JP2005120481A - クラフトパルプのecf漂白方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸処理による効率化を最大限に発揮して高白色度のパルプを得ることができ、さらに、塩素系漂白薬品の使用量を低減させ、有機塩素化合物の副生を抑え、漂白排水による環境汚染を抑えることができるクラフトパルプのECF漂白方法を提供する。
【解決手段】クラフトパルプのECF漂白方法において、蒸解処理された未晒パルプを酸素漂白した後、多段漂白する際に、初段二酸化塩素段処理直後に、酸処理段を設け、かつ該酸処理段が、反応温度50〜95℃、反応時間60〜180分、反応終期pH2.0〜4.0からなる漂白条件であることを特徴とするクラフトパルプのECF漂白方法。好ましくは多段漂白段が、二酸化塩素段−酸処理段−アルカリ処理段、またはアルカリ/酸素段−二酸化塩素段、二酸化塩素段−酸処理段−アルカリ処理段、またはアルカリ/酸素段−過酸化水素段−二酸化塩素段、二酸化塩素段−酸処理段−アルカリ/過酸化物段、またはアルカリ/酸素/過酸化物段−二酸化塩素段からなる多段漂白処理であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、クラフトパルプのECF漂白方法に関し、さらに詳しくは、酸処理による効率化を最大限に発揮して高白色度のパルプを得ることができ、さらに、塩素系漂白薬品の使用量を低減させ、有機塩素化合物の副生を抑え、漂白排水による環境汚染を抑えることができるクラフトパルプのECF漂白方法に関するものである。
現在、製紙用化学パルプの漂白においては、多段にわたる漂白処理により実施されている。従来、この多段漂白方法では、漂白剤として塩素系漂白薬品が使用されている。具体的には、塩素処理(C段)、アルカリ抽出(E段)、次亜塩素酸塩処理(H段)、二酸化塩素処理(D段)の組み合わせにより、例えば、C−E−H−D、C/D−E−H−D、C/D−E−H−E−Dなどの漂白シーケンスによって化学パルプの漂白が行われている。ここで、「C/D」とは塩素と二酸化塩素の併用処理である。
しかし、漂白に用いられる塩素系漂白薬品は、漂白時に有機塩素化合物を副生し、この有機塩素化合物を含有する漂白排水が環境汚染を招くことから問題になっている。有機塩素化合物については、一般に、AOX法、例えば、米国環境庁法(EPA METHOD−9020号)によって分析、評価される。
有機塩素化合物の副生を低減・防止するには、塩素系薬品の使用量を低減するか、ないしは使用しないことが最も効果的である。元素状塩素を使用せず塩素系薬品を低減する漂白方法はECF漂白方法と称せられ、このECF漂白方法に使用される漂白剤としては、主に二酸化塩素、酸素、過酸化水素が使用される。塩素系漂白剤を全く使用しない漂白方法は、TCF(トータル・クロリン・フリー)漂白方法と称せられ、このTCF漂白方法に使用される漂白剤としては、主にオゾン、酸素、過酸化水素、過酢酸などの塩素を全く含まない漂白剤が使用される。現在のところ、世界的にはECF漂白方法が主流であり、TCF漂白方法は一部である。
従来より、塩素漂白方法からECF漂白方法へ転換する方法および各種ECF漂白シーケンスがある。(例えば、特許文献1、2参照。)例えば、C−Eo(アルカリ抽出/酸素処理)−H−Dというシーケンスにより漂白を行っていた場合、C段の塩素の代わりに二酸化塩素を使用してH段を無くすか、またはH段の次亜塩素酸塩の代わりに二酸化塩素を使用し、最終段を二酸化塩素として、例えば、D−Eo−D、D−Eo−D−D、D−Eo−DnDのような漂白シーケンス、またEo段に過酸化水素を添加したD−Eop−D、D−Eop−D−D、D−Eop−DnDのような漂白シーケンスとすることができる。ここで、DnDの”n”は、D段とD段の間を洗浄せず中和のみを行う漂白方法であり、Eopは、アルカリ抽出/酸素/過酸化物処理のことである。
現状、製紙用化学パルプの漂白方法はECF漂白が主流であるが、その漂白薬品の二酸化塩素は塩素や次亜塩素酸塩に比べて、環境への影響が少ないが、高価であるので、なるべく添加率を少なくするための最適な条件の探索がなされている。
元素状塩素の不在下において化学パルプを漂白する場合の二酸化塩素使用量を低減する方法として、ヘミセルロース分解酵素でパルプを処理した後、二酸化塩素で漂白すると、使用しない場合に比べ、二酸化塩素の添加率を約20%減添できる方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)が、酵素使用によるパルプ粘度の低下、収率低下などの問題や、酵素処理の反応が基質特異性を有するため、顕著に効果がでないパルプなどが出てくる恐れもあり、酵素自身も安価な試薬ではないため、漂白コストは逆に増大する可能性もある。
二酸化塩素添加率を削減する手段として、二酸化塩素にオゾンを組み合わせて漂白することが記載されており、これによりトータルの二酸化塩素添加率は50%削減できると記載されている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、パルプ粘度は27.5mPa.sから16mPa.sに低下しており、またオゾンを発生するための設備が必要となる点から、既存の工場への導入は容易ではない。
製紙用化学パルプの製造において、二酸化塩素の使用量を低減させる方法として、漂白前あるいは漂白後のpHを1〜3で行い、その直後にアルカリ媒体中で過酸化物と酸素による脱リグニンおよび漂白を行うこと、あるいは二酸化塩素段にキレート剤を添加する方法が開示されている(例えば、特許文献3および特許文献4参照。)。この処理による処理後の白色度は5%程度高くなり、トータル二酸化塩素添加率は対パルプ0.5重量%まで抑えることができたが、比較例は、塩素を含む漂白シーケンスであり、ECF漂白シーケンスの比較例を最終段まで漂白して比較していないため、ECF漂白の削減効果は定かでない。
また、このような二酸化塩素段のpH調整やキレート剤の併用は、その後段での過酸化物と酸素の反応を効率的に行うために、重金属除去効果を主眼としており、本願発明のように、二酸化塩素漂白の効率を上げるものではない。また、これらの方法で処理しても、過酸化物をその直後に使用しない場合もあり、この場合には効果が見られなくなる恐れもある。
なお、酸処理段を設けるシーケンスについては、すでに数多く述べられ、記載されているが(例えば、特許文献5参照。)、これらは多段漂白の前工程や漂白後に設けたものであり、本発明のような、多段漂白の初段二酸化塩素段の後に続くものではない。
特開平4−263687号公報 特開平4−263688号公報 特開平9−87985号公報 特開平9−87986号公報 特開平6−101186号公報
本発明の目的は、酸処理による効率化を最大限に発揮して高白色度のパルプを得ることができ、さらに、塩素系漂白薬品の使用量を低減させ、有機塩素化合物の副生を抑え、漂白排水による環境汚染を抑えることができるとクラフトパルプのECF漂白方法を提供するものである。
本発明者は、一般的に実施されている漂白設備の大幅な変更を必要とせず、高白色度、高品質のパルプを経済的に得ることのできる漂白方法について、鋭意検討した結果、本発明に至った。
本発明のクラフトパルプのECF漂白方法は、蒸解処理された未晒パルプを酸素漂白した後、多段漂白する際に、初段二酸化塩素段処理直後に、酸処理段を設け、かつ該酸処理段が、反応温度50〜95℃、反応時間60〜180分、反応終期pH2.0〜4.0からなる漂白条件であることを特徴とするものである。
上記発明において、多段漂白段が、二酸化塩素段−酸処理段−アルカリ段(またはアルカリ/酸素段)−二酸化塩素段からなる多段漂白処理であることを特徴とする。
また、多段漂白段が、二酸化塩素段−酸処理段−アルカリ段(またはアルカリ/酸素段−過酸化物段)−二酸化塩素段からなる多段漂白処理であることを特徴とする。
さらに、多段漂白段が、二酸化塩素段−酸処理段−アルカリ/過酸化物段(またはアルカリ/酸素/過酸化物段)−二酸化塩素段からなる多段漂白処理であることを特徴とする。
本発明の製紙用パルプの化学漂白方法は、酸処理による効率化を最大限に発揮して高白色度のパルプを得ることができ、さらに、塩素系漂白薬品の使用量を低減させ、有機塩素化合物の副生を抑え、漂白排水による環境汚染を抑えることができる。
以下、本発明のクラフトパルプのECF漂白方法について、詳細に説明する。
木材を蒸解後、酸素漂白して得られるパルプを塩素や次亜塩素酸塩を含まない漂白薬品で漂白する(ECF漂白)際に、初段に二酸化塩素段を用いた直後、アルカリ処理や酸素および過酸化物を含むアルカリ処理による抽出工程が続く従来法に比べ、二酸化塩素段とアルカリ段の間に、酸処理段を設けることにより、漂白全工程における二酸化塩素添加率が少なく済み、高白色度のパルプを得ることができるというものである。
本発明における漂白シーケンスとしては、例えば、D−DA−E−D、D−DA−Eo−D、D−DA−Ep−D、D−DA−Eop−D、D−DA−Eo−P−D、D−DA−E−P−Dなどが挙げられる。
D :二酸化塩素処理
DA :酸処理(主に硫酸使用)
E :アルカリ処理(主に苛性ソーダ使用)
Ep :アルカリ/過酸化物処理(主に過酸化水素使用)
Eop:アルカリ/酸素/過酸化物処理
P :過酸化物処理
以下に本発明の通用例の一つとして、蒸解したパルプを高温高圧酸素漂白したパルプの漂白方法として、Do−DA−E−P−D1、Do−DA−Eo−P−D1の漂白シーケンスについて、具体的に説明する。ここで、Do段は、初段の二酸化塩素漂白であり、D1段は、最終段の二酸化塩素漂白処理を示すものである。
本発明では、蒸解処理した化学パルプに対し、まず、高温高圧酸素漂白処理(O段)を行う。O段の漂白処理におけるパルプ濃度、温度、時間、アルカリ量、酸素量、操作圧力の条件は、一般に行われている条件に準じる。例えば、パルプ濃度は7〜30質量%、好ましくは、10〜20質量%であり、温度は60〜130℃、好ましくは90〜110℃であり、処理時間は20〜150分、好ましくは30〜90分であり、アルカリ量はNaOH換算で絶乾パルプ当たり0.5〜5.0質量%であり、操作圧力は2.45〜9.8×105Pa・s、好ましくは3.43〜7.84×105Pa・sである。O段における漂白処理後のパルプは、洗浄・脱水処理して非塩素漂白に供される。
本発明において、Do段における漂白処理条件は、例えば、パルプ濃度3〜20質量%、好ましくは、5〜15%質量であり、温度30〜110℃、好ましくは40〜90℃、最も好ましくは50〜70℃であり、処理時間は15〜120分、好ましくは、30〜90分であり、漂白反応後の終期pHは1〜7、好ましくは2〜6、最も好ましくは3〜5である。Do段の漂白処理後のパルプは洗浄しないで、DA段処理を行う。DAとは酸処理のことである。
本発明におけるDA段には、漂白薬品を全く添加することなく処理するもので、しいて使用するものは、pH調整用として硫酸、もしくは塩酸である。DA段の条件については、反応温度50〜95℃、反応時間60〜180分、反応終期pH2.0〜4.0の範囲で行う。
E段、Eo段に用いられるアルカリ剤としては、例えば、苛性ソーダ、苛性カリ、石灰、ソーダ灰などが使用できる。中でも、苛性ソーダは、安価であることから好適に使用される。また、好ましくは、0.5〜3質量%である。
Eo段における酸素としては、酸素ガスおよび空気が使用できるが、酸素ガスが好ましい。また、酸素の使用量は絶乾パルプ当たり0.1〜1.0質量%が好適であり、Eo段の操作圧力は、0.0Pa・s〜9.3×105Pa・sであることが好ましい。
P段における過酸化物としては、例えば、過酸化水素、過酸化水素と無機塩類との付加物、過酸化ソーダ、過ギ酸、過酢酸などの無機および有機の過酸化物が使用でき、一般には過酸化水素が好適に使用される。過酸化物の使用量は、100%過酸化水素換算で絶乾パルプ当たり0.05〜2質量%、好ましくは0.1〜1質量%である。
P段のpH調整用として用いられるアルカリ剤は、例えば、苛性ソーダ、苛性カリ、石灰、ソーダ灰などが使用できる。中でも、苛性ソーダは、安価であることから好適に使用される。P段入口pHは、11以上、好ましくは、11.5〜12.5にするのがよい。
本発明におけるD1段の条件については、通常の条件で行われ、例えば、パルプ濃度5〜30質量%、温度40〜90℃、時間1〜4時間、二酸化塩素使用量0.05〜1質量%であり、漂白終期pHは、3.5〜7、好ましくは4.5〜6.5である。
本発明におけるクラフトパルプのECF漂白方法において、蒸解処理された化学パルプを多段漂白する際に、初段二酸化塩素段の後に、酸処理段を設けるものであるが、この酸処理段を設けることにより、作用効果は、脱リグニンが進み、後段の薬品添加率を減少させることができる。
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、実施例において示す「%」は、特に明示しない限り、絶乾パルプ当たりの質量%で示す。なお、過酸化水素(H22)の使用量は、100%H22換算である。
クラフト蒸解後酸素漂白を行ったLBKPを用い、下記の条件に従ってD−DA−E−P−Dの漂白シーケンスによる漂白を行った。なお、使用したLBKPの特性は、白色度51.5%、Kappa価9.6、粘度33.0mPa・sである。
初段D:濃度10%、温度55℃、時間30分、ClO2/0.5%
DA :濃度PC10%、温度55℃、時間90分、終期pH2
E :濃度12%、温度55℃、時間60分、NaOH/0.7%
P :濃度12%、温度70℃、時間90分、H22/0.4%、NaOH/0.5%
D :濃度12%、温度70℃、時間120分、ClO2/0.15%
初段D段終了後、サンプルを水槽より取り出し、DA段の終期pHが2になるように硫酸を適量添加し、攪拌した後、55℃に保持した水槽に入れ反応させた。
洗浄条件:初段D段を除き、各段の反応終了後、パルプ濃度2.5%に希釈し、パルプ濃度20%に脱水し、次段に移行した。
実施例1で使用したパルプを用い、D−DA−E−P−Dの漂白シーケンスにより漂白を行った。漂白条件はDA段の終期pHを3になるように硫酸で調整した。その他の漂白条件は、実施例1の条件と同様に実施した。
実施例1で使用したパルプを用い、D−DA−E−P−Dの漂白シーケンスにより漂白を行った。漂白条件はDA段の終期pHを4になるように硫酸で調整した。その他の漂白条件は、実施例1の条件と同様に実施した。
実施例1で使用したパルプを用い、D−DA−E−P−Dの漂白シーケンスにより漂白を行った。漂白条件はDA段の濃度10%、時間120分、温度55℃、終期pHを3になるように硫酸で調整した。その他の漂白条件は、実施例1の条件と同様に実施した。
実施例1で使用したパルプを用い、D−DA−E−P−Dの漂白シーケンスにより漂白を行った。漂白条件はDA段の濃度10%、時間180分、温度55℃、終期pHを3になるように硫酸で調整した。その他の漂白条件は、実施例1の条件と同様に実施した。
実施例1で使用したパルプを用い、D−DA−E−P−Dの漂白シーケンスにより漂白を行った。漂白条件はDA段の濃度10%、時間90分、温度70℃、終期pHを3になるように硫酸で調整した。その他の漂白条件は、実施例1の条件と同様に実施した。
実施例1で使用したパルプを用い、D−DA−E−P−Dの漂白シーケンスにより漂白を行った。漂白条件はDA段の濃度10%、時間120分、温度70℃、終期pHを3になるように硫酸で調整した。その他の漂白条件は、実施例1の条件と同様に実施した。
実施例1で使用したパルプを用い、D−DA−E−P−Dの漂白シーケンスにより漂白を行った。漂白条件はDA段の濃度10%、時間180分、温度70℃、終期pHを3になるように硫酸で調整した。その他の漂白条件は、実施例1の条件と同様に実施した。
(比較例1)
実施例1で使用したパルプを用い、D−DA−E−P−Dの漂白シーケンスにより漂白を行った。漂白条件はDA段の濃度10%、時間90分、温度55℃、終期pHを1になるように硫酸で調整した。その他の漂白条件は、実施例1の条件と同様に実施した。
(比較例2)
実施例1で使用したパルプを用い、D−DA−E−P−Dの漂白シーケンスにより漂白を行った。漂白条件はDA段の濃度10%、時間90分、温度55℃、終期pHを5になるように硫酸で調整した。その他の漂白条件は、実施例1の条件と同様に実施した。
(比較例3)
実施例1で使用したパルプを用い、D−DA−E−P−Dの漂白シーケンスにより漂白を行った。漂白条件はDA段の濃度10%、時間30分、温度55℃、終期pHを1になるように硫酸で調整した。その他の漂白条件は、実施例1の条件と同様に実施した。
(比較例4)
実施例1で使用したパルプを用い、D−DA−E−P−Dの漂白シーケンスにより漂白を行った。漂白条件はDA段の濃度10%、時間30分、温度55℃、終期pHを5になるように硫酸で調整した。その他の漂白条件は、実施例1の条件と同様に実施した。
(比較例5)
実施例1で使用したパルプを用い、D−DA−E−P−Dの漂白シーケンスにより漂白を行った。漂白条件はDA段の濃度10%、時間200分、温度55℃、終期pHを1になるように硫酸で調整した。その他の漂白条件は、実施例1の条件と同様に実施した。
(比較例6)
実施例1で使用したパルプを用い、D−DA−E−P−Dの漂白シーケンスにより漂白を行った。漂白条件はDA段の濃度10%、時間200分、温度55℃、終期pHを5になるように硫酸で調整した。その他の漂白条件は、実施例1の条件と同様に実施した。
(比較例7)
実施例1で使用したパルプを用い、D−DA−E−P−Dの漂白シーケンスにより漂白を行った。漂白条件はDA段の濃度10%、時間90分、温度70℃、終期pHを1になるように硫酸で調整した。その他の漂白条件は、実施例1の条件と同様に実施した。
(比較例8)
実施例1で使用したパルプを用い、D−DA−E−P−Dの漂白シーケンスにより漂白を行った。漂白条件はDA段の濃度10%、時間90分、温度70℃、終期pHを5になるように硫酸で調整した。その他の漂白条件は、実施例1の条件と同様に実施した。
(比較例9)
実施例1で使用したパルプを用い、D−E−P−Dの漂白シーケンスにより漂白を行った。漂白条件は、実施例1の条件と同様に実施した。
(比較例10)
実施例1で使用したパルプを用い、D−E/P−Dの漂白シーケンスにより漂白を行った。
初段D :濃度10%、温度55℃、時間30分、ClO2/0.5%
E/P :濃度12%、温度55℃、時間90分、NaOH/0.5%、H22/0.4%
D :濃度12%、温度70℃、時間120分、ClO2/0.15%
洗浄条件:初段D段を除き、各段の反応終了後、パルプ濃度2.5%に希釈し、パルプ濃度20%に脱水し、次段に移行した。
上記実施例1〜8および比較例1〜10による漂白方法によって得られたパルプについて、DA段出口pH、JIS P8123準拠して測定されたハンター白色度(%)を下記表1に示す。
Figure 2005120481
表1のように終期pHが2〜4の範囲外になると、漂白効果が大幅に低下した。また、最終pHを1にするために硫酸をかなり添加しなければならず、添加しても白色度向上は添加に見合うほど向上しなかった。
本発明は、酸処理による効率化を最大限に発揮して高白色度のパルプを得ることができるクラフトパルプのECF漂白方法に適用するものである。

Claims (4)

  1. クラフトパルプのECF漂白方法において、蒸解処理された未晒パルプを酸素漂白した後、多段漂白する際に、初段二酸化塩素段処理直後に、酸処理段を設け、かつ該酸処理段が、反応温度50〜95℃、反応時間60〜180分、反応終期pH2.0〜4.0からなる漂白条件であることを特徴とするクラフトパルプのECF漂白方法。
  2. 多段漂白段が、二酸化塩素段−酸処理段−アルカリ処理段(またはアルカリ/酸素段)−二酸化塩素段からなる多段漂白処理であることを特徴とする請求項1記載のクラフトパルプのECF漂白方法。
  3. 多段漂白段が、二酸化塩素段−酸処理段−アルカリ処理段(またはアルカリ/酸素段)−過酸化水素段−二酸化塩素段からなる多段漂白処理であることを特徴とする請求項1記載のクラフトパルプのECF漂白方法。
  4. 多段漂白段が、二酸化塩素段−酸処理段−アルカリ/過酸化物段(またはアルカリ/酸素/過酸化物段)−二酸化塩素段からなる多段漂白処理であることを特徴とする請求項1記載のクラフトパルプのECF漂白方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008106388A (ja) * 2006-10-25 2008-05-08 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 製紙用化学パルプの漂白方法
CN114277599A (zh) * 2021-12-17 2022-04-05 广西大学 一种低温中性二氧化氯漂白方法

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