JP2005169511A - 刃先交換式回転工具 - Google Patents

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Yoshimitsu Nagashima
由光 長島
Yoshiyuki Kobayashi
由幸 小林
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Abstract

【課題】本発明は、コーナー部や溝切削におけるビビリ振動を抑え、等高線加工などにおける安定した高能率加工を実現する切削工具を提供することである。
【解決手段】本発明の刃先交換式回転工具に装着するインサートは、すくい面側から見た形状が略正方形状でピン穴を有し、切れ刃稜線をなす4辺は外側に凸形状であって、隣り合う2辺との繋ぎは略R形状の曲線及び/又は直線からなるコーナー刃が形成され、該コーナー刃の半径r(mm)は1≦r≦5であり、逃げ面略中央に平坦部を設けており、該インサートを刃先交換式回転工具に取り付けた時、該コーナー刃は刃先交換式回転工具の先端部の外周側に突出するように装着され、コーナー刃の1端に連なる該凸形状切れ刃稜線は外周切れ刃をなし、他の端に連なる該凸形状切れ刃稜線は主切れ刃で、工具切れ刃の最外周点及び/又は最下点がコーナー刃上に在るように装着された刃先交換式回転工具。
【選択図】図2

Description

本発明は、インサートを着脱可能に取り付けた刃先交換式回転工具(以下単に切削工具と称する。)であり、詳細には特に高送りに適する工具に関する。
高送り加工に適した切削工具及びそれに用いるインサートに関し、特許文献1には、切削工具におけるインサートの形状が略4角形状をなし、切刃稜線をなす四辺は外側に凸円弧状で、逃げ面略中央に平坦部を設けている。しかし、特許文献1のインサートの取り付け方法はくさびにより締め付けて取り付ける方法又はインサートにネジ穴を設けることのみの固定であり、彫り込み加工の際に問題となるクランプ剛性について、何ら配慮がなされていない。更に、被削材の立ち壁部を形成する場合、被削材に接触する切れ刃長さが大きくなり、切削抵抗の低減化に対する配慮がなされていない。
特許文献2は、スローアウェイ式回転工具において、スローアウェイチップは略4角形をなし、スローアウェイチップを形成する4辺のうち、対称の位置にある2辺は直線状であり、他の対称の位置にある2辺は、円弧部と該円弧部に連なる直線部からなり、工具は該辺を外周切刃、該他の辺の該円弧部を主切刃、該直線部を内周切刃とし、主切刃の切り込み角を3度以上35度以下、とした技術を開示している。特許文献2の回転工具を用いて被材削材の立ち壁部を形成する場合、被削材に接触する切れ刃長さが大きくなることを回避してほぼ一定となるように工夫され切削抵抗の低減化に対する配慮がなされている。
特開平2003−275917号公報 特許第3317490号公報
最近の等高線加工などにおける高能率加工では、コーナー部や溝切削でビビリ振動が発生し、刃先欠損のトラブルに至る場合がある。本発明は、コーナー部や溝切削におけるビビリ振動を抑え、等高線加工などにおける安定した高能率加工を実現する切削工具を提供することである。
本発明の切削工具において、これに装着するインサートは、すくい面側から見た形状が略正方形状でピン穴を有し、切れ刃稜線をなす4辺は外側に凸形状で、隣り合う2辺との繋ぎは略R形状の曲線及び/又は直線からなるコーナー刃が形成され、該コーナー刃の半径r(mm)は、1≦r≦5であり、逃げ面略中央部に平坦部を設けており、該インサートを刃先交換式回転工具に取り付けた時、該コーナー刃は刃先交換式回転工具の先端部の外周側に突出するように装着され、該コーナー刃の1端に連なる該凸形状切れ刃稜線は外周切れ刃をなし、該コーナー刃の他の端に連なる該凸形状切れ刃稜線は底刃をなす主切れ刃であって、該刃先交換式回転工具の切れ刃の最外周点及び/又は最下点が該コーナー刃上に在るように装着されていることを特徴とする刃先交換式回転工具である。上記構成を採用することにより、切れ刃の強度が向上し、更に切れ刃長さを調節することによって切削抵抗を小さくできることから、コーナー部や溝切削におけるビビリ振動をおさえ、等高線加工などにおける安定した高能率加工を実現する切削工具を提供することことが可能となる。
本発明の切削工具は、コーナー部や溝切削におけるビビリ振動をおさえ、等高線加工などにおける安定した高能率加工を実現する切削工具を提供することを可能にした。
図1、図2より、切削工具本体5に装着されたインサート7は、すくい面側から見た形状が略正方形状でピン穴を有し、切れ刃稜線をなす4辺は外側に凸形状であって、隣り合う2辺との繋ぎは略R形状の曲線及び/又は直線からなるコーナー刃12が形成されている。工具本体へのインサートの固定方法は、工具のインサート座に設けたねじ穴と、インサートに設けたピン穴とを合わせ、固定ねじを挿通させ締め付けて取り付けることによる第1の方法と、クランプ駒4を用いてインサートのすくい面を押圧することによる第2の方法とを併用している。この様に、独立した2つの固定方法を併用することにより、インサート切れ刃の剛性を向上させることが可能となり、特に、高送り加工において、切れ刃のビビリ振動を抑制するために有効な方法である。更に、インサート座は周方向に不等間隔に形成された場合、被削材コーナー部分の加工時において、ビビリ振動による共振を回避することに好都合である。図3は、図2のインサートの拡大図を示す。図3より、切れ刃の最外周点G及び/又は最下点Jがコーナー刃12上に在るように装着されている。特に最外周点Gが、コーナー刃12と外周刃6との繋ぎ部分よりも工具の内周側に来るように装着することにより、切削に関与する切刃長さを調節できる。切れ刃長さを大きく設定すると、刃先強度がもっとも弱い切れ刃中央部が最初に被削材と接触し衝撃を受けることを避けることができる。インサートを切削工具に取り付けた時、コーナー刃は刃先交換式回転工具の先端部の外周側に突出するようにセットされ、コーナー刃12の1端に連なる凸形状切れ刃稜線は外周刃6をなし、コーナー刃12の他の端に連なる凸形状切れ刃稜線は底刃をなす主切れ刃3である。図4は、インサートの正面図を示す。インサートは中心から外側に凸形状の切れ刃稜線1を4つ備え、この切れ刃稜線1は曲線及び/又は直線からなり、略円弧状をなす。切刃稜線と切刃稜線との繋ぎ部分であるコーナー刃12の半径r(mm)は、1≦r≦5である。rを1≦r≦5とすることによって、切れ刃強度が向上し欠損を回避することができる。更に切れ刃長さを適切な範囲とすることにより、切削抵抗の増大によるビビリ振動の発生や、これに起因するインサートの破損を回避することができる。rが1未満の場合は、コーナー刃12の欠損が発生し易くなる傾向にあり、一方、rが5を超えて大きい場合には、切削加工中のビビリ振動が顕著となり、インサート自体が破損し易くなる傾向にある。従って、rは1≦r≦5に限定する。図5は図4のA矢視方向の側面図を、図6は図5の投影図を示す。図5より逃げ面の略中央に平坦部2を切れ刃稜線から後退した位置よりインサート底面まで設ける。この平坦部2は工具本体へ取り付ける際の接触面となるが、平坦にしたことにより正確な位置決めが可能となる。平坦部2の面積Mは、図6に示す平坦部を含む逃げ面の投影面積Kとの比M/Kが、0.3≦M/K≦0.4である。M/Kを0.3≦M/K≦0.4とすることにより更に正確な位置決めとインサートの確実な固定が可能となる。M/Kが0.3未満の時は十分な接触面積を確保することができないため、平坦部を設ける効果が得られない。一方、0.4を超えて大きい場合は、刃先強度の低下を招くため適切ではない。図7は図4のB矢視方向の側面図を示す。図7に示す、すくい面と逃げ面のなす角度βと、図5に示す平坦部2とすくい面とのなす角度αとの差β−αは、2≦β−α≦6となるようにする。この差β−αが2未満の場合、充分な接触面積が得られず、6を超えて大きいと刃先強度の低下を招く。図4に示す様に、凸形状からなる切れ刃稜線1は曲線及び/又は直線からなり、切れ刃稜線を略円弧状とみなした時の曲率半径Rは、インサート内接円直径Dとした時、RとDとの比R/Dをとって、0.7≦R/D≦1.6とする。0.7未満の場合は丸インサートと略同形状になり、切り込み深さが大きくなる用途では切り込み角が大きくなる。従って、外周刃部分における被削材と切れ刃との接触長さが大きくなり、切削抵抗の増大となることから高送り加工には不適となる。一方、1.6を超えて大きいと直線切れ刃と略同形状になり略凸円弧状切れ刃の特徴を見出せない。本発明において、D(mm)はφ10以上、φ16以下、好ましくはφ12以上、φ14以下である。Dがφ16を超えて大きい場合には、主切れ刃が長くなり、切削抵抗の増大を招くことから、高送り加工にとって不都合となる。一方、φ10未満では、ねじ穴を設けたインサートにとって強度不足となり欠損を生じやすくなる。そこで、本発明においてDはφ10以上、φ16以下であることが好ましい。ここで略凸円弧状切れ刃の特徴とは、切削時の接触切れ刃長さを適度に大きくすることにより、断続切削に強くなる点、また圧縮の力が働くためにヒートクラックが発生しても破壊にいたるまでが長寿命となる点、などがあ。図7に示す様に、インサートの底面に垂直な線と逃げ面とがなす角κは、5度から20度であることが好ましい。しかし、κの値は被削材の硬度と刃先強度とのバランスを考慮して定めることが必要である。即ち、高硬度な被削材、例えばHRC40以上の様なSKD61による高送り加工では、大きな切削抵抗により切れ刃部分に過大な応力が作用するため、κは6度から11度とすることが好ましい。これにより、刃先強度を維持し、切れ刃の欠損を回避する効果がある。一方、被削材の硬度がHRC40未満の場合は、刃先強度をあまり気にすることなく切削抵抗の低減化を図れることから、κは10度から20度とすることが好ましい。図8より、切れ刃の最下点Jから外周側に向かう直線部長さがFの切り込み角γを、9度以上、12度以下とするのが好ましい。γが9度未満の場合、高硬度な被削材、例えばHRC40以上では切れ刃部分に被削材の溶着が発生し易く、工具は短寿命となり好ましくない。γが12度を超えて大きいの場合、切れ刃の欠損を招きやすくなる傾向となるため好ましくない。また、主切れ刃の最下点から外周側に向かう直線部分の長さF(mm)を、4≦F≦7の範囲とすることにより、特に高硬度の被削材を加工する際に、切り屑の排出性が改善される効果がある。これは、切り屑に適度な厚みを持たせてムシレの無い切り屑を生成させるためである。図1及び図9に示す切削工具の半径方向すくい角Rr、及び回転軸方向すくい角Ar(図示せず)は、被削材の種類によって設定する値を選択するとよい。即ち、被削材の硬度がHRC40未満の場合は、−45≦Rr≦−5、5≦Ar≦10を選択すると良い。一方、被削材の硬度がHRC40以上の場合は、−3≦Rr≦3、−4≦Ar≦4を選択すると良い。被削材の硬度がHRC40未満であるような場合は、Rrの値を負の値に設定することにより、図3に示すように、被削材に接触して切削開始領域8で生成する切屑の厚さは薄く、工具の回転に従って徐々に厚くなり、切削終了領域9では厚い切屑を生成するため、工具が受ける衝撃力を緩和でき、高送りが可能となる。更に好ましくは、Rrは−15度から−10度と負の値に設定する。一方、被削材の硬度がHRC40以上であるような場合は、Rrの値を−3≦Rr≦3の値に設定することが好ましく、より長寿命が得られる。
本願発明では、従来不可能と考えられていたインサートに生じる切削時の衝撃発生メカニズムを、第1段階として、切削始めとなる被削材への喰いつき時、第2段階として、喰いついてから被削材から離れるまでの2つの段階に分け、衝撃緩和させることに着目し、前者は曲線及び/又は直線とからなる略凸円弧状の主切れ刃により、その主切れ刃先端部の最下点Jを切削開始領域8とし被削材に薄く喰いつかせる。後者は半径方向の負のすくい角により、工具の回転に伴い徐々に厚くなる切屑を生成し、切削終了領域9で最も厚くし、切屑生成形態の位相差に最適値を見出し、衝撃を緩和させ断続切削に強く、長寿命となった。
図10は本発明例の別のインサートの斜視図を示し、インサートの切れ刃稜線に沿ってブレーカー状のすくい溝を設けた例である。図11は本発明例の別のインサートの斜視図を示し、インサートのすくい面を盛り上がった凸形状にした例である。図12は、図11に示すインサートを切削工具にセットした時、主切れ刃のRrがRr1から外周側に向かうに従いRr2へと連続的又は断続的に変化する例を示す。本発明の切削工具に装着するインサートの数は、2以上、7以下であり、この時の工具直径H(mm)は25≦H≦125の範囲とすることが好ましい。これは、汎用性のある切削機械の馬力であっても、高能率加工が可能な切れ刃数を設定できる点で有効である。更に、切り屑排出の面からも、十分なポケット空間を設けることが可能な範囲である。以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明の切削工具及びインサートは下記に限定されるものではなく、適宜変更を行うことも本技術範囲に含まれるものである。
(実施例1)
Hがφ63mm工具本体に、4箇所のインサート座を設け、Rrが−6度、Arが9度となるように工具本体を作製した。切削工具に装着するインサートとしては、図4〜図7に示すインサートについて、Dを12.7mm、Rを15mm、αを70度、βを75度、インサートの厚さを5.56mm、平坦部2は切刃稜線から逃げ面に沿って0.7mm後退した位置からインサート底面まで設けたインサートを作製し、上記の工具本体に装着した。インサートの装着には、固定ねじによる固定方法と、クランプ駒による固定方法とを併用し、切削工具を準備した。表1に本発明例及び比較例に用いた工具形状及びインサート形状を示す。これらの切削工具を用いて以下に示す切削条件により切削試験を行った。評価方法は、切削状態についてビビリ振動を目安として評価した。
Figure 2005169511
(切削条件)
切削方法:側面粗加工、(肩削り→溝削り→肩削り)
被削材:S50C(硬さHB200)
工具刃径:φ63(4枚刃)
工具突き出し量L:200mm
切削速度Vc:160m/min
テーブル送量Vf:1000、2000、3000、4000mm/min
一刃当りの送量fz:0.31、0.62、0.93、1.24mm/刃
回転数n:808min−1
切り込み深さap:1.5mm
切り込み幅ae:35(肩削り)〜63(溝削り)mm
切削油:なし、(エアーブローによる乾式切削)
表1に示す本発明例3〜13の切削工具について、インサートのコーナー刃のr値が、1、3、5のインサートは、M/K値、β−α値、R/D値を夫々変更したものを装着した。比較例1、2については、r値が0.5のインサート、比較例14、15については、r値が5.5のインサートを用意した。これらの工具を用い、図13に示す様に等高線の彫り込み加工を想定した切削試験を行った。ビビリ振動の発生しやすい様にゲージラインからの工具突き出し量Lを200mmと長く設定しアーバーに取り付けた。また加工形状もビビリ振動が生じやすい条件とするため、肩削り→溝削り→肩削りになる様に設定した。図14は切削試験の結果を示す。但し、図中のマーク〇はビビリ振動無く切削性良好表し、△は微小のビビリ振動又は微小の欠損は発生するが使用可能を表し、×は大きなビビリ振動又は大きな欠損が発生し使用不可を表す。
図14より、本発明例3から13は、1段目からVf=1000、2000、3000、4000mm/minの全領域で加工可能であり、2段目、3段目、4段目と彫り下げても、大きなビビリ振動や重欠損の発生はなく彫り下げ加工が可能であった。比較例1はVf=4000mm/minにおいてコーナー刃部が欠損する重欠損が発生したため使用不可となった。この原因は、コーナー刃部の強度不足の為である。比較例2はVf=1000mm/minの時から、外周刃が立ち壁部に接触することによるビビリ振動が発生し、Vf=3000mm/minにおいて大きなビビリ振動が発生したため使用不可となった。比較例14、15は、Vf=3000mm/minにおいて大きなビビリ振動が発生し切削不可となった。この原因は、コーナー刃部の切削抵抗が大きい為である。本発明例4、5の切削状態は良好であったが、本発明例4は、拘束面となる平坦部の面積が小さい為インサートが変動し易い傾向を示した。本発明例5は、拘束面となる平坦部の角度が大きい為、インサートが変動し易い傾向を示した。これは、インサートが切削中に若干動いたと思われる様な痕が、工具本体のインサート座面に観察されたことによる。また、本発明例6は継続して使用可能な状態であったが、切れ刃に微欠損が観察された。これは、R値が小さい為、強度が若干不足していたことが原因である。本発明例7も継続して使用可能な状態であったが、小さなビビリ振動が発生した。これは、R値が大きい為、切削抵抗が若干大きかったことが原因である。従来例16は、rが小さいために、コーナー刃部が欠損する重欠損が発生したため使用不可となった。この原因は、コーナー刃部の強度不足の為である。更に、外周刃が立ち壁部に接触することによる大きなビビリ振動の発生も見られた。
(実施例2)
実施例1と同様な工具本体を用い、1箇所のインサート座にインサートを装着して以下に示す切削条件により切削試験を行った。表1に用いた工具形状、インサート形状及び評価結果を併記する。評価方法は、切削長200mmまで肩削り加工した時の、初期の切り屑の形態及び初期のインサート切れ刃の損傷状態を、夫々のインサートについて観察して評価した。
(切削条件)
切削方法:平面肩削り加工
被削材:SKD61(HRC45)
工具刃径:φ63(1枚刃)
切り込み深さap:1.0mm
切り込み幅ae:40mm
切削速度Vc:60m/min
回転数n:303min−1
テーブル送量Vf:242mm/min
一刃当りの送量fz:0.8mm/tooth
切削油:なし(エアーブローによる乾式切削)
Figure 2005169511
表2より、本発明例3〜9と13、比較例1、2、14、15、従来例16は略凸円弧状の切れ刃を有するインサートを用いており、切り屑にささくれ状のムシレが多く発生し、インサートの境界部に欠損が発生した。これらの欠損は、略凸円弧状切れ刃の為、切り屑厚みが薄くムシレが発生し易い形状をしているので切り屑の流れが不安定となっていることが原因である。一方、本発明例10はγ値を8度に設定した切れ刃を有するインサートを用いており、切り屑に微小のささくれ状のムシレが発生する程度に減少し、インサートの境界部に発生した欠損も微小であった。本発明例10は、本発明例8の略凸円弧状切れ刃よりも切り屑厚みが厚くなるが、γ値が8度と弱い為、若干のムシレが見られた。しかし、本発明例3〜9と13の場合程の欠損は無く継続使用可能な状態であった。本発明例11はγ値を10度に設定した切れ刃を有するインサートを用いており、切り屑にささくれ状のムシレの発生は無く良好な形状を示し、インサートは正常摩耗を示した。本発明例11は、適度な切り屑厚みを持たせてやる事で切り屑にムシレの発生も無く、切り屑の流れもスムーズになっていた。本発明例12はγ値を13度に設定した切れ刃を有するインサートを用いており、切り屑にささくれ状のムシレの発生は無く良好な形状を示し、インサートの境界部に微小欠損が発生した。本発明例12は切り屑厚みが今回の実施例2の中では一番厚い切り屑が発生する切れ刃形状をしていた。この為切り屑のムシレが発生しずらく良好な切り屑形態を示したが、切り屑厚みが厚くなる為、刃先に負荷がかかり微欠損を発生した。これより、S50Cの様な比較的容易に加工出来る鋼材には略凸円弧状切れ刃が高送り加工に適しているが、HRC40を超えるような高硬度材加工においては、γ値が8〜13度の直線状切れ刃を設ける事で、切り屑にある程度の厚みを持たせてムシレの無い切り屑を生成させ、切り屑の流れをスムーズにしてやる事により、更に寿命をアップさせる事が可能である。
図1は、本発明例の切削工具の底面視を示す。 図2は、図1のC−C線の断面図を示す。 図3は、図2の主切れ刃部の詳細を示す。 図4は、本発明例の工具に装着するインサートの正面図を示す。 図5は、図4のA矢視方向の側面図を示す。 図6は、図5の側面図の投影図を示す。 図7は、図4のB矢視方向の側面図を示す。 図8は、本発明例の別の切削工具の図を示す。 図9は、本発明例の切削工具について、半径方向すくい角を示す。 図10は、本発明例の工具に装着する別インサートの斜視図を示す。 図11は、本発明例の工具に装着する別インサートの斜視図を示す。 図12は、本発明例の切削工具について、別の半径方向すくい角を示す。 図13は、等高線の彫り込み加工を説明する図を示す。 図14は、切削試験の結果を示す。
符号の説明
1:凸形状切刃稜線
2:平坦部
3:主切れ刃
4:クランプ駒
5:工具本体
6:外周刃
7:インサート
8:切削開始領域
9:切削終了領域
12:コーナー刃
ap:切り込み深さ
D:内接円の直径
fz:1刃当たりの送り量
F:主切れ刃の直線部分の長さ
G:切刃の最外周点
H:工具直径
J:切刃の最下点
K:平坦部を含む逃げ面の投影面積
M:平坦部2の面積
r:コーナー刃の半径
R:略凸円弧状切刃の曲率半径
Rr:半径方向すくい角
Rr1:半径方向すくい角
Rr2:半径方向すくい角
W:被削材
α:平坦部2とすくい面とのなす角度
β:すくい面と逃げ面とのなす角度
γ:切り込み角
κ:インサートの底面に垂直な線と逃げ面とがなす角

Claims (11)

  1. インサートが着脱可能な刃先交換式回転工具において、該刃先交換式回転工具に装着するインサートは、すくい面側から見た形状が略正方形状でピン穴を有し、切れ刃稜線をなす4辺は外側に凸形状であって、隣り合う2辺との繋ぎは略R形状の曲線及び/又は直線からなるコーナー刃が形成され、該コーナー刃の半径r(mm)は1≦r≦5であり、逃げ面略中央に平坦部を設けており、該インサートを刃先交換式回転工具に取り付けた時、該コーナー刃は刃先交換式回転工具の先端部の外周側に突出するように装着され、該コーナー刃の1端に連なる該凸形状切れ刃稜線は外周切れ刃をなし、該コーナー刃の他の端に連なる該凸形状切れ刃稜線は底刃をなす主切れ刃であって、該刃先交換式回転工具の切れ刃の最外周点及び/又は最下点が該コーナー刃上に在るように装着されていることを特徴とする刃先交換式回転工具。
  2. 請求項1記載の刃先交換式回転工具において、該刃先交換式回転工具に装着するインサートの固定方法は、インサートに設けた該ピン穴に固定ねじを挿通させることによる第1の方法と、クランプ駒を用いてインサートのすくい面を押圧することによる第2の方法とを併用したことを特徴とする刃先交換式回転工具。
  3. 請求項1又は2記載の刃先交換式回転工具において、該刃先交換式回転工具に装着するインサートの平坦部は、切れ刃稜線から後退した位置よりインサート底面側まで設けられ、該平坦部の面積Mは、該平坦部を含む逃げ面の投影面積Kとの比M/Kが、0.3≦M/K≦0.4としたことを特徴とする刃先交換式回転工具。
  4. 請求項1乃至3いずれかに記載の刃先交換式回転工具において、該刃先交換式回転工具に装着するインサートの平坦部は、切れ刃稜線から後退した位置よりインサート底面側まで設けられ、該平坦部とすくい面とのなす角度α(度)とし、すくい面と逃げ面のなす角度β(度)とした時、αとβとの差は、2≦β−α≦6としたことを特徴とする刃先交換式回転工具。
  5. 請求項1乃至4いずれかに記載の刃先交換式回転工具において、該刃先交換式回転工具に装着するインサートの凸形状切れ刃稜線は、曲線及び/又は直線からなることを特徴とする刃先交換式回転工具。
  6. 請求項1乃至5いずれかに記載の刃先交換式回転工具において、工具に装着するインサートの凸形状切れ刃稜線を円弧とみなした時の曲率半径をRとし、該インサートの内接円直径をDとした時、RとDとの比R/Dが、0.7≦R/D≦1.6としたことを特徴とする刃先交換式回転工具。
  7. 請求項1乃至6いずれかに記載の刃先交換式回転工具において、主切れ刃の最下点から外周側に向かう直線部分が、回転軸に垂直な直線となす角を切り込み角γ(度)とした時、9≦γ≦12であることを特徴とする刃先交換式回転工具。
  8. 請求項1乃至7いずれかに記載の刃先交換式回転工具において、主切れ刃の最下点から外周側に向かう直線部分の長さF(mm)を、4≦F≦7としたことを特徴とする刃先交換式回転工具。
  9. 請求項1乃至8いずれかに記載の刃先交換式回転工具において、該刃先交換式回転工具に装着するインサートのすくい面は、インサート底面側から上面方向に向かって凸形状をなし、主切れ刃の半径方向すくい角が外周側に向かうに従って連続的又は断続的に変化することを特徴とした刃先交換式回転工具。
  10. 請求項1乃至9いずれかに記載の刃先交換式回転工具において、該刃先交換式回転工具に装着するインサートの数は、2以上、7以下であり、該刃先交換式回転工具の工具直径H(mm)は25≦H≦125であることを特徴とする刃先交換式回転工具。
  11. 請求項1記載の刃先交換式回転工具において、該刃先交換式回転工具に装着するインサートは、切れ刃稜線に沿ってブレーカー状のすくい溝を設けた事を特徴とした刃先交換式回転工具。
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