JP2005156027A - 空気調和機、ファンヒータおよび抗原性物質を失活させる方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 薬物による予防法のように個人差による影響などの困難性を伴うことなく、また、その装置が本来有する基本機能に影響を与えずに室内の抗原性物質を失活させることができ、さらに、床面に落ちている抗原性物質を失活させることができる空気調和機、ファンヒータおよび抗原性物質を失活させる方法を提供する。
【解決手段】 空気調和機は、正負両イオンを発生するためのイオン発生素子12と、床面に向かって正負両イオンを噴出するためのイオン噴出手段および床面に落ちている抗原性物質を浮上させるための浮上手段として、送風ファン3および横ルーバ14を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 空気調和機は、正負両イオンを発生するためのイオン発生素子12と、床面に向かって正負両イオンを噴出するためのイオン噴出手段および床面に落ちている抗原性物質を浮上させるための浮上手段として、送風ファン3および横ルーバ14を備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、空気調和機、ファンヒータおよび抗原性物質を失活させる方法に関する。特に、正イオンおよび負イオンを発生させることができる空気調和機およびファンヒータに関する。
近年においては、住環境の変化に伴って、人へのアレルギー疾患の原因となる花粉やダニなどの有害な抗原性物質(または「アレルゲン」ともいう。)が除去された環境で快適な生活を送りたいという要望が強くなってきている。抗原性物質は、空気中に漂っていたり、床面に落ちていたりする。抗原性物質のような健康を害する物質を除去するため、各種のフィルタや不活性装置を備えた空気調和機が開発されている。
たとえば、特開平8−173843号公報には、電気集塵機のメインフィルタの上流にプレフィルタを設けた空気清浄装置が開示されている。このプレフィルタのフィルタエレメントは、数μm以上の花粉や胞子を除去することができ、さらに、電気集塵機のメインフィルタは、0.001μm〜10数μmの粒子径を有するウイルス、すす、タバコの煙などを除去することができると開示されている。
また、特開平6−154298号公報においては、花粉アレルゲンを不活性化させる装置として、紫外線照射器を備えた装置が開示されている。この装置においては、フィルタに捕集されたスギ花粉に一定の波長を有する紫外線を一定の照射エネルギーで照射することにより、花粉アレルゲンを人体に無害なものにすることができると開示されている。
また、特開2000−111106号公報においては、装置内部で紫外線の照射が可能な紫外線灯と、微細物が捕集可能な集塵フィルタとを備える空気清浄機が開示されている。この空気清浄機は、紫外線灯から殺菌作用の強い波長とオゾンを発生させる波長とを含む紫外線が発生する。この紫外線によって、細菌や花粉などの微細物を含む空気が紫外線やオゾンによって殺菌、脱臭される。一方で、オゾンを含んだ空気は、集塵フィルタを通過して室内に排出され、室内に排出されたオゾンが、室内の空気を直接的に殺菌、脱臭するというものである。
さらに、特開平7−807号公報においては、電熱線からなる加熱手段によって、内部が65度以上に保持される恒温槽を有する花粉の処理装置が開示されている。この処理装置は、空気内に含まれる花粉を恒温槽内部で加熱処理して花粉に含まれる抗原タンパク質を変性させた後に、排気口から放出するというものである。
上記のような、機械的または電気的な方法で空気中に含まれる微細物などを死滅させるほか、人体に対してワクチンを投入するなどの薬物による予防法が提案されている。
特開平8−173843号公報(第2−4頁、第1−7図)
特開平6−154298号公報(第2−3頁、第1−3図)
特開2000−111106号公報(第2−4頁、第1−3図)
特開平7−807号公報(第2−4頁、第1−3図)
各種のフィルタを備えた空気調和機においては、室内の空気を吸引してフィルタによって抗原性物質を吸着もしくは濾過しようとするものである。このため、長期にわたって使用を継続すると、フィルタの清掃や交換などのメンテナンスが不可欠である。また、フィルタが詰まりだすとフィルタの性能が十分に発揮できないため、抗原性物質を十分に除去することができなくなってしまうという問題があった。
さらに、フィルタを空気調和機に配置した場合、フィルタによる圧力損失によって、送風量が減少するので、本来の目的である冷気などを放出する機能の障害となって効率が低下するという問題があった。このように、フィルタを空気調和機に配置した場合には、空気調和機が本来有する基本性能に影響を与えてしまうという問題があった。
また、紫外線照射によって殺菌や脱臭を行なったり、加熱によって抗原性物質などを処理する装置においては、抗原性物質などを紫外線灯が配置されている装置の内部まで運搬しなくてはならず、たとえば、床面に落ちている抗原性物質を失活させることができないという問題があった。
また、ワクチンなどの薬物による予防法では、それぞれ患者に依存して免疫の質や量が異なるため、薬物の効果が十分に発揮されていない場合があり、また、薬物による予防は、費用がかかるという問題があった。
上述のように、現在のところ、上記の不都合や困難性を伴うことなくアレルギー疾患を低減させる有効な方法は知られていない。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、薬物による予防法のように個人差による影響などの困難性を伴うことなく、また、その装置が本来有する基本機能に影響を与えずに室内の抗原性物質を失活させることができ、さらに、床面に落ちている抗原性物質を失活させることができる空気調和機、ファンヒータおよび抗原性物質を失活させる方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に基づく空気調和機は、正負両イオンを発生するためのイオン発生手段と、床面に向かって、上記正負両イオンを噴出するためのイオン噴出手段と、上記床面に落ちている抗原性物質を浮上させるための浮上手段とを備える。ここで、上記浮上手段とは、上記抗原性物質に対して外部から何らかの力を作用させることによって、上記抗原性物質を浮上させる手段をいう。この構成を採用することにより、個人差による影響などの困難性を伴うことなく、また、その装置が本来有する基本機能に影響を与えずに室内の上記抗原性物質を失活させることができ、さらに、上記床面に落ちている上記抗原性物質を失活させることができる空気調和機を提供することができる。
上記発明において好ましくは、上記浮上手段は、使用対象となる部屋のうち最も大きな部屋の標準的な大きさの部屋で使用したときに、少なくとも一部の上記床面における風速が0.5m/s以上となるように空気を送風する手段を含む。この構成を採用することにより、性能の優れた上記浮上手段を容易に形成することができる。
上記発明において好ましくは、熱交換器を備え、上記熱交換器による熱交換を行なわない状態で、上記イオン発生手段、上記イオン噴出手段および上記浮上手段を駆動する第1の運転機能を有する。この構成を採用することにより、冷暖房を行なわなくても上記空気調和機を駆動させることができるため、四季を問わず上記空気調和機を用いて上記抗原性物質を失活させることができる。
上記発明において好ましくは、上記第1の運転機能は、入力された時間に従って、上記イオン発生手段、上記イオン噴出手段および上記浮上手段を駆動または停止させる機能を含む。この構成を採用することにより、人が不在のときを利用して、上記室内の上記抗原性物質を失活させることができる。
上記発明において好ましくは、上記イオン噴出手段および上記浮上手段として、上記床面に向かって吹出し口から空気を噴出するための送風ファンと、上記吹出し口に形成された横ルーバとを含み、上記イオン発生手段は、上記送風ファンから上記吹出し口に向かう気流経路の途中に配置されている。この構成を採用することにより、容易に上記浮上手段を形成することができる。また、上記吹出し口から噴出する上記正負両イオンの個数密度を大きくすることができ、上記床面に存在する上記抗原性物質を効率よく失活させることができる。
上記横ルーバは、水平方向を0°、鉛直方向下向きを−90°とした時に、−90°以上−30°以下の範囲内の向きに上記空気を噴出するように形成され、上記送風ファンは、上記吹出し口における風速が3m/s以上10m/s以下になるように形成されている。この構成を採用することにより、家庭用の空気調和機において、上記床面に落ちている上記抗原性物質を浮かび上がらせることができる。
上記発明において好ましくは、上記横ルーバは、主表面が鉛直方向と略平行になるように固定、または上記主表面の傾斜角度が連続的に変更可能に形成されている。この構成を採用することにより、効率よく室内全体の抗原性物質を失活させることができる。
上記発明において好ましくは、上記横ルーバによって規定される上記吹出し口における流路の断面積を小さくして、さらに、上記送風ファンの回転数を上昇させる第2の運転機能を有する。この構成を採用することにより、上記吹出し口における風速を速くすることができ、効率よく上記抗原性物質を浮上させることができる。
上記目的を達成するため、本発明に基づくファンヒータは、正負両イオンを発生するためのイオン発生手段と、床面に向かって、上記正負両イオンを噴出するためのイオン噴出手段と、上記床面に落ちている抗原性物質を浮上させるための浮上手段とを備える。この構成を採用することにより、個人差による影響などの困難性を伴うことなく、また、その装置が本来有する基本機能に影響を与えずに室内の上記抗原性物質を失活させることができ、さらに、上記床面に落ちている上記抗原性物質を失活させることができるファンヒータを提供することができる。
上記目的を達成するため、本発明に基づく抗原性物質を失活させる方法は、床面に向かって正負両イオンを含む空気を吹き付ける工程と、上記空気によって、上記床面に落ちている抗原性物質を浮上させる工程と、上記抗原性物質に正負両イオンを接触させる工程とを含む。この方法を採用することにより、上記床面に落ちている上記抗原性物質を失活させることができる。
本発明によれば、薬物による予防法のように個人差による影響などの困難性を伴うことなく、また、その装置が本来有する基本機能に影響を与えずに室内の抗原性物質を失活させることができ、さらに、床面に落ちている抗原性物質を失活させる空気調和機、ファンヒータおよび抗原性物質を失活させる方法を提供することができる。
(構成)
図1から図6を参照して、本発明に基づく空気調和機について説明する。図1は、本発明に基づく正負両イオンを発生することができるセパレート型の空気調和機のうち室内機の断面図である。図1は、室内機の長手方向に垂直な断面で切断したときの断面図である。この空気調和機は、部屋の壁の上方に配置して使用するものである。
図1から図6を参照して、本発明に基づく空気調和機について説明する。図1は、本発明に基づく正負両イオンを発生することができるセパレート型の空気調和機のうち室内機の断面図である。図1は、室内機の長手方向に垂直な断面で切断したときの断面図である。この空気調和機は、部屋の壁の上方に配置して使用するものである。
本体ケーシング4の内部には、内部を通過する空気の熱交換を行なうための熱交換器2が配置されている。本形態においては、複数の熱交換器2が配置されている。熱交換器2の内部には、たとえば冷熱媒体などが流れる。
本体ケーシング4の内部には、本体ケーシング4の前側から上側に向かって、フィルタガイド5が形成されている。フィルタガイド5にはフィルタ7が挿入されている。本体ケーシング4の前側において、フィルタ7の外側には、前パネル6が形成されている。本体ケーシング4の上側において、フィルタ7の外側には、上パネル9が形成されている。
本体ケーシング4の内部には、複数の熱交換器2に囲まれるように、送風ファン3が配置されている。送風ファン3は、モーターによって回転するように形成されている(図示せず)。送風ファン3は、空気調和機の長手方向と回転軸が平行になるように配置されている。本体ケーシング4の前側の下方には、吹出し口11が形成されている。吹出し口11は、送風ファン3が配置されている空間と連通している。送風ファン3から吹出し口11までには、空気が流れるための気流経路10が形成されている。
気流経路10の途中には、イオン発生手段としてイオン発生素子12が形成されている。イオン発生素子12は、正イオンと負イオンとを発生させるためのものである。イオン発生素子12は、本体ケーシング4の底面近くに形成されている。
図2に、本形態におけるイオン発生素子の概略説明図を示す。本形態におけるイオン発生素子は、誘電体21、平板電極22およびメッシュ電極23を含む。誘電体21は、平板電極22とメッシュ電極23とに挟まれている。平板電極22は、板状の電極である。これに対して、メッシュ電極23は、平面形状がメッシュ状(格子状)になっている電極である。平板電極22およびメッシュ電極23は、それぞれが電源24に電気的に接続されている。電源24は、平板電極22に対して正極と負極の電圧を交互に印加できるように形成されている。メッシュ電極23は接地されている。
本形態におけるイオン発生素子としては、電極間のピークトゥーピーク(peak to peak)電圧が5kVのものを用いている。すなわち、正電圧方向には2.5kV、負電圧方向には2.5kVの電圧ピークを有するものが用いられている。また、周波数が120Hzのパルス波形の電圧が入力できるものが用いられている。
本形態におけるイオン発生素子は、長手方向を有する。イオン発生素子は、この長手方向が図1における室内機の長手方向と平行になるように配置されている。
図1において、気流経路10のうちイオン発生素子12が配置されている位置の下流側には、複数の縦ルーバ13が配置されている。縦ルーバ13は、吹出し口11から噴出する空気の左右方向の向きを調整するためのものである。縦ルーバ13は、平板状に形成され、主表面の向きが変更できるように形成されている。たとえば、空気調和機の正面に向かって空気を吹出す場合には、縦ルーバ13の主表面が気流経路10における空気の進行方向と平行になる。
気流経路10において、吹出し口11の近傍には、横ルーバ14が形成されている。図1に示す断面においては、2枚の横ルーバ14が形成されている。横ルーバ14は、吹出し口11から噴出する空気の上下方向の向きを調整するためのものである。横ルーバ14は、平面状に形成され、主表面の向きが変更できるように形成されている。すなわち、横ルーバ14は傾斜角度が変更可能に形成されている。また、本形態においては、横ルーバ14は図示しない駆動装置に接続され、傾斜角度が可変に制御されるように形成されている。
本形態における空気調和機は、床面に向かって正負両イオンを噴出するためのイオン噴出手段および床面に落ちている抗原性物質を浮上させる浮上手段として、床面に向かって吹出し口から空気を噴出するための送風ファンと、吹出し口に形成された横ルーバとを含む。すなわち、本形態においては、送風ファンと横ルーバとが、イオン噴出手段と浮上手段とを兼ねている。
本形態における空気調和機は、熱交換器による熱交換を行なわない状態で、イオン発生素子、送風ファンおよび横ルーバを駆動する第1の運転機能を有する。また、第1の運転機能は、入力された時間に従って、送風ファン、横ルーバおよびイオン発生素子が駆動または停止する機能を含む。すなわち、タイマーにより、第1の運転機能の制御を行なうことができるように形成されている。
また、図3に示すように、本形態における空気調和機は、横ルーバ14の断面における幅方向が鉛直方向とほぼ平行(横ルーバの主表面が鉛直方向とほぼ平行)になり、ほぼ鉛直下向きに空気を吹出す運転機能を有する。
図4に、第2の運転機能の説明図を示す。図4は、本形態における空気調和機の断面図である。第2の運転機能においては、横ルーバ14によって規定される吹出し口における流路の断面積が小さくなって、さらに、送風ファン3の回転数が上昇する。本形態における第2の運転機能は、隣り合う横ルーバ14の外側の先端同士の間隔が小さくなって、吹出し口11における空気の流路の断面積が小さくなるように機能する。さらに、送風ファン3の回転数が上昇する。
(装置の作用、効果および抗原性物質を失活させる方法)
本発明の空気調和機が対象とする抗原性物質とは、スギ、ヒノキまたはブタクサなどの花粉類、および、ダニなどの生物が含まれ、生体に作用することによって、アレルギー反応を起こし、アレルギー疾患を誘発させる物質のことを言う。抗原性物質は、通常タンパク質または糖タンパク質から形成されているが、その形状や大きさについては、特に限定されるものではなく、タンパク質や糖タンパク質自体の分子状のものおよびそれらの集合体が含まれる。また、その分子状のものの一部が抗原決定基であるものが含まれる。
本発明の空気調和機が対象とする抗原性物質とは、スギ、ヒノキまたはブタクサなどの花粉類、および、ダニなどの生物が含まれ、生体に作用することによって、アレルギー反応を起こし、アレルギー疾患を誘発させる物質のことを言う。抗原性物質は、通常タンパク質または糖タンパク質から形成されているが、その形状や大きさについては、特に限定されるものではなく、タンパク質や糖タンパク質自体の分子状のものおよびそれらの集合体が含まれる。また、その分子状のものの一部が抗原決定基であるものが含まれる。
図1において、空気調和機の室内機は、送風ファン3が長手方向を回転軸として回転することによって、空気の吸入および噴出が行なわれる。空気の吸入は、本体ケーシング4の前面に配置された前パネル6および本体ケーシング4の上面に配置された上パネル9から行なわれる。吸入される際には、フィルタ7を通ることによって、塵埃が除去される。フィルタ7を通った空気は、熱交換器2を通って熱交換が行なわれる。熱交換器2を通ることによって、空気が暖かくなったり冷たくなったりする。また、冷房や暖房を行なわずに送風を行なう場合には、熱交換器2が熱交換を行なわない状態になる。
本体ケーシング4内に取り入れられた空気は、送風ファン3を通って、気流経路10に沿って移動する。気流経路10の途中にイオン発生素子12が配置されていることによって、空気を電離させ、正イオンおよび負イオンが形成される。
図2において、本形態におけるイオン発生素子では、メッシュ電極23が接地され、平板電極22にパルス波形の電圧が入力される。電源24を投入するとメッシュ電極23の端面で電界が集中して、放電が生じる。このように、メッシュ電極23で囲まれる空間にプラズマ領域25が形成される。プラズマ領域25において、空気が電離され、正負両イオンが形成される。本形態におけるイオン発生素子から発生するイオンは、正イオンであるH3O+(H2O)n(nは0または自然数)と、負イオンであるO2 -(H2O)m(mは0または自然数)がイオン成分の大部分を占める。
図1において、イオン発生素子12で発生したイオンを含んだ空気は、吹出し口11から吹き出される。吹き出される際には、縦ルーバ13によって、空気調和機の長手方向における吹出し方向(左右の方向)が定められ、横ルーバ14によって吹き出される上下方向の向きが定められる。
本発明による抗原性物質を失活させる方法においては、抗原性物質に対して正イオンおよび負イオンの両方を接触させることにより達成される。これらの正負両イオンのうち、正イオンまたは負イオンのいずれか一方が単独で抗原性物質に接触しても抗原性物質を失活させることはできない。正イオンと負イオンとの両方のイオンが空気中に存在し、これらの正負両イオンが、空気中に浮遊している抗原性物質に接触すると、抗原性物質を失活させることができる。
具体的には、実験によって、室内の正負両イオンの濃度が約10000個/cm3のときに、ダニから発生する抗原性物質が15分程度このイオン雰囲気に配置されることによって、約90%のアレルギー反応性を失活させることができることが分かっている。また、室内の正負両イオンの濃度が約3000個/cm3の場合には、約75%のアレルギー反応性を失活させることができることが分かっている。
本形態における空気調和機は、図1に示すように、気流経路10の途中に形成されたイオン発生素子12で正イオンおよび負イオンを発生させ、正負両イオンを含んだ空気を矢印30に示すように連続的に吹出し口11から吹き出すことができる。また、連続的に正負両イオンを噴出することができる。したがって、室内の空中に漂う抗原性物質に対して、正負両イオンを接触させることができ、抗原性物質を失活させることができる。また、空気調和機の内部においても、正負両イオンの密度が非常に高い環境に空気を接触させることができ、抗原性物質を失活させることができる。
本発明に基づく空気調和機は、浮上手段が形成されているので、床面に落下している抗原性物質を正負両イオンが存在する環境に向かって移動させることができる。この結果、抗原性物質に正負両イオンを接触させて、失活させることができる。
図5に、本形態の浮上手段を駆動して、床面に向かって正負両イオンを含む空気が吹き当てられたときの説明図を示す。図5は床面近傍の断面図である。本明細書および特許請求の範囲において、床面とは、畳、コンクリートおよび木材などの直接的な床となるものの他に、これらの上側にじゅうたんなどが配置されているものも含むものとする。すなわち、床面とは、部屋の底面となる部分を示す。図5においては、床面がカーペット17で形成されている。
カーペット17には、多数の抗原性物質19が取り付いている。この床面に対して、正負両イオンを含む空気が吹き当てられると、気流は、カーペット17の糸などに当たって、渦を巻くなどの小さな気流の乱れを生じながら、矢印32に示すように床面に沿って流れていく。床面がコンクリートなどの場合には、床面の小さな凹凸によって気流の乱れを生じながら、床面に沿って流れていく。抗原性物質19は、この小さな気流の乱れによって、矢印36に示すように、数mm程度であるがわずかに浮遊する。イオン発生素子から発生した正負の両方のイオン15は、異物に衝突することによって、容易に消滅して、電荷を帯びない分子の状態になってしまう。しかし、イオン15の大きさは、それぞれ数nmであるので、床面からわずかに抗原性物質を浮遊させることによって、抗原性物質を正イオンおよび負イオンに接触させることができ、失活させることができる。
このように、床面に対して正負両イオンを含む空気を吹き付ける工程と、空気によって、床面に落ちている抗原性物質を浮上させる工程と、抗原性物質に正負両イオンを接触させる工程とを含むことによって、床面に落ちている抗原性物質を失活させることができる。
本発明に基づく空気調和機および抗原性物質を失活させる方法は、薬物による予防法のように個人差による影響などの困難性を伴うことなく、全ての人に対してアレルギー疾患を防止することができる。また、抗原性物質を除去するためのフィルタの目詰まりによる圧損のように、装置が本来有する基本機能に影響を与えるようなことはなく、抗原性物質を失活させることができる。また、上記のフィルタの交換や清掃なども不要であり、メンテナンスが容易である。さらに、床面に落ちている抗原性物質を失活させることができる。
本形態においては、イオン噴出手段および浮上手段として、床面に向かって吹出し口から空気を噴出するための送風ファンと、吹出し口に形成された横ルーバとが形成されている。この構成を採用することにより、容易に上記のイオン噴出手段および浮上手段を形成することができる。本形態においては、送風ファンおよび横ルーバが、浮上手段とイオン噴出手段との機能を備えているが、特にこの形態に限られず、浮上手段と噴出手段とがそれぞれ別個独立に形成されていてもよい。たとえば、浮上手段とイオン噴出手段とが、それぞれ送風ファンを有していてもよい。
浮上手段としては、使用対象となる部屋のうち最も大きな部屋の標準的な大きさの部屋で使用したときに、少なくとも一部の床面における風速が0.5m/s以上となるように空気を送風できる手段を形成することが好ましい。たとえば、6〜8畳の大きさの部屋に用いる空気調和機であれば、8畳の標準的な大きさの部屋で使用したときに、床面における風速が0.5m/s以上となるように、送風ファンおよび横ルーバを形成することが好ましい。この構成を採用することによって、性能の優れた浮上手段を容易に形成することができる。
家庭用の空気調和機においては、横ルーバは、水平方向を0°、鉛直方向下向きを−90°とした時に、−90°以上−30°以下の範囲内の向きに上記空気を噴出するように形成され、また、送風ファンは、吹出し口における風速が3m/s以上10m/s以下になるように形成されていることが好ましい。この構成を採用することにより、家庭における通常の使用において、床面に落ちている抗原性物質を効率的に浮かび上がらせて、抗原性物質を失活させることができる。なお、吹出し口における風速は、床面に落ちている抗原性物質を浮かび上がらせることができれば、3m/s以下であっても、10m/s以上であっても構わない。また、横ルーバーの角度も、水平方向の略0°から鉛直方向下向き略−90°の範囲内で動作させても構わない。これは、空気調和機の吹出し口の床面からの高さが異なれば、抗原性物質を浮かび上がらせるために必要な風速や、風の吹出し角度も異なるためである。たとえば、ファンヒータは、吹出し口が床面付近に形成されていることが多く、このようなファンヒータでは、横ルーバーの角度は水平方向に近い角度が好ましく、また、吹出し口における風速は、高所に取り付けられる空気調和機よりも小さくても、抗原性物質を浮かび上がらせることができる。
イオン発生素子12が配置される位置については、空気調和機から噴出する空気に接触する位置であれば特に限定はないが、吹出し口11の近くに配置されることが好ましい。たとえば本形態のように、イオン発生素子12は、気流経路10のうち送風ファン3から吹出し口11に向かう途中に配置されていることが好ましい。イオン発生素子12で発生した正負両イオンは、再結合や本体ケーシング4または縦ルーバ13などに衝突することによって、一部が消失してしまう。したがって、形成された正負両イオンを気流に乗せて本体ケーシングなどに接触させずに、室内に向けて噴出できることが好ましい。本形態のように、イオン発生素子12を吹出し口11の近傍に配置することによって、イオン発生素子12で発生した正負両イオンを障害物の少ない位置から吹出し口11を通じて素早く遠方に噴出することができる。この結果、形成された正負両イオンを効率よく放出することができる。
形成されるイオン発生素子の個数については制限がなく、1個であっても2個以上であっても構わない。また、本形態においては、イオン発生手段として、一方の電極が格子状のメッシュ電極、他方の電極が平板状のものを用いたが、特にこの形態に限られるものではなく、空気中の水分子や酸素分子などを電離または解離することによって正負両イオンを形成できるものであればよい。特に、イオン発生手段としては、沿面放電素子の他、コロナ放電素子などの全ての放電形態のイオン発生手段を用いることができる。また、放電素子の電極の形状や材質においても特に限定されるものではなく、正負両イオンを発生することができるあらゆる形状または材質のものを選定することができる。たとえば、電極の形状として、針形のものを使用することができる。正負両イオンの発生に必要な印加電圧は、イオン発生素子の構造などにも依存するが、電極同士の間のピークトゥーピーク(peak to peak)電圧は2〜10kV、好ましくは3〜7kVのものを用いることができる。
本形態における空気調和機は、熱交換器による熱交換を行なわない状態で、イオン発生素子、送風ファンおよび横ルーバを駆動する第1の運転機能を有する。すなわち、冷房や暖房などを行なわずに送風の状態で正負両イオンを発生させ、横ルーバで吹出し角度を調整して、室内に正負両イオンを噴出することができる。この構成を採用することにより、冷房や暖房を用いない時期においても、室内に存在する抗原性物質を失活させることができ、四季を問わず本発明に基づく空気調和機を使用することができる。
また、第1の運転機能は、入力された時間に従って、イオン発生素子、送風ファンおよび横ルーバを駆動または停止する機能を含む。すなわち、タイマーにより、第1の運転機能の制御を行なうことができる。この構成を採用することにより、自動的に入力された時間に従って、一定期間、本発明の空気調和機を駆動することができる。たとえば、30分後に駆動させて3時間後に停止するように設定しておいて外出すると、室内に誰もいないときに自動的に本発明の空気調和機が駆動して、室内の抗原性物質を失活させることができる。
また、本発明に基づく空気調和機は、入力された時間に従って駆動する代わりに、人感センサなどを用いて、室内に人がいない場合にのみ、第1の運転機能で運転を行なう機能を有することが好ましい。この構成を採用することにより、室内に人がいない時に、自動的に抗原性物質を失活させることができる。これらの運転機能は、それぞれ選択ボタンなどによって、運転機能が選択できることが好ましい。たとえば、第1の運転状態を、アレルゲン撃退モードと名付けて、リモコンの1つのボタンで実行できるように形成することが好ましい。この構成を採用することにより、タイマーの設定などを行なう必要がなく、利便性が向上する。
本形態における横ルーバは、傾斜角度が連続的に変更できるように形成されている。この構成を採用することにより、室内全体に向けて、高濃度の正負両イオンを放出することができ、室内の抗原性物質を均一的に失活させることができる。また、図3に示すように、横ルーバ14の断面における幅方向がほぼ垂直(横ルーバの主表面が鉛直方向と略平行)になって、吹出し口11から矢印31に示すようにほぼ鉛直下向きに空気が放出される運転機能を有する。この構成を採用することにより、床面に対して、正負両イオンを含んだ空気を短距離で接触させることができ、床面に落ちている抗原性物質を効率よく失活させることができる。横ルーバは、床面に向かって吹出し口から空気を噴出するように固定されていてもよい。
本形態における空気調和機を実験室に配置して、図3に示す鉛直方向下向きに空気を放出する運転機能を用いて運転を行なったときの性能試験を実施した。試験内容としては、室内のそれぞれの位置に存在する正負両イオンの濃度について測定を行なった。
図6にこの試験結果を示す。実験室20は、断面において、長さが3600mm、高さが2400mmである。実験室は、幅が2400mmであり、ほぼ6畳の部屋に相当する大きさである。空気調和機の室内機1は、壁面のうち実験室の幅方向の中央において、高さ2200mmに配置した。実験室のイオン濃度の測定においては、実験室の幅方向の中央の断面に沿って、長さ方向において600mmの間隔で、高さ方向において600mmの間隔で合計15点の測定を行なった。正負両イオンの測定は、空気調和機を約60分間、運転を継続して、実験室内におけるイオン濃度が安定した後に行なった。図6において、それぞれの測定点28の上段の数値が正イオンの濃度、下段の数値が負イオンの濃度である。
性能試験においては、空気調和機を強風のモードにして(送風ファンを速く回転させて)行なった。このときの吹出し口の風速は6m/s以上8m/s以下であった。吹出し口から噴出された空気は、横ルーバの作用によって、矢印33に示すように床面に向かう。床面に到達した後には、床面に沿って流れる。この後、矢印34に示すように実験室の内壁に沿って室内機1に戻る。このように実験室では、環状の流れが生じている。
図6に示すように、部屋の中央部の付近では、正負両イオンの濃度はそれぞれ少なくとも3000個/ccが確保されている。したがって、部屋の内部に滞留する抗原性物質を迅速に失活させることができる。また、床面付近においては、風速が0.5以上1m/s以下の範囲内の速度、正負両イオンの濃度が約3000個/cm3であった。
試験の結果から、床面付近の正負両イオンの濃度が3000個/cm3程度であるので、床面付近に存在する抗原性物質の7割程度を15分くらいで失活させることができる。実際の使用環境においては、より長時間の運転を行なうため、抗原性物質の7割以上を失活させることができると考えられる。このように、本発明に基づく空気調和機は、短時間で、部屋全体の抗原性物質を失活させることができる。また、床面に落ちている抗原性物質も失活させることができる。
上記の試験においては、送風ファンを高速で回転させる強風運転によって行なっている。本発明の空気調和機は、床面に落ちている抗原性物質をより強力に浮かび上がらせるために、通常の強風運転よりさらに送風ファンの回転数が上昇する機能を有することが好ましい。通常の空気調和機における強風運転の1.5倍以上2倍以下程度の風量で噴出できることが好ましい。この場合、強風で部屋の中に大きな気流の流れが生じて、抗原性物質が室内に舞ったり、空気調和機の音がうるさかったりするが、上記の第1の運転機能を用いることによって、使用者が外出している間に抗原性物質を失活させることができる。室内に人がいない状態であれば、抗原性物質が室内に舞っても問題がなく、また、送風ファンが高速で回転して大きな音が発生しても問題になることはない。送風可能な風量は本形態の範囲内に限定されるものではなく、たとえば1.1倍以上3倍以下程度のように、さらに送風可能な範囲を広げても構わない。
図4に示すように、本形態における空気調和機は、横ルーバ14によって規定される吹出し口11における流路の断面積が小さくなって、さらに送風ファン3の回転数が上昇する第2の運転機能を有する。この構成を採用することによって、床面に向かって、より圧力が高く高速な送風を行なうことができ、床面に落ちている抗原性物質を浮遊させる効果が大きくなる。たとえばカーペットの糸の奥に存在する抗原性物質なども容易に浮遊させて、失活させることができる。また、好ましくは、吹出し口における流路の断面積が小さくなった状態を維持しながら、2枚の横ルーバ14が同時に動いて、吹出し口11から噴出される空気の向きが連続的に変更できることが好ましい。この構成を採用することにより、床面全体に対して正負両イオンを含む空気を吹当てることができ、より確実に部屋全体の抗原性物質を失活させることができる。
図4に示す形態においては、横ルーバの幅方向の先端のうち、外側の先端同士が近づいて吹出し口における流路の断面積が小さくなっているが、特にこの形態に限られず、たとえば、内側の先端同士が近づいても構わないし、吹出し口近傍に移動可能な遮蔽板を設けて流路の断面積が小さくなるように形成しても構わない。
また、本発明に基づく空気調和機は、横ルーバのみならず縦ルーバも連続的に駆動して噴出方向が変更できるように形成されていることが好ましい。縦ルーバを駆動させることによって、噴出する横方向(左右方向)の空気の向きを変更することができ、床面の特定の位置などの使用者が所望する位置において、強力に抗原性物質を失活させることができる。
また、イオン発生手段は、送風の運転中に限られず、冷房または暖房を行ないながら、同時に正負両イオンを発生させる運転機能を備えていてもよい。この構成を採用することにより、冷房中や暖房中にも空中や床面に存在する抗原性物質を連続的に失活させることができる。
上記の説明においては、空気調和機について説明を行なったが、特にこの形態に限られず、本発明は、ガスファンヒータや石油ファンヒータなどのファンヒータにも適用することができる。たとえば、上記の形態と同様に、イオン発生手段としてのイオン発生素子を吹出し口近傍に配置して、ファンヒータの吹出し口から正負両イオンを含む空気が噴出できるように形成すればよい。浮上手段としては、吹出し口の近傍に横ルーバを配置して、床面に向かって送風できるように形成すればよい。
また、その他の冷暖房機器や冷暖房の機能を有さない機器にも適用することができる。たとえば、空気清浄機や扇風機、冷風扇、除湿機などに、本発明を適用することができる。さらに、家庭用の空気調和機に限られず、業務用の大型の空気調和機にも適用することができる。このように、本発明は、全ての空調機器に適用することができる。
なお、今回開示した上記形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1 室内機、2 熱交換器、3 送風ファン、4 本体ケーシング、5 フィルタガイド、6 前パネル、7 フィルタ、9 上パネル、10 気流経路、11 吹出し口、12 イオン発生素子、13 縦ルーバ、14 横ルーバ、15 イオン、17 カーペット、19 抗原性物質、20 実験室、21 誘電体、22 平板電極、23 メッシュ電極、24 電源、25 プラズマ領域、28 測定点、30,31,32,33,34,36 矢印。
Claims (10)
- 正負両イオンを発生するためのイオン発生手段と、
床面に向かって、前記正負両イオンを噴出するためのイオン噴出手段と、
前記床面に落ちている抗原性物質を浮上させるための浮上手段と
を備える、空気調和機。 - 前記浮上手段は、使用対象となる部屋のうち最も大きな部屋の標準的な大きさの部屋で使用したときに、少なくとも一部の前記床面における風速が0.5m/s以上となるように空気を送風する手段を含む、請求項1に記載の空気調和機。
- 熱交換器を備え、
前記熱交換器による熱交換を行なわない状態で、前記イオン発生手段、前記イオン噴出手段および前記浮上手段を駆動する第1の運転機能を有する、請求項1に記載の空気調和機。 - 前記第1の運転機能は、入力された時間に従って、前記イオン発生手段、前記イオン噴出手段および前記浮上手段を駆動または停止させる機能を含む、請求項3に記載の空気調和機。
- 前記イオン噴出手段および前記浮上手段として、前記床面に向かって吹出し口から空気を噴出するための送風ファンと、前記吹出し口に形成された横ルーバとを含み、
前記イオン発生手段は、前記送風ファンから前記吹出し口に向かう気流経路の途中に配置された、請求項1に記載の空気調和機。 - 前記横ルーバは、水平方向を0°、鉛直方向下向きを−90°とした時に、−90°以上−30°以下の範囲内の向きに前記空気を噴出するように形成され、
前記送風ファンは、前記吹出し口における風速が3m/s以上10m/s以下になるように形成された、請求項5に記載の空気調和機。 - 前記横ルーバは、主表面が鉛直方向と略平行になるように固定、または前記主表面の傾斜角度が連続的に変更可能に形成された、請求項5に記載の空気調和機。
- 前記横ルーバによって規定される前記吹出し口における流路の断面積を小さくして、さらに、前記送風ファンの回転数を上昇させる第2の運転機能を有する、請求項5に記載の空気調和機。
- 正負両イオンを発生するためのイオン発生手段と、
床面に向かって、前記正負両イオンを噴出するためのイオン噴出手段と、
前記床面に落ちている抗原性物質を浮上させるための浮上手段と
を備える、ファンヒータ。 - 床面に向かって正負両イオンを含む空気を吹き付ける工程と、
前記空気によって、前記床面に落ちている抗原性物質を浮上させる工程と、
前記抗原性物質に正負両イオンを接触させる工程と
を含む、抗原性物質を失活させる方法。
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