JP2005152613A - ゴルフクラブシャフト - Google Patents

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JP2005152613A JP2004309046A JP2004309046A JP2005152613A JP 2005152613 A JP2005152613 A JP 2005152613A JP 2004309046 A JP2004309046 A JP 2004309046A JP 2004309046 A JP2004309046 A JP 2004309046A JP 2005152613 A JP2005152613 A JP 2005152613A
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Abstract

【課題】 シャフトのヘッド速度を上げ違和感のないスイングを実現する。
【解決手段】 ゴルフクラブシャフト10のヘッドを装着するチップ側先端11からグリップを装着するバット側後端12までの全長にわたって、曲げ剛性極大点P1〜P3の後端部側に隣接し、該曲げ剛性極大点P1〜P3の剛性値(極大値)Yp1〜Yp3よりも曲げ剛性値が低い曲げ剛性低下領域R1〜R3を複数設け、シャフト全体をしなりを良くしている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ゴルフクラブシャフトに関し、特に、しなりを良くして、ヘッドスピードを速くするものである。
近年、非力の高齢者や女性のゴルファーの増加に伴い、小さな力でもボールの飛距離を伸ばすことができるゴルフクラブシャフトが要求されている。この要求に応じるには、シャフトの軽量化やクラブヘッドの高反発性のほか、スイング時のヘッドスピードを速くすることが重要である。
シャフトのしなりを良くするとヘッドスピードを速めることができるため、従来のシャフトは、シャフトのヘッド取付側のチップ側先端からグリップ取付側のバット側後端に向かって曲げ剛性値の増加量が増すように剛性分布したものが一般的である。このような剛性分布としたシャフトはチップ側先端部分ではしなりが発生しやすいが、シャフトの全体的なしなりは余り良くなく、よって、ヘッドスピードの向上に問題があった。そのため、従来より、シャフトの剛性分布を改良することによってヘッドスピードを上げる様々な提案がなされてきた。
例えば、特開2002−35184号(特許文献1)では、図9に示すように、曲げ剛性分布曲線C1が、シャフト長さに対する中央部Yに極大値を有し、後端部B側に最大値を有するように剛性分布したゴルフクラブシャフトが提案されている。
また、特開2003−24490号(特許文献2)では、シャフト長さに対する中間部に、繊維強化材の繊維配向角を0°〜5°とした中間補強層を形成し、図10に示すように、チップ側先端からバット側後端に向かってシャフトの曲げ剛性値(EI値)を増加させると共に、中間補強層以外の部分では先端部側から後端部側に向かって曲げ剛性増加率が上昇するのに対し、中間補強層では曲げ剛性増加率が先端部側から後端部側に向かって低下するように剛性分布したゴルフクラブシャフトが提案されている。これにより、シャフト中間部の剛性が従来のシャフトより高くなり、スイング時にシャフト全体の撓りを利用しやすくなるため、ヘッドスピードを増加できるとしている。
しかしながら、特許文献1に示すゴルフクラブシャフトは、バット側の剛性最大値を除き剛性極大値を一箇所だけ設ける構成であるため、該極大値部分の前後の剛性値低下部分で局所的にしなり、スイングに違和感を生じやすいうえ、該部分に応力が集中してシャフト強度を低下させるという問題がある。
また、特許文献2に示すゴルフクラブシャフトは、中間補強層を巻回したシャフト中間部のみが重く厚くなるため、スイング中に違和感を覚えるうえ、補強層部分と該部分以外との境目に段差が生じるため、仕上がりが悪くなるという問題もある。
特開2002−35184号公報 特開2003−24490号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、違和感のない良好なスイングが可能で、かつ、シャフト全体のしなりが良く、ヘッドスピードを速めることができるゴルフクラブシャフトを提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明は、ゴルフクラブシャフトのヘッド取付側のチップ側先端からグリップ取付側のバット側後端にわたる曲げ剛性分布において、
隣接するバット側より曲げ剛性を大とした曲げ剛性極大点を複数点設け、これら曲げ剛性極大点の間に挟まれた領域に曲げ剛性低下領域を設け、該曲げ剛性低下領域をシャフト軸線方向に複数箇所設けていることを特徴とするゴルフクラブシャフトを提供している。
なお、上記隣接する極大点の間の曲げ剛性低下領域とは、隣接するチップ側の極大点の曲げ剛性値と同一となるまでの領域を1つの曲げ剛性低下領域とし、該領域中に小さな曲げ剛性極大点が存在しても一つの曲げ剛性低下領域に含まれるものとしている。
上記のように、曲げ剛性が低くしなりが発生しやすい曲げ剛性低下領域をシャフト全長にわたって複数箇所に設けることにより、シャフト全体が鞭のようにしなる。よって、従来のように、シャフトの先端部付近のみ、あるいは、中央部で局所的にしなるシャフトに比して、シャフト全体の大きなしなりを利用できるため、ヘッドスピードが速くなり、弱い力でもボールの飛距離を伸ばすことができる。また、シャフト全体でしなるため、スムーズで違和感のないスイングが可能となり、よって、打点のバラツキが小さくなり、打球の方向性も向上させることができる。
なお、曲げ剛性低下領域は、数多く設けるほどシャフト全体の自然なしなりを実現できるが、ウッドの場合は少なくとも3箇所設けることが好ましく、シャフトが長い場合には、4箇所程度が好適である。アイアンの場合は、少なくとも2箇所が好ましく、シャフトが長い場合には3箇所が好適である。
上記複数の曲げ剛性極大点の極大値および上記複数の曲げ剛性低下領域の極小値は同等、あるいはチップ側からバット側にいくに従い増大させている
上記複数の曲げ剛性極大点の極大値および上記複数の曲げ剛性低下領域の極小値は同等とすると、シャフト全体のしなり感じを違和感のない良好なものとすることができる。
一方、チップ側からバット側にいくに従い上記極大値および極小値を大とすると、スイング時に手元付近で適度なしっかり感を得ながら、シャフト全体のしなり感を違和感のないものにすることができる。
曲げ剛性低下領域のシャフト軸方向の長さは、50mm以上400mm以下の範囲が好ましい。これは、400mmより長くすると、曲げ剛性低下領域の数が少なくなるため、しなりの滑らかさが減少し、スイング時に違和感を生じるためである。一方、50mm未満では、現実的に製造しにくいことによる。なお、上記曲げ剛性低下領域のシャフト軸方向の長さは、好ましくは50mm以上300mm以下の範囲内、さらには50mm以上200mm以下が好ましい。
曲げ剛性低下領域は、上記シャフトのチップ側先端から500mmの領域に少なくとも1箇所設けている。これにより、ヘッド取付側のしなりを確保できるため、ヘッドスピードを一層増大できる。
また、上記チップ側先端とバット側後端とに上記曲げ剛性極大点を設けることが好ましい。これは、チップ側先端ではヘッドに固定させるため曲げ剛性値が高いことが好ましいことにより、バット側後端ではスイング時にしっかり感を与えることができるためである。
チップ側極大点の極大値は、該極大点に隣接するバット側の曲げ剛性低下領域の極小点の極小値の1.2倍以上2倍以下の範囲内に設定することが好ましい。
これは、1.2倍未満であると、十分なしなりが得られずヘッドスピードの増大効果が小さくなり、2.0倍より大きいと、剛性値の差が大きくなりすぎてしなりがかえって悪化することによる。
具体的には、プリプレグの積層体からなり、該プリプレグは複数のバイアス層およびストレート層を構成するプリプレグを備え、上記ストレート層の少なくとも一層は曲げ剛性調整層とし、厚さを同一で弾性率の相違する複数のプリプレグを、シャフト軸線方向で分割して配置して、上記曲げ剛性分布の構成としている。
上記のように曲げ剛性値を変えるためにプリプレグの弾性率を変えて、プリプレグの巻数やプリプレグの厚さを同一とすると、シャフト外径が局部的に突出したり凹んだりしないため、外形的に違和感をあたえず、かつ、シャフト重量を増加させない。
なお、プリプレグの積層体で形成する場合に限定されず、フィラメントワインディングで形成する場合にも適用でき、部分的に弾性率の相違する強化繊維を巻き付けてもよい。
以上の説明より明らかなように、本発明では、先端部側よりも剛性値が低下する曲げ剛性低下領域をシャフト全体に複数箇所設けることにより、局所的でなく全体的に鞭のような滑らかなシャフトの撓りが得られ、違和感のない自然なスイングが可能となる。従って、ヘッドスピードが上がりボールの飛距離が伸びるとともに、打球の方向性も高めることができる。また、シャフト先端部から500mmの範囲内に少なくとも1つの曲げ剛性低下領域を設けることにより、ヘッドの走りがよくなり、一層効果的にヘッドスピードを上げることができる。
さらに、極大値、極小値ともに、シャフトの先端部から後端部に向かって増加させていくことにより、手元でしっかり感が得られる自然な撓りを実現することができる。さらにまた、極大点の極大値を、該極大点の先端部寄りに隣接する曲げ剛性低下領域の極小値の1.2倍以上2.0倍以下の範囲内とすることにより、ヘッドスピードの増大効果と良好なしなり感とを共に得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図3は、本発明の第一実施形態に係るゴルフクラブシャフト10を示すように、テーパ状の長尺の筒体からなり、シャフト10は繊維強化プリプレグ21〜24の積層体からなるテーパ状の長尺な筒体からなる。小径側のチップ側先端11にヘッド13が取り付けられ、大径側のバット側後端12にグリップ14が取り付けられている。シャフト10の全長は0.8〜1.2m、本実施形態では1050mmとしている。なお、チップ側先端11の外径は8.0mm〜12.0mm、本実施形態では9.0mmとしている。バット側後端部12の外径は13.0mm〜20.0mmの範囲で、本実施形態では15.0mmとしている。
シャフト10は図2に示すように、強化繊維を引き揃えて樹脂を含浸させたプリプレグをシートワインディング製法によりマンドレル20に巻き付けて積層した後、ポリプロピレン製のテープ(図示せず)を巻き付けた状態とし、これをオーブン中で加熱加圧し樹脂を硬化させて一体的に成形し、マンドレル20を引き抜いてシャフト10を製造している。シャフトの表面は研磨を行った後に、塗装している。
シャフト10を構成するプリプレグは、バイアス層を形成するプリプレグ21、22と、ストレート層を形成するプリプレグ23、24とからなる。
上記プリプレグ21〜24には、カーボン繊維からなる強化繊維F21、F22、F24、F23a〜F23b、F24にエポキシ樹脂を含浸させている。
プリプレグ21〜24の樹脂率は20wt%以上45wt%以下の範囲とし、厚みは0.01mm以上0.3mm以下、好ましくは0.05mm以上0.15mm以下の範囲内としている。弾性率は5t/mm2以上100t/mm2以下の範囲とし、強化繊維に対して0°方向の曲げ強度は100kgf/mm2以上200kgf/mm2の範囲内としている。プリプレグ目付量は5g/m2以上500g/m2以下の範囲とし、カーボン繊維目付量は5g/m2以上300g/m2以下の範囲のものを使用している。
なお、強化繊維にはガラス繊維、ボロン繊維を用いてもよく、樹脂にはエポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂を使用してもよい。
詳しくは、プリプレグ21、22は、厚さを0.1mm、長さをシャフト全長にわたる長さとし、幅を3回巻きするサイズとしている。強化繊維F21はシャフト軸線に対してなす配向角を+45°、強化繊維F2は−45°とし、いずれも弾性率を30t/mm2としている。これらプリプレグ21と22には重ね合わせた状態でマンドレル20に巻き付けている。
プリプレグ23は曲げ剛性調整用のストレート層を構成し、厚さを同一の0.1mmで2回巻き幅とした高弾性率プリプレグ23aと低弾性率プリプレグ23bとをシャフト軸線方向に7枚に分割して150mm間隔で交互にマンドレル20に巻き付けている。
即ち、チップ側先端11から150mm間隔で、高弾性率プリプレグ23a、低弾性率プリプレグ23b、高弾性率プリプレグ23a低弾性率プリプレグ23b、高弾性率プリプレグ23a、低弾性率プリプレグ23b、高弾性率プリプレグ23aの順に交互に配置している。
上記高弾性率プリプレグ23aの弾性率は30t/mm2とし、低弾性率プリプレグ23bの弾性率は5t/mm2としている。また、これらプリプレグ23a、23bはいずれも、強化繊維F23a、F23bがシャフト軸線に対してなす配向角が0°以上10°以下で、本実施形態では0°としてストレート層としている。
プリプレグ24は、厚さを0.1mm、幅を2回巻きするサイズとし、強化繊維F24がシャフト軸線に対してなす配向角が0°以上10°以下、本実施形態では0°のストレート層とし、弾性率を25t/mm2としている。
上記のように、剛性調整用のストレート層を構成するプリプレグ23を高弾性プリプレグ23aと低弾性プリプレグ23bとをシャフト10の軸線に沿って交互に配置して、曲げ剛性分布を図3に示すように構成し、4箇所の曲げ剛性極大点P1〜P4を軸線方向に間隔をあけて設けている。
詳しくは、シャフト10のチップ側先端11に近接した位置に第1極大点P1、軸線方向に225mmあけて第2極大点P1、225mmあけて第3極大点P3、225mmあけたバット側後端に第4極大点P4を形成している。
上記第1〜第4極大点P1〜P4の曲げ剛性値(極大値)Yp1〜Yp4は、Yp1が2kgm2、Yp2が4kgm2、Yp3が6kgm2、Yp4が8kgm2としている。よって、曲げ剛性極大値Yp1〜Yp4が、Yp1<Yp2<Yp3<Yp4となり、極大値Yp2はYq1の2倍、Yp3はYq2の1.5倍、Yp4はYq3の1.3倍となる。
上記各第1〜第3極大点P1〜P3のそれぞれバット側、即ち、第1極大点P1と第2極大点P2の間には第1曲げ剛性低下領域R1が形成され、該第1曲げ剛性低下領域R1の曲げ剛性値は第1極大点P1の剛性値Yp1よりも低い曲げ剛性値となっている。これら第1〜第3曲げ剛性低下領域R1〜R3は、それぞれ隣接するチップ側極大点P1〜P3の剛性値と同一剛性値となるまでの領域である。
同様に、第2極大点P2と第3極大点P3の間には第2曲げ剛性低下領域R2が形成され、該第2曲げ剛性低下領域R2の曲げ剛性値は第2極大点P2の剛性値Yp2よりも低い曲げ剛性値となっている。同様に、第3極大点P3と第4極大点P4の間には第3曲げ剛性低下領域R3が形成され、該第3曲げ剛性低下領域R3の曲げ剛性値は第3極大点P3の剛性値Yp3よりも低い曲げ剛性値となっている。
上記各曲げ剛性低下領域R1〜R3の曲げ剛性極小点Q1〜Q3の曲げ剛性値(極小値)Yq1〜Yq3は、Yq1が1kgm2、Yq2が3kgm2、Yq3が5kgm2である。よって、曲げ剛性極小値Yq1〜Yq3が、Yq1<Yq2<Yq3となり、Yp1はYq1の2倍、Yp2はYq2の1.3倍、Yp3はYq3の1.2倍となる。
ゴルフクラブシャフト10を上記構成とすることにより、上記各曲げ剛性低下領域R1〜R3はシャフト軸方向にそれぞれ250mmづつ形成され、シャフト全体に計3箇所設けられている。従って、この計3箇所の曲げ剛性低下領域R1〜R3で大きなしなりを得ることにより、シャフト10を全体的に鞭のように撓らせることが可能となるため、従来のように局所的に撓りが大きくなるシャフトに比して、違和感のない良好なスイングが得られるうえ、ヘッドスピードが増大し、ボールの飛距離を伸ばすことができる。
また、シャフト10の先端部11から400mmまでの範囲に曲げ剛性低下領域R1の全領域を配置しているため、ヘッド13が走りやすくなり、ヘッドスピードを効果的に上げることができる。
さらに、極大値および極小値は、いずれもシャフト10のチップ側先端11からバット側後端12側にかけて順次、1.2倍以上2.0倍以下の範囲で大きくなるように設定しているため、シャフト10が全体的に十分にしなってヘッドスピードを増大できると同時に、違和感のない滑らかな撓りを得ることができる。
また、剛性調整用のストレート層となるプリプレグ23を構成する7枚の高弾性率プリプレグ23aと低弾性率プリプレグ23bは全て厚みが同一であり、該繊維強化プリプレグ23(23aと23b)はシャフト10の全長に巻きつけられるため、シャフト表面に段差を生じることなく、違和感のないゴルフクラブシャフトとすることができる。
図4および図5は本発明の第二実施形態を示し、ゴルフクラブシャフト10を構成するプリプレグ21〜24のうち、剛性調整用のストレート層を構成するプリプレグの構成を上記第一実施形態と相違させているが、その他の点は第一実施形態と同様であるため同一符号を付して説明を省略する。
図4に示すように、本実施形態における剛性調整用のストレート層からなるプリプレグ23’は、シャフト10の先端部11から順に、長さ150mmの高弾性率プリプレグ23a、長さ300mmの低弾性率プリプレグ23b、長さ150mmの高弾性率プリプレグ23a、長さ300mmの低弾性率プリプレグ23bを配置し、残る後端部12までの範囲に高弾性率プリプレグ23aを配置している。なお、高弾性率プリプレグ23aの弾性率は30t/mm2であり、低弾性率プリプレグ23bの弾性率は5t/mm2である。
上記構成のゴルフクラブシャフト10には、図5に示すように、3箇所の曲げ剛性極大点P1〜P3が設けられ、各曲げ剛性極大点P1〜P3の曲げ剛性値(極大値)Yp1〜Yp3は、Yp1<Yp2<Yp3となっている。
また、極大点P1のバット側には、曲げ剛性値がYp1よりも低い曲げ剛性低下領域R1、極大点P2の後端部側には、曲げ剛性値がYp2よりも低い曲げ剛性低下領域R2を設けている。各領域R1、R2の曲げ剛性極小点Q1、Q2の曲げ剛性値(極小値)Yq1、Yq2は、Yq1<Yq2としている。
上記構成のゴルフクラブシャフト10では、曲げ剛性の極大点が3箇所のP1〜P3、曲げ剛性低下領域R1、R2が2箇所となっているが、曲げ剛性値の高低差を大きくしているため、滑らかに、かつ大きくシャフト10をしならせることができ、上記第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
図6および図7は本発明の第三実施形態を示し、剛性調整用のストレート層であるプリプレグ23”を、上記第二実施形態とはバット側後端のプリプレグ23aを弾性率の相違するプリプレグ23dに変更している点だけを相違させている。その他の構成は第二実施形態と同様であるため同一符号を付して説明を省略する。
詳しくは、繊維強化プリプレグ23”は、シャフト10のチップ側先端11から順に、長さ150mmの高弾性率プリプレグ23a、長さ300mmの低弾性率プリプレグ23b、長さ150mmの高弾性率プリプレグ23c、長さ300mmの低弾性率プリプレグ23bを配置し、バット側後端12までの範囲に高弾性率プリプレグ23dを配置している。高弾性率プリプレグ23cの弾性率は20t/mm2、高弾性率プリプレグ23dの弾性率は80t/mm2、低弾性率プリプレグ23bの弾性率は5t/mm2としている。
上記構成のゴルフクラブシャフト10には、図7に示すように、3箇所の曲げ剛性極大点P1〜P3を設け、極大点P1の後端部側には曲げ剛性値がYp1よりも低い曲げ剛性低下領域R1、極大点P2の後端部側には曲げ剛性値がYp2よりも低い曲げ剛性低下領域R2を設けている。
上記構成のゴルフクラブシャフト10では、曲げ剛性極小値Yq1、Yq2と曲げ剛性極大値Yp1、Yp2との差を大きく設定しているが、Yp2/Yq1、Yp3/Yq2のいずれも2倍以下としているため、ヘッドスピードの増大と良好なしなり感を共に実現することができる。また、バット側後端12に弾性率が特に高いプリプレグ23dを使用しているため、グリップ14付近の剛性が高まり、スイング時に手元のしっかり感を得ることができる。
本発明のゴルフクラブシャフトの実施例1〜3および比較例1〜3を下記の表1、表2に示すように、剛性調整用のストレート層を構成する各プリプレグの弾性率と配置構成を互いに異ならせてゴルフクラブシャフトを作成した。作成したゴルフクラブシャフトに同一のヘッドを取り付けて、ヘッド速度、バラツキ、打撃時のフィーリングについて比較試験を行った。その評価を表3に示す。
シャフトと組み合わせたヘッドは、素材をチタンとし、体積を380cc、重さを200gとし、グリップは特製ラバーグリップとし、クラブ番手はW#1とした。
Figure 2005152613
Figure 2005152613
Figure 2005152613
実施例1〜3、比較例1〜3のいずれも、シートワインディング製法により作製し、剛性調整用のストレート層を構成するプリプレグの内層側に、バイアス層を形成する2枚のプリプレグaを強化繊維が交差するように3回ずつ巻きつけ、外層側にはストレート層を形成するプリプレグb(東レ株式会社製 8255S−12)を2回巻きつけて一体的に形成した。各プリプレグa、bの弾性率、厚み、プリプレグ(PP)目付は表2に示すとおりとし、シャフトはいずれも長さを1050mmとした。また、マンドレルはいずれも同一形状のものを使用し、チップ側先端からバット側後端にかけて拡径するテーパー形状で、その外径は表1に示すとおりとした。
(実施例1)
図2に示す上記第一実施形態と同一構成とした。即ち、剛性調整用のストレート層のプリプレグを、シャフトの先端部から150mm間隔で、高弾性率プリプレグa(三菱レイヨン株式会社製 MR35DC−125S)と低弾性率プリプレグc(日本グラファイトファイバー株式会社製 E1026D−12N)とを交互に配置し、バット側後端に上記高弾性率プリプレグaを配置し、計7枚のプリプレグで構成した。また、高弾性率プリプレグaの弾性率は30t/mm2とし、低弾性率プリプレグcの弾性率は5t/mm2とした。その結果、曲げ剛性分布は図3と同じ結果(図8の曲線A)となった。
(実施例2)
図4に示す上記第二実施形態と同一構成とした。即ち、シャフトの先端部から順に、長さ150mmの上記高弾性率プリプレグa、長さ300mmの上記低弾性率プリプレグc、長さ150mmの高弾性率プリプレグa、長さ300mmの低弾性率プリプレグcを配置し、残る後端部までの範囲に高弾性率プリプレグaを配置した。また、高弾性率プリプレグaの弾性率は30t/mm2とし、低弾性率プリプレグcの弾性率は5t/mm2とした。その結果、曲げ剛性分布は図5と同じ結果(図8の曲線B)となった。
(実施例3)
上記第三実施形態と同一構成とした。即ち、シャフトの先端部から順に、長さ150mmの高弾性率プリプレグd(三菱レイヨン株式会社製 HRX350C−130S)、長さ300mmの上記低弾性率プリプレグc、長さ150mmの上記高弾性率プリプレグd、長さ300mmの上記低弾性率プリプレグcを配置し、残る後端部までの範囲に超高弾性率プリプレグe(日本グラファイトファイバー株式会社製 E8026C−12S)を配置して形成し、高弾性率プリプレグdの弾性率は40t/mm2とし、超高弾性率プリプレグeの弾性率は80t/mm2とし、低弾性率プリプレグcの弾性率は5t/mm2とした。その結果、曲げ剛性分布は図7と同じ結果(図8の曲線C)となった。
(比較例1)
シャフトの先端部から順に、長さ300mmの上記高弾性率プリプレグa、長さ450mmの上記高弾性率プリプレグd、残る後端部までの範囲に高弾性率プリプレグaを配置して形成し、高弾性率プリプレグaの弾性率は30t/mm2とし、高弾性率プリプレグdの弾性率は40t/mm2とした。その結果、曲げ剛性分布は図8の曲線Dに示すとおりとなった。
(比較例2)
シャフトの先端部から順に、長さ450mmの上記高弾性率プリプレグa、長さ150mmの上記超高弾性率プリプレグe、残る後端部までの範囲に高弾性率プリプレグaを配置して形成し、高弾性率プリプレグaの弾性率は30t/mm2とし、超高弾性率プリプレグeの弾性率は80t/mm2とした。その結果、曲げ剛性分布は図8の曲線Eに示すとおりとなった。
(比較例3)
剛性調整用のストレート層全体を、弾性率が30t/mm2である1枚の連続した上記高弾性率プリプレグaのみで形成した。その結果、曲げ剛性分布は図8の曲線Fに示すとおりとなった。
(ヘッドスピードの測定方法)
インパクト前の直前1000μs、3000μsでのヘッド位置を計測することでH/Sを算出した。
(スイートスポット(SS)からのバラツキの測定方法)
各打点とSSとの距離を測定し、この距離のバラツキを測定した。
(打撃時のフィーリング評価方法)
テスター10名が各シャフトにつき10球ずつ打撃し、10点満点で評価を行い(点数が高いほどフィーリングが良い)、その平均値を表3に示した。このテスター10名の平均ハンデは9であり、平均年齢は48歳であった。
図8の曲線A〜Cに示すように、実施例1〜3はいずれも、複数の曲げ剛性低下領域を有しながら、シャフトのチップ側先端からバット側後端にかけて剛性値が高くなっており、表3に示すように、ヘッドスピードが速く、スイートスポットからのバラツキも小さかった。これは、しなり感が良好で違和感なくスイングできていることを示し、このことはフィーリング評価が高かったことからも裏付けられた。
一方、比較例1は、図8の曲線Dに示すように、先端部側より剛性値が低下する曲げ剛性値低下領域が存在せず、シャフト中央部で曲げ剛性値がやや高くなる構成となった。比較例2は、図8の曲線Eに示すように、シャフト中央部一箇所で局所的に大きく曲げ剛性値が増大し、その極大点の後端部側一箇所にのみ曲げ剛性低下領域が存在する構成となった。比較例3は、図8の曲線Fに示すように、シャフトの先端部から後端部にかけての拡径に伴い剛性値が増大し、剛性分布曲線Fも緩やかな右肩上がりでほぼ直線状となった。
これら比較例1〜3は、剛性値低下領域が1箇所のみ、または皆無であり、表3からは、ヘッドスピードが上がらず、スイートスポットからのバラツキも大きいことが分かった。従って、しなやか撓りが得られず、かつ、スイングにも違和感があると推察でき、このことはフィーリング評価が低いことからも裏付けられた。
本発明の第一実施形態に係るゴルフクラブシャフトの概略図である。 本発明の第一実施形態に係るゴルフクラブシャフトに用いるマンドレルと繊維強化プリプレグの積層構成を示す図である。 本発明の第一実施形態に係るゴルフクラブシャフトの曲げ剛性分布を示すグラフである。 本発明の第二実施形態に係るゴルフクラブシャフトに用いるマンドレルと繊維強化プリプレグの積層構成を示す図である。 本発明の第二実施形態に係るゴルフクラブシャフトの曲げ剛性分布を示すグラフである。 本発明の第三実施形態に係るゴルフクラブシャフトに用いるマンドレルと繊維強化プリプレグの積層構成を示す図である。 本発明の第三実施形態に係るゴルフクラブシャフトの曲げ剛性分布を示すグラフである。 実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例3の各曲げ剛性分布曲線A〜Fを表したグラフである。 従来例の曲げ剛性分布を示すグラフである。 他の従来例の曲げ剛性分布を示すグラフである。
符号の説明
10 ゴルフクラブシャフト
11 チップ側先端
12 バット側後端
21〜24 プリプレグ
23a 高弾性率プリプレグ
23c 低弾性率プリプレグ
23d 超高弾性率プリプレグ
P1〜P4 曲げ剛性極大点
Q1〜Q3 曲げ剛性極小点
R1〜R3 曲げ剛性低下領域
Yp1〜Yp4 曲げ剛性極大値
Yq1〜Yq3 曲げ剛性極小値

Claims (6)

  1. ゴルフクラブシャフトのヘッド取付側のチップ側先端からグリップ取付側のバット側後端にわたる曲げ剛性分布において、
    隣接するバット側より曲げ剛性を大とした曲げ剛性極大点を複数点設け、これら曲げ剛性極大点の間に挟まれた領域に曲げ剛性低下領域を設け、該曲げ剛性低下領域をシャフト軸線方向に複数箇所設けていることを特徴とするゴルフクラブシャフト。
  2. 上記複数の曲げ剛性極大点の極大値および上記複数の曲げ剛性低下領域の極小値は同等、あるいはチップ側からバット側にいくに従い増大させている請求項1に記載のゴルフクラブシャフト。
  3. 上記曲げ剛性低下領域のシャフト軸方向の長さを50mm以上400mm以下の範囲内としている請求項1または請求項2に記載のゴルフクラブシャフト。
  4. 上記曲げ剛性低下領域を、上記チップ側先端から500mmの領域に少なくとも1箇所設けている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフト。
  5. チップ側極大点の極大値は、該極大値に隣接するバット側の曲げ剛性低下領域の極小点の極小値の1.2倍以上2倍以下の範囲内に設定している請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフト。
  6. プリプレグの積層体からなり、該プリプレグは複数のバイアス層およびストレート層を構成するプリプレグを備え、上記ストレート層の少なくとも一層は曲げ剛性調整層とし、厚さを同一で弾性率の相違する複数のプリプレグを、シャフト軸線方向で分割して配置し
    て、上記曲げ剛性分布の構成としている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフト。
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