JP2005115356A - 有機感光体、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、有機感光体を長時間使用し、膜厚減耗が進んでも、ドット画像の潜像形成の大きさやコントラストの劣化を防止し、高階調、高精細の電子写真画像を形成できる有機感光体を提供することであり、且つ該有機感光体を用いたプロセスカートリッジ、画像形成装置、画像形成方法を提供することである。
【解決手段】 導電性支持体上に少なくとも中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該中間層の膜厚が6〜15μm、電荷輸送層の膜厚が5〜15μmであり、且つ前記中間層の仕事関数が接触電位差測定で、試料側導電極を変化させて得られる中間層の仕事関数φULと試料側導電極の仕事関数φMとの関係を下記式(a)で直線近似したとき、α≦0.8となることを特徴とする有機感光体。
式(a) φUL=α・φM+β (式中のα、βは定数)
【選択図】 なし

Description

本発明は、複写機やプリンターの分野において用いられる有機感光体(以下、単に感光体とも云う)、及び該有機感光体を用いたプロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に関するものである。
電子写真画像の高画質化のために、有機感光体上にスポット径が小さい露光光源を用いて微細な潜像形成を行い、微細なドット画像を形成する技術が開発されている。例えば、スポット径が4000μm2以下の光源を用いて有機感光体上に高精細の潜像を形成する方法が知られている(特許文献1)。このような小径スポット露光方式で、正確な潜像を形成するには、有機感光体への像露光による潜像形成時に、露光により発生する電荷キャリアの拡散を小さくすることが重要である。即ち、画像情報を静電潜像として忠実に再現するためには露光/未露光部の電位コントラストが十分確保されている必要があるが、これは発生キャリアが表面電荷に到達するまでのキャリアの拡散を押さえることが重要である。例えば1200dpi(dpiとは2.54cm当たりの画素ドット数)のような高密度画像の潜像劣化は、電荷輸送層の拡散定数(D)とドリフト移動度(μ)との比D/μが大きくなると静電潜像形成時の拡散の効果が無視できず、電荷輸送層の膜厚が大きくなると潜像劣化は大きくなると記述されている(非特許文献1)。更に1ドットの潜像の解析結果から、電荷輸送層のドリフト移動度(μ)が大きくなるほど潜像の拡散が大きくなることも報告されている。(非特許文献2)このため高解像度のプロセスにおいては電荷輸送層を薄膜化し、静電潜像の拡散を防止する有機感光体が既に提案されている(特許文献2)。
しかしながら、これらの提案された有機感光体は、感光体の耐久性の面では、十分な解決とはなり得ていない。即ち、有機感光体は一般的に帯電能、感度等の膜厚の膜厚依存性が大きく、繰り返し使用による膜厚減耗は、カブリや黒ポチ等の画像欠陥増大の原因と成りやすい。特に、感光層を薄膜化した有機感光体では、静電潜像形成時の帯電電位の負荷条件が、単位膜厚当たりの電界強度を大きくする傾向にあり、繰り返し使用におけるドット画像の劣化や残留電位上昇などの問題が発生しやすい。
更に、最近のデジタル複写機,プリンター等の電子写真装置は高画質化の追求と共に、小型,高速化が進み、感光体特性として高速化に対応した高感度化と、耐摩耗性向上による長寿命化の両方が要求されている。
前記した、高画質化、小型化、高速化の要求を満たすために、感光体の感度の時間応答性を高めることが要求されている。これらの要求を満たすために、従来高感度の電荷発生物質を開発する努力がなされてきた。その結果、代表的な高感度の電荷発生物質として、Y型フタロシアニン等のフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線のスペクトルで、ブラッグ角2θが27.3°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料)が開発され、該顔料を用いた電子写真感光体が実用化されている(非特許文献3)。しかしながら、これらの電子写真感光体は感光体のラインスピードが速く、帯電時間や露光工程から現像工程間迄の移動時間が短い高速の画像形成プロセスで、帯電電位が安定せず、ドット画像の劣化や残留電位上昇が発生し、カブリが発生したり、画像濃度が低下したりしやすい。
即ち、高画質、高速特性が要求される有機感光体においては、繰り返し使用に伴う感光体の膜厚変化が、ドット画像の静電潜像の大きさや電位コントラストの形成に作用し、ドット画像の劣化や残留電位上昇が発生し、カブリが発生したり、画像濃度が低下したりしやすい。特に、1200dpi以上のドット画像が要求され、階調再現性が重視される写真画像のプリント画像等では感光体の膜厚減耗が引き起こすドット画像の劣化が発生しやすく、これを防ぐことが必要である。
特開平8−272197号公報 特開平5−119503号公報 日本画像学会誌第38巻第4号296頁 富士時報第75巻第3号194頁 電子写真学会誌,29(3),250(1990)
本発明は上述のような従来技術の問題点を解決して、1200dpi以上の高解像度の電子写真画像を形成する画像形成装置に用いる有機感光体において、該有機感光体を長時間使用し、膜厚減耗が進んでも、ドット画像の潜像形成の大きさやコントラストの劣化を防止し、画像濃度の低下が少なく、高階調、高精細の電子写真画像を形成できる有機感光体を提供することであり、且つ該有機感光体を用いたプロセスカートリッジ、画像形成装置、画像形成方法を提供することである。
本発明の上記のような課題、即ち、高画質のドット画像の再現性を改善し、高精細の電子写真画像を得るためには、有機感光体の感光層の膜厚を薄くし、しかも、感光体を長期間使用し、膜厚減耗が進んでも、感光層単位膜厚当たりの電界強度が変化しにくいように中間層を厚くした上で、導電性支持体と電荷発生層の中間に存在する中間層を特定の仕事関数の特性を持たせることにより達成されることを見出し本発明を完成した。
(請求項1)
1200dpi以上の解像度でデジタル画像の書き込みを行い、静電潜像を形成する電子写真方式の画像形成装置に用いられる有機感光体において、導電性支持体上に少なくとも中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該中間層の膜厚が6〜15μm、電荷輸送層の膜厚が5〜15μmであり、且つ前記中間層の仕事関数が接触電位差測定で、試料側導電極を変化させて得られる中間層の仕事関数φULと試料側導電極の仕事関数φMとの関係を下記式(a)で直線近似したとき、α≦0.8となることを特徴とする有機感光体。
式(a) φUL=α・φM+β (式中のα、βは定数)
(請求項2)
前記中間層がN型半導性粒子を含有することを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
(請求項3)
前記N型半導性粒子がアナターゼ形酸化チタンであることを特徴とする請求項2に記載の有機感光体。
(請求項4)
前記中間層が有機セグメント成分及び無機セグメント成分を有する硬化性樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体。
(請求項5)
前記αが0.3≦α≦0.8であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機感光体。
(請求項6)
1200dpi以上の解像度で有機感光体上にデジタル画像の書き込みを行い、静電潜像を形成する電子写真方式の画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、帯電手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段の少なくとも1つと導電性支持体上に少なくとも中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該中間層の膜厚が6〜15μm、電荷輸送層の膜厚が5〜15μmであり、且つ前記中間層の仕事関数が接触電位差測定で、試料側導電極を変化させて得られる中間層の仕事関数φULと試料側導電極の仕事関数φMとの関係を前記式(a)で直線近似したとき、α≦0.8となる電子写真感光体とを有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
(請求項7)
少なくとも有機感光体、帯電手段、露光手段及び現像手段を有し、1200dpi以上の解像度で有機感光体上にデジタル画像の書き込みを行い、静電潜像を形成する電子写真方式の画像形成装置において、該有機感光体が導電性支持体上に少なくとも中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該中間層の膜厚が6〜15μm、電荷輸送層の膜厚が5〜15μmであり、且つ前記中間層の仕事関数が接触電位差測定で、試料側導電極を変化させて得られる中間層の仕事関数φULと試料側導電極の仕事関数φMとの関係を前記式(a)で直線近似したとき、α≦0.8であることを特徴とする画像形成装置。
(請求項8)
前記帯電手段による有機感光体の帯電電位が200〜400Vであることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
(請求項9)
少なくとも有機感光体と、該有機感光体上に1200dpi以上の解像度でデジタル画像の書き込みを行い静電潜像を形成するための帯電手段及び露光手段と、該静電潜像をトナー像に顕像化する現像手段と、該有機感光体上に形成されたトナー像を記録材に転写する転写手段を有する画像形成ユニットを複数配列し、画像形成ユニットごとに着色を変えたトナーを用いて形成した各トナー像を順次記録材に転写してカラー画像を形成する画像形成装置において、前記有機感光体が導電性支持体上に少なくとも中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該中間層の膜厚が6〜15μm、電荷輸送層の膜厚が5〜15μmであり、且つ前記中間層の仕事関数が接触電位差測定で、試料側導電極を変化させて得られる中間層の仕事関数φULと試料側導電極の仕事関数φMとの関係を前記式(a)で直線近似したとき、α≦0.8であることを特徴とする画像形成装置。
(請求項10)
請求項7〜9のいずれか1項に記載の画像形成装置を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
(請求項11)
帯電電位が200〜400Vの条件で、デジタル画像の書き込みを行い、デジタル画像の静電潜像を形成する電子写真方式の画像形成装置に用いられる有機感光体において、導電性支持体上に少なくとも中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該中間層の膜厚が6〜15μm、電荷輸送層の膜厚が5〜15μmであり、且つ前記中間層の仕事関数が接触電位差測定で、試料側導電極を変化させて得られる中間層の仕事関数φULと試料側導電極の仕事関数φMとの関係を前記式(a)で直線近似したとき、α≦0.8となることを特徴とする有機感光体。
本発明の有機感光体を用いることにより、1200dpi以上の高画質のドット画像を形成でき、画像不良を伴わない鮮鋭性、階調性が良好な電子写真画像を提供することができ、該有機感光体を用いたプロセスカートリッジ、画像形成装置、画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明の有機感光体は、導電性支持体上に少なくとも中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該中間層の膜厚が6〜15μm、電荷輸送層の膜厚が5〜15μmであり、且つ前記中間層の仕事関数が接触電位差測定で、試料側導電極を変化させて得られる中間層の仕事関数φULと試料側導電極の仕事関数φMとの関係を下記式(a)で直線近似したとき、α≦0.8となることを特徴とする。
式(a) φUL=α・φM+β (式中のα、βは定数)
有機感光体が上記構造を有することにより、1200dpi以上のドット画像の潜像形成が可能となり、該有機感光体を長期に使用し、膜厚が減少しても、1200dpi以上の解像度の高画質の電子写真画像の品質の変動を小さくし、良好な細線再現性、階調性、鮮鋭性、及びカラー画像等の品質劣化を防止することができる。
以下、本発明の有機感光体について詳細に説明する。
本発明において、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機感光体を全て含有する。
本発明の電荷輸送層とは、光露光により電荷発生層で発生した電荷キャリアを有機感光体の表面に輸送する機能を有する層を意味し、該電荷輸送機能の具体的な検出は、電荷発生層と電荷輸送層を導電性支持体上に積層し、光導伝性を検知することにより確認することができる。
本発明の有機感光体の層構成は、基本的には導電性支持体上に中間層とその上に電荷発生層及び電荷輸送層を積層した感光層から構成される。
以下に本発明に用いられる具体的な感光体の構成について記載する。
導電性支持体
本発明の感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状或いは円筒状の導電性支持体が用いられる。
本発明の円筒状の導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
導電性支持体の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。特に本発明の導電性支持体としてはアルミニウム系(主成分がアルミニウムで、マンガンや亜鉛等数%以下の物性調製金属を含有するもの)の材料が好ましく、常温の比抵抗は103Ωcm以下が好ましい。
本発明で用いられる導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
中間層
本発明の中間層は導電性支持体と電荷発生層の間に、膜厚が6〜15μmで且つ前記中間層の仕事関数の測定で、前記式(a)のαが0.8以下となることを特徴とする。
このような中間層を本発明の有機感光体に用いることにより、導電性支持体からの電荷の注入を良好に防止できると共に、中間層膜厚を6〜15μmと電荷輸送層に匹敵できるほど十分に厚くしても、残留電位や帯電電位の劣化が小さく、又、このような厚い中間層を設けることにより、電荷輸送層の膜厚を5〜15μmと比較的薄くしても、画像形成に必要な帯電電位を感光体に付与することが可能となる。
前記中間層の仕事関数の前記式(a)について、説明する。
本発明の中間層の仕事関数の前記式(a)接触電位差測定で、試料側導電極を変化させて得られる。該仕事関数の測定には一般的にケルビン法と呼ばれる手法が用いられる。ケルビン法及び仕事関数の決定方法については、「新実験化学講座18 −界面とコロイド−」(日本化学会編P181〜192)に詳細な記述がある。
中間層の仕事関数を決定するときは、試料側導電極上に中間層を設けてサンプルとし、金電極を対抗極にして中間層表面と金電極(対抗極)表面との間の電位差測定を行う。中間層は試料側電極を介して金電極と接しているが、本来、接触界面を通してフェルミ準位の高い側から低い側に向けて十分な電子移動が起こり平衡に達している場合は、中間に介在する金属によらず、中間層と金電極との間の接触電位差は一定となり、したがって中間層の仕事関数も一定となるべきである。しかしながら実際の測定結果では、試料側導電極の仕事関数に依存して中間層の仕事関数の値は変化する。これは中間層と試料側電極との接触平衡のありかたが理想的な電子移動によるものとは異なっていることを示しており、中間層の電子的特性を反映した挙動として注目される。
本発明の中間層のφULとφMとの直線関係の傾きαはα≦0.8であることを特徴とする。中間層の仕事関数の前記式(a)の傾きを0.8以下にすることにより、電荷発生層で発生したキャリアの内、電子の中間層への注入特性が改善され、その結果、中間層を6〜15μmと厚くしても、残留電位の上昇が小さい特性が得られ、又、導電性支持体からの電荷の注入も効果的に抑止する整流特性を得ることが見出された。
αの値はα=0が下限であるが、好ましくは0.3以上、最も好ましくは0.5以上である。αが0.3未満になると、電荷発生層からの熱励起キャリアの注入が多くなる傾向にあり、帯電電位の暗減衰が大きくなりやすい。
次に、前記した特性を有する本発明の中間層の構成について、以下に記載する。
上記したような中間層の特性を得るためには、中間層をN型半導性粒子を分散させた樹脂層に構成することが好ましい。
N型半導性粒子とは、導電性キャリアを電子とする性質をもつ微粒子を示す。すなわち、導電性キャリアを電子とする性質をもつことから、該N型半導性粒子を絶縁性バインダーに含有させた中間層は、基体からのホール注入を効率的にブロックし、また、感光層からの電子に対してはブロッキング性が少ない性質を有する。例えば、酸化亜鉛、酸化チタン等が挙げられるが、中でも、アナターゼ形酸化チタンが好ましい。
アナターゼ形酸化チタン粒子は数平均一次粒子径が5〜400nmの範囲の微粒子が好ましい。特に、10nm〜200nmが好ましい。数平均一次粒子径とは、微粒子を透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によってフェレ方向平均径としての測定値である。
本発明では中間層にニオブ元素を100ppm〜2.0質量%含有するアナターゼ形酸化チタン顔料が好ましい。アナターゼ形酸化チタン顔料中にニオブ元素を上記範囲内で含有させることにより、アナターゼ形酸化チタン顔料の整流特性が長期間の感光体使用中も安定して発揮され、絶縁破壊や黒ポチの発生を防止し、温湿度の環境条件が変化しても、帯電特性や感度特性の変化が小さい。
アナターゼ形酸化チタン顔料のニオブ元素の含有量は300ppm〜1.8質量%がより好ましい。
本発明のアナターゼ形酸化チタン粒子全体のニオブ元素濃度はICP(誘導結合プラズマ発光分析法)による定量分析により分析できる。
本発明のアナターゼ形酸化チタン顔料は公知の硫酸法で製造することができる。即ち、硫酸チタン、硫酸チタニルを含む溶液を加熱して加水分解させ含水二酸化チタンスラリーを作製し、該二酸化チタンスラリーを脱水焼成して得られる。以下、ニオブ元素を含有したアナターゼ形酸化チタン顔料の製造方法を記載する。
まず、硫酸チタニル水溶液を加水分解して得た含水二酸化チタンスラリーに、硫酸ニオブ(水溶性のニオブ化合物)を添加する。添加量は、スラリー中のチタン量(二酸化チタン換算)に対し、ニオブイオンとして0.15〜5質量%の硫酸ニオブが適当である。具体的には、(i)硫酸チタニル水溶液に硫酸ニオブをニオブイオンとして0.15〜5質量%加えたものを加水分解して得た含水二酸化チタンスラリー、あるいは(ii)硫酸チタニル水溶液を加水分解して得た含水二酸化チタンスラリーに、硫酸ニオブをニオブイオンとして0.15〜5質量%加えたスラリーを用いることができる。
上記ニオブイオン等を含む含水二酸化チタンスラリーを脱水して焼成する。焼成温度は一般に850〜1100℃が適当である。焼成温度が850℃未満では焼成が十分に行われない。また、1100℃を上回ると粒子の焼結が生じ、顔料の分散性が著しく損なわれる。スラリーに加えられたニオブイオンは焼成中に粒子表面に偏析し、ニオブ酸化物として表面層に多く含まれる。この製造方法により、一次粒子の平均粒径が0.01〜10μmであって、ニオブ元素を100ppm〜2質量%含有したアナターゼ形酸化チタン顔料を得ることができる。
尚、四塩化チタンを用いて、ガス焼結法により酸化チタン顔料を形成する方法もあり、この場合、原料のガス成分に他の金属ハロゲン成分を持ち込まなければ、ニオブ等の他の金属元素の含有量をゼロ(ほとんど含有しない)としたアナターゼ酸化チタン顔料を作製することもできる。
本発明のアナターゼ形酸化チタンはアナターゼ化度は90〜100%が好ましい。上記方法により、アナターゼ化度がほぼ100%のアナターゼ形酸化チタンを作製することができる。又、この範囲のニオブ元素を含有するアナターゼ形酸化チタンを含有する本発明の中間層は、整流性が良好且つ安定して達成され、本発明の前記したような効果が良好に達成される。
ここで、アナターゼ化度とは、酸化チタンの粉末X線回析において、アナターゼの最強干渉線(面指数101)の強度IAとルチルの最強干渉線(面指数110)の強度IRを測定し、以下の式で求められる値である。
アナターゼ化度(%)=100/(1+1.265×IR/IA)
アナターゼ化度を90〜100%の範囲に作製するには、酸化チタンの作製において、チタン化合物として硫酸チタン、硫酸チタニルを含む溶液を加熱して加水分解させるとアナターゼ化度がほぼ100%のアナターゼ形酸化チタンが得られる。又、四塩化チタン水溶液をアルカリを用いて中和すればアナターゼ化度が高いアナターゼ形酸化チタンが得られる。
本発明の中間層の仕事関数の前記式(a)の係数αはアナターゼ形酸化チタン顔料等のN型半導性粒子の粒径や表面処理あるいは添加量を変えることにより、調整することができる。本来、アナターゼ形酸化チタン顔料は強いN型特性を有するが、表面処理を施すことにより、そのN型特性を抑制することができ、その結果、前記式(a)の係数αが大きくなる傾向になる。
アナターゼ形酸化チタン顔料は、反応性有機ケイ素化合物による表面処理を行うことにより、N型特性を変えることができる。反応性有機ケイ素化合物によるアナターゼ形酸化チタン顔料の表面処理は以下の様な湿式法で行うことできる。尚、反応性有機ケイ素化合物の表面処理とは、処理液に反応性有機ケイ素化合物を用いることを意味する。
即ち、有機溶剤や水に対して前記反応性有機ケイ素化合物を溶解または懸濁させた液に前記アナターゼ形酸化チタン顔料を添加し、この混合液を数分から1昼夜程度メディア分散する。そして場合によっては混合液に加熱処理を施した後に、濾過等の工程を経た後乾燥し、表面を有機ケイ素化合物で被覆したアナターゼ形酸化チタン顔料を得る。なお、有機溶剤や水に対して酸化チタンを分散させた懸濁液に前記反応性有機ケイ素化合物を添加しても構わない。
尚、前記表面処理に用いられる反応性有機ケイ素化合物の量は、前記表面処理時の仕込量にてアナターゼ形酸化チタン顔料100質量部に対し、反応性有機ケイ素化合物を0.1〜10質量部、更に好ましくは0.1〜5質量部用いることが好ましい。表面処理量が上記範囲よりも少ないと表面処理効果が十分に付与されず、中間層内における酸化チタン粒子の分散性等が悪くなる。また、表面処理量が上記範囲を超えてしまうと、電子写真特性を劣化させ、その結果残留電位上昇や帯電電位の低下を招いてしまう。
本発明で用いられる反応性有機ケイ素化合物としては下記一般式(2)で表される有機ケイ素化合物が挙げられるが、酸化チタン表面の水酸基等の反応性基と縮合反応をする化合物であれば、下記化合物に限定されない。
一般式(2)
(R)n−Si−(X)4-n
(式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xは加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
一般式(2)で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。また、Xの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。
また、一般式(2)で表される有機ケイ素化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用しても良い。
また、一般式(2)で表される有機ケイ素化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の場合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、一般式(2)で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用いるとき、R及びXはそれぞれの化合物間で同一でも良く、異なっていても良い。
又、好ましい反応性有機ケイ素化合物としてはポリシロキサン化合物が挙げられる。特にメチルハイドロジェンポリシロキサンが好ましい。該ポリシロキサン化合物の分子量は1000〜20000のものが一般に入手しやすく、又、黒ポチ発生防止機能も良好である。
本発明の酸化チタンの表面処理の他の1つはフッ素原子を有する有機ケイ素化合物により表面処理を施された酸化チタン粒子である。該フッ素原子を有する有機ケイ素化合物による表面処理、前記した湿式法で行うのが好ましい。
尚、本発明において酸化チタン粒子表面が反応性有機ケイ素化合物により被覆されていることは、光電子分光法(ESCA)、オージェ電子分光法(Auger)、2次イオン質量分析法(SIMS)や拡散反射FI−IR等の表面分析手法を複合することによって確認されるものである。
上記アナターゼ形酸化チタン顔料の表面処理の他の1つは、アルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理が挙げられる。
このアルミナ処理、シリカ処理、ジルコニア処理とはアナターゼ形酸化チタン表面にアルミナ、シリカ、或いはジルコニアを析出させる処理を云い、これらの表面に析出したアルミナ、シリカ、ジルコニアにはアルミナ、シリカ、ジルコニアの水和物も含まれる。
なお、アルミナ及びシリカの処理は同時に行っても良いが、特にアルミナ処理を最初に行い、次いでシリカ処理を行うことが好ましい。また、アルミナとシリカの処理をそれぞれ行う場合のアルミナ及びシリカの処理量は、アルミナよりもシリカの多いものが好ましい。
アナターゼ形酸化チタンのアルミナ、シリカ、及びジルコニア等の金属酸化物による表面処理は湿式法で行うことができる。例えば、シリカ、又はアルミナの表面処理を行ったアナターゼ形酸化チタンは以下の様に作製することができる。
アナターゼ形酸化チタンを用いる場合、酸化チタン粒子(数平均一次粒子径:50nm)を50〜350g/Lの濃度で水中に分散させて水性スラリーとし、これに水溶性のケイ酸塩又は水溶性のアルミニウム化合物を添加する。その後、アルカリ又は酸を添加して中和し、酸化チタン粒子の表面にシリカ、又はアルミナを析出させる。続いて濾過、洗浄、乾燥を行い目的の表面処理酸化チタンを得る。前記水溶性のケイ酸塩としてケイ酸ナトリウムを使用した場合には、硫酸、硝酸、塩酸等の酸で中和することができる。一方、水溶性のアルミニウム化合物として硫酸アルミニウムを用いたときは水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリで中和することができる。
なお、上記表面処理に用いられる金属酸化物の量は、前記表面処理時の仕込量にて酸化チタン粒子100質量部に対して、0.1〜50質量部、更に好ましくは1〜10質量部の金属酸化物が用いられる。尚、前述のアルミナとシリカを用いた場合も例えばアナターゼ形酸化チタン粒子の場合、酸化チタン粒子100質量部に対して各々1〜10質量部用いることが好ましく、アルミナよりもシリカの量が多いことが好ましい。
又、本発明の中間層は実質的に絶縁層であることが好ましい。ここで絶縁層とは、体積抵抗が1×108以上である。本発明の中間層及び保護層の体積抵抗は1×108〜1015Ω・cmが好ましく、1×109〜1014Ω・cmがより好ましく、更に好ましくは、2×109〜1×1013Ω・cmである。体積抵抗は下記のようにして測定できる。
測定条件;JIS:C2318−1975に準ずる。
測定器:三菱油化社製Hiresta IP
測定条件:測定プローブ HRS
印加電圧:500V
測定環境:30±2℃、80±5RH%
体積抵抗が1×108未満では中間層の電荷ブロッキング性が低下し、黒ポチの発生が増大し、電子写真感光体の電位保持性も劣化し、良好な画質が得られない。一方1015Ω・cmより大きいと繰り返し画像形成で残留電位が増大しやすく、良好な画質が得られない。
本発明の中間層を形成するために作製する中間層塗布液は前記表面処理酸化チタン等のN型半導性粒子、バインダー樹脂、分散溶媒等から構成されることが好ましい。
本発明の中間層は、バインダー樹脂100質量部に対し、N型半導性粒子を10〜10,000質量部、好ましくは50〜1,000質量部の割合で含有させることが好ましい。該N型半導性粒子をこの範囲で用いることにより、該N型半導性粒子の分散性を良好に保つことができ、絶縁破壊や黒ポチが発生せず、電位変動が小さい良好な中間層を形成することができる。
一方、これらの粒子を分散し、中間層の層構造を形成するバインダー樹脂としては、粒子の良好な分散性を得る為にポリアミド樹脂等を用いることができるが、特に以下に示す有機セグメント成分、無機セグメント成分を有する硬化性樹脂が好ましい。
本発明の有機感光体の中間層は、有機セグメント成分及び無機セグメント成分を有するバインダー樹脂を含有することが好ましい。更に、該バインダー樹脂は酸化防止構造成分を含有することが好ましい。
ここで、有機セグメント成分とは樹脂を形成する連鎖構造が有機物質(連鎖構造中に炭素原子を含む)で形成された繰り返し単位構成を有する成分を云う。
例えば、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等を構成する連鎖構造成分を云う。本発明の中間層の樹脂は、この有機セグメント成分を樹脂構造の部分構造として、無機セグメント成分と共に含有する。
本発明の有機セグメント成分は、連鎖重合性単量体から重合されたセグメント成分であることが好ましい。中でも、アクリル酸エステル又はメタアクリル酸エステルを連鎖重合性単量体として用いて形成したビニル系樹脂成分が好ましい。
一方、無機セグメント成分とは、樹脂の連鎖構造が無機物質で形成された繰り返し単位を有する成分を云う。好ましい無機セグメント成分としては、ケイ素と酸素の連鎖構造を有するシロキサン縮合体成分が挙げられる。
以下、ビニル系樹脂成分からなる有機セグメント成分に、無機セグメント成分としてのシロキサン縮合体成分を結合させた樹脂について説明する。
有機セグメント成分にシロキサン縮合体成分を化学的な結合で連結させるには、有機セグメント形成時に、炭素−炭素不飽和結合の重合性不飽和基を有する下記一般式(1)の重合性シラン化合物を共存させ、これらの重合性シラン化合物を有機セグメント成分の形成時に連鎖重合性単量体(有機セグメント成分の連鎖重合性単量体)の重合の進行と共に反応させることにより、有機セグメント成分中にシリル基を導入したシリル変性有機セグメント成分を形成し、その後、このシリル基にシロキサン縮合体(シロキサン樹脂成分)を形成するか、既に形成されたシロキサン縮合体を結合させる。
Figure 2005115356
一般式(1)において、R3は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアラルキル基、R4は重合性二重結合を有する有機基、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基を示し、nは1〜3の整数である。
上記一般式(1)の重合性シラン化合物としては、シリル基、特に加水分解性を有するシリル基を有し、後述の各種連鎖重合性単量体と重合可能な化合物であれば特に制限されず、例えば、CH2=CHSi(CH3)(OCH32、CH2=CHSi(OCH33、CH2=CHSi(CH3)Cl2、CH2=CHSiCl3、CH2=CHCOO(CH22Si(CH3)(OCH32、CH2=CHCOO(CH22Si(OCH33、CH2=CHCOO(CH23Si(CH3)(OCH32、CH2=CHCOO(CH23Si(OCH33、CH2=CHCOO(CH22Si(CH3)Cl2、CH2=CHCOO(CH22SiCl3、CH2=CHCOO(CH23Si(CH3)Cl2、CH2=CHCOO(CH23SiCl3、CH2=C(CH3)COO(CH22Si(CH3)(OCH32、CH2=C(CH3)COO(CH22Si(OCH33、CH2=C(CH3)COO(CH23Si(CH3)(OCH32、CH2=C(CH3)COO(CH23Si(OCH33、CH2=C(CH3)COO(CH22Si(CH3)Cl2、CH2=C(CH3)COO(CH22SiCl3、CH2=C(CH3)COO(CH23Si(CH3)Cl2、CH2=C(CH3)COO(CH23SiCl3
Figure 2005115356
等が挙げられる。これらの重合性シラン化合物は単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
有機セグメント成分を形成する連鎖重合性単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸などのカルボン酸および無水マレイン酸などの酸無水物;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ化合物;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ化合物;(メタ)アクリルアミド、イタコン酸ジアミド、α−エチルアクリルアミド、クロトンアミド、フマル酸ジアミド、マレイン酸ジアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド化合物;アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどからなるグループから選ばれる1またはそれ以上のビニル系連鎖重合性単量体を用いることが好ましい。又、水酸基を含むビニル系連鎖重合性単量体(モノマー)、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシビニルエーテル、N−メチロールアクリルアミドなども用いることができる。
又、本発明はの感光体は、中間層が有機セグメント成分、無機セグメント成分及び酸化防止構造成分を有するバインダー樹脂を含有することが好ましい。
ここで、酸化防止構造成分とはオゾン、NOx等の活性ガス、或いは紫外線等の光照射により引き起こされる酸化又は還元耐性を有する基を意味する。
樹脂が酸化防止構造成分を有するとは、樹脂構造の一部に、部分構造としてヒンダードアミン、或いはヒンダードフェノール等の酸化防止構造成分を有することを云う。酸化防止構造成分は、有機セグメント成分に部分構造としてヒンダードアミン、或いはヒンダードフェノール等の酸化防止構造成分を導入することができる。
即ち、有機セグメント成分、無機セグメント成分及び酸化防止構造成分を有する樹脂は、有機セグメント成分を形成する連鎖重合性単量体、酸化防止構造成分を形成する重合性単量体、重合性シラン化合物を用いて、重合反応を行ない、酸化防止構造成分を有し且つシリル基を有する有機セグメント成分を形成し、その後該有機セグメント成分のシリル基にシロキサン縮合体を形成することにより達成できる。
ここで、ヒンダードアミン基とはアミン化合物のアミノ基のN原子近傍に立体障害性を有する基及びその誘導体を云う。立体障害性の基としては分岐状アルキル基、炭素数が3以上の基等が好ましい。
又、ヒンダードフェノール基とはフェノールの水酸基に対しオルト位置に立体障害性を有する基及びその誘導体を云う。(但し、水酸基がアルコキシに変成されていても良い)。立体障害性の基としては分岐アルキル基、或いは炭素数が3以上の基等が好ましい。
有機セグメント成分にヒンダードアミン基、或いはヒンダードフェノール基を部分構造として導入するには、有機セグメント成分形成時に、炭素−炭素不飽和結合の重合性不飽和基を有するヒンダードアミン化合物(単量体)或いはヒンダードフェノール化合物(単量体)を共存させ、これらの化合物を有機セグメント成分の形成時に連鎖重合性単量体の重合の進行と共に反応させることにより、有機セグメント成分中にヒンダードアミン基或いはヒンダードフェノール基を導入することができる。
このような重合性不飽和基を有するヒンダードアミン化合物としては、重合性不飽和基を含有する立体障害アミン化合物が好ましく、なかでも重合性不飽和基を含有する立体障害ピペリジン化合物(以下、「ピペリジン系モノマー」ともいう。)が特に好ましい。ピペリジン系化合物の代表的なものとしては、例えば下記一般式(A)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2005115356
一般式(A)において、R5は水素原子またはシアノ基を示し、R6およびR7は相互に同一でも異なってもよく、水素原子、メチル基またはエチル基を示し、Xは酸素原子またはイミノ基を示し、Yは水素原子、炭素数1〜18のアルキル基または下記一般式(B)で表される重合性不飽和基を示す。
Figure 2005115356
一般式(B)において、R8およびR9は相互に同一でも異なってもよく、水素原子、メチル基またはエチル基を示す。
一般式(A)におけるXのイミノ基中の水素原子は、置換されても置換されていなくてもよい。また、一般式(A)におけるYのうち、炭素数1〜18のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基等の直鎖または分岐鎖のアルキル基を挙げることができる。
上記、一般式(A)のピペリジン系化合物のうち、好ましい化合物は、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シアノ−4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−シアノ−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−シアノ−4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等であり、なかでも4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンが特に好ましい。
又、重合性不飽和基を有するヒンダードフェノール化合物としては、重合性不飽和基を含有するヒンダードフェノール化合物が好ましく、例えば下記のような化合物を挙げることができる。即ち、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(3,5−ジ−s−プロピル−4−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(3,5−ジ−t−オクチル−4−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(3−t−ブチル−5−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)4−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル(メタ)アクリレート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エチル(メタ)アクリレート、2−(3,5−ジ−s−プロピル−4−ヒドロキシフェニル)エチル(メタ)アクリレート、2−(3,5−ジ−t−オクチル−4−ヒドロキシフェニル)エチル(メタ)アクリレート、2−(3−t−ブチル−5−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)4−ヒドロキシフェニル)エチル(メタ)アクリレート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオン酸ビニルエステル、3,5−ジ−t−オクチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオン酸ビニルエステル、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオン酸−イソプロペニルエステル、3,5−ジ−t−オクチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオン酸−イソプロペニルエステル等が挙げられる。
前記酸化防止構造成分を有する化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。又、「ヒンダードアミン基或いはヒンダードフェノール基を有し」とはヒンダードアミン基或いはヒンダードフェノール基の少なくとも一方を有することを意味し、両方の基を有していても良い。
ここで、ヒンダードアミン基又はヒンダードフェノール基を有し且つシリル変性された(シリル基を有する)有機セグメント成分の合成例を記載する。
(有機セグメント成分A溶液の合成例:ヒンダードアミン基を有し且つシリル変性されたビニル系ポリマーA溶液)
還流冷却器及び攪拌機を備えた反応容器に、モノマーとしてγ−メタクリロイ
ルオキシプロピルトリメトキシシラン25部、4−メタクロイルオキシ−1,2,2,6,6,−ペンタメチルピペリジン1部、メタクリル酸メチル80部とメタクリル酸2−エチルヘキシル15部、n−ブチルアクリレート29部、2−プロパノール150部、2−ブタノン50部及びメタノール25部を加えて混合した後、攪拌しながら80℃に加温し、この混合物にアゾビスイソバレロニトリル4部をキシレン10部に溶解した溶液を30分間かけて滴下した後、80℃で5時間反応させて固形分濃度40%の側鎖にヒンダードアミン基を有し且つシリル基を有するビニル系ポリマーA溶液を得た。
(有機セグメント成分B溶液の合成例:ヒンダードフェノール基を有し且つシリル変性されたビニル系ポリマーB溶液)
還流冷却器及び攪拌機を備えた反応容器に、モノマーとしてγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン20部、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート2部、メタクリル酸メチル70部、n−ブチルアクリレート40部、アクリル酸5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート13部、1,1,1−トリメチルアミンメタクリルイミド1部、2−プロパノール150部、2−ブタノン50部及びメタノール25部を加えて混合した後、攪拌しながら80℃に加温し、この混合物にアゾビスイソバレロニトリル4部をキシレン10部に溶解した溶液を30分間かけて滴下した後、80℃で5時間反応させて固形分濃度40%の側鎖にヒンダードフェノール基を有し且つシリル基を有するビニル系ポリマーB溶液を得た。
上記合成例A、Bに示したように重合性不飽和基を有するヒンダードアミン化合物、ヒンダードフェノール化合物、重合性シラン化合物及びビニル系連鎖重合性単量体を共存させ重合することにより、側鎖にヒンダードアミン基或いはヒンダードフェノール基を有し且つシリル基を有する有機セグメント成分(ビニル系ポリマー成分)を合成する事が出来る。
上記シリル基を有する有機セグメント成分の重合度は特に制限されないが、100〜500であることが望ましい。
次に、上記シリル基を有するビニル系ポリマーA、Bにシロキサン縮合体成分を形成することにより、本発明の樹脂構造を有する中間層を形成できる。即ち、上記シリル基を有するビニル系ポリマーと以下に記すような有機ケイ素化合物を用いて、シリル基を有するビニル系ポリマーのシリル基にシロキサン縮合体成分を形成する。このシロキサン縮合体成分の形成は中間層形成と同時に行ってもよいが、予め中間層溶液でシリル基末端にシロキサン縮合体成分を形成して、中間層形成を行ってもよい。
又、シロキサン縮合体成分とはシロキサン結合が複数個、三次元的に連なった構造を有し、前記一般式(2)で示され有機ケイ素化合物の重縮合により得られる樹脂構造を有している。
又、本発明のシロキサン縮合体成分を製造するに際し、前記一般式(2)で示される有機ケイ素化合物を2種以上用いる場合はそれぞれの有機ケイ素化合物のRは同一でも良く、異なっていてもよい。
架橋構造を有するシロキサン縮合体成分の原料として用いられる前記有機ケイ素化合物は、一般にはケイ素原子に結合している加水分解性基の数(4−n)のnが3のとき、有機ケイ素化合物の高分子化反応は抑制される。nが0、1又は2のときは高分子化反応が起こりやすく、特に1或いは0では高度に架橋反応を進めることが可能である。従って、これらをコントロールすることにより得られる塗布層液の保存性や塗布膜の硬度等を制御することが出来る。
本発明の中間層は有機セグメント成分、無機セグメント成分、及び酸化防止構造成分を有する樹脂を含有するが、これらの成分は樹脂中で、相互に化学結合により結合しており、中間層全体が架橋構造を有する樹脂層で形成されている。
前記中間層を構成する樹脂の有機セグメント成分、無機セグメント成分、及び酸化防止構造成分の質量比は有機セグメント成分1に対し、無機セグメント成分0.25〜4、酸化防止構造成分0.01〜1の質量比で構成されていることが好ましい。無機セグメント成分の質量比が少ないと、繰り返しの画像形成で、残留電位が増大しやすく、反転現像で画像濃度が低下しやすい。無機セグメント成分が多すぎると、中間層の上に設置される電荷発生層の塗布性が劣化し、均一な膜形成ができない。又、酸化防止構造成分の質量比が多くても、少なくても繰り返し使用時の電子写真特性(帯電、感度、残留電位特性等)が劣化しやすい。
感光層
電荷発生層
電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
本発明の有機感光体には、電荷発生物質としてフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを、単独又は併用して用いることができる。これらの顔料の中でも、高感度で且つ電位安定性が良好なチタニルフタロシアニン顔料、ガリウムフタロシアニン顔料、ぺリレン顔料等が好ましく用いられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θが27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイミダゾールペリレン、Cu−Kαの特性X線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2°)において、少なくとも7.4°、16.6°、25.5°、28.3°の位置に回折ピークを有するクロルガリウムフタロシアニン顔料、又は少なくとも7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、28.1°の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料等が繰り返し使用に伴う帯電性能や感度の変化がほとんどなく、良好に用いられる。
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.1μm〜2μmが好ましい。
電荷輸送層
本発明の電荷輸送層には前記した膜厚が、5〜15μmの電荷輸送層を用いる。該膜厚が5μm未満では、帯電電位が不十分で、静電潜像の電位コントラストが十分に得られにくく、画像ボケが発生しやすく、又、黒ポチ等の周期性画像欠陥も発生しやすい。一方膜厚が15μmを超えると静電潜像の拡散が大きく成りやすく、画像がボケやすく鮮鋭性が劣化しやすい。
本発明の電荷輸送層は基本的には電荷輸送物質(CTM)と該CTMを分散させ膜形成機能を有するバインダー樹脂等から構成される。
電荷輸送物質としては、例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン誘導体、スチルベン化合物、オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセンなどを単独で、或いは併用して用いることができる。これらの電荷輸送物質の中でも、前記した電荷発生物質と組み合わせて、安定した電子写真特性(帯電能や感度等)を得るには、電荷輸送物質をトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物から選択することが好ましい。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。
又、電荷輸送層のバインダー樹脂としては、誘電率が小さいバインダー樹脂を用いることが好ましく、ポリスチレン樹脂、スチレンブタジエン共重合体等が上げられる。
電荷輸送層には必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
電荷輸送層(CTL)に用いられるバインダー樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂かを問わなが、誘電率が小さいバインダー樹脂を用いることが好ましく、特に好ましいバインダー樹脂としては、ポリスチレン樹脂、スチレンブタジエン共重合体、ポチカーボネート等を単独で、或いはブレンドして用いることが好ましい。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し50〜200質量部が好ましい。
又、電荷輸送層は複数の電荷輸送層で構成してもよい。該複数層の電荷輸送層の膜厚が前記した5〜15μmの範囲に収まればよい。
中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
次に有機感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお保護層は前記円形量規制型塗布加工方法を用いるのが最も好ましい。前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
図1は、タンデム中間転写式の画像形成装置の一例を示す断面構成図である。
本例は、ドラム型の中間転写手段を有する装置であり、転写手段10上に現像剤であるカラートナーを重ね合わせてカラー画像を形成したのち、記録材(最終画像に支持体:普通紙、透明シート等)である記録紙Pに転写を行う形態である。
転写手段10は、その周囲に配置されている4組の画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kにより形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を順次重ね合わせて担持する。前記転写手段10は、ドラム状の転写体10であって、円筒状の金属基体であるアルミニウム基体11上に、弾性層として導電性ゴム層12(厚さ500〜5000μm、電気抵抗108〜1014Ω・cmのウレタンゴム層)と、更に、その上に離形性フィルム13(分離用として、厚さ20〜200μm、電気抵抗1010〜1016Ω・cmのテフロン(登録商標)層)が設けられている。転写体10の周囲には、4組の画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kと、記録紙転写手段30、クリーニング手段16が各々配設されている。又、転写体10は、軸101によってカラー画像形成装置100に回転自在に軸支されている。
又、前記4組の画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kは、各々枠体26Y、26M、26C、26K内に設けられ、該枠体26Y、26M、26C、26Kがカラー画像形成装置100内で移動可能に設けられ、各画像形成ユニットを、ドラム状の転写体10に対して使用色に応じて画像転写位置か、又は非画像転写位置に移動させるための移動用部材27Y、27M、27C、27Kが各々枠体26Y、26M、26C、26Kと接触して設けられている。
前記4組の画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kは、感光体ドラム21Y、21M、21C、21Kを中心に、回転する帯電手段22Y、22M、22C、22Kと、像露光手段23Y、23M、23C、23Kと、回転する現像手段24Y、24M、24C、24K、及び、感光体ドラム21Y、21M、21C、21Kをクリーニングするクリーニング手段25Y、25M、25C、25Kより構成されている。
前記画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kは、転写体10にそれぞれ形成するトナー像の色が異なるだけで、同じ構成であり、図2(本発明の画像形成装置に用いる画像形成ユニットの断面構成図)により画像形成ユニット20Yを例にして詳細に説明する。
枠体26Y内に設けた画像形成ユニット20Yは、像形成体である感光体ドラム21Yの周囲に、像形成体帯電手段22Y(以下、単に帯電手段22Y、あるいは、帯電器22Yという)、露光手段23Y、現像手段24Y、像形成体クリーニング手段25Y(以下、単にクリーニング手段25Y、あるいは、クリーニングブレード25Yという)を配置し、感光体ドラム21Y上にイエロー(Y)のトナー像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット20Yのうち、少なくとも感光体ドラム21Y、帯電手段22Y、現像手段24Y、クリーニング手段25Yを一体化するように設けている。
帯電手段22Yは、感光体ドラム21Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム21Yと接触しながら従動回転をするローラ状の帯電器22Yが用いられている。
本発明の有機感光体の帯電電位は上限が約1000Vの帯電電位を付加することが可能であるが、1200dpi以上の解像度でデジタル画像の書き込みを行う画像形成装置においては、帯電電位は800V以下、最も好ましくは200〜400Vの範囲が好ましい。即ち、低電位の帯電電位で、潜像を形成することにより、像露光に忠実なドット画像の静電潜像を形成することができる。
像露光手段23Yは、ローラ状の帯電器22Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム21Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段23Yとしては、感光体ドラム21Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの、あるいは、レーザ光学系などが用いられる。
本発明の有機感光体には、1200dpi以上の解像度でデジタル画像の書き込みを行い、静電潜像を形成することを前提としている。このような高解像度のドット画像の静電潜像を感光体に形成するには、像露光をスポット面積が5.00×10-102(500μm2)以下の露光ビームを用いて行うことが好ましい。
このような小径のビーム露光を行っても、本発明の有機感光体は、該スポット面積に対応した静電画像を忠実に形成することができ、1200dpi以上のドット画像を持つ、鮮鋭性が良好で、階調性が豊かな電子写真画像を達成することができる。本発明の有機感光体に形成するドット画像数は1200dpi以上であるが、好ましくは1200〜3000dpi、より好ましくは1200〜2500dpiである。該ドット画像数を大きくする為には、前記露光ビームのスポット面積をより小さくして、感光体上に、露光することが必要である。
又、前記露光ビームのスポット面積とは、該露光ビームを該ビームと垂直な面で切断したとき、該切断面に現れる光強度分布面で、光強度が最大ピーク強度の1/e2以上の領域に相当する面積を意味する。
用いられる光ビームとしては半導体レーザを用いた走査光学系、及びLEDや液晶シャッター等の固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e2までの部分をスポット面積とする。
現像手段24Yは、現像剤であるイエロートナーを収容し、感光体ドラム21Y上に形成された静電潜像を反転現像して、イエロートナー像を形成する手段である。本実施の形態の現像手段24Yにおいては、現像手段24Y内に収容されているイエロートナーを、撹拌部材241Yにより撹拌した後、矢示の方向に回転する表面が弾性(スポンジ)のトナー供給ローラ242Yにより、現像スリーブ243Yへ供給する。このとき、薄層形成部材244Yにより現像スリーブ243Y上のイエロートナーを均一の薄層とする。現像手段24Yの現像作用に際しては、矢示の方向に回転する現像スリーブ243Yに対し、直流あるいはさらに交流を加えた現像バイアスが印加され、現像手段24Yの収容する一成分によるジャンピング現像が行われて、接地されている感光体ドラム21Yに対して、トナーと同極性の直流成分と交流成分とを重畳したバイアスを印加して、非接触の反転現像が行われる。なお、現像スリーブ243Yの画像領域外の両端部に設けられた突当コロが、感光体ドラム21Yに当接することにより、現像スリーブ243Yと感光体ドラム21Yとを非接触に保っている。なお、非接触現像ではなく、接触現像を用いることもできる。
感光体ドラム21Y上に形成されたイエローのトナー像は、突当コロが、転写体10の位置決め部に接触しながら回転し、トナーと逆極性のバイアス電圧の印加される転写体10により、順次、転写体10上に転写される。
クリーニング手段25Yは、イエロートナー像が転写体10に転写された後に、感光体ドラム21Y上に残留したイエロートナーを、感光体ドラム10上から除去するための手段であって、本実施の形態においては、クリーニング手段25Yが感光体ドラム21Yに摺接することにより、残留トナーの除去を行っている。
このようにして、画像形成ユニット20Yにより、帯電、露光、現像の工程により形成された画像信号(イエロー)に対応したイエロートナー像は、転写体10上に転写される。
そして、図1に示すように、その他の画像形成ユニット20M、20C、20Kも同様に、それぞれ感光体ドラム21M、21C、21K上に、画像信号(マゼンタ)に対応したマゼンタトナー像、画像信号(シアン)に対応したシアントナー像、画像信号(K)に対応した黒トナー像が並列処理的に、同期をとりながら形成される。このような操作により、各画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kの各感光体ドラム21Y、21M、21C、21K上に形成されたトナー像は、順次、1〜2kVの転写バイアスを印加した転写体10上に転写され、トナー像が重ね合わされる。全てのトナー像が重ね合わさると、転写体10上に、カラートナー像が形成される。
一方、転写体10の下部には、記録材収納手段である給紙カセットCAが設けられ、給紙カセットCA内に収容された記録材である記録紙Pは、給紙ローラr1の作動により、給紙カセットCA内から搬出され、タイミングローラ対r2へと送られる。タイミングローラ対r2は、転写体10上に形成されたカラートナー像と同期するように、記録紙Pを送り出す。
送り出された記録紙Pは、転写位置で記録紙転写手段30により、転写体10上に形成されたカラートナー像を転写される。この記録紙転写手段30は、アースされたローラ31、転写ベルト32、紙帯電器33、転写電極34、紙分離AC除電器35から構成されている。
送り出された記録紙Pは、ローラ31に張設され、転写体10の周速度に同期して矢示の方向に回転する転写ベルト32により、転写位置へと搬送される。転写ベルト32は、106〜1010Ω・cmの高抵抗のベルト状のものである。この際、記録紙Pは、記録材帯電手段としての紙帯電器33によりトナーと同極性に紙帯電され、転写ベルト32に吸着されて転写位置へと給送される。トナーと同極性に紙帯電を行うことにより、転写体10上のカラートナー像と引き合うことを防止して、カラートナー像の乱れを防止している。また、記録材帯電手段としては、転写ベルト32に接離可能な通電ローラやブラシ帯電器など用いることができる。
転写位置では、転写電極34により、転写体10上のカラートナー像が、記録紙P上へと転写される。この転写電極34により、記録紙Pの裏面には、転写体10のバイアスより高いトナーと反対極性の電圧である1.5〜3kVの電位となるように、コロナ放電がなされる。
カラートナー像の転写を受けた記録紙Pは、転写ベルト32によりさらに搬送され、記録材分離用としての紙分離AC除電器35により除電され、転写ベルト32より分離され、定着手段40へと搬送される。定着手段40において、加熱ローラ41と加圧ローラ42とにより加熱・圧着されカラートナー像が記録紙P上に容着・定着された後、記録紙Pは排紙ローラ対r3によりカラー画像形成装置の上部に設けられたトレイ上に排出される。
一方、カラートナー像が記録紙Pへ転写された転写体10は、転写体クリーニング手段16であるクリーニングブレード161によって、転写体10上を摺擦され、転写体10上に残留した残留トナーを除去・清掃される。また、転写ベルト32上には、転写ベルトクリーニング手段36としてブレードが摺接しており、紙分離後の転写ベルト32上をクリーニングする。
図2に示される画像形成ユニットは、現像手段と、感光ドラムとを、画像形成ユニットから脱着可能なプロセスカートリッジとしているが、本発明においてプロセスカートリッジはこれに限定されるわけではなく、感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段、転写手段、分離手段、クリーニング手段のうち少なくとも一つを有するプロセスカートリッジであればよい。
図3は、本発明の画像形成装置に用いる画像形成ユニットの他の例を示す断面構成図である。図3では現像手段と、感光体ドラムを画像形成ユニットより着脱可能なプロセスカートリッジとし、交換できる図2とは少々構成が異なる画像形成ユニットの断面図である。
本実施例を前記画像形成ユニット20Cの構成を例にして説明する。
画像形成ユニット20Cを構成した枠体26Cはカラー画像形成装置に設けた案内部材111に設けられており、該枠体26Cの一部に接触するようにカム構造の移動用部材27Cが設けられ、スプリングSCに抗して枠体26Cと共に画像形成ユニット20Cを所定の画像形成位置で停止している。枠体26C内には像形成体である感光体ドラム21Cの周囲に、帯電手段22C、露光手段23Cが設けられ、枠体26Cと着脱自在に設けられ交換可能なプロセスカートリッジとなした第2枠体261C内には、現像手段24Cと、現像剤供給手段241C、及び、現像剤撹拌手段242Cが各々設けられ、現像手段24Cが感光体ドラム21Cの周囲に対峙するように配置されている。
更に、第2枠体261C内には、一成分現像剤Tよりなるシアン(C)のトナーが内蔵されており、該一成分現像剤Tの残量を検知する現像剤残量検知手段Aが現像手段24C内に設けられている。
前記感光体ドラム21C上には、前記画像形成プロセスによりシアン(C)のトナー像を形成し、前記同様転写体10にシアン(C)のトナー像を感光体ドラム21C上より転写した後、感光体ドラム21Cの周囲をクリーニング手段25Cでクリーニングするように配置されている。
図4は、本発明の他の画像形成装置の断面構成図である。図4では転写ベルト上の記録材に直接転写する画像形成装置である。図4の画像形成手順は、図1〜3にてのものとほぼ同一であり、中間転写体の代わりに直接記録材に転写している点が異なるのみである。
図4の転写ベルト上の記録材に直接転写する画像形成装置説明を行う。感光体を4組並列に配置して、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色のトナー画像を順次転写してゆくタンデムカラー画像形成装置によるカラー画像形成例である。
図4によれば、感光体ドラム21Y(21M、21C、21K)、スコロトロン帯電器(帯電手段)22Y(22M、22C、22K)、露光光学系(露光手段)、現像器(現像手段)24Y(24M、24C、24K)及びクリーニング装置(クリーニング手段)25Y(25M、25C、25K)よりなるY、M、C及びKの画像形成ユニット20Y(20M、20C、20K)を設け、Y、M、C及びKのトナー画像形成ユニットにより形成した各トナー像を、タイミングを合わせて記録材(記録紙P)を供給し、転写手段としての転写器34Y(34M、34C、34K)により順次転写して、重ね合わせカラートナー像を形成する。
記録材は、搬送ベルト115に乗って搬送され、記録材分離手段としての紙分離AC除電器161による除電作用と、所定の間隔を空けて搬送部160に設けられる分離部材である分離爪210とにより、搬送ベルトから分離される。
さらに搬送部160を通った後、加熱ローラ41と、加圧ローラ42とにより構成される定着装置(定着手段)40へと搬送され、加定着ローラ41と加圧ローラ42により形成されるニップ部Tで記録紙Pが挟持され、熱と圧力とが加えられることにより記録紙P上の重ね合わせトナー像が定着された後、機外へ排出される。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。なお、文中「部」とは「質量部」を表す。
実施例1
感光体1群の作製(タンデム用に同一処方の感光体を4本)
〈中間層(UCL)〉
下記中間層塗布液を調製し、洗浄済みの直径30mmの円筒状アルミニウム基体上に浸漬塗布法で塗布し、中間層を形成した。
(中間層塗布液Aの調製)
有機セグメント成分A溶液(ヒンダードアミン基を有し且つシリル変性されたビニル系ポリマーA溶液) 100部
メチルトリメトキシシラン 70部
ジメチルジメトキシシラン 30部
微粒子:下記アナターゼ形酸化チタンA1(数平均一次粒子径:35nm、表面処理は、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理) 100部
i−ブチルアルコール 100部
ブチルセロソルブ 75部
ジ−i−プロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム 10部
を混合し、よく攪拌した後、攪拌下、純水30部を滴下し、60℃で4時間反応させた。次いで室温まで冷却してジオクチルスズジマレエートエステルのi−プロピルアルコール溶液(固形分15%)を10部添加、攪拌して、中間層塗布液Aを調製した。
この中間層塗布液Aを前記円筒状アルミニウム基体上に円形量規制型塗布装置により塗布し、120℃、1時間の加熱硬化を行い、乾燥膜厚6.5μmの本発明の有機セグメント成分、無機セグメント成分、酸化防止構造成分を有する樹脂層の中間層を形成した。乾燥後の中間層の体積抵抗は前記測定条件で3×1013Ω・cmあった。
〈電荷発生層(CGL)〉
オキシチタニルフタロシアニン(G−1:Cu−Kα特性X線によるX線回折の最大ピーク角度がブラッグ2θで27.3) 20部
ポリビニルブチラール(#6000−C、電気化学工業社製) 10部
2−ブタノン 700部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300部
上記組成物を混合し、サンドミルを用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
〈電荷輸送層(CTL)〉
電荷輸送物質(T−1:〔4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル〕−ジ−p−トリルアミン) 75部
ポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製) 100部
Irganox1010(日本チバガイギー社製) 6部
塩化メチレン 750部
上記組成物を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に円形量規制形塗布機で塗布し、105℃70分間の乾燥を行い、乾燥膜厚12μmの電荷輸送層を形成し感光体1群(タンデム用に同一処方の感光体を4本)を作製した。
感光体2群の作製(タンデム用に同一処方の感光体を4本)
感光体1群の作製において、中間層の乾燥膜厚を10μmから6.5μmに変更した以外は同様にして、感光体2群を作製した。
感光体3群の作製(タンデム用に同一処方の感光体を4本)
感光体1群の作製において、中間層の中間層塗布液Aを下記中間層塗布液Bに変更し、中間層の乾燥膜厚を10μmから15μmに変更した以外は、同様にして感光体3群を作製した。
(中間層塗布液Bの調製)
有機セグメント成分B溶液(ヒンダードフェノール基を有し且つシリル変性されたビニル系ポリマーB溶液) 100部
メチルトリメトキシシラン 70部
ジメチルジメトキシシラン 30部
微粒子:下記アナターゼ形酸化チタンA1(数平均一次粒子径:35nm、表面処理は、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理) 150部
i−ブチルアルコール 100部
ブチルセロソルブ 75部
ジ−i−プロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム 10部
を混合し、よく攪拌した後、攪拌下、純水30部を滴下し、60℃で4時間反応させた。次いで室温まで冷却してジオクチルスズジマレエートエステルのi−プロピルアルコール溶液(固形分15%)を10部添加、攪拌して、中間層塗布液Bを調製した。
感光体4群〜感光体12群の作製
感光体1群の作製において、アルミニウム基体の表面粗さ、中間層塗布液A中の微粒子の種類:アナターゼ形酸化チタンA1、中間層の乾燥膜厚:10μm、電荷輸送層の乾燥膜厚:12μm及び電荷発生物質:G−1を表1のように変化させた以外は同様にして、感光体4群〜感光体12群を作製した。
アナターゼ形酸化チタンA1の作製
メチルハイドロジェンポリシロキサン4質量部をアルコール/水(10/1)溶媒100質量部に溶解した溶液に、アナターゼ形酸化チタン顔料(一次粒径35nm)100質量部を混合し、メディア分散する。該メディア分散を一昼夜行った後、アナターゼ形酸化チタン顔料をメディア分散液から取り出し、乾燥させ、メチルハイドロジェンポリシロキサンで表面処理された酸化チタンA1(アナターゼ化度:100%)を得た。
アナターゼ形酸化チタンA2の作製
メチルハイドロジェンポリシロキサンの量を4質量部から5質量部に代えた他はアナターゼ形酸化チタンA1の作製と同様にしてアナターゼ形酸化チタンA2を作製した。
アナターゼ形酸化チタンA3の作製
メチルハイドロジェンポリシロキサンの量を4質量部から6質量部に代えた他はアナターゼ形酸化チタンA1の作製と同様にしてアナターゼ形酸化チタンA3を作製した。
〈評価1:感光体1群〜感光体12群の中間層の係数αの測定〉
感光体1群〜感光体12群の中間層の接触電位差測定及び仕事関数プロット
接触電位差測定は前記中間層塗布液をパラジウム(Pd)、インジュウムティンオキサイド(ITO)、ニッケル−クロム合金(Ni−Cr)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、アルミニウム−クロム合金(Al−Cr)等からなる電極上にスピンコートした後、乾燥することによって測定サンプルを作製し、ケルビン法を用いて大気中で行った。こうして求められた中間層の仕事関数φULは対応する電極金属の仕事関数φM(中間層を塗布しない状態で測定)に対して仕事関数プロットとして表し、前記式(a)の係数αを求めた。感光体1群の中間層の仕事関数プロット図を図5に示す。又、前記式(a)の係数αの測定結果を感光体1群〜感光体12群のアルミニウム基体の表面粗さ、中間層、電荷発生層、電荷輸送層の構成と共に表1に示す。
Figure 2005115356
表中、
G−1はCu−Kαの特性X線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2°)において、27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料
G−2はCu−Kαの特性X線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2°)において、少なくとも7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.
6°、25.1°、28.1°の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料
〈評価2:画像評価〉
図1に示した画像形成装置を基本構成とした1200dpiのデジタルカラープリンター(露光波長650nm)に各感光体群を表2のように組み合わせ、常温常湿(20℃50%RH)下で、画素率8%の文字及びハーフトーンの混在したモノクロ画像及びカラー画像を、連続してA4紙に15万枚プリントした。モノクロ画像とカラー画像の比率は、タンデム型カラー画像形成装置のモノクロ及びカラーのプリント比率を考慮して、モノクロ画像9枚、カラー画像1枚の割合で、即ち9:1の割合でプリントした。但し、下記評価に必要な時はプリントを一時停止した。評価項目、評価基準を下記に示す。又評価結果を表2に示す。尚、モノクロ用感光体の上記15万枚プリント後のモノクロ用感光体の膜厚減耗量は、各感光体共ほぼ6.5μmであった。
評価項目と評価基準
「モノクロ画像のドット再現性」
黒色画像を構成するドット再現性を100倍の拡大鏡を覗いて評価した。プリント開始時(S)、5万枚後(5万)、15万枚後(15万)の黒色画像で評価した。
◎:ドット画像が露光スポット面積に対し30%未満の増減で作製され、それぞれ独立に再現されている(良好)
○:ドット画像が露光スポット面積に対し30〜60%の増減で作製され、それぞれ独立に再現されている(実用性があるレベル)
×:ドット画像が露光スポット面積に対し60%を超した増減で作製され、部分的にドット画像が消失したり、連結したりしている(実用上問題のレベル)
「カラー画像のドット再現性」
画像を構成するドット再現性を100倍の拡大鏡を覗いて評価した。プリント開始時(S)、5万枚後(5万)、15万枚後(15万)のカラー画像で評価した。
◎:カラー画像のK、Y、M、Cの各ドット間のバラツキが少なく(各ドットの最大と最小の差がドット面積差で30%未満)再現されており、カラー画像の色バランスも良好である(良好)
○:カラー画像のK、Y、M、Cの各ドット間のバラツキが、各ドットの最大と最小の差がドット面積差で30〜60%で、再現されており、カラー画像の色バランスが保たれている(実用性があるレベル)
×:カラー画像のK、Y、M、Cの各ドット間のバラツキが大きく(各ドットの最大と最小の差がドット面積差で60%より大きい)再現されており、カラー画像の色バランスが失われている。(実用上問題のレベル)
「周期性の画像欠陥」
感光体の周期と一致した画像欠陥(黒ポチ(カラーポチも含む)や白ヌケ又は線状の画像欠陥として発生する)の発生を評価した。15万枚後のモノクロ及びカラー画像で評価した。
評価基準は
◎:明瞭な周期性の画像欠陥の発生がほとんど見られない(黒ポチの場合は3個/A4以下、線状の場合は濃度が0.02以内:良好)
○:明瞭な周期性の画像欠陥の発生が実用性の範囲内(黒ポチの場合は4〜10個/A4以下、線状の場合は濃度が0.03〜0.04:実用性があるレベル)
△:明瞭な周期性の画像欠陥の発生があり、実用性の再検討を要する範囲(黒ポチの場合は11〜20個/A4以下、線状の場合は濃度が0.05〜0.06:実用性再検討要のレベル)
×:明瞭な周期性の画像欠陥の発生が多発(黒ポチの場合は21個/A4以上、線状の場合は濃度が0.07以上:実用上問題のレベル)
「鮮鋭性」
画像の鮮鋭性は、線画像の解像性で評価した。下記の判断基準で評価した。15万枚後のモノクロ及びカラー画像で評価した。
◎:線画像の解像性が16本/mm以上を達成している(良好)
○:線画像の解像性が10〜15本/mmを達成している(実用上問題なし)
×:線画像の解像性が9本/mm以下(高解像性の画像としては不適)
「階調性」
上記評価条件を常温常湿(20℃、60%RH)環境に変更し、白画像から黒ベタ画像まで60の階調段差を持つオリジナル画像を複写し、階調性を評価した。評価は階調段差の画像を十分な昼光条件下で目視評価し、有意性のある階調段差の合計段差数で評価した。
◎:階調段差が41段差以上(良好)
○:階調段差が21〜40段差(実用上問題なし)
△:階調段差が11〜20段差(実用性の再検討要:階調性が重視されない画質では実用性あり)
×:階調段差が10段差以下(実用上問題あり)
感光体の電位特性
感光体の電位特性として、スタート時から15万プリントまでの残留電位(Vr)を測定し、その変動幅(ΔVr)を算出した。
その他の評価条件
感光体の帯電条件:非画像部の電位は、電位センサで検知し、フィードバック制御できるようにし、目標電位を−800Vとした。
像露光:半導体レーザ(波長:650nm)
像露光条件:半導体レーザ、露光スポット面積:3.54×10-102、1200dpi
除電条件
帯電前の除電条件は680nmのLED光(露光部電位に到達するのに必要な光量の3倍以上の光量値)を照射した。除電後の表面電位の値を残留電位として測定した。
現像条件:現像剤は下記の現像剤を用い反転現像で行った。
現像剤1K:カーボンブラックを着色顔料とした体積平均5.2μmの着色粒子100質量部に、疎水性シリカ(疎水化度=75/数平均一次粒子径=12nm)を0.5質量部、及び0.05μmの酸化チタン0.25質量部を添加したトナーと樹脂被覆した45μmフェライトキャリア(トナーとキャリアの混合比は質量比で1/10)を用いた。
現像剤1Y:現像剤1Kのトナーの着色顔料をカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントイエロー185を使用した以外同様にして作製した現像剤を用いた。
現像剤1M:現像剤1Kのトナーの着色顔料をカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントレッド122を使用した以外同様にして作製した現像剤を用いた。
現像剤1C:現像剤1Kのトナーの着色顔料をカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントブルー15:3を使用した以外同様にして作製した現像剤を用いた。
Figure 2005115356
表2から明らかなように、導電性支持体上に少なくとも中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該中間層の膜厚が6〜15μm、電荷輸送層の膜厚が5〜15μmであり、且つ前記中間層の仕事関数が接触電位差測定で、試料側導電極を変化させて得られる中間層の仕事関数φULと試料側導電極の仕事関数φMとの関係を前記式(a)で直線近似したとき、α≦0.8となる条件を満たした感光体1〜6群、11群はモノクロ及びカラー画像のドット再現性が良好であり、このことから階調性、鮮鋭性が良好であり、又、周期性の画像欠陥の発生や残留電位の上昇も少ない。一方、中間層の膜厚が17μmの感光体7は、モノクロ及びカラー画像のドット再現性の劣化が大きく、残留電位の増加、カラーの鮮鋭性の低下も見られる。又、中間層の膜厚が5μmの感光体8も、モノクロ及びカラー画像のドット再現性の劣化があり、周期性の画像欠陥も発生している。電荷輸送層の膜厚が17μmの感光体9は、モノクロ及びカラー画像のドット再現性の劣化及び鮮鋭性の低下が見られ、電荷輸送層の膜厚が4μmの感光体10は、モノクロ及びカラー画像のドット再現性の劣化、周期性の画像欠陥の発生及び階調性の低下が見られる。一方、αが0.8より大きい感光体12は残留電位が増加し、モノクロ及びカラー画像のドット再現性が徐々に低下し、鮮鋭性も劣化している。
〈評価3:画像評価〉
本発明内の感光体1〜6群、11群を用い、前記評価2の像露光条件を下記のように変更した。
像露光条件:露光スポット面積:9.00×10-112、2400dpi
評価結果
2400dpiの露光条件でも、本発明の感光体1〜6群、11群は、各評価項目とも1200dpiの露光条件の場合とほぼ同等の評価結果が得られた。
〈評価4:画像評価〉
本発明内の感光体1〜6群、11群を用い、前記評価2の感光体の帯電条件を下記のように変更した以外は評価2と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
感光体の帯電条件:非画像部の電位は、電位センサで検知し、フィードバック制御できるようにし、目標電位を−400Vとした。
Figure 2005115356
帯電条件を目標電位−400Vとした場合は、本発明の感光体1〜6群、11群は、評価2の目標電位が−800Vの場合に比し、周期性の画像欠陥、鮮鋭性、階調性の改良効果が向上しているのが見出される。
〈評価5:画像評価〉
本発明内の感光体1〜6群、11群を用い、前記評価4の感光体の帯電条件を下記のように変更した以外は評価4と同様にして評価を行った。
感光体の帯電条件:非画像部の電位は、電位センサで検知し、フィードバック制御できるようにし、目標電位を−200Vと−300Vの2水準で評価した。
評価結果
帯電条件を目標電位−200V、−300Vとした場合は、本発明の感光体1〜6群、11群は、評価4の目標電位が−400Vの場合とほぼ同様の効果が得られた。
タンデム中間転写式の画像形成装置の一例を示す断面構成図である。 本発明の画像形成装置に用いる画像形成ユニットの断面構成図である。 本発明の画像形成装置に用いる画像形成ユニットの他の例を示す断面構成図である。 本発明の他の画像形成装置の断面構成図である。 感光体1群の中間層の仕事関数プロット図である。
符号の説明
10 転写体(転写手段)
20Y、20M、20C、20K 画像形成ユニット
21Y、21M、21C、21K 感光体ドラム(像形成体)
22Y、22M、22C、22K 帯電手段
23Y、23M、23C、23K 露光手段
24Y、24M、24C、24K 現像手段
25Y、25M、25C、25K クリーニング手段
26Y、26M、26C、26K 枠体
27Y、27M、27C、27K 移動用部材

Claims (11)

  1. 1200dpi以上の解像度でデジタル画像の書き込みを行い、静電潜像を形成する電子写真方式の画像形成装置に用いられる有機感光体において、導電性支持体上に少なくとも中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該中間層の膜厚が6〜15μm、電荷輸送層の膜厚が5〜15μmであり、且つ前記中間層の仕事関数が接触電位差測定で、試料側導電極を変化させて得られる中間層の仕事関数φULと試料側導電極の仕事関数φMとの関係を下記式(a)で直線近似したとき、α≦0.8となることを特徴とする有機感光体。
    式(a) φUL=α・φM+β (式中のα、βは定数)
  2. 前記中間層がN型半導性粒子を含有することを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
  3. 前記N型半導性粒子がアナターゼ形酸化チタンであることを特徴とする請求項2に記載の有機感光体。
  4. 前記中間層が有機セグメント成分及び無機セグメント成分を有する硬化性樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体。
  5. 前記αが0.3≦α≦0.8であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機感光体。
  6. 1200dpi以上の解像度で有機感光体上にデジタル画像の書き込みを行い、静電潜像を形成する電子写真方式の画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、帯電手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段の少なくとも1つと導電性支持体上に少なくとも中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該中間層の膜厚が6〜15μm、電荷輸送層の膜厚が5〜15μmであり、且つ前記中間層の仕事関数が接触電位差測定で、試料側導電極を変化させて得られる中間層の仕事関数φULと試料側導電極の仕事関数φMとの関係を前記式(a)で直線近似したとき、α≦0.8となる電子写真感光体とを有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  7. 少なくとも有機感光体、帯電手段、露光手段及び現像手段を有し、1200dpi以上の解像度で有機感光体上にデジタル画像の書き込みを行い、静電潜像を形成する電子写真方式の画像形成装置において、該有機感光体が導電性支持体上に少なくとも中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該中間層の膜厚が6〜15μm、電荷輸送層の膜厚が5〜15μmであり、且つ前記中間層の仕事関数が接触電位差測定で、試料側導電極を変化させて得られる中間層の仕事関数φULと試料側導電極の仕事関数φMとの関係を前記式(a)で直線近似したとき、α≦0.8であることを特徴とする画像形成装置。
  8. 前記帯電手段による有機感光体の帯電電位が200〜400Vであることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 少なくとも有機感光体と、該有機感光体上に1200dpi以上の解像度でデジタル画像の書き込みを行い静電潜像を形成するための帯電手段及び露光手段と、該静電潜像をトナー像に顕像化する現像手段と、該有機感光体上に形成されたトナー像を記録材に転写する転写手段を有する画像形成ユニットを複数配列し、画像形成ユニットごとに着色を変えたトナーを用いて形成した各トナー像を順次記録材に転写してカラー画像を形成する画像形成装置において、前記有機感光体が導電性支持体上に少なくとも中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該中間層の膜厚が6〜15μm、電荷輸送層の膜厚が5〜15μmであり、且つ前記中間層の仕事関数が接触電位差測定で、試料側導電極を変化させて得られる中間層の仕事関数φULと試料側導電極の仕事関数φMとの関係を前記式(a)で直線近似したとき、α≦0.8であることを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項7〜9のいずれか1項に記載の画像形成装置を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
  11. 帯電電位が200〜400Vの条件で、デジタル画像の書き込みを行い、デジタル画像の静電潜像を形成する電子写真方式の画像形成装置に用いられる有機感光体において、導電性支持体上に少なくとも中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該中間層の膜厚が6〜15μm、電荷輸送層の膜厚が5〜15μmであり、且つ前記中間層の仕事関数が接触電位差測定で、試料側導電極を変化させて得られる中間層の仕事関数φULと試料側導電極の仕事関数φMとの関係を前記式(a)で直線近似したとき、α≦0.8となることを特徴とする有機感光体。
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