JP2005120262A - ハウスダスト除去用分散液 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハウスダストの効果的な除去を可能にする、染みの発生等の使用上の問題もない、ハウスダスト除去用の分散液、スプレー並びにシートを提供すること。
【解決手段】セピオライトを含有してなるハウスダスト除去用分散液、前記分散液をスプレー容器に充填してなるハウスダスト除去用スプレー、並びに前記分散液をシート材料に含浸させてなるハウスダスト除去用シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、室内におけるハウスダストの除去に使用されるハウスダスト除去用の分散液、スプレー並びにシートに関する。
室内には、ダニの死骸や糞、花粉、塵埃、繊維屑など、種々のハウスダストが存在する。一般に、電気掃除機等を用いて掃除が行われるが、例えば、カーペット、ソファー、寝具などにからみついた細かいハウスダストは、電気掃除機等をかけただけでは充分に除去することができない。しかしながら、喘息等の種々のアレルギー疾患は、ハウスダストに含まれるアレルゲン、主としてダニアレルゲンや花粉により発症することが知られており、従って、ハウスダストの除去は、重要である。
アレルゲンを効果的に除去する技術としては、例えば、水膨潤性粘土で処理する技術(特許文献1参照)、カオリン、タルク等の無機粉体で処理する技術(特許文献2参照)等が知られている。これらはいずれも、使用する各成分によりアレルゲンを吸着して除去するものである。また、タンニン酸やアルコール、塩化ベンザルコニウムで処理する技術等(特許文献3〜6参照)が知られており、これらはアレルゲンを変性失活して除去するものである。
また、ハウスダストの除去効果を高める技術として、例えば、無機塩及び/又は有機塩担体粉末を主成分とし、さらに帯電防止剤等を含む粉末状カーペット処理用組成物(特許文献7参照)、かかる組成物にさらに殺菌剤又は静菌剤を加えてなる室内処理用粉末状組成物(特許文献8参照)等が知られている。
しかしながら、前記のアレルゲン除去技術に使用される成分では被処理物に染みができる等、使用性に問題があった。また、上記いずれの技術もハウスダストの除去効果としては未だ充分なものではなった。
特開2000−16941号公報 特開2002−167332号公報 特公平2−16731号公報 特開2000−63207号公報 特開2000−264837号公報 特開2001−335474号公報 特開昭第58−80398号公報 特開昭第59−196802号公報
本発明は、ハウスダストの効果的な除去を可能にする、染みの発生等の使用上の問題もない、ハウスダスト除去用の分散液、スプレー並びにシートを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、
〔1〕 セピオライトを含有してなるハウスダスト除去用分散液、
〔2〕 消臭成分をさらに含有してなる前記〔1〕記載のハウスダスト除去用分散液、
〔3〕 前記〔1〕又は〔2〕に記載の分散液をスプレー容器に充填してなるハウスダスト除去用スプレー、並びに
〔4〕 前記〔1〕又は〔2〕に記載の分散液をシート材料に含浸させてなるハウスダスト除去用シート、
に関する。
本発明のハウスダスト除去用分散液等によれば、ハウスダストを凝集させて、その除去効果を高めることができるので、掃除の際に該分散液等を用いることでハウスダストを効果的に除去することができる。
本発明のハウスダスト除去用の分散液、スプレー並びにシートは、セピオライトを含むことを大きな1つの特徴とする。
本発明において使用されるセピオライトとは、マグネシウムの含水イノケイ酸塩鉱物であり、Mg8H2(Si4O11)3・3H2Oの組成を有する〔化学大辞典 第369頁、尚、ナギーとブラッドレイら(Nagy&Bradley et al.)によればMg8Si12O30(OH)4(OH2)4・8H2Oの組成であるとされている)。その分析値は、産地によって石灰岩、石英、スメクタイト、苦灰岩、タルク等の種々の不純物を含むのでバラツキがあり、SiO2約35〜62重量%、MgO約15〜30重量%、その他CaO、Al2O3、Fe2O3、Na2O、K2O等であるが、セピオライト自体は極細繊維状で、繊維状物が互い違いに積み重ねられてそれらの間に微小のトンネルを有する結晶構造を有する繊維状粘土鉱物である。
本発明は、セピオライトが、前記の通りの従来のハウスダスト除去技術に使用される成分と異なり、意外にもハウスダストの凝集作用に優れることを見出し、完成されたものである。詳しくは、セピオライトは、塵埃の凝集作用を有すると共に、アレルゲンを凝集させて不活化する作用を有する。後者の作用については、アレルゲンとして重要なダニアレルゲンに対し、特に有効に働く。このようなセピオライトのハウスダストの凝集作用は、その物理的構造や化学的組成等に基づく、特有の理化学的特性により発揮されるものと考えられる。ハウスダストはいずれも、セピオライトを中心に効率的に凝集されるものと推定されるが、アレルゲンは、通常、セピオライトに比し、構造的に小さいことから、セピオライトの構造中に取り込まれる形で凝集されるものと考えられる。本発明の分散液等によれば、掃除の際、ハウスダストを効果的に除去することができるという優れた効果が奏されるが、かかる効果の発現は、セピオライトにより発揮されるハウスダストの凝集作用により、ハウスダストが凝集して除去され易い状態になっていることによるものと考えられる。
なお、本明細書においてセピオライトの「アレルゲンを凝集させて不活化する作用(以下、アレルゲンの凝集・不活化作用という場合がある)」とは、カーペット、ソファー、寝具などにからみついたアレルゲンを凝集せしめ、それによりアレルゲンの再飛散を防止して人体によるアレルゲンの吸引を阻止し、人体に対するアレルゲンとしての作用を低減若しくは消失せしめる作用をいう。
セピオライトによりアレルゲンが凝集すると、アレルゲンはその抗体と反応しなくなる。それゆえ、セピオライトのアレルゲンの凝集・不活化作用は、後述の試験例1又は2に準じて評価することができる。一方、セピオライトの塵埃の凝集作用については、後述の試験例3に準じて評価することができる。
以下、本発明のハウスダスト除去用の分散液、スプレー並びにシートについて順に説明する。
(1)分散液
本発明の分散液は、そのものとしても使用可能であるが、後述のスプレーやシートの調製に好適に用いられる。
本発明の分散液に含まれるセピオライトとは、前記の通りの繊維状粘土鉱物であり、それゆえ、ハウスダストの処理に使用した場合、経時的に変色することなく、従来、問題であった染み等の発生の問題はない。
セピオライトは、原石を粉砕し粒度を揃え選別するなど公知の選鉱方法により精製することにより、薄茶色粉末として得られる。なお、セピオライトは、市販のものが入手可能である。
セピオライトの平均粒径としては、特に限定されるものではないが、ハウスダストの凝集作用が高く、溶剤に対する分散性が良いという観点から、好ましくは50μm以下、より好ましくは10μm以下である。なお、下限としては、通常、0.01μm程度である。セピオライトの平均粒径がかかる範囲であれば、分散液のハウスダストの除去効果が高まると共に、その分散安定性が高まる傾向が見られるので好ましい。セピオライトの平均粒径は、例えば、粒度分布計(ベックマン・コールター社製)により測定することができる。セピオライトの平均粒径の調整は、セピオライトを、例えば、適宜粉砕することにより、又は篩等により分級することにより、容易に行うことができる。
セピオライトは、平均粒径の異なる1種又は2種以上のものを混合して用いることができる。
分散液に含まれるセピオライトの含有量としては、特に限定されるものではないが、セピオライトの溶剤への充分な分散性を確保し、並びに充分なハウスダストの除去効果を発揮させる観点から、好ましくは0.0001〜5重量%、より好ましくは0.02〜1重量%である。
本発明の分散液には、さらに消臭成分を含有させるのが好ましい。該成分を含有させることで、さらに、例えば、ヒトの皮脂や汗に由来する臭いの除去効果をも発揮させることができる。
消臭成分としては、特に限定されるものではないが、例えば、緑茶、柿、竹、ツバキ、バラ、キク、マツ、スギ、オオバコ、サトウキビ、モウチクソウなどの植物抽出物、ローズ油、ラベンダー油、ベルガモット油、ビターアーモンド油、カナンガ油、カシア油、シダーウッド油、シナモン油、シトロネラ油、レモン油、ライム油、ナツメグ油、ペパーミント油、アビエス油、パイン油、スターアニス油、テレビン油、ベチバー油、ユーカリ油、ローズマリー油、ローズ油、ヒノキ油などの植物精油、アネトール、シトロネラール、シトラール、リモネン、シネオール、α−ピネン、テルピノレンなどの植物精油由来成分、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ピルビン酸エチル、ピルビン酸エステル、マレイン酸ジメチル、ベタインなどの消臭成分等が挙げられる。前記のような臭いの除去効果に優れることから、緑茶、柿、竹などの植物抽出物が好適である。
本発明の分散液中における消臭成分の含有量としては、特に限定されるものではないが、充分な臭いの除去効果を発揮させる観点から、好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.05〜2重量%である。
本発明の分散液に使用される溶剤としては、水が好適である。水としては、特に限定されるものではなく、例えば、水道水、地下水、イオン交換水、超純水等が用いられる。溶剤は、分散液中の各成分の残部を占める。また、溶剤として、水に加え、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類を用いてもよい。
また、本発明の分散液としては、さらにヘクトライトと併用して用いることもできる。
ヘクトライト自体は特に塵埃の凝集作用に優れることを見出している。
前記ヘクトライトとは、スメクタイトやバーミキュライト、雲母などの層状構造をとるケイ酸塩(層状ケイ酸塩)の1種である、白色の粉末状を呈する、マグネシウム及びリチウムの含水ケイ酸塩である。単位層表面に水酸基が存在し、層間にNa+、Mg2+、Ca2+などの陽イオンや水を取り込んでおり、概して親水性を有する。
ヘクトライトの平均粒径としては、特に限定されるものではないが、塵埃の凝集作用を高める観点から、好ましくは500nm以下、より好ましくは100nm以下である。なお、下限としては、通常、10nm程度である。ヘクトライトの平均粒径は、セピオライトと同様にして測定することができる。また、その調整も同様にして行うことができる。ヘクトライトは、平均粒径の異なる1種又は2種以上のものを混合して用いることができる。ヘクトライトは市販のものを入手可能であれば、それを用いることができる。また、分散液中のヘクトライトの含有量は特に限定されるものではなく、所望により適宜調整すればよい。
さらに、本発明の組成物には、その他の成分として、例えば、公知の、殺虫剤、殺ダニ剤、忌避剤、殺菌剤、防黴防腐剤、安定化剤、香料、界面活性剤、油分、pH調整剤等を適宜含有させてもよい。その他の成分の含有量は、本発明の所望の効果の発現を阻害しない限り、特に限定されるものではない。
本発明の分散液としては、例えば、セピオライトを0.02〜1重量%、消臭成分を0.05〜2重量%、その他の成分を0.01〜5重量%、エタノールを10〜70重量%、水を残部として含有してなる分散液が特に好適である。
本発明の分散液は、前記各成分を適宜混合することにより得られる。セピオライトは一般的に水に分散しにくいので、通常、水に急速攪拌して分散液として調製するのが好ましい。
(2)スプレー
本発明のスプレーは、前記分散液を公知のスプレー容器に充填してなるものであり、好ましい態様の分散液を充填してなるものがより好適である。
前記スプレー容器としては、特に限定されるものではないが、使用の簡便性の観点から、トリガー式スプレー容器、ポンプ式スプレー容器、蓄圧式スプレー容器等が好適に使用される。かかる容器の内容量としては、特に限定されるものではないが、通常、50〜1000mL程度が好適である。
前記分散液のスプレー容器への充填は、公知の方法に従って行うことができる。
(3)シート
本発明のシートは、前記分散液を公知のシート材料に含浸させてなるものであり、好ましい態様の分散液を含浸させてなるものがより好適である。
なお、前記分散液の特に好適な態様におけるエタノールの含有量として10〜70重量%と記載したが、シートの調製に前記分散液を用いる場合、特に好適な態様におけるエタノールの含有量としては1〜70重量%である。
シートの形状としては、特に限定されるものではないが、通常、縦150〜200mm、横200〜300mm、厚さ0.05〜1mm程度の大きさを有するものが好適である。
かかるシートは、単層からなるものであっても、同一若しくは異なる材料・材質からなる層を積層してなるものであってもよい。
前記シート材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、不織布、編織布、紙などが挙げられるが、強度が高く、低コストであり、目付の調整が容易であるなどの観点から、不織布が好適である。これらのシート材料は、公知の方法に従って製造することができる。また、市販のものが入手可能であれば、それを用いてもよい。
例えば、シート材料として好適に使用される前記不織布は、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、スパンレース法、スパンボンド法、ニードルパンチ法等の公知の方法により製造することができる。また、その材質としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、アクリル、レーヨン、コットン、パルプ等が挙げられる。不織布の材質としては、分散液を含浸させ易いことから、レーヨン又はパルプが好適であり、強度を保つという観点から、ポリエチレン又はポリエステルが好適である。さらに、両方の観点から、それぞれにおいて好適な材料として例示されたものを適当な割合で混紡したものがより好適である。
なお、不織布の目付、すなわち、単位面積当りの繊維重量としては、通常、30〜80g/m程度が好適である。
前記分散液のシート材料への含浸は、公知の方法に従って行うことができる。例えば、前記好適な範囲の目付を有する不織布からなるシート材料に対し前記分散液を含浸させる場合、シート材料を目付の2〜3倍量程度の前記分散液に浸せきして、該シート材料に前記分散液を含浸させるのが好適である。すなわち、目付が50g/mである場合、不織布からなるシート材料1m当たり100〜150gの前記分散液を含浸させるのが好適である。
本発明の分散液及びスプレーは、例えば、電気掃除機によって掃除しようとする対象である室内のカーペット、ソファー、寝具などに散布等により適用して用いられる。かかる場合、適用直後に、好ましくは数分間から数時間そのまま放置した後に、電気掃除機により通常通り前記対象の掃除を行うことで、ハウスダストを効果的に除去することができる。また、例えば、寝具等を屋外に干す場合に、該寝具等に適用して用いることもできる。その場合、一定時間干した後、室内に取り込む際に、ハタキや手で叩くことでハウスダストを効果的に除去することができる。通常、干した寝具等を叩くと付着したハウスダストが細かく砕け、ますますとれ難くなる場合があるが、本発明の分散液等を予め適用しておけば、ハウスダストが凝集され、効果的な除去が可能となる。
なお、分散液は、その散布等が容易でないことから、スプレーとして用いるのが好適である。また、スプレーは、ハウスダストの除去効果を充分に発揮させる観点から、セピオライトを均一に分散させた状態で用いるのが好適である。従って、通常、対象への適用前にスプレーをよく振って用いるのが好ましい。さらに、その適用時には、対象のスプレー適用部分が濡れているため、適用後一定時間をおき充分に乾燥させた後、掃除等を行うのが好ましい。なお、本発明の分散液等が、緑茶、柿、竹などの植物抽出物等からなる消臭成分を含有してなる場合、ハウスダストを効果的に除去できると共に、前記したような臭いを効果的に除去することができる。
一方、本発明のシートは、ハウスダストが溜まっている部分、例えば、寝具等の表面や、室内電灯のかさ、窓枠、床等を拭くのに好適に使用される。通常、かかる部分を水拭きした場合、例えば、塵埃が濡れるだけで、拭きとることは困難であるが、本発明のシートによれば、塵埃を凝集させて効果的に除去することができる。また、前記のような消臭成分が含有されておれば、前記したような臭いを効果的に除去することもできる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1〜3及び比較例1〜4
表1に示す配合に従って各成分を混合し、試験液1〜3(実施例1〜3)を得た。また、表2に示す配合に従って各成分を混合し、比較試験液1〜4(比較例1〜4)を得た。
なお、セピオライトは、常温の水に急速攪拌下、少量ずつ添加することにより、水に分散させた。
Figure 2005120262
Figure 2005120262
試験例1
前記試験液1及び比較試験液1〜4のアレルゲン凝集・不活化作用を、アレルゲンとしてダニアレルゲンを用い、以下の方法に従って評価した。
Dfb抗原〔ダニ虫体粗抗原;ササら(Sasa, M. et al., Jpn. J. Exp. Med., 40: p367-382, 1970)の方法により得た〕をPBSに対し20μg/mLの濃度となるように溶解して調製した抗原液1mLに、0.15mLの試験液1及び比較試験液1〜4をそれぞれ添加した。なお、陰性対照では、それらの試験液の代わりに同量の水を添加した。室温で2時間維持した後、各試験液によるアレルゲン不活化の程度をマイティーチェッカー(ダニアレルゲン検知用キット:シントーファイン社製)により測定した。
マイティーチェッカーによれば、被検液中の、アレルゲンとして作用し得るダニアレルゲンDer2(主要アレルゲンの1つ)量を、モノクローナル抗体を用いた水平展開方式により測定することができるので、各試験液によるアレルゲン不活化の程度は、各試験液のアレルゲンの凝集・不活化作用を表すものと考えられる。
マイティーチェッカーによるダニアレルゲン量の判定基準を以下の表3に、また、該判定基準に基づく各試験液によるアレルゲン不活化の程度の判定結果を表4に示す。
Figure 2005120262
Figure 2005120262
表4より、試験液1のアレルゲン不活化の程度は比較試験液1〜4に比べ高いことが分かる。比較試験液に使用した成分は従来のアレルゲン除去技術に使用された成分やダイズタンパク質凝集効果が知られている成分である。表4の結果は、これらの成分に比べ、本発明で使用されるセピオライトのダニアレルゲンの不活化の程度が特に優れることを示す。従って、セピオライトによるダニアレルゲンの不活化は、従来技術におけるアレルゲンの吸着や変性による失活とは異なる機構により生じているものと考えられる。
試験例2
前記試験液1のアレルゲン凝集・不活化作用を、アレルゲンとしてスギ花粉抽出物を用い、以下の方法に従って、アレルゲン不活化率(%)を求めて評価した。アレルゲン不活化率が高いほど、アレルゲンの凝集・不活化作用に優れる。
重曹緩衝液(0.1M、pH9.6)で100μg/mLに希釈したスギ花粉抽出液(LSL社製、商品名:Cedar Pollen Extract-Cj)を96穴マイクロタイタープレートの各ウェルに50μLずつ添加し、4℃で一夜維持した。次いで、100μLの試験液1をウェルに添加し、アレルゲンを処理した(25℃、1時間)。当該ウェルをPBSで3回洗浄後、ブロッキング液(1% BSA添加PBS)200μLを添加して25℃で2時間静置し、ブロッキングを行った。PBST(0.05% Tween20添加PBS)200μLでウェルを3回洗浄後、PBSで1000倍希釈したペルオキシダーゼ標識抗Cryj -1抗体(HAYASHIBARA社製)をウェルに50μL添加し、反応させた(37℃、4時間)。PBSTでウェルを3回洗浄後、ABTS(SIGMA社製)で調製した発色液をウェルに50μL添加し、37℃で30分間反応させた。マイクロプレートリーダー(SPECTRAFLUOR、TECAN社製)により、波長405nmにてウェルの吸光度を測定した。
なお、ブランクは試験液1のかわりに水を用いたものとし、陽性対照は、ペルオキシダーゼ標識抗体と上記の発色剤を反応させたもの、陰性対照は、スギ花粉抽出液を入れずに上述の操作を行なったものとした。
アレルゲン不活化率(%)は、以下の式により求めた:
不活化率(%)=
100−〔(試験液で処理した場合の吸光度÷ブランクの吸光度)×100〕
結果を表5に示す。
Figure 2005120262
表5より、試験液1は花粉アレルゲンの凝集・不活化作用を有することが分かる。
試験例3
前記試験液1〜3の塵埃の凝集作用を以下の方法により評価した。
直径9cmのプラスチックシャーレに、塵埃として標準ダスト〔コットンリンタ、(財)日本空気清浄協会製〕10mgを入れ、市販のハンドスプレー容器に充填してなる試験液1〜3それぞれ0.7mLを標準ダストめがけて噴霧した。室温にて乾燥させた後、実体顕微鏡(Nikon製;拡大倍率50倍)にて顕鏡し、標準ダストの吸着、凝集の程度を観察した。なお、対照として、プラスチックシャーレに標準ダストを入れただけのもの、試験液の代わりに水を噴霧したものを同様に観察した。それぞれの場合の顕微鏡像を図1〜5に示す。なお、塵埃の凝集作用は、対照の場合を塵埃の凝集作用なしとして、標準ダストの凝集状態を観察することにより評価した。
図3〜5に示す通り、試験液1では強い塵埃の凝集作用が、試験液2では塵埃の凝集作用が、試験液3では弱い塵埃の凝集作用が認められた。このことから、セピオライトの濃度依存的に標準ダストの凝集作用が向上することが分かる。
本発明によれば、ハウスダストの効果的な除去を可能にするハウスダスト除去用の分散液、スプレー並びにシートを提供することができる。
図1は、標準ダストの実体顕微鏡写真(倍率50倍)である。 図2は、水を噴霧した場合の標準ダストの状態を示す実体顕微鏡写真(倍率50倍)である。 図3は、実施例1の試験液1(セピオライト濃度:0.2重量%)を噴霧した場合の標準ダストの状態を示す実体顕微鏡写真(倍率50倍)である。 図4は、実施例2の試験液2(セピオライト濃度:0.02重量%)を噴霧した場合の標準ダストの状態を示す実体顕微鏡写真(倍率50倍)である。 図5は、実施例3の試験液3(セピオライト濃度:0.002重量%)を噴霧した場合の標準ダストの状態を示す実体顕微鏡写真(倍率50倍)である。

Claims (4)

  1. セピオライトを含有してなるハウスダスト除去用分散液。
  2. 消臭成分をさらに含有してなる請求項1記載のハウスダスト除去用分散液。
  3. 請求項1又は2に記載の分散液をスプレー容器に充填してなるハウスダスト除去用スプレー。
  4. 請求項1又は2に記載の分散液をシート材料に含浸させてなるハウスダスト除去用シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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