JP2005144713A - サーマルヘッドおよび電子機器装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
極めて簡単な構成で、熟練を要することなく、支持体上に充填剤を均一に薄く充填することができるようにし、稼動時に発熱する発熱体を、均一に冷却することができるサーマルヘッドおよび電子機器装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
複数の発熱素子12を基板11上に配列してなるヘッド基板1からなる発熱体を、熱伝達率の高い充填剤3を介して放熱機能を有する支持体2に装着してなるサーマルヘッドにおいて、前記支持体2のヘッド基板1からなる発熱体が装着される面に、少なくとも一対の基準台21を設け、この基準台21によって形成される領域に、前記充填剤3を充填する。
【選択図】図1
極めて簡単な構成で、熟練を要することなく、支持体上に充填剤を均一に薄く充填することができるようにし、稼動時に発熱する発熱体を、均一に冷却することができるサーマルヘッドおよび電子機器装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
複数の発熱素子12を基板11上に配列してなるヘッド基板1からなる発熱体を、熱伝達率の高い充填剤3を介して放熱機能を有する支持体2に装着してなるサーマルヘッドにおいて、前記支持体2のヘッド基板1からなる発熱体が装着される面に、少なくとも一対の基準台21を設け、この基準台21によって形成される領域に、前記充填剤3を充填する。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えばサーマルヘッドなどのような電子機器装置に関し、特に発熱素子を基板上に配列してなるヘッド基板のように稼動時に発熱する発熱体を、均一に冷却できるようにしたものである。
周知の通り、電子機器装置、例えばサーマルプリンタなどのサーマルヘッドにあっては、発熱素子を基板上に配列してヘッド基板を形成しており、このようなヘッド基板からなる発熱体は、稼動時に発熱することは既に良く知られている。
上述の点を考慮して従来では、発熱素子を備えたヘッド基板を、流動性の充填剤を介して熱伝導性の支持体に設置し、前記充填剤が前記基板からにじみ出るのを阻止するように、シール材によってシールするようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
実開昭60−162043号公報
、
しかし、前述の特許文献1記載の構成では、前記基板上に前記充填剤を塗布する場合、目分量で塗布するため均一に薄く塗布することが極めて困難である。したがって、充填剤が厚く塗布された部分と、薄く塗布された部分とができ、熱伝達にむら生じ、ヘッド基板からの熱を均一に放熱すことができない他、シール材が介在する部分は、熱伝達が極めて悪い、などといった課題がある。
しかし、前述の特許文献1記載の構成では、前記基板上に前記充填剤を塗布する場合、目分量で塗布するため均一に薄く塗布することが極めて困難である。したがって、充填剤が厚く塗布された部分と、薄く塗布された部分とができ、熱伝達にむら生じ、ヘッド基板からの熱を均一に放熱すことができない他、シール材が介在する部分は、熱伝達が極めて悪い、などといった課題がある。
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、極めて簡単な構成で、熟練を要することなく、支持体上に充填剤を均一に薄く充填することができるようにし、稼動時に発熱する発熱体を、均一に冷却することができるサーマルヘッドおよび電子機器装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、請求項1記載の発明では、複数の発熱素子を基板上に配列してなるヘッド基板からなる発熱体を、熱伝達率の高い充填剤を介して放熱機能を有する支持体に装着してなるサーマルヘッドにおいて、前記支持体のヘッド基板からなる発熱体が装着される面に、少なくとも一対の基準台を設け、この基準台によって形成される領域に、前記充填剤を充填する。
請求項2記載の発明では、稼動時に発熱する発熱体を、熱伝達率の高い充填剤を介して放熱機能を有する支持体に装着してなる電子機器装置において、前記支持体の発熱体が装着される面に、少なくとも一対の基準台を設け、この基準台によって形成される領域に、前記充填剤を充填する。
請求項3記載の発明では、前記一対の基準台の間隔を、前記発熱体の幅と略同一に形成し、この領域に前記発熱体の少なくとも一部を嵌装する。
請求項4記載の発明では、前記基準台によって形成される領域に、少なくとも2個以上の高さ調整用ボスを形成する。
請求項5記載の発明では、前記基準台を方形状に形成し、この方形状の領域に前記発熱体の少なくとも一部を嵌装する。
請求項6記載の発明では、前記支持台および/または高さ調整用ボスをプレス加工により形成する。
請求項1記載の発明の構成によれば、基準台によって形成される領域に、前記充填剤を充填し、ヘラなどを用いて前記基準台を基準に伸ばすことにより、熟練を要せずしてきわめて簡単に、支持体上に充填剤を均一に薄く充填することができ、複数の発熱素子を基板上に配列してなるヘッド基板からなる発熱体から支持体への熱伝達が略均一となる。したがって、発熱体の放熱が均一となり、発熱体を均一に冷却することができ、この種サーマルヘッドを長期間に亘って安定して使用することができる、などといった効果を奏する。
請求項2記載の発明の構成によれば、基準台によって形成される領域に、前記充填剤を充填し、ヘラなどを用いて前記基準台を基準に伸ばすことにより、熟練を要せずしてきわめて簡単に、支持体上に充填剤を均一に薄く充填することができ、稼動時に発熱する発熱体から支持体への熱伝達が略均一となる。したがって、発熱体の放熱が均一となり、発熱体を均一に冷却することができ、この種電子機器装置を長期間に亘って安定して使用することができる、などといった効果を奏する。
請求項3記載の発明の構成によれば、一対の基準台の間隔を、前記発熱体の幅と略同一に形成し、この領域に前記発熱体の少なくとも一部が嵌装するようにしているので,前記発熱体の位置決めを確実にすることができるので、好ましい。
請求項4記載の発明の構成によれば、前記一対の基準台により形成される領域に、少なくとも2個以上の高さ調整用ボスが形成されているので、発熱体の取り付けに際し、片締めや、締め過ぎることが無くなるとともに、充填剤の厚さをより均一とすることができ、好ましい。
請求項5記載の発明の構成によれば、基準台によって形成された方形状の領域に、前記発熱体の少なくとも一部を嵌装するようにしているので、前記発熱体の前後左右の位置決めを確実にすることができるので、好ましい。
請求項6記載の発明の構成によれば、支持台および/または高さ調整用ボスをプレス加工により形成したので、特別に溶接などの作業が不要となり、しかも量産化が可能となるので、好ましい。
複数の発熱素子を基板上に配列してなるヘッド基板からなる発熱体を、熱伝達率の高い充填剤を介して放熱機能を有する支持体に装着してなるサーマルヘッドにおいて、前記支持体のヘッド基板からなる発熱体が装着される面に、少なくとも一対の基準台を設け、この基準台の間隔を、前記発熱体の幅と略同一に形成するとともに、前記基準台によって形成される領域に、少なくとも2個以上の高さ調整用ボスを形成し、かつ前記基準台によって形成される領域に前記充填剤を充填する。
以下、本発明の一実施例を図1および図2に基づき説明する。図1は、本発明の一実施例による電子機器装置の一例であるサーマルヘッドの要部を拡大して示す概略断面図、図2は、図1に示すサーマルヘッドに用いる支持体に、充填剤を均一に充填する状態を説明するための斜視図である。
1は、発熱体であるヘッド基板で、このヘッド基板1は、例えばアルミナなどのセラミックスで形成された基板11上に、図示しないアンダーグレーズ層、稼動時に発熱する発熱素子である発熱抵抗体12に通電するための導電パターンおよび外部引き出し用配線パターンを形成し、前記導電パターン上に直線状に連続した前記発熱抵抗体12をスクリーン印刷などにより形成し、更にこれらを保護するために図示しない保護層が形成されている。このヘッド基板1は、図示しないボルトなどを用いて、後述する支持体2に取付けられている。
2は、放熱機能を備えた支持体で、この支持体2は、前記ヘッド基板1の発熱素子である発熱抵抗体12からの熱が、基板11に蓄積されるのを防止するため、すなわち基板11の放熱効果を高めるために、アルミニュームのような熱伝導性が優れた材料で形成されている。3は、熱伝達率の高い例えば、シリコングリスなどからなる充填剤で、この充填剤3は、前記基板11から支持体2への熱の伝達を図るために、基板11と支持体2との間に介在される。
しかして、本発明にしたがい、前記支持体2のヘッド基板1が装着される面には、少なくとも一対の基準台21が、例えばプレス加工などにより形成されている。この基準台21の高さT1は、前記充填剤3を充填する厚さの基準となるものであり、0.1mm〜0.5mm程度とすればよい。なお、22は、前記基準台21をプレス加工により形成した際にできる凹部である。
以上の構成による実施例では、前記支持台2の基準台21−21によって形成される領域に充填剤3を充填するには、予め支持台2上の前記基準台21−21によって形成される領域に、適量の充填剤3を充填するか、あるいはヘラ4に充填剤3を乗せた状態で、図2に示すように、前記基準台21−21を跨ぐようにし、基準台21を基準にして矢印方向にヘラ4を移動させながら、充填剤3を伸ばしながら充填することにより、殊更熟練を要せずしてきわめて簡単に、支持体2上に充填剤3を均一に薄く充填することができる。したがって、複数の発熱抵抗体12を基板11上に配列してなるヘッド基板1から支持体2への熱伝達が略均一となり、効果的に均一な冷却が図れる。この結果、この種サーマルヘッドを長期間に亘って安定して使用することができる、などといった効果を奏する。
なお、前記基準台21−21の間隔T2を、この間に装着される前記ヘッド基板1の幅と略同一に形成すれば、この基準台21−21によって形成される領域を基準に前記ヘッド基板1を配置、あるいはその一部が嵌装するように配置すればよく、前記ヘッド基板1の位置決めが確実なるので、好ましい。
次に、図3および図4に示す本発明の他の実施例について説明する。この実施例では、基準台によって形成される領域に、少なくとも2個以上の高さ調整用ボスを形成したものである。図3は、本発明の他の実施例による電子機器装置の一例であるサーマルヘッドの要部を拡大して示す概略側面断面図、図4は、図3に示すサーマルヘッドに用いる支持体を示す平面図である。なお、図3および図4において図1および図2と同じ符号を付した部分は略同一のものを示す。以下相違点を中心に説明する。
この実施例では、支持体2の設けられた基準台21−21によって形成される領域に、前述の実施例同様、充填剤3を充填するとともに、前記領域に少なくとも2個以上の帯状の高さ調整用ボス23を形成し、この高さ調整用ボス23上にヘッド基板1を配置し、支持体2の裏面側からボルト5を用いてヘッド基板1を固定するようにしたものである。この高さ調整用ボス23は、プレス加工により形成すればよく、この場合、前記基準台21をプレス加工する際、金型などを用いて同一工程で同時に形成すればよいのは勿論である。なお、図中24は、前記高さ調整用ボス23をプレス加工により形成した際にできる凹部、25はボルト5を挿入するために支持台2に設けられた貫通孔である。
この構成によっても、前述の実施例と同様、前記基準台21を基準にしてヘラなどを用いて充填剤3を伸ばしながら充填することにより、殊更熟練を要せずしてきわめて簡単に、支持体2上に充填剤3を均一に薄く充填することができる。したがって、複数の発熱素子12を基板11上に配列してなるヘッド基板1から支持体2への熱伝達が略均一となり、効果的に均一な冷却が図れる。この結果、この種サーマルヘッドを長期間に亘って安定して使用することができる、などといった効果を奏する。更には、ヘッド基板1の取り付けに際し、高さ調整用ボス23に制限されて、片締めや、締め過ぎることが無くなるとともに、充填剤3の厚さをより均一とすることができ、好ましい。
次に、図5および図6に示す本発明の更に他の実施例について説明する。この実施例では、基準台を方形状に形成したものである。図5は、本発明の更に他の実施例を説明するための電子機器装置の一例であるサーマルヘッドの概略構成を示す平面図、図6は、図5に示すサーマルヘッドに用いる支持体を示す平面図である。なお、図5および図6において図1乃至図4と同じ符号を付した部分は略同一のものを示す。以下相違点を中心に説明する。
この実施例では、基準台21をヘッド基板1と略同一形状の方形状に形成するとともに、この基準台21により形成された方形状の領域に4個の円形状の高さ調整用ボス23を形成し、前述の実施例同様、基準台21によって形成された方形状の領域に、充填剤を充填し、前記高さ調整用ボス23上にヘッド基板1を搭載するような状態で、少なくとも一部が前記領域に嵌装するように配置し、支持体2の裏面側から図示しないボルトなどを用いてヘッド基板1を固定するようにしたものである。なお、前記基準台21の幅や、高さ調整用ボス23の大きさなどは、ヘッド基板1の大きさに応じて適宜選定すれば良いのは勿論である。
この構成によれば、前述した各実施例と同様の作用効果を奏する他、前記ヘッド基板1の前後左右の位置決めを確実にすることができるので、好ましい。更に、充填剤が基準台21により形成された方形状の領域内に保持されるため、仮にその流動性が極めて高くなってもにじみ出るといった危惧がない、などといった効果を奏する。
なお、上述した各実施例は、本発明の好適な実施例であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形実施可能であり、例えば、発熱体として電子機器装置に用いられる電圧制御素子である電界効果トランジスタなどのように稼動時に発熱する発熱素子に適用しても良いのは勿論である。
1 ヘッド基板(発熱体)
11 基板
12 発熱抵抗体(発熱素子)
2 支持体
21 基準台
23 高さ調整用ボス
3 充填剤
11 基板
12 発熱抵抗体(発熱素子)
2 支持体
21 基準台
23 高さ調整用ボス
3 充填剤
Claims (6)
- 複数の発熱素子を基板上に配列してなるヘッド基板からなる発熱体を、熱伝達率の高い充填剤を介して放熱機能を有する支持体に装着してなるサーマルヘッドにおいて、
前記支持体のヘッド基板からなる発熱体が装着される面に、少なくとも一対の基準台を設け、この基準台によって形成される領域に、前記充填剤を充填したことを特徴とするサーマルヘッド。 - 稼動時に発熱する発熱体を、熱伝達率の高い充填剤を介して放熱機能を有する支持体に装着してなる電子機器装置において、
前記支持体の発熱体が装着される面に、少なくとも一対の基準台を設け、この基準台によって形成される領域に、前記充填剤を充填したことを特徴とする電子機器装置。 - 前記一対の基準台の間隔を、前記発熱体の幅と略同一に形成し、この領域に前記発熱体の少なくとも一部を嵌装したことを特徴とする請求項1または請求項2いずれかに記載のサーマルヘッドまたは電子機器装置。
- 前記基準台によって形成される領域に、少なくとも2個以上の高さ調整用ボスを形成したことを特徴とする請求項1または請求項2いずれかに記載のサーマルヘッドまたは電子機器装置。
- 前記基準台を方形状に形成し、この方形状の領域に前記発熱体の少なくとも一部を嵌装したことを特徴とする請求項1または請求項2いずれかに記載のサーマルヘッドまたは電子機器装置。
- 前記支持台および/または高さ調整用ボスをプレス加工により形成したことを特徴とする請求項1または請求項2いずれかに記載のサーマルヘッドまたは電子機器装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003381817A JP2005144713A (ja) | 2003-11-11 | 2003-11-11 | サーマルヘッドおよび電子機器装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003381817A JP2005144713A (ja) | 2003-11-11 | 2003-11-11 | サーマルヘッドおよび電子機器装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005144713A true JP2005144713A (ja) | 2005-06-09 |
Family
ID=34691049
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003381817A Pending JP2005144713A (ja) | 2003-11-11 | 2003-11-11 | サーマルヘッドおよび電子機器装置 |
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JP (1) | JP2005144713A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020184564A (ja) * | 2019-05-07 | 2020-11-12 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | 回路構成体 |
JP2021082682A (ja) * | 2019-11-18 | 2021-05-27 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | 回路構成体 |
-
2003
- 2003-11-11 JP JP2003381817A patent/JP2005144713A/ja active Pending
Cited By (6)
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JP2020184564A (ja) * | 2019-05-07 | 2020-11-12 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | 回路構成体 |
JP7067527B2 (ja) | 2019-05-07 | 2022-05-16 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | 回路構成体 |
JP2021082682A (ja) * | 2019-11-18 | 2021-05-27 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | 回路構成体 |
CN114631237A (zh) * | 2019-11-18 | 2022-06-14 | 株式会社自动网络技术研究所 | 电路结构体 |
JP7167904B2 (ja) | 2019-11-18 | 2022-11-09 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | 回路構成体 |
CN114631237B (zh) * | 2019-11-18 | 2024-05-14 | 株式会社自动网络技术研究所 | 电路结构体 |
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