JP3876667B2 - 有機感光体、画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

有機感光体、画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンターの分野において用いられる有機感光体、及び該有機感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置、プロセスカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真用感光体(以下単に感光体とも云う)はSe、ヒ素、ヒ素/Se合金、CdS、ZnO等の無機感光体から、公害や製造の容易性等の利点に優れる有機感光体に主体が移り、様々な材料を用いた有機感光体が開発されている。
【0003】
近年では電荷発生と電荷輸送の機能を異なる材料に担当させた機能分離型の感光体が主流となっており、なかでも電荷発生層、電荷輸送層を積層した積層型の有機感光体が広く用いられている。
【0004】
また、電子写真プロセスに目を向けると潜像画像形成方式は、ハロゲンランプを光源とするアナログ画像形成とLEDやレーザーを光源とするデジタル方式の画像形成に大別される。最近はパソコンのハードコピー用のプリンターとして、また通常の複写機においても画像処理の容易さや複合機への展開の容易さからデジタル方式の潜像画像形成方式が急激に主流となりつつある。
【0005】
デジタル方式の画像形成では、デジタル電気信号に変換された画像情報を感光体上に静電潜像として書き込む際の光源としてレーザー、特に半導体レーザーやLEDが用いられている。
【0006】
また、デジタル方式の書き込みでは露光ビーム径が小さいので書き込み速度が遅くなる。そのため、露光部分の現像方法として反転現像との組み合わせが主に用いられているが、この反転現像を用いた画像形成方法の特有の問題として、本来白地部分として画像形成されるべき箇所に、トナーが付着してカブリ発生させる現象、即ち、感光体の局部的な欠陥による黒ポチの発生が知られている。
【0007】
これらの問題を解決するため、有機感光体に中間層を用いる技術が開発されている。例えば、導電性支持体と感光層の間に中間層を設け、該中間層には酸化チタン粒子を樹脂中に分散した構成を有する電子写真感光体が知られている。又、表面処理を行った酸化チタンを含有させた中間層の技術も知られている。例えば、特開平4−303846号の酸化鉄、酸化タングステンで表面処理された酸化チタン、特開平9−96916号のアミノ基含有カップリング剤で表面処理された酸化チタン、特開平9−258469号の有機ケイ素化合物で表面処理された酸化チタン、特開平8−328283号のメチルハイドロジェンポリシロキサンで表面処理された酸化チタン、特開平11−344826号の金属酸化物、或いは有機化合物で表面処理された樹枝状酸化チタンを用いた中間層を有する有機感光体が提案されている。
【0008】
しかし、これらの技術を用いても高温高湿等の厳しい環境下では、尚、黒ポチの発生防止が十分でなく、或いは、繰り返し使用に伴う残留電位の上昇、露光部電位の上昇が起こり、画像濃度が十分得られないといった問題が発生している。
【0009】
更に、導電性支持体から感光層への自由キャリアを防止するため中間層の絶縁性を高め、黒ポチを少なくしていくと、黒ポチとは反対の「白ヌケ」と云う画像欠陥が発生しやすいという問題が見出されている。この白ヌケは反転現像のハーフトーン或いは黒べた画像に現像されない点状或いは線状の画像欠陥をいうが、この現象は有機感光体上への潜像形成時に、像露光部で電荷が消失しない微小部分が発生するためと思われ、前記黒ポチと逆の現象と考えられる。このように有機感光体を用いた画像形成装置では白地に黒の黒ポチ、黒地又はハーフトーンに白の白ヌケといった相反する画像欠陥が発生し、この両方の画像欠陥を解決した有機感光体の開発が必要となってきている。
【0010】
一方、潜像形成の為の像露光光源としては、主としてレーザ光やLED光が用いられている。現在、最もよく使用される入力光の発振波長は、780nmや660nmの近赤外光やそれに近い長波長光である。デジタル的に画像形成を行う際に使用される有機感光体にとって、まず第一に要求される特性としてはこれらの長波長光に対して高感度であることであり、これまで多種多様な材料についてそのような特性を有するか否かの検討がなされてきている。その中でもフタロシアニン化合物は、合成が比較的簡単である上、長波長光に対して高感度を示すものが多い点で、フタロシアニン化合物を用いた有機感光体が、幅広く検討され、実用化されている。
【0011】
例えば、特公平5−55860号公報にはチタニルフタロシアニンを用いた感光体が、特開昭59−155851号公報にはβ型インジウムフタロシアニンを用いた感光体が、特開平2−233769号公報にはχ型無金属フタロシアニンを用いた感光体が、特開昭61−28557号公報にはバナジルオキシフタロシアニンを用いた有機感光体が、それぞれ開示されている。
【0012】
上記フタロシアニン系の顔料を用いた有機感光体では、画像形成を一定時間休止し、その後画像形成を再開した直後の帯電電位が2回目以降の帯電電位よりも低くなる(以後、初期電位変動と云う)問題を有する。この現象は特に反転現像では感光体1回転目に画像形成したコピー画像が2回転目以降に比較して明らかに劣る原因となる。画像欠陥としては本来白地へのトナーカブリとして現れるため目立ちやすく深刻である。
【0013】
又、記録紙にトナーを転写する転写器に転写電極を用いる画像形成装置は、記録紙へのトナー画像の転写を上述のような反転現像プロセスによって行う場合、帯電とは逆極性の帯電極が用いられ、フタロシアニン化合物を電荷発生層に含有する積層型有機感光体は転写時の逆極電荷の影響を強く受け、前記の有機感光体1回転目の画像劣化が顕著に現れる傾向にある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、電位安定性の良好な、且つ黒ポチ、白ヌケ等の画像欠陥を発生しない有機感光体を提供することであり、更に詳しくは黒ポチ、白ヌケ等の画像欠陥を発生させず、初期電位変動が少ない良好な有機感光体、及び該有機感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置、プロセスカートリッジを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は感光体を構成する各層に検討を加えた結果、上記課題に対し下記のような感光体構成を採ることにより達成された。
【0017】
.導電性支持体上に、中間層を介して電荷発生層及び電荷輸送層の積層構造を有する有機感光体において、該中間層が、複数回の表面処理を施され且つ最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物による表面処理であるN型半導性微粒子と、バインダー樹脂を含有しており、該電荷輸送層が前記一般式(2)で表される化合物を含有することを特徴とする有機感光体。
【0018】
.導電性支持体上に、中間層を介して電荷発生層及び電荷輸送層の積層構造を有する有機感光体において、該中間層が、複数回の表面処理を施され且つ最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物による表面処理であるN型半導性微粒子と、バインダー樹脂を含有しており、該電荷輸送層が前記一般式(3)で表される化合物を含有することを特徴とする有機感光体。
【0019】
.導電性支持体上に、中間層を介して電荷発生層及び電荷輸送層の積層構造を有する有機感光体において、該中間層が、複数回の表面処理を施され且つ最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物による表面処理であるN型半導性微粒子と、バインダー樹脂を含有しており、該電荷輸送層が前記一般式(4)で表される化合物を含有することを特徴とする有機感光体。
【0021】
.前記反応性有機ケイ素化合物がメチルハイドロジェンポリシロキサンであることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体。
【0022】
.前記反応性有機ケイ素化合物が前記一般式(6)で示される化合物であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体。
【0023】
.前記一般式(6)のRが炭素数4から8までのアルキル基であることを特徴とする前記に記載の有機感光体。
【0024】
.前記複数回の表面処理のうち、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ及びジルコニアの少なくとも1種以上の表面処理であることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の有機感光体。
【0025】
.前記N型半導性微粒子が、アルミナ及びシリカの両方、或いはいずれか一方の表面処理を施され、次いで反応性有機ケイ素化合物の表面処理を施されたことを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載の有機感光体。
【0026】
.前記N型半導性微粒子がフッ素原子を有する反応性有機ケイ素化合物の表面処理を施されたことを特徴とする前記1〜のいずれか1項に記載の有機感光体。
【0027】
10.前記N型半導性微粒子が少なくともシリカ又はアルミナによる表面処理を施され、次いで反応性有機チタン化合物を用いた表面処理を施されていることを特徴とする前記1〜のいずれか1項に記載の有機感光体。
【0028】
11.前記N型半導性微粒子が少なくともシリカ又はアルミナによる表面処理を施され、次いで反応性有機ジルコニウム化合物を用いた表面処理を施されていることを特徴とする前記1〜のいずれか1項に記載の有機感光体。
【0029】
12.前記N型半導性微粒子が金属酸化物粒子であることを特徴とする前記1〜11のいずれか1項に記載の有機感光体。
【0030】
13.前記N型半導性微粒子の数平均一次粒径が10nm以上200nm以下であることを特徴とする前記1〜12のいずれか1項に記載の有機感光体。
【0031】
14.前記N型半導性微粒子が酸化チタン粒子であることを特徴とする前記1〜13のいずれか1項に記載の有機感光体。
【0032】
15.前記中間層のバインダーがポリアミドであることを特徴とする前記1〜14のいずれか1項に記載の有機感光体。
【0033】
16.前記1〜15のいずれか1項に記載の有機感光体を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
【0034】
17.前記16に記載の画像形成方法を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【0035】
18.少なくとも前記1〜15のいずれか1項に記載の有機感光体と帯電器、像露光器、現像器、転写器、クリーニング器の少なくとも1つを一体として有しており、画像形成装置に出し入れ可能に構成されたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0036】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の有機感光体(以下、単に感光体ともいう)は導電性支持体上に、中間層を介して電荷発生層及び電荷輸送層の積層構造を有する有機感光体において、該中間層がN型半導性微粒子とバインダー樹脂を含有しており、該電荷輸送層が前記一般式()〜(4)で表される化合物から選択される1種以上の化合物を含有することを特徴とする。
【0037】
即ち、上記構成の有機感光体を用い、反転現像による電子写真画像の形成を行うと、黒ポチや白抜けの両方の画像欠陥の発生を防止し、多数枚の画像を連続して形成する際の初期電位変動を小さく抑制し、記録紙1枚目の画像と2枚目の画像の画像濃度の変動を防止でき、スタート時から良好な画像を作成する事が出来る。
【0038】
以下、本発明の中間層及び感光層について説明する。
本発明の中間層に用いられるN型半導性微粒子とは、導電性キャリアを電子とする性質をもつ微粒子を示す。すなわち、導電性キャリアを電子とする性質とは、該N型半導性微粒子を絶縁性バインダーに含有させることにより、基体からのホール注入を効率的にブロックし、また、感光層からの電子に対してはブロッキング性を示さない性質を有するものをいう。
【0039】
前記N型半導性微粒子は、具体的には酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)等の微粒子が挙げられるが、本発明では、特に酸化チタンが好ましく用いられる。
【0040】
本発明に用いられるN型半導性微粒子の平均粒径は、数平均一次粒径において10nm以上200nm以下の範囲のものが好ましく、より好ましくは10nm〜100nm、特に好ましくは、15nm〜50nmである。
【0041】
数平均一次粒径の値が前記範囲内にあるN型半導性微粒子を用いた中間層は層内での分散を緻密なものとすることができ、十分な電位安定性、及び黒ポチ発生防止機能を有する。
【0042】
前記N型半導性微粒子の数平均一次粒径は、例えば酸化チタンの場合、透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によりフェレ径の数平均径として測定される。
【0043】
本発明に用いられるN型半導性微粒子の形状は、樹枝状、針状および粒状等の形状があり、このような形状のN型半導性微粒子は、例えば酸化チタン粒子では、結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型及びアモルファス型等があるが、いずれの結晶型のものを用いてもよく、また2種以上の結晶型を混合して用いてもよい。その中でもルチル型のものが最も良い。
【0044】
本発明のN型半導性微粒子に行われる表面処理の1つは、複数回の表面処理を行い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物による表面処理を行うものである。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理であり、最後に反応性有機ケイ素化合物の表面処理を行うことが好ましい。
【0045】
尚、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニア処理とはN型半導性微粒子表面にアルミナ、シリカ、或いはジルコニアを析出させる処理を云い、これらの表面に析出したアルミナ、シリカ、ジルコニアにはアルミナ、シリカ、ジルコニアの水和物も含まれる。又、反応性有機ケイ素化合物の表面処理とは、処理液に反応性有機ケイ素化合物を用いることを意味する。
【0046】
また、本発明のN型半導性微粒子に行われる表面処理の他の方法としては、複数回の表面処理を行い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理に反応性有機チタン化合物や或いは反応性有機ジルコニウム化合物を用いて表面処理を行うものである。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理が上記同様アルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理が行われ、最後に反応性有機チタン化合物或いは反応性有機ジルコニウム化合物による表面処理を行うものであることが好ましい。
【0047】
この様に、酸化チタン粒子の様なN型半導性微粒子の表面処理を少なくとも2回以上行うことにより、N型半導性微粒子表面が均一に表面被覆(処理)され、該表面処理されたN型半導性微粒子を中間層に用いると、中間層内における酸化チタン粒子等のN型半導性微粒子の分散性が良好で、かつ黒ポチ等の画像欠陥を発生させない良好な感光体を得ることができるのである。
【0048】
また、該複数回の表面処理をアルミナ及びシリカの表面処理を行い、次いで反応性有機ケイ素化合物による表面処理を行うものや、アルミナ及びシリカの表面処理の後に反応性有機チタン化合物或いは反応性有機ジルコニウム化合物を用いた表面処理を行うものが特に好ましい。
【0049】
なお、前述のアルミナ及びシリカの処理は同時に行っても良いが、特にアルミナ処理を最初に行い、次いでシリカ処理を行うことが好ましい。また、アルミナとシリカの処理をそれぞれ行う場合のアルミナ及びシリカの処理量は、アルミナよりもシリカの多いものが好ましい。
【0050】
前記酸化チタン等のN型半導性微粒子のアルミナ、シリカ、及びジルコニア等の金属酸化物による表面処理は湿式法で行うことができる。例えば、シリカ、又はアルミナの表面処理を行ったN型半導性微粒子は以下の様に作製することができる。
【0051】
N型半導性微粒子として酸化チタン粒子を用いる場合、酸化チタン粒子(数平均一次粒子径:50nm)を50〜350g/Lの濃度で水中に分散させて水性スラリーとし、これに水溶性のケイ酸塩又は水溶性のアルミニウム化合物を添加する。その後、アルカリ又は酸を添加して中和し、酸化チタン粒子の表面にシリカ、又はアルミナを析出させる。続いて濾過、洗浄、乾燥を行い目的の表面処理酸化チタンを得る。前記水溶性のケイ酸塩としてケイ酸ナトリウムを使用した場合には、硫酸、硝酸、塩酸等の酸で中和することができる。一方、水溶性のアルミニウム化合物として硫酸アルミニウムを用いたときは水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリで中和することができる。
【0052】
なお、上記表面処理に用いられる金属酸化物の量は、前記表面処理時の仕込量にて酸化チタン粒子等のN型半導性微粒子100質量部に対して、0.1〜50質量部、更に好ましくは1〜10質量部の金属酸化物が用いられる。尚、前述のアルミナとシリカを用いた場合も例えば酸化チタン粒子の場合、酸化チタン粒子100質量部に対して各々1〜10質量部用いることが好ましく、アルミナよりもシリカの量が多いことが好ましい。
【0053】
上記の金属酸化物による表面処理の次に行われる反応性有機ケイ素化合物による表面処理は以下の様な湿式法で行うことが好ましい。
【0054】
即ち、有機溶剤や水に対して前記反応性有機ケイ素化合物を溶解または懸濁させた液に前記金属酸化物で処理された酸化チタンを添加し、この液を数分から1時間程度撹拌する。そして場合によっては該液に加熱処理を施した後に、濾過等の工程を経た後乾燥し、表面を有機ケイ素化合物で被覆した酸化チタン粒子を得る。なお、有機溶剤や水に対して酸化チタンを分散させた懸濁液に前記反応性有機ケイ素化合物を添加しても構わない。
【0055】
尚、本発明において酸化チタン粒子表面が反応性有機ケイ素化合物により被覆されていることは、光電子分光法(ESCA)、オージェ電子分光法(Auger)、2次イオン質量分析法(SIMS)や拡散反射FI−IR等の表面分析手法を複合することによって確認されるものである。
【0056】
前記表面処理に用いられる反応性有機ケイ素化合物の量は、前記表面処理時の仕込量にて前記金属酸化物で処理された酸化チタン100質量部に対し、反応性有機ケイ素化合物を0.1〜50質量部、更に好ましくは1〜10質量部が好ましい。表面処理量が上記範囲よりも少ないと表面処理効果が十分に付与されず、中間層内における酸化チタン粒子の分散性等が悪くなる。また、上記範囲を超えてしまうと電子写真特性を劣化させ、その結果残留電位上昇や帯電電位の低下を招いてしまう。
【0057】
本発明で用いられる反応性有機ケイ素化合物としては下記一般式(5)で表される化合物が挙げられるが、酸化チタン表面の水酸基等の反応性基と縮合反応をする化合物であれば、下記化合物に限定されない。
【0058】
一般式(5)
(R)n−Si−(X)4-n
(式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xは加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
一般式(5)で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。また、Xの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。
【0059】
また、一般式(5)で表される有機ケイ素化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用しても良い。
【0060】
また、一般式(5)で表される有機ケイ素化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の場合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、一般式(5)で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用いるとき、R及びXはそれぞれの化合物間で同一でも良く、異なっていても良い。
【0061】
nが0の化合物例としては下記の化合物が挙げられる。
テトラクロロシラン、ジエトキシジクロロシラン、テトラメトキシシラン、フェノキシトリクロロシラン、テトラアセトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラアリロキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラキス(2−メトキシエトキシ)シラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラキス(2−エチルブトキシ)シラン、テトラキス(2−エチルヘキシロキシ)シラン等が挙げられる。
【0062】
nが1の化合物例としては下記の化合物が挙げられる。
即ち、トリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、アリルトリクロロシラン、n−プロピルトリクロロシラン、n−ブチルトリクロロシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、エチルトリメトキシシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノエチルアミノメチルトリメトキシシラン、ベンジルトリクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−アリルチオプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−ブロモプロピルトリエトキシシラン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビス(エチルメチルケトオキシム)メトキシメチルシラン、ペンチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0063】
nが2の化合物例としては下記の化合物が挙げられる。
ジメチルジクロロシラン、ジメトキシメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジクロロシラン、ジエトキシシラン、ジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラン、クロロメチルジエトキシシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジメトキシ−3−メルカプトプロピルメチルシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルメチルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、ジアセトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジクロロシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシメチルシラン、t−ブチルフェニルジクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−(3−シアノプロピルチオプロピル)ジメトキシメチルシラン、3−(2−アセトキシエチルチオプロピル)ジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチル−2−ピペリジノエチルシラン、ジブトキシジメチルシラン、3−ジメチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、3−(3−アセトキシプロピルチオ)プロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチル−3−ピペリジノプロピルシラン、ジエトキシメチルオクタデシルシラン等が挙げられる。
【0064】
nが3の化合物例としては下記の化合物が挙げられる。
トリメチルクロロシラン、メトキシトリメチルシラン、エトキシトリメチルシラン、メトキシジメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3−クロロプロピルメトキシジメチルシラン、メトキシ−3−メルカプトプロピルメチルメチルシラン等が挙げられる。
【0065】
また、一般式(5)で表される有機ケイ素化合物は、好ましくは下記一般式(6)で示される有機ケイ素化合物が用いられる。
【0066】
一般式(6)
R−Si−(X)3
式中、Rはアルキル基、アリール基、Xはメトキシ基、エトキシ基、ハロゲン原子を表す。
【0067】
一般式(6)で表される有機ケイ素化合物においては、更に好ましくはRが炭素数4から8までのアルキル基である有機ケイ素化合物が好ましく、具体的な好ましい化合物例としては、トリメトキシn−ブチルシラン、トリメトキシi−ブチルシラン、トリメトキシヘキシルシラン、トリメトキシオクチルシランが挙げられる。
【0068】
又、最後の表面処理に用いる好ましい反応性有機ケイ素化合物としてはハイドロジェンポリシロキサン化合物が挙げられる。該ハイドロジェンポリシロキサン化合物の分子量は1000〜20000のものが一般に入手しやすく、又、黒ポチ発生防止機能も良好である。
特にメチルハイドロジェンポリシロキサンを最後の表面処理に用いると良好な効果が得られる。
【0069】
本発明の酸化チタンの表面処理の他の1つはフッ素原子を有する有機ケイ素化合物により表面処理を施された酸化チタン粒子である。該フッ素原子を有する有機ケイ素化合物による表面処理、前記した湿式法で行うのが好ましい。
【0070】
即ち、有機溶剤や水に対して前記フッ素原子を有する有機ケイ素化合物を溶解または懸濁させ、この中に未処理の酸化チタンを添加し、このような溶液を数分から1時間程度撹拌して混合し、場合によっては加熱処理を施した後に、濾過などの工程を経て乾燥し、酸化チタン表面をフッ素原子を有する有機ケイ素化合物で被覆する。なお、有機溶剤や水に対して酸化チタンを分散した懸濁液に前記フッ素原子を有する有機ケイ素化合物を添加しても構わない。
【0071】
尚、前記酸化チタン表面がフッ素原子を有する有機ケイ素化合物によって被覆されていることは、光電子分光法(ESCA)、オージェ電子分光法(Auger)、2次イオン質量分析法(SIMS)や拡散反射FI−IR等の表面分析装置を用いて複合的に確認することができる。
【0072】
本発明に用いられるフッ素原子を有する有機ケイ素化合物としては、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジクロロシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルメチルジクロロシラン等が挙げられる。
【0073】
なお、本発明では、上記のN型半導性微粒子に最後に行われる表面処理を反応性有機チタン化合物や反応性有機ジルコニウム化合物を用いて行われるものも含まれるが、具体的な表面処理方法は、上記反応性有機ケイ素化合物による表面処理方法に準ずる方法によって行われるものである。
【0074】
また、前記N型半導性微粒子表面が反応性有機チタン化合物や反応性有機ジルコニウム化合物によって被覆されていることは、光電子分光法(ESCA)、オージェ電子分光法(Auger)、2次イオン質量分析法(SIMS)や拡散反射FI−IR等の表面分析手法を複合的に用いることにより高精度に確認されるものである。
【0075】
前記N型半導性微粒子の表面処理に用いられる具体的な反応性有機チタン化合物としては、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン等の金属アルコキシド化合物やジイソプロポキシチタニウムビス(アセチルアセテート)、ジイソプロポキシチタニウムビス(エチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシチタニウムビス(ラクテート)、ジブトキシチタニウムビス(オクチレングリコレート)、ジイソプロポキシチタニウムビス(トリエタノールアミナート)等の金属キレート化合物が挙げられる。また、反応性有機ジルコニウム化合物としては、テトラブトキシジルコニウムやブトキシジルコニウムトリ(アセチルアセテート)等の金属アルコキシド化合物や金属キレート化合物が挙げられる。
【0076】
次に、前記表面処理が施された酸化チタン粒子等のN型半導性微粒子(以下、表面処理N型半導性微粒子ともいう。また、特に、表面処理が施された酸化チタン粒子を表面処理酸化チタンとも云う)を用いた中間層の構成について説明する。
【0077】
本発明の中間層は、前記複数回の表面処理を行って得られた表面処理酸化チタン等の表面処理N型半導性微粒子をバインダー樹脂とともに溶媒中に分散させた液を導電性支持体上に塗布することにより作製される。
【0078】
本発明の中間層は導電性支持体と感光層の間に設けられ、該導電性支持体と感光層のとの接着性改良、及び該支持体からの電荷注入を防止するバリア機能を有する。該中間層のバインダー樹脂としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂やメラミン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の熱硬化性樹脂やこれらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これらバインダー樹脂の中でポリアミド樹脂が特に好ましく、特には共重合、メトキシメチロール化等のアルコール可溶性ポリアミドが好ましい。
【0079】
前記バインダー樹脂中に分散される本発明の表面処理N型半導性微粒子の量は、例えば表面処理酸化チタンの場合では、該バインダー樹脂100質量部に対し、10〜10,000質量部、好ましくは50〜1,000質量部である。該表面処理酸化チタンをこの範囲で用いることにより、該酸化チタンの分散性を良好に保つことができ、黒ポチが発生せず、初期電位変動が小さい良好な中間層を形成することができる。
【0080】
本発明の中間層の膜厚は0.5〜15μmが好ましい。膜厚を前記範囲で用いることにより、黒ポチが発生せず、初期電位変動が小さい電子写真特性の良好な中間層を形成できる。
【0081】
本発明の中間層を形成するために作製する中間層塗布液は前記表面処理酸化チタン等の表面処理N型半導性微粒子、バインダー樹脂、分散溶媒等から構成されるが、分散溶媒としては他の感光層の作製に用いられる溶媒と同様なものが適宜用いられる。
【0082】
即ち、本発明の中間層、感光層、その他樹脂層の形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。
【0083】
中間層塗布液溶媒としては、これらに限定されるものではないが、メタノール、エタノール、ブタノール、1−プロパノール、イソプロパノール等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
【0084】
また、中間層塗布溶媒としては、中間層塗布時の乾燥ムラの発生を防止するために高い樹脂溶解性を有するメタノールと直鎖アルコールとの混合溶媒を用いることが好ましく、好ましい溶媒の比率は、体積比でメタノール1に対して直鎖アルコールを0.05〜0.6の比率で混合したものがよい。この様に塗布溶媒を混合溶媒とすることで溶媒の蒸発速度が適切に保たれ、塗布時の乾燥ムラに伴う画像欠陥の発生を抑えることができる。
【0085】
中間層塗布液の作製に用いられる表面処理酸化チタンの分散手段としてはサンドミル、ボールミル、超音波分散等いずれの分散手段を用いても良い。
【0086】
前記中間層を含め、本発明の電子写真感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお前記スプレー塗布については例えば特開平3−90250号及び特開平3−269238号公報に詳細に記載され、前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
【0087】
次に、前記中間層上に積層される感光層について記載する。
本発明において、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機電子写真感光体を全て含有する。
【0088】
有機感光体の層構成は、前記中間層上に電荷発生層及び電荷輸送層を塗設した構成を有する。
【0089】
上記電荷輸送層は必要により2層以上で構成されても良い。
本発明では、この電荷輸送層に前記一般式()〜(4)の少なくとも1種を電荷輸送物質として含有させることを特徴とする。
【0090】
即ち、本発明の有機感光体は導電性支持体上に前記した中間層と、その上に電荷発生層及び上記のような電荷輸送層を有することにより、反転現像による相反する画像欠陥、黒ポチと白抜けの両画像欠陥を防止でき、且つ初期電位変動が小さく、初期の画像濃度の変動を防止した鮮明な電子写真画像を得ることができる。
【0091】
以下に、前記一般式()〜(4)の具体的な化合物例を示すが本発明はこれら具体例以外の化合物でも有効に使用することができる。
【0099】
一般式(2)の化合物例
【0100】
【化10】
Figure 0003876667
【0101】
【化11】
Figure 0003876667
【0102】
【化12】
Figure 0003876667
【0103】
例示化合物の略記号は、以下の意味を示す。
4−Me:フェニル基の4−位に置換するメチル基
3−Me:フェニル基の3−位に置換するメチル基
4−Cl:フェニル基の4−位に置換する塩素原子
4−MeO:フェニル基の4−位に置換するメトキシ基
4−F:フェニル基の4−位に置換するフッ素原子
一般式(3)の化合物例
【0104】
【化13】
Figure 0003876667
【0105】
【化14】
Figure 0003876667
【0106】
【化15】
Figure 0003876667
【0107】
例示化合物の略記号は、以下の意味を示す。
4−Me:フェニル基の4−位に置換するメチル基
3−Me:フェニル基の3−位に置換するメチル基
4−Cl:フェニル基の4−位に置換する塩素原子
4−MeO:フェニル基の4−位に置換するメトキシ基
4−F:フェニル基の4−位に置換するフッ素原子
4−Br:フェニル基の4−位に置換する臭素原子
一般式(4)の化合物例
【0108】
【化16】
Figure 0003876667
【0109】
【化17】
Figure 0003876667
【0110】
【化18】
Figure 0003876667
【0111】
【化19】
Figure 0003876667
【0112】
上記の一般式(4)の例示化合物の中で4−5、4−15、4−17、4−18、4−19、4−22、4−23、4−29、4−30が特に好ましい。
【0113】
次に上記中間層、電荷輸送層を含めて本発明の感光体の構成について記載する。
【0114】
導電性支持体
本発明の感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。
【0115】
本発明の円筒状導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真円度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
【0116】
導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。
【0117】
本発明で用いられる導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0118】
中間層
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤー機能を備えた前記した中間層を設ける。
【0119】
感光層
本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成を有する。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。
【0120】
電荷発生層
電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
【0121】
電荷発生物質(CGM)としては公知の電荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGMは複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θが27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができる。
【0122】
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
【0123】
電荷輸送層
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
【0124】
電荷輸送物質(CTM)としては前記の一般式(1)〜(4)の電荷輸送物質(CTM)の他に感度等を調整するために、他の電荷輸送物質を併用しても良い。併用するCTMとしては例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCTMの併用は、相互のCTM間のイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性を有するものであり、好ましくは0.25(eV)以下である。
【0125】
CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
【0126】
電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂としては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
【0127】
これらCTLのバインダーとして最も好ましいものはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネート樹脂はCTMの分散性、電子写真特性を良好にすることにおいて、最も好ましい。バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し10〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の膜厚は10〜50μmが好ましい。又、本発明の電荷輸送層は2層以上の多層構成とし、その最上層に保護層としての機能を持たせても良い。
【0128】
又、電荷輸送層には酸化防止剤を含有させることが好ましい。該酸化防止剤とは、その代表的なものは有機感光体中ないしは有機感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。代表的には下記の化合物群が挙げられる。
【0129】
【化20】
Figure 0003876667
【0130】
【化21】
Figure 0003876667
【0131】
【化22】
Figure 0003876667
【0132】
【化23】
Figure 0003876667
【0133】
次に、本発明の画像形成装置について説明する。
図1は本発明の画像形成方法の1例としての画像形成装置の断面図である。
【0134】
図1に於いて50は像担持体である感光体ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布し、その上に本発明の樹脂層を塗設した感光体で、接地されて時計方向に駆動回転される。52はスコロトロンの帯電器(帯電手段)で、感光体ドラム50周面に対し一様な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器52による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用いた帯電前露光部51による露光を行って感光体周面の除電をしてもよい。
【0135】
感光体への一様帯電の後、像露光手段としての像露光器53により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器53は図示しないレーザーダイオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー531、fθレンズ等を経て反射ミラー532により光路を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。
【0136】
ここで本発明の反転現像プロセスとは帯電器52により、感光体表面を一様に帯電し、像露光が行われた領域、即ち感光体の露光部電位(露光部領域)を現像工程(手段)により、顕像化する画像形成方法である。一方未露光部電位は現像スリーブ541に印加される現像バイアス電位により現像されない。
【0137】
その静電潜像は次いで現像手段としての現像器54で現像される。感光体ドラム50周縁にはトナーとキャリアとから成る現像剤を内蔵した現像器54が設けられていて、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ541によって現像が行われる。現像器54内部は現像剤攪拌搬送部材544、543、搬送量規制部材542等から構成されており、現像剤は攪拌、搬送されて現像スリーブに供給されるが、その供給量は該搬送量規制部材542により制御される。該現像剤の搬送量は適用される有機電子写真感光体の線速及び現像剤比重によっても異なるが、一般的には20〜200mg/cm2の範囲である。
【0138】
現像剤は、例えば前述のフェライトをコアとしてそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリアと、前述のスチレンアクリル系樹脂を主材料としてカーボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と本発明の低分子量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸化チタン等を外添したトナーとからなるもので、現像剤は搬送量規制部材によって層厚を規制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時通常は感光体ドラム50と現像スリーブ541の間に直流バイアス、必要に応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。また、現像剤は感光体に対して接触あるいは非接触の状態で現像される。感光体の電位測定は電位センサー547を図1のように現像位置上部に設けて行う。
【0139】
記録紙Pは画像形成後、転写のタイミングの整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写域へと給紙される。
【0140】
転写域においては転写のタイミングに同期して感光体ドラム50の周面に転写電極(転写手段:転写器)58が圧接され、給紙された記録紙Pを挟着して転写される。
【0141】
次いで記録紙Pは転写ローラーとほぼ同時に圧接状態とされた分離電極(分離器)59によって除電がなされ、感光体ドラム50の周面により分離して定着装置60に搬送され、熱ローラー601と圧着ローラー602の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ローラー61を介して装置外部に排出される。なお前記の転写電極58及び分離電極59は記録紙Pの通過後感光体ドラム50の周面より退避離間して次なるトナー像の形成に備える。図1では転写電極58にコロトロンの転写帯電極を用いている。転写電極の設定条件としては、感光体のプロセススピード(周速)等により異なり一概に規定することはできないが、例えば、転写電流としては+100〜+400μA、転写電圧としては+500〜+2000Vを設定値とすることができる。
【0142】
一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム50は、クリーニング器(クリーニング手段)62のブレード621の圧接により残留トナーを除去・清掃し、再び帯電前露光部51による除電と帯電器52による帯電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
【0143】
尚、70は感光体、帯電器、転写器、分離器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプロセスカートリッジである。
【0144】
本発明の有機電子写真感光体は電子写真複写機、レーザープリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
【0145】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。
【0146】
感光体1の作製
〈中間層〉
酸化チタンSMT500SAS(1回目:シリカ・アルミナ処理、2回目:
メチルハイドロジェンポリシロキサン処理:テイカ社製) 300g
ポリアミド樹脂 CM8000(東レ社製) 100g
メタノール 1000g
酸化チタン、ポリアミド樹脂、メタノールを同一容器中に加え超音波ホモジナイザーを用いて分散し、中間層用の塗布液を調製した。この塗布液を円筒状アルミニウム基体上に浸漬塗布し、110℃、1時間の加熱硬化を行い、4μmの乾燥膜厚で中間層を設けた。
【0147】
Figure 0003876667
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0148】
〈電荷輸送層〉
電荷輸送物質(例示化合物1−1) 225g
ポリカーボネート(粘度平均分子量20,000) 300g
酸化防止剤(例示化合物6−3) 6g
ジクロロメタン 2000ml
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚24μmの電荷輸送層を形成し、感光体1を作製した。
【0149】
感光体2〜20の作製(感光体9、10は比較例)
感光体1で用いた中間層の酸化チタン及びその表面処理と粒径、酸化チタン/バインダー樹脂質量比、溶剤及び乾燥膜厚と電荷輸送層の電荷輸送物質を表1、表2に示す様にした他は感光体1と同様にしてそれぞれ感光体2〜20を作製した。
【0150】
感光体9、10で用いた電荷輸送物質5−1及び5−2は下記構造の化合物である。
【0151】
【化24】
Figure 0003876667
【0152】
感光体21の作製(比較例)
感光体1で用いた中間層の酸化チタンを除きポリアミド樹脂層の中間層を乾燥膜厚0.5μmで形成した他は感光体1と同様にして感光体21を作製した。
【0153】
感光体22〜25の作製(比較例)
感光体1の酸化チタンを数平均粒径15μmのオクチルシラン表面処理シリカ粒子に変更し、電荷輸送層中の電荷輸送物質を表2記載の化合物にした以外は感光体1と同様にして感光体22〜25を作製した。
【0154】
【表1】
Figure 0003876667
【0155】
【表2】
Figure 0003876667
【0156】
評価
評価機としてコニカ社製デジタル複写機Konica7075(コロナ帯電、レーザ露光、反転現像、静電転写、爪分離、ブレードクリーニング、クリーニング補助ブラシローラー採用プロセスを有する)を用い、該複写機に感光体1〜25を搭載し評価した。クリーニング性及び画像評価は、画素率が7%の文字画像、人物顔写真、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオリジナル画像をA4中性紙にコピーして行った。環境条件は厳しい条件の高温高湿環境(30℃、80%RH)と低温低湿環境(10℃、30%RH)の両方で、それぞれ連続1万枚コピーを行いハーフトーン、ベタ白画像、ベタ黒画像を作製し下記の評価を行った。
【0157】
評価基準
画像濃度(マクベス社製RD−918を使用して測定。紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した。初期及び1万枚コピー後の画像で評価した。)
◎:黒ベタ画像が1.2以上
○:黒ベタ画像が1.2未満〜1.0
×:黒ベタ画像が1.0未満
カブリ(初期及び1万枚コピー後のベタ白画像を目視で判定)
◎:両方の環境条件下のコピーを通してカブリの発生なし
○:どちらか一方の環境下で濃度0.01〜0.02のカブリが発生
×:どちらか一方の環境下で濃度0.03以上のカブリが発生
解像度(文字画像の判別容易性で判定)
○:初期と1万枚コピー後の解像度に差がない
△:ハーフトーン画像で1万枚コピー後の解像度に軽微な低下有り
×:1万枚コピー後の解像度に顕著な低下有り
黒ポチ(初期及び1万枚コピー後のベタ白画像で評価)
黒ポチの評価は、長径が0.4mm以上の黒ポチがA4紙当たり何個あるかで判定した。尚、黒ポチ長径はビデオプリンター付き顕微鏡等で測定できる。黒ポチ評価の判定基準は、下記に示す通りである。
【0158】
A:0.4mm以上の黒ポチ頻度:全ての複写画像が3個/A4以下
B:0.4mm以上の黒ポチ頻度:4個/A4以上、19個/A4以下
が1枚以上発生
C:0.4mm以上の黒ポチ頻度:20個/A4以上が1枚以上発生
白抜け(初期及び1万枚コピー後のハーフトーン画像で評価)
白抜けの評価は、長径が0.4mm以上の白抜けがA4紙当たり何個あるかで判定した。尚、白抜け長径はビデオプリンター付き顕微鏡等で測定できる。白抜け評価の判定基準は、下記に示す通りである。
【0159】
A:0.4mm以上の白抜け頻度:全ての複写画像が3個/A4以下
B:0.4mm以上の白抜け頻度:4個/A4以上、19個/A4以下
が1枚以上発生
C:0.4mm以上の白抜け頻度:20個/A4以上が1枚以上発生
ΔV12の評価(高温高湿環境で評価)
上記各1万枚コピー後、1時間の休止をはさんでΔV12の評価を行った。現像位置に電位センサーを設置し、感光体の1回転目と2回転目の黒べた部電位を測定し、その差の絶対値をΔV12とした。
【0160】
その他評価条件
尚、上記デジタル複写機Konica7075を用いたその他の評価条件は下記の条件に設定した。
【0161】
帯電条件
帯電器;スコロトロン帯電器、初期帯電電位を−750V
露光条件
露光部電位を−50Vにする露光量に設定。
【0162】
現像条件
DCバイアス;−550V
現像剤は、フェライトをコアとして絶縁性樹脂をコーティングしたキャリアとスチレンアクリル系樹脂を主材料としてカーボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と本発明の低分子量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸化チタン等を外添したトナーの現像剤を使用
転写条件
転写極;コロナ帯電方式
クリーニング条件
クリーニング部に硬度70°、反発弾性34%、厚さ2(mm)、自由長9mmのクリーニングブレードをカウンター方向に線圧20(g/cm)となるように重り荷重方式で当接した。
【0163】
評価結果を表3に示した。
【0164】
【表3】
Figure 0003876667
【0165】
表3から明らかなように本発明の中間層が、複数回の表面処理を施され且つ最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物による表面処理であるN型半導性微粒子と、バインダー樹脂を含有しており、電荷輸送層が前記一般式(2)、(3)、(4)で表される化合物を含有する感光体2〜8、11〜13、16〜18は、画像濃度、カブリ、解像度等の画像特性が良好であり、電位変動特性(ΔV12)及び黒ポチ、白抜け等の画像欠陥の発生も少なく全ての特性がバランスを持って改善されていて、対応する比較例の感光体9、10、14(感光体13の比較例)、感光体23〜25に対して優れた改善効果を示している。
【0166】
即ち、中間層は本発明の構成でも電荷輸送層の電荷輸送物質が本発明外の感光体9,10では白抜け発生が著しく、カブリも発生している。又、中間層が本発明外の感光体2〜25では黒ポチ発生が著しく、解像度、カブリの評価も悪い。又、フッ素原子を有する有機ケイ素化合物の表面処理を受けている酸化チタンを含有する中間層の感光体1、感光体14も、本願発明の感光体13に比しカブリの改善効果が劣っている。
【0167】
【発明の効果】
実施例からも明らかなように、本発明の構成を有する有機感光体を用いることにより、黒ポチや白ヌケが発生せず又初期の電位変動が小さい鮮鋭な電子写真画像を得ることができる。又該有機感光体を用いた良好な電子写真画像を達成できる画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法の1例としての画像形成装置の断面図。
【符号の説明】
50 感光体ドラム(又は感光体)
51 帯電前露光部
52 帯電器
53 像露光器
54 現像器
541 現像スリーブ
543,544 現像剤攪拌搬送部材
547 電位センサー
57 給紙ローラー
58 転写電極
59 分離電極(分離器)
60 定着装置
61 排紙ローラー
62 クリーニング器
70 プロセスカートリッジ

Claims (18)

  1. 導電性支持体上に、中間層を介して電荷発生層及び電荷輸送層の積層構造を有する有機感光体において、該中間層が、複数回の表面処理を施され且つ最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物による表面処理であるN型半導性微粒子と、バインダー樹脂を含有しており、該電荷輸送層が下記一般式()で表される化合物を含有することを特徴とする有機感光体。
    Figure 0003876667
    (式中、R 1 ,R 2 ,R 3 ,R 4 ,R 5 ,R 6 はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。m2及びn2は0又は1を示す)
  2. 導電性支持体上に、中間層を介して電荷発生層及び電荷輸送層の積層構造を有する有機感光体において、該中間層が、複数回の表面処理を施され且つ最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物による表面処理であるN型半導性微粒子と、バインダー樹脂を含有しており、該電荷輸送層が下記一般式()で表される化合物を含有することを特徴とする有機感光体。
    Figure 0003876667
    (式中、R 7 〜R 13 はそれぞれ同一であっても異なってもよく、水素原子、低級アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子又は置換していてもよいアリール基を示し、m3及びn3は0又は1を示す。)
  3. 導電性支持体上に、中間層を介して電荷発生層及び電荷輸送層の積層構造を有する有機感光体において、該中間層が、複数回の表面処理を施され且つ最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物による表面処理であるN型半導性微粒子と、バインダー樹脂を含有しており、該電荷輸送層が下記一般式()で表される化合物を含有することを特徴とする有機感光体。
    Figure 0003876667
    (式中、Ar 5 は芳香族単環式炭化水素、縮合多環式炭化水素又は複素環化合物残基を表し、R 14 〜R 16 はそれぞれ独立して水素原子、水酸基、アルキル基、アラルキル基、フェニル基又はアルコキシ基を表し、R 17 、R 18 はそれぞれアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ジアラルキルアミノ基、ピペリジノ基を表し、m4、n4は1又は2を表す。但し、m4、n4が2の場合、R 17 同士、R 18 同士は互いに結合し環を形成してもよい。)
  4. 前記反応性有機ケイ素化合物がメチルハイドロジェンポリシロキサンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体。
  5. 前記反応性有機ケイ素化合物が下記一般式(6)で示される化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体。
    一般式(6) R−Si−(X) 3
    〔式中、Rはアルキル基、アリール基、Xはメトキシ基、エトキシ基、ハロゲン原子を表す。〕
  6. 前記一般式(6)のRが炭素数4から8までのアルキル基であることを特徴とする請求項5に記載の有機感光体。
  7. 前記複数回の表面処理のうち、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ及びジルコニアの少なくとも1種以上の表面処理であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機感光体。
  8. 前記N型半導性微粒子が、アルミナ及びシリカの両方、或いはいずれか一方の表面処理を施され、次いで反応性有機ケイ素化合物の表面処理を施されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機感光体。
  9. 前記N型半導性微粒子がフッ素原子を有する反応性有機ケイ素化合物の表面処理を施されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体。
  10. 前記N型半導性微粒子が少なくともシリカ又はアルミナによる表面処理を施され、次いで反応性有機チタン化合物を用いた表面処理を施されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体。
  11. 前記N型半導性微粒子が少なくともシリカ又はアルミナによる表面処理を施され、次いで反応性有機ジルコニウム化合物を用いた表面処理を施されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体。
  12. 前記N型半導性微粒子が金属酸化物粒子であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の有機感光体。
  13. 前記N型半導性微粒子の数平均一次粒径が10nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の有機感光体。
  14. 前記N型半導性微粒子が酸化チタン粒子であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の有機感光体。
  15. 前記中間層のバインダーがポリアミドであることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の有機感光体。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の有機感光体を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
  17. 請求項16に記載の画像形成方法を用いて電子写真画像を形成する ことを特徴とする画像形成装置。
  18. 少なくとも請求項1〜15のいずれか1項に記載の有機感光体と帯電器、像露光器、現像器、転写器、クリーニング器の少なくとも1つを一体として有しており、画像形成装置に出し入れ可能に構成されたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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