JP2005141081A - トナーの製造方法 - Google Patents
トナーの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005141081A JP2005141081A JP2003378737A JP2003378737A JP2005141081A JP 2005141081 A JP2005141081 A JP 2005141081A JP 2003378737 A JP2003378737 A JP 2003378737A JP 2003378737 A JP2003378737 A JP 2003378737A JP 2005141081 A JP2005141081 A JP 2005141081A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- toner
- water
- colorant
- melt
- binder resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Developing Agents For Electrophotography (AREA)
Abstract
【解決手段】 第1の結着樹脂、着色剤及び水を少なくとも含む混合物を加熱混練して第1の混練物を得、該第1の混練物の水分量を一定量に調整して着色剤マスターバッチを得る第1の溶融混練工程において、着色剤マスターバッチを含水率2〜25質量%の含水着色剤マスターバッチとして、トナーを製造する。
【選択図】 なし
Description
(1)第1の結着樹脂、着色剤及び水を少なくとも含む混合物を加熱混練して第1の混練物を得、第1の混練物を含水率2〜25質量%となるように水分量を調整して含水着色剤マスターバッチを得る第1の溶融混練工程と、
第2の結着樹脂及び前記含水着色剤マスターバッチを少なくとも含有するトナー原料混合物を溶融混練し、第2の混練物を得る第2の溶融混練工程と、
前記第2の混練物を粉砕する粉砕工程とを含むトナーの製造方法。
(2)前記第1の溶融混練工程において、第1の混練物を含水率3〜20質量%となるように水分量を調整して含水着色剤マスターバッチを得ることを特徴とする(1)のトナーの製造方法。
(3)前記第1の溶融混練工程における着色剤及び水が、ペースト顔料であることを特徴とする(1)又は(2)のトナーの製造方法。
(4)前記第1の溶融混練工程において、前記着色剤が乾燥粉末状顔料であることを特徴とする(1)又は(2)のトナーの製造方法。
(5)前記第1の溶融混練工程において、第1の混練物の温度(Tmix1)が80〜1
20℃であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかのトナーの製造方法。
(6)前記含水着色剤マスターバッチ中の着色剤は、体積平均粒径Dmが5〜300nmであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかのトナーの製造方法。
(7)前記第1の結着樹脂は、軟化点温度(Tm1)が80〜120℃であることを特徴
とする(1)〜(6)のいずれかのトナーの製造方法。
(8)前記第2の結着樹脂は、軟化点温度(Tm2)が85〜135℃であることを特徴
とする(1)〜(7)のいずれかのトナーの製造方法。
(9)前記第2の溶融混練工程における第2の混練物温度をTmix2としたとき、第2の結着樹脂の軟化点温度(Tm2)に対して、下記式を満たすことを特徴とする(1)〜(8)のいずれかのトナーの製造方法。
Tmix2≦Tm2+30(℃)
(10)前記トナー中の着色剤の体積平均粒径Dtが、10〜500nmであることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかのトナーの製造方法。
(11)前記含水着色剤マスターバッチ中の着色剤の体積平均粒径をDmとし、トナー中における着色剤の体積平均粒径をDtとしたとき、下記式を満たすことを特徴とする(1)〜(10)のいずれかのトナーの製造方法。
Dt/Dm<2.5
(12)前記第1の溶融混練工程において、前記第1の結着樹脂と着色剤との割合が固形分質量換算で90:10〜40:60であることを特徴とする(1)〜(11)のいずれかのトナーの製造方法。
(13)前記第1の溶融混練工程において、前記着色剤の固形分質量100質量部に対して、水の質量が6〜400質量部であることを特徴とする(1)〜(12)のいずれかのトナーの製造方法。
第2の結着樹脂及び前記含水着色剤マスターバッチを少なくとも含有するトナー原料混合物を溶融混練し、第2の混練物を得る第2の溶融混練工程と、
前記第2の混練物を粉砕する粉砕工程とを含む。
造に用いるために予め顔料を製造する顔料粒子製造工程において顔料粒子がただの一度も乾燥工程を経ずに存在している状態のものを指す。この状態においては、顔料粒子がほぼ一次粒子の状態で存在している為、第1の溶融混練工程後、より顔料分散性に優れた含水MBを得ることが出来る。本発明に用いられるペースト顔料は、任意の水分含有量のものでよく、水分量が限定されるものではないが、好ましくは40〜95質量%、より好ましくは50〜95質量%である。なお、ペースト顔料の水分量が40質量%より少ない場合、上記範囲に入るように水を添加して使用しても良い。
ペースト顔料の水分量の調整は、通常の方法により行うことができる。
また、第1の溶融混練工程において、着色剤として乾燥粉末状顔料を用いることも可能であり、その場合、第1の結着樹脂と乾燥粉末状顔料に加えて水を添加し、着色剤と水の混合物として第1の溶融混練工程において含水MBを得る。混練をより充分に行うために、第1の溶融混練工程において、例えば、混練時間や回数を増やすことが可能である。
「着色剤及び水」として、ペースト顔料と乾燥粉末状顔料を用いることも可能であり、これに更に水を添加しても良い。このときの着色剤固形分質量と水の質量の割合は前述の配合になることが好ましい。
.I.ベーシックバイオレット1,3,7,10,14,15,21,25,26,27,28等の塩基性染料が挙げられる。
る。
剤粒子同士が凝集し、分散性も不十分である為、透明性が低下する傾向がある。
なお、本発明においては、含水MB中の着色剤の体積平均粒径Dmを5〜300nmに調整した含水率が2〜25質量%である含水MBを用いることにより、第2の溶融混練工程において着色剤粒子同士の凝集を抑制し、トナー中における着色剤の体積平均粒径Dtを上記範囲にすることが可能となる。
ーローター(日清エンジニアリング(株)製)等で粉砕される。
べる有機金属化合物の電荷制御剤を使用することもできる。有機金属化合物の電荷制御剤としては、芳香族オキシカルボン酸及び芳香族アルコキシカルボン酸から選択される芳香族カルボン酸誘導体、該芳香族カルボン酸誘導体の金属化合物であることが好ましく、その金属としては、2価以上の金属原子が好ましい。2価の金属として、Mg2+,Ca2+,Sr2+,Pb2+,Fe2+,Co2+,Ni2+,Zn2+,Cu2+等が挙げられ、特にZn2+,Ca2+,Mg2+,Sr2+が好ましい。3価以上の金属としてはAl3+,Cr3+,Fe3+,Ni3+,Zr4+があげられる。これらの金属の中で好ましいのはAl3+,Cr3+であり、特に好ましいのはAl3+,Zr4+ある。具体的には、電荷制御剤としてジ−tert−ブ
チルサリチル酸のアルミニウム化合物が特に好ましい。
2質量部未満であると帯電立ち上りの効果が得られず、10質量部より多いと環境変動が大きくなるためである。
り好ましくは50m2/g以上のものが良好な結果を与える。流動性向上剤は、トナー粒
子100質量部に対して0.01〜8質量部添加することが好ましく、0.1〜4質量部添加することがより好ましい。
りによるカブリが目立つ様になる。これに対処すべく、キャリアの比表面積を稼ぐためにキャリアの小径化が考えられるが、重量平均粒径が4μm未満のトナーでは、トナー自己凝集も起こり易く、キャリアとの均一混合が短時間では達成されにくく、トナーの連続補給耐久においては、カブリが生じてしまう傾向にある。
本発明におけるトナーを重量平均粒径4〜10μmとするには、粉砕工程において粒径を調整し、該範囲の重量平均粒径のトナーを分級すればよい。
40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する
。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。またカラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせて使用することが好ましく、例えば昭和電工(株)製のshodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807、800Pの組み合わせや、東ソー(株)製のTSKgelG1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKguard
columnの組み合わせを挙げることができる。
結着樹脂の軟化点温度の測定には、フローテスターCFT−500型((株)島津製作所製)を用いる。試料は60meshパス品を約1.0g秤量する。この試料を、成形器を使用し、100kg/cm2の加重で1分間加圧する。
温度Tmとする。
SET TEMP 50.0(℃)
MAX TEMP 180.0(℃)
INTERVAL 3.0(℃)
PREHEAT 300.0(秒)
LOAD 20.0(kg)
DIE(Diameter)1.0(mm)
DIE(Length) 1.0(mm)
PLUNGER 1.0(cm2)
混練物温度の測定には、デジタル温度計HFT-50:温度センサーBS−21E−0
30(安立計器(株)製)、又は放射温度計R−150(安立計器(株)製)を用いる。
測定は混練機の吐出口から出てくる混練物の場合、直接温度センサーを差込み、安定した値をもって混練物温度とする。また、ニーダー等での混練の際には、放射温度計を使用し、その表面温度を混練物温度とする。
温度曲線:昇温I(30℃〜200℃、昇温速度10℃/min)
降温I(200℃〜30℃、降温速度10℃/min)
昇温II(30℃〜200℃、昇温速度10℃/min)
測定試料5mgを精秤する。それをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定範囲30〜200℃、昇温速度10℃/min、常温常湿下で測定を行う。結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、昇温IIの過程で、温度40〜100℃の範囲におけるメインピークの吸熱ピーク前後でのベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、本発明におけるガラス転移温度Tgとする。
本発明において「含水率」とは、カールフィッシャー法に基づく質量基準含水率、即ち、含水MB全質量又はペースト顔料に対する水分質量の比率をいい、23℃,60%RHに24時間放置し、サンプル調製したものを用いカールフィッシャー法(JIS K−0068 水分気化法)に基づき、125℃の加熱におけるガスを測定することによって求めたものである。
サンプル100mgにTHF(テトラヒドロフラン)5mlを加え、24時間静置した後、超音波分散器で1分間処理することにより、着色剤をTHF中に分散させ、サンプルを調製する。得られたサンプルの粒子径分布を、MicrotracUPA(日機装(株)製)を用いて測定する。この測定により含水MB及びトナーに含有される着色剤の体積平均粒径を求めることができる。
本発明において、トナーの平均粒径はコールターカウンターTA−II型(ベックマンコールター(株)製)を用いて行うが、コールターマルチサイザー(ベックマンコールター(株)製)を用いることも可能である。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン(株)製)が使用できる。
測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2.00μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出する。それから本発明に係る体積分布から求めた重量平均粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求める。
比表面積はBET法に従って、比表面積測定装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス(株)製)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出する。
実施例における耐刷試験の評価を以下の用紙を使用し、以下の通りに行った。
普通紙:CLCカラーコピー用紙(坪量80g/cm2:キヤノン(株)製)
OHPシート:トランスペアレンシーシートCG3700(住友スリーエム(株)製)
分級品3.5gとシリコーン樹脂で表面被覆した磁性フェライトキャリア粒子(平均粒
径45μm:Mn−Mgフェライト)46.5gとを秤量し、50mlのポリエチレン製
サンプルビンに入れ、常温低湿度環境下(23℃/5%)に18時間以上静置する。その後、ヤヨイ式振とう器(モデル:YS−LD、(株)ヤヨイ製)により3.3s−1で2分間振とうさせたものと、30分間振とうさせたものを作る。この時、振とうする角度は、振とう器の真上(垂直)を0度とすると、前方に15度、後方に20度、振とうする支柱が動くようにする。
帯電立ち上り率(%)=2分の摩擦帯電量/30分の摩擦帯電量×100
A:75%以上で良好
B:65%以上、75%未満で良好
C:55%以上、65%未満で実用上問題なし
D:40%以上、55%未満で実用上問題あり
E:40%未満で悪い
カラー複写機CLC−1000(キヤノン(株)製)を用いて、OHPシート上にA4半面ベタ画像の未定着画像を作成し、iRC3200(キヤノン(株)製)の定着機を用いて定着する。その時OHP定着画像のベタ部分が、次式を満たす画像濃度になるよう現像コントラストを調整して画像を作成する。
D(ベタ紙上)−D(REF紙上)=1.8
(上記式中、D(ベタ紙上):普通紙上にOHPをのせベタ画像部分の反射濃度を測定したもの、D(REF紙上):普通紙上にOHPをのせ、ベタ白部分の反射濃度を測定したものである。)
OHP透過度の評価は上記のOHP画像を用いて、V−570 UV/vis/NIR
Spectrophotometer(日本分光(株)製)の透過光測定モードを使用
し、シアン画像:490nm、マゼンタ画像:722nm、イエロー画像:578nmにて測定した。
A:80%以上で良好
B:70%以上、80%未満で良好
C:60%以上、70%未満で実用上問題なし
D:50%以上、60%未満で実用上問題あり
E:50%未満で悪い
耐久試験においてのカブリは、画出し前の普通紙の平均反射率Dr(%)を、色フィルターを搭載したリフレクトメーター(東京電色株式会社製の「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって測定した。一方、普通紙上にベタ白画像を画出しし、次いでベタ白画像の反射率Ds(%)を測定した。
カブリ(Fog[%])は下記式より算出した。
Fog[%]=Dr[%]−Ds[%]
なお、測定に用いる色フィルターとしては、シアン画像の場合はアンバーフィルター、マゼンタ及びブラック画像の場合はグリーンフィルター、そしてイエロー画像の場合はブルーフィルターを用いて上記の測定を行って算出した。評価基準は以下の通りである。
B:0.7以上、1.2%未満で良好
C:1.2以上、1.5%未満で実用上問題なし
D:1.5以上、2.0%未満で実用上問題あり
E:2.0%以上で悪い
摩擦帯電量の測定を、図1に示す装置を用いて行った。底に目開き32μmのスクリーン53のある金属製の測定容器52に、複写機又はプリンターの現像器の現像スリーブ上から採取した二成分系現像剤を約0.5〜1.5g入れ、金属製のフタ54をする。この時の測定容器52全体の重量を秤りW1(g)とする。次に吸引機51(測定容器52と
接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口57から吸引し風量調節弁56を調整して真空計55の圧力を4kPaとする。この状態で2分間吸引を行い、トナーを吸引除去する。この時の電位計59の電位をV(ボルト)とする。ここで58はコンデンサーであり容量をC(mF)とする。また、吸引後の測定容器全体の質量を秤りW2(g)とす
る。この試料の摩擦帯電量(mC/kg)は下式で算出される。
(但し、測定条件は23℃、50〜60%RHとする)
スタートから1万枚の耐久のおける帯電変化の評価基準は以下のようにする。
A:2mC/kg未満で良好
B:2mC/kg以上で4mC/kg未満で良好
C:4mC/kg以上で6mC/kg未満で実用上問題なし
D:6mC/kg以上で8mC/kg未満で実用上問題あり
E:8mC/kg以上で悪い
1976年に国際照明委員会(CIE)で規格された表色系の定義に基づき、オリジナル画像と常温低湿度環境下(23℃/5%)耐久1万枚後の複写画像との色差(ΔE)を
定量的に評価し、以下の評価基準に基づいて評価した。測定にはSpectrolino(グレートマクベス社製)(測定条件:D50 視野角2°)を使用した。
ΔE={(L1 *−L2 *)2+(a1 *−a2 *)2+(b1 *−b2 *)2}1/2
L1 *:オリジナル画像の明度
a1 *、b1 *:オリジナル画像の色相と彩度を示す色度
L2 *:複写画像の明度
a2 *,b2 *:複写画像の色相と彩度を示す色度
A:ΔE≦3で良好
B:3<ΔE≦5で良好
C:5<ΔE≦8で実用上問題なし
D:8<ΔE≦10で実用上問題あり
E:10<ΔEで悪い
(ハイブリッド樹脂製造例)
ビニル系重合体ユニット用の単量体として、スチレン2.0mol、2−エチルヘキシルアクリレート0.21mol、フマル酸0.14mol、α−メチルスチレンの2量体0.03mol、架橋剤及び重合開始剤としてジクミルパーオキサイド0.05molを滴下ロートに入れる。また、ポリエステル樹脂ユニットの単量体として、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン7.0mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.0mol、テレフタル酸3.0mol、無水トリメリット酸1.9mol、フマル酸5.0mol及び酸化ジブチル錫0.2gをガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけ、マントルヒーター内においた。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.6mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1.6mol、テレフタル酸1.7mol、無水トリメリット酸1.4mol、フマル酸2.4mol及び酸化ジブチル錫0.12gをガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。窒素雰囲気下で、215℃で5時間反応させ、ポリエステル樹脂を得た。物性値を表1に示す。
・スチレン 70部
・アクリル酸n−ブチル 24部
・マレイン酸モノブチル 6部
・ジ−t−ブチルパーオキサイド 1部
上記各成分を、キシレン200部を入れた4つ口フラスコ内を撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換し、120℃に昇温させた後3.5時間かけて滴下した。更にキシレン還
流後下で重合を完了させ、その後減圧下で溶媒を蒸留除去し、スチレン−アクリル樹脂を得た。物性値を表1に示す。
(含水MB1の作製:第1の溶融混練工程〜含水MBの作製)
第1の溶融混練工程を以下の方法で行い、含水MB1を作製した。
・ハイブリッド樹脂 60部
・ペースト状イエロー顔料 114部
(P.Y.17;固形分35wt%、水分65wt%)
含水MB1の作製の際の加熱時間、温度を変えて、含水MB1と同様に作製し、表2に示す含水率を有する含水MB2、3、5、11をそれぞれ作製した。
第1の溶融混練工程を加圧下(0.15MPa)で行うことを除いては、含水MB1と同様に作製し、表2に示す含水MB4を作製した。
表2に示すように、第1の結着樹脂としてポリエステル樹脂70部、顔料としてペースト状イエロー顔料(P.Y.17;固形分60質量%、水分40質量%)50部、さらに
水10部とを用いて、含水率17質量%、顔料粒子の体積平均粒径81nmの含水MB6を作製した。
表2に示すように、第1の結着樹脂としてハイブリッド樹脂60部、顔料としてペースト状マゼンタ顔料(P.R.122;固形分25質量%、水分75質量%)160部とを
用いて、含水率16質量%、顔料粒子の体積平均粒径64nmの含水MB7を作製した。
表2に示すように、第1の結着樹脂としてハイブリッド樹脂60部、顔料としてペースト状シアン顔料(P.B.15:3;固形分50質量%、水分50質量%)80部とを用
いて、含水率12質量%、顔料粒子の体積平均粒径75nmの含水MB8を作製した。
表2に示すように、第1の結着樹脂としてスチレン/アクリル樹脂50部、顔料として乾燥粉末イエロー顔料(P.Y.17)50部、さらに水10部とを用いて、含水率8質
量%、顔料粒子の体積平均粒径110nmの含水MB9を作製した。
含水MB1と同様にして作製することに加え、マスターバッチ中に残った水分を常圧下において乾燥させて、含水率0.7質量%、顔料粒子の体積平均粒径132nmの乾燥マスターバッチ10を作製した。
表2に示すように、第1の結着樹脂としてハイブリッド樹脂91部、顔料として乾燥粉末イエロー顔料(P.Y.17)9部とを用いて、マスターバッチを作製し、ついで常圧
下において乾燥させて、含水率0.1質量%、顔料粒子の体積平均粒径205nmの乾燥マスターバッチ12を作製した。
表2に示すように、第1の結着樹脂としてハイブリッド樹脂39部、顔料として乾燥粉末イエロー顔料(P.Y.17)61部、さらに水30部とを用いて含水MBを作製し、
含水率26質量%、顔料粒子の体積平均粒径93nmの含水MB13を作製した。
<トナーの作製>
(第2の混練工程〜トナーの作製)
第2の混練工程を以下の方法で行い、トナー1を作製した。
・ハイブリッド樹脂 89.5部
・精製ノルマルパラフィン(融点78℃) 4部
・1、4-ジ-t-ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 2部
・含水MB1 20.1部
上記材料を十分にヘンシェルミキサーにより予備混合を行い、二軸押出し混練機の設定温度を120℃として溶融混練し(混練物温度Tmix2:126℃)、第2の混練物を得、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で20μm以下の粒径に微粉砕した。さらに得られた微粉砕物を分級装置(エルボジェット分級機)を用いて分級し、イエロー粒子1(分級品)を得た。トナー
の組成、物性を表3に示す。
実施例1のトナー1の製造において、表3に示すように含水MB2を21.5部用いたこと以外はほぼ同様にしてトナー2を得た。トナーの組成、物性を表3に示す。実施例1と同様に各種評価したところ、表4に示すように良好な結果が得られた。
実施例1のトナー1の製造において、表3に示すように含水MB3を18.4部用いたこと以外はほぼ同様にしてトナー3を得た。トナーの組成、物性を表3に示す。実施例1と同様に各種評価したところ、表4に示すように良好な結果が得られた。
実施例1のトナー1の製造において、表3に示すように含水MB4を23.0部用いたこと以外はほぼ同様にしてトナー4を得た。トナーの組成、物性を表3に示す。実施例1と同様に各種評価したところ、表4に示すように良好な結果が得られた。
実施例1のトナー1の製造において、表3に示すように含水MB5を17.9部用いたこと以外はほぼ同様にしてトナー5を得た。トナーの組成、物性を表3に示す。実施例1と同様に各種評価したところ、表4に示すように良好な結果が得られた。
実施例1のトナー1の製造において、表3に示すように含水MB5を17.9部用い、二軸押出し混練機の設定温度を130℃として溶融混練(混練物温度Tmix2:142℃)したこと以外はほぼ同様にしてトナー6を得た。トナーの組成、物性を表3に示す。実施例1と同様に各種評価したところ、表4に示すようにOHP透過度、カブリ、帯電変化、色再現性が若干劣るものの良好な結果が得られた。
実施例1のトナー1の製造において、表3に示すように含水MB5を17.9部用い、二軸押出し混練機の設定温度を140℃として溶融混練(混練物温度Tmix2:151℃)したこと以外はほぼ同様にしてトナー7を得た。トナーの組成、物性を表3に示す。実施例1と同様に各種評価したところ、表4に示すようにDt/Dmが大きくなり、OH
P透過度、カブリ、帯電変化、色再現性が少し劣るが、実用上問題のない結果が得られた。
実施例1のトナー1の製造において、表3に示すように第2の結着樹脂としてハイブリッド樹脂83.7部、含水MB6を28.1部用いたこと以外はほぼ同様にしてトナー8を得た。トナーの組成、物性を表3に示す。実施例1と同様に各種評価したところ、表4に示すように良好な結果が得られた。
実施例1のトナー1の製造において、表3に示すように第2の結着樹脂としてハイブリッド樹脂88.0部、含水MB7を23.8部用いたこと以外はほぼ同様にしてトナー9を得た。トナーの組成、物性を表3に示す。実施例1と同様に各種評価したところ、表4に示すように分級品の帯電立ち上り、カブリ、帯電変化が若干劣るものの良好な結果が得られた。
実施例1のトナー1の製造において、表3に示すように第2の結着樹脂としてハイブリッド樹脂92.5部、含水MB8を14.2部用い、離型剤を用いなかったこと以外はほぼ同様にしてトナー10を得た。トナーの組成、物性を表3に示す。カラー複写機CLC−1000(キヤノン(株)製)の定着ユニットを用い、実施例1と同様に各種評価したところ、表4に示すように良好な結果が得られた。
実施例1のトナー1の製造において、表3に示すように第2の結着樹脂としてハイブリッド樹脂93.0部、含水MB9を15.2部用い、離型剤を用いなかったこと以外はほぼ同様にしてトナー11を得た。トナーの組成、物性を表3に示す。カラー複写機CLC−1000(キヤノン(株)製)の定着ユニットを用い、実施例1と同様に各種評価したところ、表4に示すように分級品の帯電立ち上り、OHP透過度、カブリ、帯電変化、色再現性が少し劣るが、実用上問題のない結果が得られた。
実施例1のトナー1の製造において、表3に示すように第2の結着樹脂としてハイブリッド樹脂89.5部、乾燥着色剤マスターバッチ(以下、「乾燥MB」ともいう)10を17.6部用いたこと以外はほぼ同様にしてトナー12を得た。トナーの組成、物性を表3に示す。実施例1と同様に各種評価したところ、表3及び表4に示すように第2の混練物温度Tmix2が高く、トナー中の顔料粒径Dtがかなり大きくなっており、OHPの透過度が悪く、耐久後のカブリ、帯電変化、色再現性ともに悪いものであった。
実施例1のトナー1の製造において、表3に示すように第2の結着樹脂としてハイブリッド樹脂89.5部、含水MB11を24.0部用いたこと以外はほぼ同様にしてトナー13を得た。トナーの組成、物性を表3に示す。実施例1と同様に各種評価したところ、表3及び表4に示すようにトナー中の顔料の大きな凝集塊が発生しており、OHPの透過度、帯電の立ち上りが非常に悪いものであった。また、耐久検討途中でのカブリ、色再現性とも非常に悪く評価を中止した。
実施例1のトナー1の製造において、表3に示すように第2の結着樹脂としてポリエステル樹脂29.2部、乾燥MB12を77.9部用いたこと以外はほぼ同様にしてトナー
14を得た。トナーの組成、物性を表3に示す。実施例1と同様に各種評価したところ、表3及び表4に示すように混練物温度Tmix2が高く、トナー中の顔料粒径Dtがかなり大きくなっており、全ての評価において非常に悪いものであった。
実施例1のトナー1の製造において、表3に示すように第2の結着樹脂としてハイブリッド樹脂95.5部、含水MB13を15.5部用いたこと以外はほぼ同様にしてトナー15を得た。トナーの組成、物性を表3に示す。実施例1と同様に各種評価したところ、表3及び表4に示すようにトナー中の顔料の大きな凝集塊が発生しており、OHPの透過度、帯電の立ち上りが非常に悪いものであった。また、耐久検討途中でのカブリ、色再現性とも非常に悪く評価を中止した。
52 測定容器
53 スクリーン
54 フタ
55 真空計
56 風量調節弁
57 吸引口
58 コンデンサー
59 電位計
Claims (13)
- 第1の結着樹脂、着色剤及び水を少なくとも含む混合物を加熱混練して第1の混練物を得、該第1の混練物を含水率2〜25質量%となるように水分量を調整して含水着色剤マスターバッチを得る第1の溶融混練工程と、
第2の結着樹脂及び前記含水着色剤マスターバッチを少なくとも含有するトナー原料混合物を溶融混練し、第2の混練物を得る第2の溶融混練工程と、
前記第2の混練物を粉砕する粉砕工程とを含むトナーの製造方法。 - 前記第1の溶融混練工程において、第1の混練物を含水率3〜20質量%となるように水分量を調整して含水着色剤マスターバッチを得ることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
- 前記第1の溶融混練工程における着色剤及び水が、ペースト顔料であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナーの製造方法。
- 前記第1の溶融混練工程において、前記着色剤が乾燥粉末状顔料であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナーの製造方法。
- 前記第1の溶融混練工程において、第1の混練物の温度(Tmix1)が80〜120℃であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
- 前記含水着色剤マスターバッチ中の着色剤は、体積平均粒径Dmが5〜300nmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
- 前記第1の結着樹脂は、軟化点温度(Tm1)が80〜120℃であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
- 前記第2の結着樹脂は、軟化点温度(Tm2)が85〜135℃であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
- 前記第2の溶融混練工程における第2の混練物温度をTmix2としたとき、第2の結着樹脂の軟化点温度(Tm2)に対して、下記式を満たすことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
Tmix2≦Tm2+30(℃) - 前記トナー中の着色剤の体積平均粒径Dtが、10〜500nmであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
- 前記含水着色剤マスターバッチ中の着色剤の体積平均粒径をDmとし、トナー中における着色剤の体積平均粒径をDtとしたとき、下記式を満たすことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
Dt/Dm<2.5 - 前記第1の溶融混練工程において、前記第1の結着樹脂と着色剤との割合が固形分質量換算で90:10〜40:60であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
- 前記第1の溶融混練工程において、前記着色剤の固形分質量100質量部に対して、水の質量が6〜400質量部であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の
トナーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003378737A JP2005141081A (ja) | 2003-11-07 | 2003-11-07 | トナーの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003378737A JP2005141081A (ja) | 2003-11-07 | 2003-11-07 | トナーの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005141081A true JP2005141081A (ja) | 2005-06-02 |
Family
ID=34689022
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003378737A Pending JP2005141081A (ja) | 2003-11-07 | 2003-11-07 | トナーの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005141081A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009222956A (ja) * | 2008-03-17 | 2009-10-01 | Ricoh Co Ltd | 電子写真用フルカラートナーの製造方法 |
US8114562B2 (en) | 2007-02-02 | 2012-02-14 | Canon Kabushiki Kaisha | Two-component developer, replenishing developer, and image-forming method |
JP7071602B1 (ja) | 2022-02-08 | 2022-05-19 | 大日精化工業株式会社 | マスターバッチの製造方法 |
-
2003
- 2003-11-07 JP JP2003378737A patent/JP2005141081A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8114562B2 (en) | 2007-02-02 | 2012-02-14 | Canon Kabushiki Kaisha | Two-component developer, replenishing developer, and image-forming method |
JP2009222956A (ja) * | 2008-03-17 | 2009-10-01 | Ricoh Co Ltd | 電子写真用フルカラートナーの製造方法 |
JP7071602B1 (ja) | 2022-02-08 | 2022-05-19 | 大日精化工業株式会社 | マスターバッチの製造方法 |
WO2023152993A1 (ja) * | 2022-02-08 | 2023-08-17 | 大日精化工業株式会社 | マスターバッチの製造方法 |
JP2023115828A (ja) * | 2022-02-08 | 2023-08-21 | 大日精化工業株式会社 | マスターバッチの製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4343672B2 (ja) | フルカラー画像形成用カラートナー | |
JP2009271545A (ja) | トナーの製造方法 | |
JP2007025633A (ja) | 非磁性トナーとその製造方法、現像剤、オイルレス定着方法及び画像形成方法 | |
JPH0830028A (ja) | 静電荷像現像用トナー | |
JP4280668B2 (ja) | フルカラートナーキット | |
US10018932B1 (en) | Electrostatic latent image developing toner | |
JP3876157B2 (ja) | 荷電制御樹脂粒子及び静電荷像現像用トナー | |
JP2000267338A (ja) | 電子写真用トナー、二成分系現像剤、及び画像形成方法 | |
JP4498100B2 (ja) | イエロートナー | |
JP4537291B2 (ja) | トナー用ワックスおよびこれらのワックスを用いたトナー | |
JP3950676B2 (ja) | イエロートナー | |
JP4594036B2 (ja) | イエロートナー及び画像形成方法 | |
JP4934415B2 (ja) | トナー | |
JP6337839B2 (ja) | 静電潜像現像用トナー及びその製造方法 | |
JP2005141081A (ja) | トナーの製造方法 | |
JP3780202B2 (ja) | フルカラー用トナー及びその製造方法 | |
JP4136780B2 (ja) | カラー二成分系現像剤 | |
JP2007114740A (ja) | 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法 | |
JP2003223018A (ja) | 静電荷像現像用カラートナー | |
JP2005106932A (ja) | イエロートナー | |
JP3927805B2 (ja) | イエロートナー | |
JP4957253B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー | |
JP5473452B2 (ja) | トナーの製造方法 | |
JP2005352131A (ja) | カラートナーの製造方法及びカラートナー | |
JP3486534B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20061101 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080911 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080924 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081125 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090728 |