JP2005157480A - 運転者心理状態判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
自車両の走行速度、自車両と先行車両との車間距離および相対速度の変化等に基づいて、運転者の心理状態の変化を判定すること。
【解決手段】
レーザーレーダ102によって検出された自車両と先行車両との車間距離と自車状況履歴記憶メモリ107に記憶された車間距離の履歴とに基づいて、車間距離の急激な変化があったと判断される。車速センサ101によって検出された車速と自車状況履歴記憶メモリ107に記憶された車間距離の履歴とに基づいて、自車両の車速が急激に増加したと判断される。ウィンカースイッチ103の操作信号に基づいて、自車両の車線変更がなかったと判断される。以上の場合に、現在の車間距離があらかじめ設定された基準値、すなわち、自車の速度に応じた安全のために最低限必要な車間距離以下である場合には、運転者の心理状態が変化したと判断される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自車両の走行速度、自車両と先行車両との車間距離および相対速度の変化等に基づいて、運転者の心理状態の変化を判定する運転者心理状態判定装置に関する。
自車両の走行速度および自車両と他車両との車間距離を検出し、これらの情報に基づいて運転者の心理状態を判定する運転者心理判定装置が特許文献1によって知られている。
特開2003−51097号公報
しかしながら、このような運転者心理判定装置においては、他車両の割り込みのような突発的な事象による運転者心理の変化を即時に検出することができないという問題が生じていた。
請求項1に記載の運転者心理状態判定装置は、自車両と先行車両との車間距離を検出する車間距離検出手段と、自車両の車速を計測する車速検出手段と、自車両と先行車両との相対速度を検出する相対速度検出手段と、自車両の車線変更を検出する車線変更検出手段と、検出された自車両と先行車両との車間距離、自車両の車速、自車両と先行車両との相対速度、自車両の車線変更に基づいて運転者の心理状態の変化を判定する第1の運転者心理状態変化判定手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、自車両と先行車両との車間距離、自車両の車速、自車両と先行車両との相対速度および自車両の車線変更の有無を監視することにより、運転中の運転者の心理状態の変化を即時に判定することができる。
―第1の実施の形態―
本発明の一実施の形態による運転者心理状態判定装置を搭載した車両100の構成を図1に示す。運転者心理状態判定装置は、自車両の走行速度の変化、自車両と先行車両等との車間距離および相対速度の変化等に基づいて、運転者の心理状態を判定する。図1の心理状態判定装置を搭載した車両100は、自車両の車速を検出する車速センサ101と、自車両と先行車両との間の車間距離と相対速度を検出するレーザーレーダ102と、自車両のウィンカーのON・OFFを切り替えるウィンカースイッチ103とを備えている。車両100はまた、運転者の心理状態の変化を検出する心理状態判定部104aを有する制御装置104と、ROM105およびRAM106と、上記検出された車速、車間距離、相対速度の履歴を格納する自車状況履歴記憶メモリ107とを有する。
車速センサ101は、車輪の回転数や変速機の出力側の回転数を計測することにより自車両の車速を検出し、検出した車速を制御装置104に出力する。レーザーレーダ102は、車両の前方グリル部もしくはバンパ部等に取り付けられ、水平方向に赤外光パルスを走査する。レーザーレーダ102は、自車両の前方にある複数の反射物(通常、先行車両の後端)で反射された赤外光パルスの反射波を計測し、反射波の到達時間より、先行車両までの車間距離と相対速度を検出する。検出した車間距離及び相対速度は制御装置104へ出力される。これら車速、車間距離、相対速度(以下、「自車状況情報」と呼ぶ)は、車両の走行中は常に制御装置104へ出力され続ける。ウィンカースイッチ103は運転者によってスイッチの操作がされた場合に、操作信号を制御装置104へ出力する。上記各センサから逐次入力される自車状況情報は、自車状況履歴記憶メモリ107へ記憶される。
心理状態判定部104aは、マイクロプロセッサおよびその周辺回路から構成される制御装置に104において、RAM106を作業エリアとしてROM105に格納された制御プログラムを実行することにより運転者の心理状態の変化を判定する。すなわち、上記各センサから逐次入力される自車状況情報と自車状況履歴記憶メモリ107に記憶された直前の自車状況情報の履歴とを比較することにより自車状況の変化を検知し、運転者の心理状態の変化を判定する。
以下、本実施の形態においては、先行車両が要因となって自車両と先行車両との車間距離が変化した場合に、運転者の心理状態が変化したと判定する処理について説明する。図2は、本実施の形態における運転者の心理状態の変化を判定する処理のフローチャートである。図2に示す処理は、不図示のイグニションスイッチがオンされると起動するプログラムとして実行される。
ステップS10において、車速センサ101により自車両の走行が開始されたと判断されると、ステップS20において、上記各センサにより検出された自車状況情報の自車状況履歴記憶メモリ107への記憶が開始される。自車状況履歴記憶メモリ107への記憶は、あらかじめ設定された所定の時間間隔、例えば1ms単位に、イグニションスイッチがオフされるまで続けられる。
またステップS20においては、同時に以下の処理で使用される各種基準値の読み込みも行われる。基準値は、運転者の心理状態の変化を判定する際に、心理状態の変化を引き起こす要因となる先行車両との車間距離等が、所定時間内にどれだけ変化したら運転者の心理状態に変化があったと判定するかを判断するための判定基準として使用される。なお、基準値は、不図示の基準値記憶メモリに格納されており、あらかじめ不図示の設定手段により設定されているものとする。
ステップS30においては、イグニションスイッチがオフにされたか否かの判断が行われる。イグニションスイッチがオフにされたと判断された場合には、ステップS90へ進み、上記自車状況履歴記憶メモリ107への記憶を終了し、処理を終了する。イグニションスイッチがオフにされないと判断された場合は、ステップS40へ進み、イグニションスイッチがオフされるまでの間、以下の処理を続行する。
ステップS40において、自車両と先行車両との車間距離に急激な変化があったか否かが判断される。これはレーザーレーダ102によって検出された現時点の車間距離L1と自車状況履歴記憶メモリ107に記憶された直前の車間距離L2の履歴とを比較し、その差がステップS20で読み込んだ所定の基準値L以上であるか否かによって判断される。すなわち、次式(1)、(2)で表される条件式によって判断が行われる。
if L2―L1≧L then 急激な変化あり・・・(1)
else if L2―L1<L then 急激な変化なし・・・(2)
例えば、0.1秒間における基準値Lを3mとすると、現時点と直前の0.1秒間分の履歴とを比較し、0.1秒間の間に3m以上の車間距離の減少があった場合、すなわちL2―L1≧3の場合は、車間距離に急激な変化があったと判断されることになる。
ステップS40において、車間距離に急激な変化がなかったと判断された場合には、先行車両は運転者の心理状態を変化させる要因とはならないため、ステップS30に戻り、イグニションスイッチがオフされるまで処理を繰り返す。すなわち、車間距離に急激な変化があると判断されるまで車間距離の監視を続ける。これに対して、車間距離に急激な変化があったと判断された場合には、これが運転者の心理状態を変化させる要因となる可能性があるため、ステップS50へ進む。
ステップS50においては、自車両の車速が急激に増加したか否かが判断される。これは車速センサ101によって検出された現時点の車速V1と自車状況履歴記憶メモリ107に記憶された直前の車速V2の履歴とを比較し、増加がステップS20で読み込んだ所定の基準値ΔV以上であるか否かによって判断される。すなわち、次式(3)、(4)で表される条件式によって判断が行われる。
if V1―V2≧ΔV then 急激に増加・・・(3)
else if V1―V2<ΔV then 急激な増加していない・・・(4)
例えば、1秒間における基準値ΔVを5km/hとすると、現時点と直前の1秒間分の履歴とを比較し、1秒間の間に5km/h以上の車速の増加があった場合、すなわちV1−V2≧5の場合は、自車両の車速に急激な変化があったと判断されることになる。
ステップS50において、自車両の車速が急激に増加していた場合には、ステップS40で判断された車間距離の急激な減少は、自車両、すなわち運転者の行動に起因するものであると判断できる。この場合、運転者にとっては車間距離の急激な減少は予期した結果であり、運転者の心理状態が変化する要因とはならない。よって、ステップS30へ戻り、イグニションスイッチがオフされるまで処理を繰り返す。これに対して、自車両の車速が急激に増加していないと判断された場合には、自車両の速度に関係なく車間距離の急激な減少が発生しているため、先行車両が急激に速度を減少したと考えられる。これにより、今回の車間距離の急激な減少は、運転者の心理状態を変化させる要因となる可能性があるため、ステップS60へ進む。
ステップS60において、自車両の車線変更があったか否かを判断する。これはウィンカースイッチ103が運転者によって操作がされた否かにより判断される。自車両の車線変更があったと判断された場合は、自車両の車両速度が急激に増加していないにも関わらず、車間距離の急激な減少が発生したのは、先行車両が急激に速度を減少したためでははく、自車両の車線変更により引き起こされたものであると考えられる。すなわち、自車両がスピードを変えずに車線変更を行った際に、新たな先行車両の速度が今までの先行車両の速度よりも遅かったために、車間距離が急激に減少したと考えられる。よって、この車間距離の急激な減少は、運転者自身の行為に起因するものであり、運転者の心理状態が変化する要因とはならない。この場合は、ステップS30へ戻り、イグニションスイッチがオフされるまで処理を繰り返す。
これに対して、自車両の車線変更がなかったと判断された場合は、自車両は同じ車線上を車速を増加させることなく走行しているにも関わらず、先行車両との車間距離が急激に減少したと判断することができるため、ステップS70へ進む。
ステップS70においては、現在の車間距離L1がステップS20で読み込んだ基準値L3以下であるか否かの判断が行われる。ここで基準値L3は、自車の速度に応じた、安全のために最低限必要な車間距離に設定されている。例えば、自車両の速度が100km/hであれば40m、60km/hであれば15mなどとする。先行車両との車間距離が急激に減少した時の車間距離およびその時の自車両の車速と、上記速度に応じて定められた車間距離の基準値を次式(5)、(6)で表される条件式を用いて比較することにより、判断がなされる。
if L1≧L3 then 心理状態の変化なし・・・(5)
else if L1<L3 then 心理状態の変化あり・・・(6)
ステップS70において、現在の車間距離L1が基準値L3以上であると判断された場合には、先行車両が要因となって自車両と先行車両との車間距離が急激に減少したにも関わらず、まだ十分に安全な車間距離を保っていることから、運転者の心理状態が変化する要因とはならない。よって、ステップS30へ戻り再度処理を続行する。これに対して、現在の車間距離L1が基準値L3以下であると判断された場合には、ステップS80へ進み、先行車両が要因となって自車両と先行車両との車間距離が急激に減少した結果、安全な車間距離を保てなくなっていることから、運転者の心理状態が変化したと判断される。
その後、ステップS30へ戻り、イグニションスイッチがオフされるまでの間、上記の処理を繰り返す。すなわち、先行車両に対する車間距離と、自車両の車速の変化と、自車両の車線変更とを監視し、先行車両の行動が要因となって運転者の心理状態が変化する可能性がある場合には、現在の車間距離と車間距離の基準値とに基づいて、運転者の心理状態に変化があったか否かを判断する。ステップS30において、イグニションスイッチがオフされたと判断された場合には、上述したとおり、ステップS90へ進み、上記自車状況履歴記憶メモリ107への記憶を終了し、処理を終了する。
以上、本実施の形態においては、先行車両が要因となって車間距離が急激に減少し、その結果、安全な車間距離を保てなくなった場合には、運転者の心理状態は変化したと判定することができ、運転者の心理状態の変化を判定することが可能となる。
―第2の実施の形態―
第2の実施の形態においては、先行車両が要因となって車間距離が急激に減少した場合に、先行車のどのような行動が原因で車間距離が急激に減少したかを判断し、先行車の行動に応じて運転者の心理状態の変化を判定する方法について説明する。本実施の形態においては、車間距離を急激に減少させる先行車両の行動を、「急ブレーキ」、「横断」、「割り込み」、「追い抜き」、すなわち「先行車両の急ブレーキ」、「他車両の横断」、「他車両の脇道からの割り込み」、「他車両の追い抜きによる割り込み」の4パターンに分類して判定を行う。また、第1の実施の形態においては、運転者の心理状態が変化したか否かのみしか判定しなかったが、本実施の形態においては、その度合い、すなわち心理状態が「大きく変化した」のか「小さく変化した」のか、あるいは「変化しなかった」のかを判定する。なお、図1に示した運転者心理状態判定装置の構成図については、第1の実施の形態と同様のため、説明を省略する。
図3は、本実施の形態における運転者の心理状態の変化を判定する処理のフローチャートである。図3に示す処理は、不図示のイグニションスイッチがオンされると起動するプログラムとして実行される。なお、図3において、ステップS110〜ステップS160の処理は、第1の実施の形態における図2のステップS10〜ステップS60と同一の処理のため、処理内容の説明は省略する。
ステップS160において、自車両の車線変更がなかったと判断された場合、すなわち自車両は同じ車線上を車速を増加させることなく走行しているにも関わらず、先行車両との車間距離が急激に減少したと判断された場合には、ステップS170へ進む。
ステップS170においては、先行車両が切替ったか否かの判断がされる。これは、レーザーレーダ102によって検出された現時点の車間距離L1と自車状況履歴記憶メモリ107に記憶された直前の車間距離L2の履歴とを比較することにより判断される。ここでの比較は、図2のステップS40において車間距離が急激に減少したか否かの判断を行った時と同様に行われる。すなわち、レーザーレーダ102によって検出された現時点の車間距離L1と自車状況履歴記憶メモリ107に記憶された直前の車間距離L2の履歴とを比較し、その差がステップS120で読み込んだ所定の基準値L4よりも大きいか否かによって判断される。
この基準値L4をステップS140における基準値Lよりも厳しく設定しておくことにより、単に同一の先行車両との車間距離が減少したのではなく、先行車両が別の車両に切替ったものであると判断することができる。判断は次式(7)、(8)で表される条件式によって行われる。
if L2―L1≧L4 then 先行車両の切替りあり・・・(7)
else if L2―L1<L4 then 先行車両の切替りなし・・・(8)
例えば、0.1秒間における基準値L4を5mとすると、現時点と直前の0.1秒間分の履歴とを比較し、0.1秒間の間に5m以上の車間距離の減少があった場合は、先行車両の切替りがあったと判断することとする。
ステップS170において、先行車両の切替りがなかったと判断された場合は、ステップS180に進む。ステップS180においては、先行車両の切替りがなかったにも関わらず、先行車両との車間距離が急激に減少しているため、先行車両が急ブレーキをかけたと判断できる。よって、後述する「先行車急ブレーキと判断した場合の処理」を実行する。先行車両の切替りがあったと判断された場合は、ステップS190に進む。
ステップS190においては、先行車が自車両と同方向に走行しているか、あるいは自車両の方向を向いて自車両とは逆走する方向に走行しているかといった先行車両の向きを判断する。先行車両の向きは、次式(9)により先行車両の速度V3を算出することにより、次式(10)、(11)に示す条件式で判断することができる。
V3=相対速度R―自車両の速度V1・・・(9)
if V3>0 then 自車両と同方向に走行・・・(10)
else if V3≦0 then 自車両と逆方向に走行または停止・・・(11)
ステップS190において、式(11)により、先行車両が自車両と逆方向に走行、または停止していると判断された場合は、ステップS200へ進む。ステップS200においては、先行車両が切り替わった結果、先行車両が自車両とは逆向きに走行しているため、対向車が右折等により自車両の前を横断していると判断できる。よって、後述する「横断と判断した場合の処理」を実行する。式(10)により、先行車両が自車両と同方向に走行していると判断された場合は、ステップS210へ進む。
ステップS210においては、先行車両と自車両の車速の比較を行う。これは、車速センサ101によって検出された自車両の車速V1と、式(9)によって算出される先行車両の速度V3とを次式(12)、(13)で表す条件式を用いて比較することにより行う。
if V1≧V3 then 割り込みと判断・・・(12)
else if V1<V3 then 追い抜きと判断・・・(13)
比較を行った結果、式(12)により、自車両が先行車両以上の速度で走行していると判断された場合には、自車両の前に自車両よりも同じ、あるいは遅い速度で他車両が脇道当から割り込みを行ったと判断できる。この場合は、ステップS220へ進み、後述する「割り込みと判断した場合の処理」を実行する。式(13)により、自車両よりも先行車両の方が速い速度で走行していると判断された場合には、他車両が自車両よりも速い速度で自車両を追い抜き、自車両の前に入ってきたと判断できる。この場合は、ステップS230へ進み、後述する「追い抜きと判断した場合の処理」を実行する。
上記、「先行車急ブレーキと判断した場合の処理」、「横断と判断した場合の処理」、「割り込みと判断した場合の処理」、「追い抜きと判断した場合の処理」が実行されることにより、それぞれの状況における運転者の心理状況の変化が判定される。その後、ステップS130へ戻り、イグニションスイッチがオフされるまでの間、上記の処理を繰り返す。ステップS130において、イグニションスイッチがオフされたと判断された場合には、第1の実施の形態と同様に、ステップS240へ進み、上記自車状況履歴記憶メモリ107への記憶を終了し、処理を終了する。
以下、「先行車急ブレーキと判断した場合の処理」、「横断と判断した場合の処理」、「割り込みと判断した場合の処理」、「追い抜きと判断した場合の処理」の各処理について詳細に説明する。図4は、「先行車急ブレーキと判断した場合の処理」を示すフローチャートである。ステップS410において、自車両と先行車両の車間距離L1と自車両と先行車両の相対速度Rに基づいて、次式(14)により自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1を算出する。
T1=L1/R・・・(14)
これにより、今のままの相対速度を保って走行を続けた場合に、自車両が先行車両に到達するまでの時間、すなわち追突するまでの時間を算出することができる。
ステップS420において、式(14)によって算出した自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1とステップS120においてあらかじめ読み込んだ基準値Tとを次式(15)、(16)に示す条件式で比較することにより、運転者の心理状況の変化の有無を判定することができる。
if T1>T then 心理状態の変化なしと判定・・・(15)
else if T1≦T then 心理状態の変化ありと判定・・・(16)
ここで基準値Tには運転者が追突を回避できる十分な時間が設定されており、自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1が基準値Tより大きい場合は、運転者は余裕を持って車線変更や減速等の対応をすることができるため、運転者の心理状態は変化しないと判断できる。よってこの場合はステップS430へ進み、「心理状態の変化なし」と判定し、図3のステップS130へ戻る。これに対して、自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1が基準値T以下の場合は、追突を回避するために運転者は急いで対応をする必要があり、心理状態が変化したと判断することができる。よってこの場合はステップS440へ進む。
ステップS440においては、基準値TとステップS420で算出した自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1との差を算出し、当該差がステップS120においてあらかじめ読み込んだ基準値T2を超えているか否かの判断を行う。ここで規定値T2には、自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1が基準値T以下の場合でも、その差がT2までであれば、通常操作で先行車両への追突を回避できる限界の時間が設定される。すなわち、追突を回避するための操作を行うに当たって、T1ほど時間的に余裕はないが、運転者が急いで減速や車線変更等を行う、あるいは先行車が加速を行えば、追突を回避することが可能な限界値となる。よって、この差が規定値T2未満であれば、運転者の心理状態は大きくは変化しないと判定できる。しかし、差が規定値T2以上である場合には、通常の操作では先行車両への追突は回避できず、運転者は強引な車線変更や急ブレーキ等の非常時の操作が必要になる、あるいは先行車が急加速を行う必要が生じ、運転者の心理状態は大きく変化すると判定できる。
以上の判定を条件式で表すと、次式(17)、(18)のようになる。
if T−T1≧T2 then 心理状態の変化大と判定・・・(17)
else if T−T1<T2 then 心理状態の変化小と判定・・・(18)
式(17)で表されるとおり、基準値Tと自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1との差が、基準値T2以上の場合には、運転者は非常時の操作が必要となるため、ステップS450へ進み心理状態の変化は大きいと判定される。これに対して、式(18)で表されるとおり、基準値Tと自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1との差が、基準値T2未満の場合には、運転者は十分な時間的余裕はないが通常の操作で追突を回避できるため、ステップS460へ進み心理状態の変化は小さいと判定される。判定が完了すると、図3のステップS130へ戻る。
上記にて説明した「急ブレーキと判断した場合の処理」における具体例を図5、図6に示す。図5においては、図5(a)において、先行車両5aに自車両5bが追従する形で走行している。この後、図5(b)に示すように先行車両が急ブレーキをかけ、先行車両5aと自車両5bとの車間距離が減少し、これに伴って自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1が減少している。その後、図5(c)において、先行車両5aが徐々に加速し、徐々にT1が増加する。
図5におけるT1の増減をグラフに表したものが図6である。図6(a)は式(15)で表される条件に該当する場合、すなわち「運転者の心理状態の変化なし」と判定される場合を示したグラフである。図6(a)においては、先行車両が急ブレーキをかけ、符号6aに示す自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1が減少した場合においても、符号6dに示す基準値T以上を保っていることから、「運転者の心理状態の変化なし」と判定される。
図6(b)は、式(18)で表される条件に該当する場合、すなわち「心理状態の変化小」と判定される場合を示したグラフである。図6(b)においては、先行車両が急ブレーキをかけ、符号6aに示す自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1が減少した場合に、符号6dに示す基準値Tを下回る。このときに下回った幅、すなわち、基準値Tと自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1との差が、基準値T2以下未満であることから、「心理状態の変化小」と判定される。
図6(c)は、式(17)で表される条件に該当する場合、すなわち「心理状態の変化大」と判定される場合を示したグラフである。図6(b)に示すグラフと同様に、図6(c)においても、先行車両が急ブレーキをかけ、符号6aに示す自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1が減少した場合に、符号6dに示す基準値Tを下回る。このときに下回った幅、すなわち、基準値Tと自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1との差が、基準値T2以上であることから、「心理状態の変化大」と判定される。
次に「横断と判断した場合の処理」について説明する。図7は「横断と判断した場合の処理」を示すフローチャートである。ステップS510において、自車両と先行車両の車間距離L1と自車両と先行車両の相対速度Rに基づいて、式(14)により自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1を算出する。ステップS520において、式(14)によって算出した自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1とステップS120においてあらかじめ読み込んだ基準値T3とを次式(19)、(20)に示す条件式で比較を行うことにより心理状態の変化を判定することができる。
if T1≧T3 then 心理状態の変化小またはなしと判定・・・(19)
else if T1<T3 then 心理状態の変化大と判定・・・(20)
ここで、基準値T3は、上述した「先行車急ブレーキと判断した場合の処理」における式(17)、(18)で使用した基準値T2と異なる値を設定することが可能である。これにより先行車両の行動が異なる場合に、その行動に応じた運転者の心理状態変化の判定が可能となる。
式(20)より、自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1が基準値T3未満と判断された場合には、ステップS580へ進み、運転者は非常時の操作が必要となるため、心理状態の変化大と判定し、図3のステップS130へ戻る。これに対して式(19)で示すとおり、自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1が基準値T3以上と判断された場合には、ステップS530へ進み、心理状態の変化が「小」か、あるいは「なし」かを判定するため、処理を続行する。
ステップS530においては、式(9)、(10)、(11)により先行車両の向きを判断する。先行車の向きが自車両と同方向であると判断された場合には、一時的に横断が発生したが、現時点では既に横断車両は通り過ぎていると判断できる。このため、ステップS570へ進み、運転者の心理状態の変化なしと判定し、図3のステップS130へ戻る。
先行車両が自車両と逆方向に走行している、または停止していると判断された場合には、現時点で対向車の右折など、先行車の横断が発生していると判断できる。このため、ステップS540に進み、現時点の相対速度と車間距離に基づいて、式(14)により自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1を再度算出する。この結果と基準値T3に基づいてステップS550において、次式(21)、(22)の条件式により運転者の心理状態の変化が判定される。
if T1≧T3 then 心理状態の変化なしと判定・・・(21)
else if T1<T3 then 心理状態の変化小と判定・・・(22)
式(22)より、自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1が基準値T3よりも小さいと判断された場合には、ステップS560へ進み、運転者の心理状態の変化小と判定し、図3のステップS130へ戻る。
式(21)により、自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1が基準値T3以上と判断された場合には、現時点では運転者の心理状態の変化はなしと判定される。この場合、ステップS530へ戻り、再度式(9)、(10)、(11)により先行車両の向きを判断する。ここで先行車両の向きが自車両と同方向と判定された場合には、既に横断車両は通り過ぎていると判断できるため、ステップS570へ進み、最終的に心理状態の変化はなしと判定される。先行車両がまだ自車両と逆向きに走行しているか停止していると判断された場合には、今後の横断車両の接近により運転者の心理状態が変化する可能性があるため、ステップS540、ステップS550およびステップS530の処理を繰り返す。
ステップS540、ステップS550およびステップS530を繰り返し処理した結果、最終的にステップS560へ進んだ場合には、運転者の心理状態の変化小と判定され、ステップS570に進んだ場合には、運転者の心理状態の変化なしと判定される。
上記にて説明した「横断と判断した場合の処理」における具体例を図8、図9に示す。図8においては、図8(a)において、先行車両5aに自車両5bが追従する形で走行しており、横断車両8a、すなわち右折を行う対向車が対向車線を自車両5bと逆方向に走行している。この後、図8(b)に示すように横断車両8aが右折を行い、自車両にとっての先行車両が一時的に5aから8aに切り替わる。これにより、横断車両(新たな先行車両)8aと自車両5bとの車間距離が減少し、これに伴って自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1が減少している。その後、図8(c)において、横断車両8aが右折を完了し、自車両にとっての先行車両が5aに戻り、T1が増加する。
図8におけるT1の増減をグラフに表したものが図9である。図9の各図においては、符号9eで示す点で先行車両が5aから横断車両8aに切り替わっていることを表している。すなわち図8(a)に示す状態から図8(b)に示す状態へ切り替わったことを表している。よって9eにおいて、自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1が減少している。そして、符号9fで示す点において、横断車両8aの右折が完了し、先行車両が5aに戻り、図8(c)に示す状態に切り替わったことを表している。
図9(a)は式(19)、(21)で表される条件に該当する場合、すなわち「運転者の心理状態の変化なし」と判定される場合を示したグラフである。横断車両8aが右折を行い、符号9eで示す点において先行車両が5aから横断車両8aに切り替わるとT1の減少が始まる。このとき、符号9eの時点ではT1は基準値T3以上であり、基準値T3に到達する前に図8(c)に示すように横断車両8aの右折が完了し、先行車両が先行車両5aに戻っていることから「運転者の心理状態の変化なし」と判定される。
図9(b)は、式(19)、(22)で表される条件に該当する場合、すなわち「運転者の心理状態の変化小」と判定される場合を示したグラフである。横断車両8aが右折を行い、符号9eで示す点においてT1の減少が始まる。このとき、符号9eの時点ではT1は基準値T3以上であるが、横断車両8aが右折による横断を行うに従って図8(b)に示すように自車両との車間距離が減少する。これにより、符号9gに示す点においてT1が基準値T3を下回ることから、「心理状態の変化小」と判定される。
図9(c)は、式(20)で表される条件に該当する場合、すなわち「心理状態の変化大」と判定される場合を示したグラフである。横断車両8aが右折を行い、符号9eで示す点においてT1の減少が始まる。このとき、符号9eの時点ですでにT1は基準値T3を下回っていることから、「心理状態の変化大」と判定される。
次に「割り込みと判断した場合の処理」について説明する。図10は「割り込みと判断した場合の処理」を示すフローチャートである。ステップS610において、自車両と先行車両の車間距離L1と自車両と先行車両の相対速度Rに基づいて、式(14)により自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1を算出する。ステップS620において、式(14)によって算出した自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1とステップS120においてあらかじめ読み込んだ基準値T3とを式(19)、(20)に示す条件式で比較を行うことにより心理状態の変化を判定する。
ここで、基準値T3は、上述した「横断と判断した場合の処理」における式(19)、(20)で使用した基準値T3と同じ値を使用しているが、T4などのように異なる値を設定することも可能である。これにより先行車両の行動が異なる場合に、その行動に応じた運転者の心理状態変化の判定が可能となる。なお、本実施の形態においては、説明の簡略化のため、上述した「横断と判断した場合の処理」と同じT3を用いて説明する。
式(20)より、自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1が基準値T3未満と判断された場合には、ステップS680へ進み、心理状態の変化大と判定し、図3のステップS130へ戻る。これに対して式(19)で示すとおり、自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1が基準値T3以上と判断された場合には、ステップS630へ進み、心理状態の変化が「小」か、あるいは「なし」かを判定するため、処理を続行する。
ステップS630において、自車両の車速V1と式(9)により算出される先行車両の速度V3の比較を行う。先行車両よりも自車両の方が遅い速度で走行していると判断された場合には、割り込みにより一時的に車間距離は縮まったが、その後徐々に車間距離が開いていることから、ステップS670へ進み、運転者の心理状態の変化なしと判定される。先行車両よりも自車両の方が速い速度で走行していると判断された場合には、ステップS640へ進み、現時点の相対速度と車間距離に基づいて、式(14)により自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1を再度算出する。この結果と基準値T3に基づいてステップS650において、式(21)、(22)の条件式により運転者の心理状態の変化が判定される。
式(22)より、自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1が基準値T3よりも小さいと判断された場合には、ステップS660へ進み、運転者の心理状態の変化小と判定し、図3のステップS130へ戻る。
式(21)により、自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1が基準値T3以上と判断された場合には、現時点では運転者の心理状態の変化はなしと判定される。この場合、ステップS630へ戻り、再度自車両の車速V1と式(9)により算出される先行車両の速度V3の比較を行う。ここで先行車両よりも自車両の方が遅い速度で走行していると判断された場合には、ステップS670へ進み、運転者の心理状態の変化なしと判定される。先行車両よりも自車両の方が速い速度で走行していると判断された場合には、今後の予想される車間距離の減少により運転者の心理状態が変化する可能性があるため、ステップS540、ステップS550およびステップS530の処理を繰り返す。
すなわち、自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1が基準値T3よりも小さくなる前に先行車が加速、あるいは自車両が減速する等すれば、最終的にステップS630からステップS670へ進み運転者の心理状態の変化なしと判定される。これに対して、一定の時間経過後に自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1が基準値T3よりも小さくなった場合には、最終的にステップS660からステップS670へ進み運転者の心理状態の変化小と判定される。
上記にて説明した「割り込みと判断した場合の処理」における具体例を図11、図12に示す。図11においては、図11(a)において、先行車両5aに自車両5bが追従する形で走行しており、割り込み車両11a、すなわち先行車両5aと自車両5bの間に割り込みを行う車両が脇道から接近している。この後、図11(b)に示すように割り込み車両11aが割り込みを行い、自車両にとっての先行車両が5aから11aに切り替わる。これにより、割り込み車両(新たな先行車両)8aと自車両5bとの車間距離が減少し、これに伴って自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1が減少している。その後、図11(c)において、新たな先行車両8aが加速をすることによりT1が増加する。
図11におけるT1の増減をグラフに表したものが図12である。図12の各図においては、符号12eで示す点で先行車両が5aから割り込み車両11aに切り替わっていることを表している。すなわち図11(a)に示す状態から図11(b)に示す状態へ切り替わったことを表している。よって11eにおいて、自車両が先行車両へ到達するまでの時間T1が減少している。そして、その後の先行車両11aの加速によりT1が増加している。
図12(a)は式(19)、(21)で表される条件に該当する場合、すなわち「運転Fの心理状態の変化なし」と判定される場合を示したグラフである。割り込み車両11aが割り込みを行い、符号12eで示す点において先行車両が5aから割り込み車両11aに切り替わると図11(b)に示すようにT1が減少する。このとき、符号12eの時点ではT1は基準値T3以上であり、基準値T3に到達する前に図11(c)に示すように割り込み車両11aが加速を行っていることから「運転者の心理状態の変化なし」と判定される。
図12(b)は、式(19)、(22)で表される条件に該当する場合、すなわち「運転者の心理状態の変化小」と判定される場合を示したグラフである。割り込み車両11aが割り込みを行い、符号12eで示す点において先行車両が5aから割り込み車両11aに切り替わると図11(b)に示すようにT1が減少する。このとき、符号11eの時点ではT1は基準値T3以上であるが、割り込み車両11aが割り込みを行ってから加速を行うまでの間に符号12fに示す点においてT1が基準値T3を下回る。これにより「心理状態の変化小」と判定される。
図12(c)は、式(20)で表される条件に該当する場合、すなわち「心理状態の変化大」と判定される場合を示したグラフである。割り込み車両11aが割り込みを行い、符号12eで示す点においてT1が減少する。このとき、符号12eの時点ですでにT1は基準値T3を下回っていることから、「心理状態の変化大」と判定される。
次に「追い抜きと判断した場合の処理」について説明する。図13は「追い抜きと判断した場合の処理」を示すフローチャートである。ステップS710において、自車両と先行車両との車間距離L1とステップS120においてあらかじめ読み込んだ基準値L3とが式(5)、(6)により比較され、運転者の心理状態の変化が判定される。式(5)により車間距離L1が基準値L3以上であると判断された場合には、ステップS720へ進み、運転者の心理状態変化なしと判定される。
式(6)により、車間距離L1が基準値L3未満であると判断された場合には、ステップS730へ進み、基準値L3と現時点での車間距離L1との差が基準値L5と比較される。ここで基準値L5には、自車両と先行車両との車間距離L1が基準値L3よりも短い場合でも、その差がL5未満であれば、運転者が危険を感じずに運転を続けることができる限界の車間距離が設定される。よって、差がL5以上の場合には、先行車両は自車両の前方に強引な割り込みを行っており、運転者が追突等の危険を感じたと判断することができる。よって、次式(23)、(24)の条件式により運転者の心理状態の変化が判定される。
if L3−L1<L5 then 心理状態の変化小と判定・・・(23)
else if L3−L1≧L5 then 心理状態の変化大と判定・・・(24)
式(23)より、基準値L3と車間距離L1との差が規定値L5未満であれば、ステップS750へ進み、運転者の心理状態の変化小と判定される。しかし、式(24)より、差が規定値L5以上である場合には、ステップS740へ進み、運転者の心理状態の心理変化大と判定される。
上記にて説明した「追い抜きと判断した場合の処理」における具体例を図14、図15に示す。図14においては、図14(a)において、先行車両5aに自車両5bが追従する形で走行しており、今後自車両5bの追い抜きを行う追い抜き車両14aが隣の車線を走行している。この後、図14(b)に示すように追い抜き車両14aが追い抜きを行い、自車両にとっての先行車両が5aから14aに切り替わる。これにより、追い抜き車両(新たな先行車両)14aと自車両5bとの車間距離L1が減少する。その後、図14(c)において、新たな先行車両14aが加速をすることにより車間距離L1が増加する。
図14における車間距離L1の増減をグラフに表したものが図15である。図15の各図においては、符号15eで示す点で先行車両が5aから追い抜き車両14aに切り替わっていることを表している。すなわち図14(a)に示す状態から図14(b)に示す状態へ切り替わったことを表している。よって15eにおいて、自車両と先行車両との車間距離L1が減少している。そして、その後の先行車両14aの加速によりL1が増加している。
図15(a)は式(5)で表される条件に該当する場合、すなわち「運転者の心理状態の変化なし」と判定される場合を示したグラフである。追い抜き車両14aが追い抜きを行い、符号15eで示す点において先行車両が5aから追い抜き車両14aに切り替わると図14(b)に示すようにL1が減少する。このとき、符号15eの時点ではL1は基準値L3以上であり、基準値L3に到達する前に図14(c)に示すように追い抜き車両14aが加速を行っていることから「運転者の心理状態の変化なし」と判定される。
図15(b)は、式(23)で表される条件に該当する場合、すなわち「運転者の心理状態の変化小」と判定される場合を示したグラフである。追い抜き車両14aが追い抜きを行い、符号15eで示す点において先行車両が5aから追い抜き車両14aに切り替わると図14(b)に示すようにL1が減少する。このとき、符号15eの時点でL1は基準値L3を下回っており、このときの基準値L3と車間距離L1との差が、基準値L5未満であることから、「心理状態の変化小」と判定される。
図15(c)は、式(24)で表される条件に該当する場合、すなわち「心理状態の変化大」と判定される場合を示したグラフである。追い抜き車両14aが追い抜きを行い、符号15eで示す点において先行車両が5aから追い抜き車両14aに切り替わると図14(b)に示すようにL1が減少する。このとき、符号15eの時点でL1は基準値L3を下回っており、このときの基準値L3と車間距離L1との差が、基準値L5以上であることから、「心理状態の変化大」と判定される。
以上のように、本実施の形態によれば、「急ブレーキ」、「横断」、「割り込み」、「追い抜き」といった突発的な先行車両の行動に応じて、運転者の心理状態の変化を即時に判定することができる。また、単に変化したか否かのみではなく、変化したと判定した場合には、その変化の度合いが大きいのか小さいのかを判定することができる。
本実施の形態においては、各基準値は、あらかじめ設定されているものとしたが、自車状況履歴記憶メモリ107に記憶された過去の自車状況情報より所定のアルゴリズムによって自動で算出してもよい。また、各基準値は、「急ブレーキ」、「横断」、「割り込み」、「追い抜き」といった先行車両の行動ごとに異なる値を設定してもよいし、全ての行動に共通の値を設定してもよい。
運転者の心理状態の変化を判定する際に、先行車両の行為が「急ブレーキ」、「横断」、「割り込み」の各場合には、「自車両が先行車両へ到達するまでの時間」に基づいて判定を行った。これに対し、先行車両の行為が「追い抜き」の場合には、「自車両と先行車両との車間距離」に基づいて判定を行った。しかし上記の方法に限定されず、各パターンにおいて「自車両が先行車両へ到達するまでの時間」と「自車両と先行車両との車間距離」のいずれに基づいて判定を行っても良い。
特許請求の範囲の構成要素と実施の形態との対応関係について説明する。車速センサ101は車速検出手段、減少判定手段および認識手段に、レーザーレーダ102は車間距離検出手段、相対速度検出手段、減少判定手段および認識手段に、ウィンカースイッチ103は車線変更検出手段および認識手段に相当する。自車状況履歴記憶メモリ107は記憶手段に、心理状態判定部104aは第1、第2の心理状態変化判定手段に相当する。なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。
本発明の一実施の形態による運転者心理状態判定装置の構成を示す図である。 第1の実施の形態における運転者の心理状態の変化を判定する処理のフローチャートを示す図である。 第2の実施の形態における運転者の心理状態の変化を判定する処理のフローチャートを示す図である。 先行車急ブレーキと判断した場合の処理のフローチャートを示す図である。 先行車急ブレーキと判断した場合の車両の位置関係を示す図である。 先行車急ブレーキと判断した場合の運転者の心理状態のグラフを示す図である。 横断と判断した場合の処理のフローチャートを示す図である。 横断と判断した場合の処理の車両の位置関係を示す図である。 横断と判断した場合の処理の運転者の心理状態のグラフを示す図である。 割り込みと判断した場合の処理のフローチャートを示す図である。 割り込みと判断した場合の処理の車両の位置関係を示す図である。 割り込みと判断した場合の処理の運転者の心理状態のグラフを示す図である。 追い抜きと判断した場合の処理のフローチャートを示す図である。 追い抜きと判断した場合の処理の車両の位置関係を示す図である。 追い抜きと判断した場合の処理の運転者の心理状態のグラフを示す図である。
符号の説明
100 心理状態判定装置
101 車速センサ
102 レーザーレーダ
103 ウィンカースイッチ
104 心理状態判定回路
105 ROM
106 RAM
107 自車状況履歴記憶メモリ

Claims (7)

  1. 自車両と先行車両との車間距離を検出する車間距離検出手段と、
    自車両の車速を計測する車速検出手段と、
    自車両と先行車両との相対速度を検出する相対速度検出手段と、
    自車両の車線変更を検出する車線変更検出手段と、
    前記検出された自車両と先行車両との車間距離、自車両の車速、自車両と先行車両との相対速度、自車両の車線変更(これらを以下、「自車状況」と呼ぶ)に基づいて運転者の心理状態の変化を判定する第1の運転者心理状態変化判定手段とを有することを特徴とする運転者心理状態判定装置。
  2. 請求項1に記載の運転者心理状態判定装置において、
    前記検出された自車状況の履歴を記憶する記憶手段と、
    前記自車両と先行車両との車間距離が所定時間の間に所定の距離以上減少(以下、「車間距離の減少」と呼ぶ)した場合には、現時点の自車状況と前記記憶手段に格納された自車状況の履歴とに基づいて、その車間距離の減少が先行車両に起因するものであるか否かを判定する減少判定手段とをさらに有し、
    前記第1の運転者心理状態変化判定手段は、前記減少判定手段により車間距離の減少が先行車両に起因するものであると判定された場合には、現時点の車間距離が所定の基準値以下である場合に、運転者の心理状態が変化したと判定することを特徴とする運転者心理状態判定装置。
  3. 請求項1に記載の運転者心理状態判定装置において、
    前記自車両と先行車両との車間距離および自車両と先行車両との相対速度に基づいて、自車両が先行車両に到達するまでの時間(車間時間)を算出する到達時間算出手段と、
    前記車間時間に基づいて、運転者の心理状態の変化を判定する第2の運転者心理状態変化判定手段とをさらに有することを特徴とする運転者心理状態判定装置。
  4. 請求項2または3に記載の運転者心理状態判定装置において、
    前記車間距離の減少が、前記「先行車両の急ブレーキ」、「他車両の横断」、「他車両の脇道からの割り込み」、「他車両の追い抜きによる割り込み」の4つのパターンのいずれに起因するものかを認識する認識手段をさらに有し、
    前記第1または第2の運転者心理状態変化判定手段は、前記認識手段により認識した各パターンに応じて運転者の心理状態の変化を判定することを特徴とする運転者心理状態判定装置。
  5. 請求項2に記載の運転者心理状態判定装置において、
    前記自車両と先行車両との車間距離および自車両と先行車両との相対速度に基づいて、自車両が先行車両に到達するまでの時間(車間時間)を算出する到達時間算出手段と、
    前記車間時間に基づいて、運転者の心理状態の変化を判定する第2の運転者心理状態変化判定手段とをさらに有することを特徴とする運転者心理状態判定装置。
  6. 請求項5に記載の運転者心理状態判定装置において、
    前記車間距離の減少が、「先行車両の急ブレーキ」、「他車両の横断」、「他車両の脇道からの割り込み」、「他車両の追い抜きによる割り込み」の4つのパターンのいずれに起因するものかを認識する認識手段をさらに有し、
    前記第1または第2の運転者心理状態変化判定手段は、前記認識手段により認識した各パターンに応じて運転者の心理状態の変化を判定することを特徴とする運転者心理状態判定装置。
  7. 請求項6に記載の運転者心理状態判定装置において、
    現時点の車間距離と前記記憶手段に格納された車間距離とに基づいて、先行車両が切り替わったか否かの判定を行う先行車両切り替わり判定手段と、
    自車両の速度および自車両と先行車両との相対速度に基づいて先行車両の速度を検出する先行車両速度検出手段とをさらに有し、
    前記認識手段は、
    (1)前記現象判定手段により前記車間距離の減少が先行車両に起因するものであると判定され、かつ前記先行車両切り替わり判定手段により先行車両が切り替わっていないと判定された場合には、前記「先行車両の急ブレーキ」であると認識し、
    (2)前記先行車両切り替わり判定手段により先行車両が切り替わっていると判定され、かつ前記切り替わり判定後に前記先行車両速度検出手段によって検出された先行車両(前記他車両)の車速から、前記他車両が自車両と反対方向へ走行している、または停止していると判定した場合には、前記「他車両の横断」であると認識し、
    (3)前記先行車両切り替わり判定手段により先行車両が切り替わっていると判定され、かつ前記切り替わり判定後に前記先行車両速度検出手段によって検出された先行車両(前記他車両)の車速から、前記他車両が自車両と同方向へ走行していると判定し、かつ先行車両の速度より自車両の速度の方が高速であると判定した場合には、前記「他車両の脇道からの割り込み」であると認識し、
    (4)前記先行車両切り替わり判定手段により先行車両が切り替わっていると判定され、かつ前記切り替わり判定後に前記先行車両速度検出手段によって検出された先行車両(前記他車両)の車速から、前記他車両が自車両と同方向へ走行していると判定し、かつ前記他車両の速度より自車両の速度の方が低速であると判定した場合には、前記「他車両の追い抜きによる割り込み」であると判定し、
    前記第1または第2の運転者心理状態変化判定手段は、前記認識手段が判定した前記(1)〜(4)の判定ごとに異なるアルゴリズムによって運転者の心理状態を判定することを特徴とする運転者心理状態判定装置。
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