JP2005155655A - 滑り軸受の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼結軸受を軸受ハウジングに圧入等で固定した滑り軸受組立体を、偏心が極めて小さく良好な寸法精度に製造する。
【解決手段】金属原料粉を所定の軸受10の形状に成形及び焼結する工程と、焼結軸受10を軸受ハウジング20内に装着固定する工程と、軸受ハウジング20の外周を基準面とし焼結軸受10の内周面を切削刃物30で切削加工する工程と、切削加工された焼結軸受の内周面をマンドレル40でサイジングする工程により製造する。
【選択図】図1(b)

Description

本発明は、寸法精度及び精密な回転が要求されるモータ用として好適に用いることができる焼結合金製滑り軸受の製造方法に関する。
各種モータ等に用いられる焼結合金製の滑り軸受は、概ね、原料金属粉を圧粉成形および焼結し、焼結体をサイジングして所定寸法形状に仕上げる手順によって製造される。焼結合金製の軸受には、軸孔が滑らかな円形断面のものや、軸孔に油溜まりや動圧を発生する形状の複数の溝を備えたものがある。通常は多孔性の焼結合金であり潤滑油が含浸されたものである。また、動圧軸受の場合では、少なくとも軸孔面は高密度であるか塑性流動させて気孔が少ない状態とされ、摺動部に潤滑油や磁性流体を保持させて用いられる。
このような焼結合金製の軸受は、切削加工された軸受ハウジング内部に圧入される。圧入する際には、圧入によって変形する軸受内径寸法が所定寸法になるように、軸受の内径にマンドレルを装着することがある。また、圧入せずに、嵌合してボンド等により接着固定する場合もある。
軸受ハウジング内に装着された軸受には、回転する軸を支持する構造で使用されたり、反対に軸を中心に軸受ハウジング側が回転する構造のものがある。これらの軸受要素では、軸と軸受の関係における回転精度がより高いことが求められるので、圧入する前の軸受の寸法精度を確保するために金型を精密に製作したり、軸受ハウジングへの組み立て治具や工具の精度を吟味する等の製造技術によって対応しているが、次のような問題がある。
図2〜図6は従来技術を説明する縦断面図又は横断面図で、切削加工された軸受ハウジング20内に焼結軸受が圧入された状態を誇張して示した模式図である。
図2は、軸受ハウジング20の軸心21に対して焼結軸受10の軸心11が傾いて圧入されているものを示している。サイジングされた寸法精度の高い焼結軸受10を用い、圧入の際に矯正マンドレルを用いたとしても、圧入作業が不適切であればこのような例が発生してしまう。
図3は、2個の焼結軸受12、13が圧入されている構造であるが、焼結軸受12、13の内径と外径とが偏心しているため、二つの焼結軸受12、13の軸心11、11aがずれてしまったものである。
図4は、焼結軸受14、15の外形寸法にばらつきがあり、軸受ハウジング20内に圧入した際の圧入代(焼結軸受14、15の外径寸法と軸受ハウジング20の内径寸法との差)が異なるため、圧入した後の二つの焼結軸受14、15の内径に寸法差が生じてしまった形態である。圧入の際にマンドレルを用いてもスプリングバック量に差を生じるため矯正できない。
軸受ハウジングに円筒形状の焼結軸受を圧入すると共に、外周に軸方向へ延びる突条を備えたマンドレルを焼結軸受の軸孔に圧入して凸条により油溝を形成する技術がある(例えば引用文献1、2参照)。図5はこのような技術によって形成され軸方向に延びる複数の油溝17を備えた軸受を示したものである。この焼結軸受10は、図3で説明したと同様に偏心しているため、軸受ハウジング20の軸心の中心21と焼結軸受10の軸孔中心11がずれてしまったものである。
また、図6は、軸方向に延びる油溝18を有する軸受である(例えば引用文献3参照)。この軸受では外周が概ね三角形状をなす焼結軸受10を準備し、軸受ハウジング20内に圧入することによって焼結軸受10を縮径させ、焼結軸受10の比較的薄肉部19が変形して拡径するのに伴って軸孔に溝18を形成するものである。この技術は、焼結軸受10の部分密度に差が生じたり、肉厚差等により複数の薄肉部19の変形量が異なったりすると、軸孔形状が不均等になってしまうおそれがある。
特公昭40−2002号公報(第1−2頁、図1) 特公昭42−15447号公報(第1−2頁、図2) 特開平9−329146号公報(第2−7頁、図1)
上述のような各種の状態及びこれらの組合せによって生じる寸法ばらつきや軸の偏心は、軸受の大きさにもよるが数μmから十数μm程度になることがあり、サイジングしても矯正することが困難である。例えば、軸受ハウジング孔と焼結軸受の軸心とが偏心していると、回転軸支持構造では軸が軸受面に片当たりして組み付けられて、摩擦、摩耗、消費電力、寿命に影響を及ぼし、軸を中心に軸受側が回転する構造では、軸受ハウジング側が偏心回転し、振動、摩耗、寿命等に影響を及ぼすことになる。できるだけ寸法ばらつきや偏心が少ないように品質管理をして製作し組み立てるわけであるが、従来からの製造方法では精度向上が限界に達している。
この発明は、焼結軸受を軸受ハウジングに圧入等で固着した滑り軸受ユニット18を、更に良好な寸法精度で製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、金属原料粉を所定の軸受形状に成形及び焼結した焼結軸受素材を、軸受ハウジング内に装着固定し、軸受ハウジングの外周面を基準面としてこれに倣って焼結軸受素材の内周面を切削加工し、該切削加工された焼結軸受素材の内周面をサイジングすることを特徴とする滑り軸受の製造方法である。
この場合、前記内周面をサイジングする際には、軸方向に延びる凸条を外周に複数備えたマンドレルを用い、軸受内周面にサイジングにより軸方向に延びる複数の動圧溝を形成することとすれば好適である。また、上記方法は、焼結軸受素材の内周面を切削加工することにより切削面の気孔を減少させ、切削加工された焼結軸受素材の内周面をサイジングする工程によって軸受内周面の気孔をさらに減少させる技術手段を包含する。
また、この製造方法には、公知の技術を適宜付加することができる。例えば、
(a)焼結軸受端面に工具を押しつけて封孔処理すること
(b)焼結軸受の気孔を封孔する手段として樹脂含浸する焼結軸受素材に含油させること
(c)切削加工は軸受の軸孔の他に、必要に応じて軸受端面や軸受ハウジングの断面や段差部等を行うこと
(d)切削加工やサイジングした後に洗浄すること
(e)軸受ハウジングにスラスト受け板を固着すること
(f)磁性流体潤滑や磁性流体シール構造の場合では軸受ハウジングに永久磁石を装着すること、或いは
(g)軸受を磁性粒子が含有した焼結合金製にすること
等の手段を付加することができる。
本発明によれば、軸受ハウジングに圧入等で固着した焼結軸受の内径面を切削加工して軸受ハウジングの外周と同軸の軸受孔を形成した後、切削加工された内径面をマンドレルで矯正することとしたので、軸受内径の真円度および円筒度が精密であると共に、軸受ハウジングとの同軸度が著しく向上する。その結果、モータ等に用いたとき、回転精度に優れ、振動や摩耗の少ない等、品質が向上する。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1(a)〜図1(c)は本発明の実施の形態を模式的に示した工程図である。
(1) 軸受ハウジングの製作
従来と同様に、ステンレス鋼材、青銅合金、アルミニウム合金等の材料を切削加工して軸受ハウジング20を所定寸法に仕上げる。切削加工は、軸受ハウジング20の外周面を基準面としてその内径及び端面が加工される。軸受ハウジング20の内径寸法は焼結軸受10の外径寸法に対して圧入の軸受締め代を考慮して決定される。圧入の軸受締め代は、焼結軸受の外形寸法が10mm以下においては10〜50μm程度であるが、できるだけ小さくするのが望ましい。切削加工によって、軸受ハウジング20は外周(外径)の軸心と内径の軸心を正確に一致させる。
(2) 焼結軸受の製作
選定した組成及び密度の焼結合金からなる円筒状焼結軸受10の素材を製作する。軸受素材10は焼結されたままの状態、焼結体をサイジングしたもの、焼結体に樹脂含浸して気孔を封孔したもの、或いは粉末成形で高密度の圧粉体にしたりサイジングして高密度化して気孔が少ない焼結合金としたもの等を用いることができる。焼結軸受10は図1(a)に矢印で示すように、軸受ハウジング20内に装入される。
焼結軸受10を軸受ハウジング20内に嵌合してボンド等で固定する場合では、嵌合寸法精度が良好な方が固着のばらつきを少なくできるので、焼結軸受10の外径をサイジングしたものを用いることが望ましい。また、焼結軸受10の内径寸法の変化が少ないように約10μm以下の締まり嵌めで軸受ハウジング20内に圧入し、その際に軸受ハウジングの内径面又は焼結軸受10の外径面に溝を設けて接着剤を塗布しておき、圧入と接着を併用する方法もある。
圧入する場合では、サイジングされた焼結軸受10を用いてもよいが、焼結されたままの軸受素材で充分である。焼結軸受10の内周端面部は面取りしておくことが望ましい。
動圧軸受における焼結軸受10の動圧溝の形成は、圧粉成形の際にコアロッドによって溝形状を形成しておいてもよく、粉末成形の際に溝形状の一部を形成しておき、後のサイジングによって溝形状を完成する方法、及び焼結軸受素材では溝のない単純形状に製作しておき、後のサイジングによって溝形状を完成することとしてもよい。動圧溝をサイジングによって形成する場合は、溝形成の材料変形を気孔で吸収できる気孔を含んでいる焼結軸受素材が望ましい。
(3) 軸受ハウジングへの固着
上記焼結軸受素材を軸受ハウジング内に装着固定する。具体的には
(a)軸受ハウジングに焼結軸受素材を圧入する
(b)焼結軸受素材をを嵌め込んでボンド等の接着剤を用いて接着する
(c)焼結軸受素材を圧入代を少なくして圧入すると共にボンド等の接着剤を用いて補強接着する、或いは、
(d)カシメや溶接により固着される。
焼結軸受素材を軸受ハウジングに装着するときは、焼結軸受素材を軸受ハウジングとマンドレルで案内することで傾きが防止される。
(4) 切削加工
図1(b)に矢印で示すように軸受ハウジング20の外径を基準面とし、焼結軸受10の内径を切削刃物30で切削加工し所定寸法に仕上げる。軸受素材の寸法精度は、粉末成形金型の組立て精度、焼結による変形などにより、ばらつきが大きいものとなっていても、切削加工によって軸受ハウジング20の外径との同軸度、加工面の真円度および円筒度を高精度に仕上げることができる。精度は1μm程度にできる。焼結軸受10がサイジングされたもの、或いは軸受ハウジング20への固定の際にマンドレルで矯正されたものでは、焼結軸受10の軸孔部表層が加工硬化しているので、切削加工でその部分を取り除いて軟質な部分を露出することにより、後続工程で軸孔をサイジングしたときにスプリングバックが起こり難く、マンドレルの寸法を高精度に転写することができる。切削加工面は平滑に仕上げられるが、加工面を拡大して観察すると切削加工面特有の細かなうねりが認められる。
また、必要に応じて、焼結軸受の内径以外の焼結軸受の端面、面取り部、軸受ハウジング20の段部や焼結軸受10の端面との段差などが切削加工される。特に、軸受ハウジング20の取り付けフランジ部を切削加工すると、その面と軸受内径面との直角精度をより確実なものとすることができる。
(5) 軸孔のサイジング
図1(c)に示すように、高精度に切削加工された焼結軸受10の内径を棒状のマンドレル40を圧入してサイジングする。マンドレル40は一方向に圧入貫通させる方法、一旦貫通させた後引き抜く方法とがあり、また、焼結軸受10が固定された軸受ハウジング20は、外周を開放した状態、ダイキャビティに装着して外周を拘束した状態でサイジングされる。サイジングの内径寸法の拡張は2〜10μm程度とされるが、サイジング代はできるだけ少なく設定することが望ましい。サイジングによって軸孔面が平坦に仕上げられ、表面に露出する気孔を減少させることができる。
本発明の製造方法では、図5に示したような軸心方向に延びる複数の動圧溝(油溝17)を切削加工後の軸孔サイジングによって付与するのに好適である。切削加工により寸法精度が良好な軸孔に、突条41を備えたマンドレル40を押し込むと、軸孔に案内されて偏心がなくマンドレル40の形状に忠実な軸孔を形成することができ、また、マンドレル40の突条41により押圧されて形成された動圧溝は表面が緻密化して気孔が少なくなり、高い動圧発生を生じやすい状態を形成する。造形するためのマンドレルは、棒状の外周に油溜まり溝およびクサビ状溝に対応する突条41が軸方向形成され、マンドレル40の先端部は切削加工された焼結軸受の内径寸法に嵌合する太さになっており、マンドレル40の先端を焼結軸受10の軸孔に差し込み、圧入して軸孔を貫通させることにより、油溝17及びクサビ状溝を高精度に形成することができる。
また、前記の切削加工後に軸孔サイジングで動圧溝の全形を形成する方法に代えて、圧粉体で横断面が半円状で軸方向に延びる溝を形成しておき、その焼結体又はサイジング体を軸受ハウジングに固定し、軸孔の溝を残して軸孔面を切削加工したのち、前記の棒状の外周に油溜まり溝およびクサビ状溝に対応する突条41が軸方向形成されたマンドレルを用いて、軸孔をサイジングしてもよい。この場合、油溝に対応するマンドレルの突条41は焼結軸受の溝に嵌合して僅かに溝部をサイジングする程度とされ、クサビ状溝が造形される。クサビ状溝部はこのサイジングによって5〜8μm程度拡径される。
(6)その他の付随工程及び組立
以上が本発明の製法の基本型であるが、軸受要素としての種々の従来技術を付随することができる。例えば、焼結軸受素材に油浸したり、切削加工やサイジングした後に洗浄したり、焼結軸受端面に工具を押しつけて封孔処理したり、軸受ハウジングにスラスト受け板を設置したり、磁性流体潤滑や磁性流体シール構造の場合では軸受ハウジングに永久磁石を装着したりする等である。
次に、本発明の製造方法を実施例により説明する。
(実施例−1)
実施例は、図3に例示したような、軸受ハウジング20内に2個の焼結軸受12、13が装着された軸受ユニットの製造である。
軸受ハウジング20は、ステンレス鋼を切削加工し、所定の寸法形状に仕上げる。
焼結軸受12、13の素材は単純な円筒形状で面取りされている。材料は青銅系焼結合金で、密度6.5Mg/m3である。焼結軸受12、13の素材の内径寸法は、軸受ハウジング20内に圧入したときの変形量、切削加工代、軸孔サイジング代が考慮される。
軸受ハウジング20は治具に装着固定され、焼結軸受12、13のをマンドレルで案内して、マンドレルと嵌合しているパンチにより軸受ハウジング20の孔内に圧入する。焼結軸受12、13の軸受は軸受ハウジング20孔の両端に1個ずつ圧入固着される。
旋盤を用い、軸受ハウジング20の外周を基準面として固定し、焼結軸受12、13のの内径面を切削加工する。加工代は5〜50μm程度とする。切り粉は除去する。
次に、テーブル面とマンドレルの直角度が確保されたプレス機械を用い、マンドレルを焼結軸受の軸孔に圧入して抜き取りサイジングする。サイジング代は2〜5μmである。
(実施例−2)
この実施例は、図5に例示したような、軸孔に軸方向に延びる動圧溝(油溝17)を備えた焼結軸受10が軸受ハウジング20内に固着された軸受ユニットの製造である。
軸受ハウジング20は、ステンレス鋼を切削加工し、所定の寸法形状に仕上げる。
焼結軸受10は材料が青銅系焼結合金で、密度6.8Mg/m3である。焼結軸受10の素材の軸孔には、圧粉成形時に形成された横断面が半円状で軸方向に延びる凹状(油溜め溝68)が周方向等間隔に5カ所にある円筒形状で、端面縁は面取りされている。(油溝17)の深さは0.1mmである。焼結軸受10の内径寸法は、切削加工代、軸孔サイジング代が考慮されている。また、焼結軸受10の外形寸法は軸受ハウジング20の孔寸法に対して10μm以下の締まり嵌めになるように設定され、外周面に軸方向に延びる溝が形成されている。この外周溝は、後に接着剤が塗布される接着剤保持溝である。
軸受ハウジングは治具に装着固定され、焼結軸受素材の外周の溝に接着剤を塗布したのち、焼結軸受素材をマンドレルで案内して、マンドレルと嵌合しているパンチにより軸受ハウジング20の孔内に圧入固着する。
接着剤が硬化した後、旋盤を用いて、軸受ハウジングの外周を基準面として固定し、焼結軸受10の横断面が半円の溝(油溝17)を残して内径面を切削加工する。加工代は10〜50μmである。切削加工により軸孔は軸受ハウジングの外周と正確に同軸となり、加工面の露出気孔は減少する。付着している切り粉は除去される。
次に、テーブル面とマンドレルの直角度が確保されたプレス機械を用い、マンドレルを焼結軸受の軸孔に圧入して抜き取りサイジングする。用いられるマンドレルは、棒状の外周に、焼結軸受素材の5カ所半円状溝(油溜め溝68)に対応する横断面半円状の突条41と、その突条41から軸受面に延びるクサビ状溝69を形成する突条41とが軸方向形成されているものである。断面が半円状の突条41は、焼結軸受素材の半円状溝を僅かにサイジングする程度であり、マンドレルと焼結軸受素材の位置合わせ手段になっている。軸受面のサイジング代は約2〜5μmであり、クサビ状溝部の最も深い部分のサイジング代は5〜8μmである。クサビ状溝部の露出気孔は更に減少し、動圧を生じやすくなっている。
実施の形態は種々の組合せがあるがあり、前記実施例に示した方法には限定されない。
本発明の製造方法によれば、図2に示した焼結軸受が傾いて圧入されたもの、図3のように二つの焼結軸受が偏心して圧入されたもの、図4のように二つの焼結軸受が圧入変形が異なったもの、図5のように軸受ハウジングに対して焼結軸受が偏心して圧入されたもの等においても、軸受ハウジングの外周(外径)を基準面とし高精度に切削加工して仕上げたのち、焼結軸受内径面をマンドレルで塑性変形させて平滑にしたり緻密な面の動圧溝を形成するものであるから、偏心が極めて小さく寸法精度が良好で大量生産によるばらつきが少ないものとなり、モータ等の軸受用として好ましいものである。
本発明方法によって製造された軸受ユニットと、従来の方法で製造された軸受ユニットの寸法精度を比較すると、軸受の真円度は、従来法によれば3μm、本発明の方法によれば1μmであった。回転軸の直角度は、従来法によれば最小値0.6μmから最大値6.5μmであるのに比べ、本発明の方法によれば最小値0.4μmから最大値2.1μm程度であり、ばらつきが1/3以下であった。また、ブラシレスモータに組立てて運転したときの軸の回転振れの最大値が、本発明の方法で製造されたものは従来の方法によるものの約1/10であった。このように、モータの品質を格段に向上できることが判る。
本発明の工程を示す模式図である。 本発明の工程を示す模式図である。 本発明の工程を示す模式図である。 軸受ハウジングに圧入した焼結軸受が傾いている状態を示す断面図である。 軸受ハウジングに圧入した2個の焼結軸受が偏心している状態を示す断面図である。 軸受ハウジングに圧入した2個の焼結軸受が内径寸法が異なっている状態を示す断面図である。 軸受ハウジングに圧入した焼結軸受の軸孔が偏心しており、動圧溝が形成されている状態を示す断面図である。 軸受ハウジングに圧入した焼結軸受の塑性変形が部分的に異なっている状態を示す断面図である。
符号の説明
10,12,13,14,15 焼結軸受(素材)
11、11a、21 軸心
16 矢印
17、18 油溝
19 薄肉部
20 軸受ハウジング
30 切削刃物
40 マンドレル
41 突条
42 矢印

Claims (3)

  1. 金属原料粉を所定の軸受形状に成形及び焼結した焼結軸受素材を、軸受ハウジング内に装着固定し、軸受ハウジングの外周面を基準面としてこれに倣って焼結軸受素材の内周面を切削加工し、該切削加工された焼結軸受素材の内周面をサイジングすることを特徴とする滑り軸受の製造方法。
  2. 前記内周面をサイジングする際に、軸方向に延びる凸条を外周に複数備えたマンドレルを用い、軸受内周面にサイジングにより軸方向に延びる複数の動圧溝を形成することを特徴とする請求項1記載の滑り軸受の製造方法。
  3. 前記焼結軸受素材の内周面を切削加工して切削面の気孔を減少させ、切削加工された焼結軸受素材の内周面をサイジングして軸受内周面の気孔をさらに減少させることを特徴とする請求項1又は2記載の滑り軸受の製造方法。
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