JP2005169945A - 熱転写受容シート - Google Patents

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Abstract

【課題】特に染料熱転写プリンターに適し、支持体の積層部が良好な接着強度を有し、印画時に受容シートの凹みがなく、印画面にリボンしわ転写等がなく、かつ印画濃度が高く、画像均一性に優れた高感度、高画質の熱転写受容シートを提供する。
【解決手段】芯材層の少なくとも一面に、中空粒子を含有するクッション層および熱可塑性樹脂フィルム層が順次積層されたシート状支持体と、前記熱可塑性樹脂フィルム層上に形成された画像受容層とを有する熱転写受容シートにおいて、前記熱可塑性樹脂フィルム層が、接着剤層を介してクッション層上に積層されている熱転写受容シート。
【選択図】無し

Description

本発明は、熱転写染料シートの染料を熱により画像受容層に転写し、画像を形成するプリンターに使用する熱転写受容シート(以下、単に受容シートと称する。)に関するものである。更に詳しく述べるならば、本発明は、サーマルプリンター、特に染料熱転写プリンターに適し、銀塩写真類似の高濃度で、均一性に優れた画質を有する画像が得られる受容シートに関するものである。
近年サーマルプリンターの中でも特に、鮮明なフルカラー画像のプリントが可能な染料熱転写プリンターが注目されている。染料熱転写プリンターは、熱転写染料シート(以下、単にインクリボンと称する。)の染料を含む染料層と、受容シートの染料染着性樹脂を含む画像受容層(以下、単に受容層と称する。)とを重ね合わせ、サーマルヘッドなどから供給される熱により、染料層の所要箇所の染料を所定濃度だけ、受容層上に転写して画像を形成するものである。インクリボンは、イエロー、マゼンタおよびシアンの3色、あるいはこれにブラックを加えた4色の染料層を有する。フルカラー画像は、インクリボンの各色の染料を受容シートに順に繰り返し転写することによって得られる。
熱転写プリンターにおける記録画像の画質は、コンピューターによるデジタル画像処理技術の発達により格段に向上し、熱転写方式はその市場を拡大している。またプリントシステムの高速、高感度化への要求が高まり、サーマルヘッドの温度制御技術の向上に合せて、加熱デバイスの発熱量を如何に効率よく画像形成に利用するかが重要な技術課題となっている。印画の高速化にともない、精彩な画質を得るために、色ずれ防止等の改善が新たな技術課題となってきた。プリンター内では、スパイクを装着した金属ロールとゴムロールの間に受容シートを挟んで搬送しているが、印画の高速化に伴い、例えば、ロール間のニップ圧を上げたり、スパイクを大きくする方法が試みられている。しかし、このような方法では、受容シートの印画面に凹みを生じ、商品価値が低下する。従って、搬送ロールによる圧縮力を受けても、受容シートに凹みが生じないことが求められる。
受容シートは、一般に支持体とその表面に形成された受容層とから構成されている。支持体用基材として、例えば紙類を使用すると、サーマルヘッドからの熱が支持体に逃げて記録感度が不足する問題がある。また、紙の繊維の疎密ムラに起因するインクリボンと受容層の密着ムラによって印画の濃淡ムラが発生する。
これらの問題を改善する為に、紙支持体と受容層の間に中空粒子を含有する中間層を設けた受容シートが開示されている。(例えば、特許文献1、2参照。)このような受容シートは、中空粒子を含有した中間層の断熱性や、クッション性等の向上効果により、感度は改善されるが、中空粒子が中間層表面に露出するために受容シート表面に凹凸が存在し、表面平滑性が劣る。特に、現在の高速プリンターによる印画では、十分な画像品質が得られ難い。また、プリント時の熱により、中空粒子を含有する中間層がつぶれ、受容シートに凹みが生じて外観が損なわれたり、色重ね印画において記録濃度制御が困難となる等の問題があった。さらに中間層の圧縮弾性率が芯材の圧縮弾性率よりも低い為、中間層がプリンターの搬送時及び印画時の圧力等によってもつぶれ易く、受容シートの品質を損なう問題もあった。
支持体基材として、通常のフィルムを使用すると、平滑性に優れるものの、サーマルヘッドからの熱が基材内部に移動し、記録感度の不足を生じたり、またフィルムでは十分なクッション性がないことから、インクリボンと受容シートとの密着性が不足して、濃度ムラ等が発生する。この問題を解決するために支持体として、発泡フィルムを紙類等の芯材層と貼り合わせた支持体(例えば、特許文献3参照。)、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂を主成分とし、ボイド(空隙)構造を含む2軸延伸フィルム(合成紙)を紙類等の芯材層と貼り合わせた支持体等が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。これらの支持体を使用した受容シートは断熱性、平滑性に優れるが、プリンターでの搬送時及び印画時の圧力により、受容シートに凹みが生じて外観を損なう等の問題がある。
また、受容シートのクッション性を改善する為に、空隙を有さないポリオレフィン層と芯材層を接着するに際して接着剤層中にマイクロバルーンを含有するものが提案されている。(例えば、特許文献5参照。)。しかしマイクロバルーンは密度が低い為、接着剤中に均一に混合するのが困難であり、耐溶剤性に乏しい為、有機溶剤を含有する接着剤が使用できず十分な接着強度が得られない等の問題があった。さらに、受容シートのクッション性、感度を向上させるのに十分な空隙を与える量のマイクロバルーンを接着剤層に添加すると、接着剤層の接着強度が低下して貼合支持体の接着強度が十分に得られないことや、端面から接着剤がはみ出す等の欠点があり、改善が求められている。
特開昭63−87286号公報(第1〜2頁) 特開平1−27996号公報(第1〜3頁) 特開昭61−197282号公報(第1頁) 特開昭62−198497号公報(第1頁) 特開平6−239040号公報(第2〜4頁)
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであり、従来の受容シートが有する前述の問題点を解消し、特に染料熱転写プリンターに適し、支持体の積層部が良好な接着強度を有し、印画時に受容シートの凹みがなく、印画面にリボンしわ転写等がなく、かつ印画濃度が高く、画像均一性に優れた高感度、高画質の熱転写受容シートを提供しようとするものである。
本発明は、以下の各発明を包含する。
(1)芯材層の少なくとも一面に、中空粒子を含有するクッション層および熱可塑性樹脂フィルム層が順次積層されたシート状支持体と、前記熱可塑性樹脂フィルム層上に形成された画像受容層とを有する熱転写受容シートにおいて、前記熱可塑性樹脂フィルム層が、接着剤層を介してクッション層上に積層されていることを特徴とする熱転写受容シート。
(2)前記中空粒子の平均粒子径が0.4〜20μmである(1)項に記載の熱転写受容シート。
(3)前記中空粒子の体積中空率が50〜97%である(1)項または(2)項に記載の熱転写受容シート。
(4)前記クッション層の厚さが10〜100μmであり、かつクッション層の厚さが前記中空粒子の平均粒子径の3倍以上である(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
(5)前記シート状支持体が、芯材層のクッション層が積層されていない他の一面に、熱可塑性樹脂層を有する(1)項〜(4)項のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
(6)
前記シート状支持体が、芯材層のクッション層が積層されていない他の一面に、接着剤層を介して積層された熱可塑性樹脂フィルム層を有する(1)項〜(4)項のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
(7)
前記熱可塑性樹脂フィルム層が、延伸多孔質ポリオレフィン樹脂フィルムまたは延伸多孔質ポリエステル樹脂フィルムである(1)項〜(6)項のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
(8)
前記芯材層が、セルロースパルプを主成分とする紙基材である(1)項〜(7)項のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
(9)
熱転写受容シート全体の、JIS K7220に準拠して測定された圧縮弾性率が、50MPa以下である(1)項〜(8)項のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
本発明の熱転写受容シートは、受容シート全体として適度の圧縮弾性率と支持体の積層部が良好な接着強度を有し、印画時に受容シートの凹みがなく、印画面にリボンしわ転写等がなく、かつ高感度、高画質で、良好な印画画像が得られる受容シートである。
本発明においては、シート状支持体が、芯材層の少なくとも一面に中空粒子を含有するクッション層を有し、その上に接着剤層を介して積層された熱可塑性樹脂フィルム層を有する積層支持体であることを特徴とし、前記熱可塑性樹脂フィルム層上に受容層が形成される。
本発明の受容シートは、中空粒子を含有するクッション層を有することにより、受容シート全体の圧縮弾性率を低下させることができ、受容シートに適度の変形自由度を与え、サーマルヘッド及びインクリボン等の形状に対する受容シートの形状追従性及び密着性が向上するので、インクリボンに発生するリボンしわによる印画不良を防止することができる。また受容シート全体の圧縮弾性率が適度に低いため、サーマルヘッドとプラテンロールに挟まれた時にその押圧が除かれた時直ちに復元し、かつ低エネルギー状態でもサーマルヘッドと受容シートとの密着性が向上し、サーマルヘッドの熱効率が向上するため、画像の印画濃度を高め、画質を改善することができる。
例えば、接着剤層に中空粒子を含有させた構成の場合には、塗工液の調製において、中空粒子の密度が小さいために接着剤成分と均一に分散することが困難であり、また感度向上に十分な量の中空粒子を接着剤層に配合すると、接着剤層の接着強度が低下して支持体の積層部分の強度が不十分になる等の問題がある。本発明のクッション層は、中空粒子と後述するような結着樹脂を主成分として含有し、これらは塗工液調製において、均一に分散することが容易であり、さらに中空粒子を含まない接着層を介してクッション層と熱可塑性樹脂フィルムを積層することにより、支持体の積層部分の強度も十分に保たれる。
(芯材層)
本発明のシート状支持体の芯材層としては、特に限定するものではないが、例えば紙基材、又はポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルムなどが使用でき、特に風合いが良く、しかもコストが低い紙基材を用いることが好ましい。紙基材としては、セルロースパルプを主成分とする紙類が使用される。セルロースパルプを主成分とする紙類は熱収縮性が低く、断熱性が良好で、受容シートとして紙の風合いを有し、更に安価であることから好ましく使用される。例えば広葉樹パルプ、針葉樹パルプ、広葉樹針葉樹混合パルプ等の木材パルプ、また、クラフトパルプ、サルファイトパルプ、ソーダパルプ等通常使用されているパルプを抄造した紙、あるいは抄造後にカレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどして表面平滑性を改善した紙が好ましい。また必要に応じて顔料を塗工した塗工層を有してもよい。
紙基材の具体例としては、上質紙、中質紙等の非塗工紙、コート紙、アート紙、キャスト塗被紙等の塗工紙、原紙の少なくとも一方の面にポリオレフィン樹脂などの熱可塑性樹脂層を設けたラミネート紙、合成樹脂含浸紙、板紙等が挙げられる。また高平滑化の為にカレンダー処理を施してもよい。これらの紙基材のうちで、平滑性、得られる受容シートとしての風合い、積層するクッション層塗工乾燥性等の製造面の観点から、上質紙、中質紙等の非塗工紙、コート紙、アート紙、キャスト塗被紙等の塗工紙が、より好ましく使用できる。
芯材層は40〜180μmの厚さを有することが好ましく、50〜150μmの厚さであることがより好ましい。因みに、芯材層の厚さが40μm未満では、その機械的強度が不十分となり、且つそれから得られる受容シートの剛度が小さく変形に対する反発力が不十分となり、印画の際に生じる受容シートのカールを十分に防止できないことがある。また厚さが180μmを超えると、得られる受容シートの厚さが過大となるため、プリンターにおける受容シートの収容枚数の低下を招いたり、或いは所定の収容枚数を収容しようとするとプリンターの容積増大を招きプリンターのコンパクト化を困難にする等の問題を生ずることがある。
(クッション層)
本発明において、芯材層上に設けられるクッション層は、中空粒子を含有することにより、受容シートの圧縮弾性率を低下させることができる。従って、受容シートがプリンター内で搬送ロールによる高い圧力を受けても、クッション層内部でこの応力を吸収することが可能となるため、受容シートの搬送ロールによる凹み及びスパイク痕形成に対する抵抗性が改善される。また受容シートに適度の変形自由度が与えられ、サーマルヘッド形状及びインクリボン形状に対する受容シートの追従性、密着性等が向上するので、低エネルギー状態でも受容層に対するサーマルヘッドの熱効率が向上し、印画される画像の印画濃度を高め、画質を改善することができる。また高速プリンターの高エネルギー印加領域において、インクリボンに発生するリボンしわに起因する印画不良も同時に防止することができる。
本発明のクッション層に用いられる中空粒子としては、重合体材料により形成されたシェルと、それにより包囲されている1個以上の中空(気孔)部とからなるものであり、その平均粒子径は0.4〜20μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜15μmであり、さらに好ましくは0.5〜10μmである。中空粒子の製造方法に格別の制限はないが、例えば下記のようにして製造されたものから選ぶことができる。
(イ)熱膨張性物質を含む熱可塑性重合体材料を加熱発泡させて製造された発泡中空粒子(以下単に、既発泡中空粒子と記す。)。
(ロ)重合体形成性材料をシェル形成性用材料として用い、かつ揮発性液体を気孔形成用材料として用いて、マイクロカプセル重合方法により製造されたマイクロカプセルから、気孔形成用材料を揮発逃散させて得られたマイクロカプセル状中空粒子(以下単に、マイクロカプセル状中空粒子と記す。)。
なお中空粒子の平均粒子径は、一般的な粒径測定装置を使用して測定可能であり、例えばレーザー回折式粒度分布測定機(商品名:SALD2000、島津製作所製)等を用いて測定される。
クッション層で用いられる中空粒子(既発泡中空粒子、およびマイクロカプセル状中空粒子等)の体積中空率は50〜97%が好ましく、より好ましくは55〜95%である。中空粒子の体積中空率が50%未満の場合には受容シート全体の圧縮弾性率低減効果が十分に発揮されない。また体積中空率が97%を超えると、クッション層の塗膜強度が低下し、クッション層が傷付き易くなり、外観が悪化することがある。
なお、中空粒子の体積中空率は、粒子体積に対する中空部分の体積の割合を示したものであり、具体的には中空粒子と貧溶媒からなる中空粒子分散液の比重、前記分散液における中空粒子の質量分率及び中空粒子のシェル(壁)を形成する重合体樹脂の真比重、及び貧溶媒の比重から求めることができる。貧溶媒とは、中空粒子の壁を形成する樹脂を溶解及び/又は膨潤させない溶媒であり、例えば水、イソプロピルアルコール等が挙げられる。また中空粒子の平均粒子径や体積中空率については、例えば小角X線散乱測定装置(商品名:RU−200、リガク社製)等を用いてクッション層の断面写真から求めることも可能である。
中空粒子として熱膨張性物質を含有する熱可塑性物質からなる粒子を、未発泡状態でクッション層成分として使用し、受容シート製造工程での加熱乾燥時の熱により発泡させ、中空粒子を含むクッション層を形成することも可能である。しかし、受容シートの製造工程中の加熱により熱膨張性物質を含有する熱可塑性粒子を発泡させると、均一な粒子径に発泡させることが難しく、十分に平坦なクッション層が得られないことがあり、このため熱転写された画像の均一性が不十分になることがある。従って、本発明においては予め熱膨張性物質を含有する熱可塑性粒子を熱膨張させて製造された既発泡中空粒子が好ましく用いられる。
既発泡中空粒子は、例えば熱膨張性芯物質として、n−ブタン、i−ブタン、ペンタン、及び/又はネオペンタンのような揮発性低沸点炭化水素を熱可塑性重合体材料中に内包し、熱可塑性重合体材料として塩化ビニリデン、塩化ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の単独重合体或いはこれらの共重合体等を、シェル(壁)材として用いて得られた粒子に予め加熱等の処理を施すことにより、所定の粒子径に熱膨張させて得られるものである。
また上記のような既発泡中空粒子は、一般に比重が小さいため、分散性等を向上させ、取扱い作業性改善を目的として、炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン等の無機粉体を、熱融着により既発泡中空粒子表面に付着させ、表面が無機粉体により被覆されている既発泡複合中空粒子等も本発明に用いることができる。
本発明で使用する既発泡中空粒子の平均粒子径は0.4〜20μmが好ましく、より好ましくは2〜15μmであり、さらに好ましくは3〜10μmである。既発泡中空粒子の平均粒子径が0.4μm未満の場合には、中空粒子の体積中空率が概して低いため、受容シートの圧縮弾性率低減効果が十分に発揮されないことがある。また平均粒子径が20μmを超えると、得られるクッション層面の平滑性が低下し、熱転写画像の均一性が不良となり、画像鮮明性が不十分になることがある。
本発明で使用されるマイクロカプセル状の中空粒子は、マイクロカプセル形成重合法により得られ、重合体形成性材料(シェル形成材料)をシェル(壁)として、芯部に揮発性液体(気孔形成用材料)を含有するマイクロカプセルを乾燥して、気孔形成用材料を揮発逃散させ、中空芯部を形成させたものである。重合体形成性材料としては、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、メラミン樹脂等の硬い樹脂が好ましく使用され、揮発性液体としては、例えば水等が使用される。
本発明で使用されるマイクロカプセル状中空粒子の平均粒子径は0.4〜20μmが好ましく、より好ましくは0.5〜10μmであり、さらに好ましくは0.5〜7μmである。マイクロカプセル状中空粒子の平均粒子径が0.4μm未満の場合には、中空粒子の体積中空率が概して低いため、受容シートの圧縮弾性率が十分に低減しないことがあり、また平均粒子径が20μmを超えると、得られるクッション層面の平滑性が低下し、熱転写画像の均一性が不良となり、画像鮮明性が不十分になるおそれがある。
クッション層全固形分に対する、中空粒子の質量比率は10〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは15〜70質量%である。中空粒子の質量比率が10質量%未満では、受容シートの圧縮弾性率低減効果が十分に得られないことがあり、また中空粒子の質量比率が80質量%を超えると、クッション層用塗工液の塗工性が悪化して、良好な塗工面が得られないことや、またクッション層の塗膜強度が低下することがある。
本発明のクッション層は、主成分として中空粒子と結着樹脂を含有する。本発明のクッション層用塗工液は、中空粒子の耐溶剤性を考慮すると水性系塗工液であることが好ましい。使用される結着樹脂については特に限定されず、例えばポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂及びその誘導体、カゼイン、デンプン誘導体等の水溶性樹脂が成膜性、耐熱性、可撓性の観点から好ましく使用される。また(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレンーブタジエン共重合体樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等の各種樹脂の水分散性樹脂が低粘度高固形分の水性系樹脂として使用される。なおクッション層の塗膜強度、接着性、塗工性の面から使用される結着樹脂は上記の水溶性樹脂と各種樹脂の水分散性樹脂を併用することも可能である。本発明のクッション層表面は、常温では粘着性を示さず、このクッション層上に積層する熱可塑性樹脂フィルムとは接着しないため、クッション層と熱可塑性樹脂フィルムとの積層に際しては接着剤層が必要となる。
クッション層は必要に応じて、各種の添加剤、例えば無機顔料、有機顔料、樹脂の架橋剤、帯電防止剤、消泡剤、分散剤、有色染料等の1種或いは2種以上を適宜選択して使用してもよい。無機顔料としては、受容シートの不透明度向上、白色度向上の為に白色無機顔料が好ましく添加される。具体的には酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミノ珪酸ナトリウム、アルミノ珪酸カリウム、クレー、マイカ、タルク、硫酸カルシウムなどが挙げられる。
本発明においてクッション層の厚さは、10〜100μmが好ましく、かつクッション層に含まれる中空粒子の平均粒子径の3倍以上の厚さであることが好ましい。クッション層が、クッション性、低圧縮弾性率、あるいは断熱性等の所望の性能を発揮するための厚さは10〜100μmであることが好ましく、より好ましくは10〜90μmであり、さらに好ましくは15〜85μmである。クッション層の厚さが10μm未満では、受容シートの圧縮弾性率が十分に低減しないことがある。また厚さが100μmを超えると、得られる受容シート全体の厚さが過大となり、プリンターにおける受容シート収容枚数の低下を招いたり、あるいは所定枚数を収容しようとすると、プリンタ−の容積増大を招き、プリンタ−のコンパクト化を困難にする等の問題が生じることがある。
またクッション層の厚さは、クッション層に含有される中空粒子平均粒子径の3倍以上の厚さであることが好ましく、更に好ましくは4倍以上の厚さである。クッション層の厚さが中間層に含有される中空粒子平均粒子径の3倍未満の厚さであると、粗大中空粒子がクッション層面から突出し、画像の均一性が低下することがある。
本発明においては、クッション層を設けることにより、芯材として、例えば安価な紙基材を使用することが可能となり、高価な発泡フィルム等を最小限の使用量にすることができ、経済的にも有利となる。
芯材層とクッション層の厚さの合計が、支持体全体の厚さの50%以上であることが好ましく、これらの表裏に積層される熱可塑性樹脂フィルム、或は熱可塑性樹脂に比較して安価にすることが可能であり、芯材層とクッション層の厚さの割合を増加させることにより、低コスト、高感度の受容シートを得ることができる。また受容シートとして、紙の風合いも増すので、より好ましい形態となる。
(熱可塑性樹脂フィルム層)
本発明のシート状支持体は、芯材層の少なくとも一面に中空粒子を含有するクッション層を有し、その上に接着剤層を介して積層された熱可塑性樹脂フィルム層を有することを特徴とする。
さらに、本発明のシート状支持体としては、芯材層の一面(表面側)に中空粒子を含有するクッション層を有し、その上に接着剤層を介して積層された熱可塑性樹脂フィルム層(表面側熱可塑性樹脂フィルム層)を有し、芯材層の他の一面(裏面側)に、熱可塑性樹脂層、もしくは熱可塑性樹脂フィルム層(裏面側熱可塑性樹脂フィルム層)を形成してもよい。この場合、受容層は表面側熱可塑性樹脂フィルム層上に形成される。芯材層の裏面側に熱可塑性樹脂層あるいは熱可塑性樹脂フィルム層を設けることにより、得られる受容シートのカール発生を防止することが可能であり、また芯材層に紙基材を使用した場合には、受容シートの耐水性向上に効果的である。
上記の表面側熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えばポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体系樹脂等の各種公知の熱可塑性樹脂を主成分とするフィルムが挙げられる。これらのフィルムは延伸されたものであってもよい。また上記の熱可塑性樹脂に、受容シートの白色度改善、画像の鮮明性向上の為白色顔料等を含有した樹脂組成物から得られる白色不透明フィルムであってもよい。あるいは上記の熱可塑性樹脂に有機及び/又は無機顔料や異なる樹脂を添加した溶融樹脂組成物を延伸して空隙を発生させた、延伸多孔質フィルムであってもよい。また上記各種の熱可塑性樹脂フィルムは接着性を改善するためにフィルム表面上に易接着層が設けられていたり、コロナ処理等の表面処理が施されたものであってもよい。
前記熱可塑性樹脂フィルムの中でも、印画される画像の均一性、階調性、印画濃度、価格等の面からクッション性、断熱性に優れる延伸多孔質熱可塑性樹脂フィルムが好ましく使用される。延伸多孔質熱可塑性樹脂フィルムの中でも、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする延伸多孔質ポリエステルフィルム又はポリプロピレンを主成分とする延伸多孔質ポリオレフィンフィルム(合成紙)が特に好ましく使用される。なお多孔質構造を有するフィルムは、全体が多孔質構造である単層のフィルムであってもよいし、また多孔質構造を有する層を1層以上含む多層構造からなるフィルムであってもよい。また前記の材料を単体で使用するだけでなく、ドライラミネート法、ウェットラミネート法等の公知の方法により、前記のシート状フィルムを2種以上貼り合せて、多層構造にしたものも使用でき、その組み合わせは限定されない。
本発明において、表層側熱可塑性樹脂フィルムとして、印画濃度、画像均一性、耐熱性、搬送ロールの圧縮力による印画面の凹み防止性等が優れるため、延伸多孔質ポリエステルフィルムが好ましく使用される。ポリエステルフィルム用樹脂としては、例えばテレフタル酸およびエチレングリコールからなるホモポリマー、または、テレフタル酸、エチレングリコールに第三成分を共重合させたコポリマーが使用できる。このようなコポリマーは公知であり、第三成分としては、p−ヒドロキシ安息香酸などのオキシカルボン酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、テトラメチレングリコールなどのアルキレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールなどが用いられる。
ポリエステルフィルムに多孔質構造を有する層を付与する方法としては、ベースとしてのポリエステル樹脂に非相溶性樹脂やフィラーを均一分散させた樹脂組成物を延伸することにより得られる。ポリエステル樹脂の場合、非相溶性樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリアクリロニトリルやそれらの共重合体などが挙げられる。フィラーとしては、例えば炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミノ珪酸ナトリウム、アルミノ珪酸カリウム、クレー、マイカ、タルク、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどが挙げられるが、これらは単独、もしくは二種類以上の混合物でもよい。
また、印画濃度、画像均一性、リボンシワの発生防止能等が優れるため、延伸多孔質ポリオレフィンフィルムが好ましく使用される。延伸多孔質ポリオレフィンフィルムは、例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、メチル−1−ペンテン系樹脂等を主成分とするフィルムが使用される。中でも耐薬品性及びコストの面からプロピレン系樹脂を主成分として使用することが好ましい。プロピレン系樹脂としてはプロピレンの単独重合体及びプロピレンとα−オレフィンとの共重合体を使用できる。プロピレン系樹脂にはプロピレン単独重合体よりも融点の低い樹脂(例えば高密度ないし低密度ポリエチレン)を2〜25質量%配合して使用することが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂フィルムに多孔質構造を有する層を付与する方法としては、ベースとしてのポリオレフィン樹脂に無機微細粉末及び/または有機フィラーを均一に分散させた樹脂組成物を延伸することによって得られる。ポリオレフィン樹脂に含まれる無機微細粉末としては、例えば炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミノ珪酸ナトリウム、アルミノ珪酸カリウム、クレー、マイカ、タルク、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどが挙げられるが、これらは単一種で用いられてもよく、あるいは二種類以上の混合物でもよい。
有機フィラーを添加する場合は主成分であるポリオレフィン系樹脂とは異なる種類の樹脂のフィラーを選択するのが好ましい。ポリオレフィン樹脂に含まれる有機フィラーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ナイロン6、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等の重合体であって、ポリオレフィン系樹脂の融点より、高い融点ないしガラス転移点温度を持つ重合体を使用することができる。
表層側熱可塑性樹脂フィルムの圧縮弾性率は、一般的には3〜90MPaの範囲であり、好ましくは4〜50MPa、より好ましくは4〜40MPaである。圧縮弾性率が3MPa未満であると、プリンターの搬送ロールにより印画面に凹みが発生し易くなり、一方圧縮弾性率が90MPaを超える場合には受容シート全体の圧縮弾性率が高くなり、サーマルヘッドとの密着性が不十分となる為、画像均一性が低下し、またリボンしわ転写防止性が悪化し好ましくない。
さらに、裏面側熱可塑性樹脂フィルム層としては、前述の表面側熱可塑性樹脂フィルム層と同様な熱可塑性樹脂フィルムが用いられ、好ましくは表面側熱可塑性樹脂フィルム層と同一樹脂成分からなるフィルムが使用され、受容シートのカールを効果的に防止することができる。また積層方法についても前述と同様な接着剤層を用いて積層される。
また熱可塑性樹脂フィルムの厚さは10〜110μmが好ましく、より好ましくは20〜100μmであり、最も好ましくは30〜60μmである。厚さが10μm未満の厚さでは3〜4回の印字によって、熱可塑性樹脂フィルムが熱変形し易く、画像均一性不良及びカールの問題が発生し、一方厚さが110μmを超えるとコストが上昇して経済的に不利であり、また得られる受容シートの厚さが過大となり、プリンターにおける受容シートの収容枚数の低下を招き好ましくない。
本発明において、熱可塑性樹脂フィルムの圧縮弾性率が、クッション層の圧縮弾性率より大きい方が好ましい。即ち受容シートが搬送ロールによる高い圧力を受けても、その圧力を、熱可塑性樹脂フィルムとクッション層の両方で吸収することが可能となる為、受容シート全体としては凹みが小さくなり、より好ましい様態である。
受容シート全体の圧縮弾性率を特定の値以下に制御するためには、圧縮弾性率の低いクッション層の厚さを増大させることが有利である。例えば、芯材層として紙基材を使用する場合には、熱可塑性樹脂フィルムよりも安価な紙基材の厚さを増加させることが、製造コスト面から好ましい実施態様である。実際の支持体のフィルム構成を設計する際には、厚さ、圧縮弾性率、フィルム価格、印画品質等のバランスを考慮して適宜設定することが必要となる。
芯材層の裏面側に形成される熱可塑性樹脂層用の樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、セルロース誘導体系樹脂、ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の各種公知の熱可塑性樹脂が挙げられる。中でもポリオレフィン系樹脂が安価であり、受容シートの耐水性向上に効果的であるので好ましく使用される。熱可塑性樹脂層の形成方法については、特に限定するわけではないが、熱可塑性樹脂を溶融させ、ラミネーターのスリット部から押出すいわゆる溶融押出し法により、好ましく形成される。
熱可塑性樹脂層用の樹脂として、使用されるポリオレフィン樹脂の密度は0.80〜0.98g/cmが好ましく、更に好ましくは0.85〜0.95g/cmである。ポリオレフィン樹脂の具体例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレンとα−及び/又はβ−不飽和カルボン酸の共重合体を金属イオンで中和したいわゆるアイオノマー樹脂が挙げられる。これらのポリオレフィン樹脂は単独あるいは2種以上を併用して使用することができる。
またポリオレフィン樹脂の融点は低いほど、溶融押出し加工時のラミネート温度を下げることが可能であり、ポリオレフィン樹脂と接触する芯材層の温度上昇による、紙基材等芯材層からの水分蒸発を押さえることが可能であり、また芯材層の熱収縮を小さくすることができるので、受容シートのカールが小さくなる。ポリオレフィン樹脂の融点は実用的には80〜160℃が好ましく95〜140℃がより好ましい。
ポリオレフィン樹脂には本発明の効果を損なわない限り、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、無機微粒子、有機微粒子等各種の添加剤の1種あるいは2種以上を併用して使用もよい。
熱可塑性樹脂層の厚さは5〜100μmが好ましく、より好ましくは10〜80μmである。因みに熱可塑性樹脂層の厚さが5μm未満であると、芯材層と熱可塑性樹脂層の間の十分な接着強度が得られず、一方熱可塑性樹脂層の厚さが100μmを超えると、均一な厚さの層を得ることが困難であり、得られる受容シート全体の厚みが過大となり、また受容シートのカール制御が難しくなる。
(接着剤層)
本発明において、クッション層上に、接着剤層を介して熱可塑性樹脂フィルムが積層される。積層方法としては、特に限定されるものではないが、ウェットラミネート、ドライラミネート、溶融押出しラミネート、ワックスラミネート等の公知の技術が用いられてもよく、溶融押出しラミネート、ドライラミネート方式が好ましく用いられる。接着剤層の固形分塗工量は、3〜40g/mが好ましく、より好ましくは5〜30g/mの範囲である。
例えば、クッション層が形成された芯材層の両面に熱可塑性樹脂フィルムを積層する支持体の場合には、両面に同一種類の接着剤層を、同一固形分塗工量となるように塗工することが、受容シートのカールの面から好ましい。芯材層と熱可塑性樹脂フィルムとの間の良好な接着性及び接着剤層の良好な層間強度を得るために、接着剤層は空隙を含まない層であることが好ましい。具体的には、接着剤層中に熱分解性の発泡剤や未発泡中空粒子、既発泡中空粒子等を含有しないことが好ましい。
ドライラミネート方式で使用される接着剤としては、ポリエーテル系、ポリエステル系等の高分子樹脂成分に、ポリイソシアネート系、エポキシ系等の硬化剤を配合した接着剤、あるいはアクリル系、ウレタン系樹脂にポリイソシアネート系、エポキシ系等の硬化剤を配合した粘着剤等が挙げられる。
溶融押出しラミネート方式で使用される接着剤としては、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、及びポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂等、各種の熱可塑性樹脂が使用可能である。中でも、価格が安価であることからポリオレフィン樹脂が好ましく使用される。ポリオレフィン樹脂としては、密度0.85〜0.98g/cmが好ましく、より好ましくは0.90〜0.95g/cmのものが使用される。例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等が好ましく使用される。これらのポリオレフィン樹脂は2種以上を併用することも勿論可能である。ポリオレフィンの樹脂の融点は低いほど、ラミネート温度を下げることができ、熱可塑性樹脂フィルムの熱収縮が少なく、その結果受容シートのカールを小さくすることが可能となる。
本発明で使用される支持体は100〜300μmの厚さを有することが好ましい。因みに、厚さが100μm未満であると、その機械的強度が不十分となり、且つそれから得られる受容シートの剛度が小さく変形に対する反発力が不十分となり、印画の際に生じる受容シートのカールを十分に防止できないことがある。また厚さが300μmを超えると、得られる受容シートの厚さが過大となるため、プリンターにおける受容シートの収容枚数の低下を招いたり、或いは所定の収容枚数を収容しようとするとプリンターの容積増大を招き、プリンターのコンパクト化を困難にする等の問題を生ずることがある。
(中間層)
本発明の受容シートは、シート状支持体と受容層の間の接着性改善、及び受容シートの帯電防止性改善の為、シート状支持体と受容層との間に中間層を設けてもよい。この中間層形成の為に使用される樹脂としては各種の親水性樹脂、疎水性樹脂が使用可能であり、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等のビニルポリマー及びその誘導体、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリアクリル酸又はその塩、ポリアクリル酸エステル等のアクリル基を含有するポリマー、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル等のメタクリル基を含有するポリマー、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、澱粉、変成澱粉、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等の樹脂を使用することが出来る。また公知の帯電防止剤、架橋剤を単独もしくは上記の樹脂と併用して使用することもできる。
前記中間層の固形分塗工量は0.2〜5g/mの範囲が好ましく、更に好ましくは0.5〜3g/mの範囲である。塗工量が0.2g/m未満では、接着性改善効果が十分に得られないことがあり、一方、5g/mを超えると塗膜強度が低下したり、ブロッキングや操業性等が悪化するおそれがある。
(受容層)
本発明の受容シートは、シート状支持体上に直接、あるいは中間層上に受容層が設けられる。受容層としては公知の受容層が採用される。受容層を形成する樹脂としては、インクリボンから移行する染料との親和性が高く、染料染着性の良い樹脂が使用される。このような樹脂としてはポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル共重合体、ポリビニルアセタール樹脂、セルロース誘導体樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
またプリントの際にサーマルヘッドの加熱によって、受容層がインクリボンと融着することを防止するために、上記の樹脂中に架橋剤、滑り剤、及び離型剤等の1種以上が添加されていることが好ましい。また必要に応じて、上記樹脂中に蛍光染料、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、帯電防止剤等の1種以上を添加してもよい。これらの添加剤は受容層の形成成分と混合して塗工してもよいし、受容層とは別の被覆層として受容層の上及び/又は下に塗工されていてもよい。
受容層の固形分塗工量は、好ましくは1〜15g/mであり、より好ましくは3〜10g/mである。受容層の塗工量が1g/m未満では受容層が支持体表面あるいは中間層表面を完全に覆うことができず、画質の低下を招いたり、サーマルヘッドの加熱によりインクシートと受容層が接着してしまう融着トラブルが発生することがある。一方固形分塗工量が15g/mを超えると効果が飽和し不経済であるばかりで無く、受容層塗膜の強度が不足したり、受容層の厚みが増大する事により支持体の断熱効果が十分に発揮できず、印画濃度の低下となることがある。
(裏面層)
本発明の受容シートの裏面(受容層が設けられている側とは反対側の最外面)に、帯電防止剤を含有する裏面層を設けてもよい。このような構成にすることにより、受容シートをプリンターに供給してプリンター内を走行させ、プリンターから送り出す操作をスムーズに行う事が出来る。裏面層に含まれる帯電防止剤としては、ポリエチレンイミン、カチオン性モノマー含有アクリル樹脂、カチオン変性アクリルアミド樹脂、カチオン変性澱粉等の各種カチオン性帯電防止剤、あるいはアニオン性、ノニオン性帯電防止剤等から適宜選択し、それらの適当量を裏面層中に含有させればよい。また裏面層形成用のバインダーとしてはポリビニルアルコール等の水溶性樹脂、又はアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、及びこれらの樹脂の反応硬化物等を用いることが出来る。また必要に応じて無機顔料、有機顔料等のフィラーも摩擦係数調整剤として配合することもできる。
裏面層の固形分塗工量は0.3〜10g/mの範囲が好ましく、更に好ましくは1〜5g/mの範囲である。固形分塗工量が0.3g/m未満であると受容シート同士が擦れた時の受容層面の傷付きを十分に防止出来ないことがあり、塗膜欠陥が発生し、表面電気抵抗が増大することもある。また固形分塗工量が10g/mを超えると効果が飽和し不経済である。
本発明において、クッション層、受容層、あるいはその他の塗工層は、常法に従って形成され、所要成分を含む塗工液を調製し、バーコーター、グラビアコーター、コンマコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ゲートロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、リップコーター、及びスライドビードコーターなど公知のコーターを使用して、塗工し、乾燥して形成することができる。
本発明のJIS K 7220に準拠して測定された受容シート全体の圧縮弾性率は、50MPa以下が好ましく、より好ましくは5〜40MPaであり、更に好ましくは10〜35MPaである。受容シート全体の圧縮弾性率が50MPaを超えると、プリンターで印画を行う際に、受容シートとサーマルヘッドとの密着性が不十分となり、画質が低下したり、リボンしわが受容シートに転写され易くなり、商品価値を損なうことがある。また圧縮弾性率が5MPa未満では受容シート全体の剛度(腰)が不十分となり、商品価値を損なうことがある。
本発明において、受容シートにカレンダー処理を施してもよく、受容層表面の凹凸を減少させ、平滑化する事も可能である。カレンダー処理は、クッション層塗工後、中間層塗工後或いは受容層塗工後のいずれの段階で行ってもよい。カレンダー処理に使用されるカレンダー装置やニップ圧、ニップ数、金属ロールの表面温度等については特に限定されるものではないが、カレンダー処理を施す際の圧力条件としては、0.5〜150MPaが好ましく、より好ましくは1〜100MPaである。温度条件としては室温から中空粒子が破壊されず、かつクッション層用結着樹脂のTg温度以上が好ましく、20〜150℃が好ましく、更に好ましくは30〜120℃である。カレンダー装置としては、例えばスーパーカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダー等の一般に製紙業界で使用されているカレンダー装置を適宜使用できる。
なお、受容シート全体の厚さは、100〜300μmが好ましい。この厚さが100μm未満であるとその機械的強度が不十分となり、かつ受容シートの剛度も不十分となり、印画の際に生じる受容シートのカールを十分に防止できないことがある。また、厚さが300μmを超えると、プリンター中に収容可能な受容シートの枚数低下を招いたり、あるいは所定枚数を収容しようとすると受容シート収容部の容積増大が必要となり、プリンターのコンパクト化を困難にすることがある。
下記実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において、特に断らない限り、溶剤に関するものを除き「%」および「部」はすべて固形分の「質量%」および「質量部」を示す。
実施例1
(クッション層の形成)
芯材層として、厚さ80μmのアート紙(商品名:OK金藤N、坪量104.7g/m、圧縮弾性率:90MPa、王子製紙製)を使用し、前記アート紙の片面(表面側)に下記組成のクッション層用塗工液−1を乾燥後のクッション層の厚さが50μmとなるようにグラビア塗工し、乾燥してクッション層を形成した。
クッション層用塗工液−1
既発泡中空粒子:アクリロニトリル及びメタクリル酸エステルを主成分とする共重合体系
発泡中空粒子(平均粒子径3.5μm、体積中空率78%) 55部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 10部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:PT1004、日本ゼオン製) 35部
水 200部
(シート状支持体の形成)
前記クッション層を形成した芯材層の表裏両面に、熱可塑性樹脂フィルムとして、無機顔料を含有する延伸多孔質ポリエステルフィルム(商品名:40EA3S、厚さ40μm、主成分:ポリエチレンテレフタレート、圧縮弾性率:23MPa、東レ製)を、ポリエステル系接着剤(商品名:AD578とCAT50の混合物、東洋モートン社製)を使用してドライラミネート法により積層貼合し、シート状支持体を形成した。なお接着剤層の固形分塗工量は芯材層の表裏とも8g/mであった。
(受容シートの形成)
次に前記シート状支持体の裏面側熱可塑性樹脂フィルム(クッション層を形成していない芯材層裏面側に積層)の面上に、下記組成の裏面層用塗工液−1を固形分塗工量が3.0g/mになるようにバー塗工法で塗工、乾燥して裏面層を形成した。そして前記シート状支持体の表面側熱可塑性樹脂フィルム(クッション層形成面上に積層)の面上に、下記組成の中間層用塗工液−1を固形分塗工量が2.0g/mになるようにバー塗工法で塗工、乾燥して中間層を形成し、この中間層上に下記組成の受容層用塗工液−1を固形分塗工量が5.0g/mになるようにグラビア塗工法で塗工、乾燥した。その後50℃で5日間加熱して、受容シートを得た。
裏面層用塗工液−1
ポリビニルアセタール樹脂(商品名:エスレックKX−1、積水化学工業製) 45部
ポリアクリル酸エステル樹脂(商品名:ジュリマーAT613、日本純薬製) 25部
ナイロン樹脂粒子(商品名:MW330、シントーファイン製) 10部
ステアリン酸亜鉛(商品名:Z−7−30、中京油脂製) 10部
カチオン系導電剤(商品名:ケミスタット9800、三洋化成製) 10部
水/イソプロピルアルコール=2/3(質量比)混合液 400部
中間層用塗工液−1
アクリル樹脂(商品名:リカボンドSAR615A、中央理化製) 50部
エポキシ樹脂(商品名:リカボンドSAR615B、中央理化製) 2部
カチオン型導電性樹脂(商品名:ケミスタット9800、三洋化成製) 50部
水/イソプロピルアルコール=5/5(質量比)混合液 400部
受容層用塗工液−1
ポリエステル樹脂(商品名:バイロン200、東洋紡製) 100部
シリコーンオイル(商品名:KF393、信越化学工業製) 3部
ポリイソシアネート(商品名:タケネートD−140N、武田薬品工業製) 5部
トルエン/メチルエチルケトン=1/1(質量比)混合液 400部
実施例2
シート状支持体の形成において、熱可塑性樹脂フィルムとして、延伸多孔質ポリエステルフィルムの代わりに、無機顔料を含有する延伸多孔質ポリオレフィンフィルム(商品名:ユポFPU50、厚さ50μm、主成分:ポリプロピレン、圧縮弾性率:7MPa、ユポ・コーポレーション製)を使用した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
実施例3
シート状支持体の形成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
(シート状支持体の形成)
前記芯材層上に形成されたクッション層側の面上に、表面側熱可塑性樹脂フィルムとして、無機顔料を含有する延伸多孔質ポリエステルフィルム(商品名:40EA3S、厚さ40μm、主成分:ポリエチレンテレフタレート、圧縮弾性率:23MPa、東レ製)を、ポリエステル系接着剤(商品名:AD578とCAT50の混合物、東洋モートン社製)を使用して、ドライラミネート法により積層貼合した。なお接着剤層の固形分塗工量は8g/mであった。
次に、前記芯材層側(裏面側)の面上に、裏面側熱可塑性樹脂フィルムとして、無機顔料を含有する延伸多孔質ポリエステルフィルム(商品名:40EA3S、厚さ40μm、主成分:ポリエチレンテレフタレート、圧縮弾性率:23MPa、東レ製)を、接着剤として低密度ポリエチレン(商品名:ミラソン11P、三井ポリオレフィン製、圧縮弾性率:45MPa)を用いて、溶融押出しラミネート法により、その固形分塗工量が10g/mとなるように積層貼合し、シート状支持体を得た。
実施例4
クッション層の形成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
(クッション層の形成)
芯材層として、厚さ105μmのアート紙(商品名:OK金藤N、坪量127.9g/m、圧縮弾性率:90MPa、王子製紙製)を使用し、前記アート紙の片面(表面側)に下記組成のクッション層用塗工液−2を、乾燥後のクッション層の厚さが40μmとなるようにグラビア塗工し、乾燥してクッション層を形成した。
クッション層用塗工液−2
マイクロカプセル型中空粒子(商品名:ニポールMH5055、日本ゼオン製、
平均粒子径0.55μm、体積中空率55%) 70部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 10部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:PT1004、日本ゼオン製) 20部
水 200部
実施例5
クッション層の形成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして受容シートを形成した。
(クッション層の形成)
芯材層として、厚さ67μmのアート紙(商品名:OK金藤N、坪量84.9g/m、圧縮弾性率:90MPa、王子製紙製)を使用し、前記アート紙の片面(表面側)に下記組成のクッション層用塗工液−3を、乾燥後のクッション層の厚さが70μmとなるようにグラビア塗工し、乾燥してクッション層を形成した。
クッション層用塗工液−3
既発泡中空粒子(商品名:エクスパンセル551DE20、日本フィライト社製、
平均粒子径20μm、体積中空率93%) 35部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 10部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:PT1004、日本ゼオン製) 55部
水 200部
実施例6
クッション層の形成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
(クッション層の形成)
芯材層として、厚さ80μmのアート紙(商品名:OK金藤N、坪量104.7g/m、圧縮弾性率:90MPa、王子製紙製)を使用し、前記アート紙の片面(表面側)に下記組成のクッション層用塗工液−4を乾燥後のクッション層の厚さが50μmとなるようにグラビア塗工し、乾燥してクッション層を形成した。
クッション層用塗工液−4
既発泡中空粒子:アクリロニトリル及びメタクリル酸エステルを主成分とする共重合体系
発泡中空粒子(平均粒子径8.0μm、体積中空率75%) 55部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製) 10部
スチレン−ブタジエンラテックス(商品名:PT1004、日本ゼオン製) 35部
水 200部
実施例7
シート状支持体の形成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
(シート状支持体の形成)
前記芯材層上に形成されたクッション層側の面上に、表面側熱可塑性樹脂フィルムとして、無機顔料を含有する延伸多孔質ポリエステルフィルム(商品名:40EA3S、厚さ40μm、主成分:ポリエチレンテレフタレート、圧縮弾性率:23MPa、東レ製)を、ポリエステル系接着剤(商品名:AD578とCAT50の混合物、東洋モートン社製)を使用してドライラミネート法により積層貼合した。なお接着剤層の固形分塗工量は8g/mであった。
更に前記芯材層側(裏面側)の面上に、下記成分の熱可塑性樹脂層−1をその厚さが60μmとなるように溶融押出し法で積層し、シート状支持体を形成した。
熱可塑性樹脂層−1
低密度ポリエチレン(商品名:ミラソン11P、三井ポリオレフィン製、
圧縮弾性率:45MPa) 100部
酸化チタン(堺化学製) 20部
実施例8
クッション層の形成、及びシート状支持体の形成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
(クッション層の形成)
芯材層として、厚さ67μmのアート紙(商品名:OK金藤N、坪量84.9g/m、圧縮弾性率:90MPa、王子製紙製)を使用し、前記アート紙の片面(表面側)に、実施例1で用いたクッション層用塗工液−1を、乾燥後のクッション層の厚さが50μmとなるようにグラビア塗工し、乾燥してクッション層を形成した。
(シート状支持体の形成)
前記芯材層上に形成されたクッション層側の面上に、表面側熱可塑性樹脂フィルムとして、無機顔料を含有する延伸多孔質ポリオレフィンフィルム(商品名:ユポFPU50、厚さ50μm、主成分:ポリプロピレン、圧縮弾性率:7MPa、ユポ・コーポレーション製)を、ポリエステル系接着剤(商品名:AD578とCAT50の混合物、東洋モートン社製)を使用してドライラミネート法で、積層貼合した。なお接着剤層の固形分塗工量は8g/mであった。
更に前記芯材層側(裏面側)の面上に、実施例7で用いた熱可塑性樹脂層−1を、その厚さが70μmとなるように溶融押出し法で積層し、シート状支持体を形成した。
実施例9
クッション層の形成、及びシート状支持体の形成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
(クッション層の形成)
芯材層として、厚さ67μmのアート紙(商品名:OK金藤N、坪量84.9g/m、圧縮弾性率:90MPa、王子製紙製)を使用し、前記アート紙の片面(表面側)に実施例1で用いたクッション層用塗工液−1を、乾燥後のクッション層の厚さが50μmとなるようにグラビア塗工し、乾燥してクッション層を形成した。
(シート状支持体の形成)
前記芯材層上に形成されたクッション層側の面上に、熱可塑性樹脂フィルムとして無機顔料を含有する延伸多孔質ポリエステルフィルム(商品名:40EA3S、厚さ40μm、主成分:ポリエチレンテレフタレート、圧縮弾性率:23MPa、東レ製)を、接着剤層として低密度ポリエチレン(商品名:ミラソン11P、三井ポリオレフィン製、圧縮弾性率:45MPa)を用い、その固形分塗工量が10g/mとなるように溶融押出しラミネート法により積層貼合した。
更に前記芯材層側(裏面側)の面上に、実施例7で用いた熱可塑性樹脂層−1を、その厚さが65μmとなるように、溶融押出し法により積層してシート状支持体を形成した。
比較例1
芯材層として、厚さ105μmのアート紙(商品名:OK金藤N、坪量127.9g/m、圧縮弾性率:90MPa、王子製紙製)を使用し、クッション層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
比較例2
シート状支持体の形成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
(シート状支持体の形成)
芯材層として、厚さ105μmのアート紙(商品名:OK金藤N、坪量127.9g/m、圧縮弾性率:90MPa、王子製紙製)を使用し、前記アート紙の片面(表面側)に、表面側熱可塑性樹脂フィルムとして無機顔料を含有する延伸多孔質ポリエステルフィルム(商品名:40EA3S、厚さ40μm、主成分:ポリエチレンテレフタレート、圧縮弾性率:23MPa、東レ製)を、下記組成の接着剤層用塗工液−1を使用して、その固形分塗工量が20g/mとなるようにドライラミネート法により積層貼合した。
次に、前記芯材層側(裏面側)の面上に、裏面側熱可塑性樹脂フィルムとして、無機顔料を含有する延伸多孔質ポリエステルフィルム(商品名:40EA3S、厚さ40μm、主成分:ポリエチレンテレフタレート、圧縮弾性率:23MPa、東レ製)を、接着剤として、ポリエステル系接着剤(商品名:AD578とCAT50の混合物、東洋モートン社製)を使用して、その固形分塗工量が8g/mとなるようにドライラミネート法で、積層貼合しシート状支持体を得た。
接着剤層用塗工液−1
ポリエステル樹脂(商品名:AD578、東洋モートン社製) 80部
イソシアネート(商品名:CAT50、東洋モートン社製) 20部
既発泡中空粒子:アクリロニトリル及びメタクリル酸エステルを主成分とする共重合体系
発泡中空粒子(平均粒子径3.5μm、体積中空率78%) 33部
酢酸エチル 300部
評価方法
上記各実施例および比較例で得られた受容シートについて、それぞれ下記の方法により測定評価を行った。
(1)圧縮弾性率
JIS K 7220「硬質発泡プラスチックの圧縮試験方法」に準拠して、受容シートの圧縮弾性率を評価した。但し、供試受容シートの厚さを、試験片の高さ(厚さ)とした。また圧縮速度は20μm/minとした。
(2)リボンしわ転写防止性
厚さ6μmのポリエステルフィルムの上に、イエロー、マゼンタ、シアンの3色それぞれの昇華性染料をバインダーとともに含むインク層を設けたインクリボンを用いて、各色のインク層面を順次に受容シートに接触させ、市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:DR100、ソニー社製)を使用して、3色の色重ねによる黒べた画像を10枚連続的に印画した。
印画面にリボンしわの発生が全くないものを◎、リボンしわの発生が殆ど無く実用上問題のないものを○、リボンしわの発生が多いものを△、リボンしわの発生が甚だしいものを×として目視評価した。実用的には○以上のレベルが必要である。
(3)受容シートの凹み
市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:M1、ソニー社製)を改造して、搬送ロールのニップ圧が高い試験機を作製した。この試験機のニップ圧を圧力試験フィルム(商品名: プレスケール、富士写真フィルム社製)を用いて測定評価した結果、200kg/cmであった。この試験機を用いて搬送ロールによる受容シートの凹みを目視評価した。
凹みがないものを◎、少し凹みがあるが実用上問題のないものを○、凹みが著しく、実用上問題あるものを×とした。
(4)印画品質(印画濃度、画像均一性)
厚さ6μmのポリエステルフィルム基体の上に、イエロー、マゼンタ、シアンの3色それぞれの昇華性染料をバインダーとともに含むインク層を設けたインクリボンを用いて、各色のインク層面を順次に供試受容シートに接触させ、市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:DR100、ソニー社製)を使用して、サーマルヘッドで段階的にコントロールされた加熱を行うことにより、所定の画像を受容シートに熱転写させ、各色の中間調の単色および色重ねの画像をプリントした。
この受容シート上に転写された記録画像について、マクベス反射濃度計(商品名:RD−914、Kollmorgen社製)を用いて、印加エネルギーの低い方から16ステップ目に相当する高階調部の濃度を印画濃度とした。印画濃度は2.0以上であれば実用上問題ない。
更に、光学濃度(黒)が0.5に相当する階調記録部分の画像均一性について、濃淡ムラおよび白抜けの有無などについて目視評価を行った。
評価結果が優秀なものを◎、普通のものを○、画像均一性不良のものを×とした。
上記の結果を表1に示す。
(5)受容シート支持体の接着強度
接着強度評価用サンプルとして、巾18mm×長さ170mmの大きさの短冊状受容シートを切断して作成し、両面粘着テープを用いて、受容シートサンプルの裏面層側をガラス板上に固定した。次に、固定された短冊状受容シートサンプルの受容層面上に市販の粘着テープ(商品名:セロテープ(R)、ニチバン社製、テープ巾18mm)を接着させ、温度5℃、相対湿度10%の環境下で、粘着テープを180度剥離して、受容シート支持体の積層部分の剥離状態を目視にて評価した。
受容シート支持体の積層部分等で剥離が見られないものを○、受容シート支持体の積層部分が剥離するものを×とした。
Figure 2005169945
本発明の熱転写受容シートは、支持体の積層部が良好な接着強度を有し、受容シート全体として適度の圧縮弾性率を有し、印画時に受容シートの凹みがなく、印画面にリボンしわ転写等がなく、かつ印画濃度が高く、画像均一性に優れた高感度、高画質の熱転写受容シートであり、特に染料熱転写プリンターの受容シートとして利用可能性が高く、実用的に優れたものである。

Claims (9)

  1. 芯材層の少なくとも一面に、中空粒子を含有するクッション層および熱可塑性樹脂フィルム層が順次積層されたシート状支持体と、前記熱可塑性樹脂フィルム層上に形成された画像受容層とを有する熱転写受容シートにおいて、前記熱可塑性樹脂フィルム層が、接着剤層を介してクッション層上に積層されていることを特徴とする熱転写受容シート。
  2. 前記中空粒子の平均粒子径が0.4〜20μmである請求項1に記載の熱転写受容シート。
  3. 前記中空粒子の体積中空率が50〜97%である請求項1または2に記載の熱転写受容シート。
  4. 前記クッション層の厚さが10〜100μmであり、かつクッション層の厚さが前記中空粒子の平均粒子径の3倍以上である請求項1〜3のいずれかに記載の熱転写受容シート。
  5. 前記シート状支持体が、芯材層のクッション層が積層されていない他の一面に、熱可塑性樹脂層を有する請求項1〜4のいずれかに記載の熱転写受容シート。
  6. 前記シート状支持体が、芯材層のクッション層が積層されていない他の一面に、接着剤層を介して積層された熱可塑性樹脂フィルム層を有する請求項1〜4のいずれかに記載の熱転写受容シート。
  7. 前記熱可塑性樹脂フィルム層が、延伸多孔質ポリオレフィン樹脂フィルムまたは延伸多孔質ポリエステル樹脂フィルムである請求項1〜6のいずれかに記載の熱転写受容シート。
  8. 前記芯材層が、セルロースパルプを主成分とする紙基材である請求項1〜7のいずれかに記載の熱転写受容シート。
  9. 熱転写受容シート全体の、JIS K7220に準拠して測定された圧縮弾性率が、50MPa以下である請求項1〜8のいずれかに記載の熱転写受容シート。

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US8264511B2 (en) 2009-06-17 2012-09-11 Sony Corporation Printing apparatus and thermal transfer printing method

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