JP2005162336A - 金属線条体用リールおよびその製造方法 - Google Patents

金属線条体用リールおよびその製造方法 Download PDF

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健二 三田
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Abstract

【課題】 強度および剛性を確保しつつ軽量化が可能で、捲胴の偏心を小さくし、極細金属線条体を大重量巻き付けて高速回転で繰り出す際の振れを抑えることができる金属線条体用リールおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】 鋼板製の第1フランジ部材4と第2フランジ部材5とでフランジ2,2を形成し、同心位置決め部材15,15を設けた中芯11の一方のボス部材13を一方のフランジ2の芯穴6に固定した状態で、同心位置決め部材15,15をガイドにして胴部材3を嵌め込んで第1フランジ部材4に固定し、スペーサ10,10を胴部材3に装着し、中芯11の他方のボス部材13を他方のフランジ2の芯穴6に固定し、胴部材3の他端を他方のフランジ2の第1フランジ部材4に固定し、半割り円筒部材9a,9bを被せて外胴9とし、スペーサ10,10、第2フランジ部材5,5、外胴9の間を溶接で固定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属線条体用リールに関し、特に、タイヤコード用の撚線機においてコードの素線を繰り出すリールや、ワイヤソーにおいてソーワイヤを巻き付けるリールのような、極細金属線条体を大重量巻き付けて高速回転で繰り出すリールとして好適な金属線条体用リールおよびその製造方法に関する。
タイヤコードの素線やソーワイヤ等の極細金属線条体を巻く金属線条体用リールは、厚肉鋼材で造られるのが普通であり、製造の仕方により、捲胴部とフランジ部とを鋼材から一体物として削りだした一体物リール(削り出しリール)、捲胴部とフランジ部とを鋼材から別々に製作し、溶接により一体化した溶接リール、あるいは、ボルト連結した組立てリール等に分類されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、これら厚肉鋼材製のリールは、極細金属線条体用として使用する場合には十分な強度および剛性を確保できるよう捲胴部やフランジ部の厚みを一層厚くする必要があり、さらに、捲胴部とフランジ部との接合部の補強や捲胴部に対する補強が必要な場合もあって、リールの重量が極めて大きくなり、取り扱い性が悪く、運搬コストが高く、材料費や加工コストも高いものとなる。
金属線条体用リールは、線径が0.2mmに満たないような極細金属線、例えばゴム製品補強用のスチールコード(タイヤコード)の素線としての線径0.15〜0.40mm程度の極細金属線あるいはスチールコードや、線径が0.12〜0.16mmあるいはそれ以下のワイヤソー用極細金属線(ソーワイヤ)を、所定の張力(例えば0.4〜1.5Kg)でリールに巻き付ける場合に、その巻付け張力に起因して大きな巻き圧(締め付け力)が捲胴部に作用し、往復して何回も巻き付けることにより、フランジ部に側圧(押し拡げ力)が作用する。そして、巻き付ける金属線条体の線径が小さいほど、巻きピッチが密になるほど、また巻き付け張力が大きいほど、そして巻き付け往復回数が多いほど捲胴部に作用する巻き圧(締め付け力)及びフランジ部に作用する側圧(押し拡げ力)が加速度的に増大する。
そのため、このような極細金属線条体を巻き付けるリールは、捲胴部が巻き圧(締め付け力)に対し、また、側圧がフランジを押し拡げることによる伸びに対して十分な強度を有し、且つ、十分な剛性を有するものでなければならず、フランジ部が、側圧に対し十分な強度を有し、また、側圧による撓みの少ない剛性を有するものでなければならない。側圧によるフランジの撓みは、捲胴部の変形(へこみ)を引き起し、捲胴部の変形はワイヤを巻取るときのハンチングにつながり、断線の要因となる。
また、特に、捲胴部の幅よりもフランジ部の直径が大きい「スリム型リール」の場合には、捲胴部にかかる巻き圧よりもフランジ部にかかる圧力(側圧)の方が遥かに大きく、そのため、フランジ部にかかる圧力が、両フランジ部を外周側で互いに離反する方向に押し拡げる。そして、その側圧は、ワイヤソー用のリールのように、40〜60Kgあるいはそれ以上の重量分のソーワイヤを巻き付けた場合には、数トンあるいは数十トンに達することがあり、その結果、捲胴部とフランジ部との連結位置である角部に応力が集中し、この個所に破損が発生しやすい。一方、フランジ部の直径よりも捲胴部の幅が大きい「胴長リール」の場合、巻き付け張力に起因する圧力が捲胴部に集中し、捲胴部に作用する巻き圧(締め付け力)が大きくなる。そして、この大きな巻き圧(締め付け力)により、捲胴部は中央部分が縮径するように変形し、この変形により、リールは両フランジ部が内側に倒れこむように変形する。このようなリールの場合、捲胴部に破損が発生しやすい。
このように、従来の厚肉鋼板製のリールは、金属線条体用リール、特にタイヤコード用の撚線機やワイヤソーに使用する極細金属線条体用のリールとして十分な強度および剛性を確保しつつ軽量化を達成するということができなかった。
そこで、本出願人は、先に、強度および剛性を確保しつつ十分な軽量化を達成できる金属線条体用リールとして、捲胴部と両端のフランジ部とを、薄肉の高張力鋼板からプレス成形によりリブ状の補強構造を有する部材として別々に製作し、それらをスポット溶接することにより一体化するプレスリールを開発した(例えば、特許文献2参照。)。
特開2002−370152号公報 特開2001−206636号公報
捲胴部とフランジ部とを高張力鋼板のプレス加工により別々に製作し溶接して一体化したプレスリールは、軽量であり、タイヤコードの素線やソーワイヤ等の極細金属線条体を巻き付ける場合に、強度および剛性の面でもある程度の巻き重量までは十分な対応が可能である。しかし、プレスリールは、プレス加工であるが故に一体物の削り出しリールに比べて加工精度が出にくくて芯穴の同心ずれや穴径のバラツキを生じやすく、また、プレス時の残留応力によってフランジに歪みが生じやすい。特に、金型による穴加工の精度は1.5〜2.0mm程度が限界で、芯穴のフランジ中心からのずれが大きい。
このように、従来のプレスリールは、芯軸に対して捲胴が偏心しやすい。そして、偏心が大きいと、フランジ部の歪みに起因する巻きむらもあるために、巻き重量が大きいリールでは回転時の振れが大きく、高速で回転するとますます振れが大きくなって使用に耐えなくなる。
そのため、タイヤコード用の伸線機や撚線機あるいはワイヤソーに使用する極細金属線条体用のリールは、巻き重量が40〜60Kgあるいはそれ以上の大重量巻きとする場合、特に、毎分1000m程度の高速繰り出しとする場合には、削り出しリールを使用せざるを得なかった。プレスリールの場合、巻き重量40〜60Kgで毎分1000m程度の高速繰り出しで使用するには、芯穴の精度は0,2mm程度が必要で、1.0〜1.5mm程度までならなんとか許容できるが、プレスによる穴加工は1.5〜2.0mm程度が精度の限界で、そうした大重量・高速条件での使用は従来できなかった。
本発明はこうした問題点の解決を課題とするもので、強度および剛性を確保しつつ軽量化を達成でき、かつ、芯軸に対する捲胴の偏心を小さくして極細金属線条体を大重量巻き付けて高速回転で繰り出す際の振れを抑えることができる金属線条体用リールおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するための手段として、円筒状の胴部材を有する捲胴と該捲胴の両端に位置する一対のフランジとからなり、それら捲胴とフランジとが鋼板で形成された金属線条体用リールであって、上記一対のフランジは各々中心部分に芯穴が設けられ、上記捲胴の胴部材の内側に該胴部材と略同心に軸線方向に延びて両端が上記一対のフランジの芯穴に固定される中芯が設けられ、該中芯の外周に上記胴部材を軸線方向の全域において中芯に対し略同心に位置決めする同心位置決め部材が設けられたことを特徴とする金属線条体用リールを提供する。
この金属線条体用リールは、捲胴とフランジとを鋼板で形成することにより軽量化を達成しつつ強度および剛性を確保するようにでき、しかも、円筒部材と一対のボス部材とからなり同心位置決め部材を固定してなる中芯の一端側を、一方のフランジの芯穴に装着して溶接等で固定し、中芯の外側に同心位置決め部材をガイドにして胴部材を嵌め込むことで、胴部材を軸線方向の全域において中芯に対し略同心に位置決めすることができ、そうして位置決めした胴部材の一端を一方のフランジに固定した後、中芯の他端側を他方のフランジの芯穴に装着して固定し、胴部材の他端を他方のフランジに固定することで、中芯に対する胴部材の同心精度を出して、中芯を基準として位置決めする芯軸に対し捲胴の偏心を小さくすることができ、それにより、極細金属線条体を大重量巻き付けて高速回転で繰り出す際の振れを抑えることができる。
中芯は円筒部材と該円筒部材の両端に固定された肉厚が円筒部材より大きい一対のリング状のボス部材とで構成されて両端のボス部材が両側のフランジの芯穴に固定されるものとし、同心位置決め部材は円形鍔状で外周が上記胴部材の内周に摺接し、上記円筒部材の両端近傍に位置するものとするのがよい。この場合、リール回転の芯軸となるシャフトは両端のボス部材の穴に通すことになり、そのボス部材の穴を機械加工することでフランジ外径に対する芯軸の同心精度を高めるとともに、円筒部材の両端近傍に位置する同心位置決め部材により胴部材の芯軸に対する同心精度を高めることができる。また、ボス部材が芯穴に固定されることでフランジの変形が抑えられる。そして、ボス部材には回転起動用のけり穴を設けることができる。
そして、この金属線条体用リールは、より具体的には、例えば、一対のフランジが各々が鋼板からなる複数のフランジ部材が軸線方向に重なる配置とし一体化した多重構造で、軸線方向外側に第1フランジ部材が位置し、該第1フランジ部材に上記芯穴が設けられ、軸線方向内側のフランジ外周部分に第2フランジ部材が位置し、これら第1フランジ部材と第2フランジ部材とが周縁部分にて重なり合った状態でその重なり合った周縁部分がカール状に折り返されて中空リング状のフランジ周縁補強部を構成し、捲胴は胴部材の外側に一対の半割り円筒部材がスリットを介して円筒状に組み合わされてなる外胴を有し、上記捲胴の胴部材の外側で上記外胴の軸線方向両側に、上記外胴と面一のリール面を形成するとともに上記フランジの第2フランジ部材と面一のフランジ面を形成する断面L字形リング状のスペーサが配置され、上記胴部材の両端がフランジ部の第1フランジ部材に溶接固定され、各スペーサが両側のフランジの第2フランジ部材内周に突き合せ状態で溶接固定され、上記外胴とその両側のスペーサとが突き合わせ状態で溶接固定されているものとするのがよい。
このように構成される金属線条体用リールは、フランジが鋼板の多重構造で、重なり合った周縁部分がカール状に折り返されて中空リング状のフランジ周縁補強部が構成されることにより、リール移送時等のリール同士のつば当たりによる変形が防止される、そして、捲胴が胴部材と外胴との二重構造で金属線線条体を巻き付けた時の締め付け力に対する強度が高まる。外胴と面一のリール面を形成するとともにフランジ部の第2フランジ部材と面一のフランジ面を形成する断面L字形リング状のスペーサは、そうした多重構造のフランジと二重構造の捲胴からなるリールの捲胴とフランジとの角部の強度を高める。
また、本発明は、円筒状の胴部材を有する捲胴と該捲胴の両端に位置する一対のフランジとを鋼板で形成する金属線条体用リールの製造方法として、中心部分に芯穴を設けた板材からなる第1フランジ部材と該第1フランジ部材の外周部分に重なるようドーナツ状に形成した板材からなる第2フランジ部材とを軸線方向に重ね、重なり合った周縁部分をカール状に折り返して中空リング状のフランジ周縁補強部を形成するとともに一体化して一対のフランジを形成し、円筒部材と該円筒部材の両端に固定された肉厚が円筒部材より大きい一対のリング状のボス部材とで構成され、円筒部材の両端近傍に円形鍔状で外周が上記胴部材の内周に摺接する径寸法の同心位置決め部材が固定された中芯の一端側のボス部材を一方のフランジの第1フランジ部材の芯穴に第2フランジ部材の側から装着して溶接固定し、次に、上記中芯の外側に同心位置決め部材をガイドにして胴部材を嵌め込むことにより、胴部材を軸線方向の全域において中芯に対し略同心に位置決めして該胴部材の一端を第1フランジ部材に溶接固定し、次に、上記胴部材の外側で上記外胴の軸線方向両側に上記外胴と面一のリール面を形成するとともに上記第2フランジ部材と面一のフランジ面を形成するよう形成された一対の断面L字形リング状のスペーサを上記胴部材に他端から装着した後、上記中芯の他端側のボス部材を他方のフランジの第1フランジ部材の芯穴に第2フランジ部材の側から装着して溶接固定し、次に、上記スペーサを胴部材の上記一端側にずらせた状態で胴部材の他端を他方のフランジの第1フランジ部材に溶接固定し、次に、上記一対のスペーサを胴部材上で両端側に寄せて、それら一対のスペーサの間で胴部材の外側に外胴とする一対の半割り円筒部材を被せてスリットを介し円筒状に組み合わせ、その状態で各スペーサを両側の第2フランジ部材内周に突き合せ状態で溶接固定するとともに外胴と両側のスペーサとを突き合わせ状態で溶接固定することを特徴とする金属線条体用リールの製造方法を提供する。本発明の上記金属線条体用リールはこの方法で容易に製造することができる。
以上のとおり、本発明によれば、捲胴とフランジとを鋼板で形成することにより軽量化を達成しつつ強度および剛性を確保するようにでき、しかも、円筒部材と一対のボス部材とからなり同心位置決め部材を固定してなる中芯を設けることで、中芯に対する胴部材の同心精度を出して、中芯を基準として位置決めする芯軸に対し捲胴の偏心を小さくすることができ、それにより、極細金属線条体を大重量巻き付けて高速回転で繰り出す際の振れを抑えることができる。
そして、中芯を円筒部材とリング状のボス部材とで構成してボス部材をフランジの芯穴に固定、円筒部材の両端近傍に円形鍔状の同心位置決め部材を設けることにより、ボス部材の穴を機械加工して芯軸の同心精度を高めるとともに胴部材の芯軸に対する同心精度を高めることができ、また、ボス部材によりフランジの変形を抑えることができ、また、回転起動用のけり穴を設けることが容易となる。
また、この金属線条体用リールは、フランジが鋼板の多重構造で、重なり合った周縁部分がカール状に折り返されて中空リング状のフランジ周縁補強部が構成されるものとすることにより、リール移送時等のリール同士のつば当たりによる変形を防止することができ、捲胴を胴部材と外胴との二重構造とすることにより、金属線線条体を巻き付けた時の締め付け力に対する強度を高めることができる。また、外胴と面一のリール面を形成するとともにフランジ部の第2フランジ部材と面一のフランジ面を形成するよう断面L字形リング状のスペーサを設けることにより、そうした多重構造のフランジと二重構造の捲胴からなるリールの捲胴とフランジとの角部の強度を高めた構成とすることができる。
以下、図面に基づいて実施の形態を説明する。
図1〜3は実施の形態の一例を示す。図1はリールのA−A断面図、図2はリールの正面図である。
この実施の形態のリールは、タイヤコード用の撚線機やワイヤソーに使用する金属線条体用リールであって、捲胴1と、その両端に位置するフランジ2,2とで構成されている。
捲胴1は円筒状の胴部材3を有する。胴部材3は、例えば冷間圧延高張力鋼板(SAFC)を円筒状に曲げ加工して製作したものである。
フランジ2,2は各々が例えば熱間圧延高張力鋼板(SAPH)をプレス成形した第1フランジ部材4と、熱間圧延高張力鋼板(SAPH)で形成した第2フランジ部材5とを、第1フランジ部材4を外側とし第2フランジ部材5を内側として軸線方向に重なる配置で一体化したものである。
第1フランジ部材4は、プレス成形により中心部に芯穴6が設けられ、芯穴6の周りは軸線方向外側に膨らんで周辺に向け放射状にリブの形で広がる補強構造とされている。一方、第2フランジ部材5は、軸線方向内側のフランジ外周部分に位置するようドーナツ状に形成される。フランジ2,2は、これら第1フランジ部材4と第2フランジ部材5とが周縁部分にて重なり合った状態でその重なり合った周縁部分がカール状に折り返されて、その折り返された部分が中空リング状のフランジ周縁補強部8を構成し、また、それにより第1フランジ部材4と第2フランジ部材5とが一体化したものとなっている。
胴部材3は第1フランジ部材4,4に溶接固定されている。また、捲胴1は、胴部材3の外側に、一対の半割り円筒部材9a,9bが波状スリット(波状以外の曲線状、直線状、山形その他の形状のスリットでもよい。)を介して円筒状に組み合わされてなる外胴9を備えている。また、捲胴1の胴部材3の外側で外胴9の軸線方向両側には、外胴9と面一のリール面を形成するとともに第2フランジ部材5,5と面一のフランジ面を形成するよう断面L字形リング状に形成されたスペーサ10,10が配置されている。そして、スペーサ10,10が両側のフランジ2,2の第2フランジ部材5,5の内周に突き合せ状態で溶接固定され、外胴9と両側のスペーサ10,10とがやはり突き合わせ状態で溶接固定されている。外胴9およびスペーサ10,10は、例えば冷間圧延高張力鋼板(SAFC)で形成されたものである。
また、このリールには、捲胴1の胴部材3の内側に胴部材3と略同心に軸線方向に延びて両端が両側のフランジ2,2の芯穴6,6に固定される中芯11が設けられている。
中芯11は、例えば構造用炭素鋼(例えばS45C)のパイプ材を使用した円筒部材12と、この円筒部材12の両端に固定された肉厚が円筒部材12より大きい例えば構造用炭素鋼(例えばS45C)の厚肉鋼材から機械加工して形成した一対のリング状のボス部材13,13とで構成されたもので、両端のボス部材13,13が両側のフランジ2,2の芯穴6,6に挿入され、軸線方向外側から溶接固定されている。また、各ボス部材13,13の端面には回転起動用に各一対のけり穴14,14が互いに90度位相を変えて設けられている。
そして、この中芯11の外周には、胴部材3を軸線方向の全域において中芯11に対し略同心に位置決めするよう、円筒部材12の両端近傍に、円形鍔状で外周が胴部材3の内周に摺接する形状寸法の同心位置決め部材15,15が装着されボス部材13,13と共付けで溶接固定されている。
この実施の形態のリールを製造する際には、捲胴1を構成する胴部材3および外胴9の半割り円筒部材9a,9bと、第1フランジ部材4と第2フランジ部材5とを一体化した多重構造のフランジ2,2、と、スペーサ10,10、同心位置決め部材15,15を備えた中芯11を、それぞれ予め別々に製作し、それらを例えば次の手順で組み付ける。
まず、中芯11の一端側のボス部材13を、一方のフランジ2の第1フランジ部材4の芯穴6に第2フランジ部材5の側から装着し、軸線方向外側から溶接固定する。
次に、中芯11の外側に、同心位置決め部材15,15をガイドにして胴部材3を嵌め込むことにより、胴部材3を軸線方向の全域において中芯11に対し略同心に位置決めし、その胴部材3の一端を第1フランジ部材4に溶接固定する。
次いで、スペーサ10,10を胴部材3に他端から装着した後、中芯11の他端側のボス部材13を他方のフランジ2の第1フランジ部材4の芯穴6に第2フランジ部材5の側から装着して溶接固定する。
次に、スペーサ10,10を胴部材3の上記一端側にずらせた状態で、胴部材3の他端を他方のフランジ2の第1フランジ部材4に溶接固定する。
次に、スペーサ10,10を胴部材3上で両端側に寄せて、それら一対のスペーサ10,10の間で胴部材3の外側に、外胴9の半割り円筒部材9a,9bを被せ、その状態で各スペーサ10を両側の第2フランジ部材5,5内周に突き合せ状態で溶接固定するとともに、外胴9と両側のスペーサ10,10とを突き合わせ状態で溶接固定する。
以上、実施の形態の一例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、適宜態様を変更して実施することができる。
胴部材3、外胴9およびスペーサ10,10の材料としては、SAFC(冷間圧延高張力鋼板)のほか、SAPH(熱間圧延高張力鋼板)等が好適である。また、第1フランジ部材4および第2フランジ部材5の材料としては、SAPH(熱間圧延高張力鋼板)のほか、SPCC(冷間圧延高張力鋼板)等が好適である。また、胴部材3、外胴9およびスペーサ10,10の材料、第1フランジ部材4および第2フランジ部材5の材料は、S45C等の構造用炭素鋼であってもよい。
本発明の金属線条体用リールは、タイヤコードの素線用、ソーワイヤ用に限らず、他の金属線条体用リールとしても適用できることは勿論である。
実施の形態のリールの図2におけるA−A断面を示す断面図である。 実施の形態のリールの正面図である。
符号の説明
1 捲胴
2 フランジ
3 胴部材
4 第1フランジ部材
5 第2フランジ部材
6 芯穴
8 フランジ周縁補強部
9 外胴
9a,9b 半割り円筒部材
10スペーサ
11 中芯
12 円筒部材
13 ボス部材
14 けり穴
15 同心位置決め部材

Claims (4)

  1. 円筒状の胴部材を有する捲胴と該捲胴の両端に位置する一対のフランジとからなり、それら捲胴とフランジとが鋼板で形成された金属線条体用リールであって、
    上記一対のフランジは各々中心部分に芯穴が設けられ、
    上記捲胴の胴部材の内側に該胴部材と略同心に軸線方向に延びて両端が上記一対のフランジの芯穴に固定される中芯が設けられ、
    該中芯の外周に上記胴部材を軸線方向の全域において中芯に対し略同心に位置決めする同心位置決め部材が設けられたことを特徴とする金属線条体用リール。
  2. 中芯は円筒部材と該円筒部材の両端に固定された肉厚が円筒部材より大きい一対のリング状のボス部材とで構成されて両端のボス部材が両側のフランジの芯穴に固定され、
    同心位置決め部材は円形鍔状で外周が上記胴部材の内周に摺接し、上記円筒部材の両端近傍に位置することを特徴とする請求項1記載の金属線条体用リール。
  3. 一対のフランジは各々が鋼板からなる複数のフランジ部材を軸線方向に重なる配置とし一体化した多重構造で、軸線方向外側に第1フランジ部材が位置し、該第1フランジ部材に上記芯穴が設けられ、軸線方向内側のフランジ外周部分に第2フランジ部材が位置し、これら第1フランジ部材と第2フランジ部材とが周縁部分にて重なり合った状態でその重なり合った周縁部分がカール状に折り返されて中空リング状のフランジ周縁補強部を構成し、
    捲胴は胴部材の外側に一対の半割り円筒部材がスリットを介して円筒状に組み合わされてなる外胴を有し、
    上記捲胴の胴部材の外側で上記外胴の軸線方向両側に、上記外胴と面一のリール面を形成するとともに上記フランジの第2フランジ部材と面一のフランジ面を形成する断面L字形リング状のスペーサが配置され、
    上記胴部材の両端がフランジの第1フランジ部材に溶接固定され、
    各スペーサが両側のフランジ部の第2フランジ部材内周に突き合せ状態で溶接固定され、
    上記外胴とその両側のスペーサとが突き合わせ状態で溶接固定されていることを特徴とする請求項2記載の金属線条体用リール。
  4. 円筒状の胴部材を有する捲胴と該捲胴の両端に位置する一対のフランジとを鋼板で形成する金属線条体用リールの製造方法であって、
    中心部分に芯穴を設けた鋼板製の第1フランジ部材と該第1フランジ部材の外周部分に重なるようドーナツ状に形成した鋼板製の第2フランジ部材とを軸線方向に重ね、重なり合った周縁部分をカール状に折り返して中空リング状のフランジ周縁補強部を形成するとともに一体化して一対のフランジを形成し、
    円筒部材と該円筒部材の両端に固定された肉厚が円筒部材より大きい一対のリング状のボス部材とで構成され、円筒部材の両端近傍に円形鍔状で外周が上記胴部材の内周に摺接する径寸法の同心位置決め部材が固定された中芯の一端側のボス部材を一方のフランジの第1フランジ部材の芯穴に第2フランジ部材の側から装着して溶接固定し、
    次に、上記中芯の外側に同心位置決め部材をガイドにして胴部材を嵌め込むことにより、胴部材を軸線方向の全域において中芯に対し略同心に位置決めして該胴部材の一端を第1フランジ部材に溶接固定し、
    次に、上記胴部材の外側で上記外胴の軸線方向両側に上記外胴と面一のリール面を形成するとともに上記第2フランジ部材と面一のフランジ面を形成するよう形成された一対の断面L字形リング状のスペーサを上記胴部材に他端から装着した後、上記中芯の他端側のボス部材を他方のフランジの第1フランジ部材の芯穴に第2フランジ部材の側から装着して溶接固定し、
    次に、上記スペーサを胴部材の上記一端側にずらせた状態で胴部材の他端を他方のフランジの第1フランジ部材に溶接固定し、
    次に、上記一対のスペーサを胴部材上で両端側に寄せて、それら一対のスペーサの間で胴部材の外側に外胴とする一対の半割り円筒部材を被せてスリットを介し円筒状に組み合わせ、その状態で各スペーサを両側の第2フランジ部材内周に突き合せ状態で溶接固定するとともに外胴と両側のスペーサとを突き合わせ状態で溶接固定することを特徴とする金属線条体用リールの製造方法。
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