JP2005146977A - 軸流タービンの静動翼間構造及びこれを用いた軸流タービン機械 - Google Patents

軸流タービンの静動翼間構造及びこれを用いた軸流タービン機械 Download PDF

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Kazuyuki Matsumoto
和幸 松本
Sumio Uchida
澄生 内田
Yoshinori Tanaka
良典 田中
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Abstract

【課題】 簡単且つ確実な方法でキャビティジェットをなくしたり、低減したりすることができる軸流タービンの静動翼間構造及びその軸流タービンの静動翼間構造を用いたエネルギ効率の高い軸流タービンを提供する。
【解決手段】 動翼列2Aが取り付けられている動翼ハブ21と静翼列1Aの先端に取り付けられ静翼1同士を連結する静翼ハブシュラウド12との間にはハブキャビティ部41が、静翼列1Aが取り付けられている静翼外周環11と動翼列2Aの先端に取り付けられ動翼2同士を連結する動翼チップシュラウド22との間にはチップキャビティ部42が形成されており、動翼ハブ21及び動翼チップシュラウド22の少なくとも一方にはそれぞれハブキャビティ41及び(又は)チップキャビティ42に突出するとともに、動翼列2Aの回転方向全周にわたって配置される抑制板5(5A〜5G)を備えている
【選択図】 図1

Description

本発明は、蒸気タービン、ガスタービン等の軸流タービンの動翼列と静翼列との間に形成されるキャビティからの漏れ流れと主流が合流することで発生するミキシング損失を低減するものに関する。
軸流圧縮機、蒸気タービン及びガスタービン等の軸流タービン機械は、作動流体が軸方向に流れるものであり、軸の回転によって作動流体を軸方向に加速すると共に圧縮する、又は該作動流体の軸方向流れによって軸を回転させ軸に取り付けられた発電機等を回転させる。
図9に従来の軸流タービンの構造の概略図を示す。図9に示す軸流タービン9Tは、ケーシング9Cと、タービン主軸93と、タービン主軸93に固定されタービン主軸93と共に回動する動翼92と、ケーシング9Cに固定される静翼91とを有している。
動翼92は主軸93のハブ921に等中心角度間隔で複数個取り付けられ動翼列92A(後述の図10参照)を構成している。動翼列92Aは軸方向に複数段取り付けられている。また、静翼91も等中心角度間隔で複数個取り付けられ静翼列91A(後述の図10参照)を構成している。静翼列91Aは軸方向に隣り合う動翼列92Aの間に配置される、すなわち、動翼列92Aと静翼列91Aは交互に配置されている。
動翼列92Aは作動流体の軸方向の流動と共に主軸93を中心に回動し、静翼列91Aはケーシング9Cに静翼外周環912を介して固定されている。ガスタービンや蒸気タービン等のように高温の作動ガスが流動する軸流タービン機械では、高温ガスにさらされる部分で熱膨張が発生する。
熱膨張により動翼列92A及び静翼列91Aが接触すると、軸流タービン機械が動作するときに、動翼列92Aと静翼列91Aの接触による摩擦損失が発生し、強く接触している場合は動翼列92Aと静翼列91Aが破損することもある。
以上のような熱膨張による不具合が発生するのを防ぐために、動翼列92Aと静翼列91Aの間隙のうち、特に近接している静翼の内周側シュラウド部911と動翼ハブ921に空間部を設けてキャビティ部941を形成している。また、静翼が取り付けられている静翼外周環912ろ動翼チップシュラウド922の間にはチップキャビティ部942が形成されている。
図10に従来の軸流タービン静動翼の翼列間構造におけるキャビティ内の流れを示す説明図を示す。図10に示すように、主流の流れ方向に渦中心が向かう渦状の流れが形成される。
図10中の−は、キャビティ941内から作動流体の主流MJに流れ込む流れである。また、図10中の+は、作動流体の主流MJから、キャビティ941内へ分岐して流れ込む流れである。この二つの流れによって、渦状の流れが発生する。すなわち、キャビティ941を設けることで、渦状の流れによるエネルギ損失が生じる。
上記の損失を抑制するために特開2003−148106号公報に記載の発明は、渦状の流れの発生を防ぐために静翼の内周側シュラウド911に気流を抑制する抑制板が供えられているものが開示されている。
特開平10−266804号公報 特開2003−148106号公報
しかしながら、キャビティ部941に流れる作動流体は、主流MJより分岐したものだけではなく、動翼92及び主軸93の回動によってキャビティ部941の動翼92が取り付けられた動翼ハブ921の表面に接触している作動流体が、遠心力で外側に押しやらることで発生する気流、すなわち、キャビティジェットCJも発生する。キャビティジェットCJとタービン9Tの主流MJが合流することで、ミキシング損失が発生する。
キャビティジェットCJと主流MJの合流によるエネルギ損失はそれほど大きいものではないが、軸流タービン機械の性能の更なる向上のためにキャビティジェットCJと主流MJのミキシング損失をできるだけ小さくする必要がある。
このような問題を鑑みて本発明は、動翼列と静翼列の間に形成されたキャビティ部にて発生するキャビティジェットと作動流体の主流との合流によるミキシング損失を低減して、軸流タービンの空力性能を向上できる軸流タービン静動翼の翼列間構造及びこれを使用した軸流タービン機械を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、動翼列と静翼列とが多段的に配置されてなる軸流タービンにおいて、前記動翼列が取り付けられている動翼ハブと前記静翼列の先端に取り付けられ静翼同士を連結する静翼ハブシュラウドとの間にはハブキャビティ部が、前記静翼列が取り付けられている静翼外周環と前記動翼列の先端に取り付けられている動翼チップシュラウドとの間にはチップキャビティ部が形成されており、前記動翼ハブ及び前記動翼チップシュラウドの少なくとも一方にはそれぞれ前記ハブキャビティ又はチップキャビティに突出するとともに、動翼回転方向全周にわたって配置される抑制板を備えていることを特徴とする軸流タービンの静動翼間構造を提供する。
この構成によると、ハブキャビティ及び(又は)チップキャビティからタービン主流に流れ込むキャビティジェットを抑制又は遮断することができる。これによって、キャビティジェットがタービン主流と合流することで発生するエネルギ損失、いわゆる、ミキシング損失をなくす又は低減することができる。
また上記構成において抑制板は前記動翼ハブの前記ハブキャビティ部の開口部より所定の距離だけ離れた位置に配置され、前記抑制板の先端部と前記静翼ハブシュラウドとの間が狭い間隙となるように且つ円周方向に連続して配置されていてもよい。
この構成によると、前記抑制板がハブキャビティ部の開口部より所定の距離あけた部分に取り付けられているので、作動流体が抑制板を通過し、一時的に流速の高い状態で主流に合流せずに、拡散することで流速が十分遅くなった状態でタービン主流と合流するので、ミキシング損失を低減することができる。
また上記構成において抑制板は円周方向に連続して形成され、前記動翼ハブの半径方向に同心円上に複数配置されるものであり、前記抑制板のうち少なくとも1つが前記動翼ハブ近傍を遮ることができる幅を有するものであってもよい。
この構成によると、動翼ハブ近傍の作動流体の粘性と動翼ハブの遠心力によって発生するキャビティジェットの流速をとめることができ、それだけ、主流とキャビティジェットが合流するときに発生するミキシング損失を防止又は低減することができる。
また、抑制板の幅はキャビティ部の幅に比べて十分小さいので静翼ハブシュラウドと接触する不具合の発生を防ぐことができる。
さらに上記構成において抑制板は前記動翼ハブの前記ハブキャビティ開口部近傍の静圧が低い部分に取り付けられてもよい。
この構成によると、動翼列の上段側は静圧が高い部分と低い部分が存在しており、静圧が高い部分には流体が流れにくく、低い部分には流体が流れこみやすいので、流れ込みやすい部分に抑制板を取り付けているものである。前記抑制板の大きさを小さくすることができるので、該抑制板の強度を確保しやすい。また、簡単に取り付けることができる。
また上記構成において抑制板は前記ハブキャビティ部に面する部分に前記ハブの半径方向に対し所定角度傾けられ、周方向に所定ピッチで複数個取り付けられていてもよい。
この構成によると、主流とキャビティジェットの周方向及び軸方向の速度成分の合成成分を相対的に0にすることができるので、ミキシング損失を低減することができる。
このとき、抑制板の設置角度として、主流の周方向及び軸方向の速度成分の合成成分と、動翼の周方向の速度成分と、キャビティジェットの速度によって決定されるものを例示することができる。
上記構成において抑制板は前記動翼チップシュラウドの前段側であって、前記チップキャビティの開口部に取り付けられ、前記抑制板の先端部は前記静翼外周環に近接しているものを用いてもよい。
この構成によると、チップキャビティに発生するキャビティジェットを前段側で抑制して、後段側のチップキャビティから噴出するキャビティジェットを止める又は低減することができる。
上記構成において抑制板は前記動翼チップシュラウドの後段側に前記チップシュラウドの半径方向に対し所定角度傾けられ、周方向に所定ピッチで複数個取り付けられるものを例示できる。
前記チップキャビティから噴出するキャビティジェットの合流の流速成分が主流の流速成分と相対的に0にすることで、ミキシング損失を低減することができる。
上記構成において抑制板は前記動翼チップシュラウドの後段側で、前記チップキャビティの開口部より所定距離だけ離れた位置に配置され、前記抑制板の先端部と前記静翼外周環との間が狭い間隙となるように且つ円周方向に連続して配置されているものを例示できる。
本発明によると、以上に示した軸流タービンの静動翼間構造を用いている、軸流タービンを形成するものを提供することができる。
この構成によると、エネルギ損失の少ない軸流タービンを形成することが可能である。それだけ、エネルギ効率が高く同じ仕事を行う場合にエネルギ消費が少なくて済む軸流タービンを提供することができる。
本発明によると、簡単且つ確実な方法でキャビティジェットをなくしたり、低減したりすることができる軸流タービンの静動翼間構造を提供することができる。
また本発明によると、キャビティジェットが主流に合流することで発生するミキシング損失をなくす又は低減することができ、エネルギ効率の高い軸流タービンを提供することができる。
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。図1(A)、(B)に本発明にかかる軸流タービンの静動翼間構造の説明図を示す。
図1(A)、(B)に示す軸流タービンは、それ自体回転せずに軸流タービンに導入された作動流体(例えば、ガスタービンの場合は燃焼ガス、蒸気タービンの場合は蒸気である)を整流する静翼1と、導入された作動流体にて回動する動翼2とを有している。
静翼1はケーシングCaに取り付けられた外周環11に所定ピッチで内周側に向かって取り付けられ、静翼列1Aを形成している。静翼1の先端部1aには静翼ハブシュラウド12が取り付けられており、隣り合う静翼ハブシュラウド12同士は連結されている。動翼列2A及び静翼列1Aは互いに回転軸の軸方向に隣り合って複数段取り付けられている。
動翼2は図1に示すようにタービン主軸3に取り付けられた動翼ハブ21に所定ピッチで放射状に取り付けられ動翼列2Aを形成している。動翼2の先端部2aには動翼チップシュラウド22が取り付けられている。
図1には軸流タービン機械の複数段の静翼列と動翼列のうち任意に取り出した隣り合う1段の静翼列1A及び動翼列2Aを示している。図1に示す静翼列1A及び動翼列2Aの場合、静翼列1Aが作動流体の主流MJの上流側に配置されており、その下流側に動翼列が配置されている。
軸流タービン機械の場合一般的にタービンは高温環境下で運転されることが多いので、タービン主軸3や動翼ハブ21等が熱膨張する。この熱膨張によって静翼列1Aと動翼列2Aとが接触しないようにするため、熱膨張による伸びしろが必要である。特に、静翼ハブシュラウド12とタービン主軸3及び動翼ハブ21との間、動翼チップシュラウド22と静翼外周環11及びケーシングCaとの間にクリアランスとして、タービン主軸3に近接する側のハブキャビティ41と、ケーシング側のチップキャビティ42が形成されている。
作動流体が通過するのを抑制するために静翼ハブシュラウド12とタービン主軸3及び動翼チップシュラウド12とケーシングCaのクリアランスに、それには限定されないがここでは、ラビリンスシールLsが取り付けられている。
作動流体は粘性流体であり、ハブキャビティ41の動翼ハブ21及びチップキャビティ42の動翼チップシュラウド22に近接する作動流体は、動翼列2Aが回動することで生じる遠心力で外周方向に流速を有するようになる、すなわち、キャビティジェットが発生する。キャビティジェットCJと主流MJが合流することでミキシング損失が発生する。
そこで、図1に示すように動翼2が取り付けられている動翼ハブ21の作動流体の流れる前段側の側面211にキャビティジェットの流れを抑制する抑制板5Aが備えられている。抑制板5Aは動翼ハブ21の前段側の側面211に円周方向に連続して形成されるものであり、ハブキャビティ41の開口部411より距離a離れた位置に備えられている。
また、抑制板5Aの先端部51Aは静翼先端に形成されている静翼ハブシュラウド12の後段側の側面121に近接して設置され間隙Sを形成している。ハブキャビティ41に流れるキャビティジェットは、抑制板5Aがないときと比較すると流量が減少する。
間隙Sを通過したキャビティジェットは流速が高いので、抑制板5Aをハブキャビティ41の開口部411より距離aだけ離れて配置することで、主流と合流するまでに流速が低下するのでミキシング損失を低減することができる。
図2(A)に本発明にかかる軸流タービンの静動翼間構造の説明図を、図2(B)に断面図を示す。図2に示す軸流タービンの静動翼間構造は図1に示す静動翼間構造のうち抑制板が異なっており、それ以外の部分は実質上同一の構造を有している。実質上同一の構造には同一の符号が付してある。また、図2(C)にハブキャビティの拡大図を示す。
図2(A)、(B)に示すように、抑制板5Bは動翼ハブ21の前段側の側面211にタービン主軸3の半径方向に2段に形成されている。また、ここでは抑制板が動翼ハブ21に2段に形成されているものを例示しているがそれに限定されるものではなく、さらに多段に形成されていてもよい。
図2(C)に示すように動翼ハブ21に近接する作動流体は動翼2の回動による遠心力によって、外周方向にキャビティジェットが発生する。このとき、タービン主軸3の近傍から発生するキャビティジェットCJを流速が小さい、換言すると流量が少ないうちに第1の抑制板51Bを設けることで遮る。また、さらに、第1の抑制板51Bより外周側で遠心力によってキャビティジェットCJが発生するので流量が大きくならない位置に第2の抑制板52Bを設けてキャビティジェットCJを遮る。
このように、抑制板5B(51B、52B)を複数段に設けて、キャビティジェットCJの流れを抑制することで、抑制板5B(51B、51B)の大きさが小さくてもキャビティジェットCJの流れを十分に抑制することが可能である。本実施例においては抑制板を2枚(51B、52B)設けたものを例示しているが、それに限定されるものではなく、キャビティ41の長さにあわせて1枚又は複数枚の抑制板を設けてもよい。抑制板を複数枚設ける場合、抑制板の大きさは全て同じ大きさであっても、異なる大きさの抑制板を含んでもよい。
図3(A)に本発明にかかる軸流タービンの静動翼間構造の説明図を図3(B)に断面図を示す。図3に示す軸流タービンの静動翼間構造は図1に示す静動翼間構造のうち抑制板が異なっており、それ以外の部分は実質上同一の構造を有している。実質上同一の構造には同一の符号が付してある。
図3(A)、(B)に示すように、作動流体の主流MJが静翼列1Aから動翼列2Aに流れ込む場所において、動翼列2Aの動翼2の前縁部2fに生じる流速が0になる点(淀み点)の近傍で静圧が高くなり、それ以外の場所では淀み点と比較して静圧が低くなる。
静圧が高くなる部分に「+」、低くなる部分に「−」の符号をつけるとすると、静翼列1Aと動翼列2Aのハブキャビティ開口部411での静圧の配置は図3(B)に示すようになる。静圧が高い部分ではハブキャビティ41より主流MJへのキャビティジェットCJの流入が起こりにくく、逆に静圧が低い部分では、主流MJへのキャビティジェットCJの流入が起こりやすくなる。そこで、図3に示すように、動翼ハブ21の前段側の側面211のハブキャビティ41の開口部411の近傍であり、静圧が低くなる部分に抑制板5Cを円周方向に断続的に形成する。
静圧が低い所ではハブキャビティ41より主流側にキャビティジェットCJが流入する為に発生するミキシング損失を、抑制板5Cを備えていることで抑制することが可能である。
図4(A)に本発明にかかる軸流タービンの静動翼間構造の説明図を、図4(B)に断面図を、図4(C)に抑制板の配置図を示す。図4に示す軸流タービンの静動翼間構造は図1に示す静動翼間構造のうち抑制板が異なっており、それ以外の部分は実質上同一の構造を有している。実質上同一の構造には同一の符号が付してある。また、図5に作動流体の主流、キャビティジェット、動翼の回転の速度のベクトル図を示す。
キャビティジェットCJが作動流体の主流MJに合流する場合、主流MJの軸周り方向の速度成分とキャビティジェットCJの速度成分が角度をなす場合に、より大きなミキシング損失を発生する。合流によるミキシング損失を低減するために、抑制板5Dにてキャビティジェットの流出する方向を主流MJの軸周り方向の成分に合うように配置する。
図5に示すように、作動流体の主流MJは静翼1の後縁1eより流出する。このとき、静翼1より流出するときの流速の絶対速度をC、動翼列2Aの回転方向速度成分をUとすると、動翼列2Aに対する主流MJの相対速度は図中Wで表される。
このとき、主流MJの相対速度Wは周方向に速度成分Wtを有している。キャビティジェットCJは動翼列2Aの遠心力にて発生するので、動翼列2Aに対する相対速度成分は円周方向の速度成分をもっておらず、主流MJとのミキシング損失を低減するために図4(C)に示すようにキャビティジェットに相対速度成分Wtを与える角度αを持たせて抑制板5Dを配置する。
図6に本発明にかかる軸流タービンの静動翼間構造の説明図を示す。図6に示す軸流タービンの静動翼間構造は図1に示す静動翼間構造のうち抑制板が異なっており、それ以外の部分は実質上同一の構造を有している。実質上同一の構造には同一の符号が付してある。
図6に示す抑制板5Eは、上述の各例に示す抑制板とは異なり、動翼チップシュラウド22の作動流体が流れる方向の上段側の側面221に取り付けられている。キャビティジェットCJは動翼列2Aの回転による遠心力にて発生するものであるので、チップキャビティ42にも発生する。チップキャビティ42の前段側の開口部421近傍に抑制板5Eを形成することで、遠心力によるキャビティジェットCJが発生するのを抑えることができる。
上段側のキャビティジェットを抑制することで、チップキャビティ42の下段側の開口部422より主流に合流するキャビティジェットを抑制することができるので、開口部422で発生するミキシング損失を低減することができる。
また、図7に示すように、動翼チップシュラウド22の後段側の側面222に抑制板5Fを取り付けるものも例示できる。このとき、図7に示す抑制板5Fのように、チップキャビティ42の後段側の開口部422より、距離bだけ離れた位置に取り付けられている。これにより、図1に示す抑制板5Aと同様、チップキャビティ42より噴出するキャビティジェットの主流MJと合流するときの流速を抑えることができ、ミキシング損失を低減することができる。
図8(A)に本発明にかかる軸流タービンの静動翼間構造の説明図を、図8(B)に断面図を、図8(C)に抑制板の配置図を示す。図8に示す軸流タービンの静動翼間構造は図1に示す静動翼間構造のうち抑制板が異なっており、それ以外の部分は実質上同一の構造を有している。実質上同一の構造には同一の符号が付してある。
図8に示す抑制板5Gは動翼チップシュラウド22に角度βだけ傾けて配置し、抑制板5Gによってチップキャビティ42から主流に向けて流入するキャビティジェットにタービン主軸3を中心とする周方向速度成分を与え、主流の流れとキャビティジェットとの合流を滑らかに行うものである。
抑制板5Gの傾き角βは、図4に示す抑制板5Dの傾き角αと同様に、主流の円周方向及び軸方向の速度成分の合成したもの、タービンの回転速度、をもとに主流の動翼に対する相対速度を求めることで決定することができる。この角度をつけた抑制板5Gを取り付けることで、キャビティジェットが主流に合流するときに速度方向が統一されているのでミキシング損失を低減することが可能である。
以上に示した各抑制板5A〜5Gを単独で用いて軸流タービンの静動翼間構造を形成してもよく、また、以上に示した各抑制板5A〜5Gのうち複数を備えて軸流タービンの静動翼間構造を形成してもよい。このとき、抑制板を複数供えているのでキャビティジェットが主流と合流することで発生するミキシング損失をより高度に低減することが可能である。
図(A)は本発明にかかる軸流タービンの静動翼間構造の一例を説明する図であり、図(B)は図(A)に示す軸流タービンの静動翼間構造の断面図である。 図(A)は本発明にかかる軸流タービンの静動翼間構造の他の例を説明する図であり、図(B)は図(A)に示す軸流タービンの静動翼間構造の断面図である。 図(A)は本発明にかかる軸流タービンの静動翼間構造のさらに他の例を説明する図であり、図(B)は図(A)に示す軸流タービンの静動翼間構造の断面図である。 図(A)は本発明にかかる軸流タービンの静動翼間構造の他の例を説明する図であり、図(B)は図(A)に示す軸流タービンの静動翼間構造の断面図であり、図(C)は図(A)に示す軸流タービンの静動翼間構造の軸方向断面図である。 主流とキャビティジェットの合流時の流速を示すベクトル図である。 本発明にかかる軸流タービンの静動翼間構造の他の例を説明する図である。 本発明にかかる軸流タービンの静動翼間構造の他の例を説明する図である。 図(A)は本発明にかかる軸流タービンの静動翼間構造の他の例を説明する図であり、図(B)は図(A)に示す軸流タービンの静動翼間構造の断面図であり、図(C)は図(A)に示す軸流タービンの静動翼間構造の軸方向断面図である。 従来の軸流タービンの静動翼間構造の他の例を説明する図である。 図9に示す軸流タービンの静動翼間構造の断面図である。
符号の説明
1 静翼
1A 静翼列
11 外周環
12 静翼ハブシュラウド
2 動翼
2A 動翼列
21 動翼ハブ
22 動翼チップシュラウド
3 タービン主軸
41 ハブシュラウド
411 開口部
42 チップシュラウド
5A〜5G 抑制板

Claims (9)

  1. 動翼列と静翼列とが多段的に配置されてなる軸流タービンにおいて、
    前記動翼列が取り付けられている動翼ハブと前記静翼列の先端に取り付けられ静翼同士を連結する静翼ハブシュラウドとの間にはハブキャビティ部が、
    前記静翼列が取り付けられている静翼外周環と前記動翼列の先端に取り付けられている動翼チップシュラウドとの間にはチップキャビティ部が形成されており、
    前記動翼ハブ及び前記動翼チップシュラウドの少なくとも一方にはそれぞれ前記ハブキャビティ又はチップキャビティに突出するとともに、動翼回転方向全周にわたって配置される抑制板を備えていることを特徴とする軸流タービンの静動翼間構造。
  2. 前記抑制板は前記動翼ハブの前記ハブキャビティ部の開口部より所定の距離だけ離れた位置に配置され、
    前記抑制板の先端部と前記静翼ハブシュラウドとの間が狭い間隙となるように且つ円周方向に連続して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の軸流タービンの静動翼間構造。
  3. 前記抑制板は円周方向に連続して形成され、前記動翼ハブの半径方向に同心円上に複数配置されるものであり、
    前記抑制板のうち少なくとも1つが前記動翼ハブ近傍を遮ることができる幅を有するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の軸流タービンの静動翼間構造。
  4. 前記抑制板は前記動翼ハブの前記ハブキャビティ開口部近傍の静圧が低い部分に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の軸流タービンの静動翼間構造。
  5. 前記抑制板は前記ハブキャビティ部に面する部分に前記ハブの半径方向に対し所定角度傾けられ、周方向に所定ピッチで複数個取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の軸流タービンの静動翼間構造。
  6. 前記抑制板は前記動翼チップシュラウドの前段側であって、前記チップキャビティの開口部に取り付けられ、
    前記抑制板の先端部は前記静翼外周環に近接していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の軸流タービンの静動翼間構造。
  7. 前記抑制板は前記動翼チップシュラウドの後段側に前記チップシュラウドの半径方向に対し所定角度傾けられ、周方向に所定ピッチで複数個取り付けられることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の軸流タービンの静動翼間構造。
  8. 前記抑制板は前記動翼チップシュラウドの後段側で、前記チップキャビティの開口部より所定距離だけ離れた位置に配置され、
    前記抑制板の先端部と前記静翼外周環との間が狭い間隙となるように且つ円周方向に連続して配置されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の軸流タービンの静動翼間構造。
  9. 静翼と動翼を有する軸流タービンであって、
    請求項1から請求項8のいずれかに記載の軸流タービンの静動翼間構造を供えたことを特徴とする軸流タービン機械。
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