JP2005108292A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 磁区拡大再生技術を用いた光磁気記録媒体において、より小さな外部磁界で、より安定した微小記録磁区を形成することにより、一層高密度記録可能な光磁気記録媒体を提供することである。
【解決手段】 本発明の光磁気記録媒体は、情報が記録される記録層と、情報が拡大再生される再生層と、記録層と再生層の間に設けられた第1中間層と、記録層のトリガ層側とは反対側に設けられた記録磁界アシスト層と、記録層と記録磁界アシスト層との間に設けられた第2中間層とを備える。本発明の光磁気記録媒体では、記録層の第1中間層側とは反対側に設けた記録磁界アシスト層により、情報記録時にアシスト磁界を発生させ、低外部磁界でも安定した記録磁区を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光と磁界を用いて情報を記録するタイプの情報記録媒体に関し、さらに詳細には、より高密度の記録及び再生を確実に行うことが可能な光磁気記録媒体に関する。
情報化社会が進み、膨大な情報を記憶するための外部記憶装置における記録密度の向上が著しい。また、外部記憶装置だけでなく、3.5インチMOやミニディスク等の書換え型光磁気記録媒体においても、更なる記録密度の向上が要求されている。一般に、CDやDVD等の光記録媒体における情報の記録及び再生可能な記録密度の物理的限界は、使用するレーザー波長と対物レンズの開口数により決定される。しかしながら、光磁気記録媒体では、磁界変調記録技術及び磁区拡大再生技術(例えば、特許文献1及び2参照)の両技術を用いることにより通常の光記録媒体の記録再生限界を超えた超高密度記録及び再生が実現される。
磁界変調記録技術は、情報記録時に媒体の所定領域に光を照射しながら外部磁界の方向を記録信号に応じて変化させて記録する技術である。磁界変調記録技術では、情報を一旦消去することなくオーバーライトが可能であるため、書込み速度を向上させることが可能である。
磁区拡大再生技術(MAMMOS(Magnetic Amplifying Magneto-Optical System)ともいう)は、情報再生時に情報が記録されている磁区を拡大して、その拡大された磁区から情報を再生する技術である。それゆえ、微小な記録磁区(記録マーク)でも拡大して再生できるので、十分な信号振幅で情報を再生することができる。このような磁区拡大再生方式としては、例えば、特許文献1に記載されているように、再生光を光磁気記録媒体に照射して加熱することにより、記録層の磁区を再生層に転写するとともに、再生磁界で再生層に転写された磁区を拡大するタイプと、特許文献2に記載されているように、記録層から再生層に転写された磁区を拡大再生する際に再生磁界を必要としないタイプ(以下では、無磁界MAMMOSという)とが提案されている。いずれのタイプにおいても、再生光を照射して情報を再生する際には、記録層から再生層に転写された記録磁区を再生光のスポットサイズ程度まで拡大することができる。
上述のように磁区拡大再生技術を用いることにより、記録磁区が微小になっても大きな再生信号で情報再生を行うことができるが、情報の高記録密度化が進むとともに最小記録磁区のサイズが大幅に減少し、記録磁区の形状が乱れやすくなる。これを回避するためには大きな記録磁界で記録磁区を形成して記録磁区の形状を安定に保つ必要がある。一般に、光磁気記録媒体に情報を磁界変調記録技術で記録する際、磁気コイルを用いて発生させた外部磁界を光磁気記録媒体に印加して記録磁区を形成する。しかしながら、磁気コイルから発生可能な外部磁界は高速記録の観点からもすでに限界に達している。
磁区拡大再生技術を用いない光磁気記録媒体では、記録層の下部に非磁性層及び記録補助層を設けて、記録補助層から磁界を発生させることにより、より小さい外部磁界で情報を記録する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。また、特許文献3の光磁気記録媒体では、ジッタを十分に小さくするためには、記録補助層の膜厚を250nm以上とすることが好ましいことが開示されている。
特開平8−7350号公報(第2頁、第1−8図) 国際公開第02/077987号(第6−25頁、第1−21図) 特開平11−353725号公報(第3−5頁、第1−9図)
本発明は、上述の従来技術の問題を解決するためになされたものであり、上述の磁区拡大再生技術を用いた光磁気記録媒体において、より小さな外部磁界でより安定した微小記録磁区を形成し得る光磁気記録媒体を提供することである。
本発明の態様に従えば、光磁気記録媒体であって、磁性材料で形成され、情報が磁区として記録される記録層と、磁性材料で形成され、該記録層から磁気的に転写された該磁区が拡大される再生層と、磁性材料で形成され、該記録層と該再生層との間に設けられた第1中間層と、磁性材料で形成され、該記録層の第1中間層側とは反対側に設けられた記録磁界アシスト層と、該記録層と該記録磁界アシスト層との間に設けられ、該記録層と該記録磁界アシスト層の磁気的結合を遮断するための第2中間層とを備え、該記録磁界アシスト層の膜厚が30〜190nmであることを特徴とする光磁気記録媒体が提供される。
本発明の光磁気記録媒体は、磁区拡大再生技術を用いた光磁気記録媒体であり、特に無磁界MAMMOSの光磁気記録媒体に好適である。無磁界MAMMOSの光磁気記録媒体は、主に、希土類遷移金属で形成され垂直磁化を示す記録層と、希土類遷移金属で形成され垂直磁化を示す再生層と、磁性材料で形成され垂直磁化を示す第1中間層(以下、トリガ層という)とから構成され、再生光照射前は、記録層、トリガ層及び再生層は磁気的に交換結合している。そして、情報再生時に光磁気記録媒体に再生光を照射して加熱し、記録層と再生層との交換結合力を遮断することにより、記録層から再生層に転写された磁区を拡大して再生する。
無磁界MAMMOSの光磁気記録媒体の記録層としては、例えばTb、Fe及びCoの元素からなる希土類遷移金属合金で形成され、室温からキュリー温度まで遷移金属優勢のフェリ磁性を示すように設計され、且つ、垂直磁化膜になるような組成が選択される。再生層としては、例えばGd、Fe及びCoからなる希土類遷移金属合金で形成され、室温からキュリー温度まで希土類金属優勢のフェリ磁性を示すように設計され、且つ、垂直磁化膜になるような組成が選択される。また、トリガ層は、例えばTb及びFeからなる希土類遷移金属合金で形成される。
本発明の光磁気記録媒体は、上述の磁区拡大再生技術を用いた光磁気記録媒体に、さらに、記録層のトリガ層側とは反対側に記録磁界アシスト層を設け、記録層と記録磁界アシスト層との間に第2中間層を設けたことを特徴とする。記録磁界アシスト層は、情報記録時に、アシスト磁界を発生させて、記録磁界の不足分を補うための層である。第2中間層は記録層と記録磁界アシスト層との磁気的交換結合を遮断するための層であり、常磁性材料あるいは非磁性材料で形成し得る。
本発明の光磁気記録媒体では、情報記録時に、記録層のトリガ層側とは反対側に設けた記録磁界アシスト層からアシスト磁界を発生させる。そして、磁気コイル等から発生する外部磁界にアシスト磁界が重畳され記録磁界を増大させることができる。すなわち、磁気コイル等から発生する外部磁界が小さくても、記録磁界アシスト層から発生するアシスト磁界により十分大きな記録磁界を発生させることができる。それゆえ、情報の高記録密度化が進み、記録磁区がより微小になっても、比較的小さな外部磁界で十分安定した記録磁区を形成することができる。
また、本発明の光磁気記録媒体の記録磁界アシスト層の膜厚は、本発明者らの検証実験によると、30〜190nmにする必要がある。これは、記録磁界アシスト層の膜厚が30nmより薄くなると十分なアシスト磁界が発生せず、一方、記録磁界アシスト層の膜厚が190nmより厚くなると、再生時に記録磁界アシスト層からの漏洩磁界が磁区拡大再生動作に悪影響を与えるためであると考えられる。
本発明の光磁気記録媒体では、上記光磁気記録媒体の初期磁化された領域の25℃における保磁力が150Oe以下であることが好ましい。
本発明の光磁気記録媒体の25℃における保磁力は、異常ホール効果、磁化あるいは磁気光学ポーラーカー効果等の磁界依存性から得られる磁化曲線から求めることが好ましい。
本発明の光磁気記録媒体では、上記記録磁界アシスト層のキュリー温度が記録層のキュリー温度以上であり、且つ、25℃における上記記録磁界アシスト層の保磁力が150Oe以下であることが好ましい。
本発明の光磁気記録媒体では、上記記録層に情報を記録するための記録磁界を光磁気記録媒体に印加したときに、上記記録磁界アシスト層の磁化が、該記録磁界の方向と同じ方向に向くことにより、記録層へのアシスト磁界が発生すると考えられる。
また、本発明の光磁気記録媒体では、上記記録磁界アシスト層が、GdFeCoを主成分とするアモルファス合金あるいは遷移金属層と貴金属層との交互積層多層膜で形成されることが好ましい。遷移金属層と貴金属層との交互積層多層膜としては、Co/Pt、Co/Pd、CoNi/Pt、CoNi/Pdなどを母体とする多層膜が好ましい。
本発明の光磁気記録媒体の記録磁界アシスト層は、上記保磁力(150Oe以下)を有する垂直磁化膜であることが好ましく、特に、GdFeCoを主成分とするアモルファス合金あるいは遷移金属層と貴金属層とを交互に積層した多層膜が好適である。また、記録磁界アシスト層の磁区の動きを良くするために、記録磁界アシスト層にCr、Al、B等の元素を約0.5〜約5at%添加することが好ましい。
本発明の光磁気記録媒体では、上記記録層の情報が、磁界変調記録方式で記録されることが好ましい。また、上記記録磁界アシスト層を情報記録媒体、特に磁気記録媒体に適用しても良い。熱アシスト磁気記録方式で記録層に情報を記録する磁気記録媒体に上記記録磁界アシスト層を適用した場合には、より小さな外部磁界で超高密度記録が可能になる。
本発明の光磁気記録媒体では、さらに、室温で常磁性あるいは非磁性を示す材料で形成された第3中間層を備え、第3中間層が、上記記録層と第1中間層との間及び/または上記再生層と第1中間層との間に設けられていることが好ましい。
第2及び第3中間層に用い得る常磁性材料としては、例えば、Gd、Tb等の希土類金属及びそれらの希土類金属にFe、Ni、Coを微量含んだ合金等で、キュリー温度が室温以下である磁性材料や、Al、Cu等のように伝導電子を有する材料が好ましい。また、第2及び第3中間層に用い得る非磁性材料としては、例えば、SiN、SiO等の伝導電子を持たない誘電体材料が好ましい。特に、第2中間層としては、Al、Al合金、Ag合金、Pd合金、Cu合金等で形成することが好ましく、その膜厚は1〜20nm程度とすることが好ましい。
本発明の光磁気記録媒体では、上記記録層に情報を記録する際、外部磁界が200Oe以下であることが好ましい。
本発明の光磁気記録媒体に従えば、情報記録時に、磁気コイル等から発生する外部磁界が小さくても、記録磁界アシスト層から発生するアシスト磁界により全体として十分大きな記録磁界を発生させることができる。それゆえ、例えば、無磁界MAMMOSの光磁気記録媒体のように高密度記録可能な光磁気記録媒体にも、より小さい外部磁界で安定した微小記録磁区を形成することができる。
以下に、本発明に従う光磁気記録媒体の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1では、無磁界MAMMOSの光磁気記録媒体を作製した。この例で作製した光磁気記録媒体の概略断面図を図1に示す。この例で作製した光磁気記録媒体100は、図1に示すように、基板1上に、窒化物層2、Al合金層3、記録磁界アシスト層4、Al合金層5(第2中間層)、記録層6、Gd層7(第3中間層)、拡大トリガ層8(第1中間層)、Gd層9(第3中間層)、再生層10、誘電体層11及び保護層12を順次積層した構造を有する。この例で作製した光磁気記録媒体100は、図1に示すように、基板1側とは反対側から再生光を入射するタイプ(以下では、ファーストサーフェス型という)の無磁界MAMMOSの光磁気記録媒体である。光磁気記録媒体100は、高周波スパッタ装置(不図示)を用いて以下のようにして作製した。
まず、基板1には、ランド幅200nm、グルーブ幅300nm、及び溝深さ45nmの溝が形成されたポリカーボネート基板を用いた。この基板1を高周波スパッタ装置の成膜室に装着した後、次のようにして各層を形成した。
基板1上に、窒化物層2としてSiNを5nmの膜厚で形成した。次いで、窒化物層2上に、Al合金層3としてAlTiSiを20nmの膜厚で形成した。
次いで、Al合金層3上に、記録磁界アシスト層4としてGdFeCoアモルファス合金を100nmの膜厚で形成した。記録磁界アシスト層4のキュリー温度は300℃より高った。また、記録磁界アシスト層4は室温からキュリー温度付近まで垂直磁化を示した。次いで、記録アシスト層4上に、Al合金層5としてAlTiSiを5nmの膜厚で形成した。
次に、Al合金層5上に、記録層6としてTbFeCoアモルファス合金を60nmの膜厚で形成した。記録層6のキュリー温度は約270℃であり、補償温度は室温以下であった。また、記録層6は室温からキュリー温度まで垂直磁化を示した。
さらに、記録層6上に、Gd層7としてGdを約0.5nmの膜厚で形成した。次いで、Gd層7上に、拡大トリガ層8としてTbGdFeアモルファス合金を10nmで形成した。拡大トリガ層8は室温からキュリー温度まで垂直磁化を示した。次いで、拡大トリガ層8上に、Gd層9としてGdを約0.5nmの膜厚で形成した。なお、Gd層7及び9は、記録層6と拡大トリガ層8との間、及び、拡大トリガ層8と後述する再生層10との間の交換結合力制御のための層であり、本発明者らの検証実験から、0.5nm程度のGd層を記録層6と拡大トリガ層8との間、及び/または、拡大トリガ層8と後述する再生層10との間に挿入することにより、再生特性が一層向上することが分かっている。
次いで、Gd層9上に、再生層10としてGdFeCoアモルファス合金を25nmの膜厚で形成した。再生層10のキュリー温度は約250℃であり、補償温度はキュリー温度付近であった。再生層10は室温からキュリー温度まで垂直磁化を示した。
この例で作製した光磁気記録媒体100では、拡大トリガ層8の補償温度Tcomp2が室温以下となるように組成を調整し、また、再生層10の補償温度Tcomp1が上述のように250℃付近となるようして、再生温度Trに対して、Tcomp2<Tr<Tcomp1の関係が成立するように形成した。この場合、再生温度Tr付近では、再生層10の全体磁化は希土類金属優勢の磁化を示し、拡大トリガ層8の全体磁化は遷移金属優勢の磁化を示す。それゆえ、再生温度Tr付近では、再生層10と拡大トリガ層8の全体磁化は互いに反対方向となり反発力が生じる。すなわち、この例で作製した光磁気記録媒体100では、再生温度Tr付近で再生層10と拡大トリガ層8との間に発生する反発力を利用して磁区拡大動作を行うタイプの無磁界MAMMOSの光磁気記録媒体である。
次に、再生層10上に、誘電体層11としてSiNを40nmの膜厚で形成した。
上述のように基板1上に各層2〜11を高周波スパッタ装置で形成した後、光磁気記録媒体100を高周波スパッタ装置から取り出した。最後に、誘電体層11上に、紫外線硬化樹脂を塗布し、スピンコート法により膜厚約15μmの保護層12を形成した。こうして図1に示した積層構造を有するファーストサーフェス型無磁界MAMMOSの光磁気記録媒体100を作製した。
[比較例1]
比較例1では、記録磁界アシスト層及びAl合金層を設けないこと以外は、実施例1と同様にして無磁界MAMMOSの光磁気記録媒体を作製した。
[CNRの記録磁界依存性]
実施例1及び比較例1で作製した光磁気記録媒体のCNR(信号対雑音比)の外部磁界依存性を測定した。測定には、波長405nm、対物レンズの開口数NA=0.85の光学ヘッドと、情報記録時に外部磁界を発生させる磁気コイルとを有する評価機(不図示)を用いた。実施例1及び比較例1で作製した光磁気記録媒体に対して、磁気コイルから発生させる外部磁界を75Oe〜275Oeまで変化させて印加し、各外部磁界でマーク長100nmの記録磁区(記録マーク)を記録層に形成した。記録マークは磁界変調方式で形成した。そして、各外部磁界で形成された記録マークにおけるCNRを評価機で測定した。その結果を図2に示した。
図2から明らかなように、比較例1で作製した光磁気記録媒体では約250Oe以上の外部磁界でないと40dB以上のCNRが得られないのに対して、実施例1で作製した光磁気記録媒体では、約125Oe以上の外部磁界で記録磁区を形成することで40dB以上のCNRが得られることが分かった。すなわち、実施例1で作製した光磁気記録媒体のように記録磁界アシスト層を設けることにより、磁気コイルで発生させる外部磁界を大幅に低減させて記録磁区を形成しても、十分良好な再生特性が得られることが分かった。
[保磁力の測定]
実施例1で作製した光磁気記録媒体の磁化の磁界依存性を測定し、光磁気記録媒体の保磁力を測定した。まず、実施例1で作製した光磁気記録媒体を一旦130℃にまで加熱して、16kOeの外部磁界を膜面の垂直方向に印加して着磁を行った(初期化)。初期化された光磁気記録媒体に対して、25℃付近の温度で磁化の磁界依存性を調べた。その結果を図3に示した。
図3から明らかなように、実施例1で作製した光磁気記録媒体では、保磁力が47Oeである磁化曲線が観測された。また、記録磁界アシスト層4単層の25℃における保磁力を同様に測定したところ、その保磁力は45Oeであった。すなわち、図3の磁化曲線から得られた光磁気記録媒体の保磁力と、記録磁界アシスト層4単層の保磁力はほぼ同じ値となることから、図3の磁化曲線から得られた光磁気記録媒体の保磁力は、記録磁界アシスト層の磁化反転に対応したものであると考えられる。なお、図1中の基板側のAl合金層3をSiNに変更した光磁気記録媒体に対して、記録磁界アシスト層側からの磁気光学ポーラーカー回転角の磁界依存性を測定して磁化曲線を調べたところ、48Oeの保磁力が得られ、実施例1の光磁気記録媒体とほぼ同じ保磁力が得られた。すなわち、実施例1のように記録磁界アシスト層を有する光磁気記録媒体では、光磁気記録媒体自体の保磁力は記録磁界アシスト層の保磁力とほぼ同じ値が得られることが分かった。
[漏洩磁界の計算]
実施例1で作製した光磁気記録媒体に、線速度4m/sec、パルスデューティー35%、及びレーザーパワー9mWの青色レーザーを照射して光磁気記録媒体の熱分布を計算し、記録パルスが照射されたときに記録磁界アシスト層で形成される半径dの反転磁区から発生する漏洩磁界分布を計算した。ここでは、記録層に半径100nmの記録磁区を形成し、それに対して記録磁界アシスト層には半径dを50nm〜200nmに変化させた反転磁区(記録層の記録磁区の磁化とは反対方向の磁化を有する磁区)を形成し、記録層の記録磁区の底面(図1中の記録層6のAl合金層5側の表面)に印加される記録磁界アシスト層の反転磁区からの漏洩磁界を計算した。また、ここでは記録層の記録磁区が反転しない場合について記録磁界アシスト層から発生する漏洩磁界を見積もった。その結果を図4に示した。図4は、記録磁界アシスト層の反転磁区の半径に対して、記録層の記録磁区底面に印加される記録磁界アシスト層の反転磁区からの漏洩磁界の垂直成分の変化を表わした図である。
図4から明らかなように、記録層の記録磁区の半径が100nmである場合、記録磁界アシスト層の反転磁区の半径を、記録層の記録磁区の半径と同程度(約100nm)にすることにより、記録層の記録磁区底面に印加される漏洩磁界が最大となり、1000Oeを超える大きなアシスト磁界が記録層の記録磁区底面に作用することが分かった。記録層の記録磁区形成は記録層底面から発生するので、この結果から記録磁界アシスト層の反転磁区の半径を記録層の記録磁区の半径と同程度にした場合には、記録層の記録磁区底面に1000Oeを超える大きなアシスト磁界が印加され、このアシスト磁界が記録磁区形成に有益に作用することが分かった。
また、記録磁界アシスト層に形成した反転磁区から発生する漏洩磁界の面内成分についても計算した。その結果、図4の垂直成分の漏洩磁界分布と同様に、記録磁界アシスト層の反転磁区の半径を100nm程度にすることで、記録層の記録磁区底面に1000Oeを超える大きな漏洩磁界が作用することが分かった。磁化反転には面内方向の磁界がトルクとして作用し磁化反転を促進するので、この結果から記録磁界アシスト層の反転磁区から発生する面内方向の漏洩磁界もまた記録層の磁化反転に重要な役割を果たすものと考えられる。
実施例2では、Gd層7及び9を設けないこと以外は、実施例1と同様にして無磁界MAMMOSの光磁気記録媒体を作製した。
この例で作製した光磁気記録媒体に対して、実施例1と同様に、記録層にマーク長100nmの記録磁区を記録し、その記録磁区から得られるCNRの外部磁界依存性を測定した。その結果、CNRの外部磁界感度は実施例1とほぼ同じ特性が得られ、200Oeの外部磁界で記録磁区を形成することにより40.6dBのCNRが得られた。比較例1と比較すると、比較例1の光磁気記録媒体より十分低い外部磁界で、40dB以上のCNRが得られることが分かった。すなわち、実施例1と同様に、記録磁界アシスト層を設けることにより、磁気コイルで発生させる外部磁界を大幅に低減させて記録磁区を形成しても、良好な再生特性が得られることが分かった。実施例1と比べると、CNRは若干低下(約1.4dB低下)するが、これはGd層の有無に起因するものであり、Gd層が再生特性にのみ寄与しているためであると考えられる。
実施例3では、記録磁界アシスト層の膜厚の異なる種々の無磁界MAMMOSの光磁気記録媒体を作製した。作製において、記録磁界アシスト層の膜厚を10nm〜250nmの範囲で変化させた以外は実施例1と同様にした。
記録磁界アシスト層の膜厚を変化させた種々の光磁気記録媒体に対して、磁気コイルからの外部磁界を75Oe〜275Oeの範囲で変化させて記録層にマーク長100nmの記録磁区を形成し、各記録磁区から得られるCNRが40dBを超える外部磁界を測定した。ただし、CNRは実施例1で用いた評価機を用いた。その結果を図5に示した。
図5は、記録磁界アシスト層の膜厚に対する、CNR=40dBを得るために必要な外部磁界の変化を表わした図である。図5から明らかなように、CNR=40dBを得るために必要な外部磁界は、最初、記録磁界アシスト層の膜厚の増加とともに減少するが、記録磁界アシスト層の膜厚が約120nm付近で最小となり、それ以降膜厚の増加とともに必要な外部磁界も増加することが分かった。すなわち、記録磁界アシスト層で十分なアシスト磁界を発生させるためにはある程度の記録磁界アシスト層の膜厚が必要であることが分かる。また、図5から明らかなように、記録磁界アシスト層の膜厚を厚くしすぎると、必要な外部磁界が増加することが分かった。
一般に、高速データ転送を考慮すると、外部磁界は200Oe以下であることが好ましい。それゆえ、200Oe以下の外部磁界で且つ40dBのCNRを得るためには、図5中の破線で示したように、記録磁界アシスト層の膜厚を約30nm〜約190nmにする必要があることが分かった。特に、記録磁界アシスト層の膜厚を約50nm〜約160nmで形成した場合には、150Oe以下の外部磁界で40dBのCNRが得られることが分かった。
ここで、図5に示すように、記録磁界アシスト層の膜厚を厚くしすぎると、40dBのCNRを得るために必要な外部磁界が増加する理由について、図7〜9を参照しながら簡単に説明する。図7〜9には、この例で作製した無磁界MAMMOSの光磁気記録媒体に再生光200を照射した際の再生層10、拡大トリガ層8、記録層6、Al合金層5及び記録磁界アシスト層4の磁化状態を示した図である。ただし、説明を簡略化するため、図7〜9では再生層10と拡大トリガ層8との間、並びに、記録層6と拡大トリガ層8との間のGd層7及び9は省略した。
上述のように、この例では、再生層10、拡大トリガ層8、記録層6及び記録磁界アシスト層4を希土類遷移金属アモルファス合金で形成したので、各磁性層内では、希土類金属のスピンと遷移金属のスピンが互いに反対方向を向いている。それゆえ、希土類金属のスピンによる磁化と遷移金属のスピンによる磁化は互いに反対方向を向く。その結果、各磁性層の全体磁化は希土類金属の磁化と遷移金属の磁化との差となる。すなわち、希土類金属の磁化が遷移金属の磁化より大きければ(希土類金属優勢(Rare Earth rich:REリッチ)ともいう)、磁性層の全体磁化は希土類金属の磁化と同じ方向を向く。逆に、遷移金属の磁化が希土類金属の磁化より大きければ(遷移金属優勢(Transition Metal rich:TMリッチ)ともいう)、磁性層の全体磁化は遷移金属の磁化と同じ方向を向く。
図7〜9の磁化状態では、太い白抜き矢印が磁性層の全体磁化の方向を表わし、細い黒矢印が遷移金属の磁化方向を表す。この例では、再生層10は室温でREリッチの磁性を示す希土類遷移金属のアモルファス合金で形成したので、図7〜9に示すように、再生層10中の全体磁化(太い白抜き矢印)と遷移金属の磁化(細い黒矢印)とは逆方向となる。一方、拡大トリガ層8、記録層6及び記録磁界アシスト層4は室温でTMリッチの磁性を示す希土類遷移金属のアモルファス合金で形成されているので、図7〜9に示すように、拡大トリガ層8、記録層6及び記録磁界アシスト層4の全体磁化と遷移金属の磁化とは同方向となる。
また、記録磁界アシスト層4は、保磁力が小さな垂直磁化膜であるので、記録磁界アシスト層4には記録層6の磁区が転写されている場合もあると考えられるが、記録層6の磁化状態と無関係な磁区形状を形成している場合も考えられる。図7〜9では、後者の場合を考えた。
以下の説明では、図7中の同一の縦列に配置された記録層6の磁区61、拡大トリガ層8の磁区81及び再生層の磁区101(図7中の斜線部)について考える。
図7は、再生層10の磁区101が拡大する直前の磁化状態を示した図である。図7の磁化状態で、比較的低温の温度領域にある記録層6の磁区61、拡大トリガ層8の磁区81及び再生層の磁区101は、各磁区の遷移金属間に働く磁気的交換結合力により遷移金属の磁化方向が同じになるように結合している。それゆえ、図7に示すように、記録層6の磁区61の全体磁化の方向と再生層10の磁区101に全体磁化の方向が逆方向になるように記録層の磁化情報が再生層に転写されている。再生光200のスポット中心領域では、拡大トリガ層8のキュリー温度以上に加熱されており、それにより、拡大トリガ層8の磁化が消滅している(図7中の磁区領域85)。
また、この例で作製した無磁界MAMMOSの光磁気記録媒体では、拡大トリガ層8のキュリー温度付近(例えば、150℃付近)で、再生層10と記録層6との交換結合力が急激に弱まるように、拡大トリガ層8の磁気特性が調節されている。図7中で再生層10の磁区101の左隣に位置する磁区102は、拡大トリガ層8のキュリー温度付近に加熱されており、この領域では、記録層6の磁区62とその下部に形成されている再生層10の磁区102との交換結合力が非常に小さくなっている。それゆえ、再生層10の磁区102と、その下部に形成された記録層6の磁区62との全体磁化の方向は逆であるので、再生層10の磁区102と記録層6の磁区62との間では交換結合力より静磁気的反発力の方が大きくなる。その結果、再生層10の磁区102は、静磁気的反発力により反転して、図8(a)に示すような磁化状態となる。すなわち、記録層6と再生層10との間に働く静磁気的反発力をトリガとして、図7中の再生層10の磁区101は、図8(a)中の再生層10の磁区101aに示すように拡大する。再生層10の磁区の安定磁区径は記録層の安定磁区径より十分大きく設定してあるので、図8(a)中の再生層10の拡大磁区101aは高温領域、すなわち、記録層6と再生層10との交換結合力が遮断されている領域85に広がり、図8(b)に示すような拡大磁区101bが形成される。
上述のように、再生時に再生層10の磁区101の磁壁101Wが移動して拡大する際、図8に示すように、記録磁界アシスト層4の膜厚がある程度薄ければ、記録アシスト層4から発生する漏洩磁界も小さいので、記録アシスト層4から発生する漏洩磁界による再生層10の磁区拡大動作への影響は小さい。しかしながら、図9に示すように、記録磁界アシスト層4の膜厚が厚くなると、記録アシスト層4から発生する漏洩磁界も大きくなり、記録アシスト層4から発生する漏洩磁界による再生層10の磁区拡大動作への影響も大きくなる。
例えば、図9の例では、再生層10の拡大磁区101cの全体磁化の方向と、記録磁界アシスト層4に形成されている磁区の全体磁化が同じ方向である領域(図9の磁区領域41)では、記録磁界アシスト層4から発生する漏洩磁界は、再生層の磁区を拡大磁区の全体磁化と同じ方向に反転させるように作用するので磁区は拡大する。しかしながら、拡大磁区101cの全体磁化の方向と、記録磁界アシスト層4に形成されている磁区の全体磁化が逆の方向である領域(図9の磁区領域42)では、記録磁界アシスト層4から発生する漏洩磁界は、再生層10の磁区が拡大磁区の全体磁化と同じ方向に反転することを抑制するように作用する。それゆえ、記録磁界アシスト層4の磁区領域42上に形成されている再生層10の磁区領域では、記録磁界アシスト層4から発生する漏洩磁界の影響により磁区が反転し難くなり、例えば、図9に示すように、記録磁界アシスト層4の磁区領域41と42との境界D上の再生層10の領域で、拡大磁区101cの磁壁101Wが止まってしまう場合がある。このような場合には、図8(b)の拡大磁区101bに比べて拡大磁区101cは小さくなるので、図9の拡大磁区101cから得られる再生信号もまた、図8(b)の拡大磁区101bから得られる再生信号より小さくなる。それゆえ、記録磁界アシスト層4の膜厚を厚くしすぎるとCNRが低下する。
このCNRの低下を補うためには、図2で説明したように、外部磁界をより増大して記録層の記録磁区の安定性を一層向上させ、それによりCNRを向上させる必要があると考えられる。しかしながら、外部磁界の増大は、記録再生装置の汎用性を阻害し、電力増大をもたらす。従って、図5に示すように、実用的な大きさの外部磁界を用いつつ、CNR=40dB以上を得るためには、記録磁界アシスト層4の膜厚を190nm以下に制限する必要があることが分かる。
実施例4では、25℃における光磁気記録媒体の保磁力が異なる種々の光磁気記録媒体を作製した。記録磁界アシスト層の膜厚は100nmに固定して、記録磁界アシスト層内のGd量を変化させて組成を変化させることによりの25℃における光磁気記録媒体の保磁力を30Oe〜300Oeまで変化させた。保磁力を変化させた以外は、実施例1と同様にして光磁気記録媒体を作製した。
保磁力は、実施例1と同様に、25℃における光磁気記録媒体の磁化の磁界依存性を測定し、その測定から得られる磁化曲線に基づいて決定した。記録層に形成される記録磁区のマーク長は100nmとした。この例で作製した種々の光磁気記録媒体の25℃における保磁力とCNRとの関係を調べた。その結果を図6に示した。なお、保磁力の測定方法としては、4端子を光磁気記録媒体に設けて異常ホール効果の磁界依存性を測定して、その測定から得られる磁化曲線から保磁力を求めても良い。
図6は、この例で作成した光磁気記録媒体の25℃における保磁力に対するCNRの変化を表わした図である。図6から明らかなように、25℃における保磁力が増加するとともにCNRが減少することが分かった。光磁気記録媒体の25℃における保磁力は、実施例1で説明したように、記録磁界アシスト層の25℃における保磁力にほぼ対応しているので、記録磁界アシスト層の保磁力が大きすぎるとCNRが低下することが分かる。そこで、実用的なCNRの値38dBを基準(図6中の破線)とすると、図6から明らかなように、光磁気記録媒体の25℃における保磁力、及び、記録磁界アシストの25℃における保磁力は約150Oe以下にする必要があることが分かった。
実施例5では、記録磁界アシスト層にCo/Pt多層膜を用いて無磁界MAMMOSの光磁気記録媒体を作製した。記録磁界アシスト層をCo/Pt多層膜で形成した以外は実施例1と同様にして光磁気記録媒体を作製した。記録磁界アシスト層は、高周波スパッタ装置で、膜厚0.2nmのCo層と膜厚0.9nmのPt層とを交互に40層ずつ積層して形成した。
この例で作製した光磁気記録媒体に対して、実施例1と同様に、光磁気記録媒体の25℃における保磁力を測定したところ、42Oeという値が得られた。また、実施例1と同様に記録再生テストを行い、マーク長100nmの記録磁区に対して、40dB以上のCNRを得るために必要な外部磁界を測定したところ、156Oe以上の外部磁界が必要であることが分かった。すなわち、記録磁界アシスト層にCo/Pt多層膜を用いた場合でも、比較例1より小さな外部磁界で記録層に記録磁区を形成しても良好な再生特性が得られることが分かった。すなわち、実施例1のように、記録磁界アシスト層として、GdFeCoのような希土類遷移金属合金を母体とするアモルファス合金だけでなく、遷移金属と貴金属を交互積層した多層膜を用いても外部磁界の低減効果があることが分かった。
実施例6では、GdFeCo膜で形成された記録磁界アシスト層にCrを2at%添加した光磁気記録媒体を作製した。記録磁界アシスト層にCrを2at%添加した以外は、実施例1と同様にして光磁気記録媒体を作製した。
この例で作製した光磁気記録媒体に対して、実施例1と同様に、光磁気記録媒体の25℃における保磁力を測定したところ、53Oeという値が得られ、実施例1の光磁気記録媒体の保磁力(47Oe)より若干高くなった。また、実施例1と同様に記録再生テストを行い、マーク長100nmの記録磁区に対して、40dB以上のCNRを得るために必要な外部磁界を測定したところ、124Oe以上の外部磁界が必要であることが分かった。この値は実施例1の測定された必要な外部磁界(約125Oe)より若干低くなった。すなわち、記録磁界アシスト層としてGdFeCoのような希土類遷移金属合金を母体とするアモルファス合金を用いた場合、記録磁界アシスト層にCrを若干添加することにより、外部磁界をさらに低減可能であることが分かった。なお、Cr以外では、AlやB等などを添加しても良い。
上記実施例1〜6では、ファーストサーフェス型の無磁界MAMMOSの光磁気記録媒体について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、情報再生時に再生磁界を必要とするファーストサーフェス型MAMMOSの光磁気記録媒体に適用しても良い。また、基板越しに再生光を照射する基板入射型の無磁界MAMMOS及び再生磁界を必要とするMAMMOSの光磁気記録媒体に適用しても良い。さらにまた、本発明は、光照射により磁性層の保磁力を低下させて記録する磁気記録方式(光アシスト記録方法)を用いた磁気記録媒体にも適用可能である。
本発明の光磁気記録媒体によれば、記録層のトリガ層側とは反対側に、膜厚30〜190nmの記録磁界アシスト層を設けることにより、磁気コイルから発生する外部磁界が小さくても、十分大きな記録磁界を発生させることができる。それゆえ、さらに情報の高記録密度化が進んで、記録磁区が微小化しても十分安定した記録磁区を形成することができる。従って、本発明の光磁気記録媒体は、磁区拡大再生方式の光磁気記録媒体のように、より高密度記録可能な光磁気記録媒体として好適である。
図1は、実施例1で作製した光磁気記録媒体の概略断面図である。 図2は、実施例1で作製した光磁気記録媒体における外部磁界とCNRの関係を表わした図である。 図3は、実施例1で作製した光磁気記録媒体の25℃における磁化曲線を表した図である。 図4は、実施例1で作製した光磁気記録媒体の記録磁界アシスト層に形成される反転磁区の半径と、記録磁界アシスト層の反転磁区から発生する漏洩磁界との関係を表わした図である。 図5は、本発明の光磁気記録媒体における記録磁界アシスト層の膜厚と、40dBのCNRを得るために必要な外部磁界との関係を表わした図である。 図6は、本発明の光磁気記録媒体の25℃における保磁力とCNRとの関係を表わした図である。 図7は、実施例3で作製した無磁界MAMMOSの光磁気記録媒体における各磁性層の磁化状態を示した図であり、再生層の磁区が拡大する直前の磁化状態を示した図である。 図8は、実施例3で作製した無磁界MAMMOSの光磁気記録媒体における各磁性層の磁化状態を示した図であり、図8(a)は、再生層の磁区が拡大し始めた際の磁化状態を示した図であり、図8(b)は、再生層の磁区が拡大した際の磁化状態を示した図である。 図9は、実施例3で作製した無磁界MAMMOSの光磁気記録媒体における各磁性層の磁化状態を示した図であり、記録磁界アシスト層の膜厚が厚い場合の磁化状態を示した図である。
符号の説明
1 基板
2 窒化物層
3,5 Al合金層
4 記録磁界アシスト層
6 記録層
7,9 Gd層
8 拡大トリガ層
10 再生層
11 誘電体層
12 保護層
100 光磁気記録媒体

Claims (9)

  1. 光磁気記録媒体であって、
    磁性材料で形成され、情報が磁区として記録される記録層と、
    磁性材料で形成され、該記録層から磁気的に転写された該磁区が拡大される再生層と、
    磁性材料で形成され、該記録層と該再生層との間に設けられた第1中間層と、
    磁性材料で形成され、該記録層の第1中間層側とは反対側に設けられた記録磁界アシスト層と、
    該記録層と該記録磁界アシスト層との間に設けられ、該記録層と該記録磁界アシスト層の磁気的結合を遮断するための第2中間層とを備え、
    該記録磁界アシスト層の膜厚が30〜190nmであることを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 第2中間層が、常磁性材料あるいは非磁性材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光磁気記録媒体。
  3. 上記光磁気記録媒体の初期磁化された領域の25℃における保磁力が150Oe以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の光磁気記録媒体。
  4. 上記記録磁界アシスト層のキュリー温度が記録層のキュリー温度以上であり、且つ、25℃における上記記録磁界アシスト層の保磁力が150Oe以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光磁気記録媒体。
  5. 上記記録層に情報を記録するための記録磁界を光磁気記録媒体に印加したときに、上記記録磁界アシスト層の磁化が、該記録磁界の方向と同じ方向に向くことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光磁気記録媒体。
  6. 上記記録磁界アシスト層が、GdFeCoを主成分とするアモルファス合金あるいは遷移金属層と貴金属層との交互積層多層膜で形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光磁気記録媒体。
  7. 上記記録層の情報が、磁界変調記録方式で記録されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光磁気記録媒体。
  8. さらに、室温で常磁性あるいは非磁性を示す材料で形成された第3中間層を備え、第3中間層が、上記記録層と第1中間層との間及び/または上記再生層と第1中間層との間に設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光磁気記録媒体。
  9. 上記記録層に情報を記録する際、外部磁界が200Oe以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の光磁気記録媒体。
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