JP2005160127A - 燃料電池車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池車両の発進時等における騒音を低減し、静粛性の向上を図る。
【解決手段】燃料電池1と圧縮機8とを接続する空気供給配管9の中途位置に、空気タンク10を配設する。そして、車両減速時に圧縮機8で圧縮された空気を空気タンク10に充填しておき、車両発進時には、空気タンク10に充填された空気を燃料電池1に供給する。これにより、車両発進時に圧縮機8を作動させることなく燃料電池1から発電電力を得て駆動モータ3への電力供給を行うことができ、特に騒音の原因として問題となる車両発進時における圧縮機8の動作音を低減させて、静粛性の向上を実現できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池を駆動動力源として搭載した燃料電池車両に関し、特に静粛性を向上させるための技術に関する。
近年の環境問題、特に自動車の排出ガスによる大気汚染や二酸化炭素による地球温暖化の問題等に対する対策として、クリーンな排気及び高エネルギ効率を可能とする燃料電池技術が注目を浴びており、現在、このような燃料電池を駆動動力源として搭載した燃料電池車両に関する研究開発が盛んに行われている。
燃料電池は、燃料となる水素や酸化剤となる酸素(空気)といった反応ガスの供給によって発電するものであり、燃料電池車両には、燃料電池に加えて、燃料電池に反応ガスを供給するための配管類や補機、補機を駆動するためのモータ等、燃料電池に付随する各種部品がコンパクトにまとめられて搭載される。
燃料電池車両の駆動動力源として用いられる燃料電池では、瞬時に大きな出力が要求されるため、補機を駆動するためのモータも大型化する傾向にある。このような補機駆動用のモータの大型化は、車内の限られたスペースの有効利用を図る上では不利であり、また、コストアップの要因となるので、改善が望まれている。このような問題を解決するものとして、補機を駆動するためのエネルギの一部を、車輪を駆動するための駆動モータから得るようにすることで、補機駆動用モータの小型化を可能にする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この特許文献1に記載の技術では、駆動モータと補機駆動用モータと補機(圧縮機)とをプラネタリアギアを介して機械的に結合させて、圧縮機を作動させるための動力を駆動モータと補機駆動用モータとの双方から出力可能としている。また、車両停止時には燃料電池の運転を停止して、必要な電力は二次電池にて賄うようにし、二次電池が所定残存容量以下のときには、圧縮機を作動させて燃料電池での発電を行い、二次電池を充電するようにしている。
特開2003−77514号公報
ところで、燃料電池車両を広く一般に普及させるためには、静粛性の向上が重要な課題の一つとして挙げられる。ここで、燃料電池車両に搭載される発電システムの中で特に騒音の要因となっているのが圧縮機の動作音である。圧縮機の動作音は、車両走行中においては、車両走行に伴う音(ロードノイズ、風切り音等)に隠れるのであまり問題とならないが、車両発進前は、このような車両走行に伴う音に隠れにくいため、車両乗員や車外の人に大きな騒音として伝わってしまう。
上述した特許文献1に記載の技術では、補機駆動用モータの小型化による省スペース化やコストダウンを実現できるものの、静粛性の向上という観点からは課題が残されている。すなわち、上述した特許文献1に記載の技術では、車両発進時や、車両停止時で二次電池が所定残存容量以下の場合に、圧縮機を作動させて燃料電池での発電を行うようにしているので、圧縮機の動作音が騒音となって、静粛性が悪化するという問題がある。
本発明は、以上のような従来の実情に鑑みて創案されたものであって、静粛性の向上を実現できる燃料電池車両を提供することを目的としている。
本発明に係る燃料電池車両は、車輪を駆動する駆動モータと、駆動モータに電力を供給する燃料電池と、燃料電池に供給する空気を圧縮する圧縮機と、圧縮機と燃料電池とを接続する空気流路と、空気流路の中途位置に配設され、圧縮機で圧縮された空気が充填される空気タンクとを備える。このような構成の燃料電池車両において、本発明では、車両減速時に圧縮機で圧縮された空気を空気タンクに充填し、車両発進時に空気タンクに充填された空気を燃料電池に供給するようにしている。
本発明に係る燃料電池車両では、以上のように、車両発進時には、車両減速時に空気タンクに充填された空気を燃料電池に供給するようにしているので、圧縮機を作動させることなく燃料電池への空気供給を適切に行って燃料電池から発電電力を得ることが可能となる。
本発明に係る燃料電池車両によれば、燃料電池の発電開始時に圧縮機を作動させることなく燃料電池から発電電力を得て駆動モータへの電力供給を行うことができるので、圧縮機の作動による騒音を低減させて、静粛性の向上を実現することができる。
以下、本発明を適用した燃料電池車両の具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明を適用した燃料電池車両の要部構成を示す図である。この燃料電池車両は、主に、駆動動力源としての燃料電池1と、この燃料電池1からの電力で作動して車両駆動輪2を駆動する駆動モータ3と、燃料電池1に燃料となる水素を供給するための水素供給系、燃料電池1に酸化剤となる空気を供給するための空気供給系とを搭載している。なお、図1では、実際に燃料電池車両に搭載される各種部品の中で、特に本発明の具体例を説明する上で必要なもののみを図示している。
燃料電池1は、水素供給系による水素の供給及び空気供給系による空気の供給によって発電するものである。この燃料電池1の発電によって得られる電力は、図示しないインバータを介して駆動モータ3に供給される。
駆動モータ3は、燃料電池1からの電力によって作動して、出力軸に取り付けられた第1のギア4を回転させる。第1のギア4は、減速機としての第2のギア5を介して車軸6に取り付けられた第3のギア7に連結されている。したがって、駆動モータ3からの出力トルクは、第2のギヤ5で増幅されて車軸6に伝達され、これにより車両駆動輪2が駆動されることになる。
水素供給系は、図示を省略するが、例えば、水素供給源として水素が貯蔵された水素タンクを有し、燃料電池1の運転時には、この水素タンクから水素を取り出してバルブで圧力や流量を調整し、これを水素供給配管を通じて燃料電池1に供給する構成となっている。
空気供給系は、外気を取り込んで圧縮する圧縮機8を有し、通常の車両走行時に燃料電池1を運転するときには、この圧縮機8にて圧縮された空気を空気供給配管(空気流路)9を通じて燃料電池1に供給する構成となっている。ここで、特に、本発明を適用した燃料電池車両においては、空気供給配管9の中途位置に空気タンク10が配設されており、車両減速時には圧縮機8で圧縮された空気がこの空気タンク10に充填され、車両発進時や、車両加速時で空気流量が不足するとき、車両停止時で燃料電池1での発電が要求されるとき等に、空気タンク10に充填された空気が燃料電池1に供給されるようになっている。
圧縮機8は、回転方向調整機11を介して第4のギア12に連結されており、この第4のギア12が、駆動モータ3の出力軸に取り付けられた第1のギア4に連結されている。したがって、圧縮機8には駆動モータ3からの出力トルクが回転方向調整機11を介して伝達されることになり、これにより圧縮機8が作動するようになっている。なお、回転方向調整機11は、駆動モータ3の回転方向に拘わらず圧縮機8に対して常に一定方向のトルクが伝達されるように、内蔵するギアの組み合わせを変更して回転方向を調整するものである。
圧縮機8と燃料電池1とを接続する空気供給配管9には、第1乃至第4のバルブ13,14,15,16や、第1及び第2の圧力センサ17,18、第1及び第2の流量センサ19,20がそれぞれ設置されている。また、空気タンク10には、第3の圧力センサ21が設置されている。
第1のバルブ13は、空気供給配管9の空気タンク10より上流側で供給空気量を調整するものであり、第2のバルブ14は、空気供給配管9の空気タンク10より下流側で供給空気量を調整するものである。また、第3のバルブ15は、空気タンク10に取り付けられた遮断弁であり、第4のバルブ16は、圧縮機8からの空気を外部に放出するためのリリーフ弁である。これら第1乃至第4のバルブ13,14,15,16の開閉は、詳細を後述するコントローラ30によって制御される。
第1の圧力センサ17は、圧縮機8から供給される空気の圧力を検出するものであり、第2の圧力センサ18は、燃料電池1に流入する空気の圧力を検出するものである。また、第3の圧力センサ21は、空気タンク10内に充填されている空気の圧力を検出するものである。また、第1の流量センサ19は、圧縮機8から供給される空気の流量を検出するものであり、第2の流量センサ20は、燃料電池1に流入する空気の流量を検出するものである。これらの各センサ17,18,19,20,21からの検出信号は、コントローラ30に入力される。
コントローラ30は、燃料電池車両全体の動作制御を司るものであり、特に、本発明に特徴的な機能として、図2に示すように、駆動モータ制御部31としての機能と、燃料電池制御部32としての機能と、バルブ切り替え制御部33としての機能とを有している。
駆動モータ制御部31は、図示しないシフトセンサから入力されるシフト位置信号に基づいて、駆動モータ3の回転方向を決定すると共に、図示しないアクセルセンサから入力されるアクセル開度信号に基づいて、駆動モータ3に必要とされる出力トルクを算出する。また、このとき、駆動モータ制御部31は、決定した駆動モータ3の回転方向に応じて、回転方向調整機11の動作を制御する。
燃料電池制御部32は、駆動モータ制御部31により算出された駆動モータ3の必要トルクに応じて、燃料電池1に要求される要求発電量を算出し、算出した要求発電量を燃料電池1から得られるように、燃料電池1に供給する水素や空気の流量、圧力を決定する。また、燃料電池制御部32は、その他、燃料電池1の加湿状態の制御や温度制御等、燃料電池1での発電を適切に実施するための各種制御を行う。
バルブ切り替え制御部33は、燃料電池1に供給される水素や空気の流量、圧力が、燃料電池制御部32により決定された値となるように、水素供給系や空気供給系の各バルブの開閉を制御する。そして、特にこのバルブ切り替え制御部33は、アクセルセンサから入力されるアクセル開度信号に基づいて車両の走行状態を判定すると共に、空気供給系の各センサ17,18,19,20,21から入力される検出信号に基づいて空気供給系の状態を判定し、車両減速時には圧縮機8で圧縮された空気が空気タンク10に充填され、車両発進時や、車両加速時で空気流量が不足するとき、車両停止時で燃料電池1での発電が要求されるとき等に、空気タンク10に充填された空気が燃料電池1に供給されるように、空気供給系の第1乃至第4のバルブ13,14,15,16の開閉を制御する。また、バルブ切り替え制御部33は、第1の圧力センサ17で測定される圧力が設定圧力以上となったときに第4のバルブ16に開指令を出力し、この第4のバルブ16を開くことで、空気供給配管9や各センサ、バルブ等の機器の破損を防止する。なお、第4のバルブ16は、バルブ切り替え制御部33の開指令によらず、設定圧力以上で開になるリリーフ弁で構成してもよい。
ここで、車両発進時や、車両加速時で空気流量が不足するとき、車両停止時で燃料電池1での発電が要求されるときに、以上のような空気供給制御を実施するための具体的な制御フローについて、図3のフローチャートを参照して説明する。この制御フローは、イグニッションオンからイグニッションオフまでの間、所定の設定時間毎(例えば、10msec毎)にコントローラ30にて実行される。
この制御フローでは、先ず、ステップS101において、フラグF1が「1」となっているかどうかを確認する。このフラグF1は、燃料電池車両が走行中であるかどうかを判定するためのフラグであり、燃料電池車両が走行中であれば「1」の値をとり、燃料電池車両が停止すると「0」にリセットされる。
ステップS101での判定の結果、フラグF1が「0」、すなわち車両が停止中であると判定されると、次に、ステップS102において、空気供給系の第1乃至第4のバルブ13,14,15,16に開度指令を出力し、第1のバルブ13及び第4のバルブ16を閉じると共に、第2のバルブ14及び第3のバルブ15を開く。これにより、空気タンク10から燃料電池1までの空気流路が確保され、空気タンク10に充填された空気が燃料電池1に供給される。このとき、燃料電池1に供給する空気流量は、第2の流量センサ20からの検出信号に基づき第2のバルブ14の開度を調整することで制御する。
次に、ステップS103において、図示しない水素供給系のバルブを開き、水素タンク等の水素供給源から燃料電池1に水素を供給する。これにより、燃料電池1において水素と空気中の酸素との電気化学反応が生じ、燃料電池1での発電が行われる。ここで、車両停止中に車両補機等を作動させる場合のような電力要求時には、この燃料電池1での発電により得られた電力が、対象となる車両補機等に供給される。また、車両発進時、すなわち車両が停止している状態でアクセルセンサからアクセル開度信号が入力されているときには、ステップS104において、燃料電池1での発電により得られた電力が駆動モータ3に供給される。
燃料電池1から駆動モータ3へ電力が供給されると、駆動モータ3が作動してこの駆動モータ3からの出力トルクが車軸6に伝達され、車両駆動輪2が駆動される。これにより、燃料電池車両の走行が開始される。また、駆動モータ3からの出力トルクは圧縮機8にも伝達され、圧縮機8の作動が開始される。この圧縮機8の作動は車両駆動輪2の駆動に連動しているので、圧縮機8の回転数は車速に比例したものとなり、燃料電池車両の車速が上昇するに従って圧縮機8の回転数も上昇する。このとき、空気供給配管9中の第1のバルブ13は閉じられているので、圧縮機8から第1のバルブ13までの空気供給配管9内の圧力は燃料電池車両の走行に伴い徐々に上昇し、ある時点で第1のバルブ13から燃料電池1までの空気供給配管9内の圧力よりも上回り、圧縮機8からの空気を燃料電池1に供給することが可能となる。
そこで、ステップS105において、第1のバルブ13よりも上流側(圧縮機8側)に設置された第1の圧力センサ17の検出値と、第1のバルブ13よりも下流側(燃料電池1側)に設置された第2の圧力センサ18の検出値とをモニタリングしながら、第1の圧力センサ17の検出値が第2の圧力センサ18の検出値を上回ったかどうか、すなわち、第1のバルブ13よりも上流側の空気圧力が、第1のバルブ13よりも下流側の空気圧力を上回ったかどうかを判定する。そして、第1のバルブ13よりも上流側の空気圧力が、第1のバルブ13よりも下流側の空気圧力を上回った段階で、ステップS106において、第1のバルブ13を開ける。これにより圧縮機8から燃料電池1までの空気流路が確保され、圧縮機8からの空気が燃料電池1に供給される。また、ステップS107において、第3のバルブ15を閉じて空気タンク10から燃料電池1への空気供給を停止する。
その後、燃料電池車両の走行時には、基本的には圧縮機8からの空気が燃料電池1に供給されるが、圧縮機8の作動が車両駆動輪2の駆動に連動しているので、車両加速時には、圧縮機8からの空気流量が燃料電池1で要求する規定空気量に不足する場合がある。そこで、ステップS108において、アクセルセンサから入力されるアクセル開度信号に基づいてアクセル踏み込みがなされたかどうかを判定し、アクセル踏み込みがなされた場合には、ステップS109において、燃料電池1前段に設けられた第2の流量センサ20から入力される検出信号に基づき、燃料電池1に供給される空気流量が車両加速のために必要とされる規定空気量に達しているかどうかを判定する。
そして、燃料電池1に供給される空気流量が車両加速のために必要とされる規定空気量に達していない場合には、ステップS110において、第3のバルブ15を開けて空気タンク10に充填されている空気を燃料電池1に供給し、この空気タンク10からの空気で不足分を補う。その後、ステップS111において、燃料電池1に供給される空気流量が車両加速のために必要とされる規定空気量に達したかどうかを第1の流量センサ19から入力される検出信号に基づき再度判定し、燃料電池1に供給される空気流量が車両加速のために必要とされる規定空気量に達した段階で、ステップS112において第3のバルブ15を閉じ、空気タンク10から燃料電池1への空気供給を停止する。
また、ステップS113では、アクセルセンサから入力されるアクセル開度信号に基づいて、アクセル開度が減少したかどうかを判定する。そして、アクセル開度が減少した場合に、ステップS114でフラグF1を「1」にした上で、一連の処理を終了する。その後、車両走行中に以上の制御フローを開始するときには、フラグF1=1となっているので、ステップS108以降の処理が繰り返し行われることになる。
次に、車両減速時に圧縮機8からの空気を空気タンク10に充填する際の具体的な制御フローについて、図4のフローチャートを参照して説明する。この制御フローは、アクセル開度が減少したときからアクセル踏み込みが行われるまでの間、所定の設定時間毎(例えば、10msec毎)にコントローラ30にて実行される。
この制御フローでは、先ず、ステップS201において、フラグF2が「1」となっているかどうかを確認する。このフラグF2は、空気タンク10が規定充填量に達しているかどうかを判定するためのフラグであり、空気タンク10が規定充填量に達していれば「1」の値をとり、規定充填量を下回ったときに「0」にリセットされる。
ステップS201での判定の結果、フラグF2が「0」、すなわち空気タンク10が規定充填量に達していないと判定されると、次に、ステップS202において、燃料電池1から駆動モータ3への電力供給を遮断し、駆動モータ3の作動を停止させる。このとき、駆動モータ3の作動を停止させた状態であっても、車両駆動輪2からのつれ回りにより駆動モータ3は回転状態にあるので、車両駆動輪2の回転力が駆動モータ3を介して圧縮機3に伝達されることになり、圧縮機3の作動は継続される。
また、このとき、燃料電池1に要求される発電量の低下に伴い、燃料電池1に供給される空気流量も低減されるので、圧縮機8と燃料電池1とを接続する空気供給配管9内の圧力は上昇することになる。そして、空気供給配管9内の圧力が空気タンク10内の圧力を上回ると、圧縮機8からの空気を空気タンク10に充填することが可能となる。
そこで、ステップS203において、空気供給配管9に設置された第1の圧力センサ17の検出値と、空気タンク10に設置された第3の圧力センサ21の検出値とをモニタリングしながら、第1の圧力センサ17の検出値が第3の圧力センサ21の検出値を上回ったかどうか、すなわち、空気供給配管9内の圧力が空気タンク10内の圧力を上回ったかどうかを判定する。そして、空気供給配管9内の圧力が空気タンク10内の圧力を上回っていれば、ステップS204において、空気タンク10前段の第3のバルブ15を開ける。これにより、圧縮機8からの空気が空気タンク10に充填されることになる。
その後、ステップS205において、空気タンク10に設置された第3の圧力センサ21の検出値をモニタリングしながら、空気タンク10が満タン状態となったかどうかを判定する。そして、空気タンク10が満タン状態となった段階で、ステップS206において、第3のバルブ15を閉じて、空気タンク10への空気充填を停止する。そして、ステップS207でフラグF2を「1」にした上で、一連の処理を終了する。
以上説明したように、本発明を適用した燃料電池車両によれば、圧縮機8と燃料電池1とを接続する空気供給配管9の中途位置に空気タンク10を設置して、車両減速時に圧縮機8からの空気をこの空気タンク10に充填し、車両発進時には、空気タンク10に充填された空気を燃料電池1に供給するようにしているので、静粛性の向上を実現することができる。すなわち、車両発進時に圧縮機8を作動させて燃料電池1への空気供給を行うようにした場合には、圧縮機8の動作音が車両走行に伴うロードノイズや風切り音等に隠れないため騒音となって車両乗員や車外の人に大きな騒音として伝わるが、本発明を適用した燃料電池車両では、車両発進時に圧縮機8を作動させることなく燃料電池1から発電電力が得られるようにしているので、騒音の発生を有効に防止して静粛性を向上させることができる。
また、本発明を適用した燃料電池車両では、車両走行中における加速時で空気流量が不足するときにも、空気タンク10に充填された空気を燃料電池1に供給するようにしているので、不足する空気流量分を空気タンク10からの空気で適切に補うことができ、燃料電池1への空気供給を安定的に行うことができる。
さらに、本発明を適用した燃料電池車両では、車両停止時での燃料電池1発電時においても、空気タンク10に充填された空気を燃料電池1に供給するようにしているので、車両停止時に圧縮機8を作動させることなく燃料電池1から発電電力を得ることができ、騒音低減の効果は極めて大きい。
また、本発明を適用した燃料電池車両では、車両駆動輪2を駆動するための駆動モータ3の出力トルクを圧縮機8に伝達して圧縮機8を作動させるようにしているので、圧縮機8を作動させるための専用のモータを別途搭載する必要がなく、その分、車内スペースの有効利用を図ることができ、また、部品点数の削減によるコスト低減を図ることもできる。更に、車両減速時には車両駆動輪2の回転力を駆動モータ3を介して圧縮機3に伝達し、圧縮機3で圧縮された空気を空気タンク10に充填するようにしているので、回生エネルギの有効活用を図ることができ、特に、回生エネルギを電気エネルギとして回収した場合に比べてエネルギ損失を低く抑えることが可能となる。
なお、以上の例では、駆動モータ3と圧縮機8とがそれぞれ別体に構成されているものとして説明したが、本発明を適用した燃料電池車両では、上述したように、駆動モータ3の出力トルクを圧縮機8に伝達して圧縮機8を作動させるようにしているので、これら駆動モータ3と圧縮機8との一体化も容易に実現できる。
図5は、駆動モータ3と圧縮機8とが一体化されてなる複合機の一例を示す図であり、その断面構造を模式的に示したものである。この図5に示す複合機は、共通ケース51の内部に、駆動モータ3を構成するロータ52及びステータ53や、圧縮機8に相当する圧縮機内蔵部品54、更には回転方向調整機11に相当する調整機内蔵部品55が収容された構造となっている。この複合機では、ロータ52の回転により得られる出力トルクが、第1のギア4から第2のギア5で増幅されて車軸に伝達されると共に、第4のギア12を介して共通ケース51内部に収容された調整機内蔵部品55及び圧縮機内蔵部品54に伝達される。したがって、燃料電池車両の走行に連動して、共通ケース51に設けられた吸気口51aから取り込まれた空気が圧縮されて吐出口51bから吐出されることになる。
以上のように、駆動モータ3と圧縮機8とを一体化して複合機とし、この状態で燃料電池車両に搭載するようにすれば、駆動モータ3と圧縮機8とによる占有スペースを減少させて、更なる省スペース化を実現することができる。
なお、図5に示した例では、駆動モータ3の構成部品と圧縮機8の内蔵部品とを積み重ねた状態で共通ケース51内部に配置した構造となっているので、装置自体が半径方向に大型化する傾向にあり、改善の余地が残されている。半径方向での小型化を考えると、駆動モータ3の構成部品と圧縮機8の内蔵部品とを同軸上に配置することが理想的と思われる。
図6は、このような配置を実現した複合機を示す図であり、その断面構造を模式的に示したものである。この図6に示す複合機では、円筒形状の共通ケース61内部の中心軸付近に駆動モータ3を構成するロータ62及びステータ63が配置され、その外周側に圧縮機8に相当する圧縮機内蔵部品64が配置されている。圧縮機内蔵部品64は、軸流式の圧縮機の軸を円筒形とし、中心の軸部と羽根の設けられた円筒部とを円盤で連結し、回転力を反径方向外側に伝達する構造となっている。また、駆動モータ3を構成するロータ62及びステータ63と、圧縮機8に相当する圧縮機内蔵部品64との間には、共通の冷却経路65が設けられており、この冷却経路65を流れる冷却液によって、ロータ62及びステータ63と圧縮機内蔵部品64との双方の冷却が行われるようになっている。
この複合機では、ロータ62の回転により得られる出力トルクが、第1のギア4から第2のギア5で増幅されて車軸に伝達されると共に、第4のギア12を介して回転方向調整機11に伝達される。そして、回転方向調整機11で回転方向が調整されたトルクが、第5,第6のギア66,67を介して共通ケース61内部に配置された圧縮機内蔵部品64に伝達される。したがって、燃料電池車両の走行に連動して、共通ケース61に設けられた吸気口61aから取り込まれた空気が圧縮されて吐出口61bから吐出されることになる。また、このとき、ロータ62やステータ63、圧縮機内蔵部品64からの熱は冷却経路65を流れる冷却液に吸熱され、これらの部品が冷却されることになる。
以上のような構成を採用すれば、半径方向の小型化も十分に図ることができ、より一層の省スペース化を実現することができる。また、冷却経路65を流れる冷却液で駆動モータ3の構成部品と圧縮機8の内蔵部品との双方を冷却する構造とすることで、省スペース化を実現しながら、これら熱源となる部品の冷却を適切に行うことが可能となる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態の燃料電池車両は、図7に示すように、基本構成を上述した第1の実施形態と同様とし、空気供給系の空気供給配管(空気流路)9に補助圧縮機(第2の圧縮機)72を接続して、空気タンク10から燃料電池1に供給する空気流量が不足するときに、補助圧縮機72を作動させてその不足分を補うようにしたものである。以下、本実施形態に特徴的な部分についてのみ説明し、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
補助圧縮機72は、空気供給配管9の空気タンク10が接続される位置よりも下流側、具体的には、例えば第2のバルブ14と第2の流量センサ20との間に接続される。この補助圧縮機72としては、空気タンク10から供給する空気流量の不足分を補い得る吐出量が確保できる程度の比較的容量の少ないものが用いられる。そして、この補助圧縮機72は、コントローラ30によって空気タンク10から燃料電池1に供給する空気流量が不足すると判断されたときに、補助モータ72の駆動により作動し、不足分の空気を吐出して燃料電池1に供給する。
ここで、本実施形態の燃料電池車両において、以上のような空気供給制御を実施するための具体的な制御フローについて、図8のフローチャートを参照して説明する。この制御フローは、第1の実施形態で説明した図3の制御フロート平行して実行されるものであり、イグニッションオンからイグニッションオフまでの間、所定の設定時間毎(例えば、10msec毎)にコントローラ30にて実行される。
この制御フローでは、先ず、ステップS301において、第3のバルブ15が開いているか、すなわち、空気タンク10に充填された空気を燃料電池1に供給している状態であるかどうかを確認する。そして、空気タンク10から燃料電池1への空気供給を行っている状態であれば、次に、ステップS302において、燃料電池1前段に設けられた第2の流量センサ20から入力される検出信号に基づき、燃料電池1に供給される空気流量が燃料電池1で要求する規定空気量に達しているかどうかを判定する。
そして、燃料電池1に供給される空気流量が燃料電池1で要求する規定空気量に達していない場合に、ステップS303において、補助モータ72に通電して補助圧縮機71を作動させ、この補助圧縮機71からの空気で不足分を補う。
この補助圧縮機71の作動は、第3のバルブ15が閉じられるまで、或いは燃料電池1への供給空気量が規定空気量に達するまで継続される。すなわち、ステップS301で第3のバルブ15が閉じられていると判定されたとき、或いはステップS302で燃料電池1への供給空気量が規定空気量に達していると判定されたときに、補助圧縮機71が作動中であれば、この段階で補助モータ72への通電を遮断して補助圧縮機71の作動を停止させる(ステップS304,ステップS305)。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池車両によれば、空気タンク10から燃料電池1に供給する空気流量が不足するときには、補助圧縮機72を作動させてその不足分を補うようにしているので、上述した第1の実施形態と同様に静粛性の向上や、省スペース化といった効果が得られることに加えて、例えば急制動等で空気タンク10に十分な空気量が充填できていない状況であっても、燃料電池1への空気供給を適切に行うことができ、システムの安定化を図ることができるといった効果も得られる。
第1の実施形態の燃料電池車両の要部構成を模式的に示す図である。 前記燃料電池車両が備えるコントローラの機能ブロック図である。 前記燃料電池車両のコントローラにて実行される空気供給制御を示すフローチャートである。 前記燃料電池車両のコントローラにて実行される空気充填制御を示すフローチャートである。 駆動モータと圧縮機とが一体化されてなる複合機の一例を模式的に示す断面図である。 駆動モータと圧縮機とが一体化されてなる複合機の他の例を模式的に示す断面図である。 第2の実施形態の燃料電池車両の要部構成を模式的に示す図である。 第2の実施形態の燃料電池車両のコントローラにて実行される空気供給制御を示すフローチャートである。
符号の説明
1 燃料電池
2 車両駆動輪
3 駆動モータ
6 車軸
8 圧縮機
9 空気供給配管
10 空気タンク
30 コントローラ
71 補助圧縮機
72 補助モータ

Claims (6)

  1. 車輪を駆動する駆動モータと、
    前記駆動モータに電力を供給する燃料電池と、
    前記燃料電池に供給する空気を圧縮する圧縮機と、
    前記圧縮機と前記燃料電池とを接続する空気流路と、
    前記空気流路の中途位置に配設され、前記圧縮機で圧縮された空気が充填される空気タンクとを備え、
    車両減速時に前記圧縮機で圧縮された空気を前記空気タンクに充填し、車両発進時に前記空気タンクに充填された空気を前記燃料電池に供給することを特徴とする燃料電池車両。
  2. 車両加速時で前記燃料電池に供給する空気流量が不足するときに、前記空気タンクに充填された空気を前記燃料電池に供給することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池車両。
  3. 車両停止時で前記燃料電池での発電が要求されるときに、前記空気タンクに充填された空気を前記燃料電池に供給することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池車両。
  4. 前記駆動モータからの動力で前記圧縮機を作動させることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の燃料電池車両。
  5. 車両減速時には前記車輪の回転力を前記駆動モータを介して前記圧縮機に伝達して、前記圧縮機を作動させることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池車両。
  6. 前記空気流路に第2の圧縮機を接続し、前記空気タンクから前記燃料電池に供給する空気流量が不足するときに、前記第2の圧縮機を作動させることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の燃料電池車両。
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