6は、図5に示した詰め替え用パウチの壁面フィルムに設けた膨らみ部の幅方向の断面形状の一例を示す拡大断面図であり、(イ)は、一方(前面)の壁面フィルムのみに膨らみ部を設けた場合のA−A線における拡大断面図で、(ロ)は、その時のB−B線における拡大断面図である。
また、(ハ)は、前後両面の壁面フィルムに、対称形に膨らみ部を設けた場合のA−A線における拡大断面図で、(ニ)は、その時のB−B線における拡大断面図である。
即ち、図6の(イ)に示した膨らみ部の形状は、最上部に水平な上面を有し、その両側に第1の肩下がりの傾斜面がつながり、それぞれの傾斜面の下に垂直な立ち上がり部を具え、更にその下端から両側に第2の肩下がりの傾斜面を有し、更にその下に垂直な立ち上がり部がつながるという、言わば、高さの異なる段を有する形状である。
従って、パウチの形態安定性も向上し、また、内容物の移し替えも一層容易に行えるようになる。
また、注出口部6の先端部近傍の右側部には、切り欠き部7bのトリミングの際、摘み部8と、易開封性手段としてV字形のノッチ9とが同時に設けられている。このような摘み部8とノッチ9とは、注出口部6の両側に設けることもできる。
尚、ノッチ9につながる切り取り線10の位置には、更に、レーザー光照射などによるハーフカット線を設けることにより、引き裂きの方向性を一層安定化させることができる。
そして、下部の膨らみ部S3 は、略垂直な押し罫状であり、リブ効果を有するため、パウチ130の自立性、形態安定性が向上される。
この場合、注出口部の開口部の断面は、図9の(ロ)のA−A線拡大断面図に示すように、例えば、長楕円形の上下の中心部に、前記筋による突起が形成された形状となる。
また、注出口部6の開封後、これを外折りすることにより、開口部の保形性を更に高めることができる。
上記注出口部6のA−A線断面の形状は、図10の(ロ)に示したように、例えば長楕円形状であり、図7に示した詰め替え用パウチ130と同様である。
この場合、注出口部6のA−A線の断面は、図11の(ロ)に示したように、両面のフィルムが高さの異なる段を有する形状となる。
尚、本発明において、注出口部の膨らみ部を、高さの異なる段を有する形状で設ける場合、上記のような2段構成のほか、パウチの材質、寸法により適宜2段以上で設けることもできる。
このパウチ180の注出口部6のA−A線の断面は、図12の(ロ)に示したように前記図11に示した詰め替え用パウチ170の場合と同形状である。
即ち、上記変更点以外の部分では、前記図7に示した詰め替え用パウチ130と同様な作用、効果を有し、また、変更した注出口部の膨らみ部S1 の膨らみ形状が、高さの異なる2段構成となっているため、この部分の圧縮に対する抵抗性、復元性が増し、注出口部6の開封時に膨らみ部が圧縮された場合でも、元の状態に復元し易く、注出口部6の自然開口性とその保形性が向上する。
2 底部ヒートシール部
3 胴部ヒートシール部
4 上部ヒートシール部
5 壁面フィルム
6 注出口部
7a 、7b 切り欠き部
8 摘み部
9 ノッチ
10 切り取り線
11 ハーフカット線
S 膨らみ部
S1 注出口部の膨らみ部
S2 中間部の膨らみ部
S3 下部の膨らみ部
100、110、120、130、140、150、160、170、180 詰め替え用パウチ
Claims (2)
- 上部のコーナー部に、両側のヒートシール部により形成される狭い幅の注出口部を具え、内部に流動性を有する内容物が密封包装されるスタンディングパウチ形式の詰め替え用パウチにおいて、該注出口部のパウチの側部側の側部に切り欠き部が設けられると共に、該パウチの少なくとも一方の壁面フィルムに、該注出口部からパウチの幅方向の中心線を超えるまでの上部では、斜め下方に向かい、そこから先の中間部で曲線状に下方に曲がり、下部では垂直に下がる形状の膨らみ部が、注出口部ではその幅と高さが大きく、斜め下方に向かって徐々に幅と高さが小さくなり、曲線状の中間部から下では幅と高さが一定となるように設けられ、且つ、該注出口部に易開封性手段として少なくともハーフカット線が設けられていることを特徴とする詰め替え用パウチ。
- 前記膨らみ部が、フラットな面の組み合わせであって、幅方向の断面形状が直線の組み合わせとなるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の詰め替え用パウチ。
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