以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明をおこなう。図1は、液処理装置、例えばレジスト処理装置としての塗布・現像装置の実施の形態における全体構造を示す概略平面図である。
このレジスト処理装置1は、基板、例えば半導体ウエハWを複数枚収納自在のカセットCを複数載置自在に構成されたカセット載置部U1とこのカセット載置部U1のカセットCに対して半導体ウエハWを一枚毎搬入出自在に構成された基板搬出入機構2を配置する基板搬入出機構部U2で構成されたカセットユニット部CUと、他の装置、例えば半導体ウエハWに対して露光処理を施す露光装置3に対して半導体ウエハWを一枚毎渡す渡し部4と露光装置3から半導体ウエハWを一枚毎受け取る受取部5と半導体ウエハWを一枚毎搬入出自在に構成された基板搬出入機構6とで構成されたインタフェースユニット部IFUと、半導体ウエハWに対して所定の処理を施す処理部、例えば液処理部としてレジスト液を塗布する塗布処理部COTと半導体ウエハW上の露光済みレジストを現像する現像処理部DEVと半導体ウエハWに対して所定のタイミングで半導体ウエハW上のレジスト膜の状態を検査する検査処理部7と前記基板搬出入機構2,6との間で半導体ウエハWを一枚毎搬入出自在に構成された基板受渡部8,9とこれら基板受渡部8,9と塗布処理部COT・現像処理部DEV・検査処理部7に対して半導体ウエハWを一枚毎搬送自在に構成された基板搬送機構10とで構成されたプロセスユニット部PUと、で主要部が構成されている。
なお、前述の基板搬出入機構2,6の半導体ウエハWを真空吸着にて保持或いは半導体ウエハWの周縁部を点接触或いは線接触にて支持するアーム11,12は、図中の垂直方向Z1,2と進退方向Y1,2方向と回転方向θ1,2に移動自在に構成され、アーム11,12の基台13,14はアーム11,12ごと図中水平方向X1,2に移動自在に構成されている。また、プロセスユニット部PUの基板搬送機構10のアーム17は、半導体ウエハWの周縁部を点接触或いは線接触にて支持するように構成され、図中の垂直方向Z0と進退方向Y0方向と回転方向θ0に移動自在に構成されている。なお、便宜上、基板搬出入機構2,6及び基板搬送機構10を上述のように構成したが、多関節ロボットを使用しても良いことは言うまでもなく、基板搬入出機構部U2及びインタフェースユニット部IFUには、上記機能が達成できる搬送機構が配置されるよう構成されていれば良い。
また、基板受渡部8,9の各々下方位置には半導体ウエハWに対して、処理室内と略同温の温度に温調する図示しない温調処理部が複数積層して配置されており、さらに、これら複数の温調処理部の下方位置には半導体ウエハWに対して、処理ガス、例えばHMDSガスを用いた処理を施す図示しないガス処理部が複数積層して配置されており、さらに、基板受渡部8,9の各々上方位置には半導体ウエハWに対して、所定の室温以上の温度にて加熱して処理を施す図示しない加熱処理部が複数積層して配置され、熱処理部が構成されている。
また、プロセスユニット部PUの検査処理部7に対して、プロセスユニット部PUの基板搬送機構10とカセットユニット部CUの基板搬出入機構2は、半導体ウエハWを各々搬入出自在に構成されており、処理前の半導体ウエハW、上述した各処理部及び/又は露光装置で処理した処理後の半導体ウエハWに対して検査、例えば半導体ウエハW上のレジスト膜の膜厚等を検査自在に構成されている。
また、カセットユニット部CUの基板搬入出機構部U2とプロセスユニット部PUとインタフェースユニット部IFUの上部には各々図示しないフィルタ部が設けられており、それらのフィルタ部からはそれぞれのユニット内に温度・湿度が所定の値に設定された温度・湿度エアーを供給するよう構成され、さらにそれぞれのユニットの下部に設けられた排気口より前記温度・湿度エアーを所定量に各々排気設定機構により設定し回収自在に構成されて各ユニットに温度・湿度エアーのダウンフローが形成されるよう構成されている。
さらに、カセットユニット部CUの基板搬入出機構部U2とプロセスユニット部PUとインタフェースユニット部IFUの各々の排気設定機構によりそれぞれのユニット部の圧力は、カセットユニット部CUの基板搬入出機構部U2よりプロセスユニット部PUのほうが圧力が高く設定されており、さらにインタフェースユニット部IFUよりプロセスユニット部PUのほうが圧力が高く設定されており、さらに、インタフェースユニット部IFUより露光装置3内の方が圧力が高く設定されるよう構成されており、プロセスユニット部PU内或いは露光装置3内に不要なミストが入り込み半導体ウエハWの処理に悪影響が起こる要因となるのを抑制するようにされている。また、カセットユニット部CUの雰囲気中に含まれる酸素及び/又は酸性ガス(NOX,SOX,H2S,CO2など)及び/又は塩基性ガス(アンモニア、アミンなど)及び/又は湿度の量に比べ、プロセスユニット部PU及び/又はインタフェースユニット部IFUの雰囲気中に含有する量は実質的に少なく設定されている。これは、特に露光前或いは露光後の処理において、それらの影響を軽減することにより半導体ウエハWの処理の歩留まりを向上するためである。
なお、上述のようにカセットユニット部CUの基板搬入出機構部U2とプロセスユニット部PU間或いはプロセスユニット部PUとインタフェースユニット部IFU間の雰囲気を遮断するようにそれぞれの間には壁20が設けられ、基板受渡部8,9と検査処理部7の基板搬入出口19は半導体ウエハWの搬入出の工程以外はその基板搬入出口19を図示しない開閉機構、例えば蓋にて開閉自在に構成されて、カセットユニット部CUの基板搬入出機構部U2とプロセスユニット部PUとインタフェースユニット部IFUの各々の雰囲気を遮断するよう構成されている。
また、プロセスユニット部PUの塗布処理部COTは複数積層して配置されており、さらに現像処理部DEVも同様に複数積層して配置されている。これらの処理部に対しても基板搬送機構10により半導体ウエハWは搬入出自在に構成されている。なお、塗布処理部COT及び/又は現像処理部DEVは、後述するように各々、温度・湿度が所定の値に設定されており、それらの処理部内の圧力は、それらの処理部内の排気状態が変化したとしても、プロセスユニット部PU内より高く設定されている。これは、液処理部である塗布処理部COT内及び現像処理部DEV内に不要なミストが入り込み半導体ウエハWの処理に悪影響が起こる要因となるのを抑制するためである。また、塗布処理部COT及び/又は現像処理部DEV内の雰囲気は、プロセスユニット部PU内の雰囲気に比べ、その雰囲気内に含まれる酸素及び/又は酸性ガス(NOX,SOX,H2S,CO2など)及び/又は塩基性ガス(アンモニア、アミンなど)及び/又は湿度の量が低くなるよう設定されている。これにより、それらの影響を軽減することにより半導体ウエハWの処理の歩留まりを向上するためである。
つぎに、現像処理部DEVの構成について、図2、図3、図4に基づいて説明する。
この現像処理部DEVは、上部に処理室内に所定の値に設定された温度・湿度がコントロールされたエアーを供給するエアー供給機構30が設けられており、処理室内に設けられたセンサー30aの検出データに基づき制御機構31により、所定の温度及び湿度に維持されるよう構成されている。
また、処理室の下方位置には、半導体ウエハWの裏面を真空吸着して保持する保持機構としてのチャック32が配置され、このチャック32は回転駆動機構、例えばモーター33により回転自在に構成されている。なお、このチャック32は本実施においては上下動に移動しない構成とされている。チャック32を上下動するにはモーター33も上下動しなくてはいけなくなるため、モーター33の熱影響が装置に及ぼす範囲が広くなるため半導体ウエハWへの熱の影響を及ぼし歩留まりが低下してしまう恐れが出てくる。また、その熱影響を抑制するためには処理室下部の熱抑制機構がシステム的に大きくなる。例えば、このような処理室を複数積層して配置するには処理室の垂直方向の大きさを極力薄くする必要がある。ただし、このような配慮をしないでよいシステムであればモーター33ごと移動するよう構成しても良いことは言うまでもない。
また、チャック32の下方位置には半導体ウエハWの裏面を支持する支持機構35が設けられている。この支持機構35は図3(a),(b)にも示すように、半導体ウエハWの裏面を点接触にて支持する複数の支持ピン36とこの支持ピン36の外方に設けられ半導体ウエハWの裏面の中心部に現像液又はリンス液等の処理液が進入するのを防止するための液侵入防止機構としてのリング部材37とこのリング部材37と支持ピン36とを一体として支持する複数の支持柱38が設けられている。
さらに、図3(b)にも示すように、支持ピン36とリング部材37との高さや位置は、支持ピン36の方が所定の距離、例えば、現像液及び/又はリンス液等の処理液の表面張力により半導体ウエハWの裏面とリング部材37との間に処理液を保持する距離、例えば半導体ウエハWと接触しない0.5mm以上の距離、例えば1.5mm〜5mmの間の距離(図中L)に高くなるよう設定されている。これはリング部材37が直接半導体ウエハWの裏面に接触しないようにしているためである。また、支持ピン36の半導体ウエハWの裏面と接触する接触部38aは、支持ピン36を形成する部材39に比べて摩擦係数が大きくてさらに熱伝導率が低い部材であって半導体ウエハWの裏面を支持した際に横ズレを防止及び半導体ウエハWの裏面を支持した後半導体ウエハWに処理液が供給されたときに横ズレ等を防止するためのズレ防止部材として、例えば弾性部材により形成されている。熱伝導率が低いというのは半導体ウエハWの処理中半導体ウエハWから支持ピン36との接触部から熱が逃げたり等の影響により面内均一性が疎外される恐れが生じるためである。上述した接触部38aの材質としては、例えばPEEK・PBI等の硬質樹脂又はアルミナ・ジルコニア等のセラミックス或いはパーフロ等のゴム材が考えられる。
さらに、リング部材37は、その頭部に半導体ウエハWに供給された現像液及び/又はリンス液を半導体ウエハWの裏面との間にて表面張力で保持する液保持部としての凹凸部40(液侵入防止部)を備えている。さらに、凹凸部40の内側の壁は液切れをスムーズにするよう傾斜部41が備えられている。なお、表面張力で保持する液保持部としての凹凸部40を便宜上本実施例にて紹介したが表面張力で保持できる機構であればこれに限定するものではない。
さらに、支持機構35は、図2に示すように支持機構の移動機構、例えばエアーシリンダー50により上下動自在に構成されている。
また、支持機構35の内側には図2に示すように、半導体ウエハWの裏面に半導体ウエハW周縁部方向に向かって、或いは前記リング部材37の凹凸部40に対してリンス液、例えば純水を供給するリンス液裏面供給機構としての裏面ノズル51が複数設けられている。
また、チャック32の周囲にはチャック32に保持された半導体ウエハWを囲む如く設けられた第一の囲い体としてのカップ60が設けられ、このカップ60内の下方位置には前述のエアー供給機構30からのエアーの少なくとも一部を回収及び現像液或いはリンス液を回収する気液回収口70が設けられ排気機構としての気液回収機構71により回収処理される。なお、気液回収機構71はエアーの回収量を所定の量に設定自在に構成されている。つまり、カップ60内からの排気する領域(第二の周辺域β)を所定の量に設定自在に構成されている。なお、カップ60は図示しないカップ移動機構により上下動自在に構成されている。
また、カップ60の周囲にはこのカップ60を囲む如く設けられた第二の囲い体としての処理室の壁を形成する壁部75が配置され、カップ60と壁部75との間の下方位置には、気流の流れを整流する複数の回収口73を備えた整流機構74を介して、前述のエアー供給機構30からのエアーの少なくとも一部を回収及び現像液或いはリンス液を回収する気液回収口76が設けられ排気機構としての気液回収機構77により回収処理される。なお、気液回収機構77はエアーの回収量を所定の量に設定自在に構成されている。つまり、カップ60と壁部75との間から排気する領域(第一の周辺域α)を所定の量に設定自在に構成されている。
また、壁部75には、図2に示すように、半導体ウエハWを搬送する基板搬送機構10のアーム17が処理室内に進入・退避する搬入出口80が設けられており、更にこの搬入出口80を開閉し処理室内とダウンフローDFが形成された基板搬送機構10の配置空間と雰囲気を遮断するための開閉機構としての蓋81が設けられている。なお、処理室内の圧力と基板搬送機構10の配置空間の圧力との関係は、処理室内の圧力の方が高く設定されている。これは基板搬送機構10の配置空間から処理室内にパーティクル等の進入を防止するためである。したがって、基板搬送機構10の配置空間内に設けられたセンサー82の検出データに基づき制御機構31により、エアー供給機構30からのエアー供給量又は/及び気液回収機構77のエアーの回収量又は/及び気液回収機構71のエアーの回収量を制御するものである。なお、基板搬送機構10のアーム17が処理室内に進入する際、蓋81が開放し、処理室内の圧力が低下する。この圧力の変化はセンサー82により検出されるが、処理室内の圧力が一時的に低下したとしても、その低下した圧力がプロセスユニット部PU内の圧力よりも高い場合は、制御機構31は処理室内の圧力変動要因、例えば、エアー供給機構30からのエアーの供給量・気液回収機構77からのエアーの回収量・気液回収機構71からのエアーの回収量の内の要因の少なくとも一つの要因は実質的に半導体ウエハWの処理中の設定値と比べ変化させる必要が無い。また、蓋81が開放し、処理室内の圧力がプロセスユニット部PU内の圧力と略同等となる場合或いは所定圧だけ差を保持したい場合は、蓋81の開放前にエアー供給機構30からのエアーの供給量は変化させずに、気液回収機構77からのエアーの回収量・気液回収機構71からのエアーの回収量の内の要因の少なくとも一つの要因を変化させておく、つまり回収量を低下或いは停止させて対応する方が好ましい。この理由としては、前記圧力変動要因を変化させると半導体ウエハWの処理中に設定される値に達するまでに時間を要し、処理のスループットを低下せしめるためである。
また、処理室内には、図2及び図4(a)(b)に示すように、半導体ウエハWに、処理液として現像液を供給する現像液供給機構としての現像ノズル90と半導体ウエハWに、処理液としてリンス液、例えば純水又は/及び純水に界面活性剤が添加された水溶液を供給するリンス液供給機構としてのリンスノズル91が設けられている。
さらに、現像ノズル90は、カップ60と半導体ウエハWとに現像液を同時に供給できるようにカップ60内径の大きさ92より所定の距離大きい93領域に現像液を吐出する吐出口94を備えている。さらに、この現像ノズル90は、図示しない移動機構により図中X5方向に移動自在に構成され、現像吐出開始は少なくともカップ60上X51から吐出開始し、吐出終点位置は少なくとも半導体ウエハWの終点サイドX53まで移動(好ましくはカップ60上X54位置)し、半導体ウエハW上に現像液を液盛り自在に構成されている。
この液盛りにおけるカップ60とチャック32との位置関係については、図4(b),(c)に示すように、カップ60上から現像ノズル90により吐出される現像液95はX5方向水平移動にて進行するが、カップ60の高さとチャック32に保持又は支持機構35により支持された半導体ウエハWの処理面との高さ位置との関係は、半導体ウエハWの処理面がカップ60の高さ位置とほぼ同じ高さかそれ以上の高さV10位置に設定され、カップ60とチャック32に保持又は支持機構35により支持された半導体ウエハWとの間の距離X10にカップ60又は/及びチャック32或いは支持機構35の相対的移動により設定自在に構成されている。これらの距離、つまり半導体ウエハWとカップ60との距離V10,X10は、現像ノズル90から吐出される現像液の表面張力で半導体ウエハWとカップ60との間にて現像液が保持され残存しないように設定されることが好ましい。また、半導体ウエハWとカップ60との距離V10,X10が大きすぎると半導体ウエハWのみに直接現像液を供給したものと同様になるのでこれも好ましくない。つまり、現像ノズル90がX5方向に移動中、半導体ウエハWとカップ60との間で一旦現像ノズル90から吐出される現像液を表面張力で一時的に保持するが現像ノズル90の移動に伴って半導体ウエハWとカップ60との間で現像液を表面張力で保持できない距離(つまり、現像ノズル90からの現像液が供給されているときは一時的に半導体ウエハWとカップ60との間で現像液を表面張力で保持しているが、現像ノズル90の移動に伴って現像液が供給されなくなる部位においては半導体ウエハWとカップ60との各々の表面張力で互いに現像液を引き合い半導体ウエハWとカップ60の間で現像液を保持できなくなる程度の距離)に設定することが好ましい。(現像液の種類によってこれらの距離は適宜設定される)これにより、現像処理に不要な量の現像液はカップ60の傾斜部60aを滑り落ち又はカップ60内に落ちて回収され、半導体ウエハW上に現像液が適量盛られることとなる。また、他の実施例として、図4(d)に示すように、半導体ウエハWの処理面の高さよりカップ60の高さが、略同一以上の距離V100、例えば半導体ウエハWに盛られた現像液600の高さ以上に高く設定されている。このように設定し上述する効果を発生させることもできる。なお、チャック32において使用しても良いことは言うまでもない。また、このように、半導体ウエハWの処理面の高さよりカップ60の高さが、略同一以上の距離V100に高く設定されているので、カップ60外からの排気における気流の影響が半導体ウエハWの処理面に盛られた現像液へ作用するのをより抑制できるため処理の歩留まりを改善することもできる。
また、処理室内には、図2及び図4(a)に示すように、アーム移動機構としてのアーム98が軸部97を支点として回転方向θ5方向に移動自在に構成され、さらにアーム98の先端部には半導体ウエハWに処理液としてリンス液、例えば純水或いは界面活性剤を所定量含んだ純水を供給するリンスノズル91が備えられ、アーム98の移動にてリンスノズル91からリンス液等が半導体ウエハWの処理面の中心部近傍に供給自在に構成されている。
つぎに、塗布処理部COTの構成について、図5に基づいて説明する。
この塗布処理部COTは、上部に処理室内に所定の値に設定された温度・湿度がコントロールされたエアーを供給するエアー供給機構100が設けられており、処理室内に設けられたセンサー101の検出データに基づき制御機構31により、所定の温度及び湿度に維持されるよう構成されている。
また、処理室の下方位置には、半導体ウエハWの裏面を真空吸着して保持する保持機構としてのチャック102が配置され、このチャック102は回転駆動機構、例えばモーター103により回転自在に構成されている。なお、このチャック102は本実施においては上下動に移動しない構成とされている。チャック102を上下動するにはモーター103も上下動しなくてはいけなくなるため、モーター103の熱影響が装置に及ぼす範囲が広くなるため半導体ウエハWへの熱の影響を及ぼし歩留まりが低下してしまう恐れが出てくる。また、その熱影響を抑制するためには処理室下部の熱抑制機構がシステム的に大きくなる。例えば、このような処理室を複数積層して配置するには処理室の垂直方向の大きさを極力薄くする必要がある。ただし、このような配慮をしないでよいシステムであればモーター103ごと移動するよう構成しても良いことは言うまでもない。
また、チャック102の下方位置には半導体ウエハWの裏面を支持する支持機構104が設けられている。この支持機構104は、半導体ウエハWの裏面を点接触にて支持する複数の支持ピン105を有しこれらを一体として上下方向に移動する移動機構、例えばエアーシリンダー106にて移動自在に構成されている。
また、支持機構104の内側には、半導体ウエハWの裏面に半導体ウエハW周縁部方向に向かって、溶剤液、例えばシンナーを供給する溶剤液裏面供給機構としての裏面ノズル107が複数設けられている。
また、チャック102の周囲にはチャック102に保持された半導体ウエハWを囲む如く設けられた第一の囲い体としてのカップ110が設けられ、このカップ内の下方位置には前述のエアー供給機構100からのエアーの少なくとも一部を回収及び塗布液或いはリンス液を回収する気液回収口111が設けられ排気機構としての気液回収機構112により回収処理される。なお、気液回収機構112はエアーの回収量を所定の量に設定自在に構成されている。つまり、カップ110内からの排気する領域(第二の周辺域β)を所定の量に設定自在に構成されている。なお、カップ110は図示しないカップ移動機構により上下動自在に構成されている。
また、カップ110の周囲にはこのカップ110を囲む如く設けられた第二の囲い体としての処理室の壁を形成する壁部113が配置され、カップ110と壁部113との間の下方位置には、気流の流れを整流する複数の回収口114を備えた整流機構115を介して、前述のエアー供給機構100からのエアーの少なくとも一部を回収する気体回収口116が設けられ排気機構としての気体回収機構117により回収処理される。なお、気体回収機構117はエアーの回収量を所定の量に設定自在に構成されている。つまり、カップ100と壁部113との間から排気する領域(第一の周辺域α)を所定の量に設定自在に構成されている。
また、壁部113には、半導体ウエハWを搬送する基板搬送機構10のアーム17が処理室内に進入・退避する搬入出口120が設けられており、更にこの搬入出口120を開閉し処理室内とダウンフローDFが形成された基板搬送機構10の配置空間と雰囲気を遮断するための開閉機構としての蓋121が設けられている。なお、処理室内の圧力と基板搬送機構10の配置空間の圧力との関係は、処理室内の圧力の方が高く設定されている。これは基板搬送機構10の配置空間から処理室内にパーティクル等の進入を防止するためである。したがって、基板搬送機構10の配置空間内に設けられたセンサー82の検出データに基づき制御機構31により、エアー供給機構100からのエアー供給量又は/及び気体回収機構117のエアーの回収量又は/及び気液回収機構112のエアーの回収量を制御するものである。なお、基板搬送機構10のアーム17が処理室内に進入する際、蓋121が開放し、処理室内の圧力が低下する。この圧力の変化はセンサー101により検出されるが、処理室内の圧力が一時的に低下したとしても、その低下した圧力がプロセスユニット部PU内の圧力よりも高い場合は、制御機構31は処理室内の圧力変動要因、例えば、エアー供給機構100からのエアーの供給量・気体回収機構117からのエアーの回収量・気液回収機構112からのエアーの回収量の内の要因の少なくとも一つの要因は実質的に半導体ウエハWの処理中の設定値と比べ変化させる必要が無い。また、蓋121が開放し、処理室内の圧力がプロセスユニット部PU内の圧力と略同等となる場合或いは所定圧だけ差を保持したい場合は、蓋121の開放前にエアー供給機構100からのエアーの供給量は変化させずに、気体回収機構117からのエアーの回収量・気液回収機構112からのエアーの回収量の内の要因の少なくとも一つの要因を変化させておく、つまり回収量を低下或いは停止させて対応する方が好ましい。この理由としては、前記圧力変動要因を変化させると半導体ウエハWの処理中に設定される値に達するまでに時間を要し、処理のスループットを低下せしめるためである。
また、処理室内には、図5及び図6に示すように、アーム移動機構としてのアーム130が軸部131を支点として回転方向θ10方向に移動自在に構成され、さらにアーム130の先端部には半導体ウエハWに処理液として複数種の塗布液、例えばレジスト液を供給するレジストノズル群132が備えられ、アーム130の移動にてレジストノズル群132の選択された特定のレジストノズル134からレジスト液が半導体ウエハWの処理面の中心部近傍に供給自在に構成されている。また、アーム130は、レジストノズル群132の内の選択された特定のレジストノズル134の半導体ウエハWの処理面の中心部近傍への供給を一定位置に保つために伸縮(図中133方向)自在に構成されている。
また、処理室内には、図5及び図6に示すように、アーム移動機構としてのアーム140が軸部141を支点として回転方向θ11方向に移動自在に構成され、さらにアーム140の先端部には半導体ウエハWに処理液として溶剤液、例えばシンナー液を供給する溶剤ノズル142が備えられ、アーム140の移動にて溶剤ノズル142から溶剤液が半導体ウエハWの処理面の周縁部に供給自在に構成されている。この溶剤液により半導体ウエハWの処理面に塗布されたレジスト膜の内、半導体ウエハWの周縁部のレジスト膜を剥離するよう構成されている。
次に、以上の如く構成されたレジスト処理装置1の処理動作について説明する。
まず、未処理の半導体ウエハWを複数枚収納したカセットCはカセットユニット部CUのカセット載置部U1に作業員又はカセット搬送ロボットにより配置される。この後、基板搬入出機構部U2の基板搬出入機構2によりカセットCから一枚毎半導体ウエハWは搬出され、基板搬出入機構2にて一旦半導体ウエハWは位置合わせされた後、半導体ウエハWはプロセスユニット部PUの基板受渡部8に引き渡される。
この後、プロセスユニット部PUの基板搬送機構10のアーム17にて半導体ウエハWはガス処理部に搬送され、その処理部にて疎水化処理され、その後、温調処理部にて所定の温度、例えば塗布処理部COTにおける処理温度に設定された後、基板搬送機構10のアーム17にて塗布処理部COTに搬送される。
塗布処理部COTにおける基板搬送機構10のアーム17の半導体ウエハWの受渡し工程としては、まず、半導体ウエハWを支持した基板搬送機構10のアーム17が塗布処理部COT内の半導体ウエハWの受渡し位置に侵入した後、エアーシリンダー106により支持ピン105がUPし、半導体ウエハWを支持するとともに基板搬送機構10のアーム17から半導体ウエハWを離間させ受渡しされる。この後、基板搬送機構10のアーム17は塗布処理部COT外に退避され、蓋121により搬入出口120が閉じられ、処理室内は気密状態とされる。半導体ウエハWを支持する支持ピン105はエアーシリンダー106によりDOWNし、支持ピン105から半導体ウエハWは、チャック102上に引き渡され、チャック102上に真空吸着により保持される。この際、図示しない真空吸着のバキュームセンサーにより、所定の圧力を維持しているか否かで塗布処理部COT内に半導体ウエハWが引き渡されたことを実質的に確認するものである。この確認の後、実質的な塗布処理工程を進行させるものである。
なお、この間の搬送工程中、エアー供給機構100からのエアーの回収は気体回収機構117からのみ回収され気液回収機構112からは回収されない又は気体回収機構117からの回収量の方が気液回収機構112からの回収量より大きく設定されているものとする。これにより、エアー供給機構100からのエアーはカップ110内に引き込まれずにカップ110外(第一の周辺域α)から回収されることとなるのでカップ110内の半導体ウエハWに対するパーティクルの付着を低減することが可能となり、半導体ウエハWに対する処理の歩留まりを向上させることができる。
つぎに、塗布処理工程は、カップ110がUPした後、カップ110内のカップ110内のチャック102上に保持された半導体ウエハWは、チャック102により回転され、アーム130の移動によりレジストノズル群132の内の選択された特定のレジストノズル134によって半導体ウエハWの処理面の中心部近傍へレジスト液を供給する。なお、便宜上ここでは、半導体ウエハWを回転した後、半導体ウエハWに対してレジスト液を供給したが、半導体ウエハWに対してレジスト液を供給した後にカップ110をUPさせ半導体ウエハWを回転或いはカップ110をUPさせ半導体ウエハWに対してレジスト液を供給した後に半導体ウエハWを回転させても良い。このようにして、レジスト液の膜が半導体ウエハW上に形成される。
この塗布処理工程中においては、エアー供給機構100からのエアーの回収は気体回収機構117と気液回収機構112から回収される。この時の気液回収機構112からの排気量は前述の搬送工程中に比べて大きくなる。つまり、半導体ウエハW上のレジスト液を回転によりカップ110方向に飛散するのでこの飛散するレジスト液を下方向(カップ110内からの排気する領域(第二の周辺域β))に引き込むべき排気する必要があるためである。しかしながら、処理室内は一定の圧力に維持しておく必要があるため(このように、処理室内を一定の圧力に維持しておかないと、圧力の変動はレジスト膜厚の均一性に重大な影響を及ぼすこととなる)にカップ110内からの排気する排気量の増量分だけカップ110外(第一の周辺域α)から排気する排気量を低減させる必要がある。このように気体回収機構117の排気量は制御機構31によりコントロールされる。
なお、塗布処理工程中カップ110をUPするのは、エアー供給機構100のエアー噴出し口により近接させカップ110内にエアー供給機構100のエアーを限定して取り込みカップ110外のエアーがカップ110内に巻き込んで進入するのを抑制しているのである。つまり、このようにして処理室内の気流の流れを変化せしめて処理前と処理中での必要な気流を設定しているのである。このように設定することで、カップ外から不要なパーティクル等がカップ110内からの排気等の変化に伴ってカップ110内に侵入するのを防止して、半導体ウエハWの処理の歩留まりを向上することができることになる。
つぎに、半導体ウエハWの処理面に塗布されたレジスト膜の内、半導体ウエハWの周縁部のレジスト膜を剥離する工程(エッジリムーバー工程)は、アーム140が回転方向θ11方向に移動し、回転する半導体ウエハWの周縁部のレジスト膜に対し溶剤ノズル142から溶剤が供給され、不要なレジスト膜が除去される。この工程において、裏面ノズル107からもシンナーが吐出され、半導体ウエハWの裏面に付着する不要なレジストを除去する。なお、カップの状態とエアー供給機構100からのエアーの供給量・気体回収機構117からの排気量・気液回収機構112からの排気量の動作は前述の塗布処理工程と同様の値に引き続き設定されているものとする。
この後、カップの状態とエアー供給機構100からのエアー・気体回収機構117・気液回収機構112の動作は前述の搬送工程と同様の状態に設定され、搬送工程と逆の順序により支持ピン105から基板搬送機構10のアーム17に半導体ウエハWは受け渡されて塗布処理部COTでの処理が終了する。
この後、半導体ウエハWは基板受渡部8,9の上方位置に配置された選択された所定の熱処理部で熱処理された後、基板搬送機構10のアーム17により基板受渡部8,9の下方位置に配置された選択された所定の温調処理部で所定の温度に設定された後、基板受渡部9を介してインタフェースユニット部IFUに受け渡され、さらにインタフェースユニット部IFUから露光装置3に渡され半導体ウエハWは露光処理が施される。
露光処理が施された半導体ウエハWは、インタフェースユニット部IFUに受け渡され、その後、基板受渡部9を介してプロセスユニット部PUに戻されることとなる。さらに、この後、半導体ウエハWは基板受渡部8,9の上方位置に配置された選択された所定の熱処理部で熱処理(波長157nmの露光を使用するレジスト膜の場合は特に熱処理部の処理室内に湿度が45%以下、好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下であって0%ではないクリーンエアー若しくは窒素を供給しつつ、それらの湿度に維持するとともに所定の圧力に設定して熱処理を施す。)された後、基板搬送機構10のアーム17により基板受渡部8,9の下方位置に配置された選択された所定の温調処理部で所定の温度に設定された後、現像処理部DEVに搬送される。
現像処理部DEVにおける基板搬送機構10のアーム17による半導体ウエハWの受渡し工程としては、まず、半導体ウエハWを支持した基板搬送機構10のアーム17が現像処理部DEV内の半導体ウエハWの受渡し位置に侵入した後、エアーシリンダー50により支持機構35の支持ピン36がUPし、半導体ウエハWを支持するとともに基板搬送機構10のアーム17から半導体ウエハWを離間させ受渡しされる。この後、基板搬送機構10のアーム17は現像処理部DEV外に退避され、蓋81により搬入出口80が閉じられ、処理室内は気密状態とされる。半導体ウエハWを支持する支持ピン36はエアーシリンダー50によりDOWNし、支持ピン36から半導体ウエハWは、チャック32上に引き渡され、チャック32上に真空吸着により保持される。この際、図示しない真空吸着のバキュームセンサーにより、所定の圧力を維持しているか否かで現像処理部DEV内に半導体ウエハWが引き渡されたことを実質的に確認するものである。この確認の後、実質的な現像処理工程を進行させるものである。このように前述のバキュームセンサーにより、実質的に現像処理部DEV内に半導体ウエハWが引き渡されたことを確認しないと、万が一にも半導体ウエハWが引き渡されていないで、次工程の動作をした場合、半導体ウエハWが破損したり、処理が適切におこなわれない恐れが生じることとなる。
なお、この間の搬送工程中、エアー供給機構30からのエアーの回収は気液回収機構77からのみ回収され気液回収機構71からは回収されない又は気液回収機構77からの回収量の方が気液回収機構71からの回収量より大きく設定されているものとする。これにより、エアー供給機構30からのエアーはカップ60内に引き込まれずにカップ60外(第一の周辺域α)から回収されることとなるのでカップ60内の半導体ウエハWに対するパーティクルの付着を低減することが可能となり、半導体ウエハWに対する処理の歩留まりを向上させることができる。(以上搬送工程)
この搬送工程の後、半導体ウエハWを支持ピン36上に支持して現像液を液盛りする工程の場合は、半導体ウエハWを保持するチャック32からエアーシリンダー50により支持ピン36はUPされ、チャック32から半導体ウエハWは、再度、支持ピン36上に引き渡され、図4(c)のように、カップ60と支持ピン36上の半導体ウエハWとの位置関係を設定するように支持ピン36とカップ60とを相対的に移動させ、実質的な現像処理工程に移行する。
つぎに、現像処理工程は、カップ60上から現像液95を現像ノズル90により吐出させながら現像ノズル90をX5方向水平移動させ、カップ60と半導体ウエハWとに現像液を同時に供給して、半導体ウエハW上に現像液を所定量に液盛りし、現像処理を進行させる。この液盛りをした後、エアー供給機構30からのエアーの影響を低減させるためにカップ60をUPさせる。(つまり、カップ60の頭部は半導体ウエハWの処理面より高く、好ましくは半導体ウエハW上に液盛りされた現像液の液面より高く、又は/及び半導体ウエハWに現像液を盛る位置よりも高く設定される。つまり半導体ウエハWはカップ60内に収納される)これにより、処理室内の気流を変化せしめたことによりエアー供給機構30からのエアーはカップ60内に引き込まれずに、半導体ウエハWのより上方域にカップ60外への気流の流れが生じ、カップ60外(第一の周辺域α)から回収されることとなるのでカップ60内の半導体ウエハW上に液盛りされた現像液に対する気流の影響、さらに気流中に含まれるパーティクルの付着を低減することが可能となり、半導体ウエハWに対する処理の歩留まりを向上させることができる。なお、この工程中、エアー供給機構30からのエアーの回収における気液回収機構77と気液回収機構71の動作は搬送工程と同様の動作を維持しておくものとする。(以上現像1工程)
また、前記搬送工程の後、半導体ウエハWをチャック32に支持して現像液を液盛りする工程の場合は、図4(b)のように、カップ60と支持ピン36上の半導体ウエハWとの位置関係を設定するように支持ピン36とカップ60とを相対的に移動させ、実質的な現像処理工程に移行する。
この現像処理工程は、カップ60上から現像液95を現像ノズル90により吐出させながら現像ノズル90をX5方向水平移動させ、カップ60と半導体ウエハWとに現像液を同時に供給して、半導体ウエハW上に現像液を所定量に液盛りする。この後、半導体ウエハWを保持するチャック32からエアーシリンダー50により支持ピン36はUPし、チャック32から半導体ウエハWは、再度、支持ピン36上に引き渡され、半導体ウエハWの現像処理を引き続き進行させる。
なお、上記工程において、エアー供給機構30からのエアーの影響を低減させるためにカップ60をUPさせる。(つまり、カップ60の頭部は半導体ウエハWの処理面より高く、好ましくは半導体ウエハW上に液盛りされた現像液の液面より高く、又は/及び半導体ウエハWに現像液を盛る位置よりも高く設定される。つまり半導体ウエハWはカップ60内に収納される)これにより、処理室内の気流を変化せしめたことによりエアー供給機構30からのエアーはカップ60内に引き込まれずに、半導体ウエハWのより上方域にカップ60外への気流の流れが生じ、カップ60外(第一の周辺域α)から回収されることとなるのでカップ60内の半導体ウエハW上に液盛りされた現像液に対する気流の影響、さらに気流中に含まれるパーティクルの付着を低減することが可能となり、半導体ウエハWに対する処理の歩留まりを向上させることができる。なお、この工程中、エアー供給機構30からのエアーの回収における気液回収機構77と気液回収機構71の動作は前記搬送工程と同様の動作を維持しておくものとする。(以上現像2工程)
前記現像1工程の場合も現像2工程の場合も同様に、この後、半導体ウエハWを支持する支持ピン3をエアーシリンダー50によりDOWNさせ、支持ピン36から半導体ウエハWは、チャック32上に引き渡しし、チャック32上に真空吸着により保持する。
なお、前記現像1工程の場合を選択するのは、特に現像2工程に比べ、半導体ウエハWを点接触にて支持しているために面的な接触より半導体ウエハWに対する接触域と非接触域の温度のバラツキをより抑制できるので半導体ウエハWの歩留まりが向上できる。また、半導体ウエハWに処理液を供給する際、処理液の半導体ウエハWの裏面への回り込み半導体ウエハWの裏面中心部への進入を阻止するので、よりクリーンな状態に処理室内或いは半導体ウエハWを保つことができる。また、前記現像2工程の場合を選択するのは、特に現像1工程に比べ、処理液の供給時において半導体ウエハWを面接触しているので半導体ウエハWへの処理液の流量・処理液ノズルと半導体ウエハWとの間の現像液による表面張力による引き合い等による半導体ウエハWの横ズレ防止をより抑制することができる。また、半導体ウエハWを回転させて処理液を供給したい場合等、例えば処理液ノズルの処理液供給域が半導体ウエハWの直径の距離以下である場合は有効に半導体ウエハWに対して液盛りできる。
この後、半導体ウエハW上の現像液がこぼれないような回転数でチャック32を回転させ、半導体ウエハW上の現像液がこぼれない量にリンスノズル91から純水又は/及び純水に界面活性剤が添加された水溶液を供給し、半導体ウエハW上の現像液の濃度を所定の値に希釈させる。(現像液希釈工程)このように現像液を希釈する理由としては、現像処理の工程の後期において、現像液中に溶け込んだ溶解生成物の影響で部分的な半導体ウエハ上の現像液中の溶解生成物のムラを低減させ、部分的なCritical
dimensionの変動の発生を抑制することが可能となる。
この後、リンスノズル91から純水を供給し、チャック32にて半導体ウエハWを高速回転させ半導体ウエハW上から現像液を置換するとともに振り切り乾燥させる。(リンス乾燥工程)この工程中においては、エアー供給機構30からのエアーの回収は気液回収機構77と気液回収機構71から回収される。この時の気液回収機構71からの排気量は前述の搬送工程中に比べて大きくなる。つまり、半導体ウエハW上の現像液は回転によりカップ60方向に飛散するのでこの飛散する現像液を下方向(カップ60内からの排気する領域(第二の周辺域β)に引き込むべき排気する必要があるためである。しかしながら、処理室内は−定の圧力に維持しておく必要があるため(このように、処理室内を−定の圧力に維持しておかないと、圧力の変動は現像処理の均一性に重大な影響を及ぼすこととなる)にカップ60内からの排気する排気量の増量分だけカップ60外(第一の周辺域α)から排気する排気量を低減させる必要がある。このように気液回収機構77の排気量は制御機構31によりコントロールされる。
この後、カップの状態とエアー供給機構30からのエアーの供給量・気液回収機構77からの排気量・気液回収機構71からの排気量の動作は前述の搬送工程と同様の状態に設定され、搬送工程と逆の順序により支持ピン36から基板搬送機構10のアーム17に半導体ウエハWは受け渡されて現像処理部DEVでの処理が終了する。
この後、半導体ウエハWは基板受渡部8,9の上方位置に配置された選択された所定の熱処理部で熱処理された後、基板搬送機構10のアーム17により基板受渡部8,9の下方位置に配置された選択された所定の温調処理部で所定の温度に設定された後、基板受渡部8を介してカセットユニット部CUの基板搬入出機構部U2の基板搬出入機構2によりカセットCに半導体ウエハWは搬入されて一連の処理が終了する。
次に、本実施例の現像処理方法の他の実施の形態について説明する。なお、上述した実施例と同じ構成については同符号をつけることで詳細な説明については省略するものとする。
前述の現像処理方法においては、現像液を半導体ウエハW上に液盛りした後に処理室内の気流を変化させるためにカップを上下動させ、その後、現像処理工程の後段にて現像液の濃度を変化せしめていたが、現像濃度は一般的に2.38%等の一種類の現像液を半導体工場においては使用している。しかしながら、デバイスによってはレジストパターンの微細化に伴って、その濃度では現像速度が速すぎるという不測の事態が生じている。したがって、現像処理の前段において、半導体ウエハW上に液盛りした現像濃度を希釈する方法を下記に説明する。
このような必要性が生じる場合、前述の現像1工程の場合は、半導体ウエハW上に現像液を所定量に液盛りした後、その状態を維持し半導体ウエハW上の半導体ウエハW上の現像液がこぼれない量にリンスノズル91から純水又は/及び純水に界面活性剤が添加された水溶液を供給し、半導体ウエハW上の現像液の濃度を所定の値に希釈させる。
また、現像2工程においてはカップ60と半導体ウエハWとに現像液を同時に供給して、半導体ウエハW上に現像液を所定量に液盛りした後に、その状態を維持し半導体ウエハW上の現像液がこぼれないような回転数でチャック32を回転させ、半導体ウエハW上の現像液がこぼれない量にリンスノズル91から純水又は/及び純水に界面活性剤が添加された水溶液を供給し、半導体ウエハW上の現像液の濃度を所定の値に希釈させる。
この後、半導体ウエハWを保持するチャック32からエアーシリンダー50により支持ピン36はUPし、チャック32から半導体ウエハWは、再度、支持ピン36上に引き渡され、半導体ウエハWの現像処理を引き続き進行させる。したがって、現像液を希釈した後にカップ60を移動させ処理室内の気流を変化せしめる。
このような現像1工程・現像2工程にした場合においても、前述の(現像液希釈工程)をさらに追加しても良い。また、上述のような現像液希釈工程を行わない他の処理として、例えば、支持ピン36から半導体ウエハWはチャック32上に引き渡され、チャック32上に真空吸着により保持された後、チャック32を第一の回転数で回転させ半導体ウエハW上の現像液を一旦振り切り、或いは所定量の現像液が残存する状態つまり、現像液が乾ききらないうちに、リンス液を前記第一の回転数より低い第二の回転数で回転する半導体ウエハWの処理面に供給し、その後、第一の回転数より高い或いは略同一の第三の回転数にて半導体ウエハWを回転させ乾燥させるリンス乾燥工程を施しても良く、適宜、半導体ウエハWに形成されたレジスト膜に応じて処理することができることは言うまでもない。
次に、図7に基づいて本実施例の支持機構35の他の実施の形態について説明する。なお、上述した実施例と同じ構成については同符号をつけることで詳細な説明については省略するものとする。
この支持機構35は図7(a),(b)にも示すように、半導体ウエハWの裏面を部分的な線接触にて支持する、例えば、半導体ウエハWの同心円周上に等間隔に配置された複数の支持部材200とこの支持部材200の外方に設けられ半導体ウエハWの裏面の中心部に現像液又はリンス液等の処理液が進入するのを防止するための液侵入防止機構としてのリング部材37とを一体として支持する複数の支持柱38が設けられている。また、支持機構35のリング部材37と支持部材200とは、半導体ウエハWの中心方向に向かって(リング部材37から支持部材200方向に向かって)高さ位置が低くなるように傾斜部41が設けられている。このように構成されることで、凹凸部40に付着するリンス液又は現像液或いは裏面ノズル51から吐出しリング部材37等を洗浄するリンス液が支持機構35の少なくとも半導体ウエハWと接触する接触部201にリンス液又は現像液が付着するのを抑制するよう構成されている。このように構成したことにより、処理中の半導体ウエハW又は次の半導体ウエハWにリンス液又は現像液が付着するのを抑制することができ、それによる半導体ウエハWの部分的な温度変化、或いは半導体ウエハWに付着したリンス液又は現像液が乾燥しシステム内にパーティクルを発生するのを抑制し、もって半導体ウエハWの歩留まりを向上することができる。
さらに、図7(b)にも示すように、支持部材200とリング部材37との高さや位置は、支持部材200の方が所定の距離、例えば0.5mm〜5mmの間の距離(図中L)に高くなるよう設定されている。これはリング部材37が直接半導体ウエハWの裏面に接触しないようにしているためである。また、支持部材200の半導体ウエハWの裏面と接触する接触部201は、支持部材200を形成する部材39に比べて摩擦係数が大きくてさらに熱伝導率が低い部材であって半導体ウエハWの裏面を支持した際に横ズレを防止及び半導体ウエハWの裏面を支持した後半導体ウエハWに処理液が供給されたときに横ズレ等を防止するためのズレ防止部材として、例えば弾性部材により形成されている。熱伝導率が低いというのは半導体ウエハWの処理中半導体ウエハWから支持部材200との接触部から熱が逃げたり等の影響により面内均一性が疎外される恐れが生じるためである。上述した接触部201の材質としては、例えばPEEK・PBI等の硬質樹脂又はアルミナ・ジルコニア等のセラミックス或いはパーフロ等のゴム材が考えられる。
本実施の形態では、支持部材200を半導体ウエハWの裏面を複数の部分的な線接触にて支持するよう構成しているので、点接触に比べより半導体ウエハWの水平状態を支持できるのでリング部材37と半導体ウエハWの裏面との距離をより近接させることができるので半導体ウエハWの裏面の中心部に処理液が進入するのを抑制することが可能となる。
また、点接触に比べより半導体ウエハWの裏面を支持する摩擦が増えることとなるので、半導体ウエハWの横ズレ防止ができる。ただし、支持部材200の線接触を大きすぎる、例えばリング状にすると半導体ウエハWの処理において半導体ウエハWの処理面にリング状のムラが発生する恐れがある。したがって、半導体ウエハWの処理面に処理ムラが発生しない程度の線接触に設定しておく必要がある。しかしながら、上記の例として支持部材200をリング状は好ましくないと記載したがリング状でも良い程度のスペックでも良い場合には、当然リング状を否定するものではない。
次に、本実施例の支持機構35と裏面ノズル51との実施の形態について説明する。なお、上述した実施例と同じ構成については同符号をつけることで詳細な説明については省略するものとする。
裏面ノズル51から純水を吐出する工程としては、現像処理工程の後、リング部材37の凹凸部40に表面張力を利用して保持された現像液或いは現像液希釈工程の後、リング部材37の凹凸部40に表面張力を利用して保持された現像液又は/及び純水等を洗浄除去する又は半導体ウエハWの裏面に付着した現像液等を洗い流すために用いられるが、処理液を半導体ウエハWに供給する前、つまり現像処理工程の前に裏面ノズル51からリング部材37の凹凸部40に純水を吐出し、リング部材37と半導体ウエハWの裏面との間に表面張力を利用して一旦純水膜を形成しておく、このようにすると現像処理工程後にリング部材37と半導体ウエハWの裏面との間の現像液の濃度を低下させることになるので洗浄が容易になることとなり、洗浄時間の短縮化・ミスト等の低減化等を向上することができる。
次に、図8(a),(b)に基づいて本実施例の気液回収機構71,77,112と気体回収機構117とカップ60,110の関係について他の実施の形態について説明する。なお、上述した実施例と同じ構成については同符号をつけることで詳細な説明については省略するものとする。なお、便宜上現像処理部DEVを参考に説明するものとする。
図8(a)に示すようにカップ60はこのカップ60を上下動するカップ移動機構、例えばエアーシリンダー209に接続され上下動自在に構成されており、カップ60とカップ60外の領域を排気/排液する気液回収機構77(COTにおいては気体回収機構117)との間には壁210が配置されており、この壁210には図8(b)に示すようにエアーシリンダー209によりカップ60を上に移動した際に連動してカップ60内の雰囲気を気液回収機構77(COTにおいては気体回収機構117)に通流させる気体の流れ212を形成するための通流口211が設けられ、気体変動機構が構成されている。
このように構成することで、気液回収機構71の機構を削除することができる。またCOTにおいては気体回収機構117に液回収機能を追加し、気液回収機構112を削除することが可能となり、システムを小型化できるという利点が生じる。さらに、一つの排気機構で処理室内をコントロールできるので、エアー供給機構30,100からのエアーとの関係における処理室内の圧力維持の制御が容易になり、処理室内での半導体ウエハWの処理への影響を低減でき、処理の歩留まりを向上することができる。
なお、前記気体変動機構は、カップの移動に連動して気流の変動を起こすものであれば上記実施例にとらわれず、例えばカップの移動に連動或いは基づいてカップ内からの排気がなされるものであれば物理的でも良いし或いは電気的になされるものであれば実施例に制限されないことは言うまでもない。また、このように構成したことにより、第一の周辺域からの排気量と第一の周辺域からの排気と第二の周辺域からの排気との排気量を略同一としたい場合、機械的にカップ60の上下動したとしても、常に排気の全体量は一定なので制御が容易となり、システムの小型化を図ることができる。さらに、第一の周辺域の排気面積と第二の周辺域の排気面積が異なる、例えば、第一の周辺域の排気面積>第二の周辺域の排気面積、このような異なる関係にあるとき、排気系が一つとし、機械的にカップ60の上下動に連動しているので制御がさらに容易となり、処理室内の圧力の安定性を向上することができる。もって基板の処理の歩留まりを向上することができる。また、第一の周辺域からの排気時間と第二の周辺域からの排気時間が異なる、例えば、第一の周辺域からの排気時間>第二の周辺域からの排気時間、このような異なる関係にあるとき、排気系が一つとし、機械的にカップ60の上下動に連動しているので制御がさらに容易となり、処理室内の圧力の安定性を向上することができる。もって基板の処理の歩留まりを向上することができる。
次に、図9に基づいて本実施例の現像処理部DEVのカップ60について他の実施の形態について説明する。なお、上述した実施例と同じ構成については同符号をつけることで詳細な説明については省略するものとする。
このカップ220は、角状に形成された角状部221と、その角状部221の内側に設けられ頭部225を突出させた円筒状の筒体部223にて構成されている。(カップ60に角状部221を附属させた形状)角状部221には、現像ノズル90から吐出された現像液、或いはリンスノズル91から吐出された純水等の処理液を回収する回収口222を備えており、この回収口222から回収された処理液は液回収機構226により回収されるよう構成されている。なお、角状部221にて囲まれる領域(第1の領域)は筒体部223にて囲まれる領域(第2の領域)に比べ、その面積が大きく設定されている。
このように、カップ220を構成したので、角状部221にて現像ノズル90から吐出された現像液、或いはリンスノズル91から吐出された純水を回収できるので気液回収機構77を気体のみ回収する機構とし、その分機構が減ることによりシステムを小型化することができる。また、(第一の周辺域α)を形成する壁部75に対して現像液或いは純水等の付着を抑制できるので処理室内をよりクリーンにできるので、ミスト・パーティクルの発生を抑制できることとなる。また、角状部221に付着した現像液はリンスノズル91から吐出された純水により洗浄すればよい。
このようなカップ220での処理は、前述のような処理手順と同様に処理することができる。つまり、半導体ウエハWの処理面は頭部225と同様の高さかそれ以上に設定され(この時、角状部221にて囲まれる領域として第1の領域にて)、現像ノズル90を水平移動し半導体ウエハWの処理面とカップ220の頭部225に同時に現像液を供給し、半導体ウエハWの処理面に現像液を液盛りする。なお、頭部225と半導体ウエハWの位置関係は、カップ60の位置関係と同様に設定され、頭部225の形状もカップ60の頭部形状と同様に規定しておけば、前述のような効果と同様の効果が発生する。また、半導体ウエハWの処理面の高さより頭部225の高さが、高く設定しても上述する効果を発生させることもでき、このように、設定すれば、頭部225外からの排気における気流の影響が半導体ウエハWの処理面に盛られた現像液へ作用するのをより抑制できるため処理の歩留まりを改善することもできる。
この後、前述の説明したように、カップ220を上昇させ筒体部223にて囲まれる領域(第2の領域)に半導体ウエハWを配置し現像処理を進行させればよい。このように、カップ220には、筒体部223に角状部221がさらに設けられた構造とされているので、(第一の周辺域α)からの排気が筒体部223より遠方方向から排気されることとなるので、筒体部223内の半導体ウエハWは処理室内の気流の影響をより受けないですむこととなる。これにより、半導体ウエハWの歩留まりが向上することとなる。なお、本実施例においてカップ220の第1の領域を角状体としたが円筒状としても良いし、この形状には限定されず、筒体部223に囲まれる面積(第2の領域)が角状部221にて囲まれる領域の面積(第1の領域)より小さく設定されるよう構成されていれば良いことは言うまでもない。
次に、図10、図11に基づいて本実施例の現像処理部DEVの他の実施の形態について説明する。なお、上述した実施例と同じ構成については同符号をつけることで詳細な説明については省略するものとする。
本実施の形態においては、整流機構74の上部に囲い体としての壁250が備えられており、前述のカップ60と壁部75との間から排気する領域(第一の周辺域α)を分割するよう構成されている。つまり、カップ60内からの排気する領域(第二の周辺域β)に対し、カップ60と壁250との間の領域(第一の周辺域α1)、壁250と壁部75との間の領域(第一の周辺域α2)に設定されるよう構成されている。この壁250は、カップ60の頭部より所定の間隔(図中W2)に高く設定されている。これにより、現像ノズル90からの現像液或いはリンスノズル91からの純水等が処理室壁75に直接付着するのを防止している。したがって、壁250は、液飛散防止機構として第二のカップとしての機能を有している。
このように、現像ノズル90からの現像液或いはリンスノズル91からの純水等が処理室壁75に直接付着するのが防止できるので、処理室内の洗浄等のメンテナンスなどにおいては壁250を取外し自在にこうしておけば、この壁250のみの洗浄或いは交換できるのでメンテナンス時間が短縮できる。さらに、蓋81にも現像ノズル90からの現像液或いはリンスノズル91からの純水等が付着するのを防止できるので、蓋81に付着した現像液等が乾燥して蓋81の開閉において飛散し、処理室内にパーティクルとして半導体ウエハWに付着するのを未然に防止できる。なお、壁250は、カップ60の頭部より所定の間隔(図中W2)に高く設定したが、ある程度、カップ60から離れていれば、つまり、現像ノズル90からの現像液或いはリンスノズル91からの純水等が処理室壁75に直接付着するのを抑制できればこれに限定するものではない。
なお、上述の支持機構35は支持部材200とリング部材37とを一体として説明したが、これに限定せず、例えば支持部材200とリング部材37との位置関係は上述のとおりとし、各々別体として設け、支持部材200とリング部材37とを各々独立して上下動させる上下動機構にて、適宜動作して所定の処理を施しても良いことは言うまでもなく、良いし、上述した支持部材200とリング部材37の効果が達成できるものであれば他の方法でも良いことは言うまでもない。
次に、図12に基づいて本実施例の支持機構35の他の実施の形態について説明する。なお、上述した実施例と同じ構成については同符号をつけることで詳細な説明については省略するものとする。
この支持機構35は図12(a),(b)に示すように、半導体ウエハWの裏面を部分的な線接触にて支持する複数の支持部材200とこの支持部材200の外方に設けられ半導体ウエハWの裏面の中心部に現像液又はリンス液等の処理液が進入するのを防止するための液侵入防止機構としてのリング部材37とこのリング部材37とを一体として支持する複数の支持柱38が設けられている。
リング部材37の凹凸部40には、リンス液を供給する液供給口420が備えられ、この液供給口420には配管413を介してリンス液供給源415からリンス液が供給自在に構成されている。また、リング部材37には少なくともリング部材37と傾斜部41に対してリンス液供給源415からリンス液、例えば洗浄液を供給、例えばスプレィ供給する洗浄ノズル411を複数備えている。また、傾斜部41はその中央部410が山状に形成され、その表面には、リング部材37の側壁と同様、液切りを促進させるための溝412が設けられている。
このように支持機構35を構成したことで、リンス液を供給する液供給口420の効果としては、裏面ノズル51からの供給による半導体ウエハWの裏面との間に形成する水膜に比べより確実に行えることとなる。この場合、裏面ノズル51と併用しても良いし、液供給口420からのリンス液のみで液膜を形成するようにしても良い。さらに、現像処理後における凹凸部40・リング部材37の洗浄がより確実に行えることとなる。さらに、液供給口420・洗浄ノズル411からリンス液を噴出し、さらにその液を溝412により効率的に水切りすることにより、より確実に、より早くリング部材37の洗浄が行うことができ、リング部材37に付着するミストがリング部材37が乾燥したときにパーティクルとして発生するのを抑制することができ、半導体ウエハWの歩留まりを向上することができる。なお、洗浄ノズル411又は/及び裏面ノズル51からのリンス液が半導体ウエハWの裏面と接触する接触部201に付着しないようにすることが好ましい。なぜなら、処理中の半導体ウエハW又は次の半導体ウエハWにリンス液又は現像液が付着するのを抑制でき、それによる半導体ウエハWの部分的な温度変化、或いは半導体ウエハWに付着したリンス液又は現像液が乾燥しシステム内にパーティクルを発生するのを抑制でき、もって半導体ウエハWの歩留まりを向上することができるからである。
次に、図13に基づいて本実施例の支持機構35の他の実施の形態について説明する。なお、上述した実施例と同じ構成については同符号をつけることで詳細な説明については省略するものとする。
この支持機構35は図13に示すように、リング部材37に複数設けられた洗浄ノズル411からは、前述するリンス液供給源415によりリンス液が供給される。また、支持機構35には、気体供給機構416から気体、例えばクリーンエアー又は窒素等を気体を噴出する気体ノズル417が複数(図中便宜上一箇所)設けられている。
このように支持機構35を構成したことで、現像処理後における洗浄ノズル411からの洗浄後の乾燥工程を、より確実に、より早く行うことができ、処理のスループットを向上することができる。
次に、図14に基づいて本実施例の支持機構35の他の実施の形態について説明する。なお、上述した実施例と同じ構成については同符号をつけることで詳細な説明については省略するものとする。
この支持機構35は図14に示すように、リング部材37に複数設けられた洗浄ノズル411からは、前述するリンス液供給源415によりバルブVA1を介してリンス液が供給され、また、洗浄ノズル411には、バルブVA2を介して気体供給機構416から気体、例えばクリーンエアー又は窒素等の気体を噴出自在に構成されている。
このように、洗浄ノズル411からはバルブVA1,2の切り替えにて適宜、洗浄液と気体とが選択的に吐出自在に構成されていので、洗浄ノズル411から洗浄液を吐出した後、気体を吐出すれば、洗浄ノズル411自体に付着した洗浄液も吹き飛ばすことができ、洗浄後の乾燥工程を、より確実に、より早く行うことができ、処理のスループットを向上することができる。また、洗浄ノズルと気体ノズルとを別体で設ける必要が無いのでリング部材37のシステムを簡素化でき小型化を図ることができる。
次に、図15に基づいて本実施例のレジスト処理装置1における液処理装置としての塗布処理部COT及び/又は現像処理部DEVにて使用する処理液、例えばレジスト液或いは現像液を収納する収納容器の配置場所についての実施の形態について説明する。なお、上述した実施例と同じ構成については同符号をつけることで詳細な説明については省略するものとする。
収納容器499は図15に示すように、インタフェースユニット部IFUの下方位置に配置されている。この配置位置としては、基板受渡部8,9の基板搬入出口19の下部より垂直方向の距離V100下方に配置された露光装置3と基板を受渡しする渡し部4或いは受取部5より垂直方向の距離V101下方に設定されている。この配置位置に設定されるのは、処理液、例えばレジスト液或いは現像液が熱影響にて劣化等の影響を極力抑制するためである。すなわち、基板搬入出口19の下方位置に置く理由としてはプロセスユニット部PU内の熱処理部等からの熱が万が一にも基板搬入出口19を介して伝達されるのを抑制し、露光装置3と基板を受渡しする渡し部4或いは受取部5より下方に配置するのは露光装置3からの熱が万が一にも渡し部4或いは受取部5を介して伝達されるのを抑制するためであり、また、基板搬入出口19或いは渡し部4或いは受取部5からの熱伝達はそれらを設けてある壁の下方よりは上方に影響を与えるため、壁からの熱をも抑制することができるためである。さらに、インタフェースユニット部IFU内は少なくとも基板搬入出口19或いは渡し部4或いは受取部5に対して温度調節されたダウンフローDFが直接作用するように構成され、基板搬入出口19或いは渡し部4或いは受取部5からの熱伝達を緩和するように構成されている。
このように、インタフェースユニット部IFUとプロセスユニット部PUとを仕切る壁からの熱をさらに抑制するために、プロセスユニット部PU内の処理部、例えば複数の現像処理部DEV(複数の塗布処理部COT)の排気は一括してカセットユニット部CU側にそれぞれのブロックで纏められブロック毎の排気径路501,502が形成されている。当然の如く、図示していないがプロセスユニット部PU内の熱処理部においてもカセットユニット部CU側にそれぞれのブロック或いは処理温度の関係で同種の熱処理部毎に纏められ排気径路が形成されるよう構成されている。
また、塗布処理部COT及び/又は現像処理部DEVにて実働的に使用する処理液、例えばレジスト液或いは現像液を収納する収納容器の配置場所としてはプロセスユニット部PU内の処理部、例えば複数の現像処理部DEV(複数の塗布処理部COT)の下方位置504,505に配置することが考えられる。この場合、ブロック毎の排気径路501,502の直下領域及びこれらの排気径路501,502が設けられる壁と接して収納容器を配置するのは好ましくない。ブロック毎の排気径路501,502の直下から水平方向の距離H100,H101分(熱影響が問題とならない距離)だけ距離をおいて配置する方が好ましい。
さらに、本液処理装置1の熱源としての装置全体を制御する制御装置の配置位置としては、インタフェースユニット部IFUとプロセスユニット部PUに配置するのは好ましくなく、カセットユニット部CUに配置するのが好ましい。さらに、この配置位置としてはプロセスユニット部PUの各処理部に熱の伝達或いはプロセスユニット部PUを介してインタフェースユニット部IFUに熱の伝達を抑制するために基板受渡部8,9の基板搬入出口19の上部より垂直方向の距離V102上方に設定されている。
上述したように、装置内の熱の影響をも考慮することで、処理液の劣化等を抑制するとともに、基板の熱影響を抑制し基板の歩留まりを向上することができる。
また、上述の基板として半導体ウエハを用いて説明したが、これに限定せず、例えばLCD基板等のガラス基板でも良いし、CD等のディスク等の基板でも良いことは言うまでもなく、また、液処理としては、現像・塗布に限定せず洗浄装置等にも使用しても良く、処理液を使用する方法或いは装置であればこれに限定するものではないことは言うまでもない。