JP2005153067A - 電子部品封止用基板およびそれを用いた電子装置の製造方法 - Google Patents

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【課題】 半導体基板の主面の微小電子機械機構を気密封止して電子装置を製造する際の生産性、電気応答性、電磁ノイズ特性に優れた電子部品封止用基板、および電子装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】 一方主面から他方主面等に導出された配線導体2が形成された絶縁基板1と、その一方主面に形成された、配線導体2と接続された接続パッド3と、絶縁基板1の一方主面に接続パッド3を囲むように接合された枠部材4と、接続パッド3上に形成された枠部材4と同じ高さの接続端子5と、絶縁基板1中に絶縁層13を介して互いに対向配置された一対の容量形成用電極12とから成り、半導体基板7の主面に微小電子機械機構8およびこれに接続された電極9が形成された電子部品10が、電極9を接続端子5に接合し、半導体基板7の主面を枠部材4の主面に接合されることによって、枠部材4の内側に微小電子機械機構8を気密封止する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体基板の主面に、微小電子機械機構およびこれに電気的に接続された電極が形成されて成る電子部品領域を形成して成る電子部品を封止するための電子部品封止用基板、およびそれを用いて電子部品の微小電子機械機構を封止することにより形成される電子装置の製造方法に関するものである。
近年、シリコンウェーハ等の半導体基板の主面に、半導体集積回路素子等の微細配線を形成する加工技術を応用して、極めて微小な電子機械機構、いわゆるMEMS(Micro Electromechanical System)を形成した電子部品が注目され、実用化に向けて開発が進められている。
このような微小電子機械機構としては、加速度計、圧力センサ、アクチュエータ等のセンサや、微細な鏡面体を可動式に形成したマイクロミラーデバイス、光デバイス、あるいはマイクロポンプ等を組み込んだマイクロ化学システム等、非常に広い分野にわたるものが試作、開発されている。
そのような微小電子機械機構を形成した電子部品を用いて電子装置を構成するための従来の電子部品封止用基板およびそれを用いて成る電子装置の一例を図5に断面図で示す。図5に示す例では、微小電子機械機構22が形成された半導体基板21の主面には、微小電子機械機構22に電力を供給したり、微小電子機械機構22から外部の電気回路に電気信号を送り出したりするための電極23が微小電子機械機構22と電気的に接続されて形成されており、これら半導体基板21、微小電子機械機構22および電極23により、1つの電子部品24が構成される。
なお、この電子部品24は、通常、後述するように半導体基板21の主面に多数個が縦横に配列形成された多数個取りの形態で形成した後、個々の半導体基板21に切断することにより製作されるので、この切断の際に切削粉等の異物が微小電子機械機構22に付着して作動の妨げになることを防止するために、ガラス板25等で覆われて保護されている。
そして、電子部品24を、電子部品収納用の凹部Aを有するパッケージ31の凹部A内に収納するとともに、電子部品24の電極23をパッケージ31の電極パッド32にボンディングワイヤ33等の導電性接続材を介して接続した後、パッケージ31の凹部Aを蓋体34で覆って電子部品24を凹部A内に気密封止することにより、電子装置として完成する。この場合、電子部品24は、微小電子機械機構22の動作を妨げないようにするため、中空状態で気密封止する必要がある。
この電子装置について、予めパッケージ31の電極パッド32から外表面に導出するようにして形成しておいた配線導体35の導出部分を外部電気回路に接続することにより、気密封止された微小電子機械機構22が、電極23、ボンディングワイヤ33、電極パッド32および配線導体35を介して外部の電気回路と電気的に接続される。
また、電子部品24は、通常、広面積の半導体基板の主面に多数個を縦横に配列形成させることにより製作されており、この場合の電子装置の製造方法は、従来、以下のようなものであった。すなわち、(1)半導体基板の主面に、微小電子機械機構22およびこれに電気的に接続された電極23が形成されて成る電子部品領域を多数個、縦横に配列形成した電子部品を準備する工程と、(2)各電子部品の微小電子機械機構22を、その周囲が中空状態となるようにして、ガラス板25等で覆って封止する工程と、(3)半導体基板にダイシング加工等の切断加工を施して、個々の電子部品24に分割する工程と、(4)個々の電子部品24を、電子部品収納用パッケージ31内に気密封止する工程と、により製作される。
このような従来の製造方法においては、半導体基板の主面に配列形成された多数の電子部品領域の1個ずつをガラス板25等で封止して保護しておく必要があること、また、一旦ガラス板25で封止した電子部品を、個片の電子部品24に分割した後、改めてパッケージ31内に気密封止するとともに、その電極23をパッケージ31の電極パッド32等に接続して外部接続させる必要があること等のため、生産性が悪く、実用化が難しいという問題があった。
この問題に対し、半導体基板の主面に配列形成された多数個の微小電子機械機構22を一括して覆い、封止するような基板が提案されている。封止用の基板としては、半導体基板を材料とするものや導電性の金属板等を材料にするもの等が知られている。
半導体基板を材料とする場合は、例えば、主面に多数個の電子部品領域が配列形成された第1の半導体基板とは別に、電子部品領域の配列に対応させて多数の凹部を配列形成した封止用の第2の半導体基板を準備し、第1の半導体基板の主面上に第2の半導体基板を、第2の半導体基板の凹部が第1の半導体基板の電子部品領域を覆うようにして接合し、第2の半導体基板の内側に第1の半導体基板の電子部品領域(特に微小電子機械機構)を封止するようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、導電性を有する金属板等の基板を材料とする場合、導電性を有するカバー用の基板にパターン溝を形成するとともに、このパターン溝をガラスやセラミック材料で充填して平坦化させた後、その上にボンディングパターン(電極パッド等)を形成し、このボンディングパターンに電子部品の電極を接続するとともに導電性のカバー用基板を半導体基板の主面に接合し、その後、電子部品領域をセラミックやガラス等で封着するとともに、ボンディングパターンを外部に導出するための外部配線用電極パターンを形成するようにした技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−144117号公報 特開2002−43463号公報
しかしながら、このような従来の封止用基板を用いて半導体基板の主面の電子部品領域を封止する場合は、多数個の電子部品領域を一括して封止することはできるものの、例えば、半導体基板を材料とした封止用基板の場合、半導体基板の内部に3次元状の配線導体を形成することができないため、封止用の(第2の)半導体基板の、電子部品領域が配列形成された(第1の)半導体基板に接合される主面から対向する他方主面にかけて配線導体を導出することができず、電子部品の電極は、第1の半導体基板の主面に形成された電極の一部を封止部の外側に延出させるとともに、この延出部をボンディングワイヤを介して電子部品収納用パッケージの電極パッドや外部の電気回路に接続する必要があり、実装工程(電子部品領域の封止から電子装置として完成させて外部電気回路に接続するまでの工程)が長く、また、個々の電子装置のサイズが大きくなってしまうという問題が残る。また、電子装置を組み込んだ電子システムの小型化に有利な、表面実装ができないという問題もある。
また、導電性の金属板等を材料とした封止用基板の場合、金属板に電極パッド等の導体パターンを形成することができるように、一旦ガラスやセラミックスで金属板の表面に形成したパターン溝等を埋めて絶縁部を形成したり、その絶縁部の表面に、実装工程の途中で導体部を形成したりする必要があるため、この場合も電子部品の実装工程を短くすることが困難であるという問題がある。
また、微小電子機械機構(MEMS)を形成した電子部品においては、近年、微小電子機械機構の高精度駆動が行われることから、外部からの直流電圧やバックグラウンドの電圧のドリフトや静電気などによって、微小電子機械機構の外部から侵入するこれらの低周波ノイズの影響を受けやすく、配線導体を伝わり外部より伝播してきたこれら低周波ノイズにより電気特性の変化や微小電子機械機構領域の破壊などが起こるとともに、配線導体を伝播する信号に含まれる低周波ノイズが電子部品の外部に放出され易いものとなっているという問題点がある。
さらに近年、微小電子機械機構の応答精度の上昇、長時間駆動などのことが行われることから、微小電子機械機構の消費電力の向上、電力応答性の向上が求められてきている。また、消費電力が不足することから、微小電子機械機構の応答時間の増加による駆動応答性能の減少や、電気特性の変化や微小電子機械機構領域の破壊などが起こるものとなっている問題点があり、さらにこの問題点を解決するために、大容量のチップコンデンサを微小電子機械機構の近傍に実装する手法が取られており、実装面積が大きくなるという問題点もあった。
本発明は、上記従来の技術における諸問題に鑑みて完成されたものであり、その目的は、半導体基板の主面に形成された微小電子機械機構を容易かつ確実に封止することができるとともに、微小電子機械機構と接続された半導体基板の主面に形成されている電極を容易かつ確実に外部接続させることができるものとすることにある。
さらに、その目的は微小電子機械機構を表面実装が可能な形態で外部接続させることができるものとすることにある。
またさらに、その目的は、微小電子機械機構が、外部からの直流電圧、バックグラウンドの電圧ドリフト、静電気、外部からの侵入する低周波ノイズなどにより破壊されるなどの影響を受けにくくするとともに、低周波ノイズが外部に放出されるのをふせぐことができるものとすることにある。
また、消費電力が不足することから、微小電子機械機構の応答時間の増加による駆動応答性能の減少や、電気特性の変化や微小電子機械機構領域の破壊などが起こるのを防止するとともに、実装面積の小さな電子部品封止用基板を提供することにある。
また本発明の他の目的は、このような微小電子機械機構および電極から成る電子部品領域が半導体基板の主面に多数個縦横に配列形成されていたとしても、これらを容易かつ確実に封止することが可能な封止用基板を提供するとともに、この封止用基板を用いて、微小電子機械機構が封止されて成る多数個の電子装置を、例えば表面実装が可能な形態で一括して形成することが可能な電子装置の製造方法を提供することにある。
本発明の電子部品封止用基板は、一方主面から他方主面または側面に導出された配線導体が形成された絶縁基板と、該絶縁基板の前記一方主面に形成された、前記配線導体と電気的に接続された接続パッドと、前記絶縁基板の前記一方主面に、前記接続パッドを取り囲むようにして接合された枠部材と、前記接続パッド上に形成された、前記枠部材と同じ高さの接続端子と、前記絶縁基板中に絶縁層を介して互いに対向配置された一対の容量形成用電極とから成り、半導体基板の主面に微小電子機械機構およびこれに電気的に接続された電極が形成されて成る電子部品が、前記電極を前記接続端子に接合し、前記半導体基板の前記主面を前記枠部材の主面に接合されることによって、前記枠部材の内側に前記電子部品の前記微小電子機械機構を気密封止することを特徴とするものである。
また本発明の電子部品封止用基板は、好ましくは、前記絶縁層は、誘電率が前記絶縁基板よりも高いことを特徴とするものである。
また本発明の電子部品封止用基板は、好ましくは、前記容量形成用電極は、一方が接地電位とされて前記配線導体に接続されていることを特徴とするものである。
また本発明の電子部品封止用基板は、上記構成において好ましくは、前記接続パッドおよび前記接続端子が内側に形成された前記枠部材が多数個縦横に配列形成されていることを特徴とするものである。
また本発明の電子装置の製造方法は、半導体基板の主面に、微小電子機械機構およびこれに電気的に接続された電極が形成されて成る電子部品領域を多数個、縦横に配列形成した電子部品を準備する工程と、一方主面から他方主面または側面に導出された配線導体が形成された絶縁基板と、この絶縁基板の前記一方主面に形成された、前記配線導体と電気的に接続された接続パッドと、前記絶縁基板の前記一方主面に前記接続パッドを取り囲むようにして接合された枠部材と、前記接続パッド上に形成された、前記枠部材と同じ高さの接続端子とから成る電子部品封止領域を多数個、前記電子部品の電子部品領域に対応させて配列形成した電子部品封止用基板を準備する工程と、前記電子部品を、前記電極を前記接続端子に接合するとともに、前記微小電子機械機構の周囲の前記半導体基板の前記主面を前記枠部材の主面に接合して、前記微小電子機械機構を前記枠部材の内側に気密封止する工程と、互いに接合された前記電子部品および前記電子部品封止用基板を前記電子部品封止領域毎に分割して、前記電子部品封止領域に前記電子部品領域が接合されて成る個々の電子装置を得る工程とを具備することを特徴とするものである。
本発明の電子部品封止用基板によれば、一方主面から他方主面または側面に導出された配線導体が形成された絶縁基板と、絶縁基板の一方主面に形成された、配線導体と電気的に接続された接続パッドと、絶縁基板の一方主面に、接続パッドを取り囲むようにして接合された枠部材と、接続パッド上に形成された、枠部材と同じ高さの接続端子と、絶縁基板中に絶縁層を介して互いに対向配置された一対の容量形成用電極とから成り、半導体基板の主面に微小電子機械機構およびこれに電気的に接続された電極が形成されて成る電子部品を、電極を接続端子に接合し、半導体基板の主面を枠部材の主面に接合させることによって、枠部材の内側に電子部品の微小電子機械機構を気密封止するようにしたことから、枠部材の主面を半導体基板の主面に接合させるだけで、電子部品の微小電子機械機構を、枠部材と絶縁基板とにより容易かつ確実に封止することができる。
また、枠部材の主面の高さが、接続パッド上に形成された接続端子の高さと同じであるので、枠部材の主面を半導体基板の主面に接合するときに、半導体基板の主面に形成されている電極を接続端子に容易かつ確実に接続することができる。また、接続端子から接続パッドおよび配線導体を介して、電子部品の電極を外部に導出することもできる。
また、絶縁基板中には容量形成用電極および絶縁層から成るコンデンサが内蔵されているので、コンデンサは低周波信号に対し高いインピーダンスを有するものとなり、微小電子機械機構の駆動中に外部より低周波ノイズが伝播してきても、低周波ノイズはコンデンサによって選択的にカットされ微小電子機械機構に対する悪影響を大幅に低減することができる。
また、好ましくは、コンデンサを形成する絶縁層が誘電率が絶縁基板よりも高いことによって、大容量のコンデンサを絶縁基板中に形成することができ、従来微小電子機械機構の電子部品封止用基板の外部に実装されていた大容量コンデンサを実装する必要が無くなり、実装面積を小さくすることができる。
また、好ましくは、容量形成用電極は、一方が接地電位とされて配線導体に接続されていることにより、駆動中の微小電子機械機構の消費電力が突然大きくなってもコンデンサに蓄積されていた電力によって即座に電力供給が行われるため、微小電子機械機構の消費電力が不足することによる駆動応答性能の劣化や、電気特性の変化や微小電子機械機構領域の破壊などが起こりにくくなる。
また、本発明の電子部品封止用基板は、例えばセラミック多層配線基板等の絶縁基板を用いて形成したものとすることにより、配線導体を接続パッドや枠部材が形成接合されている一方主面から他方主面や側面にかけて基板の内部や表面に自由に形成して導出させることができ、この導出された端部に外部接続用の金属バンプを取着させること等により、容易に表面実装することが可能な電子装置として作製することができる。
また本発明の電子部品封止用基板は、好ましくは、接続パッドおよび接続端子が内側に形成された枠部材を多数個縦横に配列形成した場合、半導体基板の主面に多数の電子部品領域が縦横に配列形成されていたとしても、これらを一括して外部接続が可能として封止することができる。
本発明の電子装置の製造方法によれば、上記各工程を具備することから、縦横に配列形成された多数個の電子部品領域について、それぞれの電極の外部接続のための接続と微小電子機械機構の封止とを同時に行なうことができるため、互いに接合された電子部品および電子部品封止用基板から成る電子装置を、容易かつ確実に多数個製造することができる。
また、互いに接合された電子部品および電子部品封止用基板を電子部品封止領域毎に分割することにより、電子部品封止領域に電子部品領域が接合されて成る個々の電子装置を多数個同時に製造することができる。また、この分割の際、電子部品領域の微小電子機械機構は封止用基板により封止されているので、ダイシング加工等による分割で発生するシリコン等の半導体基板の切削粉が微小電子機械機構に付着することはなく、分割後の電子装置において微小電子機械機構を確実に作動させることができる。
また、分割して得られた電子装置は、絶縁基板の他方主面や側面に配線導体が導出されているので、この導出された端部に金属バンプ等の端子を取着するだけで、表面実装等により外部伝記回路基板に実装することができるものとなり、実装の工程を非常に短く、かつ容易なものとすることができる。
本発明の電子部品封止用基板およびそれを用いた電子装置の製造方法について以下に詳細に説明する。
図1は本発明の電子部品封止用基板の実施の形態の一例を示す断面図である。図1において、1は絶縁基板、2は配線導体、3は接続パッド、4は枠部材、5は接続端子である。これら絶縁基板1、配線導体2、接続パッド3、枠部材4および接続端子5により電子部品封止用基板6が形成される。
この電子部品封止用基板6を用いて、半導体基板7の主面(図1の例では下面)に、微小電子機械機構8と電極9とを互いに電気的に接続して形成して成る電子部品10を封止することにより、微小電子機械機構8が外部接続可能な状態で封止されて成る電子装置が形成される。
本発明における微小電子機械機構(以下、MEMSともいう)8は、例えば電気スイッチ、インダクタ、キャパシタ、共振器、アンテナ、マイクロリレー、光スイッチ、ハードディスク用磁気ヘッド、マイク、バイオセンサー、DNAチップ、マイクロリアクタ、プリントヘッド、加速度センサ、圧力センサなどの各種センサ、ディスプレイデバイスなどの機能を有する電子装置であり、半導体微細加工技術を基本とした、いわゆるマイクロマシニングで作製される部品であり、1素子あたり10μm〜数100μm程度の寸法を有する。
絶縁基板1は、微小電子機械機構8を封止するための蓋体として機能するとともに、配線導体2、接続パッド3、枠部材4および接続端子5を形成するための基体として機能する。この絶縁基板1は、酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化珪素質焼結体、ガラスセラミックス焼結体等のセラミックス材料や、ポリイミド、ガラスエポキシ樹脂等の有機樹脂材料、セラミックスやガラス等の無機粉末をエポキシ樹脂等の有機樹脂で結合して成る複合材等により形成される。絶縁基板1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合、酸化アルミニウムとガラス粉末等の原料粉末をシート上に成形して成るグリーンシートを積層し、焼成することにより形成される。
なお、絶縁基板1は、酸化アルミニウム質焼結体から成るものに限らず、用途や気密封止する電子部品10の特性等に応じて適したものを選択することが好ましい。例えば、絶縁基板1は、後述するように枠部材4を介して半導体基板7と機械的に接合されるので、半導体基板7との接合の信頼性、つまり微小電子機械機構8の封止の気密性を高くするためには、ムライト質焼結体や、例えばガラス成分の種類や添加量を調整することにより熱膨張係数を半導体基板7に近似させるようにした酸化アルミニウム−ホウ珪酸ガラス系等のガラスセラミックス焼結体等のような、半導体基板7との熱膨張係数の差が小さい材料で形成することが好ましい。
また、絶縁基板1は、配線導体2により伝送される電気信号の遅延を防止するような場合には、ポリイミド、ガラスエポキシ樹脂等の有機樹脂材料、セラミックスやガラス等の無機粉末をエポキシ樹脂等の有機樹脂で結合して成る複合材、または、酸化アルミニウム−ホウ珪酸ガラス系や酸化リチウム系等のガラスセラミックス焼結体等のような比誘電率の小さい材料で形成することが好ましい。
また、絶縁基板1は、封止する微小電子機械機構8の発熱量が大きく、この熱の外部への放散性を良好とするような場合には、窒化アルミニウム質焼結体等のような熱伝導率の大きな材料で形成することが好ましい。
また、絶縁基板1の一方主面に、電子部品10の微小電子機械機構8を内側に収めるような凹部1aを形成しておいてもよい。凹部1a内に微小電子機械機構8の一部を収めるようにしておくと、微小電子機械機構8を取り囲むための枠部材4の高さを低く抑えることができ、電子装置の低背化に有利なものとなる。
絶縁基板1の一方主面(微小電子機械機構8を封止する側)からは、他方主面または側面に配線導体2が導出されている。
また、この絶縁基板1の一方主面側の枠部材4の内側の部位には、配線導体2と接続された接続パッド3が形成されている。
これらの配線導体2および接続パッド3は、接続パッド3上に形成される接続端子5を介して電子部品10の電極9と電気的に接続され、これを絶縁基板1の他方主面や側面に導出する機能を有する。
これらの配線導体2および接続パッド3は、銅、銀、金、パラジウム、タングステン、モリブデン、マンガン等の金属材料により形成される。この形成の手段としては、メタライズ層、めっき層、蒸着等の金属を薄膜層として被着させる手段を用いることができる。例えば、タングステンのメタライズ層から成る場合であれば、タングステンのペーストを絶縁基板1となるグリーンシートに印刷してこれをグリーンシートとともに焼成することにより形成される。
接続端子5は、錫−銀系、錫−銀−銅系等の半田、金−錫ろう等の低融点ろう材、銀−ゲルマニウム系等の高融点ろう材、導電性有機樹脂、あるいはシーム溶接、電子ビーム溶接等の溶接法による接合を可能とするような金属材料等により形成されている。
この接続端子5を電子部品10の電極9に接合することにより、電子部品10の電極9が、接続端子5、接続パッド3および配線導体2を介して、絶縁基板1の他方主面または側面に導出される。そして、この導出された端部を外部の電気回路に錫−鉛半田等を介して接合することにより、電子部品10の電極9が外部の電気回路と電気的に接続される。
また、絶縁基板1の一方主面には、接続パッド3を取り囲むようにして枠部材4が接合されている。
枠部材4は、電子部品10の微小電子機械機構8をその内側に気密封止するための側壁として機能する。
この枠部材4の主面(図1の例では上面)を電子部品10の主面(図1の例では下面)に接合させることにより、枠部材4の内側に微小電子機械機構8が気密封止される。なお、この場合、半導体基板7が底板となり、絶縁基板1が蓋体となる。
枠部材4は、鉄−ニッケル−コバルト合金や鉄−ニッケル合金等の鉄−ニッケル系合金、無酸素銅、アルミニウム、ステンレス鋼、銅−タングステン合金、銅−モリブデン合金等の金属材料や、酸化アルミニウム質焼結体、ガラスセラミックス焼結体等の無機系材料、あるいはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ガラスエポキシ樹脂等の有機樹脂系材料等により形成される。
また、枠部材4の主面を電子部品10の半導体基板7の主面に接合する方法としては、錫−銀系等の半田,金−錫ろう等の低融点ろう材,銀−ゲルマニウム系等の高融点ろう材,導電性有機樹脂等の接合材を介して接合する方法、あるいはシーム溶接、電子ビーム溶接等の溶接法を用いることができる。
そして、半導体基板7の主面に微小電子機械機構8およびこれに電気的に接続された電極9が形成されて成る電子部品10について、電極9を接続端子5に接合し、半導体基板7の主面を枠部材4の主面に接合させることによって、枠部材4の内側に電子部品10の微小電子機械機構8が気密封止された電子装置が形成される。
そして、絶縁基板1中には容量形成用電極12が内蔵されている。容量形成用電極12および絶縁層13によるコンデンサ(キャパシタ成分)は、低周波信号に対し高いインピーダンスを有するものとなり、MEMS8の駆動中に外部より低周波ノイズが伝播してきても、低周波ノイズはコンデンサによって選択的にカットされMEMS8に対する悪影響を低減することができる。
この容量形成用電極12は配線導体2および接続パッド3と同様に作製される。一対の容量形成用電極12としての導体パターンは、たとえば四角型、丸型などの同じ形状のものが上下に重なっているものとなっている。また、容量形成用電極12および絶縁層13によって形成されるコンデンサのキャパシタンスは0.5〜50pF程度がよい。0.5pFよりも小さくなると、ノイズがカットされなくなる、作製の際に公差の影響をうけるなどの点で不利になる。50pFよりも大きくなると、小型化が困難になるとともに作製の際の難易度が上がるなどの観点から不利になる。
そして、絶縁層13は上下面が容量形成用電極12に挟まれて絶縁基板1の内部に配置されている。この絶縁層13は、絶縁基板1と同じ材料からなっていてもよい。
この電子装置のうち配線導体2の導出部分を、半田ボール等の外部端子11を介して外部の電気回路に接続することにより、微小電子機械機構8が外部電気回路と電気的に接続される。
なお、図1に示すように、枠部材4が接合される絶縁基板1の主面に、接続パッド3と同様の材料により導体層3aを形成しておき、この導体層3aから絶縁基板1の他方主面にかけて配線導体2の一部を導出させるようにしてもよい。この導体層3aから導出された配線導体2の導出部分は、上述の外部端子11等を介して外部電気回路の接地用端子等に接続することができる。この場合、接続端子5と電極9との接合、および枠部材4の主面と半導体基板7の主面との接合を一つの工程で確実かつ容易に行なうことを可能とするために、接続端子5の高さと枠部材4の高さとは同じ高さとしておく必要がある。
図2に本発明の実施の形態の他の例を示す。絶縁層13は、誘電体粉末と焼結助剤と有機樹脂バインダと有機溶剤とからなる誘電体層用ペーストを印刷形成して、絶縁基板1と同時焼成することにより作製される。誘電体粉末としては、例えば、BaTiOの他に、SrTiO,MgTiO,BaZrOのようなペロブスカイト構造を有するもの等が挙げられる。
焼結助剤としては、例えばSiO−B系,SiO−B−Al系,SiO−B−Al−MO系(但し、MはCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す)SiO−B−M O系(但し、MはLi,NaまたはKを示す),SiO−B−Al−M O系(但し、Mは上記と同じである),Pb系ガラス,Bi系ガラス等のガラス、またはCuO等の金属酸化物が挙げられる。
絶縁層用ペーストに用いられる有機樹脂バインダおよび有機溶剤としては、絶縁基板1となるセラミックグリーンシート(以下、グリーンシートともいう)との同時焼成が可能であれば特に制限されるものではなく、例えばグリーンシートに配合される有機樹脂バインダ,有機溶剤と同様のものが使用可能である。
この場合、容量形成用電極12は、CuまたはAgの粉末を85〜99.5質量部、チタン酸バリウム結晶を析出する結晶化ガラスを0.5〜15質量部含むとともに、有機樹脂バインダおよび有機溶剤を含んで成る電極ペーストを印刷形成して、グリーンシートと同時焼成することにより作製される。
チタン酸バリウム結晶を析出する結晶化ガラスの組成比は、焼成時に誘電体層1と電極層2との界面はがれを生じない、CuまたはAgの粉末に対して最小の比率であることが好ましい。結晶化ガラスのガラス組成比がCuまたはAgの粉末に対して15質量部を超える場合、焼成時に容量形成用電極12のガラス成分が絶縁層13へ多く流入して、絶縁層13の特性を劣化させやすい傾向がある。他方、結晶化ガラスのガラス組成比が0.5質量部未満の場合、結晶化ガラスが少ないため、BaTiOとの濡れ性の良い部分が少なくなることにより、焼成時に絶縁層13と容量形成用電極12との界面はがれが生じやすい傾向がある。
CuまたはAgの粉末は、絶縁基板1用の電極として用いる場合には、同時焼成時の絶縁基板1の成分と絶縁層13の成分との相互拡散を抑えるために、直径5μm以下の粒径の細かいものであることが好ましい。
結晶化ガラスは、その結晶化の際にBaOとTiOが結合してBaTiO結晶を析出するものである。主相としてBaTiO結晶を析出するため、結晶化ガラスが焼成時の拡散により絶縁層13の内部に流入しても絶縁層13の特性を劣化させることがない。また、結晶化ガラスの容量形成用電極12への添加により絶縁層13と容量形成用電極12との濡れ性が向上し、焼成時の界面はがれの発生を防ぐことが可能となる。
本発明の結晶化ガラスは、そのガラス組成比が、BaOを55.1〜59.7質量%、TiOを24.0〜26.0質量%、SiOを7.7〜11.3質量%、Alを6.6〜9.7質量%、SrOを0.7質量%以下、NaOを0.5質量%以下、CaOを0.4質量%以下含むものであり、各成分の合計が100質量%となるように調整する。TiO,SiO,Al,SrO,NaO,CaOは、ガラス化のための網目形成酸化物、中間酸化物、網目修飾酸化物であるため、ガラス化するための最小の比率であることが好ましい。BaOが59.7質量%を超え、TiOが26.0質量%を超え、SiOが7.7質量%を超え、Alが6.6質量%未満の場合、この組成物をガラス化させることが困難となりやすい。また、BaOが55.1質量%未満、TiOを24.0質量%未満、SiOが11.3質量%未満、Alが9.7質量%を超え、SrOが0.7質量%を超え、NaOが0.5質量%を超え、CaOが0.4質量%を超える場合、BaO,TiO以外の成分の絶縁基板1内部への流入量が多くなり、絶縁基板1の特性を劣化させやすい傾向がある。
また、誘電率の高い結晶を析出させるガラスとして、BaTiOを析出するものの他に、NaNbを析出するものもあるが、電極ペースト中に含まれるガラスは、絶縁基板1の結晶相と同じ結晶相を析出するものが好ましい。すなわち、絶縁層13の主成分がBaTiOならばBaTiOを析出する結晶化ガラスを、絶縁層13の主成分がNaNbならばNaNbを析出する結晶化ガラスを電極ペースト用の添加物として使用することが好ましい。
また、絶縁基板1中のコンデンサによって蓄積された電力は、微小電子機械機構8の電力が突然必要になったときに速やかに消費されるので、駆動中の微小電子機械機構8への悪影響を低減することができる。
一対の容量形成用電極12としての導体パターンは、たとえば四角型、丸型などの同じ形状のものが上下に重なっているものとなっている。また、容量形成用電極12および絶縁層13によるコンデンサのキャパシタンスは50pF〜10nF程度がよい。50pFよりも小さくなると、蓄積される電力が小さくなり、作製の際に公差の影響をうけるなどの点で不利になる。10nFよりも大きくなると、小型化が困難になるとともに作製の際の難易度が上がるなどの点で不利になる。
そして、絶縁層13の比誘電率は50〜5000程度が好ましく、比誘電率50以下ではキャパシタ成分が大きくならず、比誘電率5000以上では絶縁基板1との同時焼成が困難なものとなる。
また、容量形成用電極12の一方が接地されていることが好ましく、この場合容量形成用電極12の一方が絶縁基板1外部の接地電極に電気的に接続されている。この場合、駆動中の微小電子機械機構8の消費電力が突然大きくなってもコンデンサに蓄積されていた電力によって即座に電力供給が行われるため、微小電子機械機構8の消費電力が不足することによる駆動応答性能の劣化や、電気特性の変化や微小電子機械機構領域の破壊などが起こりにくくなる。
また、本発明の電子部品封止用基板6は、図3に実施の形態の他の例を断面図で示すように、接続パッド3および枠部材4を広面積の母基板の一方主面に縦横に配列形成した、いわゆる多数個取りの形態としておくことが好ましい。なお、図3において、図1および図2と同じ部位には同じ符号を付してある。
このような多数個取りの形態としておくと、半導体基板7の主面に微小電子機械機構8およびこれに電気的に接続された電極9が多数個配列形成された多数個取りの形態で製作される電子部品10を、多数個同時に気密封止することができ、生産性を優れたものとすることができる。
また、半導体基板7の主面に、微小電子機械機構8およびこれに電気的に接続された電極9が多数個配列形成された、多数個取りの形態で製作される電子部品10を一括して封止しておくと、半導体基板7(および電子部品封止用基板6)にダイシング加工等の切断加工を施して、個々の電子部品10(電子装置)に分割する際に、切断に伴って発生する切削粉等が微小電子機械機構8に付着してその作動を妨害する、という不具合の発生を効果的に防止することができる。
次に、このような電子部品封止用基板6を用いた電子装置の製造方法について、図4(a)〜(e)に基づいて説明する。図4は本発明の電子装置の製造方法の実施の形態の一例をそれぞれ工程順に示した断面図であり、図4において図1〜図3と同じ部位には同じ符号を付してある。
まず、図4(a)に示すように、半導体基板7の主面に、微小電子機械機構8およびこれに電気的に接続された電極9が形成されて成る電子部品領域10aを多数個、縦横に配列形成した多数個取りの電子部品10bを準備する。
半導体基板7は、例えば単結晶や多結晶等のシリコン基板から成る。
このシリコン基板の表面に酸化シリコン層を形成するとともに、フォトリソグラフィ等の微細配線加工技術を応用して、微小な振動体等の微小電子機械機構8および円形状パターン等の導体から成る電極9が形成された電子部品領域10aを多数個配列形成することにより多数個取りの電子部品10bが形成される。なお、この例においては、微小電子機械機構8と電極9とは、それぞれ半導体基板7の主面に形成された微細配線(図示せず)を介して電気的に接続されている。
次に、図4(b)に示すように、一方主面から他方主面または側面に導出された配線導体2が形成された絶縁基板1と、この絶縁基板1の一方主面に形成された、配線導体2と電気的に接続された接続パッド3と、絶縁基板1の一方主面に接続パッド3を取り囲むようにして接合された枠部材4と、接続パッド3上に形成された、枠部材4と同じ高さの接続端子5とから成る電子部品封止領域6aを多数個、電子部品の電子部品領域10aに対応させて配列形成した多数個取りの電子部品封止用基板6bを準備する。
一方主面から他方主面または側面に導出された配線導体2が形成された絶縁基板1は、例えば、絶縁基板1が酸化アルミニウム質焼結体から成り、配線導体2がタングステンのメタライズ層から成る場合であれば、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化カルシウム等の原料粉末を、有機樹脂、バインダとともに混練してスラリーを得て、このスラリーをドクターブレード法やリップコータ法等によりシート状に成形して複数のグリーンシートを形成し、このグリーンシートの表面に、および必要に応じてグリーンシートに予め形成しておいた貫通孔内に、タングステンのメタライズペーストを印刷塗布、充填し、その後、これらのグリーンシートを積層して焼成することにより形成することができる。
なお、これらのグリーンシートのうち、一部のものに打ち抜き加工を施して四角形状等の開口部を形成しておき、これを一方主面側の最表層に配置し、または最表層から内部に向かって数層積層するようにして、焼成後の絶縁基板1の一方主面に、電子部品領域10aの配列に対応する凹部1aが配列形成されるようにしておいてもよい。このように凹部1aを形成しておくと、この凹部1aの内側に微小電子機械機構8を収めることができるので、微小電子機械機構8を取り囲むための枠部材4の高さを低く抑えることができ、電子装置の低背化に有利なものとなる。
また、接続パッド3は、通常、配線導体2と同様の材料から成り、例えば、タングステンのペーストを絶縁基板1となるグリーンシートのうち最表面に、配線導体2となる印刷されたタングステンペーストと接続されるようにして、かつ多数個が縦横に配列形成されるようにして、スクリーン印刷法等により印刷しておくことにより形成される。
また、枠部材4は、例えば、鉄−ニッケル−コバルト合金から成る場合であれば、鉄−ニッケル−コバルト合金の金属板に圧延加工や金型による打ち抜き加工またはエッチング加工を行ない、枠状に成形することにより製作される。
枠部材4と絶縁基板1との接合は、錫−銀系等の半田,金−錫ろう等の低融点ろう材や銀−ゲルマニウム系等の高融点ろう材,導電性有機樹脂等の接合材を介して接合する方法、あるいはシーム溶接、電子ビーム溶接等の溶接法により行なうことができる。
この枠部材4と同じ高さとなるようにして、接続端子5が接続パッド3上に形成される。接続端子5は、例えば、錫−銀系等の半田から成る場合であれば、この半田のボールを接続パッド3上に位置決めして加熱、溶融、接合させることにより形成される。
接続端子5の高さを枠部材4の高さと同じとする方法としては、例えば、接続端子5となる錫−銀半田を溶融させて接続パッド3上に取着形成する際に、その上面を枠部材4と同じ高さとなるようにしてセラミックス製の治具等で押さえておく等の方法を用いることができる。
なお、容量形成用電極12と絶縁層13は、図1もしくは図2と同じように形成される。
次に、図4(c)に示すように、電子部品10bを電子部品封止用基板6bに対し各電子部品領域10aと各電子部品封止領域6aとを対応させて重ね合わせ、電極7を接続端子5に接合するとともに、微小電子機械機構8の周囲の半導体基板7の主面を枠部材4の主面に接合して、微小電子機械機構8を枠部材4の内側に気密封止する。
ここで、電極7と接続端子5との接合は、例えば、接続端子5が錫−銀系半田から成る場合であれば、電極7上に接続端子5を位置合わせして載せ、これらを約250℃〜300℃程度の温度のリフロー炉中で熱処理すること等により行なわれる。
また、微小電子機械機構8の周囲の半導体基板7の主面と枠部材4の主面との接合は、例えば、この接合面に、接続端子5と同様の錫−銀系の半田を挟んでおき、上述の電極7と接続端子5との接合と同時にリフロー炉中で熱処理することにより行なうことができる。
この場合、接続端子5の高さを枠部材4の高さと同じとしていることから、電極7と接続端子5との接合と、枠部材4の主面と半導体基板7の主面との接合を容易かつ確実に、同時に行なうことができる。
このように、本発明の電子装置の製造方法によれば、電子部品領域10aの電極7の外部導出のための接合と、微小電子機械機構8の気密封止のための接合とを同時に行なうことができるため、数時間程度を要する半田(ろう)付け等の接合の工程を、従来の製造方法に比べて、確実に少なくとも1工程減らすことができるので、電子装置の生産性を非常に高めることができる。
そして、図4(d)に示すように、互いに接合された多数個取りの形態の電子部品10bおよび電子部品封止用基板6bを電子部品封止領域6a毎に分割して、電子部品封止領域6aが分割された電子部品封止用基板6に電子部品領域10aが分割された電子部品10が接合されて成る個々の電子装置を得る。
互いに接合された、それぞれ多数個取りの形態の電子部品10bおよび電子部品封止用基板6bの接合体の切断は、この接合体に対して、ダイシング加工等の切断加工を施すことにより行なうことができる。
本発明の電子装置の製造方法においては、このダイシング加工等の切断加工の際に、各微小電子機械機構8は枠部材4の内側でこの枠部材4と半導体基板7と絶縁基板1とにより気密封止されているので、半導体基板7や絶縁基板1等の切断に伴って発生するシリコンやセラミックス等の切削粉等が微小電子機械機構8に付着することはなく、完成した電子装置において、微小電子機械機構8を確実に正常に作動させることができる。
このように、本発明の電子装置の製造方法によれば、従来のように、半導体基板7の主面に多数個を縦横に配列形成した電子部品領域10aを切断する際に、その微小電子機械機構8をガラス板等で覆って保護するような工程を別途追加する必要はなく、この、保護のためだけという工程を確実に削除することができるので、電子装置の生産性を非常に高いものとすることができる。
また、このようにして製造された電子装置は、すでに気密封止されているとともに、その電極が配線導体2を介して外部に導出された状態であるので、これを別途パッケージ内に実装するような工程を追加する必要はなく、配線導体2の導出された部分を外部の電気回路に半田ボール等の外部端子11を介して接続するだけで、外部電気回路基板に実装して使用することができる。
また、この場合、配線導体2は、絶縁基体1の他方主面または側面に導出されているので、外部電気回路に表面実装の形態で接続することができ、高密度に実装することや、外部電気回路の基板を効果的に小型化することができる。
なお、本発明は上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内であれば、種々の変形は可能である。
例えば、上述の実施の形態の例では一つの電子装置内に一つの微小電子機械機構を気密封止したが、一つの電子装置内に複数の微小電子機械機構を気密封止してもよい。
また、図1に示した例では、配線導体2は絶縁基板1の他方主面側に導出しているが、これを、側面に導出したり、側面および他方主面の両方に導出したりしてもよい。また、この導出された部分の外部電気回路への電気的な接続は、外部端子として半田ボールを介して行なうものに限らず、リード端子や導電性接着剤等を介して行なってもよい。
また、容量形成用電極12は電力の蓄積、ノイズカット、インピーダンス調整のみに用いられるものではなく、その他の用途に用いられてもよい。
本発明の電子部品封止用基板の実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明の電子部品封止用基板の実施の形態の他の例を示す断面図である。 本発明の電子部品封止用基板の実施の形態の他の例を示す断面図である。 (a)〜(d)は、本発明の電子装置の製造方法の実施の形態の一例をそれぞれ工程順に示した断面図である。 従来の電子部品封止用基板およびそれを用いて成る電子装置の一例を示す断面図である。
符号の説明
1:絶縁基板
2:配線導体
3:接続パッド
4:枠部材
5:接続端子
6:電子部品封止用基板
6a:電子部品封止領域
6b:電子部品封止用基板
7:半導体基板
8:微小電子機械機構
9:電極
10:電子部品
10a:電子部品領域
10b:電子部品
12:容量形成用電極
13:絶縁層

Claims (5)

  1. 一方主面から他方主面または側面に導出された配線導体が形成された絶縁基板と、該絶縁基板の前記一方主面に形成された、前記配線導体と電気的に接続された接続パッドと、前記絶縁基板の前記一方主面に前記接続パッドを取り囲むようにして接合された枠部材と、前記接続パッド上に形成された、前記枠部材と同じ高さの接続端子と、前記絶縁基板中に絶縁層を介して互いに対向配置された一対の容量形成用電極とから成り、半導体基板の主面に微小電子機械機構およびこれに電気的に接続された電極が形成されて成る電子部品が、前記電極が前記接続端子に接合され、前記半導体基板の前記主面が前記枠部材の主面に接合されることによって、前記枠部材の内側に前記電子部品の前記微小電子機械機構が気密封止されることを特徴とする電子部品封止用基板。
  2. 前記絶縁層は、誘電率が前記絶縁基板よりも高いことを特徴とする請求項1記載の電子部品封止用基板。
  3. 前記容量形成用電極は、一方が接地電位とされて前記配線導体に接続されていることを特徴とする請求項2記載の電子部品封止用基板。
  4. 前記接続パッドおよび前記接続端子が内側に形成された前記枠部材が多数個縦横に配列形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電子部品封止用基板。
  5. 半導体基板の主面に、微小電子機械機構およびこれに電気的に接続された電極が形成されて成る電子部品領域を多数個縦横に配列形成した電子部品を準備する工程と、一方主面から他方主面または側面に導出された配線導体が形成されるとともに内部に絶縁層を介して互いに対向配置された容量形成用電極が設けられた絶縁基板と、該絶縁基板の前記一方主面に形成された、前記配線導体と電気的に接続された接続パッドと、前記絶縁基板の前記一方主面に前記接続パッドを取り囲むようにして接合された枠部材と、前記接続パッド上に形成された、前記枠部材と同じ高さの接続端子とから成る電子部品封止領域を多数個前記電子部品の前記電子部品領域に対応させて配列形成した電子部品封止用基板を準備する工程と、前記電子部品における前記電極を前記接続端子に接合するとともに、前記微小電子機械機構の周囲の前記半導体基板の前記主面を前記枠部材の主面に接合して、前記微小電子機械機構を前記枠部材の内側に気密封止する工程と、互いに接合された前記電子部品および前記電子部品封止用基板を前記電子部品封止領域毎に分割して、前記電子部品封止領域に前記電子部品領域が接合されて成る個々の電子装置を得る工程とを具備することを特徴とする電子装置の製造方法。
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