JP2005179272A - カルボキサミド誘導体のマロン酸塩結晶 - Google Patents
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Abstract
【課題】 活性化血液凝固第X因子阻害剤の製造原体として有用な、新規な塩の新規な結晶の提供。
【解決手段】 N-(4-ブロモ-2-{[(5-クロロピリジン-2-イル)アミノ]カルボニル}-6-ヒドロキシフェニル)-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサミド マロン酸塩の安定結晶は、吸湿性を示さず、安定性に優れることから、医薬品の工業生産における大量合成における製造原体として有用である。更に、本発明のマロン酸塩結晶と製薬学的に許容される担体を含む安定な固体組成物、殊に活性化血液凝固第X因子阻害剤は、良好な活性を有する安定な薬剤として有用である。
【選択図】 なし
【解決手段】 N-(4-ブロモ-2-{[(5-クロロピリジン-2-イル)アミノ]カルボニル}-6-ヒドロキシフェニル)-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサミド マロン酸塩の安定結晶は、吸湿性を示さず、安定性に優れることから、医薬品の工業生産における大量合成における製造原体として有用である。更に、本発明のマロン酸塩結晶と製薬学的に許容される担体を含む安定な固体組成物、殊に活性化血液凝固第X因子阻害剤は、良好な活性を有する安定な薬剤として有用である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、活性化血液凝固第X因子阻害剤として有用な、N-(4-ブロモ-2-{[(5-クロロピリジン-2-イル)アミノ]カルボニル}-6-ヒドロキシフェニル)-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサミド マロン酸塩結晶、及びその結晶を含有する医薬に関する。
本発明者等は下記構造式で示される、4'-ブロモ-2'-[(5-クロロ-2-ピリジル)カルバモイル]-6'-ヒドロキシ-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサニリド 塩酸塩が、活性化血液凝固第X因子阻害剤として有用な化合物であることを先に報告している(国際公開第02/42270号(特許文献1)の実施例19)。
しかしながら、この塩酸塩には吸湿性があるため、医薬品としての使用には今なお問題があった。即ち、医薬品は、湿度、温度、光等に長期間安定であるほか、製剤化工程における安定性も求められる。医薬品が吸湿性を有すると物理的化学的性質が変化することが考えられ、また周囲の湿度変化によって水分量が大きく異なるといった不都合を生じる。従って、この塩酸塩を医薬品の製造原体に用いるためには、乾燥剤の使用を検討するなどして、常に湿度に対する保存環境に留意することが必要となり、工業的使用には好適でない。
更に、この塩酸塩には、少なくとも2種類の結晶多形が存在することが判明しており、この観点からも医薬品の製造原体として好適でない。
更に、この塩酸塩には、少なくとも2種類の結晶多形が存在することが判明しており、この観点からも医薬品の製造原体として好適でない。
なお、「4'-ブロモ-2'-[(5-クロロ-2-ピリジル)カルバモイル]-6'-ヒドロキシ-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサニリド」と、「N-(4-ブロモ-2-{[(5-クロロピリジン-2-イル)アミノ]カルボニル}-6-ヒドロキシフェニル)-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサミド」とは、同一の構造式の化合物を意味する。以下、後者の命名に統一して本発明を説明する。
国際公開第02/42270号パンフレット
本発明者等は、医薬、殊に活性化血液凝固第X因子阻害剤の原体として有用な、N-(4-ブロモ-2-{[(5-クロロピリジン-2-イル)アミノ]カルボニル}-6-ヒドロキシフェニル)-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサミドの工業生産に適した新規な結晶、即ち、吸湿性を示さない安定結晶を提供することを目的として研究を行った。
後記試験例に示すように、前記特許文献1の実施例19に記載の塩酸塩結晶は、湿度の増加と共に重量が増加し、相対湿度95%で約2%の水分を保持し、吸湿性を有するものであった。本発明者等は同塩酸塩の安定な結晶を得るべく研究を行い、結晶多形が存在することを知見した。しかし新たに見出された結晶も、相対湿度95%で約5%の水分を保持し強い吸湿性を示すものであり、工業的利用に適するものではなかった。吸湿性を示さない新たな結晶を求めて、本発明者等は更に研究を行った結果、全く予想外に、マロン酸塩において吸湿性を示さない安定な結晶を初めて見いだした。即ち、本発明は新規なN-(4-ブロモ-2-{[(5-クロロピリジン-2-イル)アミノ]カルボニル}-6-ヒドロキシフェニル)-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサミド マロン酸塩の安定な新規な結晶に関する。本発明のマロン酸塩は、相対湿度5%から95%の全範囲において、吸湿性を示さない(0.2%以下)安定な結晶であり、医薬品、殊に固体組成物の好適な製造原体である。本発明は、当該結晶を含有する安定な固体組成物、殊に活性化血液凝固第X因子阻害剤にも関する。
本発明のN-(4-ブロモ-2-{[(5-クロロピリジン-2-イル)アミノ]カルボニル}-6-ヒドロキシフェニル)-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサミド マロン酸塩結晶は、吸湿性を示さず、安定性に優れることから、医薬品の工業生産における大量合成における製造原体として有用である。更に、本発明のマロン酸塩結晶と製薬学的に許容される担体を含む安定な固体組成物、殊に活性化血液凝固第X因子阻害剤は、良好な活性を有する安定な薬剤として有用である。
本発明のマロン酸塩結晶は、下記表1の粉末X線回折スペクトルの結晶格子間隔[2θ(°)]、DSC分析の熱吸収ピーク、又はその両者により特徴付けられる。表2及び表3は、比較のために特許文献1の実施例19に記載された公知の塩酸塩結晶(以下「塩酸塩結晶A」という)及びその結晶多形(以下「塩酸塩結晶B」という)のデータを記載した。
なお、粉末X線回折はデータの性質上、結晶の同一性認定においては結晶格子間隔や全体的なパターンが重要であり、相対強度は結晶成長の方向、粒子の大きさ、測定条件によって多少は変わり得るものであるから、厳密に解されるべきではない。
(本発明のマロン酸塩結晶)
(比較例:塩酸塩結晶A)
(比較例:塩酸塩結晶B)
更にDSC分析の結果、マロン酸塩結晶は214〜220℃に、塩酸塩結晶Aは264〜270℃に、塩酸塩結晶Bは261〜267℃に、それぞれ熱吸収ピークを有した。
なお、粉末X線回折はデータの性質上、結晶の同一性認定においては結晶格子間隔や全体的なパターンが重要であり、相対強度は結晶成長の方向、粒子の大きさ、測定条件によって多少は変わり得るものであるから、厳密に解されるべきではない。
(本発明のマロン酸塩結晶)
(比較例:塩酸塩結晶A)
(比較例:塩酸塩結晶B)
更にDSC分析の結果、マロン酸塩結晶は214〜220℃に、塩酸塩結晶Aは264〜270℃に、塩酸塩結晶Bは261〜267℃に、それぞれ熱吸収ピークを有した。
粉末X線回折の測定には、MAC Science MXP18TAHF22を用い、管球:Cu、管電流:40 mA、管電圧:160 kV、サンプリング幅:0.020°、走査速度:3°/min、波長:1.54056Å、測定回折角範囲(2θ):3〜40°の条件で測定した。
熱分析(DSC及びTGA)はそれぞれ次の条件で測定した。
DSC:TA Instruments社製 DSC 2910 Differential Scanning Calorimeter、室温〜300℃ (10℃/min)、N2 (50 ml/min)、アルミニウム製サンプルパン。TGA:TA Instruments社製 TGA 2950 Thermogravimetric Analyzer、室温〜300℃ (10℃/min)、N2 (50 ml/min)、白金製サンプルパン。
核磁気共鳴スペクトル(NMR)は、JEOL JNM-LA400及びJEOL JNM-A500を用いて測定し、内部標準としてテトラメチルシラン(TMS)を使用した。
質量分析スペクトルはJEOL DX-300及びJEOL LX-2000を用いて測定した。
熱分析(DSC及びTGA)はそれぞれ次の条件で測定した。
DSC:TA Instruments社製 DSC 2910 Differential Scanning Calorimeter、室温〜300℃ (10℃/min)、N2 (50 ml/min)、アルミニウム製サンプルパン。TGA:TA Instruments社製 TGA 2950 Thermogravimetric Analyzer、室温〜300℃ (10℃/min)、N2 (50 ml/min)、白金製サンプルパン。
核磁気共鳴スペクトル(NMR)は、JEOL JNM-LA400及びJEOL JNM-A500を用いて測定し、内部標準としてテトラメチルシラン(TMS)を使用した。
質量分析スペクトルはJEOL DX-300及びJEOL LX-2000を用いて測定した。
本発明のマロン酸塩結晶を医薬品の製造原体とする医薬は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等による経口投与、あるいは吸入剤等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、一つ又はそれ以上の活性物質が、少なくとも一つの不活性な賦形剤、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等と混合される。組成物は、常法に従って、不活性な添加剤、例えばステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤やカルボキシメチルスターチナトリウム等の崩壊剤、安定化剤、溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要により糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性コーティング剤で被膜してもよい。投与量は症状、投与対象の年齢、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定されるが、通常経口投与の場合成人1日当たり0.01mg/kg乃至100mg/kg程度であり、これを1回で、あるいは2〜4回に分けて投与する。
以下、実施例1〜2によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。原料化合物は、特許文献1に記載の方法とは異なる方法により製造したものもあるので参考例1〜6として示す。
また下記に、本発明の一般合成法として合成ルートを図示するが、これらは参考例1〜6及び実施例1〜2に限定されるものではなく、特許文献1の記載及び当業者に自明の改良方法により行うことができる。
また下記に、本発明の一般合成法として合成ルートを図示するが、これらは参考例1〜6及び実施例1〜2に限定されるものではなく、特許文献1の記載及び当業者に自明の改良方法により行うことができる。
参考例1
イソニペコチン酸 24.50 kg、メタノール 50 L、アセトン 120 L、ウェット10%パラジウム炭素触媒 5.22 kg(ウェット率 52.1%)の混合物を、水素気流下65℃2日間加熱撹拌した。反応液から触媒を濾去し、メタノール 50 Lにて触媒を洗浄した。反応液にメタノール 25 Lを加え減圧濃縮した後、イソプロパノール 70 Lを加え再度減圧濃縮した。残さにイソプロパノール 245 L を加え加熱溶解(81℃)後冷却し、4N 塩化水素/酢酸エチル溶液 60.64 kgを加えた後、0℃にて終夜撹拌した。生じた結晶を濾取し、イソプロパノール 80 Lで洗浄した。真空乾燥し、1-イソプロピルピペリジン-4-カルボン酸 塩酸塩 39.40 kgを得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 400MHz) δ(ppm)=1.25(6H, d, J=6.4Hz), 1.91−2.02(4H, m), 2.57(1H, br), 2.96(2H, br), 3.24(2H, br), 3.37(1H, m). FAB-MS m/z: 172(M+H)+.
イソニペコチン酸 24.50 kg、メタノール 50 L、アセトン 120 L、ウェット10%パラジウム炭素触媒 5.22 kg(ウェット率 52.1%)の混合物を、水素気流下65℃2日間加熱撹拌した。反応液から触媒を濾去し、メタノール 50 Lにて触媒を洗浄した。反応液にメタノール 25 Lを加え減圧濃縮した後、イソプロパノール 70 Lを加え再度減圧濃縮した。残さにイソプロパノール 245 L を加え加熱溶解(81℃)後冷却し、4N 塩化水素/酢酸エチル溶液 60.64 kgを加えた後、0℃にて終夜撹拌した。生じた結晶を濾取し、イソプロパノール 80 Lで洗浄した。真空乾燥し、1-イソプロピルピペリジン-4-カルボン酸 塩酸塩 39.40 kgを得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 400MHz) δ(ppm)=1.25(6H, d, J=6.4Hz), 1.91−2.02(4H, m), 2.57(1H, br), 2.96(2H, br), 3.24(2H, br), 3.37(1H, m). FAB-MS m/z: 172(M+H)+.
参考例2
3-ヒドロキシ-2-ニトロ安息香酸 47.50 kg、アセトニトリル 190 L、ピリジン2.11 kg、無水酢酸 34.41 kgの混合物を55℃にて3時間撹拌した。反応液に水 950 Lを加え5℃に冷却し、終夜撹拌した。生じた結晶を濾取し、水180 Lで洗浄した。真空乾燥し、3-アセトキシ-2-ニトロ安息香酸 48.86 kgを得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 400MHz) δ(ppm)=2.30(3H, s), 7.77(2H, m), 7.90(1H, m). FAB-MS m/z: 224(M-H)-.
3-ヒドロキシ-2-ニトロ安息香酸 47.50 kg、アセトニトリル 190 L、ピリジン2.11 kg、無水酢酸 34.41 kgの混合物を55℃にて3時間撹拌した。反応液に水 950 Lを加え5℃に冷却し、終夜撹拌した。生じた結晶を濾取し、水180 Lで洗浄した。真空乾燥し、3-アセトキシ-2-ニトロ安息香酸 48.86 kgを得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 400MHz) δ(ppm)=2.30(3H, s), 7.77(2H, m), 7.90(1H, m). FAB-MS m/z: 224(M-H)-.
参考例3
3-アセトキシ-2-ニトロ安息香酸 48.80 kg、酢酸エチル 240 L、N,N-ジメチルホルムアミド 2.49 kg、塩化チオニル 38.71 kgの混合物を50℃にて3時間撹拌後、減圧濃縮した。アセトニトリル 100 Lを加え再度減圧濃縮した後、残さにアセトニトリル 100 Lを加え溶解した。この溶液を、2-アミノ-5-クロロピリジン 27.90kg、アセトニトリル 340 L、ピリジン 20.60 kgの混合液に 4〜16℃にて滴下した。反応液にアセトニトリル 50 Lを加えた後、10℃終夜撹拌した。反応液に水 390 Lを加えた後、水酸化ナトリウム 30.30 kgと水 390 Lの溶液を滴下し、10℃にて2時間撹拌した。反応液に38%塩酸 54.14 kgを加え結晶化し、3℃にて終夜撹拌した。結晶を濾取し、水150 Lで洗浄した。真空乾燥し、N-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-ヒドロキシ-2-ニトロベンズアミド 49.42 kgを得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 400MHz) δ(ppm)=7.25(2H, m), 7.50(1H, t, J=7.8Hz), 7.95(1H, dd, J=2.8Hz, 8.8Hz), 8.08(1H, d, J=8.8Hz), 8.44(1H, d, J=2.8Hz), 11.22(1H, br), 11.36(1H, s). FAB-MS m/z: 294(M+H)+.
3-アセトキシ-2-ニトロ安息香酸 48.80 kg、酢酸エチル 240 L、N,N-ジメチルホルムアミド 2.49 kg、塩化チオニル 38.71 kgの混合物を50℃にて3時間撹拌後、減圧濃縮した。アセトニトリル 100 Lを加え再度減圧濃縮した後、残さにアセトニトリル 100 Lを加え溶解した。この溶液を、2-アミノ-5-クロロピリジン 27.90kg、アセトニトリル 340 L、ピリジン 20.60 kgの混合液に 4〜16℃にて滴下した。反応液にアセトニトリル 50 Lを加えた後、10℃終夜撹拌した。反応液に水 390 Lを加えた後、水酸化ナトリウム 30.30 kgと水 390 Lの溶液を滴下し、10℃にて2時間撹拌した。反応液に38%塩酸 54.14 kgを加え結晶化し、3℃にて終夜撹拌した。結晶を濾取し、水150 Lで洗浄した。真空乾燥し、N-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-ヒドロキシ-2-ニトロベンズアミド 49.42 kgを得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 400MHz) δ(ppm)=7.25(2H, m), 7.50(1H, t, J=7.8Hz), 7.95(1H, dd, J=2.8Hz, 8.8Hz), 8.08(1H, d, J=8.8Hz), 8.44(1H, d, J=2.8Hz), 11.22(1H, br), 11.36(1H, s). FAB-MS m/z: 294(M+H)+.
参考例4
N-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-ヒドロキシ-2-ニトロベンズアミド 25.00 kg、 N,N-ジメチルホムアミド 220 L、ラネーニッケル触媒 5.01 kgの混合物を水素気流下、水素吸収が終了するまで撹拌した。反応液から触媒を濾去し、N,N-ジメチルホルムアミド 50 Lにて触媒を洗浄した(反応液A)。
N-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-ヒドロキシ-2-ニトロベンズアミド 24.30 kg、 N,N-ジメチルホムアミド 220 L、ラネーニッケル触媒 4.90 kgの混合物を水素気流下、水素吸収が終了するまで撹拌した。反応液から触媒を濾去し、N,N-ジメチルホルムアミド 48 Lにて触媒を洗浄した
N-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-ヒドロキシ-2-ニトロベンズアミド 25.00 kg、 N,N-ジメチルホムアミド 220 L、ラネーニッケル触媒 5.01 kgの混合物を水素気流下、水素吸収が終了するまで撹拌した。反応液から触媒を濾去し、N,N-ジメチルホルムアミド 50 Lにて触媒を洗浄した(反応液A)。
N-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-ヒドロキシ-2-ニトロベンズアミド 24.30 kg、 N,N-ジメチルホムアミド 220 L、ラネーニッケル触媒 4.90 kgの混合物を水素気流下、水素吸収が終了するまで撹拌した。反応液から触媒を濾去し、N,N-ジメチルホルムアミド 48 Lにて触媒を洗浄した
(反応液B)。
反応液AおよびBを混合し、それにメタノール 300 Lと水 300 Lの混合液を滴下した後、25℃にて終夜撹拌した。結晶を濾取し、水150 Lで洗浄した。真空乾燥し、2-アミノ-N-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-ヒドロキシベンズアミド 40.89 kgを得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 400MHz) δ(ppm)=5.93(2H, s), 6.45(1H, t, J=8.0Hz), 6.82(1H, d, J=8.0Hz), 7.28(1H, d, J=8.0Hz), 7.92(1H, m), 8.14(1H, d, J=8.0Hz), 8.40(1H, s), 9.59(1H, s), 10.45(1H, s). FAB-MS m/z: 264(M)+.
反応液AおよびBを混合し、それにメタノール 300 Lと水 300 Lの混合液を滴下した後、25℃にて終夜撹拌した。結晶を濾取し、水150 Lで洗浄した。真空乾燥し、2-アミノ-N-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-ヒドロキシベンズアミド 40.89 kgを得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 400MHz) δ(ppm)=5.93(2H, s), 6.45(1H, t, J=8.0Hz), 6.82(1H, d, J=8.0Hz), 7.28(1H, d, J=8.0Hz), 7.92(1H, m), 8.14(1H, d, J=8.0Hz), 8.40(1H, s), 9.59(1H, s), 10.45(1H, s). FAB-MS m/z: 264(M)+.
参考例5
2-アミノ-N-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-ヒドロキシベンズアミド 40.50 kg、N,N-ジメチルアセトアミド 400 L、38%塩酸 17.72kgの混合物を減圧下蒸留し、水分を除いた。この液に、-7℃以下でN-ブロモコハク酸イミド 26.00kgとN,N-ジメチルアセトアミド 120 Lの溶液を滴下し、更にN,N-ジメチルアセトアミド 40 Lを加えた。反応液に水570 L、炭酸水素ナトリウム 12.90 kgを加え、20℃にて終夜撹拌した。結晶を濾取し、水120 Lで洗浄した。真空乾燥し、2-アミノ-5-ブロモ-N-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-ヒドロキシベンズアミドの粗結晶 52.25 kgを得た。
2-アミノ-5-ブロモ-N-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-ヒドロキシベンズアミドの粗結晶 52.00 kg、N,N-ジメチルホルムアミド 160 L、活性炭 5.20 kg、酢酸エチル 520 Lの混合液を25℃にて終夜撹拌した後、反応液を濾過して活性炭を除いた。濾液に酢酸エチル52 Lと4N 塩化水素/酢酸エチル溶液 46.27 kgを加えた後、20℃にて終夜撹拌した。生じた結晶を濾取し、酢酸エチル130 Lで洗浄した。真空乾燥し、2-アミノ-5-ブロモ-N-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-ヒドロキシベンズアミド 塩酸塩 57.53 kgを得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 400MHz) δ(ppm)=7.13(1H, d, J=2.0Hz), 7.48(1H, d, J=1.6Hz), 7.96(1H, dd, J=2.6Hz, 9.0Hz), 8.11(1H, d, J=8.8Hz), 8.42(1H, dd, J=2.8Hz, 12.0Hz), 7.5-8.5(3H, br). FAB-MS m/z: 344(M+H)+.
2-アミノ-N-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-ヒドロキシベンズアミド 40.50 kg、N,N-ジメチルアセトアミド 400 L、38%塩酸 17.72kgの混合物を減圧下蒸留し、水分を除いた。この液に、-7℃以下でN-ブロモコハク酸イミド 26.00kgとN,N-ジメチルアセトアミド 120 Lの溶液を滴下し、更にN,N-ジメチルアセトアミド 40 Lを加えた。反応液に水570 L、炭酸水素ナトリウム 12.90 kgを加え、20℃にて終夜撹拌した。結晶を濾取し、水120 Lで洗浄した。真空乾燥し、2-アミノ-5-ブロモ-N-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-ヒドロキシベンズアミドの粗結晶 52.25 kgを得た。
2-アミノ-5-ブロモ-N-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-ヒドロキシベンズアミドの粗結晶 52.00 kg、N,N-ジメチルホルムアミド 160 L、活性炭 5.20 kg、酢酸エチル 520 Lの混合液を25℃にて終夜撹拌した後、反応液を濾過して活性炭を除いた。濾液に酢酸エチル52 Lと4N 塩化水素/酢酸エチル溶液 46.27 kgを加えた後、20℃にて終夜撹拌した。生じた結晶を濾取し、酢酸エチル130 Lで洗浄した。真空乾燥し、2-アミノ-5-ブロモ-N-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-ヒドロキシベンズアミド 塩酸塩 57.53 kgを得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 400MHz) δ(ppm)=7.13(1H, d, J=2.0Hz), 7.48(1H, d, J=1.6Hz), 7.96(1H, dd, J=2.6Hz, 9.0Hz), 8.11(1H, d, J=8.8Hz), 8.42(1H, dd, J=2.8Hz, 12.0Hz), 7.5-8.5(3H, br). FAB-MS m/z: 344(M+H)+.
参考例6
1-イソプロピルピペリジン-4-カルボン酸 33.00 kg、アセトニトリル 340 L、N,N-ジメチルホルムアミド 0.56 kg、塩化チオニル 28.73 kgの混合物を55℃にて2時間撹拌後、減圧濃縮した。アセトニトリル 190 Lを加え再度減圧濃縮した後、残さにアセトニトリル 140 Lを加え溶解した。この溶液を、2-アミノ-5-ブロモ-N-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-ヒドロキシベンズアミド 塩酸塩 48.20kg、アセトニトリル 290 L、ジイソプロピルエチルアミン 57.49 kgの混合液に 4〜8℃にて滴下した。反応液にアセトニトリル 50 Lを加え、50℃2時間撹拌した後、メタノール480 Lを加え、20℃にて終夜撹拌した。結晶を濾取し、メタノール80 Lで洗浄した。真空乾燥し、N-(4-ブロモ-2-{[(5-クロロピリジン-2-イル)アミノ]カルボニル}-6-ヒドロキシフェニル)-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサミド 塩酸塩 53.50 kgを得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 400MHz) δ(ppm)=0.9-1.3(6H, br), 1.6-2.1(4H, br), 2.6-3.5(6H, br), 7.17(1H, m), 7.25(1H, m), 7.93(1H, m), 8.11(1H, m), 8.38(1H, m), 9.42(0.3H, br), 10.62(0.7H, br). FAB-MS m/z: 497(M+H)+.
1-イソプロピルピペリジン-4-カルボン酸 33.00 kg、アセトニトリル 340 L、N,N-ジメチルホルムアミド 0.56 kg、塩化チオニル 28.73 kgの混合物を55℃にて2時間撹拌後、減圧濃縮した。アセトニトリル 190 Lを加え再度減圧濃縮した後、残さにアセトニトリル 140 Lを加え溶解した。この溶液を、2-アミノ-5-ブロモ-N-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-ヒドロキシベンズアミド 塩酸塩 48.20kg、アセトニトリル 290 L、ジイソプロピルエチルアミン 57.49 kgの混合液に 4〜8℃にて滴下した。反応液にアセトニトリル 50 Lを加え、50℃2時間撹拌した後、メタノール480 Lを加え、20℃にて終夜撹拌した。結晶を濾取し、メタノール80 Lで洗浄した。真空乾燥し、N-(4-ブロモ-2-{[(5-クロロピリジン-2-イル)アミノ]カルボニル}-6-ヒドロキシフェニル)-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサミド 塩酸塩 53.50 kgを得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 400MHz) δ(ppm)=0.9-1.3(6H, br), 1.6-2.1(4H, br), 2.6-3.5(6H, br), 7.17(1H, m), 7.25(1H, m), 7.93(1H, m), 8.11(1H, m), 8.38(1H, m), 9.42(0.3H, br), 10.62(0.7H, br). FAB-MS m/z: 497(M+H)+.
実施例1(フリー体結晶の製造)
N-(4-ブロモ-2-{[(5-クロロピリジン-2-イル)アミノ]カルボニル}-6-ヒドロキシフェニル)-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサミド 塩酸塩 53.40 kg、水 210 L 及びエタノール 640 Lの混合物に、炭酸水素ナトリウム 10.10 kg、水 210 Lの溶液を滴下した。反応液を70℃にて6時間加熱撹拌した後、冷却し25℃にて終夜撹拌した。結晶を濾取し、50%エタノール水 80 Lで洗浄した。真空乾燥し、N-(4-ブロモ-2-{[(5-クロロピリジン-2-イル)アミノ]カルボニル}-6-ヒドロキシフェニル)-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサミド 48.65 kgを得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 400MHz) δ(ppm)=0.97(6H, br), 1.52(2H, br), 1.71(2H, br), 2.23(2H, br), 2.41(1H, br), 2.82(2H, br), 3.51(1H, br), 7.18(2H, m), 7.93(1H, m), 8.12(1H, m), 8.38(1H, m). FAB-MS m/z: 497(M+H)+.
N-(4-ブロモ-2-{[(5-クロロピリジン-2-イル)アミノ]カルボニル}-6-ヒドロキシフェニル)-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサミド 塩酸塩 53.40 kg、水 210 L 及びエタノール 640 Lの混合物に、炭酸水素ナトリウム 10.10 kg、水 210 Lの溶液を滴下した。反応液を70℃にて6時間加熱撹拌した後、冷却し25℃にて終夜撹拌した。結晶を濾取し、50%エタノール水 80 Lで洗浄した。真空乾燥し、N-(4-ブロモ-2-{[(5-クロロピリジン-2-イル)アミノ]カルボニル}-6-ヒドロキシフェニル)-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサミド 48.65 kgを得た。
1H-NMR(DMSO-d6, 400MHz) δ(ppm)=0.97(6H, br), 1.52(2H, br), 1.71(2H, br), 2.23(2H, br), 2.41(1H, br), 2.82(2H, br), 3.51(1H, br), 7.18(2H, m), 7.93(1H, m), 8.12(1H, m), 8.38(1H, m). FAB-MS m/z: 497(M+H)+.
実施例2(マロン酸塩結晶の製造)
N-(4-ブロモ-2-{[(5-クロロピリジン-2-イル)アミノ]カルボニル}-6-ヒドロキシフェニル)-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサミド 23.40 kg、マロン酸 7.40 kg、水206 L および1-プロパノール 309 Lの混合物を加熱溶解後(81℃)、冷却し0℃にて終夜撹拌した。結晶を濾取し、1-プロパノール 100 Lにて洗浄した。真空乾燥し、N-(4-ブロモ-2-{[(5-クロロピリジン-2-イル)アミノ]カルボニル}-6-ヒドロキシフェニル)-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサミド マロン酸塩 21.89 kgを得た。
マロン酸塩結晶の粉末X線回折図及び熱分析図を図1及び図4に示す。
1H-NMR(DMSO-d6, 400MHz) δ(ppm)=1.15(6H, br), 1.77(2H, br), 1.90(2H, br), 2.67(1H, br), 2.77(2H, s), 2.84(2H, br), 3.23(3H, br), 7.20(2H, m), 7.93(1H, m), 8.11(1H, m), 8.39(1H, m), 9.42(0.4H, br), 10.65(0.6H, br). FAB-MS m/z: 497(M+H)+.
N-(4-ブロモ-2-{[(5-クロロピリジン-2-イル)アミノ]カルボニル}-6-ヒドロキシフェニル)-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサミド 23.40 kg、マロン酸 7.40 kg、水206 L および1-プロパノール 309 Lの混合物を加熱溶解後(81℃)、冷却し0℃にて終夜撹拌した。結晶を濾取し、1-プロパノール 100 Lにて洗浄した。真空乾燥し、N-(4-ブロモ-2-{[(5-クロロピリジン-2-イル)アミノ]カルボニル}-6-ヒドロキシフェニル)-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサミド マロン酸塩 21.89 kgを得た。
マロン酸塩結晶の粉末X線回折図及び熱分析図を図1及び図4に示す。
1H-NMR(DMSO-d6, 400MHz) δ(ppm)=1.15(6H, br), 1.77(2H, br), 1.90(2H, br), 2.67(1H, br), 2.77(2H, s), 2.84(2H, br), 3.23(3H, br), 7.20(2H, m), 7.93(1H, m), 8.11(1H, m), 8.39(1H, m), 9.42(0.4H, br), 10.65(0.6H, br). FAB-MS m/z: 497(M+H)+.
参考例7(塩酸塩結晶Bの製造)
N-(4-ブロモ-2-{[(5-クロロピリジン-2-イル)アミノ]カルボニル}-6-ヒドロキシフェニル)-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサミド 塩酸塩 0.46g、エタノール 7 mlおよび水 3 mlの混合物を加熱溶解後、冷却し0℃にて終夜撹拌した。結晶を濾取し、エタノール 2 mlにて洗浄した。真空乾燥し、N-(4-ブロモ-2-{[(5-クロロピリジン-2-イル)アミノ]カルボニル}-6-ヒドロキシフェニル)-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサミド 塩酸塩 0.24 gを得た。
N-(4-ブロモ-2-{[(5-クロロピリジン-2-イル)アミノ]カルボニル}-6-ヒドロキシフェニル)-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサミド 塩酸塩 0.46g、エタノール 7 mlおよび水 3 mlの混合物を加熱溶解後、冷却し0℃にて終夜撹拌した。結晶を濾取し、エタノール 2 mlにて洗浄した。真空乾燥し、N-(4-ブロモ-2-{[(5-クロロピリジン-2-イル)アミノ]カルボニル}-6-ヒドロキシフェニル)-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサミド 塩酸塩 0.24 gを得た。
(試験例)
本発明のマロン酸塩結晶の医薬品の製造原体としての有用性、及び医薬としての有用性は以下の試験により確認した。
本発明のマロン酸塩結晶の医薬品の製造原体としての有用性、及び医薬としての有用性は以下の試験により確認した。
1.吸湿性試験
吸湿性の測定には、VTI SGA-100を用い、温度:25℃、測定範囲:相対湿度5〜95%、測定間隔:相対湿度5%の条件で測定した。
その結果、N-(4-ブロモ-2-{[(5-クロロピリジン-2-イル)アミノ]カルボニル}-6-ヒドロキシフェニル)-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサミド 塩酸塩結晶Aは、相対湿度約5%から重量の増加を示し、相対湿度95%では約2%の水分を保持し吸湿性を示した(図8参照)。また、塩酸塩結晶Bは、相対湿度約5%から重量の増加を示し、相対湿度95%では約5%の水分を保持し強い吸湿性を示した(図9参照)。N-(4-ブロモ-2-{[(5-クロロピリジン-2-イル)アミノ]カルボニル}-6-ヒドロキシフェニル)-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサミド 塩酸塩結晶A、及び塩酸塩結晶Bは、両者とも吸湿性を示し医薬品の製造原体として好適でないことが示された。
一方、本発明のマロン酸塩結晶は、相対湿度5%から95%の全範囲において、吸湿性を示さなかった(図7参照)。よって、医薬、殊に固体組成物として有用であることが示された。
吸湿性の測定には、VTI SGA-100を用い、温度:25℃、測定範囲:相対湿度5〜95%、測定間隔:相対湿度5%の条件で測定した。
その結果、N-(4-ブロモ-2-{[(5-クロロピリジン-2-イル)アミノ]カルボニル}-6-ヒドロキシフェニル)-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサミド 塩酸塩結晶Aは、相対湿度約5%から重量の増加を示し、相対湿度95%では約2%の水分を保持し吸湿性を示した(図8参照)。また、塩酸塩結晶Bは、相対湿度約5%から重量の増加を示し、相対湿度95%では約5%の水分を保持し強い吸湿性を示した(図9参照)。N-(4-ブロモ-2-{[(5-クロロピリジン-2-イル)アミノ]カルボニル}-6-ヒドロキシフェニル)-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサミド 塩酸塩結晶A、及び塩酸塩結晶Bは、両者とも吸湿性を示し医薬品の製造原体として好適でないことが示された。
一方、本発明のマロン酸塩結晶は、相対湿度5%から95%の全範囲において、吸湿性を示さなかった(図7参照)。よって、医薬、殊に固体組成物として有用であることが示された。
2.ヒト活性化血液凝固第X因子(human factor Xa)凝固時間測定試験(in vitro)
ヒト血漿90 μlに薬剤または生理食塩水10 μl及びhuman factor Xa (Enzyme Research Labs) 50 μlを加え、37 ℃で3分間インキュベートした後、予め37℃に加温した20 mMのCaCl2を100 μl添加して凝固計(Amelung社:KC10)にて凝固するまでの時間を測定した。ヒト血漿は健常人(6人)の肘静脈より3.8 %のsodium citrateが5 ml入ったシリンジで血液45 mlを採血し、 4 ℃・3000 rpm・15 分の遠心により分離した血漿をプールし、凍結保存したものを使用した。Human factor Xaは生理食塩水(コントロール)を添加したときの凝固時間が約30〜40秒になるような濃度を選択した。CT2値(コントロールの凝固時間を2倍に延長する濃度)は、凝固時間のコントロールに対する相対値(fold)と薬剤濃度をプロットし、直線回帰することで求めた。
ヒト血漿90 μlに薬剤または生理食塩水10 μl及びhuman factor Xa (Enzyme Research Labs) 50 μlを加え、37 ℃で3分間インキュベートした後、予め37℃に加温した20 mMのCaCl2を100 μl添加して凝固計(Amelung社:KC10)にて凝固するまでの時間を測定した。ヒト血漿は健常人(6人)の肘静脈より3.8 %のsodium citrateが5 ml入ったシリンジで血液45 mlを採血し、 4 ℃・3000 rpm・15 分の遠心により分離した血漿をプールし、凍結保存したものを使用した。Human factor Xaは生理食塩水(コントロール)を添加したときの凝固時間が約30〜40秒になるような濃度を選択した。CT2値(コントロールの凝固時間を2倍に延長する濃度)は、凝固時間のコントロールに対する相対値(fold)と薬剤濃度をプロットし、直線回帰することで求めた。
この結果本発明のマロン酸塩結晶は、ヒト活性化血液凝固第X因子凝固時間測定試験において、0.094μM という強い活性を示した。
Claims (5)
- DSC分析で214〜220℃に熱吸収ピークを有する、N-(4-ブロモ-2-{[(5-クロロピリジン-2-イル)アミノ]カルボニル}-6-ヒドロキシフェニル)-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサミド マロン酸塩結晶。
- 粉末X線回折で2θ(°)7.8,15.4,18.8,19.6,22.6,23.6,24.4,26.3,28.3,31.1及び32.7付近に主ピークを有する、N-(4-ブロモ-2-{[(5-クロロピリジン-2-イル)アミノ]カルボニル}-6-ヒドロキシフェニル)-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサミド マロン酸塩結晶。
- DSC分析で214〜220℃に熱吸収ピークを有し、粉末X線回折で2θ(°)7.8,15.4,18.8,19.6,22.6,23.6,24.4,26.3,28.3,31.1及び32.7付近に主ピークを有する、N-(4-ブロモ-2-{[(5-クロロピリジン-2-イル)アミノ]カルボニル}-6-ヒドロキシフェニル)-1-イソプロピルピペリジン-4-カルボキサミド マロン酸塩結晶。
- 請求項1〜3記載のマロン酸塩結晶と、製薬学的に許容される担体とを含有する固体組成物。
- 活性化血液凝固第X因子阻害剤である請求項4記載の固体組成物。
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JP2003423030A JP2005179272A (ja) | 2003-12-19 | 2003-12-19 | カルボキサミド誘導体のマロン酸塩結晶 |
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DE102007028406A1 (de) | 2007-06-20 | 2008-12-24 | Bayer Healthcare Ag | Substituierte Oxazolidinone und ihre Verwendung |
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-
2003
- 2003-12-19 JP JP2003423030A patent/JP2005179272A/ja not_active Withdrawn
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