JP2005168162A - コンバータ - Google Patents
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Abstract
【課題】瞬時電圧変動を抑制し、高精度な所望の直流電力を出力することが可能なコンバータを得る。
【解決手段】供給された電力の電力変換行う電力変換部11と、電力変換された前記電力を平滑化する平滑フィルタ12と、平滑化された電力の電圧を検出する電圧検出器8と、電圧検出器8からの出力電圧が所望の電圧値になるように、電力変換部11内のスイッチング素子の通流率を制御するためのパルス信号を出力する制御部17とを備えている。制御部17は、電圧検出器8からの出力電圧が所望の電圧値よりも過電圧になり過ぎないように、当該出力電圧が第1所定電圧まで上昇したときに、電力供給を一時停止するとともに、電力供給停止中に、電圧検出器8からの出力電圧が所望の電圧値よりも低電圧になり過ぎないように、当該出力電圧が第2所定電圧まで低下したときに、電力供給を再開する。
【選択図】図2
【解決手段】供給された電力の電力変換行う電力変換部11と、電力変換された前記電力を平滑化する平滑フィルタ12と、平滑化された電力の電圧を検出する電圧検出器8と、電圧検出器8からの出力電圧が所望の電圧値になるように、電力変換部11内のスイッチング素子の通流率を制御するためのパルス信号を出力する制御部17とを備えている。制御部17は、電圧検出器8からの出力電圧が所望の電圧値よりも過電圧になり過ぎないように、当該出力電圧が第1所定電圧まで上昇したときに、電力供給を一時停止するとともに、電力供給停止中に、電圧検出器8からの出力電圧が所望の電圧値よりも低電圧になり過ぎないように、当該出力電圧が第2所定電圧まで低下したときに、電力供給を再開する。
【選択図】図2
Description
この発明はコンバータに関し、特に、電力変換を一時的に停止・再開させることで出力電圧の瞬時電圧変動を防ぎ、出力側に所望の直流電圧を供給する、DC/DCコンバータまたはAC/DCコンバータに関するものである。
従来の電気車両用DC/DCコンバータのシステム構成においては、マイコンから発生させた出力電圧基準と出力電圧検出値とを比較し、出力電圧が電圧基準に一致するようにスイッチング素子の通流率を制御している(例えば、非特許文献1参照。)。
上記非特許文献1に記載されている国内向けの出力電圧仕様は、変動範囲が±10%まで許容されている。一般に、海外の仕様では電圧変動範囲が±1%前後しかなく国内仕様と比べると高精度が要求される。よって、海外仕様を満たす高精度なコンバータ装置を実現するためには、瞬時電圧変動に対して、スイッチング周波数を上げて制御応答を速めたり、平滑コンデンサの容量を大きくしたり、過電圧防止用ハードウェアを追加したりするなどの対応を必要とした。
澤野英二、他6名、「IGBTを用いた高周波リンク方式DC/DCコンバータ装置」、平成7年電気学会全国大会講演論文集、1995年
従来の方法では瞬時電圧変動に対し、スイッチング周波数を上げることで、制御応答を速めたり、平滑コンデンサの容量を大きくして電圧変動の影響を緩和したり、過電圧防止用ハードウェアの追加をしたりすることで、高精度な仕様に対応しなければならず、装置が大型化するとともに、コストが高くなるという問題点があった。
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、スイッチング周波数を上げることなく、かつ、平滑コンデンサの大容量化、過電圧防止用ハードウェアの追加による装置の大型化およびコストアップもなく、瞬時電圧変動を抑制し、高精度な所望の直流電力を出力することが可能なコンバータを得ることを目的としている。
この発明は、供給された電力の電力変換をスイッチング素子により行う電力変換手段と、前記電力変換手段により電力変換された前記電力を平滑化する平滑フィルタと、前記平滑フィルタから出力される前記電力の電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段により検出された出力電圧が所望の電圧値になるように、前記スイッチング素子における供給電力の通流率を制御するためのパルス信号を出力する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記出力電圧が前記所望の電圧値よりも所定の第1許容範囲を超えた過電圧にならないように、前記出力電圧が予め設定された第1所定電圧まで上昇したときに、電力供給を停止するコンバータである。
この発明によれば、以上のように構成されているので、制御手段により、出力電圧が所望の電圧値より過電圧になり過ぎないように、一時的に電力供給を停止されることができるので、スイッチング周波数を上げて制御応答を上げることなく、かつ、平滑コンデンサの大容量化、過電圧防止用ハードウェアの追加による装置の大型化もなく、制御手段の動作により瞬時電圧変動の抑制ができ、高精度な所望の直流電力を供給できる効果がある。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1におけるコンバータの構成を示した図である。図1の例は、この発明のコンバータを電気車両用DC/DCコンバータに適用させたものであり、図2は、当該コンバータに設けられたマイコンの動作を示すフローチャートである。
図1は、この発明の実施の形態1におけるコンバータの構成を示した図である。図1の例は、この発明のコンバータを電気車両用DC/DCコンバータに適用させたものであり、図2は、当該コンバータに設けられたマイコンの動作を示すフローチャートである。
図1において、DC/DCコンバータ18は、電圧検出器8、電力変換部11、平滑フィルタ12、制御部17とから構成される。DC/DCコンバータ18は、架線1からパンタグラフ2を介して得た直流電力をDC/DC変換して、バッテリ負荷9及び電気負荷10から構成される負荷部13へ直流電力を供給するものである。
電力変換部11は、インバータ3、トランス4及び整流器5から構成される。インバータ3のスイッチング素子は例えばIGBTから構成され、制御部17からのゲートパルスにより制御され、架線1から与えられる直流電力をパンタグラフ2を介して取り入れて、DC/AC変換する。トランス4は、インバータ3が変換した交流電力をAC/AC変換する。整流器5は、トランス4が変換した交流電力をAC/DC変換する。
平滑フィルタ12は、平滑リアクトル6と平滑コンデンサ7から構成され、電力変換部11で変換されたリップルの多い直流電力を平滑化する。
電圧検出器8は出力電圧を検出し、制御部17の演算部15とマイコン16へ電圧検出値を伝達する。なお、演算部15は、アナログ回路等から構成するようにしてもよく、あるいは、ソフトウエアにより構成するようにしてもよい。
制御部17は、ゲートパルス発生回路14、演算部15、マイコン16から構成される。マイコン16は、出力電圧が所望の電圧になるように、電圧基準を出力する。演算部15は、電圧検出値と電圧基準とを比較し、この2値が一致するように電力変換させるためのスイッチング素子における供給電力の通流率を演算する。ゲートパルス発生回路14は、当該通流率分のゲートパルスを発生させる。
図2のフローチャートを参照しながら、マイコン16の動作についてさらに詳しく説明する。まず、電圧検出器8から出力される出力電圧(電圧検出値)の値をステップS1において読み込む。次に、ステップS2において、電圧基準の出力動作の継続・停止状態を判断する。
ステップS2において、電圧基準の出力動作が継続中であり、ステップS3において、電圧検出器8からの出力電圧が、予め設定された第1所定値未満であると判断されれば、ステップS4において引き続き、電圧基準を出力する。
逆に、ステップS2において、電圧基準の出力動作は継続中であるが、ステップS3において、電圧検出器8からの出力電圧が、上述の第1所定値以上と判断されば、ステップS5において、電圧基準の出力動作を停止させて、電力供給を停止させる。これは、すなわち、電圧検出器8からの出力電圧が所望の電圧値より過電圧になり過ぎないように(すなわち、所定の許容範囲を超えた過電圧にならないように)、第1所定電圧まで出力電圧が上昇したときに、電力供給を一時的に停止させるためである。
また、ステップS2において、電圧基準の出力動作が停止中であり、ステップS6において、電圧検出器8からの出力電圧が、予め設定された第2所定値以上と判断されれば、処理はそのまま終了し、電圧基準の出力動作は停止させたままとなる。
逆に、ステップS2において、電圧基準の出力動作は停止中であるが、ステップS6において、電圧検出器8からの出力電圧が、上述の第2所定値未満であると判断されれば、ステップS7において、電圧基準の出力動作を再開させ、ステップS4において、電圧基準を出力する。これは、すなわち、電圧基準の発生停止中に、出力電圧が所望の電圧値より低電圧になり過ぎないように(すなわち、所定の許容範囲を超えた低電圧にならないように)、第2所定電圧まで出力電圧が低下したときに、電力供給を再開させるためである。
なお、第1所定値と第2所定値との関係は、第2所定値<第1所定値の関係を満たしている。また、第1の所定値および第2の所定値は、所望の電圧値からの許容される変動範囲であるため、国内仕様であれば±10%の範囲で適宜設定され、海外仕様であれば±1%の範囲で適宜設定される。
この発明においては、電圧基準を出力しない場合に、すなわち、電圧基準が0Vの場合には、演算部15が、電圧検出器8からの出力電圧と、(本来所望の電圧を出力させる値であるはずの)電圧基準とを比較すると、出力電圧が所望の電圧値を大幅に超えていると判断するため、供給電力を急激に絞りこむ制御を行い、低い電圧をインバータ3が電力変換するよう指令する。しかしながら、実際の出力電圧より演算部15が電力変換指令した電圧が低い場合は、電力変換部11から平滑フィルタ12および負荷部13への電力供給は行えず、電力供給を停止することになる。
このように、この発明においては、電力供給を一時的に停止させることができるので、瞬時電圧変動に対する抑制機能が果たせ、高精度な所望の直流電力を供給できる効果をもつ。また、この発明においては、マイコンの動作により電力供給の制御を実現できるので、スイッチング周波数を上げて制御応答を上げたり、ハードウェアを大型化したり、過電圧防止用ハードウェアの追加のためのコストアップ等の必要がないという利点がある。
さらに、マイコン16が電圧基準の出力を再開させることができるので、電力供給を容易に再開することができる。よって、出力電圧が低下しすぎるのを防ぎ、出力側に高精度な所望の直流電力を供給できる効果がある。
実施の形態2.
図3に、上述の実施の形態1で示した電力変換部11の他の構成図を示す。本実施の形態における電力変換部11は、図1におけるインバータ3とトランス4と整流器5という構成ではなく、図3に示すように、スイッチング素子GTO26とダイオード27とで構成するチョッパである。本実施の形態における電力変換部11においても、実施の形態1と同様のDC/DC変換を行うことができ、マイコン16の動作は、図3に示した本実施の形態の電力変換部11に対しても、図2と同様の制御効果を奏する。
図3に、上述の実施の形態1で示した電力変換部11の他の構成図を示す。本実施の形態における電力変換部11は、図1におけるインバータ3とトランス4と整流器5という構成ではなく、図3に示すように、スイッチング素子GTO26とダイオード27とで構成するチョッパである。本実施の形態における電力変換部11においても、実施の形態1と同様のDC/DC変換を行うことができ、マイコン16の動作は、図3に示した本実施の形態の電力変換部11に対しても、図2と同様の制御効果を奏する。
実施の形態3.
図4は、この発明の実施の形態3におけるコンバータの構成を示した図である。図3の例は、この発明のコンバータをAC/DCコンバータに適用させたものであり、当該コンバータに設けられたマイコンの動作を示すフローチャートは図2と同じであるため、図2を参照されたい。AC/DCコンバータ31は、電圧検出器8、電力変換部11、平滑フィルタ12および制御部17から構成され、交流電圧源28からスイッチ29を介して交流電力を取り入れ、AC/DC変換して所望の直流電力を出力するものである。
図4は、この発明の実施の形態3におけるコンバータの構成を示した図である。図3の例は、この発明のコンバータをAC/DCコンバータに適用させたものであり、当該コンバータに設けられたマイコンの動作を示すフローチャートは図2と同じであるため、図2を参照されたい。AC/DCコンバータ31は、電圧検出器8、電力変換部11、平滑フィルタ12および制御部17から構成され、交流電圧源28からスイッチ29を介して交流電力を取り入れ、AC/DC変換して所望の直流電力を出力するものである。
電力変換部11は、スイッチング素子MOSFETを用いる整流器30のみで構成される。当該スイッチング素子は、制御部17により制御され、交流電圧源28から交流電力を取り入れ、AC/DC変換する。平滑フィルタ12、電圧検出器8および制御部17の構成および動作は、実施の形態1と同じであるため、図1を参照し、ここでは、その説明は省略する。制御部17内に設けられているマイコン16(図1参照)の動作は、図4の電圧変換部11に対しても、実施の形態1と同様の制御効果を奏する。
以上のように、本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、電力供給を一時的に停止させることができるので、瞬時電圧変動に対する抑制機能が果たせ、高精度な所望の直流電力を供給できる効果をもつ。また、この発明においては、マイコンの動作により電力供給の制御を実現できるので、スイッチング周波数を上げて制御応答を上げたり、ハードウェアを大型化したり、過電圧防止用ハードウェアの追加のためのコストアップ等の必要がないという利点がある。
さらに、マイコン16が電圧基準の出力を再開させることができるので、電力供給を容易に再開することができる。よって、出力電圧が低下しすぎるのを防ぎ、出力側に高精度な所望の直流電力を供給できる効果がある。
実施の形態4.
上記実施の形態1および2では、電気車両用のDC/DCコンバータの制御について説明したが、バッテリ充電機器用でもよく、その場合も、上記実施の形態1および2と同様の制御効果を奏する。バッテリ充電機器用の場合、図1および図3における電力変換部11のスイッチング素子が、MOSFETやサイリスタやトランジスタでも同様の効果を奏する。
上記実施の形態1および2では、電気車両用のDC/DCコンバータの制御について説明したが、バッテリ充電機器用でもよく、その場合も、上記実施の形態1および2と同様の制御効果を奏する。バッテリ充電機器用の場合、図1および図3における電力変換部11のスイッチング素子が、MOSFETやサイリスタやトランジスタでも同様の効果を奏する。
実施の形態5.
実施の形態3では、スイッチング素子としてMOSFETを用いたが、IGBTやサイリスタやトランジスタでも同様の制御効果を奏する。
実施の形態3では、スイッチング素子としてMOSFETを用いたが、IGBTやサイリスタやトランジスタでも同様の制御効果を奏する。
1 架線、2 パンタグラフ、3 インバータ、4 トランス、5 整流器、6 平滑リアクトル、7 平滑コンデンサ、8 電圧検出器、9 バッテリ負荷、10 電気負荷、11 電力変換部、12 平滑フィルタ、13 負荷部、14 ゲートパルス発生回路、15 演算部、16 マイコン、17 制御部、18 DC/DCコンバータ、26 スイッチング素子、27 ダイオード、28 交流電圧源、29 スイッチ、30 整流器、31 AC/DCコンバータ。
Claims (4)
- 供給された電力の電力変換をスイッチング素子により行う電力変換手段と、
前記電力変換手段により電力変換された前記電力を平滑化する平滑フィルタと、
前記平滑フィルタから出力される前記電力の電圧を検出する電圧検出手段と、
前記電圧検出手段により検出された出力電圧が所望の電圧値になるように、前記スイッチング素子における供給電力の通流率を制御するためのパルス信号を出力する制御手段と
を備え、
前記制御手段は、前記出力電圧が前記所望の電圧値よりも所定の第1許容範囲を超えた過電圧にならないように、前記出力電圧が予め設定された第1所定電圧まで上昇したときに、電力供給を停止する
ことを特徴とするコンバータ。 - 前記制御手段は、前記スイッチング素子における供給電力の通流率を制御するための電圧基準の出力停止中に、前記出力電圧が前記所望の電圧値よりも所定の第2許容範囲を超えた低電圧にならないように、前記出力電圧が予め設定された第2所定電圧(<第1所定電圧)まで低下したときに、電力供給を再開する
ことを特徴とする請求項1に記載のコンバータ。 - 前記電力変換手段による前記電力変換は、DC/DC変換であることを特徴とする請求項1または2に記載のコンバータ。
- 前記電力変換手段による前記電力変換は、AC/DC変換であることを特徴とする請求項1または2に記載のコンバータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003402937A JP2005168162A (ja) | 2003-12-02 | 2003-12-02 | コンバータ |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011229333A (ja) * | 2010-04-22 | 2011-11-10 | Mitsubishi Electric Corp | 車両用駆動電源装置 |
JP2013138607A (ja) * | 2013-04-03 | 2013-07-11 | Mitsubishi Electric Corp | 車両用駆動電源装置 |
JP2014171385A (ja) * | 2014-04-16 | 2014-09-18 | Mitsubishi Electric Corp | 車両用駆動電源装置 |
-
2003
- 2003-12-02 JP JP2003402937A patent/JP2005168162A/ja active Pending
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