本発明の詳細な実施形態をここに開示する。しかしながら、開示する実施形態は本発明の単なる例示であって、様々な形態に組み合わせることができることを理解されたい。従って、ここに開示する詳細は、限定することが目的ではなく、請求の基礎をなし、また当業者が本発明を以下に実施し、かつ/または使用するための基礎である。
基端側シール組立体を開示する。このシール組立体は、テンティングの発生を抑えて断裂しにくいように改善されている。当業者であれば明らかなように、本発明のシール組立体は様々なトロカールに用いることができるように適合されている。
図1−図5に示されているように、トロカール組立体10は通常、トロカールカニューレ12、トロカールオブチュレータ14、及びトロカールハウジング(またはハンドル)16を含む。トロカールカニューレ12は、開口した先端部分20及び開口した基端部分22を有する内腔を画定している。基端部分22は、トロカールハウジング16の先端部分24内に延在し、そこで取り付けられている。トロカールハウジング16は、開口28を画定する開口した基端部分26を有する。開口28には、後述するように本発明に従って形成された基端側シール組立体30が設けられている。更に開口28には、基端側シール組立体30の下側に位置するダックビルシール組立体32が設けられている。本発明のシール組立体は、二重シールシステムの一部をなす基端側シール組立体として開示されているが、このシール組立体は、本発明の概念から逸脱することなく一重シールシステムに用いることもできる。
一般に、トロカールスリーブ44は、トロカールカニューレ12及びトロカールハウジング16からなる。トロカールハウジング16は、第1のハウジング部材36及び第2のハウジング部材38を含む。第2のハウジング部材38は、第2のハウジング部材カバー38a及び第2のハウジング部材ベース38bからなる。ハウジング16は2つの構成要素として開示されているが、本発明の概念から逸脱することなく1つの構成要素とすることもできることを理解されたい。図示されている2つの構成要素からなるハウジングは、試料の取り出しが容易である。
トロカールオブチュレータ14は、トロカールカニューレ12に対してスライド式に挿入及び取り出しが可能であり、基端側シール組立体30、ダックビルシール組立体32、及びトロカールハウジング16の開口28を介してトロカールハウジング16及びトロカールカニューレ12内に挿入できる。トロカールオブチュレータ14の基端部には、オブチュレータハンドル34が設けられており、その先端部には、尖端すなわちブレード(不図示)が形成されている。当分野でよく知られているように、基端側シール組立体30は、トロカールスリーブ44内に延在する器具(例えば、トロカールオブチュレータ及びトロカールを用いた処置に使用できるように適合された他の器具など)の外面にシール係合して、トロカールハウジング16を通る流体の通路を妨げている。
ロータリーラッチシステム
図1−図5に示されているように、トロカールハウジング16は、詳細を後述する理由から選択的に結合される第1のハウジング部材36と第2のハウジング部材38とからなる。第1及び第2のハウジング部材36、38は、トロカールハウジング16内を選択的に通過する器具を受容できる形状及び大きさの整合した開口40、42を含む。
当業者であれば、トロカールスリーブ44を腹腔壁内に挿入している間、及び処置している間、第1及び第2のハウジング部材36、38が確実に固定するのが重要であることを理解できよう。しかしながら、例えば腹腔から試料を取り出す際に、第1のハウジング部材36を取り外すのが理想的である。第1のハウジング部材36を取り外すことにより、ダックビルシール組立体32と基端側シール組立体30の両方を通過させなくても、ダックビルシール組立体32のみを通過させて試料を得ることができ、サンプルの取り出しが容易になり、取り出す際にサンプルが損傷を受けにくくなる。
第1のハウジング部材36は、基端側シール組立体30を支持し、ダックビルシール組立体32が取り付けられた第2のハウジング部材38の上に位置する。第1のハウジング部材36は、内部を貫通する開口40を含む。基端側シール組立体30は、第1のハウジング部材36の開口40内に配置されている。
第2のハウジング部材38について述べると、第2のハウジング部材38は内部を貫通する開口42を含む。ダックビルシール組立体32は、第2のハウジング部材38の上面50に近接して第2のハウジング部材38の開口42内に配置されている。実際、詳細を後述する理由から、ダックビルシール組立体32の外周リム52が、第1のハウジング部材36の下面54に係合するように、第2のハウジング部材38の上面50に近接して直接配置されている。
第1のハウジング部材36と第2のハウジング部材38の結合は、ロータリーラッチ機構56によって容易になっている。具体的には、第1のハウジング部材36が、下方に延びた第1及び第2のアーム58を含む。下方に延びたそれぞれのアーム58は、下側を向いたカム面60及び上側を向いたラッチ面62を含む。
第2のハウジング部材38も同様に、第1のハウジング部材36の下方に延びた第1及び第2のアーム58のそれぞれのラッチ面62にそれぞれ係合する第1及び第2のラッチ部材66を備えたラッチリング64を含む。ラッチリング64は、トロカールスリーブ44の中心軸と同軸上にあり、ダックビルシール組立体32の外周の環状溝68内に延在している。好適な実施形態に従ったラッチリング64はトロカールハウジング16の中心軸を中心に回動するが、ラッチリング64は、本発明の概念から逸脱することなく他の軸を中心に回動することもできる。ラッチリング64は、トロカールスリーブ44の中心軸を中心に回動できるが、ばね70によってトロカールハウジング16に取り付けられている。ばね70は、小さな付勢力でラッチリング64を固定位置に保持している。しかしながら、ばね70が第1のハウジング部材36に取り付けられていても、ラッチリング64の回動が可能である。第1及び第2のラッチ部材66はそれぞれ、第1のハウジング部材36の下方に延びた第1及び第2のアーム58の下側を向いたカム面60に係合する上側を向いたカム面72を含む。
第1及び第2のラッチ部材66はそれぞれ、下側に延びたアーム58のカム面60と係合する大きさ及び形状を有する、上側を向いたカム面72を含む。同様に、第1及び第2のラッチ部材66は、下側に延びた第1及び第2のアーム58の外側を向いたラッチ面62に係合する大きさ及び形状を有する、内側を向いたラッチ面74を含む。
実際、第1及び第2のハウジング部材36、38のラッチ動作は、下側に延びた第1及び第2のアーム58を第2のハウジング部材38の上面50に形成された孔76の中に通すことで達成される。下側に延びた第1及び第2のアーム58がラッチリング64の第1及び第2のラッチ部材66に近接したそれぞれの孔76を通過すると、下側に延びた第1及び第2のアーム58のカム面60が第1及び第2のラッチ部材66のカム面72に係合する。この係合により、下側に延びた第1及び第2のアーム58が第1及び第2のラッチ部材66を越えて、ラッチリング64が回動できる。この回動は、ばね70による付勢に抗して行われる。
下側に延びた第1及び第2のアーム58が第1及び第2のラッチ部材66を通過すると、ラッチリング64を付勢しているばね70により、ラッチリング64が元の位置に戻り、第1のハウジング部材36の外側を向いたラッチ面62が第2のハウジング部材38の内側を向いたラッチ面74に係合し、第1のハウジング部材36と第2のハウジング部材38が確実に結合される。第1及び第2のハウジング部材36、38は、ラッチリング6に取り付けられたレバー78を作動させて選択的に分離させることができる。レバー78の回動によりラッチリング64が回動し、第1及び第2のラッチ部材66が移動して下側に延びたアーム58との係合が解除される。
第2のハウジング部材38の上面50には、第1のハウジング部材38の下側に延びたアーム58がわずかな隙間で通過できる孔76を含む。隙間がわずかであるため、下側に延びたアーム58が孔76の平面を殆ど移動できず曲がらない。従って、第1のハウジング部材36が第2のハウジング部材38にラッチされると、第1のハウジング部材36と第2のハウジング部材38とを力によって分離する唯一の手段は、下側に延びた第1及び第2のアーム58自体の剪断またはその脚部に対する純張力である。第1及び第2のアーム58は、孔76の大きさから、曲がってまたはスリップして外れることがない。従って、確実に取り付けられる。トロカールハウジング16は、レバー78を押して水平方向に回動させてばねの力に打ち勝ってラッチリング64がトロカールスリーブ44の中心軸を中心に回動させて、分離することができる。外科医は、トロカールハウジング16の側面のスロットを介してレバー78を操作することができる。レバー78を押すと、ラッチリング64の第1及び第2のラッチ部材66が下側に延びた第1及び第2のアーム58を越えて回動し、第1のハウジング部材36が第2のハウジング部材38から解放される。
第1のハウジング部材36は、ロータリーラッチ機構56によって第2のハウジング部材38に取り付けられており、注入された気体を維持するために第1のハウジング部材36と第2のハウジング部材38との間にシールが必要である。このシールは、第1のハウジング部材36の下面54に設けられた下側に延びたフランジ80を用いて、第2のハウジング部材38の上面50に近接したダックビルシール組立体32の一部を圧迫して達成することができる。フランジ80及びダックビルシール組立体32はそれぞれ、互いに反対に傾斜した表面を含む。従って、第1のハウジング部材36のフランジ80と第2のハウジング部材38のダックビルシール組立体32との傾斜した係合が得られる。従って、第1のハウジング部材36を容易に取り付けることができ、ダックビルシール組立体の性能に影響を与えることなく、シールに必要な距離を越えて垂直方向に移動させることができる。実際、この過度の移動は、ロータリーラッチ機構の機能の信頼性を得るために必要である。
第1のハウジング部材36の下側に延びたフランジ80の傾斜した係合面は、ダックビルシール組立体32に径方向の力成分を付与する。この傾斜した係合面はまた、取り付けの力に変換される垂直方向の力成分を発生させる。この径方向の力が、係合構造すなわちダックビルシール組立体32の外周リム52を拡張させる。垂直方向の力は力全体の一部であるため、係合面の角度に比例して取り付けの力が減少する。
径方向の力及び垂直方向の力に加えて、第1のハウジング部材36と第2のハウジング部材38とのシールが、下側に延びたフランジ80とダックビルシール組立体32の外周リム52との相互作用によってカム動作を生じさせる。ダックビルシール組立体32の外周リム52の径方向の動きにより、通常の動作におけるダックビルシール組立体の性能に悪影響を与えることなく、フランジ80に対してわずかに過剰な移動が可能となる。
この過剰な移動に加えて、ダックビルシール組立体32の外周リム52の圧迫により、第1のハウジング部材36を第2のハウジング部材38から分離するのに役立つエネルギーが蓄えられる。この蓄えられたエネルギーにより、レバー78の動作によって第1のハウジング部材36が第2のハウジング部材38から容易に移動する。
より具体的には、第1のハウジング部材36と第2のハウジング部材38の結合は、ダックビルシール組立体32の外周リム52に係合できる形状及び大きさを有する、第1のハウジング部材36の下面54に沿った外側に延びたフランジ80を設けて強化することができる。更に、下側に延びたフランジ80に内側を向いたテーパを設け、外周リム52に外側を向いたテーパを設けることができる。内側を向いたテーパと外側を向いたテーパとの相互作用により、第1のハウジング部材36と第2のハウジング部材38とを確実に取り付けることができる。具体的には、圧力を受けるとわずかに屈従するように外周リム52に内向きのテーパ面を設けて、互いに対向したテーパ面を設けて、ラッチ機構の確実な結合に必要な寸法公差を大きくすることができる。
第1のハウジング部材36と第2のハウジング部材38との適切な整合は、第1のハウジング部材36の下面54から下側に延びた整合ピン82と、第2のハウジング部材38の上面50に沿って形成された、整合ピン82を受容できる形状及び大きさを有する一致する孔84を設けて達成される。整合ピン82及びこれに一致する孔84を設けることにより、第1のハウジング部材36と第2のハウジング部材38を所望の構造に組み立てることができる。場合によっては、反対のラッチが係合するのを防止するために第2のピンを設けることもできる。これは安全面で、デザインに不可欠な部分である。トロカールオブチュレータ14は、唯1つの構造に第1のハウジング部材36を取り付けでき、第1のハウジング部材36は、唯1つの構造に第2のハウジング部材38を取り付けできる。
上記したように、第1のハウジング部材36と第2のハウジング部材38を結合するために用いるロータリーラッチ機構56は様々な利点を提供する。具体的には、このロータリーラッチデザインにより、ラッチが絶対に外れないように第1のハウジング部材36を第2のハウジング部材38に確実に取り付けることができ、その一方で第1のハウジング部材36を容易に取り外すことができる。実際、第1のハウジング部材36の下側に延びた第1及び第2のアーム58が通過する孔76により、アーム58が曲がって外れてしまうことはない。加えて、ラッチ戻りばね70の力のベクトルが使用中に加わる外す力に対して垂直であるため、第1のハウジング部材36を取り付けるために必要な力は、所定の外す力とは別に加えることができる。これは、ラッチアームの弾性変形により外側シールハウジングに対する取り付け/取り外しをする一般的なラッチデザインとは対照的である。このようなタイプのデザインでは、組み立ての力と取り外しの力は、ラッチアームの曲げ特性によって互いに直接関連している。最後に、ラッチ機構は片手で簡単に操作することができる。
第1のハウジング部材36の下側に延びたフランジ80とダックビルシール組立体32の外周リム52との傾斜した接触により、第1のハウジング部材36を第2のハウジング部材38に取り付けるために必要な組み立ての力が減少した。第1のハウジング部材36を平坦なシールの場合よりも長い距離圧迫しなければならないが、組み立てに必要な力は同じである。これにより、要求される所定の圧迫距離に対してデザイン部分の公差を大きくすることができる。加えて、ダックビルシール組立体32の外周リム52が***しているため、径方向の変位が可能となり、更に組み立てに必要な力が少なくなっている。
補強シール組立体
図6−図10を参照すると、基端側シール組立体30が開示されている。このシール組立体は通常、キャップ86、クラウン88、径方向のシールの動きに用いられるベロー90、雌型保持リング94、プロテクタ92、シール本体98を構成する複数の補強シールセグメント96、雄型保持リング100、及び下部本体102を含む。補強シールセグメント96は、詳細を後述するように配置され、本発明に従ったシール組立体30を形成するために保持リング94と100との間に取り付けられる。
図7−図10に、具体的に補強シールセグメント96が示されている。詳細を後述するように、基端側シール組立体30は、完全なシール本体98の形成に複数の補強シールセグメント96を用いている。補強シールセグメント86のそれぞれは、部分円錐の形態であって、具体的には約225度に亘る円錐の形態である。本発明の好適な実施形態に従った部分円錐形は約225度に亘る部分円錐を用いるが、本発明の概念から逸脱することなく他の形状の部分円錐も用いることができる。好適な実施形態に従って円錐形シールセグメントが開示されているが、本発明の概念から逸脱することなく平坦なシールセグメントを用いることもできる。
補強シールセグメント96のそれぞれは、限定するものではないがポリイソプレンやシリコーンなどの架橋ポリマーのエラストマーから製造するのが好ましい。しかしながら、当業者であれば、本発明の概念から逸脱することなく他の材料も利用できることを理解できよう。
実際、一連の補強シールセグメント96を用いて、器具を挿入するシール本体98を形成する。本発明の好適な実施形態に従えば、4つの補強シールセグメント96が整合し、互いに90度ずつずらされている。シールセグメント96は、「編み合わせ」構造に配置されている。すなわち、それぞれのシールセグメント96は、第1の面104及び第2の面106を含み、それぞれのシールセグメント96の第1の面104は、近接するシールセグメント96の第2の面106の上に配置され、シールセグメント96の編み合わせ組立体が形成されている。
次いで、補強シールセグメント96は、それらの外周縁108に沿って雄型リング100及び及び雌型保持リング94に結合され、完全なシール本体98が形成される。補強シールセグメント96の部分的な円錐形とそれらの相対的な角度位置により、結合されたシールセグメント96からシール本体98が形成され、器具が挿入されると個々のシールセグメント96が外側に押されて器具の通過する開口が形成され、器具を引き抜くと弾性的に内側に移動して開口が閉じられる。補強シールセグメント96の一般的な変形が図3に示されている。器具の挿入による変形が示されている。
上記したように、それぞれの補強シールセグメントの96は通常、円錐の一部が切除された円錐の形態である。補強シールセグメント96は、中心シール部材110に取り付けられた外周縁108を含む。外周縁108は実質的に平坦であって同一平面上にあるが、中心シール部材110は部分円錐の形状である。
中心シール部材110は、補強シールセグメント96の中心に設けられた補強パッド112によって強化されている。補強パッド112は、外周縁と中心シール部材110の自由縁との間に位置する。より具体的には、補強パッド112は、中心シール部材110によって画定された円錐の先端に位置し、補強パッド110の縁が、円錐の先端で中心シール部材110の自由縁と整合している。
補強パッド112は、中心シール部材110の残りの部分と一体に形成されるが、中心シール部材110の厚みは基準部分の約2.5倍である。具体的には、中心シール部材110の補強パッド112は、約0.4318mm(0.017インチ)の厚みに形成され、中心シール部材110の残りの部分は約0.1778mm(0.007インチ)の厚みに形成される。本発明の好適な実施形態に従って厚みを開示したが、本発明の概念から逸脱することなく他の厚みを用いることもできる。補強パッド112と中心シール部材110の残りの部分との移行部は、補強パッド112と中心シール部材110の残りの部分の厚みの間に中心シール部材をテーパ状にして形成することができる。更に、移行部に移行領域を設けない、すなわち明確な移行部とすることもできる。しかしながら、好適な実施形態では、応力集中部を含まずシールが良好にシールできる。また、シールセグメントは移行部のない平坦なパッドで形成することもできる。
図7に示されているように、本発明の好適な実施形態に従えば、補強パッド112は、補強シールセグメント96によって画定された弧の中心に沿って概ね三角形の構造に形成されている。具体的には、補強パッド112は、中心シール部材110に沿って約90度の弧を占有する。当業者であれば理解できるように、本発明の概念から逸脱することなく、要求に応じて補強パッド112の形状及び大きさを様々に変えることができる。しかしながら、補強パッド112は、トロカール組立体10を通過する器具と接触する領域をカバーする形状及び大きさにすべきである。
補強パッド112は、外科器具がトロカールカニューレ12内に挿入される時に外科器具と接触する可能性が最も高い中心シール部材110の部分に位置している。本発明の好適な実施形態に従えば、補強パッド112は中心に配置される。なぜなら、殆どの外科器具がトロカールハウジング16及びトロカールカニューレ12の中心に挿入されるためである。
別の実施形態では、補強パッド112から中心シール部材110の基準の厚みまで傾斜した傾斜面を用いずに、補強パッド112をスムーズな曲線にして中心シール部材110の基準の厚みにスムーズに一致させることができることに留意されたい。
基端側シール組立体30と挿入器具との抵抗が小さいのが望ましい。本発明の基端側シール組立体30により、シールの耐久性を損なうことなく抵抗を小さくすることができる。これは、上記したように補強パッド112を設けてシールの厚みを薄くすることで達成される。従って、従来技術のシール組立体とは異なり、器具に接触しない領域の厚みを薄くしてもシールの耐久性が損なわれない。
本発明に従った補強パッド112を含むシール組立体は、シールセグメント96の全体の厚みを増大させずに、器具の挿入または引き戻しによるかぎ裂きや断裂を大幅に低減することができる。補強パッド112の領域が極めて厚いため、補強パッド112の器具がシール組立体98に接触する部分のテンティング(tenting)が起こらない。しかしながら、中心補強パッド112を取り囲む中心シール部材の薄い部分によって、中心シール部材110の残りの部分が容易に伸張するため、移動する器具にかかる抵抗を最小限に維持することができる。器具が存在する時に中心シール部材110の開口に沿って最も大きい応力が発生するため、好適な実施形態に従えば、補強シールセグメント96は、器具に接触していない部分は全て薄くするべきである。こすることで抵抗を小さくできる。
本補強パッド112による効果的な保護を、以下に示す基端側シール組立体30で明らかにする。器具の先端部との最初の接触によって基端側シール組立体30が変位する場合、基端側シール組立体30の補強パッド112によって画定された領域は、補強パッド112と中心シール部材110の厚みの違いにより、補強パッド112を取り囲む中心シール部材110の薄い部分よりも比較的歪みが小さい。この歪みの差は、全体の歪みが最も大きい基端側シール組立体30が開口した時に最大である。器具との接触により補強パッド112に力が加わった場合、補強パッド112は厚みによりテンティングが起こらないが、補強パッド112によって覆われていない中心シール部材110の残りの薄い部分により、補強パッド112が先端側に容易に変位し、これにより器具の先端部が基端側シール組立体30の中心に進入できる。補強シールセグメント96は、従来のシールセグメントに比べて格段に断裂しにくくなっている。
補強パッド112により、他の外周保護装置とは別に、鋭利な器具に対して補強シールセグメント96自体が保護される。この保護は、補強シールセグメント96に不可欠である。また、目的の位置(鋭利な器具が接触する歪みが大きい領域から離れた位置)に補強パッド112を設けることより、シールの性能に殆ど影響を与えることなく、補強パッド112が刺入から保護される。これにより、最大の器具挿入の力または器具の抵抗が増大することはない。補強パッド112を使用することで、中心位置を越えた拡張により最大の器具挿入の力及び器具の抵抗にある程度の影響を与えると考えられる。しかしながら、シールセグメント96の性質と標準的なリップシールに比べて歪みが大幅に低減されていることから、この影響は、標準的なシール組立体の性能を容易に上回るデザインが可能である。
上記したようにシール本体98に補強パッド112を設けるが、更に、図13に最もよく示されているように基端側シール組立体30にプロテクタ92を設けるのが望ましい。本発明の好適な実施形態に従ったプロテクタ92は、シール本体92の真上に位置する。図6及び図11−図13に示されているように、プロテクタ92は、複数の重なり合ったプロテクタセグメント114からなり、編み合わせ構造に配置され完全なプロテクタ92を形成する。プロテクタ92を編み合わせ構造にすることで、追加のプロテクタ材料を追加して、器具がシール内に挿入されてプロテクタセグメント114が分離した時にシール本体98の更なる表面積を保護できるようにする。
本発明の基端側シール組立体30が確実かつ便利に拡張する小さな中心開口を有するため、プロテクタ92は、プロテクタ92及びシール本体98を器具が通過する時のプロテクタセグメント114間の隙間を閉じるように構成しなければならない。これには、プロテクタ92の開口に沿って追加の材料が必要である。
本発明に従えば、複数のプロテクタセグメント114を編み合わせて追加の材料をプロテクタ92に追加する。プロテクタセグメント114を編み合わせることで、追加の材料をプロテクタ92に追加して、プロテクタが円錐シール形状内に受容可能でなお各プロテクタ構成要素の幅が広くなるようにする。追加の材料は、各プロテクタセグメント114の一側について、プロテクタセグメント114の裏側で覆われる。この追加の材料は、器具が挿入されていない状態では、プロテクタセグメント114を上方から見ても確認できない。
本発明の好適な実施形態に従ったプロテクタセグメント114は、例えば、ペレエタン(pellethane)などの成形エラストマーから製造される。しかしながら、プロテクタセグメント114が単にエラストマーに限定されるものではなく、ここに記載する機能に必要な特性及び特徴を備えたあらゆるタイプの材料から形成できることを理解されたい。
具体的には、4つのプロテクタセグメント114が配置されてプロテクタ92が形成される。本発明の好適な実施形態に従って4つのプロテクタセグメント114が用いられているが、本発明の概念から逸脱することなくプロテクタ92は4つ以外のプロテクタセグメント114からも形成できる。
それぞれのプロテクタセグメント114は、上方から見ると半円形であって概ね部分円錐の形態である。これらのプロテクタセグメント114はそれぞれ、実質的に丸い外周縁116、その外周縁116から延びた支持壁118、及び円錐形プロテクタ部材120を含む。支持壁118及び外周縁116の反対側の円錐形プロテクタ部材120が線形の縁121を画定している。
本発明の好適な実施形態に従えば、円錐形プロテクタ部材120は、約180度の弧に亘り、支持壁118及び外周縁116は、円錐形プロテクタ部材120の中心に沿って約120度の弧に亘る。詳細は後述するが、外周縁116及び支持壁118の弧が限定されていることにより、器具が基端側シール組立体30を通過する時の不所望の力が低減される。
外周縁116は、第1のハウジング部材36内に配置できるように適合されている。外周縁116は更に、プロテクタセグメント114の取り付け手段として機能する一連の孔122を含む。後述する開示から明らかになるが、約180度の弧を画定する複数のプロテクタセグメント114を用いて、器具が通過する時に径方向内向き及び外向きに容易に曲がる一連のプロテクタセグメント114からなるプロテクタ92を形成し、フープ応力を低減できる。
各プロテクタセグメント114は、その両側を画定する第1の部分124及び第2の部分126を含む。4つのプロテクタセグメント114を編み合わせ構造に組み合わせて、下側のシール本体98を完全に保護する完全なプロテクタ92を形成する。すなわち、プロテクタ92は、第1のプロテクタセグメント114の第1の部分124が第2のプロテクタセグメント114の第2の部分126の上に配置され組み立てられる。続いて、第2のプロテクタセグメント114の第1の部分124が、第3のプロテクタセグメント114の第2の部分126の上に配置され、第3のプロテクタセグメントの第1の部分124が第4のプロテクタセグメント114の第2の部分126の上に配置され、第4のプロテクタセグメント114の第1の部分124が、箱の蓋の最後のフラップを折るように第1のプロテクタセグメント114の第2の部分126の上に配置される。
プロテクタセグメント114は、最終的にクラウン88と雌型保持リング94との間に保持される。保持部材は当業者によく知られており、本発明の概念から逸脱することなく様々な保持部材を用いることができる。
当業者であれば、外周縁116及び支持壁118に対する円錐形プロテクタ部材120の動きは、結合された構成要素の様々な向きに基づく抵抗によるものであることを理解できよう。従って、円錐形プロテクタ部材120は、器具が基端側シール組立体30を通る時に座屈する恐れがある。
この動きに対する抵抗は、上記した外周縁116及び支持壁118の弧の限定によって緩和されている。加えて、この抵抗は更に、外周縁116及び/または支持壁118に形成された中心スロット128によって緩和されている。このスロット128は、プロテクタ部材120が小さい抵抗で同じ距離移動するため座屈を緩和する。
プロテクタ92を編み合わせることで、追加の材料をそれぞれのプロテクタセグメント114に追加することができると共に、プロテクタ92の先端部を円錐形シール本体98の頂部内に収めることができる。これは、プロテクタセグメント114に追加する追加材料を、近接するプロテクタセグメント114の裏側に覆われるようにして達成できる。この追加材料により、特に器具が基端側シール組立体30に介して所定の角度で挿入される時に、シール本体98をより良好に覆うことができる。最後に、器具が基端側シール組立体30を通過する時に器具の抵抗に影響を与えるのであれば、プロテクタ92の編み合わせは最小にする。これは、プロテクタセグメント114が互いに対して容易に移動するという事実の結果である。
実際、それぞれのプロテクタセグメント114に追加された追加材料により、器具がプロテクタ92内に挿入されてプロテクタセグメント114が広がると、近接したプロテクタセグメント114の後側に位置する追加のプロテクタ材料が露出する。この追加の材料が、プロテクタセグメント114が互いに対して曲がってもシール本体98を覆い続ける。挿入された器具に露出するシール本体98の材料が少なければ少ないほど、現在のプロテクタ92はより良い保護を提供する。このプロテクタ92は良好なシールを提供するが、追加のプロテクタセグメント114を追加することができる。但し、器具の抵抗が増大する可能性がある。しかしながら、これは、プロテクタセグメント114を薄くしてより柔軟にする或いはプロテクタセグメント114及び/またはシール本体98に潤滑材を加えてバランスをとることができる。
ダックビルシール組立体
上記したように、ダックビルシール組立体32は、第2のハウジング部材38内に受容されている。図14−図16に、本発明の好適な実施形態に従ったダックビルシール組立体32が開示されている。ダックビルシール組立体32は、第2のハウジング部材38内に取り付けできる形状及び大きさを有する外周フランジ部材134から延びた第1のシール本体130及び第2のシール本体132を含む。
第1及び第2のシール本体130、132はそれぞれ、上面136、138及び下面140、142を含む。上面136、138及び下面140、142は概ね鏡像であり、上面136、138に沿った補強リブを除き、第1及び第2のシール本体130、132は全長に亘って実質的に同じ厚みを有する。
第1及び第2のシール本体130、132は、その内部を器具が通過する時に動けるようにトロカールハウジング16内に取り付けられている。更に、第1及び第2のシール本体130、132のそれぞれの基端部は、外周フランジ134を介してトロカールハウジング16に結合され、一方、第1及び第2のシール本体130、132の先端部は互いに当接して当接面144を画定している。当接面144は、そこを器具が通過できるようにトロカールハウジング16の概ね中心に配置されている。器具が挿入されていない場合、当接面144は、トロカール組立体10が挿入されている体内の内腔の圧力で付勢され、第1及び第2の本体130、132の弾性によって閉じている。例えば、腹腔内注入圧力による圧力で付勢されている。この圧力により、ダックビルシール組立体32が閉位置に移動して、第1及び第2のシール本体130、132の先端部が接触する。
当業者であれば理解できるように、シール本体130、132は、器具に接触した時にシール本体130、132の安定性が増すように、上面136、138にリブ(不図示)を形成することができる。また、リブは、器具がダックビルシール組立体32を通過する時に接触する通路を提供する。また、リブにより、器具が接触し得る面積が小さくなって器具がダックビルシール組立体32を通過する時の抵抗が小さくなるため、シールと器具との接触圧力を大きくすることができるようになる。
第1及び第2のシール本体130、132は、第1のシール本体130を用いて以下に説明する。当業者であれば、第1及び第2のシール本体130、132は同一であって、以下の説明が第2のシール本体132にも同様に当てはまることを理解できよう。シール本体130には、互いに対して所定の角度なす第1の部分148及び第2の部分150と、外周フランジ134を通る横断面146が設けられている。具体的には、横断面146は、ダックビルシール組立体32を通る長軸に対して実質的に直交している。第1及び第2の部分148、150は、シール本体130の基端部からシール本体130の先端部に向かって延びている。従って、第1の部分148は、外周フランジ134及びトロカールハウジング16の壁部に近接したシール本体130の基端部に近接して配置されている。第1の部分148は、器具が挿入される時にわずかに動くだけである。第2の部分150は、シール本体130の先端部及び当接面144に近接して配置されている。第2の部分150は、器具が挿入される時に自由に動けるようになっている。
一般に、第1及び第2の部分は横断面に対して0度〜90度の範囲の角度をなしている。横断面146が水平面にあると仮定すると、本発明の好適な実施形態に従えば、シール本体130の基端部から始まる第1の部分148は、横断面146が延在する水平面に対して約30度の角度をなしている。シール本体130の先端部まで延在する第2の部分150は、水平面に対して約45度の角度をなしている。当業者であれば、本発明の好適な実施形態に従って開示した上記角度を、本発明の概念から逸脱することなく様々に変更できることを理解できよう。選択した角度は、シール本体の耐久性(角度が大きいと器具がシールに刺さるように係合する可能性が低くなり、テンティングの可能性が低くなる)とシールの高さ(角度が大きくなると高くなる)のトレードオフに基づいている。例えば、本発明のダックビルシール組立体32によって得られる多くの利点を残したまま、第2の部分150を約40度〜50度の範囲の角度に形成することができる。ダックビルシール組立体32の高さすなわちプロフィールを小さくすることが重要である。なぜなら、トロカールハウジング16が結果的に小さくなって器具がアクセスし易くなるためである。小さいハウジングは、外科医が体内の内腔内に容易にアクセスすることができるため理想的である。
上記した好適な実施形態は本発明を具現するために第1及び第2の部分148、150を用いているが、本発明の概念から逸脱することなく追加の部分を用いることもできる。同様に、本発明のダックビルシール本体130、132は、様々な角度に形成することができ、本発明の概念から逸脱することなく連続した曲面にすることもできる。
用いる実際の壁部の構造に関係なく、壁部の角度は、通常は器具がダックビルシール組立体32のシール本体130、132と接触しない分部では小さい角度(例えば、30度)に維持し、通常は器具がシール本体130、132の壁面に接触する部分では大きい角度(例えば、45度)にすべきである。
このように第1及び第2の部分148、150に角度を設ける、すなわちシール本体130、132に沿って壁部の角度を変えることにより、ダックビルシール本体32の全体の高さを調整しないで断裂しにくくすることができる。通常は器具がシール本体130、132に接触しない位置の壁部の角度を小さくすることにより、ダックビルシール本体32の全高さ、従ってトロカール本体10の全高さを維持したまま、適正なシール機能を得ることができる。通常は器具がシール本体130、132に接触する位置の壁部の角度を大きくすることにより、ダックビルシール組立体32に接触する垂直方向の力が小さくなり、ダックビルシール組立体32が断裂する可能性が小さくなる。
上記したように、トロカールスリーブ44の高さは、アーゴノミックスに与える影響から極めて重要な問題である。同時に、トロカールスリーブ44の高さを低くするという要求に対して、ダックビルの抵抗、耐久性、及びシール機能のバランスを取らなければならない。
本発明のダックビルシール組立体32に従って最適なデザインを提供するために、ダックビルシール組立体32の高さを2つの壁部の角度を用いて最小にする。第1の部分148に沿った壁部の角度は、高さを最小にするために小さい。所定の臨界直径では、壁部の角度は第2の部分150で急になる。この急な壁部により、挿入される器具に対するアタック角度が小さくなり、耐久性が向上している。同時に、第1の部分148の角度よりも急な壁部によりアタック角度が小さく第2の部分に作用する腹部注入流体圧力による閉止する力が大きいため、シール機能が改善されている。
複数の角度のデザインによって得られる利点にもかかわらず、ダックビルシール組立体32と器具との間の力を更に小さくしなければならない。これは、壁部の厚み、リブの形状、及び表面コーティングの調節によって対応できる。外科医がトロカールスリーブ44に対して器具を挿入したり引き抜いたりする際に必要な操作が容易になるように抵抗を小さくするのが望ましい。操作を容易にするには、片手で器具の挿入または抜き取りができるのが好ましい。また、これによりトロカール組立体10が挿入されている患者からトロカールスリーブ44が抜けにくくなる。
上記したように、好適な実施形態に従って30度と45度の角度を用いるが、直径の大きな器具が必要な場合は、直径の大きなダックビルシール組立体32が必要になる。弁、具体的にはトロカール組立体と用いるダックビルシール組立体32を設ける場合、通常はスペースが貴重であるため、高さを最小限にすることが重要である。シールの耐久性が最優先されるため、45度の角度を用いて器具を挿入または引き抜く際のシール本体130、132の断裂を最小限にする。
好適な実施形態に従えば、ダックビルシール組立体32は、限定するものではないが、ポリイソプレンまたはシリコーンなどの架橋ポリマーまたはエラストマーである。
内視鏡固定用組立体
本発明の背景の部分で記載したように、具体的にはオブチュレータ14であるトロカール組立体10に対して内視鏡を所定の位置に固定するのが望ましい。このような内視鏡固定用組立体152が、図3、図4、及び図25に示されているように本発明に従って設けられている。内視鏡固定用組立体152は通常、トロカール組立体10の挿入中に内視鏡をトロカールスリーブ44及び/またはオブチュレータ14内に保持するカム機構を含む。カム機構は、カムを用いて弾性ブロック154を内視鏡に対して圧迫する。弾性ブロック154は内視鏡をしっかりと把持して、トロカール組立体の挿入中、外科医が組織層を視覚化している時に内視鏡が不所望に移動しないようにする。カム機構は、トルクと軸方向の荷重の両方に耐えて内視鏡を保持し、カムレバー156を繰り返し作動させた後も適当に内視鏡を保持し、小さな人間工学的な力でカムレバー156を作動させ、様々な大きさの内視鏡に対応し、直感的な使用を容易にし、長期保管しても安定している。
トロカール組立体10内に内視鏡を保持するカム機構は、カム面158を用いて弾性ブロック154を内視鏡に対して圧迫する。弾性ブロック154が内視鏡をしっかりと把持して、トロカール組立体の挿入中、外科医が組織層を視覚化している時に内視鏡の不所望の動きを防止する。
固定用組立体152は、チューブ162が延びたハウジング160を含む。チューブ162は、内部を貫通する開口に整合している。チューブは、尖った先端部を備え、本発明に従ったオブチュレータとして用いることができる。チューブ162及び開口は、内部を内視鏡が通ることができる形状及び大きさを有する。加えて、チューブ162は、内視鏡を使用するためにチューブ162を含む固定用組立体152をトロカールスリーブ44に選択的に固定できるように、トロカールカニューレ12が内部を通れる形状及び大きさを有する。
トロカールの第1のハウジング部材36に対する固定用組立体152の取り付けは、第1のハウジング部材36の上面168及び固定用組立体ハウジング160の下側の両方に形成された噛合いラッチ164、166によって達成できる。ラッチ164、166により、トロカールハウジング16に対する固定用組立体152の選択的な取り付け及び取り外しが可能となる。本発明の好適な実施形態に従った特定のラッチ構造を開示するが、本発明の概念から逸脱することなく他のラッチ構造も用いることができる。
固定用組立体ハウジング160は、カム動作に基づいた固定機構を含む。この固定機構は、カムレバー156と弾性ブロック154とからなる。カムレバー156は、ハウジング160に回動可能に取り付けられた第1の端部170及び使用者が作動させることができるように適合された自由な第2の端部172を含む。実際には、カムレバー156は、内側に回動した固定位置と外側に回動した解放位置との間で自由に移動することができる。
本発明に従ったカム動作は、カムレバー156の第1の端部170に近接したカム面158によって得られる。カム面158は、固定用組立体152内の内視鏡を選択的に固定するべく弾性ブロック154に係合できる形状及び大きさを有する。弾性ブロック154について述べると、弾性ブロック154は、固定用組立体ハウジング160の本体内に受容され、ハウジング開口内を通る内視鏡に係合できる形状及び大きさを有する前方に凹状の壁部174を含む。弾性ブロック154は更に、第1の側壁176及び第2の側壁178を含み、側壁176、178のそれぞれは、ハウジング160の本体内に形成された溝182に係合するノッチ180を含む。溝182とノッチ180は相互作用して、詳細を後述する要領で弾性ブロック154を横方向に移動させることができる。ハウジング160は更に、ハウジング160内の弾性ブロック154の上下方向の移動を確実に防止するための上部保持部材184及び下部保持部材186を含む。最後に、弾性ブロック154は、前方に凹状の壁部174の反対側に後部壁188を含む。後部壁188は、カムレバー156のカム面158に係合できる形状及び大きさを有する。
弾性ブロック154及びカム面158は、強い接触を排除する、具体的には、内視鏡が固定用組立体ハウジング160の開口内に配置されるまで弾性ブロック154とカム面158との如何なる接触も排除する形状を有する。詳細は後述するが、内視鏡が固定用組立体ハウジング160の内腔内に配置されている場合、カムレバーが作動すると、弾性ブロック154がカムレバー156に対して移動し、弾性ブロック154がカム面158に近接して内視鏡が開口内に固定される。
実際には、固定用組立体152を以下のように用いる。弾性ブロック154は、長期保存の際に開または閉にしておくことができるカムレバー156の下側の固定用組立体ハウジング160内に受容されている。この時、長期保存によって固定用組立体152の性能を損ねるような弾性ブロック154に対するあらゆる荷重を排除するために、弾性ブロックが意図的にカムレバー156から離されている。外科医が、カムレバー156が始めに閉じている場合は、そのカムレバー156を開にする。次いで、内視鏡を固定用組立体152内に挿入する。内視鏡が、弾性ブロック154の凹状壁部174の面取り面190に接触する。これにより、弾性ブロック154がカムレバー156の近傍に向かって移動する。次いで、弾性ブロック154が、内視鏡の残りの部分を使用するためにその上部に配置される。次いで、カムレバー156を作動させ、圧縮可能な内視鏡ロックを内視鏡に対して圧迫する。弾性ブロック154のコンプライアンス及び高い摩擦係数により、必要な人間工学的な力を最小になると共に、固定用組立体152を様々な大きさの内視鏡に用いることができる。弾性ブロック154は、内視鏡に対して軸方向の荷重及び捩じり荷重がかかった場合、弾性ブロック154の移動を制限する周囲の構成要素182、184、186によって過度な横方向及び軸方向への移動が制限される。この制限とオーバーセンターのカムデザインにより、カムレバーが誤って解除されるのが防止されている。トロカール組立体10を患者の体内に挿入したら、カムレバー156を開にして内視鏡を取り出す。次いで、外科医が再び内視鏡を後に挿入したい場合は、弾性ブロック154を固定用組立体152の元に位置に戻すことができる。コンプライアントな弾性ブロック154は、カムレバー156による荷重が取り除かれると元の形状に戻るのに十分な剛性を有しているため、レバーを何回操作しても内視鏡を適切に保持することができる。
トロカールスリーブ及びストップコック弁の構造
上記したように、トロカールスリーブ44は、トロカールハウジング16とそこから延びたトロカールカニューレ12とからなる。トロカール組立体10は、ストップコック弁192を含む。このストップコック弁192により、二酸化炭素などの注入流体を可撓性チューブを介してトロカールカニューレ12及びトロカールハウジング16の一部の中へ送る通路を確立または遮断する。
図面を参照すると、トロカールカニューレ12及びトロカールハウジング16が互いに機械的に結合され、トロカールスリーブ44が形成されている。トロカールカニューレ12の少なくとも一部が第2のハウジング部材38の第2のハウジング部材ベース38b内に受容されており、第2のハウジング部材カバー38aが、トロカールカニューレ12の少なくとも一部を第2のハウジング部材ベース38b内に固定するためにトロカールカニューレ12の上に配置されている。
トロカールカニューレ12は、トロカールオブチュレータ14がトロカールカニューレ12を完全に貫通して延出した時に、ストップコック弁192及びトロカールハウジング16を通る注入流体がトロカールカニューレ12とトロカールオブチュレータ14との間に形成された環状の開口を通過できるような大きさを有する。この環状の開口は、トロカールカニューレ12の内径がトロカールオブチュレータ14の中空シャフトの外径よりもわずかに大きいことで形成される。
本発明は、接着剤及び/または硬化技術を用いないでトロカールカニューレ12、トロカールハウジング16、及びストップコック弁192を機械的に組み立てる機構を提供する。具体的には、トロカールハウジング16の第2のハウジング部材38、トロカールカニューレ12、及びストップコック弁192が便利で確実に組み立てできる別々の部品として形成される。
より具体的には、図17−図20に、機械的に組み立てられたトロカールスリーブ44の好適な実施形態が開示されている。完全に組み立てられると、トロカールスリーブ44は、ストップコック弁192と、第2のハウジング部材カバー38a及び第2のハウジング部材ベース38bからなる第2のハウジング部材38と、トロカールカニューレ12とを含む。詳細は後述するが、トロカールスリーブ44の様々な構成要素を互いに結合させて機械的に組み立てる。簡単に述べると、トロカールカニューレ12が第2のハウジング部材ベース38b内に嵌合し、それらの間にストップコック弁192が配置される。第2のハウジング部材カバー38aが、様々な構成要素が互いに保持するようにストップコック弁192、第2のハウジング部材ベース38b、及びトロカールカニューレ12に適合し、第1のハウジング部材36が選択的に取り付けられる表面を提供する。
トロカールスリーブ44を構成する特定の構成要素について述べると、本発明の好適な実施形態に従えば、ストップコック弁192は、整合ウイング194、開口196、及び弁レバー198を含む。弁レバー198はストッパーラッチ200を含む。第2のハウジング部材カバー38aは、六角孔202、カバーリム204、及び第2のハウジング部材カバーシール206を含む。第2のハウジング部材ベース38bは、係合ポスト208、ベーン210、ハウジングリム212、ストップコック弁192のためのスペース214、及び整合ウイング194を含む。第2のハウジング部材ベース38bは更に、整合リブ216及びラッチ面218を含む。トロカールカニューレ12は、入口ニップル220、整合タブ222、及びハウジングシール224を含む。
実際には、ストップコック弁192を第2のハウジング部材ベース38bのスペース214内に挿入する。トロカールカニューレ12を第2のハウジング部材ベース38bの開口内に挿入する。トロカールカニューレ12が第2のハウジング部材ベース38b内に挿入されたら、整合タブ222を、トロカールカニューレ12を第2のハウジング部材ベース38bに対して所望の向きに固定するベーン210に当接させる。
カバーリム204をハウジングリム212に一致させる。カバーリム204は、ストップコック弁192の上の弁レバー198を保持し、弁レバー198が所定の位置でストップコック弁192を保持する。
流量が最大の位置すなわち完全な開位置にある弁レバー198では、ストッパーラッチ200が第2のハウジング部材ベース38bのラッチ面218に当接している。つまり、弁レバー198の操作者は、ラッチ面218と弁レバー198が完全な開位置で当接して止まるため弁レバー198が完全な開位置であることを感じ取ることができる。操作者は、弁レバー198が完全な開位置にあるか否かを推測する必要がなく、弁レバー198が完全な開位置で停止する。
トロカール組立体44の構造により、ストップコック弁192と第2のハウジング部材カバー38aの結合、及び第2のハウジング部材ベース38bとトロカールカニューレ12の結合に接着剤が必要ではない。これは従来技術よりも有利である。
図21及び図22を参照すると、代替のトロカールスリーブ44’が開示されている。この代替の実施形態に従えば、トロカールスリーブ44’は、ストップコック弁192’、第2のハウジング部材カバー38a’、及び第2のハウジング部材ベース38b’を含む。トロカール44’は、前述の実施形態に従って開示されたトロカールカニューレ12に実質的に類似したトロカールカニューレ12’を含む。
ストップコック弁192’は、弁チューブテーパ状固定延長部226’、係合ポスト228’、及び弁レバー198’を含む。第2のハウジング部材ベース38b’は、延長部用スペース230’、及び係合ポスト用の六角孔232’を含む。
ストップコック弁192’の弁チューブテーパ状固定延長部226’は、第2のハウジング部材ベース38b’の延長部用スペース230’内に固定される。ストップコック弁192’の係合ポスト228’は、第2のハウジング部材ベース38b’の係合ポスト用六角孔232’内に嵌合し、ストップコック弁192’が第2のハウジング部材ベース38b’に対して垂直方向に整合して固定される。
図23及び図24を参照すると、更なる実施形態が開示されている。この更なる実施形態に従えば、トロカールスリーブ44’は、第2のハウジング部材カバー38a’’、第2のハウジング部材ベース38b’’、及びストップコック弁192’’を含む。トロカールスリーブ44’’はまた、前述の実施形態に従って開示されたトロカールカニューレ12に実質的に類似したトロカールカニューレ12’’も含む。
ストップコック弁192’’は、固定グルーブボス234’’、弁チューブ延長部226’’、及び固定グルーブ238’’を含む。加えて、第2のハウジング部材カバー38a’’は固定タング240’’を含む。第2のハウジング部材ベース38b’’は、弁チューブ延長部開口242’’及びボススペース244’’も含む。ストップコック弁192’’の弁チューブ延長部226’’は、第2のハウジング部材ベース38b’’の弁チューブ延長部開口242’’内に挿入され、摩擦嵌合またはテーパ嵌合によって固定される。ストップコック弁192’’の固定グルーブボス234’’は、ボススペース244’’内に固定される。これにより、ストップコック弁192’’が第2のハウジング部材ベース38b’’に固定される。
上記したように、ストップコック弁192は、摩擦嵌合する大きさ及び形状を有するテーパ状の表面によってトロカールスリーブ44に機械的に結合する。従って、ストップコック弁192の外側チューブ250に、先端部の外面に沿ってテーパ状の固定用表面が設けられている。同様に、トロカールカニューレ12には、ストップコック弁192の外側チューブ250のテーパ状固定用表面に確実に結合するように適合された入口ニップル220が設けられている。テーパ状固定機構の構造は、トロカールハウジングの入口ニップル220内に確実に固定される角度が2.0度+/−1.0度の自己保持構造を含む。このような機械的な結合により、回す力または直線的に引張る力に対する相当な摩擦抵抗が得られる。
上記した機械的な固定は、二重構造にして強化することができる。例えば、ポストと六角ソケットのインターロック、タングとグルーブのインターロック、及び/またはスナップ嵌めのインターロックを設けることができる。
加えて、図18を参照して説明した実施形態に従えば、ストップコック弁192の回動を最小にするために、弁レバー198の上部に形成された開口256内に挿入される保持ピン204を第2のハウジング部材カバー38aに設けることができる。保持ピン204は、ストップコック弁192を安定させ、弁レバー198が作動する時のストップコック弁192の回動を防止する。
上記したように、トロカールスリーブはストップコック弁192を含む。ストップコック弁192は、トロカールスリーブ44に形成された凹部内に取り付けられている。従って、ストップコック弁192は、第2のハウジング部材ベース38bの外面の内側に受容され、トロカールハウジング16内に受容される。更に、弁レバー198がストップコック弁192の本体の上に位置している。すなわち、ストップコック弁192の動作に用いられる弁レバー198が、下側に位置する現在市販されているトロカール組立体とは異なり、ストップコック弁192の上面に配置されている。嵌め込まれたストップコック弁192の上に弁レバー198が配置されているため、本発明のトロカール組立体10では、弁レバー198が非常に操作し易い位置に配置されていると同時に、ストップコック弁192が視界を遮っていない。
ストップコック弁192をトロカールスリーブ44の本体内に嵌め込むことにより幾つかの利点が得られる。第1に、この配置により、使用者が挿入するためにトロカール組立体10のストップコック弁192を保持する際に邪魔にならない。また、ストップコック弁192がトロカールハウジング12の外面から突き出ていないため、より快適に保持することができる。更に、本発明の目立たないストップコック弁192の構造により、手を所望の位置に置くことができる。本発明のストップコック弁192の配置により、使用中に誤った操作が起こらない。誤った操作すなわちトロカールスリーブ44と患者の接触がよく起こり、体の腔内に注入された流体が流出し、外科医の視野が狭くなって危険な状態になることもある。
トロカールハウジング16の外面に実質的に一致する曲線状の表面を備えた弁レバー198を形成して更なる利点を得ることができる。加えて、弁レバー198のハンドル部分に沿った長軸は、ストップコック弁192を嵌め込み易いように、弁レバー198の回動点からずれている。ストップコック弁192の弁レバー198の回動の制御は、具体的にはトロカールハウジング16であるトロカールスリーブ44に形成された凹部内にストップコック弁192を配置して達成できる。特に図17−図20に示されているように、ストップコック弁192の弁レバー198には、弁レバー198が開位置にあるか否かすなわち弁レバー198に設けられた貫通孔が弁本体199に整合しているか否かを触覚で確認できるストッパーラッチ200が設けられている。このデザイン構造は、使用者の反対側の弁レバー198の端部に位置するカンチレバーに類似している。
弁レバー198がトロカール組立体10内で閉位置から開位置に回動すると、カンチレバー回動ストッパーラッチ200がトロカールハウジング16に接触するため、弁レバー198が完全な開位置にあることを触覚で確認できる。完全な開位置では、弁レバー198及び弁本体199の貫通孔は整合して最適なCO2の流れが得られる。
カンチレバー回動ストッパーラッチ200の構造により、ストップコック弁192が開位置にあることを外科医が触覚で確認できる。これにより外科処置の間、最適なCO2の流れを得ることができる。
当業者であれば分かるように、カンチレバー回動ストッパーラッチ200による弁レバー198の制御によってストップコック弁192の貫通孔196の整合が容易である。貫通孔196の不整合は、弁レバー198が完全な開位置にあることを外科医が触覚で確認できないことによる場合が多い。
加えて、図17及び図18に示されているように、強化ガセット264がカンチレバー回動ストッパーラッチ200の裏側に配置されており、弁レバー198を曲げた時に過度に回動しないようになっている。過度な回動は、貫通孔の不整合を引き起こす。
当業者であれば分かるように、上記したデザインは従来技術の組立体に比べ多くの利点を提供する。上記した分離できるトロカールカニューレ12のデザインにより、外側ハウジングを交換することができる。従って、外側形状の工業的デザインは、トロカールスリーブの内部構造を変えなくても簡単に変更して最新のものにすることができる。加えて、トロカールカニューレ12とトロカールハウジング16との組み立てには超音波溶接が必要ではない。本発明の組立方法は、トロカールカニューレ12を1つの部品として成形することで装置を強化している。当業者には明らかなように、従来のデザインは超音波溶接を利用してトロカールカニューレ12をトロカールハウジング16に結合する。本発明の組立体の構造では、このような接合が必要なく、超音波溶接による接合不良が起こらない。
加えて、トロカールハウジング16には、内面に沿ってクラッシュリブ266が設けられている。これらのクラッシュリブ266により、トロカールカニューレ12がトロカールハウジング16の中心に配置される。また、クラッシュリブ266の許容誤差のばらつきを小さくし、製造中のトロカールカニューレ12の大きさの重要性を低くし、成形工程による固有のばらつきを可能にしている。
更にクラッシュリブ266が、トロカールハウジング16内でのトロカールカニューレ12の回動を防止している。これは、トロカールカニューレ12の両側に延在するクラッシュリブ266によりトロカールカニューレ12とトロカールハウジング16との相対的な回動が防止されて達成される。
トロカールハウジング16及びトロカールカニューレ12は構造が比較的単純であるため、射出成形器具の過度に細かな部分を排除して成形工程を単純にできる。加えて、システムの組み立ては、スリーブ組立体の全ての構成要素をトップダウン式に組み立てできるため従来のデザインよりも容易である。
ストップコック弁において、二重固定構造を備えたテーパ固定は、ストップコック弁192がトロカールスリーブ144から脱落するのを防止する。加えて、テーパ固定により、接着剤や溶接を用いなくても気密組み立てが可能となる。加えて、ストップコック弁192は、例えば、ポストとソケット、タングとグルーブ、及びウイングとリブなどのストップコック弁192の回動を防止する様々な固定表面を備えることができる。テーパ固定構造に加えて、ウイングをトロカールハウジング16の後側でテーパ状にして、ストップコック弁192がトロカールスリーブ44から抜けないようにできる。加えて、クラッシュリブ226を用いて、ウイングをトロカールカニューレ12にしっかりと保持することができる。最後に、弁レバー198が上に配置された目立たないストップコック弁192の構造により、最適な気流が得られる、使用者が触覚で整合を確認できるストップコック弁192の整合が可能になる。
好適な実施形態を用いて説明してきたが、このような開示により本発明を限定する意図はなく、むしろ、添付の特許請求の範囲で規定された本発明の概念及び範囲内にあらゆる変更形態及び代替形態の構造が含まれることを意図するものである。
本発明の実施態様は以下の通りである。
(1)前記各シールセグメントの前記外周縁が実質的に平坦であって、前記中心シール部材が円錐部分を画定していることを特徴とする請求項1に記載のシール組立体。
(2)トロカールカニューレ内に挿入された時に外科器具に直接接触する可能性が最も高い前記中心シール部材の部分に前記補強パッドが配置されていることを特徴とする請求項1に記載のシール組立体。
(3)前記各シールセグメントが架橋ポリマーのエラストマーであることを特徴とする請求項1に記載のシール組立体。
(4)前記シールセグメントがそれぞれの外周縁に沿って互いに結合され、完全なシール組立体を形成することを特徴とする請求項1に記載のシール組立体。
(5)前記補強パッドが前記中心シール部材の基準厚みにスムーズに移行していることを特徴とする請求項1に記載のシール組立体。
(6)前記補強パッドが、前記中心シール部材の基準厚みよりも厚いことを特徴とする請求項1に記載のシール組立体。
(7)前記シール本体が4つのシールセグメントを含むことを特徴とする請求項1に記載のシール組立体。
(8)前記補強パッドが実質的に涙形であることを特徴とする請求項1に記載のシール組立体。
(9)トロカール組立体であって、基端部及び先端部を含むトロカールカニューレと、前記トロカールカニューレ内を通るオブチュレータを受容し案内するために前記トロカールカニューレの前記基端部に結合されたトロカールハウジングとを含み、前記トロカールハウジングが基端側シール組立体及び先端側シール組立体を備えた開口を画定する開口した基端部分を含み、前記基端側シール組立体が、器具の選択的な挿入及び抜き取りを可能にするシール本体を含み、前記シール本体が重なり合った複数のシールセグメントを含み、前記各シールセグメントが、中心シール部材が延びた外周縁を含み、前記中心シール部材が前記外周縁から離れた自由縁を含み、前記基端側シール組立体が更に、少なくとも1つの前記シールセグメントの前記外周縁と前記中心シール部材の前記自由縁との間に配置された補強パッドを含むことを特徴とするトロカール組立体。
(10)前記補強パッドが、前記中心部の前記自由縁に整合した縁を含むことを特徴とする実施態様(9)に記載のトロカール組立体。
(11)前記各シールセグメントが、一部が切り取られた円錐形であることを特徴とする実施態様(9)に記載のトロカール組立体。
(12)前記各シールセグメントの前記外周縁が実質的に平坦であって、前記中心シール部材が円錐部分を画定していることを特徴とする実施態様(9)に記載のトロカール組立体。
(13)トロカールカニューレ内に挿入された時に外科器具に直接接触する可能性が最も高い前記中心シール部材の部分に前記補強パッドが配置されていることを特徴とする実施態様(9)に記載のトロカール組立体。
(14)前記各シールセグメントが架橋ポリマーのエラストマーであることを特徴とする実施態様(9)に記載のトロカール組立体。
(15)前記シールセグメントがそれぞれの外周縁に沿って互いに結合され、完全なシール組立体を形成することを特徴とする実施態様(9)に記載のトロカール組立体。
(16)前記補強パッドが、前記中心シール部材の基準厚みにスムーズに移行していることを特徴とする実施態様(9)に記載のトロカール組立体。
(17)前記補強パッドが、前記中心シール部材の基準厚みよりも厚いことを特徴とする実施態様(9)に記載のトロカール組立体。
(18)前記シール本体が4つのシールセグメントを含むことを特徴とする実施態様(9)に記載のトロカール組立体。
(19)前記補強パッドが実質的に涙形であることを特徴とする実施態様(9)に記載のトロカール組立体。
(20)前記基端側シール組立体が、前記基端側シール組立体の径方向に動きを容易にするベローを含むことを特徴とする実施態様(9)に記載のトロカール組立体。