JP2005180259A - 油圧建設機械の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転数偏差に基づいて燃料噴射量制御とスピードセンシング制御を行う油圧建設機械において、燃料噴射量制御とスピードセンシング制御の干渉によるハンチングを防止しながらスピードセンシング制御の応答性を高めエンジンの回転数低下を少なくし、エンジンの出力を有効に使う。
【解決手段】スピードセンシング制御を行うベーストルク演算部70e、回転数偏差演算部70f、トルク変換部70g、目標トルク演算部70h、ソレノイド出力電流演算部70pの各機能に、目標トルク変化演算部70j、遅れ演算部70k、積分演算部70mを追加する。トルク変換部70gの変換ゲインKNを燃料噴射量制御とスピードセンシング制御が干渉してハンチングを起こすことのない小さめの値に設定し、遅れ演算部70kで目標吸収トルクTR1の増加時の制御全体のゲインKSをKNとし、減少時のそれを2KNとするよう一次遅れを持たせる。
【選択図】 図6

Description

本発明は油圧建設機械の制御装置に係わり、特に原動機としてディーゼルエンジンを備え、このエンジンにより回転駆動される油圧ポンプから吐出される圧油により油圧アクチュエータを駆動し、必要な作業を行う油圧ショベル等の油圧建設機械の制御装置に関する。
油圧ショベル等の油圧建設機械は、一般に、原動機としてディーゼルエンジンを備え、このエンジンにより少なくとも1つの可変容量型の油圧ポンプを回転駆動し、油圧ポンプから吐出される圧油により油圧アクチュエータを駆動し、必要な作業を行っている。このディーゼルエンジンにはアクセルレバー等の目標回転数を指令する入力手段が備えられ、この目標回転数と実回転数の偏差に基づいて燃料噴射量が制御され、回転数が制御される。
このような油圧建設機械において、例えば特開昭57−65822号公報や特開平12−73812号公報に記載のように、スピードセンシング制御と呼ばれる油圧ポンプのトルク制御方法が知られている。一般に、油圧ポンプには、油圧ポンプの入力トルクが予め設定した最大値(最大吸収トルク)を超えないようポンプ傾転(押しのけ容積)を制御し、入力トルクの制限を行うレギュレータが設けられている。スピードセンシング制御とは、そのようなレギュレータに対して行われるものであり、入力手段により設定された目標回転数と実回転数との偏差を求め、この回転数偏差が増大すると前記最大吸収トルクを減少するよう制御するものであり、これにより目標回転数に対して実回転数が低下した場合、油圧ポンプの負荷トルク(入力トルク)を低下させ、エンジン停止を防止する。
特開昭57−65822号公報
特開平12−73812号公報
しかしながら、上記従来技術には次のような問題がある。
スピードセンシング制御では、油圧ポンプの負荷(アクチュエータ負荷)が増大し、エンジン回転数が低下する(回転数偏差が増大する)とレギュレータの設定値である最大吸収トルクを減少し、油圧ポンプの入力トルクを下げるよう制御する。一方、エンジン側では、回転数偏差に基づいた燃料噴射量制御が行われており、回転数偏差が増大すると燃料噴射量を増やし、エンジン出力トルクを増大させる。この2つの制御(スピードセンシング制御と燃料噴射量制御)はお互いフィードバック系を構成しており、2つの制御の干渉によりハンチングを発生しやすい。スピードセンシング制御では、回転数偏差に所定のゲインを乗じて最大吸収トルクの補正値を求め、その分、最大吸収トルクを減らす制御を行っている。通常、そのゲインは、2つの制御の干渉によるハンチングを生じないように設定されており、ゲインを大きくすることはできない。その結果、最大吸収トルク減少時の制御の応答遅れによるオーバトルクが発生し、エンジン回転数低下量は比較的大となり、エンジン出力を有効に使うことができない。
本発明の目的は、回転数偏差に基づいてエンジンの燃料噴射量制御とスピードセンシング制御を行う油圧建設機械において、燃料噴射量制御とスピードセンシング制御の干渉によるハンチングを防止しながらスピードセンシング制御の応答性を高めて、エンジンの回転数低下を少なくし、エンジンの出力を有効に使うことができる油圧建設機械の制御装置を提供することである。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、エンジンと、このエンジンによって駆動される可変容量油圧ポンプと、前記油圧ポンプの入力トルクが最大吸収トルクを超えないよう前記油圧ポンプの押しのけ容積を制御するレギュレータとを備えた油圧建設機械の制御装置において、前記エンジンの目標回転数を指令する入力手段と、前記エンジンの実回転数を検出する検出手段と、前記目標回転数と実回転数の偏差を算出しその偏差に基づいて前記エンジンの燃料噴射量制御を行う燃料噴射量制御手段と、前記目標回転数と実回転数の偏差が増大すると前記油圧ポンプの最大吸収トルクが減少するようスピードセンシング制御を行うスピードセンシング制御手段と備え、前記スピードセンシング制御手段は、前記最大吸収トルクの減少速度が増加速度より速くなるよう最大吸収トルクの変化速度を補正する制御速度補正手段を有するものとする。
このように制御速度補正手段を設け、スピードセンシング制御による最大吸収トルクの減少速度を増加速度より速くすることにより、エンジン回転数増加時の最大吸収トルクを増やす制御時は、制御速度が遅めとなるため燃料噴射量制御とスピードセンシング制御との干渉によるハンチングが防止され、エンジン回転数低下時の最大吸収トルクを減らす制御時は、制御速度が速めとなるため応答性の良いスピードセンシング制御が可能となり、エンジンの回転数低下を少なくし、エンジンの出力を有効に使うことができる。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記スピードセンシング制御手段は、前記目標回転数と実回転数の偏差をに所定のゲインを乗じ、トルク偏差を算出する第1手段と、このトルク偏差をベーストルクに加算し、目標吸収トルクを算出する第2手段と、前記目標吸収トルクに基づいて前記油圧ポンプの最大吸収トルクを制御する第3手段とを有し、前記制御速度補正手段は、前記目標吸収トルクの減少時と増加時とで前記目標吸収トルクに異なる一次遅れを持たせ、前記目標吸収トルクの変化速度を目標吸収トルクの増加時より減少時の方を速くする第4手段を有する。
このように目標吸収トルクに一次遅れを持たせ、目標吸収トルクの減少時と増加時とで目標吸収トルクの変化速度を変えることにより、制御速度補正手段は、最大吸収トルクの減少速度を増加速度より速くするよう最大級トルクの変化速度を補正することができる。
(3)上記(2)において、好ましくは、前記第4手段は、前記目標吸収トルクの変化量を演算する手段と、前記変化量に所定のゲインを乗じ、新たな変化量を演算する手段と、前記新たな変化量を前記目標トルクの前回値に加算し、制御用の目標吸収トルクを算出する手段とを有し、前記所定のゲインは、前記目標吸収トルクの増加時より減少時の方が大きいものとする。
これにより第4手段は、目標吸収トルクの変化速度を目標吸収トルクの増加時より減少時の方を速くすることができる。
本発明によれば、回転数偏差に基づいてエンジンの燃料噴射量制御とスピードセンシング制御を行う油圧建設機械において、燃料噴射量制御とスピードセンシング制御の干渉によるハンチングを防止しながらスピードセンシング制御の応答性を高めて、エンジンの回転数低下を少なくし、エンジンの出力を有効に使うことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1において、1及び2は例えば斜板式の可変容量型の油圧ポンプであり、9は固定容量型のパイロットポンプであり、油圧ポンプ1,2及びパイロットポンプ9は原動機10の出力軸11に接続され、原動機10により回転駆動される。
油圧ポンプ1,2の吐出路3,4には図2に示す弁装置5が接続され、この弁装置5を介して複数のアクチュエータ50〜56に圧油を送り、これらアクチュエータを駆動する。パイロットポンプ9の吐出路9aにはパイロットポンプ9の吐出圧力を一定圧に保持するパイロットリリーフ弁9bが接続されている。
弁装置5の詳細を説明する。
図2において、弁装置5は、流量制御弁5a〜5dと流量制御弁5e〜5iの2つの弁グループを有し、流量制御弁5a〜5dは油圧ポンプ1の吐出路3につながるセンタバイパスライン5j上に位置し、流量制御弁5e〜5iは油圧ポンプ2の吐出路4につながるセンタバイパスライン5k上に位置している。吐出路3,4には油圧ポンプ1,2の吐出圧力の最大圧力を決定するメインリリーフ弁5mが設けられている。
流量制御弁5a〜5d及び流量制御弁5e〜5iはセンタバイパスタイプであり、油圧ポンプ1,2から吐出された圧油はこれらの流量制御弁によりアクチュエータ50〜56の対応するものに供給される。アクチュエータ50は走行右用の油圧モータ(右走行モータ)、アクチュエータ51はバケット用の油圧シリンダ(バケットシリンダ)、アクチュエータ52はブーム用の油圧シリンダ(ブームシリンダ)、アクチュエータ53は旋回用の油圧モータ(旋回モータ)、アクチュエータ54はアーム用の油圧シリンダ(アームシリンダ)、アクチュエータ55は予備の油圧シリンダ、アクチュエータ56は走行左用の油圧モータ(左走行モータ)であり、流量制御弁5aは走行右用、流量制御弁5bはバケット用、流量制御弁5cは第1ブーム用、流量制御弁5dは第2アーム用、流量制御弁5eは旋回用、流量制御弁5fは第1アーム用、流量制御弁5gは第2ブーム用、流量制御弁5hは予備用、流量制御弁5iは走行左用である。即ち、ブームシリンダ52に対しては2つの流量制御弁5g,5cが設けられ、アームシリンダ54に対しても2つの流量制御弁5d,5fが設けられ、ブームシリンダ52とアームシリンダ54のボトム側には、それぞれ、2つの油圧ポンプ1,2からの圧油が合流して供給可能になっている。
流量制御弁5a〜5iの操作パイロット系を図3に示す。
流量制御弁5i,5aは操作装置35の操作パイロット装置39,38からの操作パイロット圧TR1,TR2及びTR3,TR4により、流量制御弁5b及び流量制御弁5c,5gは操作装置36の操作パイロット装置40,41からの操作パイロット圧BKC,BKD及びBOD,BOUにより、流量制御弁5d,5f及び流量制御弁5eは操作装置37の操作パイロット装置42,43からの操作パイロット圧ARC,ARD及びSW1,SW2により、流量制御弁5hは操作パイロット装置44からの操作パイロット圧AU1,AU2により、それぞれ切り換え操作される。
操作パイロット装置38〜44は、それぞれ、1対のパイロット弁(減圧弁)38a,38b〜44a,44bを有し、操作パイロット装置38,39,44はそれぞれ更に操作ペダル38c,39c、44cを有し、操作パイロット装置40,41は更に共通の操作レバー40cを有し、操作パイロット装置42,43は更に共通の操作レバー42cを有している。操作ペダル38c,39c、44c及び操作レバー40c,42cを操作すると、その操作方向に応じて関連する操作パイロット装置のパイロット弁が作動し、操作量に応じた操作パイロット圧が生成される。
また、操作パイロット装置38〜44の各パイロット弁の出力ラインにはシャトル弁61〜67、シャトル弁68,69,100、シャトル弁101,102、シャトル弁103が階層的に接続され、シャトル弁61,63,64,65,68,69,101により操作パイロット装置38,40,41,42の操作パイロット圧の最高圧力が油圧ポンプ1の制御パイロット圧PL1として検出され、シャトル弁62,64,65,66,67,69,100,102,103により操作パイロット装置39,41,42,43,44の操作パイロット圧の最高圧力が油圧ポンプ2の制御パイロット圧PL2として検出される。
以上のような油圧駆動系に本発明のエンジン制御装置を備えたエンジン・ポンプ制御装置が設けられている。以下、その詳細を説明する。
図1において、油圧ポンプ1,2にはそれぞれレギュレータ7,8が備えられ、これらレギュレータ7,8で油圧ポンプ1,2の容量可変機構である斜板1a,2aの傾転位置を制御し、ポンプ吐出流量を制御する。
油圧ポンプ1,2のレギュレータ7,8は、それぞれ、傾転アクチュエータ20A,20B(以下、適宜20で代表する)と、図3に示す操作パイロット装置38〜44の操作パイロット圧に基づいてポジティブ傾転制御をする第1サーボ弁21A,21B(以下、適宜21で代表する)と、油圧ポンプ1,2の全馬力制御をする第2サーボ弁22A,22B(以下、適宜22で代表する)とを備え、これらのサーボ弁21,22によりパイロットポンプ9から傾転アクチュエータ20に作用する圧油の圧力を制御し、油圧ポンプ1,2の傾転位置を制御する。
傾転アクチュエータ20、第1及び第2サーボ弁21,22の詳細を説明する。
各傾転アクチュエータ20は、両端に大径の受圧部20aと小径の受圧部20bとを有する作動ピストン20cと、受圧部20a,20bが位置する大径の受圧室20d及び小径の受圧室20eとを有し、両受圧室20d,20eの圧力が等しいときは受圧面積差により作動ピストン20cは図示右方向に移動し、斜板1a又は2aの傾転を大きくしてポンプ吐出流量を増加させ、大径の受圧室20dの圧力が低下すると、作動ピストン20cを図示左方向に移動し、斜板1a又は2aの傾転を小さくしてポンプ吐出流量を減少させる。また、大径の受圧室20dは第1及び第2サーボ弁21,22を介してパイロットポンプ9の吐出路9aとタンク12に至る戻り油路13に選択的に接続され、小径の受圧室20eは直接パイロットポンプ9の吐出路9aに接続されている。
ポジティブ傾転制御用の各第1サーボ弁21は、ソレノイド制御弁30又は31からの制御圧力により作動し油圧ポンプ1,2の傾転位置を制御する弁であり、制御圧力が低いときはサーボ弁21の弁体21aがバネ21bの力で図示左方向に移動し、傾転アクチュエータ20の大径の受圧室20dを戻り油路13にを介してタンク12に連通し、油圧ポンプ1又は2の傾転を小さくし、制御圧力が上昇するとサーボ弁21の弁体21aが図示右方向に移動し、パイロットポンプ9からのパイロット圧を大径の受圧室20dに導き、油圧ポンプ1又は2の傾転を大きくする。ソレノイド制御弁30,31は駆動電流が大きくなるに従って出力圧力(制御圧力)を高くする比例電磁弁である。
全馬力制御用の各第2サーボ弁22は、油圧ポンプ1,2の吐出圧力とソレノイド制御弁32からの制御圧力により作動して油圧ポンプ1,2の全馬力制御をする弁であり、ソレノイド制御弁32からの制御圧力より油圧ポンプ1,2の最大吸収トルクを制御する。
即ち、油圧ポンプ1及び2の吐出圧力とソレノイド制御弁32からの制御圧力が第2サーボ弁22の受圧室22a,22b,22cにそれぞれ導かれ、油圧ポンプ1,2の吐出圧力の油圧力の和がバネ22dの力と受圧室22cに導かれる制御圧力の油圧力との差で決まる設定値より低いときは、弁体22eは図示右方向に移動し、パイロットポンプ9からのパイロット圧を受圧室20dに伝達し、油圧ポンプ1,2の傾転を大きくし、油圧ポンプ1,2の吐出圧力の油圧力の和が同設定値よりも高くなるにしたがって弁体22aを図示左方向に移動し、傾転アクチュエータ20の大径の受圧室20dを戻り油路13にを介してタンク12に連通し、油圧ポンプ1,2の傾転を小さくする。また、ソレノイド制御弁32からの制御圧力が低いときは、上記設定値を大きくし、油圧ポンプ1,2の高めの吐出圧力から油圧ポンプ1,2の傾転を減少させ、ソレノイド制御弁32からの制御圧力が高くなるにしたがって上記設定値を小さくし、油圧ポンプ1,2の低めの吐出圧力から油圧ポンプ1,2の傾転を減少させる。ソレノイド制御弁32は駆動電流が小さくなるに従って出力圧力(制御圧力)を高くする比例電磁弁である。
図4に全馬力制御用の第2サーボ弁22を備えた油圧ポンプ1,2の吸収トルク線図を示す。横軸は油圧ポンプ1,2の吐出圧力の平均値であり、縦軸は油圧ポンプ1,2の傾転(押しのけ容積)である。A1,A2,A3はバネ22dの力と受圧室22cの油圧力との差で決まる最大吸収トルクの設定値である。ソレノイド制御弁32からの制御圧力が高くなる(駆動電流が小さくなる)に従い、バネ22dの力と受圧室22cの油圧力との差で決まる最大吸収トルクの設定値はA1,A2,A3と変化し、油圧ポンプ1,2の最大吸収トルクはT1,T2,T3と減少する。また、ソレノイド制御弁32からの制御圧力が低くなる(駆動電流が大きくなる)に従いバネ22dの力と受圧室22cの油圧力との差で決まる最大吸収トルクの設定値はA3,A2,A1と変化し、油圧ポンプ1,2の最大吸収トルクはT3,T2,T1と増大する。
ソレノイド制御弁30,31,32は駆動電流SI1,SI2,SI3により作動する比例減圧弁であり、駆動電流SI1,SI2,SI3が最小のときは、出力する制御圧力を最高にし、駆動電流SI1,SI2,SI3が増大するに従って出力する制御圧力を低くするよう動作する。駆動電流SI1,SI2,SI3は図5に示す車体コントローラ70より出力される。
原動機10はディーゼルエンジンであり、目標燃料噴射量FN1の信号により作動する電子燃料噴射装置14を備えている。指令信号は図5に示す燃料噴射装置コントローラ80より出力される。電子燃料噴射装置14は原動機(以下、エンジンという)10の回転数と出力とを制御する。
エンジン10に対する目標回転数NR1をオペレータが手動で入力する目標エンジン回転数入力部71が設けられ、その目標回転数NR1の入力信号は車体コントローラ70及びエンジン燃料噴射装置コントローラ80に取り込まれる。目標エンジン回転数入力部71は例えばポテンショメータのような電気的入力手段であり、オペレータが基準となる目標回転数(目標基準回転数)を指令するものである。
また、エンジン10の実回転数NE1を検出する回転数センサー72と、油圧ポンプ1,2の制御パイロット圧PL1,PL2を検出する圧力センサー73,74(図3参照)が設けられている。
車体コントローラ70及び燃料噴射装置コントローラ80の全体の信号の入出力関係を図5に示す。
車体コントローラ70は目標エンジン回転数入力部71からの目標回転数NR1の信号、回転数センサー72の実回転数NE1の信号、圧力センサー73,74からのポンプ制御パイロット圧PL1,PL2の信号を入力し、ポジティブ傾転制御とスピードセンシング制御の演算処理を行って駆動電流SI1,SI2,SI3をソレノイド制御弁30〜32に出力するとともに、目標回転数NR1の信号をエンジン燃料噴射装置コントローラ80に出力する。エンジン燃料噴射装置コントローラ80は車体コントローラ70からの目標回転数NR1の信号、回転数センサー72の実回転数NE1の信号を入力し、燃料噴射量制御の演算処理を行って目標燃料噴射量FN1の信号を電子燃料噴射装置14に出力する。
車体コントローラ70の油圧ポンプ1,2の制御の算出に関する処理機能を図6に示す。
図6において、車体コントローラ70は、ポンプ目標傾転演算部70a,70b、ソレノイド出力電流演算部70c,70d、ベーストルク演算部70e、回転数偏差演算部70f、トルク変換部70g、目標トルク演算部70h、目標トルク変化演算部70j、遅れ演算部70k、積分演算部70m、積分一次遅れ要素70n、ソレノイド出力電流演算部70pの各機能を有している。
ポンプ目標傾転演算部70a,70b、ソレノイド出力電流演算部70c,70dは要求流量に基づく油圧ポンプ1,2のポジティブ傾転制御を行う部分であり、これらは次のような演算を行う。
ポンプ目標傾転演算部70aは、油圧ポンプ1側の制御パイロット圧PL1の信号を入力し、これをメモリに記憶してあるテーブルに参照させ、そのときの制御パイロット圧PL1に応じた油圧ポンプ1の目標傾転θR1を演算する。この目標傾転θR1はパイロット操作装置38,40,41,42の操作量に対するポジティブ傾転制御の基準流量メータリングであり、メモリのテーブルには制御パイロット圧PL1が高くなるに従って目標傾転θR1も増大するようPP1とθR1の関係が設定されている。
ソレノイド出力電流演算部70cは、θR1に対してこのθR1が得られる油圧ポンプ1の傾転制御用の駆動電流SI1を求め、これをソレノイド制御弁30に出力する。
ポンプ目標傾転演算部70b、ソレノイド出力電流演算部70dでも、同様にポンプ制御パイロット圧PL2の信号から油圧ポンプ2の傾転制御用の駆動電流SI2を算出し、これをソレノイド制御弁31に出力する。
ベーストルク演算部70e、回転数偏差演算部70f、トルク変換部70g、目標トルク演算部70h、目標トルク変化演算部70j、遅れ演算部70k、積分演算部70m、積分一次遅れ要素70n、ソレノイド出力電流演算部70pは回転数偏差ΔNに基づく油圧ポンプ1,2のスピードセンシング制御を行う部分であり、これらは次のような演算を行う。
ベーストルク演算部70eは、目標エンジン回転数NR1の信号を入力し、これをメモリに記憶してある図示のテーブルに参照させ、そのときの目標エンジン回転数NR1に応じたポンプベーストルクTROを算出する。メモリのテーブルには、目標エンジン回転数NR1が上昇するに従ってポンプベーストルクTROが増大するようNR1とTROの関係が設定されている。
回転数偏差演算部70fは、実エンジン回転数NE1から目標エンジン回転数NR1を減じることで目標エンジン回転数NR1と実エンジン回転数NE1の差の回転数偏差ΔNを算出する。
トルク変換部70gは、回転数偏差ΔNに変換ゲインKNを乗じ、かつ上限及び下限のリミッタ処理を行い、スピードセンシング制御のトルク偏差ΔTOを算出する。ここで、ゲインKNは、フィードバック系を構成する回転数偏差ΔNに基づくエンジン10の燃料噴射量制御(後述)と回転数偏差ΔNに基づく油圧ポンプ1,2のスピードセンシング制御が干渉してハンチングを起こすことのないような小さめの値に設定されている。
目標トルク演算部70hは、ベーストルク演算部70eで求めたポンプベーストルクTROにスピードセンシング制御のトルク偏差ΔTOを加算し、目標吸収トルクTR01を算出する。
目標トルク変化演算部70jは、目標吸収トルクTR01からソレノイド出力電流演算部70pの入力値である制御用の目標吸収トルクTR1の前回値を減じてトルク偏差ΔT3を算出する。トルク偏差ΔT3は目標吸収トルクTR01の変化が増加方向か減少方向かを判断するためのものであり、ΔT3≧0であれば目標吸収トルクTR01の変化は増加方向にあり、ΔT3<0であれば目標吸収トルクTR01の変化は減少方向にある。
遅れ演算部70kは、目標吸収トルクTR01にゲインKNNを乗じて一次遅れを持たせるものであり、この一次遅れのゲインKNNは目標吸収トルクTR01の増加方向(ΔT3≧0)を1とし、目標吸収トルクTR01の減少方向(ΔT3<0)はそれによりも大きな値(例えば2)とし、トルク偏差ΔT3にそのゲインKNNを乗じて新たなトルク偏差ΔT4を得る。この一次遅れ演算のため、図示の例では、メモリのテーブルに、ΔT3≧0ではΔT3=ΔT4であり、ΔT3<0ではΔT3=2ΔT4となるΔT3とΔT4の関係が設定され、トルク偏差ΔT3をそのテーブルに参照させ、そのトルク偏差ΔT3に対応するトルク偏差ΔT4を演算する。
積分演算部70mは、一次遅れ要素70nからの制御用の目標吸収トルクTR1の前回値にトルク偏差ΔT4を加算して今回の制御用の目標吸収トルクTR1を得る。
ソレノイド出力電流演算部70pは、制御用の目標吸収トルクTR1を入力し、第2サーボ弁22により制御される油圧ポンプ1,2の最大吸収トルクがTR1となるようソレノイド制御弁32の駆動電流SI3を求め、これをソレノイド制御弁32に出力する。
このようにして駆動電流SI3を受けたソレノイド制御弁32は駆動電流S13に応じた制御圧力を出力し、第2サーボ弁22の設定値を制御し、油圧ポンプ1,2の最大吸収トルクがTR1になるよう制御する。
以上において、目標トルク変化演算部70j、遅れ演算部70k、積分演算部70m、積分一次遅れ要素70nは、油圧ポンプ1,2の最大吸収トルクの減少速度が増加速度より速くなるよう最大吸収トルクの変化速度を補正する制御速度補正手段を構成する。
上記のようにトルク変換部70gでは、回転数偏差ΔNに変換ゲインKNを乗じてスピードセンシング制御のトルク偏差ΔTOを算出している。遅れ演算部70kでは、その変換ゲインKNにトルク偏差ΔT3を乗じて新たなトルク偏差ΔT4を算出し、積分演算部70mでそのトルク偏差ΔT4を用いて制御用の目標トルク偏差TR1を算出している。また、このとき、目標吸収トルクTR01の増加方向(ΔT3≧0)のゲインKNNを1とし、減少方向(ΔT3<0)のゲインKNNを2としている。よって、スピードセンシング制御全体の制御ゲインである制御用の目標吸収トルクの変化ゲインをKSとすると、目標吸収トルクTR1の増加時はKS=KN、目標吸収トルクTR1の減少時はKS=2KNとなり、油圧ポンプ1,2の最大吸収トルクは、それに対応し、増加時はゲインKNの制御速度で、減少時はゲイン2KNの制御速度で制御される。
目標吸収トルクTR1の減少時は実エンジン回転数NE1の低下時(回転数偏差ΔN(=NE1−MR1)の増加時;回転数偏差ΔNが負のときは回転数偏差ΔNの絶対値の減少時)に対応し、目標吸収トルクTR01の増加時は実エンジン回転数NE1の増加時(回転数偏差ΔNの減少時;回転数偏差ΔNが負のときは回転数偏差ΔNの絶対値の増加時)に対応する。よって、実エンジン回転数NE1の低下時はKS=2KNとなり、油圧ポンプ1,2の最大吸収トルクは、ゲイン2KNの制御速度で減少するよう制御され、実エンジン回転数NE1の増加時はKS=KNとなり、油圧ポンプ1,2の最大吸収トルクは、ゲイン2KNの制御速度で増加するよう制御される。
また、トルク変換部70gのゲインKNは、フィードバック系を構成するエンジン10の燃料噴射量制御と油圧ポンプ1,2のスピードセンシング制御が干渉してハンチングを起こすことのないような小さめの値に設定されている。よって、目標吸収トルクTR1の減少時(実エンジン回転数NE1の減少時)のゲインは2KNとなるため、応答性の良いスピードセンシング制御が可能となり、エンジン回転数の低下を少なくすることができる。また、目標吸収トルクTR1の増加時(実エンジン回転数NE1の増加時)のゲインはKNとなるため、燃料噴射量制御とスピードセンシング制御との干渉によるハンチングが防止される。
なお、遅れ演算部70kのゲインKNNの設定はトルク変換部70gのゲインKNとの関係で決まるものであり、両者を合成した結果であるスピードセンシング制御全体の制御ゲインKSが、目標吸収トルクTR1の増加時は、燃料噴射量制御とスピードセンシング制御との干渉が防止される値となり、目標吸収トルクTR1の減少時は、目標吸収トルクTR1の増加時よりも大きく、応答性の良いスピードセンシング制御が行えるような値であればよいものである。例えば、トルク変換部70gのゲインKNを、目標吸収トルクTR1の減少時に応答性の良いスピードセンシング制御が行えるような値に設定した場合は、遅れ演算部70kのゲインKNNは、目標吸収トルクTR1の増加方向には1より小さい例えば0.5とし、減少方向には1とすればよい。また、トルク変換部70gのゲインKNを、燃料噴射量制御とスピードセンシング制御が干渉してハンチングを起こすことのないような値と目標吸収トルクTR1の減少時に応答性の良いスピードセンシング制御が行えるような値の中間の値に設定した場合は、遅れ演算部70kの全体制御ゲインKNNは、目標吸収トルクTR1の増加方向には1より小さく、かつゲインKSでみて燃料噴射量制御とスピードセンシング制御との干渉が防止される値とし、目標吸収トルクTR1の減少方向には1より大きくし、かつ全体制御ゲインKSでみてトルク偏差ΔT3の増加時よりも大きく、応答性の良いスピードセンシング制御が行えるような値とすればよい。
燃料噴射装置コントローラ80の処理機能を図7に示す。
燃料噴射装置コントローラ80は回転数偏差ΔNに基づく燃料噴射量制御を行うものであり、回転数偏差演算部80a、燃料噴射量変換部80b、積分演算部80c、リミッタ演算部80d、一次遅れ要素80eの各制御機能を有している。
回転数偏差演算部80aは、目標回転数NR2と実回転数NE1とを比較して回転数偏差ΔN(=NR2−NE1)を算出し、燃料噴射量変換部80bはその回転数偏差ΔNにゲインKFを掛けて目標燃料噴射量の増分ΔFNを演算し、積分演算部80cは一次遅れ要素80eからの目標燃料噴射量FN1の前回値FN2にその増分ΔFNを加算して新たな目標燃料噴射量FN3を演算し、リミッタ演算部80dはその目標燃料噴射量FN3に上限・下限リミッタを掛け、目標燃料噴射量FN1とする。この目標燃料噴射量FN1は制御電流に変換され、電子燃料噴射装置14に出力され燃料噴射量を制御する。これにより実回転数NE1が目標回転数NR2より小さいとき(回転数偏差ΔNが正のとき)は目標燃料噴射量FN1を増大させ、実回転数NE1が目標回転数NR2より大きくなると(回転数偏差ΔNが負になると)目標燃料噴射量FN1を減少させるよう、つまり目標回転数NR2と実回転数NE1との偏差ΔNが0になるよう積分演算により目標燃料噴射量FN1を演算し、実回転数NE1が目標回転数NR2に一致するよう燃料噴射量が制御される。
次に、以上のように構成した本実施の形態の動作の特徴を図8〜図11を用いて説明する。
図8は、上述した全体制御ゲインKSの変化を図4に示した油圧ポンプ1,2の吸収トルク線図上で示す図である。横軸は油圧ポンプ1,2の吐出圧力の平均値であり、縦軸は油圧ポンプ1,2の傾転(押しのけ容積)である。T1,T2,T3はスピードセンシング制御による油圧ポンプ1,2の最大吸収トルクの変化である。T1は例えば目標回転数NR1を最大に設定した場合のポンプベーストルクTR0(図6参照)である。
図9は、上述した全体制御ゲインKSの変化をエンジン出力トルク線図上で示す図である。横軸はエンジン回転数であり、縦軸は出力トルク(エンジントルク)である。また、Eは電子燃料噴射装置14のレギュレーション領域の特性であり、Fは電子燃料噴射装置14の全負荷領域の特性(最大出力特性)である。電子燃料噴射装置14のレギュレーション領域とは、電子燃料噴射装置14による燃料噴射量が100%以下の部分負荷領域であり、全負荷領域とは燃料噴射量が100%(最大)となる最大出力トルク領域である。Cはトルク変換部70gの変換ゲインKNの特性線である。また、Mは、例えば目標エンジン回転数NR1を最大に設定した場合のスピードセンシング制御と燃料噴射量制御の最大トルクのマッチング点であり、マッチング点Mの最大トルクはポンプベーストルクTR0に対応する。
図8及び図9において、前述したように、実エンジン回転数の低下時は、KS=2KNとなるため、ポンプ吸収トルクの減少速度は速く、応答性の良いスピードセンシング制御が可能となる。実エンジン回転数の増加時は、KS=KNとなるため、ポンプ吸収トルクの減少速度は遅く、燃料噴射量制御とスピードセンシング制御との干渉が防止される。
図10は、動作の一例を油圧ポンプ1,2の吸収トルク線図上で示す図であり、図11は、動作の一例をエンジン出力トルク線図上で示す図である。
図10及び図11において、点Sは、例えば掘削作業における掘削開始前など、軽負荷時の状態であり、油圧ポンプ1,2の吸収トルクは小さく(図10)、電子燃料噴射装置14はレギュレーション領域Eで動作している(図11)。実線は本発明の状態変化、破線は従来技術の状態変化を示している。
掘削作業における掘削開始時など、アクチュエータ負荷が増大し、油圧ポンプ1,2の負荷が増大すると、実エンジン回転数が低下し、油圧ポンプ1,2側では回転数偏差ΔNに基づくスピードセンシング制御により最大ポンプ吸収トルクを減少させ、油圧ポンプ1,2の吸収トルクを減らす。これと同時に、エンジン10側では、回転数偏差ΔNに基づく燃料噴射量制御により回転数偏差ΔNが増大すると燃料噴射量を増やし、エンジン出力トルクを増大させる。このエンジン出力トルクの増大により実エンジン回転数の変化は増加方向に転じ、回転数偏差ΔNの絶対値が減少するため、スピードセンシング制御でも最大吸収トルクの制御を増加方向に転じ、エンジン回転数の上昇(回転数偏差ΔNの絶対値の減少)に応じて変換ゲインKNの特性線Cに沿って最大吸収トルクを増加させる。燃料噴射量制御による燃料噴射量の増大により実エンジン回転数が更に増大し目標回転数に達すると、燃料噴射制御は燃料噴射量の増大を停止し、スピードセンシング制御制御でも最大吸収トルクの増大を停止し、スピードセンシング制御と燃料噴射量制御の最大トルクはマッチング点Mでバランスする。
ここで、従来技術では、図6に示した目標トルク変化演算部70j、遅れ演算部70k、積分演算部70m、積分一次遅れ要素70nがなく、目標トルク変化演算部70jで算出した目標吸収トルクTR01を直接制御用の目標吸収トルクTR1としてソレノイド出力電流演算部70pに入力し、駆動電流SI3を求め、これをソレノイド制御弁32に出力している。また、トルク変換部70gのゲインKNは、フィードバック系を構成するエンジン10の燃料噴射量制御と油圧ポンプ1,2のスピードセンシング制御が干渉してハンチングを起こすことのないような小さめの値に設定されている。よって、上記動作例において、エンジン出力トルクの増大による実エンジン回転数の増加時は、エンジン回転数の上昇に応じて変換ゲインKNの特性線Cに沿って最大吸収トルクを増加させ、燃料噴射量制御とスピードセンシング制御との干渉が防止される。しかし、ポンプ負荷の増大直後の実エンジン回転数の低下時はスピードセンシング制御による最大吸収トルクの減少速度は遅く、制御の応答遅れによるオーバトルクが発生し、図11に点線で示すようにエンジン回転数低下量は比較的大となり、エンジン出力を有効に使うことができない。
これに対し、本実施の形態では、上記のように目標トルク変化演算部70j、遅れ演算部70k、積分演算部70m、積分一次遅れ要素70nを設け、目標吸収トルクTR1の減少時(実エンジン回転数NE1の低下時)と目標吸収トルクTR1の増加時(実エンジン回転数NE1の増加時)とでスピードセンシング制御全体の制御ゲインKSを変え、目標吸収トルクTR1の減少時はKS=2KNとなり、目標吸収トルクTR1の増加時はKS=KNとなるようにしている。また、トルク変換部70gのゲインKNは、フィードバック系を構成するエンジン10の燃料噴射量制御と油圧ポンプ1,2のスピードセンシング制御が干渉してハンチングを起こすことのないような小さめの値に設定している。これにより、上記動作例において、エンジン出力トルク増大による実エンジン回転数の増加時は、従来技術と同様に、エンジン回転数の上昇に応じて変換ゲインKNの特性線Cに沿って最大吸収トルクを増加させ、燃料噴射量制御とスピードセンシング制御との干渉によるハンチングが防止される。また、ポンプ負荷の増大直後の実エンジン回転数の低下時は、スピードセンシング制御全体の制御ゲインKSはKS=2KNとなるため、図11に実線で示すように応答性の良いスピードセンシング制御が可能となり、エンジン回転数の低下を少なくし、エンジン10の出力を有効に使うことができる。
以上のように本実施の形態によれば、回転数偏差ΔNに基づいてエンジン10の燃料噴射量制御とスピードセンシング制御を行う油圧建設機械において、燃料噴射量制御とスピードセンシング制御の干渉によるハンチングを防止しながらスピードセンシング制御の応答性を高めて、エンジン10の回転数低下を少なくし、エンジン10の出力を有効に使うことができる。
本発明の第1の実施の形態に係わる制御装置を備えた油圧建設機械の油圧駆動装置のエンジン及び油圧ポンプ部分を示す図である。 油圧駆動装置の弁装置及びアクチュエータ部分を示す油圧回路図である。 油圧駆動装置の流量制御弁の操作パイロット系を示す図である。 油圧駆動装置のポンプレギュレータによる油圧ポンプの吸収トルク線図を示す図である。 本実施の形態の制御装置を構成するコントローラ(車体コントローラ及びエンジン燃料噴射装置コントローラ)とその入出力関係を示す図である。 車体コントローラにおけるポジティブ傾転制御とスピードセンシング制御の処理機能を示す機能ブロック図である。 燃料噴射装置コントローラにおける燃料噴射量制御の処理機能を示す機能ブロック図である。 スピードセンシング制御全体の制御ゲインの変化を図4に示した油圧ポンプの吸収トルク線図上で示す図である。 スピードセンシング制御全体の制御ゲインの変化をエンジン出力トルク線図上で示す図である。 動作の一例を油圧ポンプの吸収トルク線図上で示す図である。 動作の一例をエンジン出力トルク線図上で示す図である。
符号の説明
1,2 油圧ポンプ
1a,2a 斜板
5 弁装置
7,8 レギュレータ
10 エンジン
14 電子燃料噴射装置
20A,20B 傾転アクチュエータ
21A,21B 第1サーボ弁
22A,22B 第2サーボ弁
30 ソレノイド制御弁
31 ソレノイド制御弁
32 ソレノイド制御弁(第3手段)
38〜44 操作パイロット装置
50〜56 アクチュエータ
70 車体コントローラ(スピードセンシング制御手段)
70a,70b ポンプ目標傾転演算部
70c,70d ソレノイド出力電流演算部
70e ベーストルク演算部
70f 回転数偏差演算部
70g トルク変換部(第1手段)
70h 目標トルク演算部(第2手段)
70j 目標トルク変化演算部(制御速度補正手段)
70k 遅れ演算部(制御速度補正手段)(第4手段)
70m 積分演算部(制御速度補正手段)
70n 積分一次遅れ要素(制御速度補正手段)
70p ソレノイド出力電流演算部(第3手段)
71 目標エンジン回転数入力部
72 回転数センサー
73,74 圧力センサー
80 燃料噴射装置コントローラ(燃料噴射量制御手段)
80a 回転数偏差演算部
80b 燃料噴射量変換部
80c 加算部
80d リミッタ演算部
80e 一次遅れ要素

Claims (3)

  1. エンジンと、このエンジンによって駆動される可変容量油圧ポンプと、前記油圧ポンプの入力トルクが最大吸収トルクを超えないよう前記油圧ポンプの押しのけ容積を制御するレギュレータとを備えた油圧建設機械の制御装置において、
    前記エンジンの目標回転数を指令する入力手段と、
    前記エンジンの実回転数を検出する検出手段と、
    前記目標回転数と実回転数の偏差を算出しその偏差に基づいて前記エンジンの燃料噴射量制御を行う燃料噴射量制御手段と、
    前記目標回転数と実回転数の偏差が増大すると前記油圧ポンプの最大吸収トルクが減少するようスピードセンシング制御を行うスピードセンシング制御手段と備え、
    前記スピードセンシング制御手段は、前記最大吸収トルクの減少速度が増加速度より速くなるよう最大吸収トルクの変化速度を補正する制御速度補正手段を有することを特徴とする油圧建設機械の制御装置。
  2. 請求項1記載の油圧建設機械の制御装置において、
    前記スピードセンシング制御手段は、前記目標回転数と実回転数の偏差をに所定のゲインを乗じ、トルク偏差を算出する第1手段と、このトルク偏差をベーストルクに加算し、目標吸収トルクを算出する第2手段と、前記目標吸収トルクに基づいて前記油圧ポンプの最大吸収トルクを制御する第3手段とを有し、
    前記制御速度補正手段は、前記目標吸収トルクの減少時と増加時とで前記目標吸収トルクに異なる一次遅れを持たせ、前記目標吸収トルクの変化速度を目標吸収トルクの増加時より減少時の方を速くする第4手段を有することを特徴とする油圧建設機械の制御装置。
  3. 請求項2記載の油圧建設機械の制御装置において、
    前記第4手段は、前記目標吸収トルクの変化量を演算する手段と、前記変化量に所定のゲインを乗じ、新たな変化量を演算する手段と、前記新たな変化量を前記目標トルクの前回値に加算し、制御用の目標吸収トルクを算出する手段とを有し、前記所定のゲインは、前記目標吸収トルクの増加時より減少時の方が大きいことを特徴とする油圧建設機械の制御装置。
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