JP2005150137A - コモンモードノイズフィルタ - Google Patents

コモンモードノイズフィルタ Download PDF

Info

Publication number
JP2005150137A
JP2005150137A JP2003380884A JP2003380884A JP2005150137A JP 2005150137 A JP2005150137 A JP 2005150137A JP 2003380884 A JP2003380884 A JP 2003380884A JP 2003380884 A JP2003380884 A JP 2003380884A JP 2005150137 A JP2005150137 A JP 2005150137A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
common mode
conductors
noise filter
mode noise
insulator layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003380884A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshio Kobayashi
美穂 小林
Atsushi Inuzuka
敦 犬塚
Hironobu Chiba
博伸 千葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2003380884A priority Critical patent/JP2005150137A/ja
Publication of JP2005150137A publication Critical patent/JP2005150137A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)
  • Filters And Equalizers (AREA)

Abstract

【課題】コモンモードノイズフィルタに関するものであり、ディファレンシャルモードのインピーダンスを低減させるものである。
【解決手段】比誘電率が10未満である積層された絶縁体層11、12、13、14、15、16と、この内部に並列する2本の導体1a、1b、2a、2b、3a、3b、4a、4b、5a、5bが各絶縁体層12、13、14、15のスルホールを介して二重螺旋状のコイルとなるように形成した導体1a、1b、2a、2b、3a、3b、4a、4b、5a、5bと、前記二重螺旋状のコイルの芯部に磁性体17を設けた構成とすることにより、ディファレンシャルモードのインピーダンスを小さくすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、小型デジタル電子機器やOA機器、携帯端末等の電気製品に広く用いられているコモンモードノイズフィルタに関するものである。
従来、この種のコモンモードノイズフィルタは、コモンモードノイズを除去するためにコモンモードのインピーダンスを大きくし、同時に信号波形を歪ませないためにディファレンシャルモードのインピーダンスをできるだけ小さくすることが望ましく、そのために図11、図12に示されるような構成を有していた。
図11は従来のコモンモードノイズフィルタの分解斜視図であり、図12はその斜視図である。
図11において、21は第1の絶縁体層、27は第1の絶縁体層21の上面に設けられた渦巻き状の導体である第1の導体、28は第1の絶縁体層21の上面に設けられ第1の導体27とほぼ並行な渦巻き状に設けられた導体である第2の導体であり、第1の導体27と2条渦巻きの構成となっている。
22は第1の導体27及び第2の導体28を挟むようにして第1の絶縁体層21の上部に設けられた第2の絶縁体層、31aおよび31bは第2の絶縁体層22に設けられたスルホールであり内部には導電材が充填されている。29は第2の絶縁体層22の上面に設けられた渦巻き状の導体である第3の導体、30は第2の絶縁体層22の上面に設けられ第3の導体29とほぼ並行な渦巻き状に設けられた第4の導体であり、第3の導体29と2条渦巻きの構成となっている。第3の導体29はスルホール31aを介して第1の導体27と、第4の導体30はスルホール31bを介して第2の導体28とそれぞれ電気的に接続している。そして、前記第3の導体29と第4の導体30の上面には第3の絶縁体層23が設けられている。
ここで、第2の絶縁体層22は第1の絶縁体層21および第3の絶縁体層23よりも低い透磁率のものを使用している。
図12の従来のコモンモードノイズフィルタの斜視図において、33は磁性体であり、32は4個の外部電極であり、第1〜第4の導体27、28、29、30のいずれか一つとそれぞれ電気的に接続している。
上記に示したように従来の技術によれば、第1の導体27〜第4の導体30を渦巻き状とし、第1の導体27と第2の導体28および第3の導体29と第4の導体30はほぼ並行に配置されることにより、1つの絶縁体層に設けられた渦巻き状の各導体間の距離を短くでき、さらに一層あたりの磁路を渦巻き状とすることで長くでき、これにより各導体で発生し互いに影響を及ぼし合う磁界が強くなり、コモンモードのインピーダンスを大きくすることができる。加えて、スルホール31a、31bを有する第2の絶縁体層22の透磁率を他の絶縁体層の透磁率以下とすることにより、第1の導体27と第2の導体28の導体間および第3の導体29と第4の導体30の導体間に低透磁率の第2の絶縁体層22を介在させる構造となり、これらの導体で発生する磁界をより強くすることができることから効率的にコモンモードのノイズが抑制できる。
なお、前記各絶縁体層21、23および低透磁率の絶縁体層22は図12に示すように一体焼結されている。また前記第1の絶縁体層21と第3の絶縁体層23には主にNi−Zn−Cuフェライトを用いることができる。
また、この低透磁率の絶縁体層である第2の絶縁体層22にはNi−Zn−Cu−Co系フェライトを用いることができる。
また、第2の絶縁体層22に非磁性体を用いると一層の効果を得ることができ、その材料としては、ガラスセラミック、Zn−Cu系フェライトが好適である。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2003−31416号公報
しかしながら、上記従来の構成では磁性体である第1から第3の絶縁体層21、22、23の比誘電率が10以上と比較的大きく、渦巻き状の導体27〜30がコモンモードノイズフィルタ内の一部分に集中しており、その導体27〜30に近接して比誘電率が10以上の磁性体である第1から第3の絶縁体層21、22、23があるために浮遊容量に起因してディファレンシャルモードのインピーダンスを低減させにくいという問題点を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、浮遊容量の発生を抑えて、ディファレンシャルモードノイズをできるだけ小さくしたコモンモードノイズフィルタを提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有する。
本発明の請求項1に記載の発明は、比誘電率が10未満である積層された絶縁体層と、この積層された絶縁体層の内部に並列する2本の導体が各絶縁体層のスルホールを介して二重螺旋状のコイルとなるように形成した導体と、前記二重螺旋状のコイルの芯部に磁性体を設けたコモンモードノイズフィルタであり、浮遊容量を抑えることによりディファレンシャルモードのインピーダンスを小さくしたコモンモードノイズフィルタを実現することができる。
本発明の請求項2に記載の発明は、第1の絶縁体層と、前記第1の絶縁体層の上面に設けられた渦巻き状のコイルの一部となる第1および第2の導体と、前記第1、第2の導体の上部に設けられたスルホールを有する所定層数の第2の絶縁体層と、前記所定層数の第2の絶縁体層の各面に設けられ前記スルホールを介して前記第1および第2の導体のそれぞれに電気的に接続された渦巻き状コイルの一部となる所定層数の第3および第4の導体と、前記所定層数の第3および第4の導体の最上部に設けられたスルホールを有する第3の絶縁体層の上面に設けられ前記スルホールを介して電気的に接続された渦巻き状コイルの一部となる第5および第6の導体と、前記第5、第6の導体の上部に設けられた第4の絶縁体層と、前記第1、第2、第5、第6の導体の端部にそれぞれ電気的に接続された外部電極とを設け、前記第1と第2の導体および前記第1および第2の導体のそれぞれに電気的に接続された渦巻き状コイルの一部となる所望層数の第3および第4の導体および第5と第6の導体の主要部を並列に配置し、さらに比誘電率が10未満の前記第1から第4の絶縁体層を設け、前記第1から第6の導体で形成される二重螺旋状のコイルの芯部に磁性体を設けたコモンモードノイズフィルタであり、2ターン以上の二重螺旋状のコイルを構成したときにコイル間と層間の浮遊容量を抑えることにより、ディファレンシャルモードのインピーダンスを小さくし、コモンモードのインピーダンスを大きくできるコモンモードチョークコイルを実現することができる。
本発明の請求項3に記載の発明は、各絶縁体層を非磁性とした請求項1または2に記載のコモンモードのノイズフィルタであり、より高周波帯で実用できるコモンモードチョークコイルを実現することができる。
本発明の請求項4に記載の発明は、特に、前記第1の絶縁体層の下面と前記第6の絶縁体層の上面に磁性層を設けた構成を有しており、磁気的な結合を高めてコモンモードのインピーダンスを大きくすることができるコモンモードチョークコイルを実現することができる。
本発明の請求項5に記載の発明は、第1の絶縁体層と第6の絶縁体層に磁性体を用いた請求項1、2、3のいずれか一つに記載のコモンモードノイズフィルタであり、請求項3の作用に加えてコモンモードノイズフィルタの低背化を実現することができる。
本発明の請求項6に記載の発明は、特に、外部電極を設けていない対向する2つの端面に磁性体層を設けたコモンモードノイズフィルタであり、さらに磁気的な結合を高めてコモンモードのインピーダンスを大きくしたコモンモードノイズフィルタを実現することができる。
本発明のコモンモードノイズフィルタは比誘電率が10未満である積層された絶縁体層と、二重螺旋状のコイルとなるように形成した導体と、この二重螺旋状のコイルの芯部に磁性体を設けたことにより、浮遊容量を抑えてディファレンシャルモードのインピーダンスをできるだけ小さくすることができ、信号波形を歪ませることなくコモンモードノイズを効果的に除去できるという効果を奏するものである。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に、請求項1、2、3に記載の発明について説明する。
図1は本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタの構成を説明するための分解平面図であり、図2はこのコモンモードノイズフィルタの斜視図であり、図3は図2のA−A部における断面図である。また図4は実施の形態1における本発明のコモンモードノイズフィルタと従来のコモンモードノイズフィルタの特性図である。
図1において、1a、1bは第1の絶縁体層11の上面に設けられた二重螺旋状のコイルの一部となる第1および第2の導体であり、第2の絶縁体層12に設けたスルホール(図示せず)を介して第3の導体2aは第1の導体1aと接続され、第4の導体2bは第2の導体1bと電気的に接続されている。このときの導体材料としては銀あるいは銅などの高導電率を有する材料が最適である。さらに第2の絶縁体層12の上に形成された第3の絶縁体層13に設けられたスルホール(図示せず)を介して第5の導体3aは第3の導体2aと接続され、第6の導体3bは第4の導体2bと電気的に接続され、さらに第4の絶縁体層14に設けられたスルホール(図示せず)を介して第7の導体4aは第5の導体3aと接続され第8の導体4bは第6の導体3bと電気的に接続され、さらに第5の絶縁体層15に設けられたスルホール(図示せず)を介して第9の導体5aは第7の導体4aと接続され第10の導体5bは第8の導体4bと電気的に接続されている。このような構成とすることにより1a、2a、3a、4a、5aで一つの螺旋状のコイルを形成し、1b、2b、3b、4b、5bで別の一つの螺旋状のコイルを形成しており、ほぼ2ターンのコイル構造を実現し、それぞれのコイルが並列に配置された二重螺旋構造のコイルパターンを形成することができる。この二つのコイル間の距離が結合度に密接に影響する。この距離を近づけると結合度が高くなり、コモンモードノイズフィルタとしての性能が高まり、距離を離していくと結合度が低くなる。しかしながら、二つのコイル間の距離を近づけていくとコイル間の浮遊容量が問題となる。この浮遊容量を低減するためには各絶縁体層の比誘電率を低く設計することが重要である。
次に、第5の絶縁体層15の上に第6の絶縁体層16を設けるとともに、さらにこのように構成された二重螺旋状のコイルの芯部に磁性体17を設けた構造となっている。
ここで、図1は2ターンを基本とする二重螺旋状のコイル構成であり、このような構成とすることにより二重螺旋状のコイル間の浮遊容量を低減することができるとともにコイル層間の浮遊容量をも低減できることから大幅に浮遊容量を低減できるコモンモードノイズフィルタを実現することができる。また2ターン以上においても同様の効果を有するコモンモードノイズフィルタを得ることができる。
しかしながら、1ターンであっても二重螺旋状のコイル間の浮遊容量を低減することができることから、基本的には1ターンであれば本発明の効果を発揮することができる。すなわち、本発明のコモンモードノイズフィルタの基本的な構成としては、第3および第4の導体2a、2bと第9および第10の導体5a、5bとを電気的に接続することにより1ターンの二重螺旋状のコイルを有するコモンモードノイズフィルタを形成することであり、このような構成において二重螺旋状のコイル間の浮遊容量を低減することができるコモンモードノイズフィルタを得ることができる。また、コイルの寸法形状および各絶縁体層の厚み精度もコモンモードノイズフィルタとしての性能に影響を及ぼすことからこれらの寸法形状も高精度に制御することが望ましい。これらの要因を制御することにより電気的特性を設計制御することができる。
次に、前記第1〜第6の各絶縁体層11、12、13、14、15、16は図2に示すように、一体焼結されて得られ、第1の導体1a、第2の導体1b、第9の導体5a、第10の導体5bから構成される二重螺旋状のコイルのそれぞれの端部は4つの外部電極32のいずれか一つと電気的に接続されている。
ここで、前記第1〜第6の各絶縁体層11、12、13、14、15、16は比誘電率が10未満であり、具体的にはフォルステライト系ガラス、アルミナ−ガラス系誘電体のようなガラスセラミック等を用いることができる。また第1の導体1aから第10の導体5bの融点以下で焼結が可能であればガラスセラミック以外の材質を用いることも可能である。
また、前記第1〜第6の各絶縁体層11、12、13、14、15、16にNi−Zn−Cuフェライトのような磁性体を用いた場合、磁性体の損失成分μ“の影響を受けてディファレンシャルモードのインピーダンスが大きくなってしまうことから非磁性体が望ましい。
さらに、非磁性体であってもZnCuフェライトのような比誘電率が10以上の絶縁体を用いると、浮遊容量の影響でディファレンシャルモードのインピーダンスが大きくなってしまうことから望ましくない。
また、前記コイルパターンは矩形状のコイルパターンとしているが、円形状、長円形状であっても良い。
さらに、前記コイルパターンは一層の絶縁層につき1/2ターンを基本に螺旋構造を示しているが、他にも1/3ターンあるいは3/4ターンを基本とした螺旋構造のコイルパターンとすることも可能である。
このような構成を有するコモンモードノイズフィルタは、以下の製造プロセスを経て作製することができる。
まず、ガラスセラミックの原材料であるガラス粉末とアルミナ、フォルステライトなどを適量比で配合し、溶剤やバインダー成分と混合してセラミックスラリーを作製する。
次に、得られたセラミックスラリーをドクターブレード法などにより所望の厚みになるようシート成形して前記第1〜第6の各絶縁体層11、12、13、14、15、16に用いるセラミックグリーンシートを作製する。
次に、得られた前記第1〜第6の各絶縁体層11、12、13、14、15、16に用いるセラミックグリーンシートに、二重螺旋状のコイルを形成するための各導体1a、1b〜5a、5bを印刷形成し、前記セラミックグリーンシートにビアを形成するために穴をあけて導体ペーストの充填を行い、それぞれの導体パターンを接続形成する。
このようにして導体パターンが形成された前記第1〜第6の各絶縁体層11、12、13、14、15、16を積層圧着してセラミックグリーンシートの積層体を作製する。
このようにして得られた積層体に、二重螺旋状のコイルの芯部に磁性体17を形成するため、積層体に金型などを用いて孔をあけ、そこに磁性体ペーストを充填して本発明のコモンモードノイズフィルタの成形品を作製する。成型品を個片に切断した後、この成形品を各絶縁体層11、12、13、14、15、16および磁性体17が焼結する温度以上、かつ各導体1a、1b〜5a、5bの融点以下で一体焼成し、その後外部電極32を形成することにより本発明のコモンモードノイズフィルタを得ることができる。
なお、本発明においては第3の絶縁体層13と第4の絶縁体層14および第5および第6の導体3a、3bと第7および第8の導体4a、4bを繰り返し積層して二重螺旋状のコイルの巻き数を増やすことにより所望するコモンモードのインピーダンスを容易に得ることができる。
また、前記各絶縁体層11、12、13、14、15、16の厚みは図3に示すようにほぼ等しいこと、すなわち二重螺旋状のコイルが上下方向に均等な間隔で構成されていることが望ましい。前記各絶縁体層11、12、13、14、15、16の厚みが不均一な場合、二重螺旋状のコイルの層間間隔に密の部分が生じることにより浮遊容量が増大し、ディファレンシャルモードのインピーダンスが大きくなってしまうからである。具体的には、コモンモードノイズフィルタの厚みが800μmで前記各絶縁体層が6層の場合、一つの絶縁体層の厚みは約130μmが理想的である。さらにコモンモードのインピーダンスを増やすために巻き数を多くすれば一層あたりの厚みは薄くなるが、20μmより薄くなると急激にディファレンシャルモードのインピーダンスが増大することから、一層あたりの絶縁体層の厚みは20μm以上であることが望ましい。
また、前記二重螺旋状のコイルの直流抵抗値はできる限り小さいほうが望ましいことから、具体的に第1の導体1aから第10の導体5bはAgまたはCuを用いることができる。また、前記第1と第2の導体、第3と第4の導体、第5と第6の導体、第7と第8の導体および第9と第10の導体の間隔は狭いほど望ましい。これら導体の間隔を狭くすることによってコモンモードのインピーダンスが大きくなるからである。具体的には20〜50μm程度が実質上優れた特性を有する。一方、これらの間隔が20μm未満になると浮遊容量の発生によりディファレンシャルモードのインピーダンスが急激に増大し、さらに導体材料のマイグレーション現象を誘発することから信頼性の劣化を助長することになり望ましくない。このような導体の間隔は通常の印刷法では困難であり、凹版転写、めっき工法、ディスペンサー塗布工法により実現可能である。
また、磁性体17は第1から第6の絶縁体層11、12、13、14、15、16が積層された後に二重螺旋状のコイルの芯部に孔を設け、磁性ペーストを挿入した後に一体焼成して形成することができる。この磁性ペーストの粉体充填率が高いほうが磁性体17として望ましく、磁性ペーストに用いる磁性体粉末の平均粒径は数μmのサイズとし、さらに2ピークの粒度分布を有した高密度に充填できる磁性体粉末がより望ましい。また磁性体17の透磁率は高いほど望ましく、具体的にはNi−Zn−Cuフェライトを用いることが望ましい。
また、磁性体17の断面の形状は形成したコイル断面の形状に合わせたほうが望ましく、導体1aから導体5bで形成される二重螺旋状のコイル断面形状が矩形であれば、磁性体17の断面も矩形であることが望ましい。
以上説明してきたように本実施の形態1によれば、磁性体17を二重螺旋状のコイルの芯部に設けることにより、各導体1a〜5bで発生し互いに影響を及ぼし合う磁界が強くなり、図4に示すように従来のコモンモードノイズフィルタ(従来品)と同様に本発明のコモンモードノイズフィルタ(本発明品1)においてもコモンモードのインピーダンスを大きくすることができる。このコモンモードのインピーダンスがおよそ100Ω程度あればコモンモードのノイズの除去に効果が認められている。また本発明のコモンモードノイズフィルタのコモンモードのインピーダンスが100Ω以上となる周波数域は従来のコモンモードノイズフィルタのそれとほぼ等しく、同等のノイズ除去能力があることがわかる。加えて、二重螺旋状のコイルがコモンモードノイズフィルタの内部を利用して形成され、かつ二重螺旋状のコイル近傍が比誘電率の低い各絶縁体層11〜16で覆われるため、コイルに発生する浮遊容量の影響を抑えることができることから、従来のコモンモードノイズフィルタよりもディファレンシャルモードのインピーダンスを小さくすることができる。その結果、信号波形を歪ませることなく効率的にコモンモードのノイズが抑制できるという効果が得られる。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項4、5記載の発明について説明する。
図5は本発明の実施の形態2における一例のコモンモードノイズフィルタの分解平面図であり、図6は別の一例のコモンモードノイズフィルタの分解平面図である。また図7は実施の形態2におけるコモンモードノイズフィルタの斜視図であり、図8は図5に示した構成のコモンモードノイズフィルタ(本発明品2)と従来の構成のコモンモードノイズフィルタ(従来品)を比較した特性図である。なお、実施の形態1と同様の構成を有するものについては同一符号を付しその説明を省略する。
図5、図6、図7において、実施の形態1と相違する点は図7に示すようにコモンモードノイズフィルタの最上面と最下面に磁性体層18が設けられ、コイルの芯部の磁性体17と磁性体層18が連続されている点である。
図5に示すように、このような構成は第1と第6の絶縁体層11、16にガラスセラミックの原料粉末ではなくフェライトなどの磁性体の原料粉末からなる磁性体層18を積層することにより得ることができる。
また、図6に示すように別の方法として、第1から第6の各絶縁体層11、12、13、14、15、16を積層する際、磁性体層18となる磁性体の原料粉末を用いた絶縁体シートを第1と第6の絶縁体層11、16の上下に積層した後に一体焼成して得ることによっても同じ効果を発揮することができる。
これらのような構成のコモンモードノイズフィルタは、図8に示すように、従来のコモンモードノイズフィルタと比べてディファレンシャルモードのインピーダンスは小さく、従来のコモンモードノイズフィルタと比較して各導体で発生し互いに影響を及ぼし合う磁界がさらに強くなるためにコモンモードのインピーダンスが大きくなり、より効率的にコモンモードのノイズが抑制できるという効果が得られるものである。
なお、磁性体層18は透磁率が大きいほど望ましく、具体的にはNi−Zn−Cuフェライトを用いることができる。
(実施の形態3)
以下、実施の形態3を用いて、本発明の特に請求項6に記載の発明について説明する。
図9は本発明の実施の形態3におけるコモンモードノイズフィルタの斜視図であり、図10は本発明のコモンモードノイズフィルタ(本発明品3)と従来のコモンモードノイズフィルタ(従来品)の特性比較図である。なお、実施の形態2の構成と同様の構成を有するものについては同一符号を付しその説明を省略する。
図9において、実施の形態2と相違する点は外部電極32を設けていない対向する2つの端面に磁性体層19を設け、この磁性体層19が磁性体層18および磁性体17と連続している点である。
このような構成は、図7に示すコモンモードノイズフィルタの一体成形品もしくは一体焼成品にディッピング法などにより磁性体インクを外部電極32を設けていない対向する2つの端面に塗布した後、前記磁性体インクが焼結する温度以上、かつ導体の融点以下の温度で再焼成して得ることができる。
図10に示すように、この構成により本発明のコモンモードノイズフィルタは従来のコモンモードノイズフィルタと比較してディファレンシャルモードのインピーダンスが小さく、コモンモードノイズフィルタの側面の一部が磁性体であることから各導体で発生し互いに影響を及ぼし合う磁界がさらに強くなるためにコモンモードのインピーダンスが特に大きくなり、より効率的にコモンモードのノイズが抑制できるという効果が得られるものである。
なお、磁性体層19は透磁率が大きいほど望ましく、具体的にはNi−Zn−Cuフェライトを用いることができる。
本発明にかかるコモンモードノイズフィルタは、磁性体を二重螺旋状のコイルの芯部に設けたので、浮遊容量を抑えてディファレンシャルモードのインピーダンスをできるだけ小さくすることができ、信号波形を歪ませることなくコモンモードノイズを効果的に除去できるという効果を有し、小型デジタル電子機器やOA機器、携帯端末等の電機製品に広く用いられているコモンモードノイズフィルタに有用である。
本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタの分解平面図 同斜視図 同断面図 同特性比較図 本発明の実施の形態2におけるコモンモードノイズフィルタの一例を示す分解平面図 同別の一例を示す分解平面図 同斜視図 同特性比較図 本発明の実施の形態3におけるコモンモードノイズフィルタの斜視図 同特性比較図 従来のコモンモードノイズフィルタの分解斜視図 従来のコモンモードノイズフィルタの斜視図
符号の説明
1a 第1の導体
1b 第2の導体
2a 第3の導体
2b 第4の導体
3a 第5の導体
3b 第6の導体
4a 第7の導体
4b 第8の導体
5a 第9の導体
5b 第10の導体
11 第1の絶縁体層
12 第2の絶縁体層
13 第3の絶縁体層
14 第4の絶縁体層
15 第5の絶縁体層
16 第6の絶縁体層
17 磁性体
18 磁性体層
19 磁性体層

Claims (6)

  1. 比誘電率が10未満である積層された絶縁体層と、この積層された絶縁体層の内部に並列する2本の導体が各絶縁体層のスルホールを介して二重螺旋状のコイルとなるように形成した導体と、前記二重螺旋状のコイルの芯部に磁性体を設けたコモンモードノイズフィルタ。
  2. 第1の絶縁体層と、前記第1の絶縁体層の上面に設けられた渦巻き状のコイルの一部となる第1および第2の導体と、前記第1、第2の導体の上部に設けられたスルホールを有する所定層数の第2の絶縁体層と、前記所定層数の第2の絶縁体層の各面に設けられ前記スルホールを介して前記第1および第2の導体のそれぞれに電気的に接続された渦巻き状コイルの一部となる所定層数の第3および第4の導体と、前記所定層数の第3および第4の導体の最上部に設けられたスルホールを有する第3の絶縁体層の上面に設けられ前記スルホールを介して電気的に接続された渦巻き状コイルの一部となる第5および第6の導体と、前記第5、第6の導体の上部に設けられた第4の絶縁体層と、前記第1、第2、第5、第6の導体の端部にそれぞれ電気的に接続された外部電極とを設け、前記第1と第2の導体および前記第1および第2の導体のそれぞれに電気的に接続された渦巻き状コイルの一部となる所望層数の第3および第4の導体および第5と第6の導体の主要部を並列に配置し、さらに比誘電率が10未満の前記第1から第4の絶縁体層を設け、前記第1から第6の導体で形成される二重螺旋状のコイルの芯部に磁性体を設けたコモンモードノイズフィルタ。
  3. 各絶縁体層を非磁性とした請求項1または2に記載のコモンモードノイズフィルタ。
  4. 第1の絶縁体層の下面と前記第4の絶縁体層の上面に磁性体層を設けた請求項1、2、3のいずれか一つに記載のコモンモードノイズフィルタ。
  5. 第1の絶縁体層と第4の絶縁体層に磁性体を用いた請求項1、2、3のいずれか一つに記載のコモンモードノイズフィルタ。
  6. 外部電極を設けていない対向する2つの端面に磁性体層を設けた請求項4に記載のコモンモードノイズフィルタ。
JP2003380884A 2003-11-11 2003-11-11 コモンモードノイズフィルタ Pending JP2005150137A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003380884A JP2005150137A (ja) 2003-11-11 2003-11-11 コモンモードノイズフィルタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003380884A JP2005150137A (ja) 2003-11-11 2003-11-11 コモンモードノイズフィルタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005150137A true JP2005150137A (ja) 2005-06-09

Family

ID=34690424

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003380884A Pending JP2005150137A (ja) 2003-11-11 2003-11-11 コモンモードノイズフィルタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005150137A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005340611A (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd コモンモードノイズフィルタ
WO2005117037A1 (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. コモンモードノイズフィルタ
JP2007027445A (ja) * 2005-07-15 2007-02-01 Murata Mfg Co Ltd 積層コモンモードチョークコイル
JP2008159738A (ja) * 2006-12-22 2008-07-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd コモンモードノイズフィルタ
JP2008258525A (ja) * 2007-04-09 2008-10-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd コモンモードノイズフィルタ
JP2009239159A (ja) * 2008-03-28 2009-10-15 Toko Inc 積層型電子部品及びその製造方法
WO2009125656A1 (ja) * 2008-04-08 2009-10-15 株式会社村田製作所 電子部品
JP2010524384A (ja) * 2007-04-11 2010-07-15 イノチップ テクノロジー シーオー エルティディー 回路保護素子及びその製造方法
JP2011035364A (ja) * 2009-08-03 2011-02-17 Inpaq Technology Co Ltd コモンモードフィルタおよびその製造方法
JP2013140929A (ja) * 2011-12-30 2013-07-18 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 共通モードフィルタ及びその製造方法
JP2015076601A (ja) * 2013-10-11 2015-04-20 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. 積層型インダクタ及びその製造方法

Cited By (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4626185B2 (ja) * 2004-05-28 2011-02-02 パナソニック株式会社 コモンモードノイズフィルタ
WO2005117037A1 (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. コモンモードノイズフィルタ
US7119649B2 (en) 2004-05-28 2006-10-10 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Common mode noise filter
JP2005340611A (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd コモンモードノイズフィルタ
JP2007027445A (ja) * 2005-07-15 2007-02-01 Murata Mfg Co Ltd 積層コモンモードチョークコイル
JP2008159738A (ja) * 2006-12-22 2008-07-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd コモンモードノイズフィルタ
JP2008258525A (ja) * 2007-04-09 2008-10-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd コモンモードノイズフィルタ
US8865480B2 (en) 2007-04-11 2014-10-21 Innochips Technology Co., Ltd. Circuit protection device and method of manufacturing the same
US8493704B2 (en) 2007-04-11 2013-07-23 Innochips Technology Co., Ltd. Circuit protection device and method of manufacturing the same
US9318256B2 (en) 2007-04-11 2016-04-19 Innochips Technology Co., Ltd. Circuit protection device and method of manufacturing the same
JP2010524384A (ja) * 2007-04-11 2010-07-15 イノチップ テクノロジー シーオー エルティディー 回路保護素子及びその製造方法
JP2009239159A (ja) * 2008-03-28 2009-10-15 Toko Inc 積層型電子部品及びその製造方法
JPWO2009125656A1 (ja) * 2008-04-08 2011-08-04 株式会社村田製作所 電子部品
US8198972B2 (en) 2008-04-08 2012-06-12 Murata Manufacturing Co., Ltd. Electronic component
WO2009125656A1 (ja) * 2008-04-08 2009-10-15 株式会社村田製作所 電子部品
JP2011035364A (ja) * 2009-08-03 2011-02-17 Inpaq Technology Co Ltd コモンモードフィルタおよびその製造方法
JP2013140929A (ja) * 2011-12-30 2013-07-18 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 共通モードフィルタ及びその製造方法
US9082540B2 (en) 2011-12-30 2015-07-14 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Common mode filter and method of manufacturing the same
US9424988B2 (en) 2011-12-30 2016-08-23 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Common mode filter and method of manufacturing the same
JP2015076601A (ja) * 2013-10-11 2015-04-20 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. 積層型インダクタ及びその製造方法
KR20150042499A (ko) * 2013-10-11 2015-04-21 삼성전기주식회사 적층형 인덕터 및 그 제조 방법
US9343228B2 (en) 2013-10-11 2016-05-17 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Laminated inductor and manufacturing method thereof
KR101983150B1 (ko) * 2013-10-11 2019-05-28 삼성전기주식회사 적층형 인덕터 및 그 제조 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6427770B2 (ja) コモンモードノイズフィルタ
CN109585122B (zh) 磁耦合型线圈部件
KR101935091B1 (ko) 전자 부품 및 그 제조 방법
US20150137929A1 (en) Multilayer inductor
JP7020455B2 (ja) 積層型コイル部品
KR20170142974A (ko) 인덕터 및 이의 제조방법
JP2005150137A (ja) コモンモードノイズフィルタ
JP2006196812A (ja) コモンモードフィルタ
JP2009231307A (ja) コモンモードノイズフィルタ
JP2022064955A (ja) 積層型コイル部品及びバイアスティー回路
JP2020194811A (ja) 積層型コイル部品
JP2020194807A (ja) 積層型コイル部品
JP2002093623A (ja) 積層インダクタ
JP2006351954A (ja) 積層型コモンモードフィルタ
JP2006294723A (ja) コモンモードノイズフィルタ
JPH09129458A (ja) コイル部品
WO2011148787A1 (ja) 積層型インダクタおよびその製造方法
JP5802240B2 (ja) コモンモードノイズフィルタ
JP2007180321A (ja) 複合電子部品
JP2007096922A (ja) 積層型フィルタ
KR101963267B1 (ko) 적층 인덕터 및 그 실장기판
JP2008227044A (ja) コモンモードノイズフィルタ
JP2007227611A (ja) コモンモードノイズフィルタ
JP2020194805A (ja) 積層型コイル部品
JPH09260144A (ja) コイル部品およびその製造方法