JP2005154979A - 中性金属合紙 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属の合紙に使用される中性金属合紙において、該中性金属合紙中に、カチオン澱粉が0.2〜2.0質量%、防滑剤が0.2〜2.0質量%及び剥離剤が0.1〜0.4質量%の割合で含有され、且つ、該中性金属合紙中に含まれる硫酸アルミニウムが200ppm以下であることを特徴とする中性金属合紙、並びに、原料パルプの濾水度を特定の範囲となるよう原料パルプを叩解し、且つ、カチオン澱粉、防滑剤及び剥離剤を特定割合で添加することによる中性金属合紙の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明の中性金属合紙は、合紙中に、カチオン澱粉が0.2〜2.0質量%、防滑剤が0.2〜2.0質量%及び剥離剤が0.1〜0.4質量%の割合で含有され、且つ、該中性金属合紙中に含まれる硫酸アルミニウムが200ppm以下のものである。
本発明の中性金属合紙は、原料パルプの濾水度が300〜550cm3 の範囲となるよう原料パルプを叩解し、且つ、原料パルプの水スラリーに、合紙中にカチオン澱粉が0.2〜2.0質量%、防滑剤が0.2〜2.0質量%及び剥離剤が0.1〜0.4質量%の割合で含有されるよう添加し、硫酸アルミニウムを添加せず、原料パルプの水スラリーのpHを7〜8の範囲に保って抄紙することで製造できる。
本発明の中性金属合紙は、金属面や金属メッキ面を有する基材用合紙である。この金属面や金属メッキ面を有する基材としては、例えば、電子部品用基材のリードフレームやシャドウマスクを挙げることができる。
合紙中の硫酸アルミニウム濃度を以下の試験方法により測定した。
(1)試験片を10mm角以下に小さく切り、JIS P8111の条件に一致する大気中で40g用意する。
(2)蒸留水を純水用イオン交換樹脂に通した後、5〜6分沸騰させて純水を得る。
(3)空気冷却管付き三角フラスコ内に、(1)の試験片40gと(2)の純水350cm3 を加え、恒温槽にて100℃で1時間加熱した後、23℃±5℃に冷却し、ガラスフィルターにて濾過する。
(4)濾液200cm3 をビーカーに採り、塩酸2cm3 を添加し、沸騰するまで加熱する。
(5)2個の100cm3 のビーカーに(4)で調整した試料を50cm3 ずつ採る。
(6)両方のビーカーにグリセリン溶液10cm3 と塩化ナトリウム溶液5cm3 とをそれぞれ加え、撹拌機でよくかき混ぜる。(グリセリン溶液は、グリセリンと純水とを1質量部対1質量部で混合したものである。塩化ナトリウム溶液はNaCl40gとHCl20cm3 に純水を加えて1000cm3 にした後、5C濾紙で濾過したものである)
(7)一方のビーカーに塩化バリウム0.3gを加え、1分間かき混ぜた後、4分間静置し、再び15秒間かき混ぜる。
(8)吸光セルに塩化バリウムを加えた溶液の一部をとり、塩化バリウムを加えない溶液を対照として、波長420nm付近の吸光度を測定する。
(9)検量線から、硫酸イオン(mgSO4 2-)の量を求め、硫酸アルミニウム量に換算する。(検量線は、予め既知硫酸イオン濃度の溶液の波長420nm付近の吸光度を測定し作製しておく。)
[塩素イオン濃度]
合紙中の塩素イオン濃度を以下の試験方法により測定した。
(1)試験片を10mm角以下に小さく切り、JIS P8111の条件に一致する大気中で10g用意する。
(2)蒸留水を純水用イオン交換樹脂に通した後、5〜6分沸騰させて純水を得る。
(3)空気冷却管付き三角フラスコ内に、(1)の試験片10gと(2)の純水180cm3 を加え、恒温槽にて100℃で1時間加熱した後、23℃±5℃に冷却し、濾紙(2C)にて濾過する。
(4)濾液50cm3 を比色管に分取する。空試験として、純水50cm3 も準備する。
(5)各々の試料に硫酸鉄アンモニウム溶液10cm3 とチオシアン酸水銀エタノール5cm3 を加え、栓をしてよく振り混ぜた後、10分間放置する。
(6)(5)で作製した溶液を各々吸光セルに移し、空試験の溶液を対照として、波長473nmの吸光度を測定する。
(7)検量線から、塩素イオン(mgCl-)の量を求める。(検量線は、予め既知塩素イオン濃度の溶液の波長473nmの吸光度を測定し作製しておく。)
[金属表面の変質]
合紙と銅回路及び銀メッキ回路部分のある電子部品のリードフレームとを交互に50層重ね合わせ、加速試験(100℃、60分)を行い、銅回路及び銀メッキ回路部分を観察し下記基準にて評価した。
○:銅回路及び銀メッキ回路部分に変色が認められない。
△:銅回路及び銀メッキ回路部分に変色がややあり。
×:銅回路及び銀メッキ回路部分に変色が顕著に認められる。
合紙を24時間連続生産した際、抄紙工程での断紙及び表面の毛羽立ち状態を確認し、下記基準にて評価した。
○:断紙及び表面の毛羽立ちが認められない。
×:断紙が1回以上発生し、又は表面の毛羽立ちが認められた。
合紙を連続10,000m小巻仕上げする際に、巻き取りの変形(紙管ズレ)と仕上げ機のペーパーロールへの紙粉付着について確認し、下記基準にて評価した。
○:巻き取りの紙管ズレ及び仕上げ機への紙粉付着が認められない。
×:巻き取りの紙管ズレが認められる。または仕上げ機への紙粉付着が認められる。
原料パルプとしてのLBKPを用い、濾水度が400cm3 となるよう叩解し、原料パルプの水スラリー(パルプ濃度3質量%)を調成した。この水スラリー中に、カチオン澱粉を1.0質量%、防滑剤としてカチオン性スチレン系樹脂を0.2質量%及び剥離剤として変性炭化水素油を0.1質量%の割合で添加し、硫酸アルミニウムを添加せず、原料パルプの水スラリーのpHを7.5に調整してヤンキー抄紙機に供給し、抄紙して中性金属合紙を製造した。この合紙の評価結果を表1に示す。
カチオン澱粉、防滑剤及び剥離剤の配合量を表1に示す通りに変更した以外は実施例1と同様に中性金属合紙を製造した。得られた合紙の評価結果を表1に示す。
カチオン澱粉:日本NSC株式会社製、品番ケイト304
防滑剤:荒川化学工業株式会社製、品番NAサイズ
剥離剤:星光PMC株式会社製、品番CA−900(変性炭化水素油)
表1に示した結果から明らかなように、実施例の中性金属合紙は抄造性、巻取仕上性が良好あり、金属面の変色が無く、中性金属合紙として優れたものであった。
Claims (4)
- 金属の合紙に使用される中性金属合紙において、該中性金属合紙中に、カチオン澱粉が0.2〜2.0質量%、防滑剤が0.2〜2.0質量%及び剥離剤が0.1〜0.4質量%の割合で含有され、且つ、該中性金属合紙中に含まれる硫酸アルミニウムが200ppm以下であることを特徴とする中性金属合紙。
- 中性金属合紙中に含まれる塩素の含有割合が塩素イオン濃度換算で200ppm以下である請求項1に記載の中性金属合紙。
- 電子部品用リードフレームの工程合紙又は製品合紙に使用される請求項1又は2に記載の中性金属合紙。
- 合紙中の硫酸アルミニウムが硫酸イオン濃度換算で200ppm以下である中性金属合紙の製造方法であって、原料パルプの濾水度が300〜550cm3 の範囲となるよう原料パルプを叩解し、且つ、原料パルプの水スラリーに、合紙中にカチオン澱粉が0.2〜2.0質量%、防滑剤が0.2〜2.0質量%及び剥離剤が0.1〜0.4質量%の割合で含有されるよう添加し、硫酸アルミニウムを添加せず、原料パルプの水スラリーのpHを7〜8の範囲に保って抄紙することを特徴とする中性金属合紙の製造方法。
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