JP2005179729A - 焼結体の製造方法および焼結体 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱伝導性に優れた焼結体を製造する焼結体の製造方法、および、熱伝導性に優れた焼結体を提供すること。
【解決手段】本発明の焼結体の製造方法は、繊維状炭素系物質2と、金属を含む熱伝導性物質3とを含む組成物を所定の形状に成形して、成形体を得る成形工程と、前記成形体を焼成して、前記熱伝導性物質3を介して前記繊維状炭素系物質2同士を互いに接合することにより、焼成体を得る焼成工程とを有する。これにより、熱伝導性物質3を介して繊維状炭素系物質2同士が接合されてなる焼結体1が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、焼結体の製造方法および焼結体に関するものである。
半導体チップに接合して用いられるヒートシンクのような冷却用部材には、優れた熱伝導性(高い熱伝導率)が求められる。
従来、このような冷却用部材には、主として、合金等の金属材料で構成されたものが用いられてきた。
しかしながら、金属材料は、一般に、比重(密度)が大きく、用途(例えば、モバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータ等)によっては、製品の軽量化にとって極めて不利であった。
また、マグネシウム合金のような比較的比重の小さい金属材料も開発されているが、さらなる軽量化、熱伝導性の向上が求められている。
一方、近年、熱伝導性に優れ、かつ、低比重のグラファイト(黒鉛)を用いた成形体を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような方法では、得られる成形体はフィルム形状を有するものとなり、比較的肉厚の大きい成形体や、複雑な形状を有する成形体を製造するのは困難であった。
また、このような方法で得られる成形体(フィルム)では、厚み方向に対して垂直な方向(主面方向)にのみ熱伝導が優れており、厚み方向では熱伝導が良くないという課題を有していた。
特開平5−132360号公報
本発明の目的は、熱伝導性に優れた焼結体を製造する方法、および、熱伝導性に優れた焼結体を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の焼結体の製造方法は、繊維状炭素系物質と、金属を含む熱伝導性物質とを含む組成物を所定の形状に成形して、成形体を得る成形工程と、
前記成形体を焼成して、前記熱伝導性物質を介して前記繊維状炭素系物質同士を互いに接合することにより、焼成体を得る焼成工程とを有することを特徴とする。
これにより、熱伝導性に優れた成形体を製造することができる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記組成物は、バインダーも含むものであることが好ましい。
これにより、成形工程でバインダーにより繊維状炭素系物質同士が固定されるので、成形工程から焼成工程への移行時に成形体の型崩れを確実に防止できる。また、焼成工程でも、繊維状炭素系物質同士が熱伝導性物質を介して接合されるだけでなく、バインダーによって繊維状炭素系物質同士が固定されるので、焼結体の機械的強度が向上する。
本発明の焼結体の製造方法では、前記バインダーは、熱硬化性樹脂を主成分とするものであることが好ましい。
これにより、繊維状炭素系物質同士を熱硬化性樹脂により、より確実に固定することができる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記成形工程での成形は、前記バインダーが溶融もしくは硬化する温度以上の温度で、前記組成物を加熱しつつ行われることが好ましい。
これにより、熱硬化性樹脂が成形工程での加熱により溶融もしくは硬化するので、より確実に繊維状炭素系物質同士を熱硬化性樹脂により固定しておくことができる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂およびエポキシ樹脂のうち少なくとも一方を主成分とするものであることが好ましい。
これらのものは、加熱により比較的低温で溶融と同時に硬化するので好ましい。
本発明の焼結体の製造方法では、前記成形工程にて前記バインダーは粒子状をなしていることが好ましい。
これにより、組成物は、適度な流動性を有するものとなるため、成形工程における組成物の成形性をより向上させることができる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記成形工程にて前記熱伝導性物質および前記バインダーの双方が粒子状をなしており、前記熱伝導性物質の平均粒径は前記バインダーの平均粒径よりも小さいことが好ましい。
これにより、繊維状炭素系物質同士をさらに接近させた状態で固定することができる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記成形工程にて前記熱伝導性物質は粒子状をなしていることが好ましい。
これにより、組成物は、適度な流動性を有するものとなるため、成形工程における組成物の成形性をより向上させることができる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記繊維状炭素系物質は、カーボンナノチューブおよび気相成長炭素繊維のうちいずれか一方を主成分とするものであることが好ましい。
これにより、得られる焼結体は、その熱伝導性が特に優れたものになるとともに、機械的強度(形状の安定性)も向上する。
本発明の焼結体の製造方法では、前記焼成工程での焼成温度は前記熱伝導性物質の融点以上であることが好ましい。
これにより、成形体中の熱伝導性物質が焼成工程で溶融するので、その後に硬化した熱伝導物質により焼結体中で繊維状炭素系物質同士が確実に接合され、得られる焼結体は、特に優れた熱伝導性を有するとともに、優れた形状の安定性を有するものとすることができる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記焼成工程での焼成温度は前記熱伝導性物質の沸点以上であることが好ましい。
これにより、成形体中の熱伝導性物質が焼成工程で気化して前記成形体中で分散するので、その後に均一に分布した状態で硬化した熱伝導物質により焼結体中で繊維状炭素系物質同士が確実に接合され、得られる焼結体は、特に優れた熱伝導性を有するとともに、優れた形状の安定性を有するものとすることができる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記熱伝導性物質は、Cu、Ag、Al、またはこれらを含む合金、これらの金属を含む酸化物よりなる群から選択される少なくとも1種を主成分とするものであることが好ましい。
これらのものは、熱伝導性が優れているので、繊維状炭素系物質同士間の熱伝導性を高め、得られる焼結体熱は、特に優れた熱伝導性を有するものとなる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記焼成工程は、不活性ガス雰囲気中または減圧下で行われることが好ましい。
これにより、熱伝導性物質が金属単体である場合に、焼成工程中における熱伝導物質の酸化が防止され、得られる焼結体の熱伝導率の均一化が図られる。また、焼成工程中における繊維状炭素系物質の酸化も防止されるので、得られる焼結体は、特に優れた熱伝導性および機械的強度を有する。
本発明の焼結体の製造方法では、前記焼結工程の後に、前記焼結体に樹脂系材料を含浸させる含浸工程を有することが好ましい。
これにより、焼結体の機械的強度が特に優れたものになる。
本発明の焼結体は、本発明の焼結体の製造方法により製造されたことを特徴とする。
これにより、熱伝導性に優れた焼結体が得られる。
本発明の焼結体は、金属を含む熱伝導性物質を介して繊維状炭素系物質同士が接合されてなることを特徴とする。
これにより、熱伝導性に優れた焼結体が得られる。
以下、本発明の焼結体の製造方法および焼結体の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず、本発明の焼結体について説明する。
図1は、本発明の焼結体の好適な実施形態について、そのミクロ構造を模式的に示す断面図である。
図1に示す焼結体1は、金属を含む熱伝導性物質3を介して繊維状炭素系物質2同士が接合(連結)されてなる基材10中に、非晶質の炭素4を含み、さらに、基材10と炭素4とで画成される空間(空隙)に、充填物11が充填されて構成されている。
なお、本明細書中において、「金属を含む熱伝導性物質」とは、金属単体や合金を主成分として構成されたもののみならず、金属の酸化物、窒化物、酸窒化物、炭化物などの化合物を主成分として構成されたものをも含む概念である。
繊維状炭素系物質2としては、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ等のカーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維、カーボンナノファイバー、CNナノチューブ、CNナノファイバー、BCNナノチューブ、BCNナノファイバー等が挙げられるが、これらの中でも特に、カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維、カーボンナノファイバーを含むものであるのが好ましく、カーボンナノチューブおよび/または気相成長炭素繊維を含むものであるのがより好ましく、カーボンナノチューブおよび気相成長炭素繊維のうちの少なくとも一方を主成分とするものがさらに好ましい。
繊維状炭素系物質2がこのような材料で構成されたものであると、焼結体1は、その熱伝導性が特に優れたものになるとともに、機械的強度(形状の安定性)も向上する。
また、繊維状炭素系物質2は、1本鎖構造(分岐鎖を有さない直鎖状構造)を有するものであってもよいし、分岐鎖構造を有するものであってもよい。
熱伝導性物質3としては、金属単体が望ましいが、合金、金属の酸化物、窒化物、酸窒化物、炭化物などの化合物を主成分として構成されたものであってもかまわず、特に限定されない。これらの中でも、熱伝導性物質3としては、Cu、Ag、Al、またはこれらを含む合金、これらを含む酸化物のうちの少なくとも1種を主成分とするものが好ましい。このように熱伝導性物質3が構成されていると、繊維状炭素系物質同士を接合する熱伝導性物質3が優れた熱伝導性を有するので、得られる焼結体は、特に優れた熱伝導性を有するものとなる。
焼結体1は、熱伝導性物質3を介して繊維状炭素系物質2同士が接合された構成(特に、3次元的なネットワークを形成した構成)の基材10を有することにより、熱伝導性(伝熱性)に優れたものとなる。このため、焼結体1が、比較的肉厚の大きい(厚肉の)部材(例えば、肉厚が10mm以上の部材)であっても、十分な伝熱性(放熱性、抜熱性)を発揮することができる。
したがって、本発明の焼結体1は、例えば、冷却用部材、ノートパソコンやビデオプロジェクター等の筐体で放熱を必要とする箇所を構成する部材等、優れた熱伝導性が要求されるような部材に、好適に適用することができる。
なお、本明細書中において、「接合」とは、物理的な結合や、化学的な結合(共有結合等)を含む概念である。
また、本発明の焼結体1では、繊維状炭素系物質2と熱伝導性物質3とを含む材料で構成されており、これにより、十分な熱伝導性を発揮することができる。
これにより、焼結体1(後述するような成形体)の加工性が特に優れたものとなり、製造工程中における加工、製造後における加工(例えば、バリ取り等)を比較的容易に行うことができる。その結果、本発明によれば、複雑な形状の焼結体1や、微小な焼結体1であっても、容易かつ確実に製造することが可能である。
しかも、本発明においては、焼結体1が繊維状炭素系物質2を含むものであるため、焼結体1においては、製造時等における優れた加工性と、機械的強度、弾性等成形体としての優れた特性とを両立することができる。
また、本発明の焼結体1は、少なくとも、繊維状炭素系物質2と熱伝導性物質3とを含む材料で構成されたものであればよいが、本実施形態の焼結体1は、構成成分として、炭素4を含み、さらには充填物11を含んでいる。これにより、例えば、焼結体1の機械的強度が特に優れたものとなる。
炭素4は、基材10を形成した後に、その間隙に充填されたものであってもよいが、後述するように、焼結体1の製造の際に、バインダーが変化(非晶質化)して得られるものであるのが好ましい。これにより、焼結体1の製造工程の簡略化を図ることができる。なお、炭素4は非晶質でなくともよく、炭素4としては、グラファイト、ガラス状繊維、ソフトカーボン、ハードカーボンなどの各種炭素物質を用いることができる。
また、基材10の間隙に、炭素4が存在することにより、焼結体1の機械的強度を優れたものとすることができる。
充填物11は、主として樹脂で構成されるものが好ましい。この樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリイミド、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられ、これらから選択される少なくとも1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これにより、焼結体1の機械的強度を特に優れたものとするとともに、樹脂の種類等に応じて、焼結体1としてのガスバリア性、液体不透過性、耐熱性、加工性、耐薬品性(例えば、耐酸性等)、耐水性さらに難燃性等の他の特性のさらなる向上を図ることができる。
例えば、樹脂としてポリイミドを主成分とするものを用いた場合には、焼結体1の耐熱性を特に優れたものとすることができ、樹脂としてフェノール樹脂を主成分とするものを用いた場合には、焼結体1の耐酸性、耐水性さらに難燃性を特に優れたものとすることができる。
焼結体1中における繊維状炭素系物質2の含有率(含有量)は、特に限定されないが、50〜98wt%であるのが好ましく、80〜90wt%であるのがより好ましく、85〜90wt%であるのがさらに好ましい。
焼結体1中における繊維状炭素系物質2の含有率が前記下限値未満であると、焼結体1の用途等によっては、十分な熱伝導性を発揮させるのが困難になる可能性がある。一方、焼結体1中における繊維状炭素系物質2の含有率が前記上限値を超えると、繊維状炭素系物質2以外の成分(熱伝導性物質3、炭素4、充填物11等)の含有率が相対的に低下するため、例えば、繊維状炭素系物質2と熱伝導性物質3との接合箇所(接合点)の数が低下し、焼結体1の用途等によっては、焼結体1としての熱伝導性、機械的強度を十分に発揮させるのが困難になる可能性がある。
このような焼結体1は、室温付近(例えば、20℃)での熱伝導率が、80W・m−1・K−1以上であるのが好ましく、150W・m−1・K−1以上であるのがより好ましい。このような条件を満足することにより、冷却用部材等のように、特に優れた熱伝導性が要求される部材に、焼結体1をより好適に適用することができる。
特に、本発明では、金属材料単独でなくても優れた熱伝導性を発揮することができるので、金属材料のみで構成されていた従来の部材に代わり、本発明の焼結体1を適用することにより、部材の軽量化、成形性の向上等、優れた効果が得られる。
なお、焼結体1中には、前述したような、繊維状炭素系物質2、熱伝導性物質3、炭素4、充填物11以外の成分が含まれていてもよい。例えば、焼結体1中には、ハードカーボン、ソフトカーボン、グラッシーカーボン、フラーレン、ダイヤモンド、ダイヤモンド様炭素(DLC)、可塑剤、酸化防止剤、着色剤、光沢剤、各種フィラー等が含まれていてもよい。
次に、焼結体1の製造方法の一例を説明する。
本実施形態の焼結体1の製造方法は、繊維状炭素系物質2と、主として熱硬化性樹脂で構成されるバインダーと、金属を含む熱伝導性物質とを混合して、成形体形成用の組成物(成形体形成用組成物)を得る組成物調製工程[1]と、この組成物を加熱しつつ成形して、成形体を得る成形工程[2]と、得られた成形体を焼成して、焼結体を得る焼成工程[3]と、得られた焼結体に樹脂系材料を含浸させる含浸工程[4]とを有する。以下、各工程を詳細に説明する。
[1]組成物調製工程
まず、繊維状炭素系物質2と、バインダーと、金属を含む熱伝導性物質とを混合して、成形体形成用の組成物を得る。
熱伝導性物質は、後述する工程[3]の加熱により、溶融して、繊維状炭素系物質2同士を接合する機能を有するものである。
熱伝導性物質は、Cu、Ag、Al、またはこれらを含む合金、これらの金属を含む酸化物よりなる群から選択される少なくとも1種の成分を主成分とするものであることが好ましい。このような熱伝導性物質は優れた熱伝導性を有するので、繊維状炭素系物質同士を接合する熱伝導性物質3が優れた熱伝導性を有し、その結果、得られる焼結体は、特に優れた熱伝導性を有するものとなる。
バインダーは、次工程[2]の加熱により、繊維状炭素系物質2同士の間で溶融した後硬化(または半硬化)して、これらを接近させた状態で固定(保持)する機能を有するものである。したがって、次工程[2]への移行時に成形体の型崩れを確実に防止できる。また、後述の工程[3]でも、繊維状炭素系物質同士が熱伝導性物質を介して接合されるだけでなく、バインダーによって繊維状炭素系物質同士が固定されるので、焼結体の機械的強度が向上する。なお、バインダーを用いなくとも熱伝導性物質3のみで次工程[2]の成形により繊維状炭素系物質2同士を接近させた状態で固定(保持)することができる場合などには、本発明の製造方法では、バインダーは必ずしも必要ではない。
また、バインダーとしては、次工程[2]または後述する工程[3]の加熱により、炭素4に変化(変換)するもの、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマーのような各種熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタンのような熱硬化性樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、バインダーとしては各種熱硬化性樹脂が好ましい。各種熱硬化性樹脂をバインダーとして用いると、熱硬化性樹脂が成形工程や焼成工程での加熱により溶融もしくは炭化するので、より確実に繊維状炭素系物質同士を熱硬化性樹脂により固定しておくことができる。
また、バインダーとしては、前述の熱硬化性樹脂の中でも、特に、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂の少なくとも一方を主成分とするものが好ましい。これらのものは、後述する加熱により比較的低温で溶融するとともに、比較的容易に非晶質状態となることから好ましい。
これらのバインダーおよび熱伝導性物質は、いずれか一方が粒子状をなしているのが好ましく、双方が粒子状をなしているのがより好ましい。後述するように、組成物(成形体形成用組成物)中には、実質的に液体が含まれないものが好ましいが、バインダーおよび/または熱伝導性物質を粒子状とすることにより、組成物は、適度な流動性を有するものとなる。これにより、次工程[2]における組成物の成形性をより向上させることができる。
また、バインダーおよび/または熱伝導性物質を粒子状とすることにより、組成物中において各成分がより均一に混ざり合った状態となる。その結果、得られる焼結体1を、特性の安定性(例えば、各部位での、熱伝導率の均一性や、外的応力に対する安定性の均一性等)に優れたものとすることができる。
また、各成分がより均一に混ざり合った状態の組成物を用いることにより、後述する工程[3]における加熱による成形体の各部位における収縮率のバラツキをより小さいものとすることができ、得られる焼結体1の寸法を、設計値からの誤差がより小さいものとすることができる。
バインダーおよび熱伝導性物質の双方を粒子状とする場合、粒子状の熱伝導性物質(以下、「熱伝導性物質粒子」と言う。)の平均粒径は、粒子状のバインダー(以下、「バインダー粒子」と言う。)の平均粒径より小さいのが好ましい。これにより、次工程[2]において、組成物に加わる圧力がバインダーに十分に伝達されるので、繊維状炭素系物質2同士をより接近させた状態で固定するという効果が発揮される。また、この状態では、熱伝導性物質粒子は、繊維状炭素系物質2同士に確実に接触した状態で存在することになる。その結果、後述する工程[3]において、繊維状炭素系物質2同士を熱伝導性物質3により確実に接合することができる。
熱伝導性物質粒子の平均粒径をA[μm]とし、バインダー粒子の平均粒径をB[μm]としたとき、A/B≦0.1なる関係を満足するのが好ましく、A/B≦0.05なる関係を満足するのがより好ましい。これにより、前記効果がより顕著に発揮される。
具体的には、熱伝導性物質粒子の平均粒径Aは、1〜30μmであるのが好ましく、1〜10μmであるのがより好ましい。
また、バインダー粒子の平均粒径Bは、10〜200μmであるのが好ましく、10〜50μmであるのがより好ましい。
また、組成物中における繊維状炭素系物質2の含有率(含有量)は、特に限定されないが、50〜90wt%であるのが好ましく、80〜90wt%であるのがより好ましく、85〜90wt%であるのがさらに好ましい。これにより、得られる焼結体1は、特に優れた熱伝導性を有するとともに、優れた形状の安定性を有するものとすることができる。
これに対し、組成物中における繊維状炭素系物質2の含有率が前記下限値未満であると、得られる焼結体1は、その用途等によっては、十分な熱伝導性を発揮するのが困難となる可能性がある。また、組成物中における繊維状炭素系物質2の含有率が前記上限値を超えると、次工程[2]における組成物の成形性が低下するとともに、得られる焼結体1の機械的強度が低下する傾向を示す。
また、組成物は、実質的に液体(溶媒や分散媒)を含まないものであるのが好ましい。これにより、次工程[2]の加熱により、前記液体が気化して成形体の形状が崩れてしまうことを防止することができる。
なお、必要に応じて、上記のような混合の後(または、上記のような混合に代えて)、混練処理(混練工程)を施してもよい。これにより、各成分がより均一に混ざり合った組成物(成形体形成用組成物)を得ることができる。
[2]成形工程
次に、得られた組成物を加熱しつつ成形して、成形体を得る。
成形体の形状は、特に限定されないが、目的とする焼結体1に対応する形状(ただし、後述する焼成工程等での収縮分を見込んだ形状)に、成形することができる。
このように、目的とする焼結体1に対応する形状の成形体を作製することにより、後の工程における、研削、研磨等の機械加工等を省略または簡素化することができ、このような機械加工等に伴う削りかすの発生を好適に防止することができる。
組成物の成形方法としては、特に限定されず、目的とする焼結体1の形状等に応じて、圧縮成形(プレス成形)、押出成形、射出成形、カレンダー成形等を適宜選択して用いることができる。
また、成形時には、繊維状炭素系物質2同士ができるだけ接近するように前記組成物に圧力をかけるのが好ましい。かかる観点からは、組成物の成形方法としては、圧縮成形(プレス成形)が好適である。これにより、繊維状炭素系物質2同士を接近させることにより、熱伝導性物質の溶融の条件(例えば、次工程[3]における焼成温度等)を緩和することができる。
本工程[2]における加熱の温度(加熱温度)は、バインダーが溶融する温度以上、かつ、熱伝導性物質が溶融する温度より低い温度とされる。かかる加熱温度は、バインダーおよび熱伝導性物質の種類等によっても若干異なるが、130〜300℃であるのが好ましく、150〜250℃であるのがより好ましい。これにより、繊維状炭素系物質2同士をバインダーにより、より確実に固定することができる。
加圧の時間は、特に限定されないが、1〜120分であるのが好ましく、10〜90分であるのがより好ましい。
また、加圧の圧力は、特に限定されないが、高いほど繊維状炭素物質2間の距離を小さくでき、場合によっては繊維状炭素物質2同士を直接重なり合わせることができるので熱伝導率を上昇させることができる。例えば、前記加圧の圧力としては、50Mpa以上が好ましい。
以上のような条件で、成形体を形成することにより、より高密度な成形体が得られ、得られる焼結体1の機械的強度もより向上する。
[3]焼成工程
次に、得られた成形体を焼成して、焼結体1を得る。
このとき、成形体中の熱伝導性物質が溶融した後に硬化することにより、熱伝導性物質3を介して繊維状炭素系物質2同士が接合される。その結果、3次元的なネットワークが形成された基材10を有する焼結体1が得られる。
このような焼結体1は、熱伝導性物質3を介した繊維状炭素系物質2同士の接合強度が高く、結果として、特に熱伝導性に優れたものとなる。また、このような焼結体1では、比較的肉厚の大きいもの(例えば、肉厚が10mm以上の部材)であっても、十分な伝熱性(放熱性)を発揮することができる。
さらに、成形体中の熱伝導性物質が溶融もしくは気化する温度まで加熱するならば、成形体中に熱伝導性物質が分布し、より均一な熱伝導性成形体を得ることが可能となる。
本工程[3]における焼成の温度(焼成温度)は、熱伝導性物質が溶融する温度以上とされ、熱伝導性物質の種類等によっても若干異なるが、1700〜3500℃であるのが好ましく、2500〜3000℃であるのがより好ましい。このような温度で焼成を行うことにより、より緻密で、熱伝導性物質3を介した繊維状炭素系物質2同士の接合強度が大きい焼結体1を得ることができる。かかる焼結体1は、特に優れた熱伝導性を有し、かつ、形状の安定性等に優れたものとなる。
焼成の時間(焼成時間)は、特に限定されないが、焼成温度を前記範囲とする場合には、0.5〜10時間であるのが好ましく、1〜7.5時間であるのがより好ましい。
また、成形体の焼成は、Ar、He、Ne、N等の不活性ガス雰囲気中、または、減圧下(例えば、1×10−2Torr以下)で行われるのが好ましい。これにより、熱伝導性物質が金属単体である場合に、本工程[3]における熱伝導性物質の酸化を防止することができ、焼結体1の熱伝導率が均一となる。また、繊維状炭素系物質の酸化も防止されるので、得られる焼結体1は、特に優れた熱伝導性および機械的強度を有するものとなる。
なお、本工程[3]は、2回以上に分けて行ってもよい。すなわち、本発明の焼結体の製造方法は、例えば、成形体に対して、比較的温和な条件での仮焼成を施した後に、本焼成を施すものであってもよい。
[4]含浸工程
次に、得られた焼結体1に樹脂系材料を含浸させる。
焼結体1へ樹脂系材料を含浸させる方法(含浸方法)は、いかなるものであってもよいが、例えば、樹脂系材料中に焼結体1を浸漬する方法(ディッピング法)、樹脂系材料をドクターブレード法、刷毛塗り、スプレー塗装、ロールコート法等により焼結体1に塗布する方法(塗布法)を用いることができる。
また、含浸方法としては、例えば、真空含浸(減圧含浸)法、過圧含浸法等を用いるようにしてもよい。
この樹脂系材料としては、前述した充填物11の主材料である樹脂またはその前駆体(例えば、前記樹脂に対応するモノマー、ダイマー、トリマー、オリゴマー、プレポリマー等)等を含むものが好適に用いられる。
具体的には、樹脂系材料としては、樹脂の溶融物、樹脂またはその前駆体を含む液体(溶液または分散液)等が挙げられる。これらのものは、適度な流動性を有することから、焼結体1中に効率よく含浸させることができる。
樹脂系材料として、樹脂の溶融物を用いる場合には、溶融物を固化(硬化)させることにより、充填物11とすることができる。
また、樹脂系材料として、樹脂またはその前駆体を含む液体を用いる場合には、例えば、脱溶媒処理、脱分散媒処理、熱処理、光照射等のうちの1種または2種以上の処理を施すことにより、樹脂系材料を樹脂に変換して、充填物11とすることができる。
さらに、樹脂系材料として、樹脂またはその前駆体を含む液体を用いる場合には、樹脂系材料中には、溶解補助剤、分散剤、分散助剤、繊維状炭素系物質、グラファイト、ハードカーボン、ソフトカーボン、グラッシーカーボン、アモルファスカーボン(非晶質の炭素)、フラーレン、ダイヤモンド、ダイヤモンド様炭素(DLC)、可塑剤、酸化防止剤、着色剤、光沢剤、各種フィラー等が含まれていてもよい。例えば、溶解補助剤、分散剤、分散助剤等が含まれることにより、樹脂系材料の流動性を向上させ、本工程[4]を効率よく行うことができる。
以上のような工程を経て、図1に示すような焼結体1が得られる。
また、本発明の焼結体の製造方法では、必要に応じて、前記工程[1]の組成物調製工程の前処理(前工程)や、前記各工程間での中間処理(中間工程)、前記工程[4]の含浸工程後の後処理(後工程)があってもよい。
また、本実施形態では、前記工程[2]において、目的とする焼結体1の形状に対応する形状の成形体を作製するものとして説明したが、例えば、角柱形状、円柱形状、円筒形状等、比較的単純な形状の成形体を作製しておき、前記工程[3]の前後等において、最終的な焼結体1に対応する形状に加工してもよい。
前述したように、本発明においては、製造工程において得られる成形体、最終的に得られる焼結体1についても、優れた加工性を有することから、かかる方法を適用することも可能である。
次に、本発明の焼結体1を冷却用部材としてのヒートシンクに適用した一例を説明する。
ヒートシンクは、例えば、CPU用の半導体チップ等に接合して用いられるが、半導体チップはその作動により発熱するため、ヒートシンクには、その熱を効率よく放熱する性能が求められる。
一方、本発明の成形体は、前述したように、熱伝導性に優れているため、本発明を適用したヒートシンク(冷却用部材)は、特に優れた性能(ヒートシンクとして求められる性能)を有するものとなる。
図2は、本発明を適用したヒートシンクを示す平面図、図3は、図2中のII−II線断面図、図4は、図3の部分拡大断面図である。
これらの図に示すように、ヒートシンク(焼結体)1’は、基板5と、基板5の放熱面側(図3中上側)に基板5と一体的に形成された複数の突起(凸部)6と、各突起6を囲むように基板5と一体的に形成されたモールド枠(壁部)7とで構成されている。各突起6は、円柱状または円錐台状をなしている。また、基板5の四隅には、円形のモールド孔(孔)8が形成されている。
基板5の前記放熱面と反対側(図3中、下側)には、発熱体である半導体チップ(図示せず)と接合される接合面51が形成されている。
また、ヒートシンク1’の少なくとも一部には、例えば、表面処理が施されていてもよい。本実施形態のヒートシンク(焼結体)1’では、接合面51にメッキ層(被覆層)9が形成されている。このメッキ層9は、半導体チップとの接着機能またはそれを補助する機能を得るための層である。このように、本発明の焼結体は、繊維状炭素系物質、熱導電性物質を含まない部位を有していてもよい。
メッキ層9としては、例えば、Agメッキ、またはAg−Pd合金メッキ等のAg系合金メッキ、AuメッキまたはAu系合金メッキ、PtメッキまたはPt系合金メッキ、NiメッキまたはNi系合金メッキ、CrメッキまたはCr系合金メッキ等が挙げられる。このなかでも、特に、Ag、Au、Ptまたはこれらを主とする合金メッキのような、貴金属メッキが好ましい。
メッキ層9の厚さは、特に限定されないが、好ましくは0.5〜20μm程度、より好ましくは1〜10μm程度とされる。
なお、メッキ層9の形成は、例えば、ヒートシンク1’の全表面に対しなされても良い。また、メッキ層等の被覆層の形成目的は、前述したものに限らず、例えば、保護層の形成、防食等であってもよい。
また、表面処理としては、前記メッキの他に、例えば、樹脂被覆層の形成、黒色塗装等の塗装が挙げられる。
なお、ヒートシンク1’のメッキ層9を除く部位は、図1を参照しつつ説明した前記実施形態の焼結体1と同様の材料、すなわち、繊維状炭素系物質と熱導電性物質と炭素とを含む材料で構成されている。
なお、ヒートシンクの形状、構造等は、図示のものに限定されず、例えば、ヒートシンク1’の全体形状や、放熱用の突起(凸部)6の形状、配置等は、いかなるものでもよい。
以上、本発明の焼結体の製造方法および焼結体について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、前述した実施形態では、本発明の焼結体をヒートシンクに適用した構成について説明したが、本発明の焼結体は、プロジェクターの液晶パネル保持部材、ライトガイド等の部材に適用してもよく、冷却用部材以外の部材に適用してもよい。
[冷却用部材(ヒートシンク)の製造]
以下のようにして、各実施例および各比較例において、図2、図3に示すような冷却用部材(ヒートシンク)を、それぞれ、20個ずつ製造した。
(実施例1)
まず、繊維状炭素系物質としてカーボンナノチューブ(昭和電工株式会社製、VGCF):1kg、バインダーとしてフェノール樹脂の粒子:70gと、熱伝導性物質粒子としてCu粒子:50gを用意した。
なお、Cu粒子の平均粒径Aは、2μm、フェノール樹脂粒子の平均粒子Bは、40μmであり、A/B=0.05であった。
次に、これらを混合し、さらに、混練装置を用いて混練することにより、成形体形成用組成物を得た。なお、成形体形成用組成物中には、液体は含まれていなかった。
次に、圧縮成形(熱プレス)により、成形体形成用組成物を、図2、図3に示すヒートシンクに対応する形状に成形し、成形体を得た。
なお、圧縮成形は、圧力50MPa、150℃×15分で行った。
また、成形体の形状寸法は、以後の焼成等での収縮分を見込んで決定し、ヒートシンク(メッキ層が形成されていない焼結体)が、全体寸法=縦25mm×横25mm、突起寸法=外径φ1.25mm、長さ1mm、基板厚さ7mmとなるようにした。
次に、得られた成形体を室温(常温)となるまで放置した後、不活性雰囲気(Arガス雰囲気)中、Cuの融点(1084℃)より高い温度である1200℃×2時間で焼成することにより焼結体を得た。
次に、ディッピング法を用いて、得られた焼結体に樹脂系材料を含浸させた。
なお、樹脂系材料としては、液状のフェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製、スミライトレジンPR−51464)を用いた。
次に、フェノール樹脂を含浸させた焼結体から、表面に付着しているフェノール樹脂を除去し、さらに、150℃×60分間で加熱することにより、液状のフェノール樹脂を硬化させ、ヒートシンクを得た。
このようにして得られたヒートシンクにおいては、熱伝導性物質がカーボンナノチューブに融着して、この熱伝導性物質を介してカーボンナノチューブ同士が接合され、3次元的なネットワークが形成さていること、また、カーボンナノチューブ同士の間隙には、非晶質の炭素が存在することが、走査型電子顕微鏡(SEM)の観察から確認された。
また、ヒートシンク(焼結体)中におけるカーボンナノチューブの含有率は、90wt%以上であった。
また、本実施例においては、製造工程中における削りかす等の発生を生じることなく、ヒートシンクを好適に製造することができた。
(実施例2)
焼成温度をCuの沸点(2571℃)以上である2600℃とした以外は、前記実施例1と同様にして、ヒートシンクを製造した。
また、ヒートシンク(焼結体)中におけるカーボンナノチューブの含有率は、90wt%以上であった。
(実施例3)
金属粒子としてAgを用い、焼成温度をAgの融点(961℃)以上である1000℃とした以外は、前記実施例1と同様にして、ヒートシンクを製造した。
また、ヒートシンク(焼結体)中におけるカーボンナノチューブの含有率は、90wt%以上であった。
(実施例4)
焼成温度をAgの沸点(2155℃)以上である2200℃とした以外は、前記実施例3と同様にして、ヒートシンクを製造した。
また、ヒートシンク(焼結体)中におけるカーボンナノチューブの含有率は、90wt%以上であった。
(実施例5)
金属粒子としてAlを用い、焼成温度をAlの融点(660℃)以上である800℃とした以外は、前記実施例1と同様にして、ヒートシンクを製造した。
また、ヒートシンク(焼結体)中におけるカーボンナノチューブの含有率は、90wt%以上であった。
(実施例6)
焼成温度をAlの沸点(2467℃)以上である2500℃とした以外は、前記実施例5と同様にして、ヒートシンクを製造した。
また、ヒートシンク(焼結体)中におけるカーボンナノチューブの含有率は、90wt%以上であった。
(実施例7)
成形工程において、略角柱状の成形体を成形し、焼成工程の後に、研削、研磨加工を施すことにより、図2、図3に示すような形状(全体寸法=縦25mm×横25mm、突起寸法=外径φ1.25mm、長さ1mm、基板厚さ7mm)とした以外は、前記実施例1と同様にして、ヒートシンクを製造した。
このようにして得られたヒートシンクにおいては、熱伝導性物質がカーボンナノチューブに溶着して、この熱伝導性物質を介してカーボンナノチューブ同士が接合され、3次元的なネットワークが形成さていること、また、カーボンナノチューブ同士の間隙には、非晶質の炭素が存在することが、走査型電子顕微鏡(SEM)の観察から確認された。
また、ヒートシンク(焼結体)中におけるカーボンナノチューブの含有率は、85wt%であった。
(比較例1)
熱伝導性物質を含まずに、カーボンナノチューブとフェノール樹脂とのみを混合そして混練して、成形体形成用組成物質を得た以外は、前記実施例1と同様にして、ヒートシンクを製造した。
また、ヒートシンク(焼結体)中におけるカーボンナノチューブの含有率は、90wt%以上であった。
(比較例2)
Mg合金(AZ91D)を用いて、鋳造により、図2、図3に示すようなヒートシンクを製造した。
なお、得られたヒートシンクは、全体寸法=縦25mm×横25mm、突起寸法=外径φ1.25mm、長さ1mm、基板厚さ7mmであった。
[ヒートシンク(焼結体)の評価]
前記各実施例および各比較例で製造されたヒートシンクについて、20℃における熱伝導率を測定した。
ここで熱伝導率の測定は、レーザーフラッシュ法を用いて行った。
これらの結果を表1に示す。
Figure 2005179729
表1から明らかなように、各実施例のヒートシンクは、いずれも、優れた熱伝導性を有していた。
これに対して、各比較例のヒートシンクは、いずれも、熱伝導性に劣るものであった。
本発明の成形体の好適な実施形態について、そのミクロ構造を模式的に示す断面図である。 本発明を適用したヒートシンクを示す平面図である。 図2中のII−II線断面図である。 図3の部分拡大断面図である。
符号の説明
1……焼結体 10……基材 1’……ヒートシンク 2……繊維状炭素系物質 3……熱伝導性物質 4……炭素 11……充填物 5……基板 51……接合面 6……突起 7……モールド枠 8……モールド孔 9……メッキ層

Claims (16)

  1. 繊維状炭素系物質と、金属を含む熱伝導性物質とを含む組成物を所定の形状に成形して、成形体を得る成形工程と、
    前記成形体を焼成して、前記熱伝導性物質を介して前記繊維状炭素系物質同士を互いに接合することにより、焼成体を得る焼成工程とを有することを特徴とする焼結体の製造方法。
  2. 前記組成物は、バインダーも含むものである請求項1に記載の焼結体の製造方法。
  3. 前記バインダーは、熱硬化性樹脂を主成分とするものである請求項2に記載の焼結体の製造方法。
  4. 前記成形工程での成形は、前記バインダーが溶融もしくは硬化する温度以上の温度で、前記組成物を加熱しつつ行われる請求項3に記載の焼結体の製造方法。
  5. 前記熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂およびエポキシ樹脂のうち少なくとも一方を主成分とするものである請求項3または4に記載の焼結体の製造方法。
  6. 前記成形工程にて前記バインダーは粒子状をなしている請求項2ないし5のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  7. 前記成形工程にて前記熱伝導性物質および前記バインダーの双方が粒子状をなしており、前記熱伝導性物質の平均粒径は前記バインダーの平均粒径よりも小さい請求項2ないし5のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  8. 前記成形工程にて前記熱伝導性物質は粒子状をなしている請求項1ないし7のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  9. 前記繊維状炭素系物質は、カーボンナノチューブおよび気相成長炭素繊維のうちいずれか一方を主成分とするものである請求項1ないし8のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  10. 前記焼成工程での焼成温度は前記熱伝導性物質の融点以上である請求項1ないし9のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  11. 前記焼成工程での焼成温度は前記熱伝導性物質の沸点以上である請求項1ないし9のいすれかに記載の焼結体の製造方法。
  12. 前記熱伝導性物質は、Cu、Ag、Al、またはこれらを含む合金、これらの金属を含む酸化物よりなる群から選択される少なくとも1種を主成分とするものである請求項1ないし11のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  13. 前記焼成工程は、不活性ガス雰囲気中または減圧下で行われる請求項1ないし12のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  14. 前記焼結工程の後に、前記焼結体に樹脂系材料を含浸させる含浸工程を有する請求項1ないし13のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  15. 請求項1ないし14のいずれかに記載の焼結体の製造方法により製造されたことを特徴とする焼結体。
  16. 金属を含む熱伝導性物質を介して繊維状炭素系物質同士が接合されてなることを特徴とする焼結体。
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