JP2005100550A - 光ピックアップ及び光ディスク記録再生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
簡単な構成により対物レンズがトラッキングサーボ動作時にレンズシフトしても、サイドプッシュプル信号の振幅を略ゼロとすることが可能な光ピックアップ及びその光ピックアップを用いた光ディスク記録再生装置を提供すること。
【解決手段】
光ディスク記録再生装置1の光ピックアップ4は、グレーティング14の対物レンズ18の瞳上での位相構造の周期Dを、光ディスク2による回折光の移動距離の略2/3としたので、例えば0次回折光と±1次回折光の重なる部分で必ず0度と180度の領域が重なりプッシュプル信号振幅を略ゼロにすることができ、レンズシフトによるDCオフセットを確実にキャンセルできることとなる。更にグレーティングの回転調整の作業を省いて、低コストで光ピックアップ4の組み立てが可能となる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えばCD(Compact Disk)及びDVD(Digital versatile Disk)などの種々の光ディスクの記録再生に用いられる光ピックアップ及びその光ピックアップを用いた光ディスク記録再生装置に関する。
従来、光ディスク記録再生装置のトラッキングエラー信号を得る方法としてプッシュプル法などがあったが、例えばプッシュプル法では対物レンズの光軸ずれによるDCオフセットを有効にキャンセルできないなどの欠点も有った。そこで、複数ビームを使用してDCオフセットをキャンセルする方法(差動プッシュプル(DPP:Differential PushPull)法)が考え出され、特公平4−34212号公報に記載されている。しかし、この方法では、サイドビームはメインビームのあるトラックの隣のランドに必ず存在する必要がある。そのため、異なるトラックピッチの光ディスクを記録再生する場合には、サイドビームの位置が必ずしも、前記の条件に当てはまらないため、DPPレベルが光ディスクによって、大きく変動するという欠点がある。これは、DVDとCDで共通の回折格子を使用する場合の大きな問題点となる。
そこで、例えば回折格子により対物レンズの瞳上での位相構造の一部分に位相差を与えることによって、サイドビームのプッシュプル振幅をほぼゼロにし、メインビームのDCオフセットだけをキャンセルする方法が考え出された(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−250250号公報(段落[0057]から[0092]、図1及び図4)
しかしながら、特開2001−250250号公報のような方法では、レンズシフト時に、レンズシフトが0のときのメインスポットのプッシュプル信号振幅の約30パーセントのサイドプッシュプル信号振幅が現れ、レンズシフトによりDPPレベルが変動したり、変動する様子が記録再生する光ディスクのトラックピッチによって異なるなどの問題があった。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、簡単な構成により対物レンズがトラッキングサーボ動作時にレンズシフトしても、サイドプッシュプル信号の振幅を略ゼロとすることが可能な光ピックアップ及びその光ピックアップを用いた光ディスク記録再生装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の主たる観点に係る光ピックアップは、光ディスクにレーザ光を照射する光源と、前記レーザ光を前記光ディスク上に集光する対物レンズと、前記光源からのレーザ光からメインビームとサブビームとを生成すると共に、回折されたサブビームに位相差を与えるような位相構造を有する回折格子であって、位相差を与えられたサブビームの位相構造の周期の略3/2が、前記対物レンズの瞳上での前記光ディスクによる前記サブビームの回折による移動距離となるように、前記光源からのレーザ光を回折する回折格子とを具備することを特徴とする。
本発明は、回折格子の対物レンズの瞳上での位相構造の周期を光ディスクによる回折光の移動距離の略2/3としたので、例えば0次回折光と±1次回折光の重なる部分で0度と180度の位相領域が重なり、レンズシフトしてもプッシュプル振幅を略ゼロにすることができ、DPPレベルの変動を抑えることができることとなる。
本発明の一の形態によれば、前記回折格子は、前記対物レンズの瞳上での前記位相差を与えられたサブビームの位相構造の周期が、fを前記対物レンズの焦点距離、λを前記レーザ光の波長、pを前記光ディスクのトラックピッチ、θを前記光ディスクのトラック方向に対する前記周期の位相構造の角度として、略2/3(f×λ/p)×sinθと表されることを特徴とする。これにより、位相構造の周期を表す式より求められた周期の回折格子を用いることによって、きわめて簡単に、レンズシフトしてもプッシュプル振幅を略ゼロにすることができ、DPPレベルの変動を抑えることができることとなる。
本発明の一の形態によれば、前記サブビームに位相差を与える前記回折格子の位相構造の周期は、fを前記対物レンズの焦点距離、λを前記レーザ光の波長、pを前記光ディスクのトラックピッチ、θを前記光ディスクのトラック方向に対する前記周期の位相構造の角度、Lを前記光源の発光点から回折格子の格子面までの光学距離、βを前記発光点から光ディスク上の焦点までの光学倍率として、略2/3(f×λ/p)×(L/(β×f))×sinθと表されることを特徴とする。これにより、回折格子上での位相構造の周期を容易に求めることができ、その求められた周期の回折格子を用いることによって、きわめて簡単に、レンズシフトしてもプッシュプル振幅を略ゼロにすることができ、DPPレベルの変動を抑えることができることとなる。
本発明の一の形態によれば、前記位相構造の1つの周期は、その内部に1以上であって4以下の整数nの2倍に略等分割された複数の領域を有することを特徴とする。これにより、複数の領域が狭すぎて回折格子の製作精度の低下や高次回折光の発生による光利用効率の低下するのを防ぐと共に、少なくとも2つの領域が形成され位相のずれを設けることが可能となるので、レンズシフトしてもプッシュプル振幅を略ゼロにすることができ、DPPレベルの変動を抑えることができることとなる。
本発明の一の形態によれば、前記複数の領域は、夫々周期溝構造を有し、その隣り合う領域の夫々の周期溝構造が位相差180/n度でずれていることを特徴とする。これにより、周期が360度となり確実に周期的な位相構造を形成できる。
本発明の一の形態によれば、前記周期の位相構造の角度θが、45度以上であって135度以下であることを特徴とする。これにより、周期が小さくなりすぎて光利用効率が低下するのを防ぐことができる。
本発明の一の形態によれば、前記回折格子は、前記周期の位相構造の角度θが左右対称でその位相構造がV字形状になるように形成されていることを特徴とする。これにより、プッシュプルの強め合う部分や弱め合う部分が、例えばチェッカーフラッグ模様(市松模様)となりより細かくなって均等となるので、異なるトラックピッチの場合や若干の寸法誤差があっても、レンズシフトしたときにプッシュプル振幅を略ゼロにすることができ、DPPレベルの変動を抑えることができることとなる。
本発明の一の形態によれば、前記光源は、第1の波長のレーザ光のみを射出することができることを特徴とする。これにより、コストの軽減を図りながら確実にレンズシフトによるDCオフセットをキャンセルできる。また、1つの波長であっても複数種類のトラックピッチに対応できる。
本発明の一の形態によれば、前記光源は、前記第1の波長のレーザ光と前記第1の波長と異なる第2の波長のレーザ光とを射出することができることを特徴とする。これにより、例えば1CAN2波長レーザーダイオードと特定周期の回折格子とを組み合わせて用いることにより、光学部品点数を削減し、低コストでCDとDVDとの2種類の光ディスクに対し、DCオフセットをキャンセルできる光ピックアップとすることができる。
本発明の他の観点にかかる光ディスク記録再生装置は、光ディスクにレーザ光を照射する光源と、前記レーザ光を前記光ディスク上に集光する対物レンズと、前記光源からのレーザ光からメインビームとサブビームとを生成すると共に、回折されたサブビームに位相差を与えるような位相構造を有する回折格子であって、位相差を与えられたサブビームの位相構造の周期の略3/2が、前記対物レンズの瞳上での前記光ディスクによる前記サブビームの回折による移動距離となるように、前記光源からのレーザ光を回折する回折格子とを具備する光ピックアップを備えることを特徴とする。
本発明は、回折格子の対物レンズの瞳上での位相構造の周期を光ディスクによる回折光の移動距離の略2/3としたので、例えば0次回折光と±1次回折光の重なる領域で0度と180度の位相領域が重なり、レンズシフトしてもプッシュプル振幅を略ゼロにすることができ、DPPレベルの変動を抑えることができる光ディスク記録再生装置とすることができる。
本発明の一の形態によれば、前記光ピックアップの前記回折格子は、前記対物レンズの瞳上での前記位相差を与えられたサブビームの位相構造の周期が、fを前記対物レンズの焦点距離、λを前記レーザ光の波長、pを前記光ディスクのトラックピッチ、θを前記光ディスクのトラック方向に対する前記周期の位相構造の角度として、略2/3(f×λ/p)×sinθと表されることを特徴とする。
本発明の一の形態によれば、前記サブビームに位相差を与える前記回折格子の位相構造の周期は、前記回折格子上ではfを前記対物レンズの焦点距離、λを前記レーザ光の波長、pを前記光ディスクのトラックピッチ、θを前記光ディスクのトラック方向に対する前記周期の位相構造の角度、Lを前記光源の発光点から回折格子の格子面までの光学距離、βを前記発光点から光ディスク上の焦点までの光学倍率として、略2/3(f×λ/p)×(L/(β×f))×sinθと表されることを特徴とする。
本発明の一の形態によれば、前記光ピックアップの前記位相構造の1つの周期は、その内部に1以上であって4以下の整数nの2倍に略等分割された複数の領域を有することを特徴とする。
本発明の一の形態によれば、前記光ピックアップの前記複数の領域は、夫々周期溝構造を有し、その隣り合う領域の夫々の周期溝構造が位相差180/n度でずれていることを特徴とする。
本発明の一の形態によれば、前記光ピックアップの前記周期の位相構造の角度θが、45度以上であって135度以下であることを特徴とする。
本発明の一の形態によれば、前記光ピックアップの前記回折格子は、前記周期の位相構造の角度θが左右対称でその位相構造がV字形状になるように形成されていることを特徴とする。
本発明の一の形態によれば、前記光ピックアップの前記光源は、第1の波長のレーザ光のみを射出することができることを特徴とする。
本発明の一の形態によれば、前記光ピックアップの前記光源は、前記第1の波長のレーザ光と前記第1の波長と異なる第2の波長のレーザ光とを射出することができることを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、簡単な構造でレンズシフトしてもプッシュプル振幅を略ゼロにすることができ、DPPレベルの変動を抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、以下実施形態を説明するにあたっては、光ピックアップを用いた光ディスク記録再生装置のCD及びDVDの再生を中心に説明するが、これに限られるものではない。
図1は本発明の第1の実施形態に係る光ディスク記録再生装置のブロック図である。
図1に示すように光ディスク記録再生装置1は、例えば音楽情報や映像情報などが記録された光ディスク2がセットされており、光ディスク2を回転させるスピンドルモータ3、光ディスク2にレーザ光を照射させ電気信号に変換などする光ピックアップ4、そのスピンドルモータ3及び光ピックアップ4などを駆動させるドライバ5、そのドライバ5を制御するドライバ制御部6、光ピックアップ4から受光素子であるPD(Photo Detector)の出力信号を増幅などするアンプ7、アンプ7からの再生信号を復調、誤り検出及び訂正などの処理をして音楽情報等の信号を再生する信号処理部8、信号処理部8からの信号をアナログ信号に変換するD/Aコンバータ9、D/Aコンバータ9によりアナログ信号に変換された信号を音楽情報等に変換し出力すると共に、操作ボタンなどによる操作情報を入力する入出力部10、入出力部10から入力された音響情報などの図示しないエンコード処理手段や変調回路などを有する記録制御回路11及び光ディスク記録再生装置1全体の動作の制御をする制御部12などから構成されている。
ここで、光ディスク2は音楽情報等が記録されたCD、映像情報などが記録されたDVDなどの記録媒体である。
図2は光ピックアップの概略説明図である。
光ピックアップ4は、例えば図2に示すように光源としてレーザ光を射出するレーザ光源13、そのレーザ光をメインビームと2つのサブビームの3ビームから構成されるレーザ光に回折分離し、そのサブビームに周期位相構造を生成するグレーティング(回折格子)14、分離された3ビームを光ディスク2に照射する方向に反射などするビームスプリッタ15、そのビームスプリッタ15からのレーザ光を平行光にするコリメータレンズ16、コリメータレンズ16により平行光にされたレーザ光を光ディスク2方向に反射させるミラー17、ミラー17により反射されたレーザ光を光ディスク2上に集光させる対物レンズ18、光ディスク2からの反射光でビームスプリッタ15を透過したレーザ光の光軸を調節する光軸合成素子19、光軸を調整されたレーザ光が入射する例えばシリンドリカルレンズなどにより構成される調整レンズ20及びその調整レンズ20からのレーザ光を受光する受光素子としてのPD21などを有する。
レーザ光源13は、例えば波長780nmのレーザ光を射出する第1の発光点22と波長650nmのレーザ光を射出する第2の発光点23とを一つのパッケージに集約したものである。
図3はグレーティング14の構造の概略説明図であり、光ディスク2のトラック方向(グレーティング14により分離された3ビームが並ぶ方向)を図中のY軸とし、対物レンズ18のレンズシフト方向を図中のX軸としたものである。
グレーティング14は、図3に示すように図中のY軸方向と角度θをなす方向に、対物レンズ18の焦点距離をf、レーザ光の波長をλ、光ディスク2のトラックピッチをpとして、対物レンズ18の瞳上で[数1]で表される周期Dに略一致するように、周期的に位相構造が形成されている。
D=2/3(f×λ/p)×sinθ [数1]
[数1]から解るように、周期Dはsinθをθ=90度とすれば(f×λ/p)が対物レンズ18の瞳上での光ディスク2による1次回折光の移動距離であるから、その移動距離の2/3となる。これにより、後述するように丁度サブビームの0次回折光と1次回折光との重なり領域で例えば0度と180度の位相が重なり、プッシュプル信号振幅が0となることとなる。
また、グレーティング14の周期は、実際の光ピックアップ4ではレーザ光源13とビームスプリッタ15との間に配置されているので、グレーティング14の瞳上での周期D´として略[数1]×(L/(β×f))と表される。すなわち、光ディスク2のトラック方向と角度θをなす方向に、対物レンズ18の焦点距離をf、レーザ光の波長をλ、光ディスク2のトラックピッチをp、レーザ光源13の発光点から回折格子面までの光学距離をL、レーザ光源13の発光点から光ディスク2上の焦点までの光学倍率をβとして、グレーティング14の瞳上で[数2]で表される周期D´に略一致するように、周期的に位相構造が形成されている。
D´=2/3(f×λ/p)×(L/(β×f))×sinθ [数2]
図4はグレーティング14の周期DがD/2nに分割されている状態の説明図である。
グレーティング14の位相構造の周期Dは、2n(nは整数)に略等分割された領域B
を有しており、そのnは1以上であって4以下である。例えば図4に示すようにnを1とし、等分割された領域Bを図面右側からB1、B2とすると、Dが360度であるからB1が180度、B2が360度となる。
尚、nを1以上であって4以下とした理由は、n=1よりサブビームでのプッシュプル振幅をゼロとできる一方で、nが5以上になると略等分割された領域Bが小さくなりグレーティング製作の精度の低下や高次回折光の発生により、回折格子での0次回折光効率及び±1次回折光効率が低下し、光利用効率が低下するためnを4以下としたものである。
また、略等分割された位相構造は、その各領域の溝周期が夫々位相差180/n度だけずれた構造となっている。例えばn=1でのB1及びB2は、図4に示すように夫々0度(図中の空白の領域)及び180度(図中の斜線の領域)に分けられた周期的な溝構造を有しており、B1とB2とではその溝周期が丁度180度ずれることから斜線の領域(180度)が、隣の領域の斜線の領域と斜め方向に配置されることとなる。
更にグレーティング14は、図3に示すようにその位相周期構造方向がトラック方向(3ビーム方向)に対し45度以上であって135度以下の角度を有している。
これにより、図3に示すように位相構造周期DのX軸上の幅Aを特定のトラックピッチに合わせるため一定にする必要があるが、位相周期構造方向であるθを45度以上であって135度以下とするので、位相構造周期Dが小さくなりすぎてグレーティング製作の精度の低下や高次回折光の発生により、回折格子での0次回折光効率及び±1次回折光効率が低下することを防げる。
次にビームスプリッタ15は、グレーティング14からのレーザ光を45度の傾斜を有する反射面により後述するコリメータレンズ方向に反射させ射出させると共に、光ディスク2からの反射光をグレーティング14からのレーザ光と分離し透過させ、後述する光軸合成素子へ射出させることができる。
また、対物レンズ18は2波長例えば780nm及び650nmのレーザ光を確実にその情報記録面に集光できるように形成されており、図示しないアクチュエータによって、フォーカシング方向及びトラッキング方向に移動可能なように支持されている。
更に光軸合成素子19は、例えばレーザ光源13から射出される2つのレーザ光のうち650nmのレーザ光はそのまま透過させ、780nmのレーザ光については回折または、屈折させることができる。これにより、780nmのレーザ光は例えば650nmのレーザ光の反射光が集光するPD上の位置に、その光路が変更され集光させることができることとなる。
図5は受光素子としてのPDの説明図である。
PD21は、図2に示すようにビームスプリッタ15を透過したレーザ光を受光して電気信号に変換する受光素子であり、例えば図5に示すようにメインビームを受光する4分割された4分割用PD24、その両隣に配置されたサブビームを受光するサブビーム用PD25,26を有する。これにより、例えば4分割用PD24の各分割領域からの出力信号からフォーカシングエラー信号及びRF信号を生成することができると共に、4分割用PD24とサブビーム用PD25,26とのプッシュプル信号により、レンズシフトによるDCオフセットをキャンセルしたトラッキングエラー信号を生成することができることとなる。
次に、ドライバ5は例えば図示しないフォーカスドライバ、トラッキングドライバ及びスピンドルドライバなどを有し、光ピックアップ4の対物レンズ18をフォーカス方向及びトラッキング方向などに動かすことができる。また、スピンドルドライバは、スピンドルモータ3の回転を制御することができる。
また、ドライバ制御部6は例えば図示しないフォーカス制御回路やトラッキング制御回路などを有し、制御部12のコントロール下、アンプ7からのフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号などに基づいて、ドライバ5を制御することができる。
更にアンプ7は、例えば制御部12のコントロール下、4分割用PD24からの出力信号を所定の大きさまで増幅して、フォーカスエラー信号を生成したり、4分割用PD24とサブビーム用PD25,26とのプッシュプル信号を所定の大きさまで増幅し、例えばDPP(Differential Push Pull)法でトラッキングエラー信号を生成したり、4分割の各領域からの信号を合算し、RF(Radio Frequency)信号などを生成することができる。生成されたフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号は、制御部12を介しドライバ制御部6に供給され、RF信号は信号処理部8に供給される。
また、入出力部10は、図示しない音響部、表示部、撮像部及び操作部などを有し、例えば制御部12のコントロール下、D/Aコンバータ9から供給されるアナログ信号に変換された音楽情報などを音響部のスピーカなどにより音声などにして出力することができる。
更に入出力部10は操作部の操作ボタンなどからの操作情報を制御部12に受け渡すことができる。
また、制御部12は例えば図示しない演算と制御とをするCPU(Central Processing Unit)、必要に応じて一時的に情報を記録し光ディスク記録再生装置1の制御をより円滑に行うRAM(Random Access Memory)、ROM(Read only Memory)及びデータ格納部などを有する。
次に、以上のように構成された光ディスク記録再生装置1の動作についてCDの再生を中心に説明する。
まず、図1に示すように光ディスク記録再生装置1に光ディスク2がセットされ入出力部10のボタン操作などにより電源が投入されると、制御部12はドライバ制御部6及びドライバ5によりスピンドルモータ3を所定の回転数で回転させる。
また、制御部12はドライバ制御部6及びドライバ5により図示しないスレッドモータを駆動させ、所定の光ディスク2の位置に光ピックアップ4を移動させると共に、ドライバ制御部6及びドライバ5によりレーザ光源13に電流をリードパワーレベルに調節して、供給させる。
更に必要な電流が供給されたレーザ光源13は、第1の発光点22から例えば波長780nmのレーザ光を射出する。射出されたレーザ光は例えば図2に示す点線(実線は第2の波長例えば650nmのレーザ光の光線を示す。)のようにまず、グレーティング14に入射し3つのビームに分離され、ビームスプリッタ15に入射する。すなわち、回折格子であるグレーティング14により、メインビームとサブビームに分離される。
また、ビームスプリッタ15に入射した3つのビームからなるレーザ光は、更にビームスプリッタ15中に形成された45°の傾斜を有する反射面により、コリメータレンズ16の方向に反射され、コリメータレンズ16に入射し平行光にされる。
更にコリメータレンズ16から射出した平行光にされたレーザ光は、ミラー17により光ディスク2の方向に反射され、対物レンズ18に入射する。そして、対物レンズ18により光ディスク2の反射面に集光されることとなる。
このとき、3つのビームからなるレーザ光は、光ディスク2の反射面のトラック構造により0次回折光と±1次回折光とに回折され、対物レンズ18に戻りその瞳上で0次回折光と±1次回折光とのスポット領域が一部重なり合う状態となる。その際、グレーティング14によって分離されたサブビームは、その重なり部分ではプッシュプル信号振幅が略ゼロとなるように各位相領域が形成される。
また、対物レンズ18に戻った3ビームのレーザ光は更にミラー17及びコリメータレンズ16を光ディスク2へ進む方向と逆に戻り、ビームスプリッタ15に入射し、グレーティング14からのレーザ光と分離され透過して、光軸合成素子19へ射出される。
光軸合成素子19に入射した3ビームのレーザ光は、例えば波長650nmのレーザ光はそのまま透過させ、波長780nmのレーザ光については回折または、屈折させてその光軸を波長650nmのレーザ光の光軸に合わせられる。
従って、光軸合成素子19を射出した3ビームのレーザ光は、例えば2波長で同一光軸上を調整レンズ20に入射し、調整レンズ20中のシリンドリカルレンズや球面レンズなどによりPD21上に、対物レンズ18の瞳上の0次回折光と±1次回折光と同様な位相構造を有する3ビームが照射されることとなる。
すなわち、2波長のメインビームは4分割用PD24に照射されて夫々の分割領域からの電気信号が出力され、アンプ7に供給される。また、サブビーム用PD25,26には2波長のサブビームが照射されて、夫々のPDからプッシュプル信号が出力され、アンプ7に供給される。
ここで、アンプ7に4分割用PD24の各領域から供給された出力信号は、制御部12のコントロール下、所定の大きさまで増幅され、フォーカスエラー信号を生成して制御部12を介してドライバ制御部6に供給される。ドライバ制御部6は、フォーカスエラー信号をドライバ5に伝え、ドライバ5のフォーカスドライバにより光ピックアップ4の図示しない例えばアクチュエータのフォーカスコイルによって、フォーカシングが行われる。
また、アンプ7にサブビーム用PD25,26から供給されたプッシュプル信号は、制御部12のコントロール下、所定の大きさに増幅され、その信号と4分割用PD24によるプッシュプル信号とによりトラッキングエラー信号が生成されることとなる。
次に、図6は周期Dの位相構造のグレーティングによるプッシュプル信号振幅のグラフ、図7は対物レンズが移動したときのプッシュプル信号振幅のグラフである。ここで図6及び図7の縦軸はPush Pullレベルであり、横軸はDetrack(トラック中心からのずれ量)を表しており、曲線Mは通常のグレーティングによるプッシュプル信号振幅を表し、曲線Nは周期Dのグレーティングによるプッシュプル信号振幅を表す。なお、対物レンズの移動量(レンズシフト量)は0.3mmである。
この図6及び図7より明らかなように、周期Dのグレーティング14を用いれば対物レンズ18がシフトするか否かにかかわらず、プッシュプル信号振幅は略ゼロになる一方でレンズシフトしたとき(図7の状態)のDCオフセット信号はそのまま残ることがわかる。
これによって、対物レンズ18がレンズシフトしたときも、例えばDCオフセット信号が含まれているメインビームによるプッシュプル信号から、サブビームにより得られたDCオフセット信号をキャンセルすることができることとなる。
ここで、サブビームのプッシュプル信号振幅が略ゼロとなることについて説明する。
図8は0次回折光と1次回折光との重なり状態を1次回折光を移動して説明した模式図、図9はレンズシフトしていない対物レンズの瞳上での0次回折光及び±1次回折光の説明図である。尚、図9では0次回折光及び±1次回折光の重なり部分は、±1次回折光の位相領域が示されている。
まず、サブビームによる0次回折光は例えばn=1、θ=90度で、0次回折光の中心軸Kを基点とすると図8に示すように、その位相構造の周期Dが2nに等分割された領域を有するので、n=1であるからDは中心軸Kの右に2つの位相領域、例えば図中の空白の領域C、斜線の領域Eを有することとなり、夫々0度、180度の位相領域となる。更にその右側にその順で位相領域が繰り返される。
次に、1次回折光も同様にn=1であるから中心軸Pの右側に例えば図中の空白の領域G、斜線の領域Hを有することとなり、夫々0度、180度の位相領域となっている。0次回折光と同様に更にその右側にその順で位相領域が繰り返される。
ここで、その中心軸Pが0次回折光の中心軸Kから右側にL(=f×λ/p)だけ移動しており、そのLは[数1]によりθ=90度から3D/2となるので、図8に示すように例えば1次回折光の中心軸Pの右側1番目の位相領域Gが、0次回折光の中心軸Kから4番目の領域Eと重なり合うこととなる。
すなわち、[数1]によれば周期DはLの2/3となり、このときは光ディスク2による±1次回折光の位相シフトを受けている領域は、0次回折光の位相シフト領域に対し、常にD/2だけずれることとなる。
以上のことを図9で見ると、サブビームによる0次回折光と±1次回折光とは、例えばn=1、θ=90度で図9に示すように3つのスポットが一部重なるように対物レンズ18の瞳上で現れる。
具体的には、0次回折光の中心軸Kを図中のY軸(トラック方向)として、そのX軸左方向にLだけ−1次回折光の中心軸Pが移動し、右方向にLだけ+1次回折光の中心軸Qが移動して現れる。しかも、0次回折光及び±1次回折光ともその周期DはLの2/3であるから、上述したようにその重なり部分では夫々の位相領域がD/2だけずれることとなる。図中では0次回折光の中心軸の右側の空白の領域C(位相0度)は、+1次回折光の斜線の領域H(位相180度)と重なり、0次回折光の中心軸の右側の斜線の領域E(位相180度)は、+1次回折光の空白の領域G(位相0度)と重なることとなる。
同様に、0次回折光の中心軸の左側の斜線の領域E(位相180度)は、−1次回折光の空白の領域I(位相0度)と重なり、0次回折光の中心軸の左側の空白の領域C(位相0度)は、−1次回折光の斜線の領域J(位相180度)と重なることとなる。また、0次回折光と±1次回折光の周期Dは同一であり、常に位相がD/2だけずれるので重なり合う部分ではその領域が、必ず一致することとなる。
これにより、プッシュプル信号振幅が導き出される0次回折光と±1次回折光の重なり部分では、必ずD/2だけずれた位相例えば0度と180度との位相領域が重なるので出力信号としてはゼロとなり、CDとDVDのトラックピッチの差を考慮してもサブビームのプッシュプル信号振幅を略ゼロとすることが可能となる。
次に、対物レンズ18がシフトした場合のサブビームのプッシュプル信号振幅を説明する。
図10は対物レンズがシフトした場合の0次回折光と±1次回折光の重なり状態の説明図である。尚、図10では0次回折光及び±1次回折光の重なり部分は、±1次回折光の位相領域が示されている。
対物レンズ18がシフトした場合も光ディスク2による対物レンズ18の瞳上での回折光は、その0次回折光の中心軸に対し±1次回折光の中心軸はLだけ移動し、その周期Dも同一であるから結局、プッシュプル信号振幅が導き出される0次回折光と±1次回折光の重なり部分では、必ずD/2だけずれた位相例えば0度と180度との位相領域が重なることとなる。
具体的には、例えばn=1でθ=90度として、図10に示すようにレンズシフトをRとすると、0次回折光の中心軸は元の中心軸YからX軸方向にRだけ移動することになり、この新たな中心軸からLだけ±1次回折光の中心軸が移動することになる。従って、0次回折光と±1次回折光との左右での重なり部分の面積は、レンズシフト前と変わらない。
また、元の中心軸Y(光ディスク2のトラック方向)を中心としてその両側の位相領域、例えば図10中の0次回折光の空白の領域と斜線の領域が周期Dとなる。従って、図10に示すように0次回折光と±1次回折光との重なり部分の各位相領域は、その形は図9のレンズシフト前と異なるが、レンズシフトしない場合と同様に周期DがLの2/3である以上、必ずD/2だけずれた位相例えば0度と180度との位相領域が重なることとなる。
以上から、対物レンズがシフトした場合もサブビームのプッシュプル信号振幅は略ゼロとなり、そのサブビームのプッシュプル信号を用いてメインビームのDCオフセットがキャンセルできることとなる。
次に、生成されたトラッキングエラー信号は、制御部12を介してドライバ制御部6に供給される。ドライバ制御部6は、トラッキングエラー信号をドライバ5に伝えドライバ5のトラッキングドライバにより光ピックアップ4の図示しない例えばアクチュエータのトラッキングコイルによって、トラッキングが行われる。
これにより、対物レンズ18を常に適正な位置に保つことができ、再生の精度を確保できる。
更にアンプ7は、例えば制御部12のコントロール下、4分割用PDの各領域から増幅された信号を合算し、RF信号を生成して信号処理部8に供給する。
信号処理部8は、例えば制御部12のコントロール下、供給されたRF信号を復調、誤り検出及び訂正などの処理をして音楽情報などの信号を生成し、D/Aコンバータ9に供給する。
また、D/Aコンバータ9は、例えば制御部12のコントロール下、供給された音楽情報などの信号をアナログ信号に変換し、入出力部10に供給する。
更に入出力部10は、例えば制御部12のコントロール下、供給された音響情報などを図示しない音響部のスピーカなどにより音楽などにして出力し、光ディスク2に記録された音楽情報などが再生されることとなる。
以上で光ディスク記録再生装置1の動作の説明を終了する。
このように本実施形態によれば、光ディスク記録再生装置1の光ピックアップ4は、グレーティング14の対物レンズ18の瞳上での位相構造の周期Dを、光ディスク2による回折光の移動距離の略2/3としたので、例えば0次回折光と±1次回折光の重なる部分で必ず0度と180度の領域が重なりプッシュプル信号振幅を略ゼロにすることができ、レンズシフトによるDCオフセットを確実にキャンセルできることとなる。更にグレーティングの回転調整の作業を省いて、低コストで光ピックアップ4の組み立てが可能となる。
また、従来の対物レンズの瞳上の一部に位相差を与え、サイドビームで検出されるプッシュプル信号振幅を抑える方法では、従来技術によるDCオフセットの解消程度を表すグラフである図11に示すように、レンズシフトが無いときのメインビームのプッシュプル信号振幅の30%のサイドプッシュプル信号振幅が現れていた。これが、対物レンズ18の瞳上でのサブビームの位相構造の周期Dが、fを対物レンズの焦点距離、λをレーザ光の波長、pを光ディスクのトラックピッチ、θを光ディスクのトラック方向に対する周期Dの位相構造の角度として、略2/3(f×λ/p)×sinθと表されることとしたので、±1次回折光の位相シフトを受けている部分は、0次回折光の位相シフト部分に対し、常にD/2だけずれることとなりプッシュプル信号振幅を略ゼロにすることができる。
更にグレーティング14の位相構造の1つの周期Dは、その内部に1以上であって4以下の整数nの2倍に略等分割された複数の領域を有することとしたので、複数の領域が狭すぎて回折格子の製作精度の低下や高次回折光の発生による光利用効率の低下するのを防ぐと共に、少なくとも2つの領域が形成され位相のずれを生成することが可能となり、確実にレンズシフトによるDCオフセットをキャンセルできる。
また、グレーティング14の周期Dの位相構造の角度θが、45度以上であって135度以下であることとしたので、周期Dが小さくなりすぎて光利用効率が低下するのを防ぐことができる。
更にレーザ光源13は、1つのユニットで第1の波長のレーザ光とその波長と異なる第2の波長のレーザ光とを射出することができるので、例えばCDとDVDとの2種類の光ディスクに対応しDCオフセットをキャンセルできる光ピックアップ4とすることができる。例えば、CDとDVDとで不都合なくDPP法によるトラッキングサーボをかけることが可能となる。また、例えば1CAN2波長レーザーダイオードを周期Dのグレーティング14と組み合わせて用いることにより、光学部品点数を削減し、低コストでレンズシフトしてもプッシュプル振幅を略ゼロにすることができ、DPPレベルの変動を抑えることができる光ピックアップ4とすることができる。
次に、本発明の第2の実施形態にかかる光ディスク記録再生装置1について説明する。尚、第2の実施形態に係る光ディスク記録再生装置1の構成は、グレーティング14を除けば基本的に第1の実施形態と同様であるので、以下の説明では第1の実施形態で示した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。また、グレーティング14についても、周期の位相構造の角度θが左右対称でその位相構造がV字形状になるように形成されている点を除けば基本的に同様であるので、その点を中心に説明する。
図12はグレーティングの構造の概略説明図であり、光ディスク2のトラック方向(グレーティング14により分離された3ビームが並ぶ方向)を図中のY軸とし、対物レンズ18のレンズシフト方向を図中のX軸としたものである。
まず、グレーティング14は、図12に示すように図中のY軸方向と角度θをなす方向に、対物レンズ18の焦点距離をf、レーザ光の波長をλ、光ディスク2のトラックピッチをpとして、対物レンズ18の瞳上で[数1]で表される周期Dに略一致するように、周期的に位相構造が形成されているが、第1の実施形態と異なりY軸を中心に左右対称に位相構造が形成され、全体としてV字形状となっている。
すなわち、その位相構造は、Y軸の左右で対象であるので右側の位相周期構造方向θは、Y軸左側と同じ値で逆方向となり、図12に示すようにnを1とし、略等分割された領域をSとすると、その夫々の領域Sが丁度Y軸を中心軸としてV字状に形成されることとなる。
また、略等分割された位相構造は、Y軸の左右毎に各領域Sの溝周期が夫々位相差180/n度だけずれた構造となっている。例えば図12に示すようにY軸の右側で夫々0度(図中の空白の領域)及び180度(図中の斜線の領域)に分けられた周期的な溝構造を有しており、同じY軸の右側の隣の領域とではその溝周期が丁度180度ずれる。このことから斜線の領域(位相180度)が隣の斜線の領域と斜め方向に配置されることとなる。
次に、以上のように構成された光ディスク記録再生装置1の動作についてCDの再生を中心に説明する。尚、第2の実施形態に係る光ディスク記録再生装置1の動作についても基本的には第1の実施形態と同様であるので、グレーティング14の構造の相違から生ずる相違点を中心に説明する。
図13は対物レンズの瞳上での0次回折光と±1次回折光との重なり状態の説明図である。
まず、0次回折光と±1次回折光との重なり部分の位相領域の構造は左右対称であり同様になるのでY軸の右側の重なり部分について説明する。第1の実施形態の場合と異なりθを90度としないで例えば図13に示すように、0次回折光のY軸の右側の位相領域は領域C(位相0度)と領域E(位相180度)とが、斜めの帯状に交互に現れることとなる。
また、+1次回折光は図13に示すようにLだけ移動した中心軸Qの左側に例えば領域H(位相180度)と領域G(位相0度)とが、0次回折光の場合と逆方向の斜めの帯状に交互に現れることとなる。これら領域C、Eと領域H、Gが0次回折光と+1次回折光との重なり部分で、図13に示すように重なり合うこととなる。
これにより、位相0度と位相180度とばかりでなく位相0度と同じ位相0度、更には位相180度と位相180度とも重なる部分が現れることとなる。しかし、両者の周期Dは一致しており、且つ、移動距離Lの2/3(sinθ)であることから、その重なりは確実に0次回折光と+1次回折光とで重なる。しかも、Y軸でその重なり部分が左右対称であるから全体としては、サブビームのプッシュプル信号振幅を略ゼロにできることとなる。
また、図13に示すように0次回折光と±1次回折光との重なり部分の位相領域の構造は細かいチェッカーフラッグ模様となり、その模様(図13の斜線部分)の1つや2つ誤差が出てもプッシュプル信号への影響としては無視できる程度となる。
以上で光ディスク記録再生装置1の動作の説明を終了する。
このように本実施形態によれば、光ディスク記録再生装置1の光ピックアップ4のグレーティング14が、[数1]の周期Dの位相構造の角度θが左右対称で、その位相構造がV字形状になるように形成されているので、確実に0次回折光と±1次回折光との重なり部分で各位相領域が重なると共に、プッシュプルの強め合う部分や弱め合う部分が例えばチェッカーフラッグ模様となってより細かくなり、全体で均等となるので、異なるトラックピッチの場合や若干の寸法誤差があっても、レンズシフトしてもプッシュプル振幅を略ゼロにすることができ、DPPレベルの変動を抑えることができる。
また、レーザ光源13が第1の波長のレーザ光とその波長と異なる第2の波長のレーザ光とを射出することができるように形成されているので、光学部品点数を削減できると共に例えばCDとDVDの2種類の光ディスクのようにトラックピッチが異なってもそのプッシュプル信号の差が出にくくなり、夫々に対してもレンズシフトしてもプッシュプル振幅を略ゼロにすることができ、DPPレベルの変動を抑えることができる光ディスク記録再生装置1とすることができる。
尚、本発明は上述したいずれの実施形態にも限定されず、本発明の技術思想の範囲内で適宜変更して実施できる。
例えば上述した実施形態では光ディスク2の再生の場合について主に説明したがこれに限られるものではなく、レーザ光を用いて記録再生するものであれば他の記録媒体であってもよく、更に光ディスク2への音楽情報や映像情報などの記録の場合でも勿論よい。これにより、よりカスタマイズ化を図りながらレンズシフトしてもプッシュプル振幅を略ゼロにすることができ、DPPレベルの変動を抑えることができることとなる。
本発明の第1の実施形態に係る光ディスク記録再生装置のブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る光ピックアップの概略説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るグレーティング構造の概略説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るグレーティング周期DがD/2nに分割されている状態の説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る受光素子としてのPDの説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る周期Dの位相構造のグレーティングによるプッシュプル信号振幅のグラフである。 本発明の第1の実施形態に係る対物レンズが移動したときのプッシュプル信号振幅のグラフである。 本発明の第1の実施形態に係る0次回折光と1次回折光との重なり状態を1次回折光を移動させて説明した模式図である。 本発明の第1の実施形態に係るレンズシフトしていない対物レンズの瞳上での0次回折光と±1次回折光の説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る対物レンズがシフトした場合の0次回折光と±1次回折光の説明図である。 従来技術によるレンズシフト時のメインビームとサイドビームのプッシュプル信号振幅のグラフである。 本発明の第2の実施形態に係るグレーティング構造の概略説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る対物レンズの瞳上での0次回折光と±1次回折光との重なり状態の説明図である。
符号の説明
1 光ディスク記録再生装置
2 光ディスク
3 スピンドルモータ
4 光ピックアップ
5 ドライバ
6 ドライバ制御部
7 アンプ
8 信号処理部
9 D/Aコンバータ
10 入出力部
11 記録制御回路
12 制御部
13 レーザ光源
14 グレーティング
15 ビームスプリッタ
16 コリメータレンズ
17 ミラー
18 対物レンズ
19 光軸合成素子
20 調整レンズ
21 PD
22 第1の発光点
23 第2の発光点
24 4分割用PD
25、26 サブビーム用PD
B、C、E、G、H、I、J、S 領域
K、P、Q 中心軸
M、N 曲線

Claims (18)

  1. 光ディスクにレーザ光を照射する光源と、
    前記レーザ光を前記光ディスク上に集光する対物レンズと、
    前記光源からのレーザ光からメインビームとサブビームとを生成すると共に、回折されたサブビームに位相差を与えるような位相構造を有する回折格子であって、位相差を与えられたサブビームの位相構造の周期の略3/2が、前記対物レンズの瞳上での前記光ディスクによる前記サブビームの回折による移動距離となるように、前記光源からのレーザ光を回折する回折格子と
    を具備することを特徴とする光ピックアップ。
  2. 請求項1に記載の光ピックアップにおいて、
    前記回折格子は、前記対物レンズの瞳上での前記位相差を与えられたサブビームの位相構造の周期が、fを前記対物レンズの焦点距離、λを前記レーザ光の波長、pを前記光ディスクのトラックピッチ、θを前記光ディスクのトラック方向に対する前記周期の位相構造の角度として、略
    2/3(f×λ/p)×sinθ
    と表されることを特徴とする光ピックアップ。
  3. 請求項1に記載の光ピックアップにおいて、
    前記サブビームに位相差を与える前記回折格子の位相構造の周期は、fを前記対物レンズの焦点距離、λを前記レーザ光の波長、pを前記光ディスクのトラックピッチ、θを前記光ディスクのトラック方向に対する前記周期の位相構造の角度、Lを前記光源の発光点から回折格子の格子面までの光学距離、βを前記発光点から光ディスク上の焦点までの光学倍率として、略
    2/3(f×λ/p)×(L/(β×f))×sinθ
    と表されることを特徴とする光ピックアップ。
  4. 請求項2に記載の光ピックアップにおいて、
    前記位相構造の1つの周期は、その内部に1以上であって4以下の整数nの2倍に略等分割された複数の領域を有することを特徴とする光ピックアップ。
  5. 請求項4に記載の光ピックアップにおいて、
    前記複数の領域は、夫々周期溝構造を有し、その隣り合う領域の夫々の周期溝構造が位相差180/n度でずれていることを特徴とする光ピックアップ。
  6. 請求項2に記載の光ピックアップにおいて、
    前記周期の位相構造の角度θが、45度以上であって135度以下であることを特徴とする光ピックアップ。
  7. 請求項2に記載の光ピックアップにおいて、
    前記回折格子は、前記周期の位相構造の角度θが左右対称でその位相構造がV字形状になるように形成されていることを特徴とする光ピックアップ。
  8. 請求項2に記載の光ピックアップにおいて、
    前記光源は、第1の波長のレーザ光のみを射出することができることを特徴とする光ピックアップ。
  9. 請求項2に記載の光ピックアップにおいて、
    前記光源は、前記第1の波長のレーザ光と前記第1の波長と異なる第2の波長のレーザ光とを射出することができることを特徴とする光ピックアップ。
  10. 光ディスクにレーザ光を照射する光源と、
    前記レーザ光を前記光ディスク上に集光する対物レンズと、
    前記光源からのレーザ光からメインビームとサブビームとを生成すると共に、回折されたサブビームに位相差を与えるような位相構造を有する回折格子であって、位相差を与えられたサブビームの位相構造の周期の略3/2が、前記対物レンズの瞳上での前記光ディスクによる前記サブビームの回折による移動距離となるように、前記光源からのレーザ光を回折する回折格子とを具備する光ピックアップを備えることを特徴とする光ディスク記録再生装置。
  11. 請求項10に記載の光ディスク記録再生装置において、
    前記光ピックアップの前記回折格子は、前記対物レンズの瞳上での前記位相差を与えられたサブビームの位相構造の周期が、fを前記対物レンズの焦点距離、λを前記レーザ光の波長、pを前記光ディスクのトラックピッチ、θを前記光ディスクのトラック方向に対する前記周期の位相構造の角度として、略
    2/3(f×λ/p)×sinθ
    と表されることを特徴とする光ディスク記録再生装置。
  12. 請求項10に記載の光ディスク記録再生装置において、
    前記サブビームに位相差を与える前記回折格子の位相構造の周期は、前記回折格子上ではfを前記対物レンズの焦点距離、λを前記レーザ光の波長、pを前記光ディスクのトラックピッチ、θを前記光ディスクのトラック方向に対する前記周期の位相構造の角度、Lを前記光源の発光点から回折格子の格子面までの光学距離、βを前記発光点から光ディスク上の焦点までの光学倍率として、略
    2/3(f×λ/p)×(L/(β×f))×sinθ
    と表されることを特徴とする光ディスク記録再生装置。
  13. 請求項11に記載の光ディスク記録再生装置において、
    前記光ピックアップの前記位相構造の1つの周期は、その内部に1以上であって4以下の整数nの2倍に略等分割された複数の領域を有することを特徴とする光ディスク記録再生装置。
  14. 請求項13に記載の光ディスク記録再生装置において、
    前記光ピックアップの前記複数の領域は、夫々周期溝構造を有し、その隣り合う領域の夫々の周期溝構造が位相差180/n度でずれていることを特徴とする光ディスク記録再生装置。
  15. 請求項11に記載の光ディスク記録再生装置において、
    前記光ピックアップの前記周期の位相構造の角度θが、45度以上であって135度以下であることを特徴とする光ディスク記録再生装置。
  16. 請求項11に記載の光ディスク記録再生装置において、
    前記光ピックアップの前記回折格子は、前記周期の位相構造の角度θが左右対称でその位相構造がV字形状になるように形成されていることを特徴とする光ディスク記録再生装置。
  17. 請求項11に記載の光ディスク記録再生装置において、
    前記光ピックアップの前記光源は、第1の波長のレーザ光のみを射出することができることを特徴とする光ディスク記録再生装置。
  18. 請求項11に記載の光ディスク記録再生装置において、
    前記光ピックアップの前記光源は、前記第1の波長のレーザ光と前記第1の波長と異なる第2の波長のレーザ光とを射出することができることを特徴とする光ディスク記録再生装置。
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