JP4755652B2 - 核磁気共鳴プローブおよび核磁気共鳴装置 - Google Patents

核磁気共鳴プローブおよび核磁気共鳴装置 Download PDF

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Description

本発明は、試料に静磁場を加える手段である超電導磁石と先端部にプローブコイルを備えた低温プローブとから少なくとも構成される核磁気共鳴装置(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)において、プローブコイルが基板上に形成された超電導薄膜からなる核磁気共鳴プローブおよびこれを利用した核磁気共鳴装置の構成に関する。
従来、超電導薄膜からなる核磁気共鳴プローブコイルの構成については、特開平11−133127号公報において論じられている。この従来例は、いわゆる鳥かご型プローブコイルに関するものであり、超電導薄膜を形成した基板を試料に同軸の円筒状面上に配置し、プローブコイルを構成している。
特開平11−133127号公報
高分解能、高感度の核磁気共鳴装置を実現するためには、試料に大きな静磁場を印加すること、および高感度のプローブコイルを用いることが有効である。均一な強磁場を発生するためには、磁場を発生する超電導磁石のボア径を小さくすることが望ましく、ボアの中に配置するプローブコイルは占有空間を小さくする必要がある。プローブコイルは共振回路を形成するが、高感度のプローブコイルを実現するためには、プローブコイルのQ値(Quality factor)を高めることが有効であり、高いQ値を実現するためには共振回路を形成するプローブコイル内に含まれる抵抗を低減することが有効である。
従来、超電導薄膜を用いてプローブコイルを作製する試みは、上記特開平11−133127号公報において論じられている。超電導体は直流抵抗が零であると共に、高周波抵抗も小さく、プローブコイルの構成要素として有用である。実際、この場合、共振回路内に含まれる抵抗は、構成要素の抵抗と構成要素の接続部の接触抵抗の和としてのみ表され、超電導薄膜自体の構成要素としての寄与は無視できる。
超電導薄膜からなるプローブコイルは、高いQ値を実現するために有用であるが、一方、超電導体は完全反磁性という性質を有し、−1/4πという大きな磁化率を有する。従って、プローブコイルの設計に際しては、静磁場を乱さないように、静磁場の均一性を保つことが必要である。さらに、超電導薄膜を形成した基板を超電導臨界温度以下に冷却すること、超電導薄膜を形成した基板を堅固に支持する構造であることが必要であり、これらの3つの条件を満足することが必要である。
上記従来例は、超電導薄膜からなるプローブコイルに関するものであるが、いわゆる鳥かご型プローブコイルについて論じたものである。超電導薄膜を形成した基板の支持構造は、試料に同軸の円筒状面上に配置した構成である。プローブコイルには鳥かご型以外にサドル型、ソレノイド型があるが、サドル型、ソレノイド型プローブコイルは、超電導薄膜を形成した基板を2枚以上概ね平行に配置する。従って、上記従来例の構成をサドル型またはソレノイド型プローブコイルに適用することは難しい。
本発明の目的は、サドル型またはソレノイド型プローブコイルの構成を提供することであり、特に、静磁場の均一性を保ちながら、超電導薄膜を形成した基板を熱伝導により十分冷却でき、かつ超電導薄膜基板を堅固に支持できる構成を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の核磁気共鳴プローブコイルは、円柱形状部と該円柱形状部に一端が固着された円柱の長さ方向に延伸された超電導薄膜コイルの支持板部とを有する中心台を備える。前記超電導薄膜コイルの支持板部に基板上に形成された超電導薄膜コイルを保持し、前記円柱形状部を外部から冷熱を供給される熱交換器に接続する。前記超電導薄膜コイルの支持板部は、核磁気共鳴プローブコイルが置かれる場所に作用している磁場と平行の関係になるように形成する。
すなわち、前記中心台は円柱形状部を介在させて前記超電導薄膜コイルの支持板部を強固に保持するとともに、熱交換器の冷熱を前記超電導薄膜コイルの支持板部を介して前記超電導薄膜コイルに効率よく伝えるものとする。さらに、前記超電導薄膜コイルの支持板部は、核磁気共鳴プローブコイルが置かれる場所に作用している磁場と平行の関係になるように形成して、静磁場の均一性を保持する。
なお、前記中心台の円柱形状部と超電導薄膜コイルの支持板部とは、一体構造に切り出されるものとすると、より冷却効果を増大できる。
本発明によれば、前記超電導薄膜コイルを強固に保持し、且つ、冷却効果が大きく、磁場の乱れを防止した核磁気共鳴プローブコイルを実現できる。
以下、本発明の実施例を図を参照して説明する。
(実施例1)
一般に、プローブコイルには鳥かご型、鞍型とソレノイド型があるが、ソレノイド型の方が鞍型や鳥かご型よりも感度が高い。実施例1は、高感度の核磁気共鳴装置を実現するために、静磁場を水平方向に印加し、水平方向に棒状に延伸したプローブに用いるものである。プローブの先端に超電導薄膜コイルからなるソレノイド型の受信用プローブコイルを備えている。本実施例は、このプローブコイルの構成に関するものである。
図1は実施例1のプローブコイルを実装した核磁気共鳴装置の全体構成を断面図の形で示す図である。4および4は静磁場を加えるための2分割されたソレノイドコイルであり、横方向に置かれたものである。5および5は、ソレノイドコイル4および4の外周に設けられた2分割されたソレノイドコイルであり、磁場の補正のために設けられる。これらのコイルは、2重化されたタンク6、7の中に実装される。内側のタンク6には、液体ヘリウムが充填され、外側のタンク7には液体窒素が充填される。ソレノイドコイル4および4のボア部は空間とされ、この空間を利用してプローブ1が実装される。プローブ1は水平方向に棒状に延伸しており、プローブ1の先端部−被測定試料に静磁場を加える位置−には、プローブコイル2が設けられる。
実施例1のプローブコイルはソレノイド型である。プローブ1の先端部のプローブコイル2はコイルの中空の軸方向が試料の移動方向と同じ方向になるように配置され、計測試料を入れる試料管3が挿入可能である。試料管3は2分割されたソレノイドコイル4および4の分割位置を利用して鉛直方向に挿入、引出する。従って、プローブコイル2は試料から出力された磁気モーメントのうち鉛直方向の成分を検出することになる。なお、図1の下段に示したX、YおよびZ軸の方向は、以下の図面においても、同じ基準で示される。
実施例1では感度を高めるために受信用プローブコイルは鳥かご型や鞍型ではなくソレノイドコイルを用いたが、そのために超電導磁石を2つに分割して配置する必要が生じた。高感度のプローブコイルを実現するためには、上記、ソレノイド型を用いることのほかに、磁場均一性を確保する、プローブコイルの占有空間を小さくする、高いQ値(Quality factor)を実現することが必要である。
均一な強磁場を発生するためには、磁場を生成するソレノイドコイル4および4のボア径を小さくすることが望ましく、ボアの中に配置するプローブコイル2の占有空間も小さくする必要がある。実施例1では2つに分割した超電導磁石を用いているため、分割していない超電導磁石を用いる従来例に比べて、均一な磁場空間を生成するため、試料空間を小さくする必要がある。また、高いQ値を実現するためには、ソレノイドコイル2を低抵抗の材料から形成すること、あるいは超電導体から構成することが有効である。
図2は、実施例1のプローブコイル2の構成を模式的に示す斜視図である。試料に高周波数の信号を送信する送信用プローブコイルと、試料の出力信号を検出する受信用プローブコイルとからなる。受信用プローブコイルは、送信用プローブコイルよりも高い感度を必要とするため、高感度を実現できる酸化物超電導薄膜で形成したソレノイドコイルとした。これに対して、送信用プローブコイルは常伝導金属で、受信用プローブコイルを外側から取り囲む鞍型コイルとした。静磁場は水平方向に印加し、ソレノイドコイルは試料から出力した磁気モーメントのうち鉛直方向の成分を検出する。
11〜11は、酸化物超電導薄膜で形成され、それぞれ、一部が開放された1ターンの受信用コイルである。実施例1では、1ターンの受信用コイルが平行して4個設けられる。13は常伝導金属膜であり、酸化物超電導薄膜11の両端部で、酸化物超電導薄膜11との間に絶縁体を挿入してキャパシタを形成するように設けられる。15は常伝導金属接続配線であり、常伝導金属膜13と接続される。これにより、常伝導金属接続配線15と酸化物超電導薄膜11がキャパシタを介して接続されることとなり、必要な回路が形成できる。
コイル11およびコイル11が、コイル11およびコイル11が、それぞれ、直列に接続され、これらが、並列に接続された2ターン、2パラレルの回路を形成した受信用プローブコイルとなっている。図の例では、受信用プローブコイルには、常伝導金属引き出し配線17を介して検出回路10が接続される4個の平行した受信用コイル11の空間部に試料管3が挿入される。
18〜1810は送信用プローブコイルのコイル片であり、常伝導金属、例えば厚さ0.1mmの銅箔、で鞍型コイルを形成するように組み立てられている。送信用プローブコイルは、実質的に、コイル片18、18、18および18が構成する1ターンのコイルと、コイル片18、18、18および18が構成する1ターンのコイルとで受信用プローブコイルを取り囲む1ターンのコイルの2個並列接続とされている。送信用プローブコイル18には、それぞれの1ターンのコイルを接続するコイル片18および1810から常伝導金属引き出し配線17’を介して送信回路20から大きなパルス電流を印加し、受信用プローブコイルの形成する空間部に挿入されている試料に静磁場と直交する成分の磁気モーメントを生じさせる。この静磁場と直交する成分の磁気モーメントは次第に緩和するが、その時、試料から出力される信号を受信用プローブコイルにより受信する。
受信用プローブコイルは、プローブ1の中に置かれたトリマコンデンサ9とコイル11のインダクタ(L)−常伝導金属接続配線15と酸化物超電導薄膜11との間のキャパシタ(C)共振回路を構成するが、検出感度を高めるためには、そのLC共振回路のQ値を高める必要がある。Q値を高めるためにはLC共振回路に含まれる寄生抵抗を低減する必要があり、本発明ではソレノイドコイルを超電導体で構成した。
図3(A)、(B)は、サファイア基板12上に超電導薄膜11からなる1ターンコイルを形成した例を説明する図である。図3(A)は基板の上面から見た平面図である。12はサファイア(Al)基板であり、表面に酸化物超電導体YBaCuからなる超電導薄膜11が成膜されて円形コイルを形成している。円形コイルの超電導薄膜11の一部は、開放されていて、外側方向に延伸されている。101は孔であり、試料管3が挿入される部分である。102は孔であり、サファイア基板12の四隅に設けられ、1ターンコイルを積層してプローブコイルを形成した後、構造的に連結するネジ止め用の孔となる。104〜107は孔であり、それぞれ、送信用プローブコイル8のコイル辺18から18を通すために設けられる。13はAuからなる常伝導金属膜であり、超電導薄膜11の開放されている端部と、ここから外側方向に延伸されている部分に対応する位置に形成されている。図3(B)は、図3(A)のA−A位置で矢印方向に見た断面図である。超電導薄膜11の開放されている端部と、ここから外側方向に延伸されている部分に対応する位置に常伝導金属膜13とが層間絶縁膜311を挟んでキャパシタを形成していることが分かる。
図3(A)、(B)を参照して説明した超電導薄膜11からなる1ターンコイルの形成
方法の概要を以下に説明する。
まず、サファイア(Al)基板12の上にバッファ層として膜厚100nmのCeOを成膜し、次に酸化物超電導体YBaCuからなる超電導薄膜11を成膜した。YBaCu薄膜の膜厚は、磁場侵入長の100nmより大きい値とした。
但し、膜厚が1μm以上に厚くなるとYBaCu薄膜の表面の凹凸が大きくなるので、YBaCu薄膜の膜厚は、100nm以上1μm以下が適当であり、実施例1では150nmとした。次に、レジスト塗布、ホトリソグラフィ、Arエッチングの通常の作製プロセスにより、YBaCu薄膜を加工し、一部は、開放されていて、外側方向に延伸されている円形状のパターンを形成した。
次に、シャドーマスクを用いて、膜厚250nmのCeOを成膜し、層間絶縁膜311を形成した。次に、下地膜としてNbを形成した後、Auからなる常伝導金属膜13を成膜した。Auの膜厚は表皮深さより厚いことが必要であり、実施例1ではAuの膜厚は10μmとした。Auは直接、CeO膜に成膜すると剥離しやすいため、下地膜としてNbを用いた。実施例1ではNbを用いたが、下地膜としてTiまたはPt/Tiの2層膜を用いても良い。次に、レジスト塗布、ホトリソグラフィ、Arエッチングの通常の作製プロセスにより、Au膜を加工し、所望のパターンを形成した。
これにより、2つの金属Au膜とYBaCu膜の間に、絶縁体である層間絶縁膜CeOを挿入して、Au/CeO/YBaCu構造のキャパシタを形成した。成膜した薄膜は十分密着しているので、キャパシタを構成する金属間距離は変化せず、従って、再現性良く容量値を実現することができる。
次に、サファイア基板12に孔あけ加工を行い、試料管用の孔101、固定ネジ用の孔102および送信コイル用の孔104〜107を開けた。
実施例1では、図2のプローブコイルを実現するために、図3で説明した超電導薄膜コイルを形成したサファイア基板12を積み重ね、ソレノイドコイルを作製する。この際、特に、静磁場の均一性を乱さない、超電導薄膜基板を超電導臨界温度以下に冷却する、超電導薄膜基板を支持するという3つの条件を満足するように配慮した構造とする。
図4は、これら3つの条件を満足するために工夫された本発明の第1の実施例の中心台の構成を示す斜視図である。中心台200は円柱形状部211と超電導薄膜コイルの支持板部212とが接続された形状である。該超電導薄膜コイルの支持板部212は前記円柱形状部211の直径方向の中央位置で、円柱の長さ方向に延伸された形状である。円柱形状部211の上半分部の右側の大部分は切り欠かれていて、後述するように、熱交換器23およびトリマコンデンサ台座を備える保持板との結合に利用される。213は保護部であり、円柱形状部211の上部の残された部分であり、円柱形状部211の左端面と同じ端面を持つ。保護部213には孔226が設けられる。この孔は、後述するように、電気配線の導出用に利用される。もちろん、円柱形状部211と超電導薄膜コイルの支持板部212とは一体構造として円柱から切り出されたものであって良い。円柱形状部211は、後述するように、外部から冷熱を供給される熱交換器23に接続する。前記超電導薄膜コイルの支持板部212は、核磁気共鳴プローブコイルが置かれる場所に作用している磁場と平行の関係になるように形成する。なお、中心台200は熱伝導度が大きいが、電気的には絶縁物である窒化アルミによるのが良い。そうすれば、電気的には絶縁をしながら、効率よく超電導薄膜を冷却することができる。また、機械的な強度も大きい。
前記超電導薄膜コイルの支持板部212には、図5を参照して説明するように、超電導薄膜11からなる1ターンコイルを形成したサファイア基板12とスペーサ14が交互に積層される。そのため、スペーサ14にもサファイア基板12と同様に各種の孔が設けられる。221は試料管用の孔101に対応する孔である。222はサファイア基板12の固定ネジ用の孔102に対応する孔である。この孔は、孔102と同様に試料管用の孔221の周りに4個設けられるが、図が煩雑になるので、他の参照符号の表示は省略した。223はサファイア基板12の送信用プローブコイル用の孔104に対応する孔である。この孔は、サファイア基板12の孔104〜107と同様に試料管用の孔221の周りに4個設けられるが、図が煩雑になるので、他の参照符号の表示は省略した。
前記超電導薄膜コイルの支持板部212には、さらに、周辺部に4個の孔224と円柱形状部211との接合部に孔225が設けられる。孔224は交互に積層されたサファイア基板12とスペーサ14の積層体を固定するための固定ネジ用の孔である。孔225は図2で説明した常伝導金属接続配線15、常伝導金属引き出し配線17,17’等を設けあるいは外部に導出するために使用される孔である。これら、前記超電導薄膜コイルの支持板部212、サファイア基板12およびスペーサ14の積層体の試料管用の孔221に対応する孔には、図1で説明したように、試料管3が挿入されるから、前記超電導薄膜コイルの支持板部212は、z−x面と平行である必要がある。超電導薄膜コイルの支持板部212の幅は図3で説明した超電導薄膜コイルのサファイア基板12とほぼ同じとする。長さは超電導薄膜コイルのサファイア基板12の両側に積層されたサファイア基板12とスペーサ14の積層体を固定するための固定ネジ用の孔224を設けるための余裕を持ったものとする。
図5は、前記超電導薄膜コイルの支持板部212、サファイア基板12およびスペーサ14の積層体の構成を説明する展開斜視図である。中心台200の超電導薄膜コイルの支持板部212を中心に、上下方向に、サファイア基板12およびスペーサ14を交互に積層する。図2で説明したように、実施例1では超電導薄膜コイルは4ターンとされているから、サファイア基板12およびスペーサ14は、それぞれ、上下方向に2枚である。スペーサ14は超電導薄膜コイルの支持板部212と同一サイズとされるとともに、同じ孔が形成される。図が煩雑になるので、最上段のスペーサ14に、前記超電導薄膜コイルの支持板部212に付した孔の参照符号と他の主要な参照符号を付すのみで、他の孔の参照符号は省略する。図に示すように、前記超電導薄膜コイルの支持板部212、サファイア基板12およびスペーサ14のそれぞれの孔を対応する位置に設ける。ここで、前記超電導薄膜コイルの支持板部212、サファイア基板12およびスペーサ14の厚さのサイズの例を示すと、超電導薄膜コイルの支持板部212が1.5mm、サファイア基板12が0.5mm、スペーサ14が1.5mmである。この例によれば、超電導薄膜コイル間の距離が2mm、積層体全体の厚さが9.5mmとなる。なお、スペーサ14も、中心台200と同様、熱伝導度が大きいが、電気的には絶縁物である窒化アルミによるのが良い。そうすれば、電気的には絶縁をしながら、効率よく超電導薄膜を冷却することができる。
図6は、図5に示した展開斜視図に従って前記超電導薄膜コイルの支持板部212、サファイア基板12およびスペーサ14の積層体を形成するとともに熱交換器23との対応の概要を示す斜視図である。中心台200の超電導薄膜コイルの支持板部212の上下に超電導薄膜コイルを形成したサファイア基板12と窒化アルミからなるスペーサ14を交互に積み重ねる。この状態で、図2で説明した各超電導薄膜コイル間の電気的な接続を孔225を通して行う。さらに、孔227を通して送信用プローブコイル18を組み立てて、必要な電気的配線を孔225を通して行う。送信用プローブコイルの上辺部分は最上段のスペーサ14の上面に、底辺部分は最下段のスペーサ14の下面に位置するように配置される。19は窒化アルミからなるネジであり、孔222を通して、サファイア基板12、窒化アルミスペーサ14を中心台200の超電導薄膜コイルの支持板部212に固定するために使用される。
22は支持板であり、下面に中心台200の円柱形状部211と結合される熱交換器23を備え、上面にトリマ台座25を備える。支持板22は、図7で説明するように、核磁気共鳴装置の適宜の構造材で支持される。24はトリマコンデンサであり、図2で説明した検出回路10と超電導薄膜コイルとを接続する電気配線に設けられるものであり、トリマ台座25に保持される。熱交換器23と中心台200の円柱形状部211とは、機械的に結合され、図に点線で示すように、冷熱をサファイア基板12上の超電導薄膜コイルに伝える。
図7(A)は実施例1の低温プローブの全体構造の概要を示す断面図である。中心台200が中心となっていることを示すために、これにハッチングを付し、サファイア基板12にドットの模様を付したのみで他の部分のハッチングは省略して示す。図7(B)は、図7(A)の左側面から見た側面図である。215,216は超電導薄膜コイルの支持板部212、サファイア基板12およびスペーサ14の積層体の上下面に設けた保護スペーサである。これらの保護スペーサにも、試料孔221がそれぞれの試料孔221に対応する位置に設けられる。また、前記超電導薄膜コイルの支持板部212の周辺部の4個の孔224に対応する位置にネジ穴が設けられる。ここでは、ネジ19が保護スペーサ216のネジ穴と係合するものとしているが、図6で示す最下段のスペーサ14で支持されるナットにより固定されるものとしても良い。217はネジであり、前記超電導薄膜コイルの支持板部212の周辺部の4個の孔224を通して保護スペーサ215,216間を結合する。
支持板22はネジ218により中心台200の円柱形状部211に結合されるとともに、核磁気共鳴装置の構造材220に支持される。支持板22に保持されている熱交換器23はネジ219により中心台200の円柱形状部211に結合される。熱交換器23には熱交換器23に冷媒を供給する銅パイプ26が接続される。トリマコンデンサ24は孔226を通して必要な配線が行われるとともに、チューブ27で保護された図示しない操作片により操作される。
高い感度を実現するためには、磁場の均一度を高める必要があるが、超電導体は完全反磁性という性質を有し、−1/4πという大きな磁化率を有する。従って、超電導体と静磁場が鎖交する部分が大きくなるほど、静磁場は大きく乱れる。実施例1は、中心台200の円柱形状部211の長さ方向の中心軸に沿って超電導薄膜コイルの支持板部212を延伸し、これを基礎に超電導薄膜コイルのサファイア基板12とスペーサ14とを交互に積層するものとした。したがって、低温プローブの中心軸と平行なサファイア基板12と静磁場とは精度よく平行が維持でき、これより、超電導体と静磁場が鎖交する部分は超電導薄膜の厚さという小さい部分のみとなり、従って、静磁場の乱れは小さく、均一な磁場を実現できる。さらに、この超電導薄膜コイルの支持板部212を中心とする積層体の面の法線方向を静磁場の法線方向とし、試料管3の導入方向と合わせた。
超電導薄膜コイル基板を十分に冷却するためには、冷却のために熱伝導経路上に置く構成要素を少なくし、構成要素の接続をできるだけ避けることが望ましい。止むを得ず構成要素同士を繋げる場合には、Inのような熱接触用材料を介在させ、接触面積をできるだけ大きくすることが望ましい。また、熱伝導率の高い材料を用いることが望ましい。図6に示すように、実施例1の中心台200は、円柱形状部211と支持板部212とを一体的に接続した構造であるとともに、支持板部212に超電導薄膜コイル基板12とスペーサ14とを交互に積み重ねた。従って、積み重ねた超電導薄膜コイル基板12を支持板部212を通じて冷却する際、図6の点線の矢印で示すように、熱の伝導方向が基板の法線方向になるので、接触面積が大きく、効率よく冷却できることになる。なお、図6では、熱接触用材料Inについては言及しなかったが、支持板部212と超電導薄膜コイル基板12とスペーサ14のそれぞれの接触部に適宜Inの粒子を置いて、図6に示す状態で、適宜、加温および加圧することにより、より熱伝達の効果をあげることができる。
実施例1によれば、静磁場を水平方向に印加した時の、Q値が高く、磁場均一性が良く、占有空間の小さい、超電導体からなるソレノイドコイルが実現できる。すなわち、円柱形状部と支持板部をつなぎ合わせた一体ものの構成で中心台を形成し、この円柱形状部の長さ方向の中心軸が低温プローブの中心軸と概ね平行となるように配置する。また、支持板部に超電導薄膜基板とスペーサを積み重ね、支持板部の法線が超電導薄膜基板の法線と概ね平行の関係になるように配置する。これにより、静磁場の均一性を乱さない、超電導薄膜基板を超電導臨界温度以下に冷却する、超電導薄膜基板を支持するという3つの条件を満足したプローブコイルを実現することができた。
(実施例2)
次に、本発明の実施例2を説明する。実施例1の核磁気共鳴装置は静磁場を水平方向に印加したが、実施例2の核磁気共鳴装置は静磁場を鉛直方向に印加するものである。プローブは鉛直方向に棒状に延伸しており、プローブの先端に超電導薄膜コイル基板を対向して形成したプローブコイルを備えている。実施例2は、このプローブコイルの構成に関するものである。
図8は実施例2のプローブコイルを実装した核磁気共鳴装置の全体構成を断面図の形で示す図である。4は鉛直方向に静磁場を加えるためのソレノイドコイルである。5は、ソレノイドコイル4の外周に設けられたソレノイドコイルであり、磁場の補正のために設けられる。これらのコイルは、2重化されたタンク6、7の中に実装される。内側のタンク6には、液体ヘリウムが充填され、外側のタンク7には液体窒素が充填される。ソレノイドコイル4のボア部は空間とされ、この空間を利用してプローブ1が実装される。プローブ1は鉛直方向に棒状に延伸しており、プローブ1の先端部−被測定試料に静磁場を加える位置−には、プローブコイル2が設けられる。実施例2のプローブコイルは鞍型である。プローブ1の先端部のプローブコイル2は2枚の対向する超電導薄膜基板から構成される受信用プローブコイルと、2枚の対向する常伝導金属膜から構成される送信用プローブコイルとを備える。受信用プローブコイルの面と送信用プローブコイルの面とは直行する。超電導薄膜基板の面は鉛直方向であり、計測試料を入れる試料管3は2枚の超電導薄膜基板と送信用プローブコイルとの間に挿入され、鉛直方向が試料の移動方向となる。試料管3はソレノイドコイル4のボア部を鉛直方向に挿入され、引出される。従って、プローブコイル2は試料から出力された磁気モーメントのうち水平方向の成分を検出することになる。なお、図8の下段に示したX、YおよびZ軸の方向は、以下の図面においても、同じ基準で示される。
図9は、実施例2のプローブコイル2の構成を模式的に示す展開図である。試料に高周波数の信号を送信する常電導材料からなる送信用プローブコイル48と、試料の出力信号を検出する受信用プローブコイル42とからなる。送信用プローブコイル48の面と受信用プローブコイル42の面とは直交する関係にある。受信用プローブコイル42は高感度を実現できる酸化物超電導薄膜で形成した鞍型コイルとし、基板42a、42b上に形成される。送信用プローブコイル48は厚さ0.1mmの銅箔からなる鞍型コイルとした。静磁場は鉛直方向に印加し、受信用プローブコイル42は試料から出力した磁気モーメントのうち水平方向の成分を検出する。
受信用プローブコイル42は、対向する2枚の基板42a、42bから構成され、基板上には酸化物超電導薄膜コイルが形成されている。対向する2枚の基板の間に試料管3が挿入される。
送信用プローブコイル48には、送信回路から大きなパルス電流を印加し、試料に静磁場と直交する成分の磁気モーメントを生じさせる。この静磁場と直交する成分の磁気モーメントは次第に緩和するが、その時、試料から出力される信号を受信用プローブコイルにより受信する。
実施例2では、特に、静磁場の均一性を乱さない、超電導薄膜基板を超電導臨界温度以下に冷却する、超電導薄膜基板を支持するという3つの条件を満足するように配慮した。これら3つの条件を満足するために、実施例2では図9に示すように中心台51を用いた。中心台51は、円柱形状部511と円柱形状部511の長さ方向に延伸された超電導薄膜コイルの支持板部512とを接続した形状である。円柱形状部511と超電導薄膜コイルの支持板部512とは、円柱から切り出されたものとしても良いことはいうまでも無い。中心台51は窒化アルミで作成される。円柱形状部511の長さ方向の中心軸と支持板部の外面は概ね平行である。513は、実施例1の保護部213と同様の保護部である。
図9に示すように、中心台51の超電導薄膜コイルの支持板部512に超電導薄膜コイル42を形成したサファイア基板42a,42bを密着するように配置し、さらに、窒化アルミからなるネジ49を用いて中心台51の超電導薄膜コイルの支持板部512に固定してプローブコイルを構成した。窒化アルミは熱伝導度は大きいが、電気的には絶縁物である。したがって、電気的には絶縁をしながら、効率よく超電導薄膜コイルを冷却することができる。この際、サファイア基板42a,42bと超電導薄膜コイルの支持板部512との間には、実施例1と同様、Inのような熱接触用材料を介在さて、熱伝導を良くすることができる。
超電導薄膜コイルの支持板部512には試料管3を導入するための孔514が円柱形状部511の長さ方向の中心軸と同軸に形成される。超電導薄膜コイルの支持板部512と円柱形状部511の結合部の超電導薄膜コイルの支持板部512にはサファイア基板42bの超電導薄膜コイル42の接続線を通すための孔515、送信用プローブコイルの接続線を通すための孔516が設けられる。ここで、超電導薄膜コイル42の接続線は実施例1の図2で説明したと同様に形成される。保護部513には、実施例1の保護部213と同様、後述するトリマコンデンサとの接続線を通すための孔517が設けられる。円柱形状部511には試料管3を導入するための孔514と連通する孔518が形成される。
中心台51に超電導薄膜コイル42を形成したサファイア基板42a,42bおよび送信コイル48が配置された後、後述するように、実施例1の保護スペーサ215,216に対応する保護スペーサ61〜64が設けられる。
52は支持板であり、下面に中心台51の円柱形状部511に結合される熱交換器53を備え、上面にトリマ台座55を備える。支持板52は、図10で説明するように、核磁気共鳴装置の適宜の構造材で支持される。54はトリマコンデンサであり、図2で説明した検出回路10と超電導薄膜コイルとを接続する電気配線に設けられるものであり、トリマ台座55に保持される。熱交換器23と中心台51の円柱形状部511とは、機械的に結合され、超電導薄膜コイルの支持板部512に固定されたサファイア基板42a、42b上の超電導薄膜コイルに冷熱を伝える。519は円柱形状部511と熱交換器53が結合されたとき連通する孔である。
図10(A)は実施例2の低温プローブの全体構造の概要を示す断面図である。中心台51が中心となっていることを示すために、これにハッチングを付し、サファイア基板12にドットの模様を付したのみで他の部分のハッチングは省略して示す。図10(B)は
、図10(A)の上面から見た平面図である。61〜64は、超電導薄膜コイルの支持板部512に固定された基板42a、42bおよび送信用プローブコイル48の外面に設けた保護スペーサである。これらの保護スペーサは、図9では表示を省略したが、実施例1と同様に、ネジ217により前記サファイア基板42a、42bを超電導薄膜コイルの支持板部512に押し付けて固定する。もちろん、送信用プローブコイル48に対しても同様である。
支持板52は核磁気共鳴装置の構造材220に保持されるとともに、ネジ218により中心台200の円柱形状部211に結合される。支持板22に保持されている熱交換器53はネジ219により中心台51の円柱形状部511に結合される。熱交換器53には冷媒を供給する銅パイプ56が接続される。トリマコンデンサ54は孔517を通して必要な配線が行われるとともに、チューブ57で保護された、図示しない操作片により、操作される。
高い感度を実現するためには、磁場の均一度を高める必要があるが、超電導体は完全反磁性という性質を有し、−1/4πという大きな磁化率を有する。従って、超電導体と静磁場が鎖交する部分が大きくなるほど、静磁場は大きく乱れる。実施例2は、中心台51の円柱形状部511の長さ方向の中心軸に沿って超電導薄膜コイルの支持板部512を延伸し、超電導薄膜コイルの支持板部512の外面に超電導薄膜コイル基板12と送信用プローブコイル48を固定するものとした。したがって、低温プローブの中心軸と静磁場とは精度よく平行が維持でき、これより、超電導体と静磁場が鎖交する部分は超電導薄膜の厚さという小さい部分のみとなる。その結果、静磁場の乱れは小さく、均一な磁場を実現できる。さらに、この超電導薄膜コイルの支持板部512の中心軸を静磁場の法線方向とし、試料管3の導入方向とあわせた。
超電導薄膜コイル基板を十分に冷却するためには、冷却のために熱伝導経路上に置く構成要素を少なくし、構成要素の接続をできるだけ避けることが望ましい。止むを得ず構成要素同士を繋げる場合には、Inのような熱接触用材料を介在させ、接触面積をできるだけ大きくすることが望ましい。また、熱伝導率の高い材料を用いることが望ましい。実施例2の中心台51は、円柱形状部511と超電導薄膜コイルの支持板部512とを一体的に接続した構造であるとともに、超電導薄膜コイルの支持板部512の外面に超電導薄膜コイル基板12と送信用プローブコイル48固定した。従って、超電導薄膜コイル基板12を超電導薄膜コイルの支持板部512を通じて冷却する際、熱の伝導方向が基板の法線方向になるので、接触面積が大きく、効率よく冷却できることになる。なお、実施例2でも、熱接触用材料Inを超電導薄膜コイル基板12と超電導薄膜コイルの支持板部512の組み立て過程で接触部に適宜Inの粒子を置いて、適宜、加温および加圧することにより、より熱伝達の効果をあげることができる。
本発明により、静磁場の均一性を乱さない、超電導薄膜基板を超電導臨界温度以下に冷却する、超電導薄膜基板を支持するという3つの条件を満足したソレノイド型の核磁気共鳴プローブコイルを実現できる。
本発明の第1の実施例の核磁気共鳴装置の全体構成の概略図である。 実施例1のプローブコイルの構成を模式的に示す斜視図である。 (A)−(B)は、本発明の第1の実施例の基板上に形成した超電導薄膜からなる1ターンコイルを説明する図である。 本発明の第1の実施例の中心台の構成を示す斜視図である。 本発明の第1の実施例のプローブコイルの支持板部、基板およびスペーサの積層体の構成を説明する展開斜視図である。 図5に示した展開斜視図に従って本発明の第1の実施例のプローブコイルの支持板部、基板およびスペーサの積層体と熱交換器との対応の概要を示す斜視図である。 (A)は本発明の実施例1の低温プローブの全体構造の概要を示す断面図、(B)は、図7(A)の左側面から見た側面図である。 本発明の実施例2のプローブコイルを実装した核磁気共鳴装置の全体構成を断面図の形で示す図である。 本発明の実施例2のプローブコイルの構成を模式的に示す展開図である。 (A)は本発明の実施例2の低温プローブの全体構造の概要を示す断面図、(B)は、図10(A)の上面から見た平面図である。
符号の説明
1…低温プローブ、2…プローブコイル、3…試料管、4…超電導磁石、5…補正用超電導磁石、6,7…タンク、10…検出回路、11…超電導薄膜の受信用コイル、12,42a,42b…サファイア基板、13…常伝導金属膜、14…窒化アルミスペーサ、15…常伝導金属接続配線、17…常伝導金属線、18,48…鞍型送信用プローブコイル、19,49,217…窒化アルミネジ、20…送信回路、21,51…中心台、22,512…支持板、23,53…熱交換器、24,54…トリマコンデンサ、25,55…トリマ台座、26,56…銅パイプ、27…チューブ、101,102,104から107,221,222,223,224,225,226,514,515,516,517,518,519…孔、51,200…中心台、211,511…円柱形状部、212
,512…支持板部、213…保護部、61〜64,216,217…保護スペーサ、218,219…ネジ、220…構造材、311…絶縁膜。

Claims (11)

  1. 核磁気共鳴装置の所定の静磁場に置かれるとともに、基板上に形成した超電導薄膜コイルよりなる受信用プローブコイルと送信用プローブコイルとを有するプローブコイルと、前記超電導薄膜コイルを冷却する手段とを備える核磁気共鳴プローブにおいて、
    前記超電導薄膜コイルは、円柱形状部と該円柱形状部の直径方向の中央位置で、円柱の長さ方向に延伸された超電導薄膜コイルの支持板部とが接続された中心台の前記超電導薄膜コイルの支持板部に保持され、前記超電導薄膜コイルを冷却する手段は前記中心台と結合されたものであり、
    前記円柱形状部の円柱の長さ方向に延伸された超電導薄膜コイルの支持板部は前記静磁場と概ね平行の関係であり、
    前記超電導薄膜コイルを形成した基板は、前記超電導薄膜コイルの支持板部の両側に積層して保持されたものであり、前記送信用プローブコイルは積層された前記超電導薄膜コイルを外側から取り囲む形の常伝導金属の鞍型コイルである核磁気共鳴プローブ。
  2. 前記超電導薄膜コイルを形成した基板は、前記超電導薄膜コイルの支持板部の両側面に保持されたものであり、前記送信用プローブコイルは前記超電導薄膜コイルの支持板部の前記両側面と直交する両側面に保持された常伝導金属の鞍型コイルである請求項1記載の核磁気共鳴プローブ。
  3. 前記超電導薄膜コイルの支持板部に積層された前記超電導薄膜コイルを形成した基板前記超電導薄膜コイルの支持板部とによる積層構造は、前記基板間に所定のスペーサを挿入されたものである請求項1記載の核磁気共鳴プローブ。
  4. 前記静磁場は水平方向に向くものとされるとともに、前記超電導薄膜コイルの支持板部に積層された前記超電導薄膜コイルを形成した基板、前記スペーサ、および、前記超電導薄膜コイルの支持板部よりなる積層構造は、前記超電導薄膜コイルの中心部を貫く前記静磁場と鉛直方向の孔を備える請求項記載の核磁気共鳴プローブ。
  5. 前記静磁場は鉛直方向に向くものとされるとともに、前記超電導薄膜コイルの支持板部中心部には前記静磁場と同じ方向の孔を備える請求項記載の核磁気共鳴プローブ。
  6. 前記超電導薄膜コイルの支持板部に積層された前記超電導薄膜コイルを形成した基板、前記スペーサ、および、前記超電導薄膜コイルの支持板部よりなる積層構造の両方の最外面には、前記積層構造の保護スペーサが設けられ、該保護スペーサには前記超電導薄膜コイルの中心部を貫く前記静磁場と鉛直方向の孔を備える請求項記載の核磁気共鳴プローブ。
  7. 前記超電導薄膜コイルの支持板部の側面に保持された前記超電導薄膜コイルを形成した基板および常伝導金属の鞍型コイルの外面には前記基板および鞍型コイルの保護スペーサが設けられる請求項記載の核磁気共鳴プローブ。
  8. 前記超電導薄膜コイルを冷却する手段は、前記核磁気共鳴装置の構造物に片端が保持された支持板の一面に保持されるとともに、前記支持板の他面には前記受信用プローブコイルと共振回路を構成するトリマコンデンサが保持され、前記支持板の他端は円柱形状部に形成された切り欠き部と結合されるとともに、前記超電導薄膜コイルを冷却する手段の端面が前記円柱形状部の前記超電導薄膜コイルの支持板部が形成された端面と反対の端面に結合されたものである請求項記載の核磁気共鳴プローブ。
  9. 前記超電導薄膜コイルを冷却する手段は、前記支持板に沿って延伸されるパイプを介して冷媒を供給される請求項記載の核磁気共鳴プローブ。
  10. 前記中心台およびスペーサは窒化アルミからなる請求項記載の核磁気共鳴プローブ。
  11. 静磁場を発生する磁石と、該静磁場の中に試料を搬送する手段と、前記静磁場に置かれるとともに、基板上に形成した超電導薄膜コイルよりなる受信用プローブコイルと送信用プローブコイルとを有するプローブコイルと、前記超電導薄膜コイルを冷却する手段とを備える核磁気共鳴装置において、
    前記超電導薄膜コイルは、円柱形状部と該円柱形状部の直径方向の中央位置で、円柱の長さ方向に延伸された超電導薄膜コイルの支持板部とが接続された中心台の前記超電導薄膜コイルの支持板部に保持され、前記超電導薄膜コイルを冷却する手段は前記中心台と結合されたものであり、
    前記円柱形状部の円柱の長さ方向に延伸された超電導薄膜コイルの支持板部は前記静磁場と概ね平行の関係あり、
    前記試料は前記超電導薄膜コイルの支持板部に設けられた前記静磁場と平行方向の孔に導入されることを特徴とする核磁気共鳴装置
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