JP2005119286A - 衣料用防虫剤用包装材料および衣料防虫用品 - Google Patents

衣料用防虫剤用包装材料および衣料防虫用品 Download PDF

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Abstract

【課題】
衣料用防虫剤に含まれる防虫成分を有効に利用することができる衣料用防虫剤用包装材料および衣料防虫用品を提供する。
【解決手段】
防虫成分を含む衣料用防虫剤を包装する衣料用防虫剤用包装材料であって、該衣料用防虫剤用包装材料が、オレフィン系樹脂層と該オレフィン系樹脂層に隣接されてなるガスバリア層とを有し、オレフィン系樹脂層とガスバリア層との剥離強度が0.1〜3N/15mm幅である衣料用防虫剤用包装材料。25℃における蒸気圧が10-5mmHg以上である防虫成分を含む衣料用防虫剤が衣料用防虫剤用包装材料によって包装されてなる衣料防虫用品であって、該衣料用防虫剤用包装材料のオレフィン系樹脂層が衣料防虫用品の内面側に位置し、ガスバリア層が衣料防虫用品の外面側に位置する衣料防虫用品。
【選択図】 なし

Description

本発明は、衣料用防虫剤を包装するための衣料用防虫剤用包装材料および該衣料用防虫剤用包装材料により衣料用防虫剤を包装してなる衣料防虫用品に関する。
衣料防虫用品とは、衣料を保管している箪笥や押入れなどに設置して衣料を虫の害から防ぐために用いられるものであり、一般的に蒸散性の防虫成分を含む衣料用防虫剤を包装したものが用いられている。衣料防虫用品は高濃度の防虫成分が直接衣料に触れることを防ぐため、予め使用単位毎に衣料用防虫剤を包装材料で包装した衣料防虫用品を用いるので、衣料用防虫剤用包装材料としては、防虫成分が透過する材料が使用されている。
通常このような衣料防虫用品は使用前に防虫成分が蒸散することを防ぐため、流通過程では、使用単位毎に包装された衣料防虫用品を数個程度まとめて、さらにガスバリア性材料によって包装されている。
しかしながら従来のように衣料防虫用品をさらにガスバリア性材料で包装した場合には、防虫成分が衣料用防虫剤用包装材料を透過し、ガスバリア性材料で包装された空間に拡散してしまうため、ガスバリア性材料を取り除いた時に、前記の拡散した防虫成分が空気中に拡散してしまい、ガスバリア性材料で包装する前に衣料防虫用品が含有していた防虫成分の全てを有効に利用できないことが多かった。
このような問題を解決できる包装材料として、内層であるヒートシール層と外層であるガスバリア層とが接着性樹脂で接着されてなり、ガスバリア層及び接着性樹脂からなる中間層の一部と内層とが手で剥離可能である包装材料が開示されている(例えば特許文献1参照)。このような包装材料を用いて衣料用防虫剤を包装して得られる衣料防虫用品は、防虫成分透過層であるヒートシール層とガスバリア層との間に、従来のように防虫成分が拡散する空間がないため、使用前に防虫成分が拡散することがなく、使用時にガスバリア層及び中間層を剥離することによって、本来衣料防虫用品が有する防虫成分を有効に利用できると考えられる。
実開平5−24580号公報
しかしながら上記構成の包装材料を衣料用防虫剤用包装材料として用いた場合には、衣料用防虫剤に含まれる防虫成分の多くが接着性樹脂からなる中間層に拡散してしまい、ガスバリア層を剥離する際に中間層とともに防虫成分も除去されてしまうため、やはり本来衣料用防虫剤に含まれていた防虫成分を有効に利用できないことが多かった。
このようなことから衣料用防虫剤に含まれる防虫成分を有効に利用できる衣料用防虫剤用包装材料を開発すべく検討の結果、本発明に至った。
すなわち本発明は、防虫成分を含む衣料用防虫剤を包装する衣料用防虫剤用包装材料であって、該衣料用防虫剤用包装材料が、オレフィン系樹脂層と該オレフィン系樹脂層に隣接されてなるガスバリア層とを有し、オレフィン系樹脂層とガスバリア層との剥離強度が0.1〜3N/15mm幅である衣料用防虫剤用包装材料である。
さらに本発明は、25℃における蒸気圧が10-5mmHg以上である防虫成分を含む衣料用防虫剤が前記衣料用防虫剤用包装材料によって包装されてなる衣料防虫用品であって、該衣料用防虫剤用包装材料のオレフィン系樹脂層が衣料防虫用品の内面側に位置し、ガスバリア層が衣料防虫用品の外面側に位置する衣料防虫用品である。
本発明の衣料用防虫剤用包装材料および衣料防虫用品は、衣料用防虫剤に含まれる防虫成分を有効に利用することができるものである。
本発明における防虫成分とは、以下の方法において防虫機能を有すると判断される成分である。
防虫機能を有するかどうかを判別すべき成分(A)10mgを、既に防虫機能を有さないことが確認された他の成分とともに直径30mmφ、厚さ3mmの錠剤に成形する。
25±2℃、湿度30%RHの室内において、衣装箱(縦725mm×横427mm×高さ158mm)内にコイガの卵10〜15個を入れた綿製の袋(大きさ4.5cm×4.5cm、厚さ0.2mm)を2つ離して設置し、各袋の上に前記錠剤を1つずつ置き、衣装箱に蓋をして1週間静置した。
1週間後箱内の袋を開封し、コイガの死卵、死虫、生虫の数を数え、((死卵+死虫)/(死卵+死虫+生虫))×100で表される死亡率をそれぞれ算出し、2箇所の平均値が80%以上のものを防虫機能を有する成分とする。
防虫成分としては、公知の蒸散性防虫成分が用いられる。蒸散性防虫成分とは、通常25℃における蒸気圧が10-5mmHg以上である防虫成分である。
このような防虫成分としては、例えば2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(蒸気圧 1.4×10-5mmHg<25℃>)、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(蒸気圧 7.7×10-5mmHg<25℃>)、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(蒸気圧 2.6×10-5mmHg<25℃>)などが挙げられる。とりわけ蒸散性および防虫能の観点から、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートが好ましく用いられる。防虫成分は常温で液体であってもよく、固体であってもよい。
本発明の衣料用防虫剤は防虫成分を含んでいればよく、その形状や含有する他の成分などについて特に限定されるものではないが、取り扱いやすさの点から錠剤であることが好ましい。防虫成分が液体である場合には、常温で固体の物質と混合して錠剤に成形することができる。防虫成分が固体である場合には、防虫成分単独で錠剤にしてもよく、他の常温固体物質と混合して錠剤としてもよい。
錠剤を製造する際に防虫成分と混合する常温で固体の物質は、防虫成分の有する防虫能を阻害するものでなければよく、例えば公知の増量剤を使用することができる。使用する増量剤の種類や量は、共に用いる防虫成分が蒸散により減少していく割合と同程度の割合で蒸散するように、防虫成分の種類や量に応じて選択することが好ましい。このような錠剤は、消費者が該錠剤を含む衣料防虫用品の取替え時期を判断しやすい。
増量剤としては、例えば2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン(蒸気圧 8.9×10-2mmHg<25℃>)、ナフタリン(蒸気圧 8.25×10-2mmHg<25℃>)、p−ジクロロベンセン(蒸気圧 1.1mmHg<25℃>)、樟脳(蒸気圧 8.78×10-3mmHg<25℃>)、アダマンタンなどが挙げられる。特に有効成分として2,3,5,6-テトラフルオロ−4−メチルベンジル−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートを選択した場合には、2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンを用いることが好ましい。
増量剤と防虫成分との配合比は特に限定されるものではないが、通常増量剤中の防虫成分量が0.05〜5重量%程度である。
本発明の衣料用防虫剤用包装材料は、オレフィン系樹脂層および該オレフィン系樹脂層に隣接されてなるガスバリア層を有する。ガスバリア層の組成や厚みなどは特に限定されるものではなく、例えばポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体などから構成される層であり、未延伸であってもよく、二軸延伸されていてもよい。ガスバリア性の観点から、エチレン−ビニルアルコール共重合体を用いることが好ましく、特にビニルアルコール由来の構成単位を50mol%以上含むエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層であることが好ましい。加工性の観点から、エチレン−ビニルアルコール共重合体におけるビニルアルコール由来の構成単位の含有量は80mol%以下であることが好ましい。
本発明の衣料用防虫剤用包装材料におけるオレフィン系樹脂層は、衣料用防虫剤に含まれる防虫成分が使用期間を通して有効量が透過可能となるように、その組成や厚みを適宜選択すればよい。オレフィン系樹脂層を構成するオレフィン系樹脂の例としては、ホモポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのプロピレン系樹脂、カルボン酸ビニルエステルおよび不飽和カルボン酸エステルからなる群から選ばれる1種以上のモノマーとエチレンとの共重合体、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのエチレン系樹脂が挙げられる。防虫成分の透過性の観点から、オレフィン系樹脂層はカルボン酸ビニルエステルおよび不飽和カルボン酸エステルからなる群から選ばれる1種以上のモノマーとエチレンとの共重合体、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンから選択される1種以上のエチレン系樹脂からなることが好ましい。
オレフィン系樹脂層を構成する樹脂としては、防虫成分が全て蒸散するのと同時に増量剤も全て蒸散するような防虫成分および増量剤の透過性を有するオレフィン系樹脂を選択することが好ましい。このような観点からオレフィン系樹脂層は、カルボン酸ビニルエステルおよび不飽和カルボン酸エステルからなる群から選ばれる1種以上のモノマーとエチレンとの共重合体であって、カルボン酸ビニルエステルおよび不飽和カルボン酸エステルからなる群から選ばれる1種以上のモノマー由来の構成単位の含有量が10mol%以下である共重合体であることが好ましく、前記構成単位の含有量が1mol%以上である共重合体であることがより好ましい。とりわけ不飽和カルボン酸エステルとエチレンとの共重合体であることが好ましい。エチレン−カルボン酸ビニルエステル共重合体としてはエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を例示することができ、エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体としてはエチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体があげられる。
オレフィン系樹脂層は1種類の樹脂から構成されていてもよく、2種類以上の樹脂から構成されていてもよい。
オレフィン系樹脂層の厚みは、衣料用防虫剤に含まれる防虫成分が使用期間を通して有効量が透過可能となるように設定されるが、強度と透明性の観点から30〜100μmであることが好ましい。衣料防虫用品使用時に、衣料用防虫剤の減少が容易に確認できることから、オレフィン系樹脂層は透明性に優れることが好ましい。
本発明の包装材料は、オレフィン系樹脂層と該オレフィン系樹脂層に隣接されてなるガスバリア層とを有する。オレフィン系樹脂層とガスバリア層との間に接着剤層や粘着剤層を有すると、該接着剤層や粘着剤層に防虫成分が拡散してしまい、ガスバリア層を剥離する際に該接着剤層や粘着剤層も剥離されてしまうため、該層に拡散した防虫成分を衣料防虫のために利用できなくなってしまう。本発明の包装材料はオレフィン系樹脂層とガスバリア層とが隣接されてなる構成とすることにより、使用前には防虫成分が蒸散せず、使用時にガスバリア層を剥離することではじめて防虫成分が蒸散するものであり、かつ剥離する層に防虫成分が拡散していないため、本来衣料用防虫剤が有している防虫成分を無駄なく有効に利用することができるのである。
オレフィン系樹脂層とガスバリア層との剥離強度は0.1〜3N/15mm幅であり、好ましくは0.1〜1N/15mm幅、さらに好ましくは0.15〜1N/15mm幅である。剥離強度が低すぎる場合には輸送などの流通過程でガスバリア層が剥離してしまい防虫成分が蒸散してしまうことがあり、高すぎる場合には使用時にガスバリア層を剥離、除去する際にオレフィン系樹脂層を破損してしまうことがある。
本発明における剥離強度とは、次のようにして求められる値である。オレフィン系樹脂層とガスバリア層の層間であらかじめ一部剥離しておき、該剥離部分が一方の端部となるようにして15mm巾×200mmの短冊状に切り出し、測定サンプルとする。オートストレイン型引張試験機の上下のチャック部分にあらかじめ剥離しておいたオレフィン系樹脂層を含む部分とガスバリア層を含む部分とをそれぞれ挟み、引張速度300mm/minで上下に引っ張ることにより180度剥離させる。50mm剥離させたときの平均荷重を求め、その値を剥離強度とする。
オレフィン系樹脂層とガスバリア層との剥離強度を制御する方法としては、オレフィン系樹脂層にオレフィン系接着性樹脂を添加する方法や、ガスバリア層にオレフィン系樹脂を添加して剥離強度を制御する方法が挙げられる。ガスバリア層がエチレンと酢酸ビニルとの共重合体をケン化して得られるエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる場合には、共重合比率やケン化率を制御する方法などがあげられる。
オレフィン系接着性樹脂としては、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン系樹脂を無水マレイン酸で変性して得られる無水マレイン酸変性エチレン系樹脂や、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、エチレン−無水マレイン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体などが挙げられる。
ガスバリア層がビニルアルコール由来の構成単位を50mol%以上含むエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる場合は、剥離強度制御の観点から、オレフィン系樹脂層は、無水マレイン酸変性エチレン系樹脂をエチレン系樹脂に添加したオレフィン系樹脂組成物からなることが好ましい。
無水マレイン酸変性エチレン系樹脂の添加量は、エチレン系樹脂100重量部に対し好ましくは5〜45重量部であり、より好ましくは10〜45重量部である。
本発明の包装材料はオレフィン系樹脂層およびガスバリア層以外の他の層を有していてもよい。他の層としては、接着剤層、樹脂層、金属層、印刷インクなどの無機物を塗工した層などが挙げられる。ただし接着剤層を有する場合には、該包装材料により衣料用防虫剤を包装した場合に、前記接着剤層がガスバリア層より外面側に位置する場合に限られる。
オレフィン系樹脂やポリエステル樹脂などからなる未延伸フィルムや二軸延伸フィルムをガスバリア層上に積層することが、防湿性や、本発明の包装材料を容器と熱シールする時の耐熱性の観点から好ましい。
本発明の包装材料がオレフィン系樹脂層およびガスバリア層以外の他の層を有する場合には、オレフィン系樹脂層とガスバリア層との剥離強度が、他の層間剥離強度よりも小さいことが必要である。
ガスバリア層の両側にオレフィン系樹脂層が隣接されてなる構成である場合、すなわちオレフィン系樹脂層A/ガスバリア層/オレフィン系樹脂層Bである場合には、オレフィン系樹脂層Aとガスバリア層との剥離強度が0.1〜3N/15mm幅であり、オレフィン系樹脂層Bとガスバリア層との剥離強度が、オレフィン系樹脂層Aとガスバリア層との剥離強度より強ければよい。この場合、オレフィン系樹脂層Aが内容物側となるように本発明の包装材料を用いる。
本発明の包装材料は、公知のフィルムやシートの成形方法により製造することができ、例えば共押出Tダイ成形、共押出インフレ成形などの共押出法により成形できる。オレフィン系樹脂層に隣接してガスバリア層を設ける方法としては、接着剤、アンカーコート剤、粘着剤などを使用しない共押出法や押出ラミネーション法が好ましい。
本発明の衣料用防虫剤用包装材料はフィルム状またはシート状であり、該包装材料を袋状にして、あるいは予め成形された容器の蓋材として用いることができる。
容器の蓋材として用いる場合、容器はガスバリア性を有することが必要である。容器の形状は特に限定されるものではなく、カップ状、トレー状、丼状など各種形状の容器を用いることができる。容器の成形方法は特に限定されるものではなく、射出成形法や、フィルム状あるいはシート状の成形品を真空成形、圧空成形、真空圧空成形等の方法で成形する方法が挙げられる。
容器は、蓋材とヒートシールなどの方法で密封できることが好ましいため、少なくとも蓋材とのシール面がヒートシール可能なオレフィン系樹脂からなる層であることが好ましい。容器の構成は特に限定されるものではないが、内面側から順にシール層/ガスバリア層/基材層であることが防虫成分の拡散抑制、蓋材とのヒートシール性、強度の観点から好ましい。
容器のシール層を構成する樹脂としては、本発明の包装材料中のオレフィン系樹脂層を構成する樹脂と同様の樹脂を用いることができる。容器のシール層には低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどを用いることが好ましく、ヒートシール性の観点から低密度ポリエチレンを用いることがさらに好ましい。
容器のガスバリア層の組成などは特に限定されるものではなく、例えばポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデンなどからなる層であり、未延伸であってもよく、二軸延伸されていてもよい。ガスバリア性および加工性の観点から、エチレン−ビニルアルコール共重合体を用いることが好ましく、特にビニルアルコール由来の構成単位を50〜80mol%含むエチレン−ビニルアルコール共重合体を用いることが好ましい。
容器の基材層には、オレフィン系樹脂やスチレン系樹脂などを用いることができる。基材層の厚みはコストおよび強度の観点から通常200〜600μmである。
防虫成分の容器への拡散を抑制する観点から、容器のガスバリア層よりも内面側の層の合計厚みは薄いほうが好ましく、蓋材とのヒートシール性とのバランスから10〜100μmであることが好ましく、10〜70μmであることがさらに好ましい。容器の好ましい構成は、内面側から順にシール層/ガスバリア層/基材層=10〜70/10〜50/100〜500μmである。
衣料用防虫剤用包装材料によって衣料用防虫剤を包装する場合には、内容物側、すなわち衣料用防虫剤側がオレフィン系樹脂層となるようにして包装する。このようにして得られた衣料防虫用品は、該衣料防虫用品を構成する衣料用防虫剤用包装材料のオレフィン系樹脂層が衣料防虫用品の内面側に位置し、ガスバリア層が衣料防虫用品の外面側に位置するものである。このような衣料防虫用品は、使用前にはガスバリア層により防虫成分の蒸散を防止することができ、使用時にガスバリア層を含む外面側に位置する部分を剥がすことにより、衣料用防虫剤中の防虫成分を極めて有効に利用することができる。
オレフィン系樹脂層はヒートシール性を有することが、袋状とする場合にはオレフィン系樹脂層同士で、蓋材とする場合には容器とヒートシールできることから好ましい。
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(1)容器の製造
<バリア容器A>
シート成形機を用いて、ポリプロピレン(住友化学工業(株)製ノーブレンFS2011DG2)からなる厚み400μm、幅300mmのプロピレン系樹脂シートを得た。このシートを共押出ラミネーターの第一給紙装置に取付けた。第二給紙装置にエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルム(タマポリ(株)製SB−5、[VA]=5wt%、厚み50μm)を取付けた。前記フィルムおよびシートを繰り出した後、該フィルムとシートとの間にエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)(クラレ(株)製エバールE105A ビニルアルコール由来の構成単位56mol%、ケン化度99mol%以上)とオレフィン系接着性樹脂(三井化学(株)製アドマー NF550 無水マレイン酸変性直鎖状低密度ポリエチレン)とを、接着性樹脂/EVOH/接着性樹脂=1/2/1の厚み比で、総厚みが40μmとなるように230℃で押出してサンドイッチ押出ラミネートし、バリアシートを製造した。該バリアシートを、布施真空(株)製真空成形機を用いてシート表面温度150℃で真空成形し、口径61mm、フランジ外径70mm、深さ8mm、底径59mmで、容器内面側がEVA層であるカップ状容器Aを得た。
<バリア容器B>
多層シート成形機を用いて、5種5層のバリアシートを製造した。第一層を構成する樹脂には低密度ポリエチレン(住友化学工業(株)製 スミカセンF200)、第二層を構成する樹脂にはオレフィン系接着性樹脂(三井化学(株)製アドマー NF559 無水マレイン酸変性直鎖状低密度ポリエチレン)、第三層を構成する樹脂にはエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)(クラレ(株)製エバールE105A)、第四層を構成する樹脂にはオレフィン系接着性樹脂(三井化学(株)製アドマー QF551 無水マレイン酸変性ポリプロピレン)、第五層を構成する樹脂にはポリプロピレン(住友化学工業(株)製ノーブレンFS2011DG2)をそれぞれ用いた。各樹脂を各押出機で230℃で溶融混練した後、第一層/第二層/第三層/第四層/第五層=40/15/30/25/190となる押出比率でシート状に押出し、総厚みが300μmのバリアシートを製造した。容器Aと同様に真空成形により容器内面側が低密度ポリエチレン層であるカップ状容器Bを得た。
<バリア容器C>
多層シート成形機を用いて製造した第一層/第二層/第三層/第四層/第五層=100/30/30/25/115μmであるバリアシートを用いた以外は容器Bと同様にしてカップ状容器Cを得た。
(2)衣料用防虫剤の製造
20mlスクリュー管に、防虫成分である2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル (1R)−トランス−3−(1−プロペニル(Z/E=8/1))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(蒸気圧 7.7×10-5mmHg<25℃>)10mgと、増量剤である2,4,6−トリソプロピル−1,3,5−トリオキサン(蒸気圧 8.9×10-2mmHg<25℃>)2.0gとを加えてよく攪拌し、得られた混合物を、打錠機で直径3cm、厚さ3mmの円柱状の錠剤に成形し、衣料用防虫剤とした。
なお、2,3,5,6-テトラフルオロ−4−メチルベンジル (1R)−トランス−3−(1−プロペニル(Z/E=8/1))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートの防虫機能は、前記錠剤を用いて以下の方法で確認した。
25±2℃、湿度30%RHの室内において、衣装箱(縦725mm×横427mm×高さ158mm)内にコイガの卵10〜15個を入れた綿製の袋(大きさ4.5cm×4.5cm、厚さ0.2mm)を2つ離して設置し、各袋の上に錠剤を1つずつ置き、衣装箱に蓋をして1週間静置した。
1週間後箱内の袋を開封し、各場所のコイガの死卵、死虫、生虫の数を数えたところ、((死卵+死虫)/(死卵+死虫+生虫))×100で表される死亡率の平均値は100%であった。このことから2,3,5,6-テトラフルオロ−4−メチルベンジル (1R)−トランス−3−(1−プロペニル(Z/E=8/1))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートは防虫機能を有する防虫成分であることが確認された。
(3)衣料防虫用品の製造
(1)で製造した容器に(2)で製造した衣料用防虫剤を1個入れ、後述する衣料用防虫剤用包装材料を蓋材として用い、衣料防虫用品を作製した。容器に蓋材をシールする際には、蓋材のオレフィン系樹脂層が容器と接着するようにして、日産工機(株)製小型カップシーラーSNR−1を用い、ゲージ圧5kg/cm2、シールバー温度180℃、シール時間1秒で熱封緘した。
(4)防虫成分量測定方法
(3)で製造した衣料防虫用品を、40℃のギアオーブン中で1週間保存した後、蓋材を構成する衣料用防虫剤用包装材料を、最も剥離強度の弱い層間で剥離した。剥離した部分を蓋材剥離部とする。次に容器に接着した残りの蓋材を容器から剥がした(蓋材残存部とする)。衣料用防虫剤を取り出し、アセトンで防虫成分の抽出を行なった。容器、蓋材剥離部および蓋材残存部はそれぞれキシレンで防虫成分の抽出を行なった。各抽出液をガスクロマトグラムにて分析し、防虫成分量を測定した。ガスクロマトグラムの条件は以下に示すとおりである。
FID ECD
カラム温度: 160℃ 160℃
気化室: 210℃ 210℃
検出器温度: 210℃ 260℃
(5)衣料用防虫剤用包装材料の剥離強度測定方法
後述する実施例および比較例で製造した衣料用防虫剤用包装材料を、最も剥離強度が小さい層間で予め30mm剥がし、剥がした部分を含むようにMD方向(フィルム製造時の押出し方向)×TD方向(フィルム製造時の押出し方向と垂直方向)=200mm×15mmの短冊状に切出し、試験片とした。オートストレイン型引張試験機の上下のチャック部分に、予め剥離しておいた部分をそれぞれ挟み、引張速度300mm/分で180度剥離した。50mm剥離したときの平均荷重を剥離強度とした。
(6)死亡率の測定方法(本発明の衣料防虫用品の効果の確認)
25±2℃、湿度30%RHの室内において、衣装箱(縦725mm×横427mm×高さ158mm)内にコイガの卵10〜15個を入れた綿製の袋(大きさ4.5cm×4.5cm、厚さ0.2mm)を2つ離して設置した。(3)で製造した衣料防虫用品を40℃のギアオーブン中で1週間保存した後、蓋材を最も剥離強度の弱い層間で剥離して、バリア容器を含む部分を各袋の上に一つずつ置き、衣装箱に蓋をし、1週間静置した。
1週間後箱内の袋を開封し、コイガの死卵、死虫、生虫の数を数え、((死卵+死虫)/(死卵+死虫+生虫))×100で表される死亡率を算出し、2箇所の平均値を該衣料防虫用品を用いたときの死亡率とした。なお錠剤を置かなかった場合は死虫および死卵がなく、死亡率はゼロであった。
[実施例1]
低密度ポリエチレン(LDPE)(住友化学工業(株)製スミカセンF200−0)と無水マレイン酸変性ポリエチレンAD(三井化学(株)製アドマーNF500)をLDPE/AD=70/30(wt%)の比で混合したものを、オレフィン系樹脂層を構成する樹脂原料1とし、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)(クラレ(株)性エバールF101A(酸素透過度0.5cc/m2・24hrs・atm/15μ) ビニルアルコール由来の構成単位56mol% ケン化度99mol%以上)を、ガスバリア層を構成する樹脂原料2とする。さらに無水マレイン酸変性ポリエチレン(三井化学(株)製アドマーNF500)を、接着性樹脂層を構成する樹脂原料3とし、これら3種の原料を、共押出Tダイに接続された異なる押出機にそれぞれ投入し、オレフィン系樹脂層/ガスバリア層/接着性樹脂層=40/15/15(μm)となるように各押出量を調整して230℃で溶融押出し、40℃に調整した冷却ロールにより冷却して巻き取り、積層フィルムを得た。該積層フィルムの接着性樹脂層表面に表面張力46dyne/cmとなるようにコロナ処理を行った。無機層状化合物含有樹脂組成物がPETフィルムにコーティングされてなるガスバリアフィルム(住友化学工業(株)製セービックス(酸素透過度0.1cc/m2・24hrs・atm/15μ))のコーティング面と、積層フィルムの接着性樹脂層面とを、接着剤(三井武田ケミカル(株)社製 タケラックA515:タケネートA50=10:1重量比)を用いて接着して積層した後、40℃で24時間エージングを行い、衣料用防虫剤用包装材料を得た。該衣料用防虫剤用包装材料を蓋材とし、容器にカップ状容器Aを用いて衣料防虫用品を製造した。これら衣料用防虫剤用包装材料や衣料防虫用品を用いて、各種評価を行なった。結果を表1に示す。なお剥離強度は、樹脂原料1からなるオレフィン系樹脂層と樹脂原料2からなるガスバリア層との層間の剥離強度を測定した。蓋材剥離部はガスバリア層、接着性樹脂層、接着剤層およびガスバリアフィルムであり、蓋材残存部はオレフィン系樹脂層のみであった。
[実施例2]
LDPE(住友化学工業(株)製スミカセンF200−0)と無水マレイン酸変性ポリエチレンAD(三井化学(株)製アドマーNF500)をLDPE/AD=80/20(wt%)の比で混合したものを樹脂原料1とした以外は実施例1と同様にして衣料用防虫剤用包装材料を製造した。該衣料用防虫剤用包装材料を蓋材とし、容器にカップ状容器Aを用いて衣料防虫用品を製造した。これら衣料用防虫剤用包装材料や衣料防虫用品を用いて、各種評価を行なった。評価結果を表1に示す。なお剥離強度は、樹脂原料1からなるオレフィン系樹脂層と樹脂原料2からなるガスバリア層との層間の剥離強度を測定した。蓋材剥離部はガスバリア層、接着性樹脂層、接着剤層およびガスバリアフィルムであり、蓋材残存部はオレフィン系樹脂層のみであった。
[実施例3]
LDPE(住友化学工業(株)製スミカセンF200−0)を樹脂原料1とした以外は実施例1と同様にして衣料用防虫剤用包装材料を製造した。該衣料用防虫剤用包装材料を蓋材とし、容器にカップ状容器Aを用いて衣料防虫用品を製造した。これら衣料用防虫剤用包装材料や衣料防虫用品を用いて、各種評価を行なった。評価結果を表1に示す。なお剥離強度は、樹脂原料1からなるオレフィン系樹脂層と樹脂原料2からなるガスバリア層との層間の剥離強度を測定した。蓋材剥離部はガスバリア層、接着性樹脂層、接着剤層およびガスバリアフィルムであり、蓋材残存部はオレフィン系樹脂層のみであった。
[実施例4]
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)(住友化学工業(株)製アクリフトWD301、[MMA]=10wt%)と無水マレイン酸変性ポリエチレンAD(三井化学(株)製アドマーNF528)をEMMA/AD=90/10(wt%)の比で混合したものを樹脂原料1とした以外は実施例1と同様にして衣料用防虫剤用包装材料を製造した。該衣料用防虫剤用包装材料を蓋材とし、容器にカップ状容器Bを用いて衣料防虫用品を製造した。これら衣料用防虫剤用包装材料や衣料防虫用品を用いて、各種評価を行なった。評価結果を表1に示す。なお剥離強度は、樹脂原料1からなるオレフィン系樹脂層と樹脂原料2からなるガスバリア層との層間の剥離強度を測定した。蓋材剥離部はガスバリア層、接着性樹脂層、接着剤層およびガスバリアフィルムであり、蓋材残存部はオレフィン系樹脂層のみであった。
[実施例5]
実施例4と同様にして衣料用防虫剤用包装材料を製造した。該衣料用防虫剤用包装材料を蓋材とし、容器にカップ状容器Cを用いて衣料防虫用品を製造した。これら衣料用防虫剤用包装材料や衣料防虫用品を用いて、各種評価を行なった。評価結果を表1に示す。なお剥離強度は、樹脂原料1からなるオレフィン系樹脂層と樹脂原料2からなるガスバリア層との層間の剥離強度を測定した。蓋材剥離部はガスバリア層、接着性樹脂層、接着剤層およびガスバリアフィルムであり、蓋材残存部はオレフィン系樹脂層のみであった。
[比較例1]
LDPE(住友化学工業(株)製スミカセンF200−0)とPP(住友化学工業(株)製ノーブレンFS2011DG2)を共押出Tダイに接続された、異なる押出機にそれぞれ投入し、LDPE/PP=50/20(μm)となるように各押出量を調整し加工温度230℃で溶融押出し、40℃に調整した冷却ロールにより冷却して巻き取り積層フィルムを得た。該積層フィルムのPP層表面に表面張力46dyne/cmとなるようにコロナ処理を行った。ガスバリアフィルム(住友化学工業(株)製セービックス(酸素透過度0.1cc/m2・24hrs・atm/15μ))のコーティング面とPP層とを接着剤(三井武田ケミカル(株)社製 タケラックA515:タケネートA50=10:1重量比)を用いて接着して積層した後、40℃で24時間エージングを行い、衣料用防虫剤用包装材料を得た。該衣料用防虫剤用包装材料を蓋材とし、容器にカップ状容器Aを用いて衣料防虫用品を製造した。なお蓋材と容器とをシールする際には、蓋材のLDPE層と容器とをシールした。これら衣料用防虫剤用包装材料や衣料防虫用品を用いて、各種評価を行なった。結果を表2に示す。なお剥離強度は、LDPE層とPP層との層間の剥離強度を測定した。蓋材剥離部はPP層、接着剤層、ガスバリアフィルムであり、蓋材残存部はLDPE層のみであった。
[比較例2]
ガスバリアフィルム(住友化学工業(株)製セービックス)のコーティング面にアクリル系粘着剤を厚み20μmとなるように塗布して粘着剤層を形成し、該粘着剤層とEVAフィルム(タマポリ(株)性SB−5 厚み50μm)のコロナ面とを積層した後40℃で24時間エージングを行い、衣料用防虫剤用包装材料を得た。該衣料用防虫剤用包装材料を蓋材とし、容器にカップ状容器Aを用いて衣料防虫用品を製造した。これら衣料用防虫剤用包装材料や衣料防虫用品を用いて、各種評価を行なった。なお蓋材と容器とをシールする際には、蓋材のEVA層と容器とをシールした。結果を表2に示す。なお剥離強度は、EVAフィルム層とアクリル系粘着剤層との層間の剥離強度を測定した。蓋材剥離部はアクリル系粘着剤層、ガスバリアフィルムであり、蓋材残存部はEVA層であった。
[比較例3]
比較例2における粘着剤を接着剤(主剤:三井武田ケミカル(株)社製 タケラックA515)とした以外は比較例2と同様に行い衣料用防虫剤用包装材料を製造した。該衣料用防虫剤用包装材料を蓋材とし、容器にカップ状容器Aを用いて衣料防虫用品を製造した。これら衣料用防虫剤用包装材料や衣料防虫用品を用いて、各種評価を行なった。なお蓋材と容器とをシールする際には、蓋材のEVA層と容器とをシールした。評価結果を表2に示した。なお剥離強度は、EVAフィルム層と接着剤層との層間の剥離強度を測定した。蓋材剥離部は接着剤層、ガスバリアフィルムであり、蓋材残存部はEVA層であった。
Figure 2005119286
Figure 2005119286
1)単位:N/15mm巾
2)40℃1週間後保存後の外観を評価した。
外観の変化なし:〇
蓋材を構成する包装材料が層間で剥離:×
3)40℃1週間保存後の防虫成分残存量(%)= 100×(残存量/仕込み量)
4)25℃1週間保存後の害虫死亡率(単位:%)
実施例1〜5に示す衣料用防虫剤用包装材料を用いた衣料防虫用品は、保存中に蓋材剥離部に防虫成分が拡散することがなく、衣料用防虫剤が含有する防虫成分を有効に利用することができるものであり、該衣料防虫用品は防虫性能に優れたものであった。一方比較例1〜3に示す衣料用防虫剤用包装材料を用いた衣料防虫用品は、保存中に蓋材剥離部に防虫成分が拡散してしまい、衣料用防虫剤が含有する防虫成分を有効に利用することができず、防虫性能に劣っていた。また比較例2、3に示す衣料防虫用品は、保存中に蓋材が層間で剥離してしまった。これは蓋材の粘着剤層あるいは接着剤層に、防虫成分や増量剤が吸収されたためと思われる。

Claims (8)

  1. 防虫成分を含む衣料用防虫剤を包装する衣料用防虫剤用包装材料であって、該衣料用防虫剤用包装材料が、オレフィン系樹脂層と該オレフィン系樹脂層に隣接されてなるガスバリア層とを有し、オレフィン系樹脂層とガスバリア層との剥離強度が0.1〜3N/15mm幅である衣料用防虫剤用包装材料。
  2. オレフィン系樹脂層が、以下の(1)〜(3)から選択される1種以上のエチレン系樹脂からなる請求項1に記載の衣料用防虫剤用包装材料。
    (1)低密度ポリエチレン
    (2)直鎖状低密度ポリエチレン
    (3)カルボン酸ビニルエステルおよび不飽和カルボン酸エステルからなる群から選ばれる1種以上のモノマーとエチレンとの共重合体
  3. オレフィン系樹脂層が不飽和カルボン酸エステルとエチレンとの共重合体からなり、該共重合体における不飽和カルボン酸エステルモノマー由来の構成単位の含有量が10mol%以下である請求項2に記載の衣料用防虫剤用包装材料。
  4. ガスバリア層がビニルアルコール由来の構成単位を50mol%以上含むエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる請求項1〜3いずれかに記載の衣料用防虫剤用包装材料。
  5. 防虫成分の25℃における蒸気圧が10-5mmHg以上である請求項1〜4いずれかに記載の衣料用防虫剤用包装材料。
  6. 防虫成分が2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートである請求項5に記載の衣料用防虫剤用包装材料。
  7. 衣料用防虫剤が2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンを含む請求項1〜6いずれかに記載の衣料用防虫剤用包装材料。
  8. 25℃における蒸気圧が10-5mmHg以上である防虫成分を含む衣料用防虫剤が請求項1〜7いずれかに記載の衣料用防虫剤用包装材料によって包装されてなる衣料防虫用品であって、該衣料用防虫剤用包装材料のオレフィン系樹脂層が衣料防虫用品の内面側に位置し、ガスバリア層が衣料防虫用品の外面側に位置する衣料防虫用品。
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