JP2005129660A - 太陽電池素子とその形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ファイヤースルー法で電極を形成する太陽電池素子において、オーミックコンタクト性および接着強度を確保するとともに、銀喰われの問題を発生させることなく、太陽電池素子の電極を環境問題を考慮した鉛フリー半田で被覆する。
【解決手段】 反射防止膜が形成された半導体接合部を有する半導体基板の表面側に表面電極を設けるとともに裏面側に裏面電極を設け、これら電極を半田で被覆した太陽電池素子において、前記表面電極もしくは裏面電極を被覆する半田はAgを3.5〜6.5重量%、Biを0.5〜12重量%、Niを0.01〜0.3重量%含有し、残部がSnおよび不可避不純物からなることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は太陽電池素子とその形成方法に関し、特に電極の表面が半田で被覆された太陽電池素子とその形成方法に関する。
従来のシリコン太陽電池の代表的な製造工程を図2に示す。まず、図2(a)のようにP型半導体基板1を準備する。そして、図2(b)に示すように、半導体基板1をN型不純物雰囲気中で熱処理などして、半導体基板1の表面側近傍全面に一定の深さまでN型不純物を拡散させてN型を呈する拡散層2を形成する。次に、図2(c)に示すように、半導体基板1の表面側にCVD法などで反射防止膜3を形成する。次に、拡散層2を分離した後、表面側に表面電極4を形成するとともに、裏面側に出力取出電極6と集電電極5とを形成することよって図2(d)に示すような太陽電池素子を得る。
表面電極4は例えば反射防止膜3の上に表面電極材料を塗布して焼成することによって表面電極材料の下の反射防止膜3を溶融させて半導体基板1と直接接触させるいわゆるファイヤースルー法で形成される。電極材料としては、0.1〜2μm程度の粒径を有する銀粉末100重量部に対して、10〜30重量部の有機ビヒクル、0.1〜5重量部のガラスフリットから成るペースト状の電極材料などが用いられている。しかし、この方法によれば表面電極材料が反射防止膜3を突き破りにくく、安定したオーミック接触が得られず、表面電極4の接着強度も充分なものが得られないという問題があった。
この問題を回避するために、反射防止膜3上に焼き付ける電極材料にTi、Bi、Co、Zn、Fe、Cr、Pもしくはこれらの酸化物のうちのいずれか一種または複数種を含有させることが行われている(例えば特許文献1参照)。この方法によれば電極のオーミックコンタクト性がよく接着強度の強い太陽電池素子を得ることができる。
さらに、これらの表面電極4は長期信頼性の確保および後工程で太陽電池素子同士を接続するインナーリード(不図示)と接続するために半田で被覆される。このときの半田材料としては一般に62Sn−38Pb共晶半田が使用される。このSn−Pb共晶半田は融点が183℃であり、電極への半田被覆は190〜200℃程度で行われる。またインナーリードは厚み100μm程度のCu箔を半田で被覆したものが一般的に用いられている。
一方、近年、人体への鉛の影響が叫ばれて鉛を含まないいわゆる鉛フリー半田とよばれる半田材料が盛んに検討されている。鉛フリー半田の例としてはSn−Bi系半田、Sn−Zn系半田、Sn−Ag系半田、Sn−Cu系半田、Sn−In系半田等が挙げられる。このうち太陽電池には3〜89重量%のBiを含有したSn−Bi−1.3Ag系半田や、3.5〜4.5重量%のAgを含有したSn−Ag系半田を使用することが提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開2001−313400号公報 特開2002−217434号公報
ところで、表面電極4にTi、Bi、Co、Zn、Fe、Cr、Pもしくはこれらの酸化物のうちのいずれか一種または複数種からなる添加剤を用いた太陽電池でSn−Bi系半田を用いた場合は熱ショック(ヒートサイクル)を加えると出力が低下するという問題があった。これは半田が柔軟性に劣るために熱ショック(ヒートサイクル)による応力を吸収しきれずに太陽電池素子のうち機械的に最も弱い部分、例えば電極部分、特に裏面側の熱膨張係数の異なるAl、Ag、Siが重なる部分などにマイクロクラック等の劣化原因を生じることによる。
また、3.5〜4.5重量%の銀を含有したSn−Ag系半田では電極中の銀が半田中に取り込まれることを防止するために、作業温度を半田融点(液相線)により近づけた状態で(230〜235℃)半田被覆を行っていた。しかし、この場合には半田の流動性が低下し、電極を被覆する半田の量が多くなって半田の厚みが厚くなるという半田盛りの問題があった。このような半田盛りが発生すると、後工程である出力取り出し用のインナーリードを取り付ける際に余剰な半田がはみ出してできる半田突起等が発生しやすくなり、太陽電池素子の割れの原因となる。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、ファイヤースルー法で形成する電極のオーミックコンタクト性と接着強度を確保するとともに、熱ショック(ヒートサイクル)による出力の低下の問題、電極の銀喰われの問題、および半田盛の問題を解消した太陽電池素子を提供するとともに、環境問題を考慮した鉛フリー半田を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る太陽電池素子によれば、反射防止膜が形成された半導体接合部を有する半導体基板の表面側に表面電極を設けるとともに裏面側に裏面電極を設け、これら電極を半田で被覆した太陽電池素子において、前記表面電極もしくは裏面電極を被覆する半田はAgを3.5〜6.5重量%、Biを0.5〜12重量%、Niを0.01〜0.3重量%含有し、残部がSnおよび不可避不純物からなることを特徴とする。
このとき前記半田はAgを4.5〜5.5重量%、Biを0.5〜7重量%、Niを0.01〜0.3重量%含有し、残部がSnおよび不可避不純物からなればさらによい。
また、前記半田はGaを5〜1000ppm含有していたほうがよい。
前記半田はPを10〜1000ppm含有していたほうがよい。
前記半田はGeを5〜1000ppm含有していてもよい。
さらに、本発明に係る太陽電池素子の表面電極はTi、Bi、Co、Zn、Zr、Fe、Cr、Pまたはこれらの酸化物のうちのいずれか一種または複数種を含有していたほうがよい。
また、本発明の請求項7に係る太陽電池素子の形成方法によれば、半導体基板の表面側に形成された反射防止膜部分に、銀を主成分とする電極材料を塗布して焼き付けることによって表面電極を形成し、その表面に半田を被覆してなる太陽電池素子の形成方法において、前記半田はAgを3.5〜6.5重量%、Biを0.5〜12重量%、Niを0.01〜0.3重量%含有し、残部がSnおよび不可避不純物からなることを特徴とする。
このとき前記半田はAgを4.5〜5.5重量%、Biを0.5〜7重量%、Niを0.01〜0.3重量%含有し、残部がSnおよび不可避不純物からなればさらによい。
また前記電極材料はTi、Bi、Co、Zn、Zr、Fe、Cr、Pまたはこれらの酸化物のうちのいずれか一種または複数種を含有していたほうがよい。
本発明に係る太陽電池素子では、表面電極もしくは裏面電極を被覆する半田は、Agを3.5〜6.5重量%、Biを0.5〜12重量%、Niを0.01〜0.3重量%含有し、残部がSnおよび不可避不純物からなることから、鉛フリーで銀喰われおよび半田盛とも良好な半田で表面電極もしくは裏面電極を被覆することができる。
このときAgを4.5〜5.5重量%、Biを0.5〜7重量%、Niを0.01〜0.3重量%、残部がSnおよび不可避不純物からなることによって、半田の使用温度範囲を広げることができるため、作業温度の管理を緩めることができるとともに、長期信頼性を確保することも可能になる。
また、Gaを5〜1000ppm含有させることによって、半田の酸化防止の効果が得られ、浸漬式や噴流式などの半田が空気と触れる方法でも、電極表面に半田被覆する作業を行なうことができる。この効果はPを10〜1000ppmもしくはGeを5〜1000ppm含有させても得ることができる。
さらに、表面電極にTi、Bi、Co、Zn、Zr、Fe、Cr、Pまたはこれらの酸化物のうちのいずれか一種または複数種を含有していれば、ファイヤースルー法で形成された表面電極でも充分なオーミックコンタクトと接着強度を得ることができる。
また、請求項7に係る太陽電池素子の製造方法では、半導体基板の表面側に形成された反射防止膜部分に、銀を主成分とする電極材料を塗布して焼き付けることによって表面電極を形成し、その表面に半田を被覆してなる太陽電池素子の形成方法において、前記半田はAgを3.5〜6.5重量%、Biを0.5〜12重量%、Niを0.01〜0.3重量%含有し、残部がSnおよび不可避不純物からなることから、鉛フリーで銀喰われおよび半田盛が良好な半田で表面電極を被覆することができる。
以下、本発明を添付図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明の太陽電池素子の構造を示す断面図である。図1において、1は半導体基板、2は拡散層、3は反射防止膜、4はBSF層、5は表面電極、6は裏面電極、7は表面半田層、8は裏面半田層を示す。
まず、半導体基板1を用意する。この半導体基板1は単結晶または多結晶シリコンなどから成る。この半導体基板1は、ボロン(B)などの一導電型半導体不純物を1×1016〜1018atoms/cm程度含有し、比抵抗1.5Ω・cm程度の基板である。単結晶シリコンの場合は引き上げ法などで形成され、多結晶シリコンの場合は鋳造法などで形成される。多結晶シリコンは大量生産が可能で製造コスト面で単結晶シリコンよりも有利である。引き上げ法や鋳造法で形成されたインゴットを15cm×15cm程度の大きさに切断して300μm程度の厚みにスライスしてシリコン基板とする。
次に、基板1の切断面を清浄化するために表面をフッ酸やフッ硝酸などでごく微量エッチングする。
次に、半導体基板1を拡散炉中に配置してオキシ塩化リン(POCl)などの中で加熱することによって半導体基板1の表面部分にリン原子を拡散させてシート抵抗が30〜300Ω/□の他の導電型を呈する拡散層2を形成する。
次に、半導体基板1の表面側のみを残して他の部分を除去した後、純水で洗浄する。この半導体基板1の表面側以外の除去は、半導体基板1の表面側にレジスト膜を塗布し、フッ酸と硝酸の混合液を用いてエッチング除去した後、レジスト膜を除去することによって行なう。
次に、半導体基板1の表面側に反射防止膜3を形成する。この反射防止膜3は例えば窒化シリコン膜などから成り、例えばシラン(SiH)とアンモニア(NH)との混合ガスをグロー放電分解してプラズマ化させて堆積させるプラズマCVD法などで形成される。この反射防止膜3は半導体基板1との屈折率差などを考慮して屈折率が1.8〜2.3程度になるように形成され、厚み500〜1000Å程度の厚みに形成される。この窒化シリコン膜3は形成する際にパッシベート効果があり、反射防止の機能と併せて太陽電池の電気特性を向上させる効果がある。次に、裏面にアルミニウムペーストなどを塗布して焼き付けることによってBSF層4を形成する。
そして、表裏面に電極材料を塗布して焼き付けることよって表面電極5および裏面電極6を形成する。この電極材料は銀と有機ビヒクルとガラスフリットを銀100重量部に対してそれぞれ10〜30重量部、0.1〜5重量部を添加してぺースト状にしたものであり、これをスクリーン印刷法で印刷して600〜800℃で1〜30分程度焼成することよって焼き付ける。
この際に用いられる有機ビヒクルは粉末状のものをペースト状にするために用いられる樹脂であり、例えばセルロース系やアクリル系のものがある。これらは400℃程度で分解して揮散するため焼成後の電極5、6にはその成分は残らない。
また、ガラスフリットは焼き付けた電極5、6に強度を持たすために用いられる。ガラスフリットは、鉛、ホウ素、珪素等の酸化物を含み、300〜600℃程度の種々の軟化点をもつものがあるが、焼成後に一部は電極5、6中に残るが一部はシリコンと溶着するために、電極5、6と半導体基板1とを接着する機能を持つ。なお、図1中、9は裏面側のアルミニウム電極である。
表面電極5と裏面電極6との表面には、長期信頼性の確保および後工程で太陽電池素子同士を接続するためのインナーリード(不図示)を接続するために半田7、8を被覆する。
本発明によれば表面電極5を被覆する半田7は、Agを3.5〜6.5重量%、Biを0.5〜12重量%、Niを0.01〜0.3重量%含有し、残部がSnおよび不可避不純物からなる半田とする。
Snは半田を構成する主成分である。
Biは作業温度を下げて電極材料のAgが半田中に取り込まれる銀喰われを防止する作用をなし、その含有量が0.5重量%未満では銀喰われを防止することが充分でなく、またBiの含有量が12重量%を超えると140℃程度の低温で一部の半田が溶け出す可能性があり、太陽電池素子同士をインナーリードで接続して例えば樹脂中に封入することによってモジュール化する際に、太陽電池素子とインナーリードの接続部に熱がかかってインナーリードの接続部が外れるという問題が発生することがある。また、モジュール形成後にも、局部的に加熱されたり、抵抗が高くなったりすることによって発熱し、インナーリードの接続部が外れるという問題が発生することがある。したがって、Biは0.5〜12重量%含有している必要がある。また特に0.5〜7.0重量%含有させれば、139℃で溶融するSn−Bi共晶組成の影響を抑制し、長期信頼性を確保することができる。
また、半田中のAgは、Agを主成分とする電極材料を焼き付けることによって得られる電極のAgとの濡れ性を向上させるとともに、銀喰われを防止するために入れるが、Agの含有量が3.5重量%未満では半田中に電極の銀が取り込まれやすくなる。一方、半田中のAgの含有量が6.5重量%を超えると半田と電極との界面に脆性なAgSnの析出量が増して衝撃に対して弱くなる。したがって、半田中にはAgが3.5〜6.5重量%含有することが望ましい。また、特にAgの含有量を4.5〜5.5重量部にすれば、銀喰われを防止する効果ばかりでなく、液相温度が下がることによって作業温度を下げることができる。
つまり、半田中にAgを多く添加することで銀喰われを抑えることはできるが、液相温度が上昇するために作業温度も上げる必要がある。よって、Sn−Ag2元系では、Agが4.5重量%の場合の液相温度は235℃、5.5重量%の場合の液相温度は250℃なので、銀喰われおよび作業温度を考慮した場合、半田中に添加するAgは4.5〜5.5重量%がより適当である。
また、Niを微量含有させることにより半田合金自体の硬度を低下させ、柔軟性を向上させる効果が得られる。また、ドロスの発生を抑えることができる。これにより半田膜厚の制御がしやすくなったり、太陽電池素子の割れを未然に抑制することができる。
また、出力取り出し用のインナーリードの材質がCuである場合、Niを添加した場合には、半田合金とインナーリードとの接合界面に金属間化合物CuSnではなく(Cu,Ni)Snが形成される。この(Cu,Ni)Snは、CuSnよりも成長速度が遅いため、硬くて脆い金属間化合物層が経時的に厚く成長するのを抑制し、接続信頼性の低下を抑制する効果がある。
このとき、Niの含有量が0.01重量%未満の場合は半田合金自体の硬度低下効果がほとんど得られず、0.3重量%を超える場合は、半田合金自体が脆くなるため好ましくない。
また、この半田にはGaを5〜1000ppm、Pを10〜1000ppm、またはGeを5〜1000ppm含有していることが望ましい。これらGa、Ge、またはPは、複数種を任意に選択して含有させてもかまわない。
GeやPやGaには酸化防止効果があるため、浸漬式や噴流式などの半田が空気と触れる方法でも、電極表面に半田被覆する作業を行なうことができる。このときPが10ppm未満では酸化防止の効果が充分には得られず、1000ppmを超えると半田が脆くなって脆性が増す。GeやGaも5ppm未満では酸化防止の効果が充分には得られず、1000ppmを超えると半田が脆くなり脆性が増すため不適である。
上記半田にはAg、Bi、Ni、SnとGa、Ge、Pのうち任意に選択した元素だけでなく、例えばPb、Cu、Sbなどの不可避元素が含まれうる。本発明においては、Ag、Bi、Ni、SnとGa、Ge、Pのうちの任意に選択した元素の重量の合計を100重量部とする。
本発明においては、この表面電極材料にはTi、Bi、Co、Zn、Zr、Fe、Cr、Pまたはこれらの酸化物のいずれか1種または複数種を含有することが望ましい。電極材料に、Ti、Bi、Co、Zn、Zr、Fe、Cr、Pまたはこれらの酸化物のいずれか1種または複数種を含有させることにより、反射防止膜3上から電極材料を塗布しても、オーミックコンンタクト性が良く電極強度の強い太陽電池素子が得られる。これはこれらの材料が電極材料中に含まれるガラスフリット成分へ作用し反射防止膜とガラスフリットの反応を促進させるからである。よって、表面電極にはTi、Bi、Co、Zn、Zr、Fe、Cr、Pまたはこれらの酸化物のいずれか1種または複数種を含有させることによってファイヤースルー法で形成された表面電極5でも充分なオーミックコンタクトと接着強度を得ることができる。
これらの粒径は0.1〜5μmであることが望ましい。0.1μm未満の場合は電極材料中での分散性が悪くなって十分な電極強度が得られず望ましくない。粒径が5μm以上の場合にはスクリーン印刷性(線切れ、線幅の均一性)が悪くなって十分な電極強度が得られず望ましくない。また、含有量は0.05〜5重量%であることが望ましい。0.05重量%未満では十分な強度が得られず望ましくない。含有量が5重量%を超えると電極材料の線抵抗が増大して望ましくない。
比抵抗が1.5Ω・cmのシリコン基板内の一主面側に、Pを1×1017atoms/cm拡散させて厚み850Åの窒化シリコン膜を形成した。その後、銀と有機ビヒクルとガラスフリットを銀100重量部に対してそれぞれ20重量部、1重量部を添加してぺースト状にした電極材料を電極パターン印刷して700℃で焼き付けた。その後、半田被覆材として、Agを3重量%、3.5重量%、4重量%、6.5重量%、または8重量%含有するとともに、Niを0.1重量%、Biを0.25重量%、0.5重量%、5.0重量%、12重量%、または15重量%含有し、残部がSnからなる半田を用意し、半田ディップ温度を230℃、240℃、250℃に変化させて低温溶融、銀喰われ、半田盛、接合信頼性の傾向をみた。このときの結果を表1に示す。
Figure 2005129660
表1からAgの含有量に関わらず、Biの含有量が15重量%では140℃程度の低温で半田の一部が溶け出すことがわかった。したがって、Bi含有量は12重量%以下でなければならない。また、Biの含有量が0.25重量%の場合には、銀喰われを発生したり、接合信頼性に問題がある。
また、Biの含有量が0.5〜12重量%の範囲では、Agの含有量が3.0重量%だと電極のAgが半田中に取り込まれる銀喰われを起こすため適当ではない。Agの含有量が8重量%では電極とインナーリードとの接合信頼性に問題がある。これは脆性なAgSnが形成されやすいためと考えられる。このためAgの含有量は3.5〜6.5重量%、Biの含有量は0.5〜12重量%でなければならない。
次に、半田被覆材として、Agを4重量%、Biを5重量%含有するとともに、Niを0.005重量%、0.01重量%、0.1重量%、0.3重量%、または0.5重量%含有し、残部がSnからなる半田を用意し、240℃で半田ディップを行った。Niの含有量が0.005重量%の場合は、10%の太陽電池素子に割れが発生した。また、15%の太陽電池素子には半田合金にひび割れが発生した。また、Niを0.5重量%含有する半田は作成することはできなかった。Niの含有量が0.01重量%、0.1重量%、0.3重量%の半田については太陽電池素子の割れ、半田合金の割れともに発生せず、銀喰われ、半田盛、低温溶融、接合信頼性についても表1の結果に示した基準と比較して問題がなかった。
次に、表面電極材料として粒径1μmの酸化チタン粉末と粒径1μmの酸化亜鉛粉末を銀100重量部に対してそれぞれ0.2重量部と0.5重量部含有したペーストを使用して低温溶融、銀喰われ、半田盛、接合信頼性の傾向をみた。その結果、表面電極材料に酸化チタン、酸化亜鉛を加えたときもこのような添加剤を加えなかった場合と全く同様の結果を得ることができた。つまり、裏面電極部分のマイクロクラックの問題も発生せず、半田盛りの問題も発生しなかった。
次に、表面電極材料として粒径1μmの酸化リン粉末を銀100重量部に対して0.5重量部含有するペーストを使用し低温溶融、銀喰われ、半田盛、接合信頼性の傾向をみた。その結果、表面電極材料に酸化リンを加えたときも添加剤を加えなかった場合と全く同様の結果を得ることができた。同様にBi、Co、Zr、Fe、Crについても確認を行い、同様に良好な結果を得た。
さらに、半田被覆の制御が良好となる温度管理幅が広くなる半田組成を見極めるために半田被覆材としてAgを3.5重量%、4.5重量%、5.5重量%、または6.5重量%含有するととも、Biを0.5重量%、3.0重量%、7.0重量%、または12重量%、Niを0.01重量%、0.1重量%、または0.3重量%含有し、残部がSnからなる半田を用意し、半田ディップ温度を220℃、230℃、240℃、250℃、260℃に変化させて銀喰われおよび半田盛の傾向をみた。なお、銀喰われを観察した太陽電池の電極は線幅が200μmで厚みが10〜15μmのものであった。その結果を表2に示す。
Figure 2005129660
Agを3.5重量%または6.5重量%含有する半田を使用した場合、Biの含有量、Niの含有量に関わらず半田ディップ温度が220℃または260℃の条件では銀喰われが発生し、電極強度が低下するとともに、電極内の抵抗が増大することによって太陽電池素子の特性が低下した。Agを4.5重量%または5.5重量%含有する半田ではBiの含有量、Niの含有量に関わらず全ての条件で銀喰われおよび半田盛とも良好な結果を得た。
そこで、銀喰われおよび半田盛に対して良好な結果が得られたAgを3.5重量%または6.5重量%含有するとともにBiを0.5重量%、3.0重量%、7.0重量%、または12重量%、Niを0.01重量%、0.1重量%、または0.3重量%含有し、残部がSnからなる半田を用意し、半田ディップ温度を230℃、240℃、250℃にした条件、およびAgを4.5重量%または5.5重量%含有する半田にBiを0.5重量%、3.0重量%、7.0重量%、または12重量%、Niを0.01重量%、0.1重量%、または0.3重量%含有し、残部がSnからなる半田を用意し、半田ディップ温度を220℃、230℃、240℃、250℃、260℃にした条件について、インナーリードを用いて太陽電池素子同士を接続した後、ガラスとフッ素系樹脂およびPETからなる裏面保護シートとの間にEVAで封入してモジュール化した後、JIS8917に基づき温度サイクル試験を実施した。
その結果、Agの含有量およびNiの含有量に関わらず、Biの含有量が0.5重量%、3.0重量%、7.0重量%の場合は特性の低下は見られなかった。しかし、Biの含有量が12重量%の場合は半田ディップ温度が220℃、260℃の条件で半田表面にひび割れが発生し、インナーリードのはずれも確認された。これにより太陽電池素子の特性は初期に比べ約15%低下した。
以上のことから、Agが4.5〜5.5重量%でBiが0.5〜7.0重量%の場合は、
温度管理幅を広くとれることが判る。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で多くの修正および変更を加えることができる。例えば前記半田は表面電極上に使用したときに特に有効にその効果を発揮するが、裏面電極上に使用することも可能である。
本発明に係る太陽電池素子を示す図である。 従来の太陽電池素子の製造工程を示す図である。
符号の説明
1:半導体基板、2:拡散層、3:反射防止膜、4:BSF層、5:表面電極、6:裏面電極、7:表面半田層、8:裏面半田層

Claims (9)

  1. 反射防止膜が形成された半導体接合部を有する半導体基板の表面側に表面電極を設けるとともに裏面側に裏面電極を設け、これら電極を半田で被覆した太陽電池素子において、前記表面電極もしくは裏面電極を被覆する半田はAgを3.5〜6.5重量%、Biを0.5〜12重量%、Niを0.01〜0.3重量%含有し、残部がSnおよび不可避不純物からなることを特徴とする太陽電池素子。
  2. 前記半田はAgを4.5〜5.5重量%、Biを0.5〜7重量%、Niを0.01〜0.3重量%含有し、残部がSnおよび不可避不純物からなることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池素子。
  3. 前記半田はGaを5〜1000ppm含有することを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池素子。
  4. 前記半田はPを10〜1000ppm含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の太陽電池素子。
  5. 前記半田はGeを5〜1000ppm含有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の太陽電池素子。
  6. 前記表面電極はTi、Bi、Co、Zn、Zr、Fe、Cr、Pまたはこれらの酸化物のうちのいずれか一種または複数種を含有していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の太陽電池素子。
  7. 半導体基板の表面側に形成された反射防止膜部分に、銀を主成分とする電極材料を塗布して焼き付けることによって表面電極を形成し、その表面に半田を被覆してなる太陽電池素子の形成方法において、前記半田はAgを3.5〜6.5重量%、Biを0.5〜12重量%、Niを0.01〜0.3重量%含有し、残部がSnおよび不可避不純物からなることを特徴とする太陽電池素子の形成方法。
  8. 前記半田はAgを4.5〜5.5重量%、Biを0.5〜7重量%、Niを0.01〜0.3重量%含有し、残部がSnおよび不可避不純物からなることを特徴とする請求項7に記載の太陽電池素子の形成方法。
  9. 前記電極材料はTi、Bi、Co、Zn、Zr、Fe、Cr、Pまたはこれらの酸化物のうちのいずれか一種または複数種を含有することを特徴とする請求項7または8に記載の太陽電池素子の形成方法。
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