JP2005164310A - 転がり軸受ユニットの荷重測定装置 - Google Patents

転がり軸受ユニットの荷重測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 荷重測定の為に使用する公転速度検出用センサ24a、24bや回転速度検出用センサ15a等、プリント基板28に実装した電子部品等の損傷を防止する。
【解決手段】 上記各センサ24a、24b、15a等の電子部品並びにハンダ付け部を、軟らかい被覆材37により覆う。そして、この被覆材37を含めて、硬質合成樹脂製のホルダ32内に包埋する。温度変化に伴ってこのホルダ32と上記プリント基板28との寸法変化が生じた場合に、上記被覆材37がこの変化分を吸収し、上記電子部品並びにハンダ付け部に無理な力が加わる事を防止し、上記課題を解決する。
【選択図】 図2

Description

この発明に係る転がり軸受ユニットの荷重測定装置は、例えば自動車、鉄道車両、各種搬送車等の移動体の車輪を支持する為の転がり軸受ユニットの改良に関し、この転がり軸受ユニットに負荷される荷重(ラジアル荷重とアキシアル荷重との一方又は双方)を測定し、上記移動体の運行の安定性確保を図る為に利用する。
例えば自動車の車輪は懸架装置に対し、複列アンギュラ型の転がり軸受ユニットにより回転自在に支持する。又、自動車の走行安定性を確保する為に、アンチロックブレーキシステム(ABS)やトラクションコントロールシステム(TCS)、更にはビークルスタビリティコントロールシステム(VSC)等の車両用走行安定装置が使用されている。この様な各種車両用走行安定装置を制御する為には、車輪の回転速度、車体に加わる各方向の加速度等の信号が必要になる。そして、より高度の制御を行なう為には、車輪を介して上記転がり軸受ユニットに加わる荷重(ラジアル荷重とアキシアル荷重との一方又は双方)の大きさを知る事が好ましい場合がある。
この様な事情に鑑みて、特許文献1には、ラジアル荷重を測定自在な、荷重測定装置付転がり軸受ユニットが記載されている。この従来の第1例の荷重測定装置付転がり軸受ユニットは、ラジアル荷重を測定するもので、図6に示す様に構成している。懸架装置に支持される、外輪相当部材であり使用時にも回転しない外輪1の内径側に、車輪を結合固定する、内輪相当部材であり使用時に回転するハブ2を支持している。このハブ2は、車輪を固定する為の回転側フランジ3をその外端部(車両への組み付け状態で幅方向外側となる端部)に有するハブ本体4と、このハブ本体4の内端部(車両への組み付け状態で幅方向中央側となる端部)に外嵌されてナット5により抑え付けられた内輪6とを備える。そして、上記外輪1の内周面に形成した複列の外輪軌道7、7と、上記ハブ2の外周面に形成した複列の内輪軌道8、8との間に、それぞれ複数個ずつの転動体9a、9bを配置して、上記外輪1の内径側での上記ハブ2の回転を自在としている。
又、上記外輪1の軸方向中間部で複列の外輪軌道7、7の間部分に、この外輪1を直径方向に貫通する取付孔10を、この外輪1の上端部にほぼ鉛直方向に形成している。そして、この取付孔10内に、荷重測定用のセンサである、円杆状(棒状)の変位センサ11を装着している。この変位センサ11は非接触式で、先端面(下端面)に設けた検出面は、ハブ2の軸方向中間部に外嵌固定したセンサリング12の外周面に近接対向させている。上記変位センサ11は、上記検出面と上記センサリング12の外周面との距離が変化した場合に、その変化量に対応した信号を出力する。
上述の様に構成する従来の荷重測定装置付転がり軸受ユニットの場合には、上記変位センサ11の検出信号に基づいて、転がり軸受ユニットに加わる荷重を求める事ができる。即ち、車両の懸架装置に支持した上記外輪1は、この車両の重量により下方に押されるのに対して、車輪を支持固定したハブ2は、そのままの位置に止まろうとする。この為、上記重量が嵩む程、上記外輪1やハブ2、並びに転動体9a、9bの弾性変形に基づいて、これら外輪1の中心とハブ2の中心とのずれが大きくなる。そして、この外輪1の上端部に設けた、上記変位センサ11の検出面と上記センサリング12の外周面との距離は、上記重量が嵩む程短くなる。そこで、上記変位センサ11の検出信号を制御器に送れば、予め実験等により求めた関係式或はマップ等から、当該変位センサ11を組み込んだ転がり軸受ユニットに加わるラジアル荷重を求める事ができる。この様にして求めた、各転がり軸受ユニットに加わる荷重に基づいて、ABSを適正に制御する他、積載状態の不良を運転者に知らせる。
尚、図6に示した従来構造は、上記転がり軸受ユニットに加わる荷重に加えて、上記ハブ2の回転速度も検出自在としている。この為に、前記内輪6の内端部にセンサロータ13を外嵌固定すると共に、上記外輪1の内端開口部に被着したカバー14に回転速度検出用センサ15を支持している。そして、この回転速度検出用センサ15の検知部を、上記センサロータ13の被検出部に、検出隙間を介して対向させている。
上述の様な回転速度検出装置を組み込んだ転がり軸受ユニットの使用時、車輪を固定したハブ2と共に上記センサロータ13が回転し、このセンサロータ13の被検知部が上記回転速度検出用センサ15の検知部の近傍を走行すると、この回転速度検出用センサ15の出力が変化する。この様にして回転速度検出用センサ15の出力が変化する周波数は、上記車輪の回転数に比例する。従って、この回転速度検出用センサ15の出力信号を図示しない制御器に送れば、ABSやTCSを適切に制御できる。
上述の様な従来構造の第1例の荷重測定装置付転がり軸受ユニットは、転がり軸受ユニットに加わるラジアル荷重を測定する為のものであるが、転がり軸受ユニットに加わるアキシアル荷重を測定する構造も、特許文献2等に記載されて、従来から知られている。図7は、この特許文献2に記載された、アキシアル荷重を測定する為の荷重測定装置付転がり軸受ユニットを示している。この従来構造の第2例の場合、内輪相当部材であり使用時に回転するハブ2aの外端部外周面に、車輪を支持する為の回転側フランジ3aを固設している。又、外輪相当部材であり使用時にも回転しない外輪1aの外周面に、この外輪1aを懸架装置を構成するナックル16に支持固定する為の、固定側フランジ17を固設している。そして、上記外輪1aの内周面に形成した複列の外輪軌道7、7と、上記ハブ2aの外周面に形成した複列の内輪軌道8、8との間に、それぞれ複数個ずつの転動体9a、9bを転動自在に設ける事により、上記外輪1aの内径側に上記ハブ2aを回転自在に支持している。
更に、上記固定側フランジ17の内側面複数個所で、この固定側フランジ17を上記ナックル16に結合する為のボルト18を螺合する為のねじ孔19を囲む部分に、それぞれ荷重センサ20を添設している。上記外輪1aを上記ナックル16に支持固定した状態でこれら各荷重センサ20は、このナックル16の外側面と上記固定側フランジ17の内側面との間で挟持される。
この様な従来構造の第2例の転がり軸受ユニットの荷重測定装置の場合、図示しない車輪と上記ナックル16との間にアキシアル荷重が加わると、上記ナックル16の外側面と上記固定側フランジ17の内側面とが、上記各荷重センサ20を、軸方向両面から強く押し付け合う。従って、これら各荷重センサ20の測定値を合計する事で、上記車輪と上記ナックル16との間に加わるアキシアル荷重を求める事ができる。又、図示はしないが、特許文献3には、一部の剛性を低くした外輪相当部材の振動周波数から転動体の公転速度を求め、更に、転がり軸受に加わるアキシアル荷重を測定する方法が記載されている。
前述の図6に示した従来構造の第1例の場合、変位センサ11により、外輪1とハブ2との径方向に関する変位を測定する事で、転がり軸受ユニットに加わる荷重を測定する。但し、この径方向に関する変位量は僅かである為、この荷重を精度良く求める為には、上記変位センサ11として、高精度のものを使用する必要がある。高精度の非接触式センサは高価である為、荷重測定装置付転がり軸受ユニット全体としてコストが嵩む事が避けられない。
又、上述の図7に示した従来構造の第2例の場合、ナックル16に対し外輪1aを支持固定する為のボルト18と同数だけ、荷重センサ20を設ける必要がある。この為、荷重センサ20自体が高価である事と相まって、転がり軸受ユニットの荷重測定装置全体としてのコストが相当に嵩む事が避けられない。又、特許文献3に記載された方法は、外輪相当部材の一部の剛性を低くする必要があり、この外輪相当部材の耐久性確保が難しくなる可能性がある。
この様な事情に鑑みて本発明者等は先に、転がり軸受ユニットを構成する転動体(玉)の公転速度に基づいて、この転がり軸受ユニットに加わるラジアル荷重又はアキシアル荷重を測定する、転がり軸受ユニットの荷重測定装置に関する発明を行なった(特願2003−171715号、172483号)。この先発明の転がり軸受ユニットの荷重測定装置を実施する場合、少なくとも1個の公転速度検出用センサが必要であり、荷重の測定精度をより高める為には、1対の公転速度検出用センサと1個の回転速度検出用センサとの、合計3個の速度検出用センサが必要になる。
この様な1乃至3個の速度検出用センサを転がり軸受ユニットに組み付けて上記荷重測定装置を構成する場合、センサユニットとしてこの転がり軸受ユニットの構成部品への装着作業を容易に行なえる様にする事が好ましい。この為には、速度検出用センサを基板上に電子部品を実装する事で構成し、更にこれら速度検出用センサ及び基板をホルダ内に包埋して、センサユニットとする事が考えられる。このホルダの材質としては、エポキシ樹脂等の、耐油性(耐グリース性)を有する各種硬質合成樹脂が使用可能である。
上記速度検出用センサと上記基板と上記ホルダとを組み合わせて上記センサユニットを構成した場合、これら基板とホルダとの寸法変化の相違に基づいて、そのままでは十分な耐久性を得られない可能性がある。即ち、上記速度検出用センサと上記基板とを設置した上記センサユニットの先端部が位置する、転がり軸受ユニットの内部空間の温度は、外気温度に応じて変化する他、この転がり軸受ユニットの運転/停止の繰り返し、走行速度や制動装置から伝わる熱等によっても変動する。そして、この変動に伴って上記基板と上記ホルダとが、膨張と収縮とを繰り返す。これら基板とホルダとの膨張/収縮量が同じであれば問題を生じる事はないが、上記内部空間からの熱の伝わり方の相違、並びに線膨張率の相違に基づき、上記基板と上記ホルダとの膨張/収縮量が相違する事は避けられない。例えば、温度上昇時には、上記内部空間に露出している為に温度上昇が早く、しかも線膨張率が大きい合成樹脂製のホルダの膨張量が、このホルダに包埋されている為に温度上昇が遅く、しかも例えば金属により造られている為線膨張率が比較的小さい基板の膨張量よりも多くなる。この様に、上記基板と上記ホルダとの膨張/収縮量が相違すると、この基板上に実装された、上記速度検出用センサ、或はハンダ付部に、この基板の面方向の力が繰り返し加わる。この結果、長期間に亙る使用に伴い、これら速度検出用センサやハンダ付部が損傷する可能性がある。
特開2001−21577号公報 特開平3−209016号公報 特公昭62−3365号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、センサユニットを構成するホルダ内に包埋した電子部品やハンダ付部の損傷を防止して、長期間に亙る使用によっても、十分な信頼性を確保できる転がり軸受ユニットの荷重測定装置を実現すべく発明したものである。
本発明の転がり軸受ユニットの荷重測定装置は、外輪相当部材と、内輪相当部材と、複数個の転動体と、公転速度検出用センサと、演算器とを備える。
このうちの外輪相当部材は、内周面に外輪軌道を有する。
又、上記内輪相当部材は、上記外輪相当部材の内径側にこの外輪相当部材と同心に配置されたもので、外周面に内輪軌道を有する。
又、上記各転動体は、この内輪軌道と上記外輪軌道との間に、接触角を付与した状態で設けられている。
又、上記公転速度検出用センサは、上記各転動体の公転速度を検出する為のものである。
更に、上記演算器は、上記公転速度検出用センサから送り込まれる検出信号に基づいて、上記外輪相当部材と上記内輪相当部材との間に加わる荷重を算出する。
そして、上記公転速度検出用センサは基板上に電子部品を実装され、更に軟質の被覆材により覆われた状態でホルダ内に包埋されている。
上述の様に構成する本発明の転がり軸受ユニットの荷重測定装置によれば、センサユニットを構成するホルダ内に包埋した電子部品やハンダ付部の損傷を防止して、長期間に亙る使用によっても、十分な信頼性を確保できる転がり軸受ユニットの荷重測定装置を実現できる。即ち、温度変化に伴って前述の様に、基板とホルダとの寸法関係が変化し、この基板上に固定された公転速度検出用センサに対してホルダが、この基板の面方向に変化すると、この公転速度検出用センサを覆った軟質の被覆材が、上記公転速度検出用センサと上記ホルダとの間で変形する。上記寸法変化の絶対値は小さく、上記被覆材を変形させる為に要する力は小さくて済む為、上記公転速度検出用センサ、並びにこの公転速度検出用センサを上記基板に固定しているハンダ付部に大きな力が作用する事はない。この結果、この公転速度検出用センサが変形或は破損したり、上記ハンダ付部が剥れたりする損傷が発生しにくくなる。
本発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した様に、使用時にも回転しない外輪相当部材の内周面に設けた複列の外輪軌道と、使用時に回転する内輪相当部材の外周面に設けた複列の内輪軌道との間に、それぞれ複数個ずつの転動体を、1対の列同士の間で接触角の方向を互いに逆にして転動自在に設ける。又、これら各列の転動体の公転速度をそれぞれ検出する、1対の公転速度検出用センサと、上記内輪相当部材の回転速度を検出する回転速度検出用センサとを備える。又、これら3個の速度検出用センサを、互いに間隔をあけて配置された1対の基板部同士を連結部により互いに連結して一体とした、三次元構造を有するプリント基板に実装し、それぞれ被覆材により覆われた状態で硬質合成樹脂製のホルダ内に包埋してセンサユニットとする。更に、このセンサユニットを上記外輪相当部材の軸方向中間部で上記複列の外輪軌道の間部分に形成した取付孔に挿通する事により、上記センサユニットの先端部で上記3個の速度検出用センサを設けた部分を、複列に配置した上記各転動体の間部分に位置させる。そして、このうちの1対の公転速度検出用センサの検出部を上記各列の転動体を保持した保持器の側面に全周に亙って設けた公転速度検出用エンコーダの被検出面に対向させると共に、残りの回転速度検出用センサの検出部を、上記内輪相当部材の中間部外周面に全周に亙って設けた回転速度検出用エンコーダの被検出面に対向させる。
この様に構成すれば、転がり軸受ユニットに加わる荷重を、上記内輪相当部材の回転速度の変動に関係なく正確に求められる構造で、上記各速度検出用センサ並びにこれに付随したハンダ付部分の損傷を防止して、センサユニットの耐久性向上を図れる。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した様に、(三次元構造のプリント)基板として、MID(Molded Interconnection Device )基板とガラスエポキシ基板と金属ベース基板とのうちから選択されたものを使用する。
MID基板とは、合成樹脂等の絶縁材製の射出成形品の表面に、電気線路及び電極を形成した(三次元)電気回路である。この様なMID基板は、従来の二次元回路を多層化したものとは異なり、成形品と電気回路とを一体化したものであり、この電気回路の配置を所望通りにできる等、自由度の大きい製品設計が可能である。従って、MID基板に1対の公転速度検出用センサと回転速度検出用センサとを実装すれば、これら各速度検出用センサの組み付け作業、ハーネスとの接続作業が容易になる他、これら各速度検出用センサ同士の間でのハーネスの共通化も容易に行なえる。
又、ガラスエポキシ基板は、ガラス繊維により補強したエポキシ樹脂の表面に電気線路及び電極を形成したものである。
この様なMID基板及びガラスエポキシ基板は、ホルダとの間の熱膨張量の差を小さくできて、温度変化に伴って被覆材に加わる力を小さく抑え、この被覆材の耐久性向上を図れる。
更に、金属ベース基板は、鋼板等の金属板の表面に絶縁層を設け、この絶縁層の表面に電気線路及び電極を形成したものである。この様な金属ベース基板は、加工性が良好で、折り曲げ等の機械加工を施す事により、立体配線板(3次元基板)として使用できる。従って、上記MID基板と同様に、電気回路の配置を所望通りにできる等、自由度の大きい製品設計が可能であり、MID基板を使用した場合と同様に、各速度検出用センサの組み付け作業、ハーネスとの接続作業が容易になる他、これら各速度検出用センサ同士の間でのハーネスの共通化も容易に行なえる。しかも、上記金属ベース基板の場合は、熱伝導性が良好である為、電子部品の発熱による昇温を抑える事ができる。又、上記各速度検出用センサのうちの1対の公転速度検出用センサが、磁気変化に基づいて両列の転動体の公転速度を検出するものである場合、金属ベース基板を使用する事により、これら両列同士の間で磁気の干渉が生じる事を防止(電磁シールド性を確保)して、上記公転速度検出に関する信頼性の向上を図れる。金属ベース基板の材料は、亜鉛メッキ鋼板等の鉄系金属、アルミニウム、銅、ステンレス鋼等の何れも採用可能である。但し、磁気検知式の公転速度検出用センサを使用する場合には、上記磁気の干渉防止の面から、亜鉛メッキ鋼板等の鉄系金属製の基板を使用する事が好ましい。
又、好ましくは、請求項4に記載した様に、(三次元構造のプリント)基板が、連結部により1対の基板部の一端縁同士を連結する事で全体をコ字形としたものを使用する。
この様な形状を採用すれば、1対の転動体の列同士の間に1対の公転速度検出用センサを効率良く配置できる。
又、好ましくは、請求項5に記載した様に、被覆材をシリコン樹脂とし、ホルダをシリコン樹脂よりも硬い、エポキシ樹脂等の硬質合成樹脂製とする。
この様に構成すれば、公転速度検出用センサを含む各速度検出用センサの耐久性、信頼性を高くできる。この理由は、次の通りである。
上記ホルダ全体を軟らかい樹脂により造れば、上記各速度検出用センサやハンダ付部に大きな力が作用する事を防止できる。但し、上記ホルダ全体を軟らかい樹脂により造ると、上記基板、延いてはこの基板上に固定された上記各速度検出用センサの位置決め精度を確保できなくなるだけでなく、これら各速度検出用センサ部分で発生した熱の放散も不良になる。この理由は、シリコン樹脂等の軟らかい樹脂は熱伝導性が悪く、内部に包埋した部材の熱が外部に逃げにくくなる為である。上記各速度検出用センサ部分で発生した熱の放散が不良になり、これら各速度検出用センサの耐久性が、温度上昇に伴って損なわれる可能性がある。
これに対して、本発明の様に、軟質材は上記各速度検出用センサ部分を覆うだけにし、ホルダ全体は熱伝導性の比較的良好な、エポキシ樹脂等の硬質樹脂製とすれば、上記各速度検出用センサ部分で発生した熱の放散を効果的に行なって、これら各速度検出用センサの耐久性、信頼性を高くできる。
又、好ましくは、請求項6に記載した様に、ホルダを金属製のセンサケース内に保持する。
この様に構成すれば、センサユニットの表面を、丈夫な金属製のセンサケースにより覆えるので、このセンサユニットの耐久性をより高める事ができる。又、上記ホルダを構成する合成樹脂が、転がり軸受ユニットの内部に存在するグリースに触れる事がない為、この合成樹脂として、必ずしも耐油性を有するものを使用する必要がなくなり、材料選択の自由度が向上する。
この様な請求項6に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項7に記載した様に、上記ホルダをセンサケースの一部に設け、このセンサケースの残部は空間とする。そして、被覆材の一部をこの空間に露出させる。
或は、請求項8に記載した様に、上記センサケースの内面と公転速度検出用センサを含む各速度検出用センサとの間に、変形し易い緩衝材を設ける。
この様に構成すれば、ホルダと基板との間で被覆材を設けた部分の容積が減少した場合に、この被覆材を上記空間側に流動させて、この部分の圧力が過大に上昇する事を防止できる。そして、上記被覆材により覆われた、公転速度検出用センサを含む各速度検出用センサが、過大な圧力で損傷を受ける事を防止できる。
又、請求項9に記載した様に、被覆材そのものを、変形し易い緩衝材としての機能も備える発泡性樹脂とすれば、温度変化に伴ってこの被覆材により覆われた、公転速度検出用センサを含む速度検出用センサが、過大な圧力で損傷を受ける事を防止できる。この場合には、上記センサケースを設置するか否かは自由である。但し、センサケースを設けない場合には、変形し易い緩衝材が、合成樹脂製のホルダの表面に露出しない様にする。
更に、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項10に記載した様に、外輪相当部材と内輪相当部材とのうちの一方を自動車の懸架装置に支持固定し、同じく他方に車輪を支持固定して、この車輪に加わる荷重を求める為に使用する。
この様な状態で本発明を実施すれば、比較的低コストで構成できる構造で、自動車の車輪に加わる荷重を十分な精度で検出できて、ABS、TCS、VSC等の車両用走行安定装置の制御を効果的に行なえる。
図1〜2は、本発明の実施例を示している。本実施例は、自動車の従動輪(FR車、RR車、MR車の前輪、FF車の後輪)を支持する為の転がり軸受ユニットに加わる荷重(ラジアル荷重及びアキシアル荷重)を測定する為の転がり軸受ユニットの荷重測定装置に本発明を適用した場合に就いて示している。この転がり軸受ユニット自体の構成及び作用は、前述の図6に示した従来構造と同様であるから、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
内輪相当部材であり使用時に回転するハブ2の外周面に形成した複列アンギュラ型の内輪軌道8、8と、外輪相当部材であり使用時にも回転しない外輪1の内周面に形成した複列アンギュラ型の外輪軌道7、7との間に、それぞれ転動体(玉)9a、9bを複列(2列)に分けて、各列毎にそれぞれ複数個ずつ、保持器21a、21bにより保持した状態で転動自在に設ける事により、上記外輪1の内径側に上記ハブ2を、回転自在に支持している。この状態で上記各列の転動体9a、9bには、互いに逆方向で、且つ、同じ大きさの接触角が付与されて、背面組み合わせ型の、複列アンギュラ型玉軸受を構成する。上記各列の転動体9a、9bには、使用時に加わるアキシアル荷重によって喪失する事がない程度に十分な予圧を付与している。この様な転がり軸受ユニットの使用時には、上記外輪1を懸架装置に支持固定し、上記ハブ2の回転側フランジ3に制動用のディスクと車輪のホイールとを支持固定する。
上述の様な転がり軸受ユニットを構成する上記外輪1の軸方向中間部で上記複列の外輪軌道7、7の間部分に取付孔10aを、この外輪1を径方向に貫通する状態で形成している。そして、この取付孔10aにセンサユニット22を、上記外輪1の径方向外方から内方に挿通し、このセンサユニット22の先端部23を、上記外輪1の内周面から突出させている。この先端部23には、1対の公転速度検出用センサ24a、24bと、1個の回転速度検出用センサ15aとを設けている。本実施例の場合、これら各速度検出用センサ24a、24b、15aの検出部を、それぞれホールICにより構成している。
このうちの各公転速度検出用センサ24a、24bは、上記複列に配置された転動体9a、9bの公転速度を測定する為のもので、上記先端部23のうち、上記ハブ2の軸方向(図1〜2の左右方向)に関する両側面に、それぞれの検出面を配置している。本例の場合、上記各公転速度検出用センサ24a、24bは、上記複列に配置された各転動体9a、9bの公転速度を、前記各保持器21a、21bの回転速度として検出する。この為に本例の場合には、これら各保持器21a、21bを構成するリム部25、25を、互いに対向する側に配置している。そして、これら各リム部25、25の互いに対向する面に、それぞれが円輪状である公転速度検出用エンコーダ26a、26bを、全周に亙り添着支持している。これら各エンコーダ26a、26bの被検出面の特性は、円周方向に関して交互に且つ等間隔で変化させて、上記各保持器21a、21bの回転速度を上記各公転速度検出用センサ24a、24bにより検出自在としている。本実施例の場合、上記各公転速度検出用エンコーダ26a、26bとして、被検出面である軸方向片側面に、S極とN極とを交互に配置した、永久磁石を使用している。
この為に、これら各公転速度検出用センサ24a、24bの検出面を、上記各公転速度検出用エンコーダ26a、26bの被検出面である、互いに対向する面に近接対向させている。尚、これら各公転速度検出用エンコーダ26a、26bの被検出面と上記各公転速度検出用センサ24a、24bの検出面との距離(検出隙間)は、上記各保持器21a、21bのポケットの内面と上記各転動体9a、9bの転動面との間の隙間であるポケット隙間よりも大きく、2mm以下とする事が好ましい。上記検出隙間がポケット隙間以下になると、上記各保持器21a、21bがこのポケット隙間分変位した場合に、上記被検出面と上記検出面とが擦れ合う可能性を生じる為、好ましくない。反対に、上記検出隙間が2mmを越えると、上記各公転速度検出用センサ24a、24bにより上記各公転速度検出用エンコーダ26a、26bの回転を正確に測定する事が難しくなる。
一方、前記回転速度検出用センサ15aは、前記ハブ2の回転速度を測定する為のもので、上記先端部23の先端面、即ち、上記外輪1の径方向内端面に、その検出面を配置している。又、上記ハブ2の中間部で前記複列の内輪軌道8、8同士の間に、円筒状の回転速度検出用エンコーダ27を外嵌固定している。上記回転速度検出用センサ15aの検出面は、この回転速度検出用エンコーダ27の被検出面である、外周面に対向させている。この回転速度検出用エンコーダ27の被検出面の特性は、円周方向に関して交互に且つ等間隔で変化させて、上記ハブ2の回転速度を上記回転速度検出用センサ15aにより検出自在としている。上記回転速度検出用エンコーダ27の外周面と上記回転速度検出用センサ15aの検出面との間の測定隙間に関しても、2mm以下に抑える。本実施例の場合、上記回転速度検出用エンコーダ27として、被検出面である外周面に、S極とN極とを交互に配置した、永久磁石を使用している。
尚、上記各エンコーダ26a、26b、27としては、従来からABSやTCSの制御用の信号を得るべく、車輪の回転速度を検出する為に利用していた各種構造のものを使用できる。例えば、上記各エンコーダ26a、26b、27として、被検出面(側面又は外周面)にN極とS極とを交互に且つ等間隔に配置した、多極磁石製のものが、好ましく使用できる。一方、何れも回転速度を検出するセンサである、上記各公転速度検出用センサ24a、24b及び上記回転速度検出用センサ15aとしては、磁気式のセンサが、好ましく使用できる。又、この磁気式のセンサとしては、ホール素子、ホールIC、磁気抵抗素子(MR素子、GMR素子)、MI素子等の磁気検出素子を組み込んだアクティブ型のものが、好ましく使用できる。又、この様な磁気検出素子は、ICパッケージ化する事が好ましいが、この場合のICパッケージは、SMTでもリード型でも良い。この様な磁気検出素子を組み込んだアクティブ型のセンサを構成するには、例えば、この磁気検出素子の一側面を、直接又は磁性材製のステータを介して永久磁石の着磁方向一端面に突き当て(磁性材製のエンコーダを使用する場合)、上記磁気検出素子の他側面を、直接又は磁性材製のステータを介して、上記各エンコーダ26a、26b、27の被検出面に対向させる。尚、本例の場合、永久磁石製のエンコーダを使用するので、センサ側の永久磁石は不要である。この様な、上記各速度検出用センサ24a、24b、15aの出力信号は、上記各エンコーダ26a、26b、27の回転速度に比例した周波数で変化する。
上記各エンコーダ26a、26b、27として何れの型式のものを採用し、上記各センサ24a、24b、15aとして何れの型式のものを採用するかに拘らず、本実施例の場合には、これら各センサ24a、24b、15aを、図2に示す様に、三次元構造のプリント基板28に実装している。このプリント基板28は、MID基板とガラスエポキシ基板と金属ベース基板とのうちから選択されたものであり、全体をコ字形として一体に造られている。即ち、上記プリント基板28は、間隔をあけて互いに平行に配置された1対の基板部29a、29bと、これら両基板部29a、29bの一端縁同士を互いに連結する連結部30とを備える。この様なプリント基板28のうち、上記両基板部29a、29b及びこの連結部30の表面を含めた部分の表面には、銅等の金属箔により、電気線路及び電極を形成して、三次元電気回路を構成している。
上記各センサ24a、24b、15aのうち、1対の公転速度検出用センサ24a、24bは、上記両基板部29a、29bの外側面(互いに反対側の側面)の一端寄り部分に実装している。又、回転速度検出用センサ15aも、上記連結部30の外側面(上記両基板部29a、29bの折れ曲がり方向とは逆側の面)の中央部に実装している。即ち、上記各センサ24a、24b、15a毎に複数の端子を、上記電気線路の一部にハンダ付する事で、これら各センサ24a、24b、15aを上記プリント基板28に結合固定している。又、これら各センサ24a、24b、15aの端子と導通した上記各電気線路の端部は、一方(図2の右方)の基板部29bの他端部(図2の上端部)に達している。更に、この基板部29bの他端部及び上記各電気線路の端部の互いに整合する部分には、この基板部29bの厚さ方向に貫通する貫通孔(スルーホール)を、複数個形成している。
この様な貫通孔には、上記各センサ24a、24b、15aに電力を供給したり、或はこれら各センサ24a、24b、15aの検出信号を取り出す為の、複数本のハーネス31、31の導線の端部を挿通している。そして、これら各ハーネス31、31の導線の端部と上記各電気線路の端部とをハンダ付する事により、上記各センサ24a、24b、15aへの電力供給と、これら各センサ24a、24b、15aの検出信号の取り出しとを自在としている。
上述の様にして上記各センサ24a、24b、15aを実装した、上記プリント基板28は、エポキシ樹脂等の合成樹脂製のホルダ32の先端部分に包埋支持して、前記センサユニット22とする。このセンサユニット22は、前記取付孔10aを通じて前記外輪1内に挿入される挿入部33と、この挿入部33の基端部(図2の上端部)に設けられた取付フランジ34と、この取付フランジ34の外側面(上記挿入部33と逆側の面で、図2の上面)中央部に設けられた取り出し部35とを備える。そして、この取り出し部35から、上記複数本のハーネス31、31を束ねたケーブル36を取り出している。この様なセンサユニット22は、上記取付フランジ34を上記外輪1の外周面にねじ止めする事で、この外輪1に結合固定される。
上記各センサ24a、24b、15aを実装した上記プリント基板28の表面のうちで、これら各センサ24a、24b、15a及び上記各ハーネス31、31の接合部には、上記ホルダ32に包埋するのに先立って、シリコン樹脂等の軟質の被覆材37により覆っている。即ち、上記プリント基板28のうちで、前記両基板部29a、29bの外側面の一端寄り部分並びに前記連結部30の外側面中央部に上記被覆材37を、上記各センサ24a、24b、15aを覆う状態で被覆している。尚、これら各センサ24a、24b、15aを覆う被覆材37は、これら各センサ24a、24b、15aに付属のリード線及びこれら各リード線のハンダ付け部も、合わせて覆っている。又、一方(図2の右方)の基板部29bの他端部両側面で上記各ハーネス31、31の導線の端部と前記各電気線路の端部とのハンダ付部を、上記被覆材37により覆っている。上記合成樹脂製のホルダ32は、この被覆材37ごと、上記各センサ24a、24b、15aを実装した上記プリント基板28を包埋している。更に、図示は省略するが、これら各センサ24a、24b、15aの信号を処理する為の回路(波形整形回路、合成回路等)を構成する電子部品を上記プリント基板28に実装する場合には、この電子部品並びにそれに付属のリード線並びにハンダ付け部も、上記被覆材37により覆って、上記ホルダ32内に包埋する。
上述の様なセンサユニット22を含んで構成する、本実施例の転がり軸受ユニットの荷重測定装置の場合、上記各センサ24a、24b、15aの検出信号は、上記各ハーネス31、31(ケーブル36)を通じて図示しない演算器に入力する。そして、この演算器が、上記各センサ24a、24b、15aから送り込まれる検出信号に基づいて、前記外輪1と前記ハブ2との間に加わるラジアル荷重とアキシアル荷重とのうちの一方又は双方の荷重を算出する。例えば、このラジアル荷重を求める場合に上記演算器は、上記各公転速度検出用センサ24a、24bが検出する各列の転動体9a、9bの公転速度の和を求め、この和と、上記回転速度検出用センサ15aが検出する上記ハブ2の回転速度との比に基づいて、上記ラジアル荷重を算出する。又、上記アキシアル荷重は、上記各公転速度検出用センサ24a、24bが検出する各列の転動体9a、9bの公転速度の比に基づいて、又は、これら各列の転動体9a、9bの公転速度の差を求め、この差と、上記回転速度検出用センサ15aが検出する上記ハブ2の回転速度との比に基づいて算出する。尚、上記各公転速度検出用センサ24a、24bの信号に基づいて上記ラジアル荷重とアキシアル荷重とのうちの一方又は双方の荷重を算出する方法は、他にも各種存在するが、この様な方法に就いては、前述の特願2003−171715号、172483号に詳しく説明されているし、本発明の要旨とも関係しないので、詳しい説明は省略する。
更に、本実施例の転がり軸受ユニットの荷重測定装置によれば、前記センサユニット22を構成するホルダ32内に包埋した各電子部品、即ち、上記各センサ24a、24b、15a及び別の電子部品や、各ハンダ付部の損傷を防止できる。即ち、温度変化に伴って前記プリント基板28と前記ホルダ32との寸法関係が変化し、このプリント基板28上に固定された上記各センサ24a、24b、15a及び別の電子部品部分や、各ハンダ付部分に対して上記ホルダ32が、上記プリント基板28の面方向に変化すると、これら各部分を覆った、前記軟質の被覆材37が、上記各部分と上記ホルダ32との間で変形する。上記寸法変化の絶対値は小さく、この被覆材37を変形させる為に要する力は小さい為、この被覆材37から上記各部分に加わる力も小さくて済む。この為、上記各部分に大きな力が作用せず、上記各センサ24a、24b、15a及び別の電子部品部分が変形或は破損したり、上記各ハンダ付部分が剥れたりする損傷が発生しにくくなる。尚、上記各センサ24a、24b、15a及び別の電子部品は、運転時に僅かとは言え発熱する。上記軟質の被覆材37は、熱伝導性は余り良くはないが、薄い為、上記発熱は、比較的熱伝導性の良好な上記ホルダ32に十分に伝わり、周囲に放熱される。従って、上記各センサ24a、24b、15a及び別の電子部品の温度が過度に上昇する事はない。この結果、長期間に亙る使用によっても、十分な信頼性を確保できる転がり軸受ユニットの荷重測定装置を実現できる。
図3は、本発明の実施例2を示している。本実施例の場合、各センサ24a、24b、15a等の電子部品並びにこれら各電子部品を実装したプリント基板28を包埋した、エポキシ樹脂等の硬質合成樹脂製のホルダ32を、金属製のセンサケース38内に保持している。実際の場合には、上記各電子部品を実装したプリント基板28をこのセンサケース38内の所定位置に設置した状態で、このセンサケース38内に溶融樹脂を注入固化する事で、上記ホルダ32としている。尚、このセンサケース38を構成する金属は、ステンレス鋼板やアルミニウム合金板等の非磁性金属とする。
本実施例の場合には、上述の様に、センサユニット22の表面を、合成樹脂に比較して丈夫な、金属製の上記センサケース38により覆っているので、上記センサユニット22の耐久性、信頼性をより高める事ができる。即ち、搬送時等に、このセンサユニット22が他の硬い物品とぶつかっても、このセンサユニット22の表面が、傷等の損傷を受けにくく、このセンサユニット22の機能を損なう可能性を低くできる。又、上記ホルダ32を構成する合成樹脂が、転がり軸受ユニットの内部に存在するグリースに触れる事がない為、この合成樹脂として、必ずしも耐油性を有するものを使用する必要がなくなり、材料選択の自由度が向上する。その他の構成及び作用は、前述した実施例1と同様であるから、重複する説明は省略する。
図4は、本発明の実施例3を示している。本実施例の場合には、各センサ24a、24b、15a等の電子部品並びにこれら各電子部品を実装したプリント基板28を包埋した、エポキシ樹脂等の硬質合成樹脂製のホルダ32aを、センサケース38の先半部(図4の下半部)の内側にのみ設けている。逆に言えば、このセンサケース38の基半部(図4の上半部)内側は空間39としている。そして、上記電子部品やハンダ付け部分を覆った、軟質材製の被覆材37の一部(端部)を、この空間39に露出させている。尚、各部を覆ったこの被覆材37は、各部同士の間でも途切れる事なく連続している。
この様に構成した本実施例の場合、上記各電子部品等に大きな圧力が加わる事を防止して、これら各電子部品等の耐久性をより一層向上させる事ができる。即ち、上記ホルダ32aと上記プリント基板28との間で上記被覆材37を設けた部分の容積は、温度変化に伴うこのプリント基板28と上記ホルダ32aとの熱膨張量の差に基づいて変化する。そして、上記容積が減少した場合には、上記被覆材37が上記プリント基板28と上記ホルダ32aとの間で押し付けられ、圧力が上昇する傾向になる。本実施例の場合には、上記被覆材37の一部を上記空間39に露出させているので、上記容積が減少した場合に、この被覆材37がこの空間39側に流動する。この為、この容積が減少した場合にも、上記各電子部分等を覆った部分の圧力が過大に上昇する事を防止して、これら各電子部品等が、過大な圧力で損傷を受ける事を防止できる。その他の構成及び作用は、前述した実施例2と同様であるから、重複する説明は省略する。
図5は、本発明の実施例4を示している。本実施例の場合には、プリント基板28に実装した各センサ24a、24b、15a等の電子部品を覆った被覆材37に隣接して、緩衝材40、40を設けている。即ち、この被覆材37とセンサケース38の内面との間に、これら各緩衝材40、40を挟持している。これら各緩衝材40、40は、発泡性シリコン樹脂や発泡スチロールの様な独立気泡を有する材料製のものが、好ましく使用できる。この様な本実施例の場合、上記被覆材37を設けた部分の容積が減少し、この被覆材37の圧力が上昇すると、上記各緩衝材40、40の独立気泡部が圧縮され、その変形分でこの圧力上昇を緩和して、上記電子部品の損傷を防止できる。その他の構成及び作用は、上述した実施例3と同様であるから、重複する説明は省略する。
尚、図示は省略するが、被覆材そのものを発泡性樹脂にすれば、この被覆材の一部を空間に露出させたり、別途緩衝材を設けなくても、圧力上昇を抑えて電子部品の損傷防止を図れる。
又、硬質合成樹脂製のホルダ32を金属製のセンサケース38内に保持する場合、これらホルダ32とセンサケース38との間に弾性接着剤等の弾性合成樹脂製の弾性材を設けても良い。この様な弾性接着剤等の弾性材を設ければ(ホルダ32とセンサケース38とを弾性接着剤により接着すれば)、上記ホルダ32とセンサケース38との線膨張係数の違いに拘わらず、温度変化に伴う変形量の違いに基づく剥離を防止して、信頼性の向上を図れる。尚、上記変形量の違いは微小の為、上記弾性材(弾性接着剤)の量は僅かで良い。
本発明は、各実施例に示した様な、自動車の車輪を支持する転がり軸受ユニットに加わる荷重を測定する為の転がり軸受ユニットの荷重測定装置に限らず、工作機械、産業機械等、各種回転機械装置に作用する荷重を求める為に利用できる。
本発明の実施例1を示す、荷重測定用の回転検出装置を組み込んだ転がり軸受ユニットの断面図。 センサユニットを取り出して示す部分切断面図。 本発明の実施例2を示す、図2と同様の図。 同実施例3を示す、図2と同様の図。 同実施例4を示す、図2と同様の図。 従来から知られている、ラジアル荷重測定用のセンサを組み込んだ転がり軸受ユニットの断面図。 従来から知られている、アキシアル荷重測定用のセンサを組み込んだ転がり軸受ユニットの断面図。
符号の説明
1、1a 外輪
2、2a ハブ
3、3a 回転側フランジ
4 ハブ本体
5 ナット
6 内輪
7 外輪軌道
8 内輪軌道
9a、9b 転動体
10、10a 取付孔
11 変位センサ
12 センサリング
13 センサロータ
14 カバー
15、15a 回転速度検出用センサ
16 ナックル
17 固定側フランジ
18 ボルト
19 ねじ孔
20 荷重センサ
21a、21b 保持器
22 センサユニット
23 先端部
24a、24b 公転速度検出用センサ
25 リム部
26a、26b 公転速度検出用エンコーダ
27 回転速度検出用エンコーダ
28 プリント基板
29a、29b 基板部
30 連結部
31 ハーネス
32、32a ホルダ
33 挿入部
34 取付フランジ
35 取り出し部
36 ケーブル
37 被覆材
38 センサケース
39 空間
40 緩衝材

Claims (10)

  1. 内周面に外輪軌道を有する外輪相当部材と、この外輪相当部材の内径側にこの外輪相当部材と同心に配置された、外周面に内輪軌道を有する内輪相当部材と、この内輪軌道と上記外輪軌道との間に接触角を付与された状態で設けられた複数個の転動体と、これら各転動体の公転速度を検出する為の公転速度検出用センサと、この公転速度検出用センサから送り込まれる検出信号に基づいて上記外輪相当部材と上記内輪相当部材との間に加わる荷重を算出する演算器とを備え、上記公転速度検出用センサは、基板上に電子部品を実装され、更に軟質の被覆材により覆われた状態でホルダ内に包埋されたものである転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
  2. 使用時にも回転しない外輪相当部材の内周面に設けた複列の外輪軌道と、使用時に回転する内輪相当部材の外周面に設けた複列の内輪軌道との間に、それぞれ複数個ずつの転動体を、両列同士の間で接触角の方向を互いに逆にして転動自在に設けており、これら両列の転動体の公転速度をそれぞれ検出する、1対の公転速度検出用センサと、上記内輪相当部材の回転速度を検出する回転速度検出用センサとを、互いに間隔をあけて配置された1対の基板部同士を連結部により互いに連結して一体とした、三次元構造を有するプリント基板に実装し、それぞれ被覆材により覆った状態で硬質合成樹脂製のホルダ内に包埋してセンサユニットとし、このセンサユニットを上記外輪相当部材の軸方向中間部で上記複列の外輪軌道の間部分に形成した取付孔に挿通する事により、上記センサユニットの先端部で上記3個の速度検出用センサを設けた部分を、複列に配置した上記各転動体の間部分に位置させ、このうちの1対の公転速度検出用センサの検出部を上記各列の転動体を保持した保持器の側面に全周に亙って設けた公転速度検出用エンコーダの被検出面に対向させると共に、残りの回転速度検出用センサの検出部を、上記内輪相当部材の中間部外周面に全周に亙って設けた回転速度検出用エンコーダの被検出面に対向させている、請求項1に記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
  3. 基板が、MID基板とガラスエポキシ基板と金属ベース基板とのうちから選択されたものである、請求項1〜2の何れかに記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
  4. 基板が、連結部により1対の基板部の一端縁同士を連結する事で全体をコ字形としたものである、請求項2〜3の何れかに記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
  5. 被覆材がシリコン樹脂であり、ホルダがシリコン樹脂よりも硬い合成樹脂製である、請求項1〜4の何れかに記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
  6. ホルダを金属製のセンサケース内に保持した、請求項1〜5の何れかに記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
  7. ホルダがセンサケースの一部に設けられて、このセンサケースの残部は空間となっており、被覆材の一部がこの空間に露出している、請求項6に記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
  8. センサケースの内面と公転速度検出用センサとの間に、変形し易い緩衝材を設けた、請求項6に記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
  9. 被覆材を発泡性樹脂とした、請求項1〜6の何れかに記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
  10. 外輪相当部材と内輪相当部材とのうちの一方を自動車の懸架装置に支持固定し、同じく他方に車輪を支持固定して、この車輪に加わる荷重を求める為に使用する、請求項1〜9の何れかに記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
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