JP3034519B1 - タ―ビンロ―タの冷却構造を改善したガスタ―ビン - Google Patents
タ―ビンロ―タの冷却構造を改善したガスタ―ビンInfo
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Abstract
の圧力損失を小さくしてタービンのロータの冷却効果を
上げるガスタービンを提供する。 【解決手段】 空気を圧縮する圧縮機2と、この圧縮機
2からの圧縮空気Aに燃料Fを混合して燃焼させる燃焼
器3と、この燃焼器3からの燃焼ガスGから動力を取り
出すタービン4とを備えたガスタービン1を以下のよう
に構成する。静止した予旋回ノズル37を設け、この予
旋回ノズル37からタービン4のロータ13Aに対し
て、ロータ13Aの回転方向に旋回する冷却空気CAを
供給する。前記予旋回ノズル37には、前記冷却空気C
Aの入口から出口に向かって通路幅が狭くなる円錐形の
ノズル孔39を形成し、これにより、ノズル孔39の入
口で冷却空気CAの圧力損失が小さくなるようにし、ロ
ータ13Aに対する冷却空気CAの相対全温Trel を低
くする。
Description
旋回させた冷却空気によりタービンのロータを冷却する
ようにしたガスタービンに関するものである。
タービン入口ガス温度と圧縮機の圧力比を高くすること
により改善できるが、タービン翼に使用される金属材料
の耐熱温度には限界があるので、タービン翼を冷却しな
いと性能向上のための前記改善策を採用できない。とこ
ろで、タービン翼の冷却用媒体として、圧縮機からの圧
縮空気の一部が一般的に使用されるが、圧縮機の圧力比
を高くすると、圧縮機からの圧縮空気が高温となるの
で、タービン翼を十分冷却できない。この場合に、冷却
効果を上げるために冷却空気を多量に使用すると、動力
発生に使用する圧縮空気の量が少なくなるので、結果と
して性能向上を図ることができない。
に、タービン各部のうち、高速で回転するロータを効率
良く冷却する方法として、ロータへ供給される冷却空気
の通路に予旋回ノズルを設けるものが知られている。こ
の方法は、冷却空気を予旋回ノズルでロータの回転方向
に向けて予旋回させてからロータに供給し、これにより
ロータに対する冷却空気の相対速度を小さくして、ロー
タに当たる冷却空気の相対全温を低下させるものであ
る。
空気の全温をT、ロータに対する相対全温をTrel とす
ると、相対全温Trel と全温Tとの間には以下の関係式 Trel =T−C2 /(2CP )+W2 /(2CP ) ……(1) ただし、C:冷却空気の絶対速度 W:ロータに対する冷却空気の相対速度 CP :冷却空気の定圧比熱 が成り立つので、前記予旋回ノズルにより冷却空気の相
対速度Wを小さくするほど、タービンのロータに当たる
冷却空気の相対全温Trel を低くすることができる。
ら出口にわたって均一孔径とした丸孔状のノズル孔を通
過させることにより、冷却空気を予旋回させてタービン
のロータに供給するようにしたもの(特開昭53−12
5517号公報)や、ロータの回転軸と同心状に配置し
たリング体の周面に複数の翼を周方向に沿って配列した
翼列型の予旋回ノズル(ASME Paper 81-GT-132)が知られ
ている。
ズル孔を通過させて冷却空気を予旋回させるものでは、
そのノズル孔の入口が狭いために入口での冷却空気の圧
力損失が大きくなるので、それだけ冷却空気の流速(絶
対速度)が遅くなる。その結果、先の(1)式から明ら
かなように、タービンのロータに当たる冷却空気の相対
全温Trel が高くなり、ロータを十分冷却できない。ま
た、均一孔径のノズル孔の孔開け加工では、刃具の剛性
が低くなり、加工が容易でない。
のでは、冷却空気の圧力損失を小さくできるものの、翼
列を精密鋳造や複雑な機械加工で形成する必要があり、
製造が容易でない。
ので、製造が容易な予旋回ノズルにより、冷却空気の圧
力損失を小さくしてタービンのロータの冷却効果を上げ
ることのできるガスタービンを提供することを目的とす
る。
ために、本発明の請求項1に係るガスタービンは、空気
を圧縮する圧縮機と、この圧縮機からの圧縮空気に燃料
を混合して燃焼させる燃焼器と、この燃焼器からの燃焼
ガスから動力を取り出すタービンとを備えたものであっ
て、前記タービンのロータに、その回転方向に旋回する
冷却空気を供給する静止した予旋回ノズルを有し、前記
予旋回ノズルは、前記冷却空気の入口から出口に向かっ
て通路幅が狭くなる円錐形のノズル孔を有している。
のノズル孔が円錐形であるため、そのノズル孔の入口で
の通路面積が大きく冷却空気の流速が低くなって、ノズ
ル孔内での冷却空気の圧力損失が小さくなる。その結
果、予旋回ノズルにより予旋回されてタービンのロータ
に当たる冷却空気の流速(絶対速度)が大きくなり、ロ
ータに当たる冷却空気の相対全温が低下して、タービン
のロータの冷却効果が向上する。また、予旋回ノズルの
円錐形のノズル孔は、円錐状の刃具を用いることにより
容易に加工できる。
ンは、請求項1の構成において、前記ノズル孔が前記タ
ービンの周方向に沿って多数設けられている。
ロータの全周にわたって均等に供給されるので、ロータ
をより効率よく冷却できる。
ンは、請求項1または2の構成において、前記予旋回ノ
ズルが、ガスタービンの回転軸の外周側に位置し前記圧
縮機から燃焼器へ向かう圧縮空気の通路を形成する内周
壁に支持されている。
るための特別な支持部材を設ける必要がなく、ガスター
ビンの全体構造を簡単にできる。
ンは、請求項3の構成において、さらに、前記内周壁に
前記圧縮機からの圧縮空気を予旋回ノズルへ導入する導
入孔が形成されている。
器へ向かう圧縮空気の一部が前記導入孔から予旋回ノズ
ルへ導入されるので、冷却空気を供給するための通路を
簡単に構成できる。
ついて図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一
実施形態に係るガスタービン1を含むガスタービン発電
設備の一部を示す概略構成図である。同図において、ガ
スタービン1は、圧縮機2で空気IAを圧縮して燃焼器
3に導くとともに、ガスまたは液体燃料Fを、燃焼器3
内に噴射して燃焼させ、その高温高圧の燃焼ガスのエネ
ルギによりタービン4を駆動する構成になっている。こ
のタービン4は圧縮機2を駆動するとともに、減速機7
およびカップリング8を介して発電機9を駆動する。発
電機9からの発電電力は種々の電力負荷に供給される。
面図を示す。同図には、圧縮機2として軸流圧縮機を備
えたガスタービン1を例示してあるが、本発明は、遠心
型圧縮機を有するガスタービンにも適用できる。この軸
流圧縮機2は、回転軸22の外周面に配置された多数個
の動翼23と、ハウジング24の内周面に複数段に配置
された静翼27との組合せにより、吸気筒28から吸入
した空気を圧縮して、その圧縮空気Aを環状に形成され
た車室29に送給する。
向に沿って複数個(たとえば6個)が等間隔で配置され
ており、車室29に送給された圧縮空気Aが、矢印a,
bで示すように、燃焼筒31内の燃焼室32内に導かれ
る。一方、燃焼器3には、燃料ノズル34から燃料Fが
燃焼室32内に噴射され、この燃料Fが圧縮空気Aと混
合されて燃焼し、その高温高圧の燃焼ガスGがタービン
4に送られる。
ハウジング11に複数段のタービン静翼15A〜Cが所
定間隔で配置されているとともに、タービンディスク1
4の外周にタービン動翼16を形成した複数段のタービ
ンロータ13A,13Bが、前記回転軸22に連結され
ており、各タービンロータ13A,13Bは、それらの
各タービン動翼16が前記各段のタービン静翼15A〜
C間に位置するように配置されている。また、各タービ
ン動翼16は、ハウジング11の内周側に支持されたシ
ュラウド17,18により覆われている。
2から燃焼器3の車室29へ向かう圧縮空気Aの通路を
形成する内周壁20が形成されている。この通路の外周
は、ハウジング24によって形成されている。また、こ
の内周壁20の内周側には、冷却空気を前記タービンロ
ータ13の回転方向に予旋回させて最上流側の第1段タ
ービンロータ13Aに供給する予旋回ノズル37が、静
止した状態に支持されている。これにより、予旋回ノズ
ル37を支持するための特別な支持部材が不要となり、
ガスタービン1の全体の構造を簡単にできる。
体で、周方向に2つ以上に分割した複数のセグメントか
らなり、これらのセグメントは,外周に巻回したバンド
状のばね部材43で締め付けて環状に連結されている。
予旋回ノズル37の内周部と回転軸22の外周部との間
は、予旋回ノズル37側に設けられたラビリンスシール
のようなシール部43によりシールされている。また、
前記内周壁20における前記予旋回ノズル37の支持位
置よりも上流側の位置には、圧縮機2から燃焼器3へ送
給される圧縮空気Aの一部を冷却空気CAとして前記予
旋回ノズル37へ導入する導入孔38が形成されてい
る。これにより、圧縮機2からの圧縮空気Aの一部を予
旋回ノズル37に供給するための通路を簡単に構成でき
る。
って、多数のノズル孔39が形成されている。これによ
り、予旋回ノズル37からの冷却空気CAを第1段のタ
ービンロータ13Aの全周にわたって均等に供給でき、
タービンロータ13Aをより効率よく冷却できる。これ
らのノズル孔39は、冷却空気CAの入口から出口に向
かって通路幅が狭くなる円錐形とされ、その円錐の頂角
は4°以上とされている。頂角の上限値は特にないが、
隣接するノズル孔39の入口がつながらない程度まで大
きくすることができる。また、図4(A)に示すよう
に、前記ノズル孔39の向きは、タービンロータ13A
〜Cの回転方向Rに対して、所定の傾斜角度θ(15〜
25°)となるように設定されている。なお、予旋回ノ
ズル37の内周面は、図3に示す回転軸22の外周にラ
ビリンスシールを介して対向配置される。
とも第1段および第2段のタービンロータ13A,13
Bのタービンディスク14には、前記予旋回ノズル37
から供給される冷却空気CAを通過させる複数の通気孔
40が回転軸22の軸方向に向けて貫設されている。こ
れらの通気孔40は、タービンディスク14の周方向に
沿って分散配置される。
ビン動翼16は、膜冷却構造として、図5に断面図で示
すように内部に冷却通路16aが形成され、その翼表面
に前記冷却通路16aの多数の出口16cが設けられ
て、翼表面に膜状に冷却空気CAを流して冷却する。径
方向の内端には、図3に示すように、前記冷却通路16
aの入口16bが設けられる。さらに、第1段のタービ
ンロータ13のタービンディスク14には、前記通気孔
40を通過した冷却空気CAの一部をタービン動翼16
の冷却通路16a内に導入する多数の導入孔41が形成
されている。
ービンディスク14には、前記内周壁20における下流
端部の内周に、ラビリンスシールを介して対向配置され
るリング状のシール部14aが形成されている。これに
より、タービン4における燃焼ガス通路と、前記内周壁
20と前記回転軸22との間に形成される冷却空気通路
との間が遮断される。
圧縮機2から燃焼器3に供給される圧縮空気Aの一部
が、冷却空気CAとして内周壁20の導入孔38を経て
予旋回ノズル37に導入され、導入された冷却空気CA
は、予旋回ノズル37のノズル孔39を通過することに
より、図4(A)に示すように、第1段のタービンロー
タ13Aに対して、そのタービンロータ13Aの回転方
向Rに旋回して供給される。すなわち、この場合、ター
ビンロータ13Aの回転方向Rに対して、予旋回ノズル
37のノズル孔39の向きは所定の傾斜角度θ(15〜
25°)とされているので、そのノズル孔39を通過し
てタービンロータ13Aに当たる冷却空気CAの絶対速
度Cおよび相対速度Wと、タービンロータ13の周速度
Uとは、図4(A)に速度ベクトルで示す関係となり、
冷却空気CAの相対速度Wが低く抑えられる。タービン
ロータ13に当たる冷却空気CAの全温Tと相対全温T
relとの間には、先述した(1)式の関係が成り立つの
で、冷却空気CAの相対速度Wが低いほど、タービンロ
ータ13に当たる冷却空気CAの相対全温Trel が低く
なる。
て、前記予旋回ノズル37により予旋回された冷却空気
CAの相対速度Wは、軸方向に近い向きとなるので、軸
方向に向けて形成されたタービンロータ13Aの通気孔
40に冷却空気CAが入りやすくなる。
対して軸方向に供給された場合には、その冷却空気CA
の絶対速度Cおよび相対速度Wと、タービンロータ13
Aの周速度Uとは、図4(B)にベクトルで示す関係と
なり、図4(A)の場合よりも相対速度Wは大きくなる
とともに、相対速度Wの向きが軸方向に対してかなり傾
いた角度となり、タービンロータ13Aの通気孔40に
冷却空気CAが入りにくくなる。
のタービンディスク14に形成された通気孔40を通過
して、そのタービンロータ13の下流側に突き抜けた冷
却空気CAの一部は、タービンディスク14に形成され
た導入孔41を経て、タービン動翼16の冷却通路16
aに供給される。これにより、第1段のタービンロータ
13のタービン動翼16が、冷却空気CAにより効率良
く冷却される。第1段のタービンロータ13Aの通気孔
40を下流側に通り抜けた冷却空気CAの残りは、さら
に第2段のタービンロータ13Bに送給される。
37におけるノズル孔39の入口から出口に向かって通
路が狭くなる円錐形としてあるため、通路面積の大きい
入口での冷却空気CAの流速が低くなり、それだけノズ
ル孔39を通過するときの壁面摩擦による冷却空気CA
の圧力損失を小さくしたままで、冷却空気CAに予旋回
を与えることができる。すなわち、ノズル孔39を通過
して第1段タービンロータ13Aに当たる冷却空気CA
の絶対速度Cは、前記圧力損失が小さい分だけ高くな
る。このことを、先述した(1)式に当てはめると、前
記圧力損失の減少分だけ、タービンロータ13に当たる
冷却空気CAの相対全温Trel がさらに低くなることが
分かる。その結果、冷却空気CAによるタービン動翼1
6の冷却をより効果的に行うことができる。
円錐形であるため、円錐状の刃具を使用することによ
り、ノズル孔39の孔開け加工を容易に行うことができ
る。
7で予旋回された冷却空気CAを、タービンディスク1
4の通気孔40を経て第1段のタービンロータ13Aの
下流側に送給し、その一部をタービンディスク14の導
入孔41から導入してタービン動翼16の冷却通路16
aに供給するようにしているが、前記導入孔41の導入
開口を第1段のタービンロータ13Aの上流側に開口さ
せて、予旋回された冷却空気CAを、一旦タービンディ
スク14の下流側に送給することなく、導入孔41から
直接導入してタービン動翼16の冷却通路16aに供給
するようにしてもよい。
よれば、予旋回ノズルにおけるノズル孔の入口での通路
面積が大きくなるので冷却空気CAの流速が低くなっ
て、ノズル孔の入口での冷却空気CAの圧力損失が小さ
くなり、その結果、予旋回ノズルにより予旋回されてタ
ービンのロータに当たる冷却空気CAの流速(絶対速
度)が高くなって、ロータに当たる冷却空気CAの相対
全温が低下し、タービンのロータの冷却効果を向上させ
ることができる。しかも、予旋回ノズルの円錐形のノズ
ル孔は、円錐状の刃具を用いることにより簡単に加工で
きる。
たガスタービン発電設備を示す概略構成図である。
である。
面図である。
とタービンロータとの関係を示す周方向に沿った断面
図、(B)は速度ベクトル図である。
た断面図である。
ビン、13A〜C…タービンロータ、20…内周壁、2
2…回転軸、37…予旋回ノズル、38…導入孔、39
…ノズル孔、A…圧縮空気、CA…冷却空気
Claims (4)
- 【請求項1】 空気を圧縮する圧縮機と、この圧縮機か
らの圧縮空気に燃料を混合して燃焼させる燃焼器と、こ
の燃焼器からの燃焼ガスから動力を取り出すタービンと
を備えたガスタービンであって、 前記タービンのロータに、その回転方向に旋回する冷却
空気を供給する静止した予旋回ノズルを有し、 前記予旋回ノズルは、前記冷却空気の入口から出口に向
かって通路幅が狭くなる円錐形のノズル孔を有している
ガスタービン。 - 【請求項2】 請求項1において、前記ノズル孔は前記
タービンの周方向に沿って多数設けられているガスター
ビン。 - 【請求項3】 請求項1または2において、前記予旋回
ノズルは、ガスタービンの回転軸の外周側に位置し前記
圧縮機から燃焼器へ向かう圧縮空気の通路を形成する内
周壁に支持されているガスタービン。 - 【請求項4】 請求項3において、さらに、前記内周壁
に前記圧縮機からの圧縮空気を予旋回ノズルへ導入する
導入孔が形成されているガスタービン。
Priority Applications (1)
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JP11107417A JP3034519B1 (ja) | 1999-04-15 | 1999-04-15 | タ―ビンロ―タの冷却構造を改善したガスタ―ビン |
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JP3034519B1 true JP3034519B1 (ja) | 2000-04-17 |
JP2000297607A JP2000297607A (ja) | 2000-10-24 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP11107417A Expired - Lifetime JP3034519B1 (ja) | 1999-04-15 | 1999-04-15 | タ―ビンロ―タの冷却構造を改善したガスタ―ビン |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3034519B1 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1999
- 1999-04-15 JP JP11107417A patent/JP3034519B1/ja not_active Expired - Lifetime
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