JP2005139426A - 無溶剤の常温硬化型シリコーン樹脂塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 苛酷な条件下でも亀裂や剥離の生じない、耐熱性、耐溶剤性及び耐候性に優れた塗膜を形成し得る常温硬化型シリコーン樹脂塗料組成物を提供すること。
【解決手段】 次の成分(A)及び(B)
(A)側鎖として1個以上の炭素数1〜5のアルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン
(B)シランカップリング剤
を含有することを特徴とする無溶媒の常温硬化型シリコーン樹脂塗料組成物、及び該組成物からなる一液型塗料。
【選択図】 なし
【解決手段】 次の成分(A)及び(B)
(A)側鎖として1個以上の炭素数1〜5のアルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン
(B)シランカップリング剤
を含有することを特徴とする無溶媒の常温硬化型シリコーン樹脂塗料組成物、及び該組成物からなる一液型塗料。
【選択図】 なし
Description
本発明は、無溶剤かつ常温での硬化性に優れた常温硬化型シリコーン樹脂塗料組成物に関し、さらに詳細には、金属、コンクリート、石材等に塗布した場合に強固な密着性を有し、かつ苛酷な条件下でも塗膜性状を失わず、剥離、亀裂等を生じない塗膜を形成し得る、耐熱性、耐溶剤性及び耐候性に優れた、無溶剤タイプの一液型塗料に関する。
通常、塗料は塗膜形成要素以外に多量の溶剤を含有している。溶剤としては、主に有機溶剤が用いられており、当該有機溶剤の多くは可燃性であって危険物取扱指定を受けている。また、有機溶剤はアレルギーの原因となることが多く、トンネル内等の狭い空間での塗装等においては使用が制限されることがある。さらに有機溶剤の使用は地球環境汚染の点でも問題を有する。
かかる観点から近年、無溶剤塗料として、水系エマルジョン塗料や粉体塗料が開発されているが、これらの塗料は塗料本来の性質の点で十分満足できるものとは言い難い。これに対し、液状オルガノポリシロキサンに、有機金属化合物からなる架橋剤、亜鉛、コバルト、アルミニウム又はスズの1種又は2種以上の含金属有機化合物からなる硬化触媒及び触媒反応ブロッキング剤を一定量配合した、無溶剤の常温硬化型オルガノポリシロキサン組成物が、塗料として有用であることが報告されている(特許文献1)。
しかしながら、当該塗料により得られる塗膜は、金属硬化触媒及び触媒反応ブロッキング剤を含有するため、塗膜の耐熱性及び耐溶剤性が低下するなどの問題点を有する。例えば、200℃、0.5時間処理の耐熱性試験においては、塗膜に亀裂が生じ、また、キシレン中への5分間浸漬による耐溶剤性試験においては、膜剥離が生じる。
特公平7−72250号公報
従って本発明の目的は、常温での硬化性に優れ、かつ、苛酷な条件下でも亀裂や剥離を生じない塗膜を形成し得る、無溶剤の一液型塗料を実現し得る常温硬化型シリコーン樹脂塗料組成物を提供することにある。
そこで本発明者らは、無溶剤で、常温でも硬化時間が短かく、かつ、耐熱性、耐溶剤性等に優れた塗膜を形成し得る常温硬化型シリコーン樹脂塗料組成物を得るべく種々検討した結果、全く意外にも側鎖として1個以上の炭素数1〜5のアルコキシ基を有するオルガノポリシロキサンに、シランカップリング剤を併用すれば、何ら含金属有機化合物からなる硬化触媒や触媒反応ブロッキング剤を配合しなくとも、耐熱性、耐溶剤性等に優れ、苛酷条件下でも亀裂や剥離を生じない、耐候姓に優れた塗膜が得られる、無溶剤の常温硬化型シリコーン樹脂塗料組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)次の成分(A)及び(B)
(A)側鎖として1個以上の炭素数1〜5のアルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン(以下、これを「アルコキシ基含有オルガノポリシロキサン」と略称することがある。)
(B)シランカップリング剤
を含有することを特徴とする無溶剤の常温硬化型シリコーン樹脂塗料組成物、
(2)(1)に記載の常温硬化型シリコーン樹脂塗料組成物からなることを特徴とする一液型塗料、
である。
(1)次の成分(A)及び(B)
(A)側鎖として1個以上の炭素数1〜5のアルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン(以下、これを「アルコキシ基含有オルガノポリシロキサン」と略称することがある。)
(B)シランカップリング剤
を含有することを特徴とする無溶剤の常温硬化型シリコーン樹脂塗料組成物、
(2)(1)に記載の常温硬化型シリコーン樹脂塗料組成物からなることを特徴とする一液型塗料、
である。
本発明の常温硬化型シリコーン樹脂塗料組成物は、無溶剤であるにもかかわらず、常温でも十分に塗膜が硬化し、得られる塗膜は十分な硬度を有するとともに、耐熱性、耐溶剤性及び耐候性に優れ、苛酷な条件でも長期間、亀裂や剥離を生じない。さらに、本発明の常温硬化型シリコーン樹脂塗料組成物により得られる塗膜は、シリコーン以外の含金属有機化合物等の成分を含有しないシリコーン系であることから、撥水性及び撥油性に優れており、地下道、橋脚等の施設やビルの内外壁、塀等に施工した場合、その塗膜上になされたラッカースプレー塗料やインキ等による落書きや貼紙等の除去が簡単にでき、汚染除去や環境向上に有用である。
本発明の常温硬化型シリコーン樹脂塗料組成物に使用するアルコキシ基含有オルガノポリシロキサンとしては、一般式(1)
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立にメチル基又はフェニル基より選ばれる同一もしくは異なる基を示し、R3はメチル基、フェニル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基より選ばれる同一もしくは異なる基を示し、n個のR3のうち、少なくとも1個は上記アルコキシ基を示す。また、nは4〜20の数を示す。)
で表されるオルガノポリシロキサン(以下、これを「アルコキシ基含有オルガノポリシロキサン(1)」と略称することがある。)であるのが好ましい。
で表されるオルガノポリシロキサン(以下、これを「アルコキシ基含有オルガノポリシロキサン(1)」と略称することがある。)であるのが好ましい。
上記一般式中、R3で示されるアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基等が挙げられる。これらの中でもメトキシ基が反応性の観点から好ましい。
アルコキシ基含有オルガノポリシロキサン(1)におけるアルコキシ基の含有量は、耐候性に優れた塗膜を形成する観点から、15〜25質量%であるのが好ましい。なお、当該アルコキシ基の含有量には、分子鎖末端のアルコキシ基を含む。
また、R2及びアルコキシ基以外のR3はメチル基又はフェニル基より選ばれる同一もしくは異なる基であるが、メチル基及びフェニル基が混在しているのが好ましい。この場合、塗膜の安定性の観点から、フェニル基含量よりもメチル基含量が多いものが好ましい。アルコキシ基含有オルガノポリシロキサン(1)は、メチル基及びフェニル基の組成が異なるものを、2種以上混合して使用してもよい。
また上記一般式中、nは、平均値として、4〜20の数を示し、アルコキシ基含有オルガノポリシロキサン(1)の平均分子量としては500〜1500であるのが好ましい。分子量が500より小さいときは、低粘度なので好ましくなく、1500より大きい場合には、高粘度となり好ましくない。
アルコキシ基含有オルガノポリシロキサン(1)は市販されており、市販品(例えば、メトキシ変性シリコーン等)を使用することができる。ただし、アルコキシ基含有オルガノポリシロキサンは、混合液の安定性の観点からシラノール基を有さないものを使用するのが好ましい。
本発明の常温硬化型シリコーン樹脂塗料組成物に使用するシランカップリング剤としては、次の一般式(2)
R4(CH2)pSi(CH3)q(X)3-q (2)
(式中、R4は有機官能基を示し、Xは加水分解性基を示す。また、pは0〜5の整数を示し、qは0又は1を示す)
で表されるものが好ましい。ここで、R4が示す有機官能基としては、例えば置換基を有していてもよいアミノ基、グリシドキシ基、メルカプト基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、ビニル基等が挙げられる。Xが示す加水分解性基としては、塩素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基等が挙げられる。シランカップリング剤の具体例としては、例えばγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のビニルシラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の(メタ)アクリロキシ基含有シラン類等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は、単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。これらの中でも、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを使用するのが塗膜の性能の観点から好ましい。これらのシランカップリング剤は市販されており、市販品を使用することができる。
で表されるものが好ましい。ここで、R4が示す有機官能基としては、例えば置換基を有していてもよいアミノ基、グリシドキシ基、メルカプト基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、ビニル基等が挙げられる。Xが示す加水分解性基としては、塩素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基等が挙げられる。シランカップリング剤の具体例としては、例えばγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のビニルシラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の(メタ)アクリロキシ基含有シラン類等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は、単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。これらの中でも、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを使用するのが塗膜の性能の観点から好ましい。これらのシランカップリング剤は市販されており、市販品を使用することができる。
本発明の常温硬化型シリコーン樹脂塗料組成物における成分(B)の含有量は、塗膜の耐久性の観点から、成分(A)及び成分(B)の総量に対して、2〜30質量%であるのが好ましく、5〜30質量%であるのがより好ましい。
本発明の常温硬化型シリコーン樹脂塗料組成物は、成分(A)及び(B)を必須成分として含有するものである。当該常温硬化型シリコーン樹脂塗料組成物は、トルエン、キシレン等の有機溶剤を含有しない無溶剤系であることから、特許文献1で使用しているような、ブロッキング剤としてのアセト酢酸エチルエステル等のケト−エノール型互変異性化合物や、反応遅延剤としてのメタノール、エタノール等のアルコール類等の揮発性化合物は含有しないのが好ましい。ただし、必要に応じて、不揮発性の成分、例えば着色剤;着色顔料、防錆顔料等の顔料類;充填剤、分散剤、可塑剤等の添加剤等を含有することもできる。
本発明の常温硬化型シリコーン樹脂塗料組成物を使用して一液型塗料を製造することができ、取扱い性が良好である。
本発明の常温硬化型シリコーン樹脂塗料組成物は、空気中の水分によって反応を開始するので、使用時、水の添加は必要ではないが、少量水分を添加することもできる。また、このように本発明の常温硬化型シリコーン樹脂塗料組成物は水分の存在によって反応が生じるので、保存は密閉系とするのが好ましく、それにより長期保存が可能である。
また、本発明の常温硬化型シリコーン樹脂塗料組成物からなる塗料は、金属、コンクリート、石材等の無機質及び木材、プラスチック等の有機質に対して塗装できるが、なかでも無機質を対象とするのが特に好ましい。塗装方法は、特に限定されるものではなく、例えばロール式、刷毛塗り、噴霧等が採用できる。塗布時、必要に応じて、対象物に少量の水を供給してもよい。塗装後、常温で数十時間放置することにより硬化するが、必要に応じて加熱(200℃以下)して硬化させてもよい。
次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施に何ら限定されるものではない。以下、特に断りのない限り、「部」は質量部を示し、「%」は「質量%」を示す。
実施例1〜4 塗料(a)〜(d)の製造例
以下の処方(a)〜(d)に従い、塗料(a)〜(d)を作製した。
以下の処方(a)〜(d)に従い、塗料(a)〜(d)を作製した。
(処方a)
1)成分(A):メトキシ変性シリコーン(商品名「DC−3037」,東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、平均分子量:1000、メトキシ基含有率:18%)80部
2)成分(B):ビニルトリエトキシシラン20部
1)成分(A):メトキシ変性シリコーン(商品名「DC−3037」,東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、平均分子量:1000、メトキシ基含有率:18%)80部
2)成分(B):ビニルトリエトキシシラン20部
(処方b)
1)成分(A):メトキシ変性シリコーン(商品名「TSR−165」,東芝シリコーン(株)製、平均分子量:650、メトキシ基含有率:15%)85部
2)成分(B):γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン15部
1)成分(A):メトキシ変性シリコーン(商品名「TSR−165」,東芝シリコーン(株)製、平均分子量:650、メトキシ基含有率:15%)85部
2)成分(B):γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン15部
(処方c)
1)成分(A):メトキシ変性シリコーン(商品名「KS−213」,信越化学工業(株)製、平均分子量:500、メトキシ基含有率:20%)95部
2)成分(B):γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン5部
1)成分(A):メトキシ変性シリコーン(商品名「KS−213」,信越化学工業(株)製、平均分子量:500、メトキシ基含有率:20%)95部
2)成分(B):γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン5部
(処方d)
1)成分(A):メトキシ変性シリコーン(商品名「DC−3074」,東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、平均分子量:1400、メトキシ基含有率:17%)90部
2)成分(B):N−アミノプロピルトリエトキシシラン10部
1)成分(A):メトキシ変性シリコーン(商品名「DC−3074」,東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、平均分子量:1400、メトキシ基含有率:17%)90部
2)成分(B):N−アミノプロピルトリエトキシシラン10部
実施例1〜4で得られた、塗料(a)〜(d)の常温下での硬化時間は何れも指触(タックフリー)5時間、半硬化20時間、完全硬化72時間であった。
比較例1
特公平7−72250号に準拠し、メチル・フェニル系低分子シリコーン(DC3037,東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)40部、メチル・フェニル系低分子シリコーン(商品名「DC3074」,東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)25部、メチル・フェニル系高分子液状シリコーンレジン(商品名「SR2414」,東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)30部、メチルトリメトキシシラン6部の配合品60部と、架橋剤としてフェニルトリメトキシシラン25部、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン5部、テトラ−n−ブチルチタネート4部、アルミニウム・トリセカンダリーブチレート3部、トリメトキシ・ボレート3部の配合品40部を混合し、40℃、60時間養生し、硬化触媒としてジブチル錫アセテート65部、ブロッキング剤としてアセト酢酸エチルエステル25部、反応遅延剤としてメチルアルコール10部の配合品5部を加え攪拌後試料とした(比較試料(a))。
特公平7−72250号に準拠し、メチル・フェニル系低分子シリコーン(DC3037,東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)40部、メチル・フェニル系低分子シリコーン(商品名「DC3074」,東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)25部、メチル・フェニル系高分子液状シリコーンレジン(商品名「SR2414」,東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)30部、メチルトリメトキシシラン6部の配合品60部と、架橋剤としてフェニルトリメトキシシラン25部、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン5部、テトラ−n−ブチルチタネート4部、アルミニウム・トリセカンダリーブチレート3部、トリメトキシ・ボレート3部の配合品40部を混合し、40℃、60時間養生し、硬化触媒としてジブチル錫アセテート65部、ブロッキング剤としてアセト酢酸エチルエステル25部、反応遅延剤としてメチルアルコール10部の配合品5部を加え攪拌後試料とした(比較試料(a))。
比較例2
特公平7−72250号に準拠し、フェニル系低分子シリコーン(商品名「KR−217」,信越化学工業(株)製)52部、メチル・フェニル系低分子シリコーン(商品名「DC3037」,東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)30部、メチルトリメトキシシラン10部、低分子量アクリル樹脂(商品名「BR−101」,三菱レイヨン(株)製)8部の配合品70部と、架橋剤としてメチルトリエトキシシラン5部、フェニルトリメトキシシラン15部、テトラ−n−ブチルチタネート5部、トリメトキシ・ボレート5部の配合品30部とを混合し、60℃、5時間養生し、硬化触媒としてジブチル錫65部、ブロッキング剤としてアセト酢酸エチルエステル25部、反応遅延剤としてメチルアルコール10部の配合品5部を加えて攪拌後試料とした(比較試料(b))。
特公平7−72250号に準拠し、フェニル系低分子シリコーン(商品名「KR−217」,信越化学工業(株)製)52部、メチル・フェニル系低分子シリコーン(商品名「DC3037」,東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)30部、メチルトリメトキシシラン10部、低分子量アクリル樹脂(商品名「BR−101」,三菱レイヨン(株)製)8部の配合品70部と、架橋剤としてメチルトリエトキシシラン5部、フェニルトリメトキシシラン15部、テトラ−n−ブチルチタネート5部、トリメトキシ・ボレート5部の配合品30部とを混合し、60℃、5時間養生し、硬化触媒としてジブチル錫65部、ブロッキング剤としてアセト酢酸エチルエステル25部、反応遅延剤としてメチルアルコール10部の配合品5部を加えて攪拌後試料とした(比較試料(b))。
比較例1、2で得られた比較試料(a)及び(b)の常温下での硬化時間は何れも指触(タックフリー)5〜6時間、半硬化24時間、完全硬化に120時間を要した。
試験例
塗料(a)〜(d)並びに比較試料(a)及び(b)を用い、以下の方法により塗膜物性を評価した。その結果を表1に示す。
塗料(a)〜(d)並びに比較試料(a)及び(b)を用い、以下の方法により塗膜物性を評価した。その結果を表1に示す。
(1)試験体の作成:JIS G3141規定の鋼板基材に吹付法により膜厚25μm(0.025m/m)の塗膜を形成させ試験体とした。
(2)保存性試験:密閉容器内に室温6ヶ月放置し膜面の変化を観察した。
(3)耐熱性試験:JIS K5400−7−1塗膜試験法に準拠。
200℃において30分間加熱後、室温に冷却し、膜面の膨れ、クラック剥離の有無を観察した。
200℃において30分間加熱後、室温に冷却し、膜面の膨れ、クラック剥離の有無を観察した。
(4)耐溶剤性試験:常温下、キシレン浸漬30分で膜面の剥離、膨れ等の有無を観察した。
(5)密着性試験:JIS K−5400−6・15碁盤目試験法に従った。すなわち、塗布面に1.0m/m間隔の碁盤目状の切込を6本づつ入れ、切込んだ碁盤目にセロハンテープ(登録商標)を密着させてはがした。剥離や傷のない場合は25/25。
(6)塗膜の表面硬度試験:K−5400−6・14記載の鉛筆引っかき試験によった。結果はH〜3Hで示した。
表1から明らかなように、本発明の常温硬化型シリコーン樹脂塗料組成物からなる一液型塗料から得られた塗膜は、基材との密着性が高く、硬度も十分であり、また、耐熱性、耐溶剤性及び耐候性に優れていた。
本発明の常温硬化型シリコーン樹脂塗料組成物により得られる塗膜は、耐熱性及び耐溶剤性に優れているだけでなく、耐紫外線性、耐寒性、撥水性、撥油性、電気絶縁性を有しており、広範囲に使用可能である。
Claims (4)
- 次の成分(A)、(B)
(A)側鎖として1個以上の炭素数1〜5のアルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン
(B)シランカップリング剤
を含有することを特徴とする無溶剤の常温硬化型シリコーン樹脂塗料組成物。 - 請求項1又は2に記載の常温硬化型シリコーン樹脂塗料組成物からなることを特徴とする一液型塗料。
- 成分(B)の含有量が、成分(A)及び成分(B)の総量に対して、2〜30質量%であることを特徴とする請求項3に記載の一液型塗料。
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