JP2005152980A - 等速ジョイント用外輪部材の製造方法 - Google Patents

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善久 土井
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Abstract

【課題】軸方向の端面寸法を略均一として加工精度を向上させることが可能な等速ジョイント用外輪部材の製造方法を提供することにある。
【解決手段】ワークに対して前方押し出し成形(S1)を施した後、前記ワークに予備据え込み成形を施して第1次成形品を形成し(S2)、前記第1次成形品の上部に対して据え込み成形を施すことにより、大径部と小径部との間で均一な傾斜角度を有する環状傾斜面が形成された中間予備成形体を形成し(S3)、前記中間予備成形体に対して後方押し出し成形を施すことによりトラック溝が設けられたカップ部を有する第4次成形品を形成し(S4)、さらに、前記第4次成形品のカップ部に対して製品寸法に仕上げるしごき成形を行う(S5)。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転駆動力を伝達するための等速ジョイントを構成する等速ジョイント用外輪部材の製造方法に関する。
従来から、互いに接合された上部ダイス及び下部ダイスに形成されるキャビティに鍛造用素材を装填し、パンチを介して前記鍛造用素材に加圧力を付与することにより、例えば、自動車の車輪駆動用の等速ジョイントの外輪部材(アウタカップ)が製造されている。
前記外輪部材は、筒状のカップ部と、前記カップ部と一体的に形成される軸部とから構成され、前記カップ部の内周面には、軸線方向に沿って延在する3本のトラック溝が形成され、前記トラック溝に沿ってローラが転動するように設けられている。
この種の等速ジョイント用外輪部材の製造方法に関し、例えば、特許文献1には、製品形状寸法に略均一寸法の肉厚を有するカップ状外方部材用素材にしごき加工を施した場合、軸方向への伸び量において大径部が小さく小径部が大きくなるという課題を解決するために、体積一定則に従ってカップ状外方部材用素材の寸法を設定することにより軸方向の伸び量を略一定にする技術的思想が開示されている。
また、特許文献2には、内面部に仕上がり形状と略同一の形状を有する軸付きのカップ状の粗製品を鍛造加工により成形し、続いて前記粗製品の内面部に内型をセットした状態で、均等肉厚部、均等薄肉部、厚肉から薄肉への変化部の各部のしごき率が均一になるようにして、外面部の全周を内面部方向に向かってしごき加工を施すことにより、内面部の複数の溝を高精度に仕上げる技術的思想が開示されている。
特開昭57−206537号公報 特開昭61−3618号公報
しかしながら、前記特許文献1に開示された技術的思想では、トラック溝の底部、トラック溝、内面部のしごき率に大きな差異が発生するため、前記トラック溝の底部、トラック溝、内面部をそれぞれ均一なしごき率でしごき加工を行った場合と比較して、トラック溝の溝面の精度が劣るという問題がある。
また、前記特許文献2に開示された技術的思想では、内面部に仕上がり形状と略同一の形状を有する軸付きのカップ状の粗製品を鍛造用素材(ワーク)とすることが前提となっている。そこで、例えば、ビレットに対して後方押し出し成形を施して大径部と小径部との間で肉厚に差があるカップ状の中間素材をワークとして特許文献2に開示された製造方法を適用した場合、しごき加工率の差によって厚肉部よりも薄肉部の軸方向の伸び量が大きくなってしまい、元々の軸方向の端面が不揃いである前記中間素材を全周均一なしごき率でしごき加工を行ってもしごき加工後の端面は、依然として不揃いであり、前記軸方向の端面に対する仕上げ加工量が増大するという問題がある。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、大径部と小径部との間で均一な傾斜角度を有する環状傾斜面が形成された中間予備成形体を形成する工程を設けることにより、後方押し出し成形を行った際に軸方向の端面寸法を略均一として加工精度を向上させることが可能な等速ジョイント用外輪部材の製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、冷間鍛造成形によって軸部とカップ部とが一体的に形成されたトリポート型等速ジョイント用外輪部材の製造方法であって、
所定長に切断された円柱状のワークに対して前方押し出し成形が施されることにより軸部を有する第1次成形体を形成する工程と、
前記ワークの軸部を除いた上部に対して予備据え込み成形が施されることにより第2次成形体を形成する工程と、
前記第2次成形体の軸部を除いた上部に対してさらに据え込み成形が施されることにより、複数の大径部と小径部との間を周回し且つ前記大径部と小径部との間で均一な傾斜角度を有する環状傾斜面が形成された中間予備成形体を形成する工程と、
前記中間予備成形体に対して後方押し出し成形を施すことによりトラック溝が設けられたカップ部を有する第4次成形体を形成する工程と、
前記第4次成形体のカップ部に対してしごき成形を行う工程と、
を有することを特徴とする。
この場合、前記中間予備成形体は、第2次成形体の上部と比較して薄肉且つ拡径した円盤状からなる頭部を有し、前記頭部には、平面からみたとき、半径外方向に向かって突出し周方向に沿って所定の離間角度を有する複数の大径部と、隣接する前記大径部の間に湾曲して窪んで形成された複数の小径部とが設けられるとよい。
さらに、前記頭部の上面には、円形状平面と、前記円形状平面の周囲を囲繞し水平面に対する傾斜角度が周方向に沿って均一な環状傾斜面とが形成され、この場合、大径部における環状傾斜面の面積は、小径部における環状傾斜面の面積よりも大きく設定されるとよい。
本発明によれば、複数の冷間鍛造成形によって等速ジョイント用外輪部材を成形する工程中に、大径部と小径部との間で均一な傾斜角度を有する環状傾斜面が形成された中間予備成形体を形成する工程を設けている。従って、前記中間予備成形体に対して、次工程で後方押し出し成形を行った際、塑性変形した肉が小径部から前記環状傾斜面に沿って大径部側に流出しやすくなり、小径部と比較して大径部の肉流れが良好となる。この場合、小径部と比較して大径部における環状傾斜面の面積を大きく設定することにより、大径部の肉流れが小径部よりも促進される。
本発明によれば、中間成形体を、小径部よりも大径部に多くの肉が流動しやすい形状とすることにより、後方押し出し成形をしたときに大径部と小径部との間でカップ部の端面の軸線方向の寸法を略均一とすることができる。
この結果、後方押し出し成形によって得られた第4次成形体に対する偏肉を防止して大径部の塑性流動を小径部と比較して良好とすることにより、仕上げ加工代を抑制し、仕上げ加工としての切削加工量を削減することができる。
以下、本発明に係る等速ジョイント用外輪部材の製造方法に関し好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
本実施の形態に係る等速ジョイント用外輪部材の製造方法においては、図1のフローチャートに示されるように、炭素鋼製の円柱体からなるワーク10に対して合計5回の冷間鍛造加工が施され、最終的にトリポート型等速ジョイント用外輪部材が製造される。
図2〜図7に、本実施の形態に係る等速ジョイント用外輪部材の製造方法を示す。
まず、第1準備工程において、所定長の円柱体に切り出されたワーク10(図2参照)に対して球状化焼鈍を施す。これによりワーク10が軟化し、以下の第1次〜第5次冷間鍛造加工が容易となる。
そして、第2準備工程において、ワーク10に対して潤滑用化成被膜の形成を行う。すなわち、ボンデライト処理によって、例えば、リン酸亜鉛等からなる潤滑用化成被膜をワーク10の表面に形成することによって該表面に潤滑性を付与する。具体的には、このようなリン酸亜鉛等が溶解された溶媒中にワーク10を所定時間浸漬することにより潤滑用化成被膜を形成すればよい。
次いで、第1次冷間鍛造加工工程S1において、潤滑用化成被膜が形成されたワーク10に対して前方押し出し成形を施す。すなわち、図示しない軸部成形用キャビティを有する第1鍛造用金型のワーク保持部にワーク10を装填する。なお、前記軸部成形用キャビティはワーク10に比して小径に形成されており、且つ該軸部成形用キャビティとワーク保持部との間にはテーパ面が設けられている。
この状態で、前記軸部成形用キャビティに指向してワーク10の一端面を押圧する。この押圧によって該ワーク10の他端面側が軸部成形用キャビティに圧入され、その結果、該他端面側にテーパ状に縮径した縮径部12と軸部14とが形成された第1次成形品(第1次成形体)16(図3参照)が得られる。なお、ワーク10におけるワーク保持部に装填された部位はほとんど塑性変形しないので、第1次成形品16は、その直径がワーク10の直径に対応する寸法の上部18を有する。
次いで、第2次冷間鍛造加工工程S2において、第1次成形品16に対して予備据え込み成形を行う。すなわち、図示しない第2鍛造用金型のキャビティに第1次成形品16を装填する。この際、軸部14は、第2鍛造用金型に設けられた軸部保持部に挿入される。
そして、軸部保持部に挿入された軸部14の先端部を図示しない押止部材で支持しながら、第1次成形品16の上部18をパンチで押圧して圧潰する。この圧潰に伴って上部18が圧縮されるとともに拡径されることにより、第2次成形品(第2次成形体)20(図4参照)が得られる。
続いて、第3次冷間鍛造加工工程S3において、第2次成形品20の上部22をさらに圧縮し且つ拡径させる据え込み成形を施し、第3次成形品として中間予備成形体24を形成する(図5及び図10参照)。
すなわち、図8に示されるような第3鍛造用金型(予備成形用金型)25を用い、キャビティ27に装填された第2次成形品20の上部22をパンチ29によって押圧することにより、前記第2次成形品20の上部22が軸線方向に圧縮変形された中間予備成形体24(第3次成形品)が得られる。
前記パンチ29の先端面には、図9に示されるように、中心部が円形状に僅かに窪んで形成され、前記円形状の窪みから半径外方向に沿った周縁部に向かって立ち上がる環状の傾斜面成形部31が形成され、前記傾斜面成形部31には、周方向に沿った傾斜角度が均一な傾斜面が形成される。
前記中間予備成形体24は、図5及び図10に示されるように、第2次成形品20の上部22と比較して薄肉且つ拡径した円盤状からなる頭部26と、前記頭部26の下部側に一体的に縮径して形成された軸部14とから構成される。
前記頭部26は、平面からみたとき、3つの花びら状に半径外方向に向かって所定長だけ突出し周方向に沿って約120度の離間角度を有する大径部28a〜28cと、隣接する前記大径部28a〜28cの間に湾曲して窪んで形成された3つの小径部30a〜30cとを備える。
前記頭部26の上面には、円形状平面33と、前記円形状平面33の周囲を囲繞し、軸線C(円形状平面33の中心点)を中心とする円形状稜線32と大径部28a〜28c及び小径部30a〜30cの周縁部稜線34との間で環状傾斜面36が形成される。
前記環状傾斜面36は、中心側の円形状稜線32から半径外方向の周縁部稜線34に向かって下降する傾斜面によって構成され、前記大径部28a〜28c及び小径部30a〜30cを周回する前記傾斜面の傾斜角度が均一となるように設定される。
すなわち、中心(軸線C)と大径部28a〜28cの中央部とを結ぶ3箇所からなる第1傾斜面部38a〜38cは、水平面に対して約3度の傾斜角度αに設定され、また、中心(軸線C)と小径部30a〜30cの中央部とを結ぶ3箇所からなる第2傾斜面部40a〜40cは、前記第1傾斜面部38a〜38cと同様に、水平面に対して約3度の傾斜角度αに設定されている。さらに、前記第1傾斜面部38a〜38cと前記第2傾斜面部40a〜40cとの間は、前記第1傾斜面部38a〜38c及び第2傾斜面部40a〜40cと同一の傾斜角度αに設定されている。
なお、前記環状傾斜面36の傾斜角度αは、3度に限定されるものではなく、例えば、3度〜10度の範囲内において設定されればよい。
また、前記環状傾斜面36の半径方向の幅は、図5に示されるように、大径部28a〜28cの中央部において最も幅広となり、小径部30a〜30cの中央部において最も幅狭となるように形成されている。従って、大径部28a〜28cにおける環状傾斜面36の面積は、小径部30a〜30cにおける環状傾斜面36の面積よりも大きくなるように設定される。
この場合、小径部30a〜30cよりも大径部28a〜28cにおける環状傾斜面36の面積を大きく設定することにより、小径部30a〜30cから大径部28a〜28c側に向かって塑性変形した肉が流れやすくなる。
なお、第1次成形品16及び第2次成形品20がそれぞれ軸線A、Bを基準として対称(線対称)に形成されているのに対し、第3次成形品である中間予備成形体24では、軸線Cを基準として非対称となるように形成されている。
従来、等速ジョイント用外輪部材の完成製品では、カップ部の外周が円筒面によって形成されていたが、軽量化のニーズから前記カップ部に窪み部を形成して肉抜きすることによって軽量化を図っている。この場合、カップ部に窪みを形成することにより、その軸線を基準として非対称形状となる。
第3次冷間鍛造加工工程S3が終了した後、中間予備成形体24から応力を除去するための低温焼鈍、この低温焼鈍の際に発生する酸化スケール等を除去するショットブラスト処理、ボンデライト処理による中間予備成形体24の外表面にリン酸亜鉛等からなる潤滑用化成被膜の形成をそれぞれ行う。これらの各種処理を行うことにより、中間予備成形体24(第3次成形品)を容易に塑性変形させることができるようになるからである。
その後、図11に示す第4鍛造用金型42を使用して第4次冷間鍛造加工工程S4を行う。
この第4鍛造用金型42は、上部ダイス44及び下部ダイス46を有し、前記上部ダイス44及び下部ダイス46は、図示しないインサート部材によって内嵌されることにより一体的に接合されている。下部ダイス46には、中間予備成形体24(第3次成形品)の軸部14を挿入するための軸部挿入部48が設けられている。軸部挿入部48の鉛直下方には、貫通孔を介して上昇または下降動作自在なノックアウトピン50が配設されている。上部ダイス44の内壁には、カップ部成形用キャビティ52が設けられている。
パンチ54の側周壁部には、パンチ54を上部ダイス44のガイド面に沿って円滑に上昇または下降動作させるために、金属製の円筒体からなるガイドスリーブ56が外嵌されている。
パンチ54の外周面には、周方向に沿って120度で互いに離間し、且つ該パンチ54の軸線方向に沿って所定長で延在する3個の突条部(図示せず)が設けられており、図6に示すように、これら突条部により、第4次成形品58のカップ部8の内壁面にトラック溝60a〜60cが形成される。これらトラック溝60a〜60cに対し、後述する第5次冷間鍛造加工工程S5でカップ部62に対してしごき成形がなされることによって、形状及び寸法精度をより一層向上させたトラック溝60a〜60c(図7参照)が形成される。
パンチ54は、図示しない機械プレスの駆動作用下に上昇または下降自在である。すなわち、この機械プレスのラム(図示せず)には、該ラムと一体的に上下方向に沿って変位する図示しない昇降部材が連結されている。パンチ54は、治具を介してこの昇降部材に固定されている。
このように構成された第4鍛造用金型42の軸部挿入部48に軸部14が挿入された中間予備成形体24(第3次成形品)に対する第4次冷間鍛造加工、すなわち、後方押し出し成形は、以下のようにして遂行される。
なお、下部ダイス46の軸部挿入部48に沿って中間予備成形体24の軸部14を装填した際、上部ダイス44の内壁に形成されたカップ部成形用キャビティ52と、大径部28a〜28c及び小径部30a〜30cを含む中間予備成形体24の外壁面との間には、所定間隔(例えば、0.2〜0.3mm)からなり周方向に沿って均一なクリアランスが設定される。
まず、前記機械プレスの駆動作用下に該機械プレスのラムに連結された昇降部材を下降させる。これに追従してパンチ54が下降し、最終的に中間予備成形体(第3次成形品)24の頭部26の上面に当接する。
パンチ54をさらに下降させて中間予備成形体24の頭部26を押圧することにより前記頭部26を塑性変形させる。その際、中間予備成形体24の大径部28a〜28c及び小径部30a〜30cがカップ部成形用キャビティ52の内壁部によって塑性流動が規制されながら、パンチ54の外周面に沿って該パンチ54の下降方向と反対の後方(上方)に向かって塑性流動させることにより、カップ部62が形成される。
この場合、塑性流動によって大径部28a〜28cが伸長されることにより、パンチ54の突条部によって、中間予備成形体24(第3次成形品)の軸線方向に指向するトラック溝60a〜60cがカップ部62の内壁面に形成される。
その後、パンチ54を前記機械プレスの駆動作用下に前記ラム及び昇降部材とともに上昇させ、さらに、ノックアウトピン50を上昇させれば、図6に示す第4次成形品58が露呈する。
通常、鍛造用素材に対し後方押し出し成形をした場合、後方への伸び量(塑性流動量)は小径部よりも大径部が小さくなり、例えば、鍛造用素材における変形抵抗(変形能)の差に起因して、割れ、偏肉等の不具合が発生するおそれがある。
そこで、本実施の形態では、中間予備成形体24の大径部28a〜28c及び小径部30a〜30cの周縁部を周回する傾斜角度αが一定の環状傾斜面36を設けている。従って、前記中間予備成形体24に対して、後方押し出し成形を行った際、塑性変形した肉が小径部30a〜30cから前記環状傾斜面36に沿って大径部28a〜28c側に流出しやすくなり、小径部30a〜30cと比較して大径部28a〜28cの肉流れが良好となる。
この場合、小径部30a〜30cと比較して大径部28a〜28cにおける環状傾斜面36の面積を大きく設定することにより、大径部28a〜28cの肉流れが小径部30a〜30cよりもより一層促進される。
従って、本実施の形態では、中間予備成形体24において、小径部30a〜30cよりも大径部28a〜28cに多くの肉が流動しやすい形状とすることにより、後方押し出し成形をしたときに大径部28a〜28cと小径部30a〜30cとの間でカップ部62の端面の軸線方向の寸法が略均一となる。
この結果、本実施の形態では、後方押し出し成形によって得られた第4次成形品58に対する偏肉を防止して大径部28a〜28cの塑性流動を良好とすることにより、後工程での仕上げ加工量(切削加工量)を抑制することができる。
このように、本実施の形態では、後方押し出し成形を行う第4次冷間鍛造加工工程S4の前に、中間予備成形体24(第3次成形品)を形成することにより、後工程で形成される完成製品の製品精度を向上させ、後工程での仕上げ加工量を削減することができる。
第4次冷間鍛造加工工程S4が行われた後、第4次成形品58に対して第5次冷間鍛造加工工程S5を施す。なお、第5次冷間鍛造加工工程S5を行う前に、第4次成形品58の表面または第5鍛造用金型(図示せず)の少なくともいずれか一方に液体潤滑剤を塗布するとよい。これにより、第5次冷間鍛造加工工程S5が遂行されている最中に、第4次成形品58または第5鍛造用金型に焼き付きが生じることを回避することができる。液体潤滑剤としては、従来から使用されている公知の液体潤滑剤を使用すればよい。
第5次冷間鍛造加工工程S5では、図示しない第5鍛造用金型を使用して、第4次成形品58の内面及び外面に対し、カップ部62を最終的な製品形状に仕上げるためのしごき成形(最終サイジング成形)が施される。すなわち、カップ部62の肉厚やトラック溝60a〜60cの幅及び深さが所定の寸法精度となるように加工し、これにより、トラック溝60a〜60c等の形状を含むカップ部62の寸法精度が出された完成製品64としてのトリポート型等速ジョイント用外輪部材が得られるに至る(図7参照)。
本実施の形態に係る製造方法によれば、第4次冷間鍛造加工工程S4で後方押し出し成形を遂行する前に、大径部28a〜28cと小径部30a〜30cとの間で傾斜角度が均一な環状傾斜面36を有する中間予備成形体24を成形することにより、完成製品64の製品精度及び品質の安定性を向上させることができる。
本実施の形態に係る等速ジョイント用外輪部材の製造工程を示すフローチャートである。 所定長に切り出された円柱体からなるワークの側面図及び平面図である。 前記ワークに対して前方押し出し成形がなされた第1次成形品の側面図及び平面図である。 前記第1成形品に対して予備据え込み成形がなされた第2次成形品の側面図及び平面図である。 前記第2次成形品に対して据え込み成形がなされた中間予備成形体の側面図及び平面図である。 前記中間予備成形体に対して後方押し出し成形がなされた第4次成形品の側面図及び平面図である。 前記第4次成形品に対してしごき成形がなされたトリポート型等速ジョイント用外輪部材の完成製品の側面図及び平面図である。 中間予備成形体を成形するための第3鍛造用金型の一部省略縦断面図である。 図8に示す第3鍛造用金型を構成するパンチの一部切り欠き側面図及び底面図である。 前記中間予備成形体の斜視図である。 前記中間予備成形体に対して後方押し出し成形を遂行する第4鍛造用金型の一部省略縦断面図である。
符号の説明
10…ワーク 16…第1次成形品
20…第2次成形品 24…中間予備成形体(第3次成形品)
25…第3鍛造用金型 28a〜28c…大径部
29、54…パンチ 30a〜30c…小径部
31…傾斜面成形部 32…円形状稜線
34…周縁部稜線 36…環状傾斜面
38a〜38c…第1傾斜面部 40a、40b…第2傾斜面部
42…第4鍛造用金型 58…第4次成形品
64…完成製品

Claims (3)

  1. 冷間鍛造成形によって軸部とカップ部とが一体的に形成されたトリポート型等速ジョイント用外輪部材の製造方法であって、
    所定長に切断された円柱状のワークに対して前方押し出し成形が施されることにより軸部を有する第1次成形体を形成する工程と、
    前記ワークの軸部を除いた上部に対して予備据え込み成形が施されることにより第2次成形体を形成する工程と、
    前記第2次成形体の軸部を除いた上部に対してさらに据え込み成形が施されることにより、複数の大径部と小径部との間を周回し且つ前記大径部と小径部との間で均一な傾斜角度を有する環状傾斜面が形成された中間予備成形体を形成する工程と、
    前記中間予備成形体に対して後方押し出し成形を施すことによりトラック溝が設けられたカップ部を有する第4次成形体を形成する工程と、
    前記第4次成形体のカップ部に対してしごき成形を行う工程と、
    を有することを特徴とする等速ジョイント用外輪部材の製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法において、
    前記中間予備成形体は、第2次成形体の上部と比較して薄肉且つ拡径した円盤状からなる頭部を有し、前記頭部には、平面からみたとき、半径外方向に向かって突出し周方向に沿って所定の離間角度を有する複数の大径部と、隣接する前記大径部の間に湾曲して窪んで形成された複数の小径部とが設けられることを特徴とする等速ジョイント用外輪部材の製造方法。
  3. 請求項2記載の製造方法において、
    前記頭部の上面には、円形状平面と、前記円形状平面の周囲を囲繞し水平面に対する傾斜角度が複数の大径部と小径部との間で周方向に沿って均一な環状傾斜面とが形成され、大径部における環状傾斜面の面積は、小径部における環状傾斜面の面積よりも大きく設定されることを特徴とする等速ジョイント用外輪部材の製造方法。
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WO2006137198A1 (ja) * 2005-06-21 2006-12-28 Honda Motor Co., Ltd. 等速ジョイント用外輪部材の製造方法

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