JP2005097750A - ポリエステル繊維およびポリエステル繊維の製造方法 - Google Patents

ポリエステル繊維およびポリエステル繊維の製造方法 Download PDF

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卓 岩出
Yasushi Fujii
恭 藤井
Masamitsu Yamashita
雅充 山下
Makoto Nishioji
誠 西大路
Yuuji Kikutani
雄士 鞠谷
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Abstract

【課題】延伸仮撚加工工程において高速度化、高張力化を行なっても伸度低下を生じないポリエステル繊維を得ることである。
【解決手段】紡糸口金より溶融吐出されたポリエステル繊維を冷却装置によりガラス転移温度以下に冷却し、前記繊維が集束されて糸の状態になったものを引き取りローラの引き取り速度が3000m/min以上4000m/min以下の状態で、引き取りローラあるいは引き取りローラの下流に設置された加熱装置によりガラス転移温度以上に昇温した後巻き取り、複屈折率Δnが0.07以下、破断伸度が80%以上、比重が1.35g/cm3以上の物性値を有するポリエステル繊維を得るようにしてある。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は延伸仮撚加工に最適なポリエステル繊維およびポリエステル繊維の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半延伸糸(POY)のポリエステル繊維を製造する場合は、図5に示されるようなポリエステル溶融ポリマ100を吐出する紡糸装置1と、吐出された繊維110が集束されて糸120の状態になったものを所定の速度で引き取る引き取りローラ2と、引き取りローラ2から送られる糸120をパッケージ130として巻き取る巻取装置3とにより構成するポリエステル繊維製造設備が使用されている。
【0003】
紡糸装置1はスピンビーム5と、冷却装置6と、油剤付与ガイド7とにより構成され、スピンビーム5には紡糸口金10、フイルタ材(図示せず)等が内装された紡糸パック9と、ポリエステル溶融ポリマー100を該紡糸パック9に送るポリマー管8と、ポリエステル溶融ポリマー100を紡糸口金10より吐出させるためのポンプ(図示せず)等を内装しこれ等を所定の温度に加熱するようになっている。該紡糸パック9はポリマー管8の先端部に着脱自在に取り付けられている。
【0004】
該冷却装置6は冷却部本体11と、冷却用風を整流して吹き出す整流体12と、送風用のブロァ13と、該ブロァ13と冷却部本体11とを連結する送風管14とにより構成し、紡糸口金10から吐出された繊維110に該繊維の走行方向と直交する方向から冷却用風を吹き出してガラス転移点以下に冷却するようになっている。
【0005】
油剤付与ガイド7は油剤貯留槽と油剤供給用のポンプと油剤送り用管と油剤付与用のガイド等により構成し冷却部本体11機台等に取り付けられており、繊維110が集束され1本の糸120の状態になったものに所定の油剤を付与するようになっている。
【0006】
引き取りローラ2は第1引き取りローラ15と第2引き取りローラ16とにより構成され、糸120が弛み、揺れ等を生じない状態で走行させるようになっている。
【0007】
巻取装置3は糸巻取用のボビンを保持するスピンドル17と、糸を綾振りさせるトラバス機構18と、スピンドル17またはスピンドル17上に巻き取られた糸に所定の面圧で接触する接触ローラ19とを備え、スピンドル17が1本の構成、複数本のスピンドル17がターレット部材に取り付けられ、該スピンドル17が巻取位置と玉揚げ位置に順次移動する構成の何れかを使用する。
【0008】
上述のポリエステル繊維製造設備に使用して1繊維当たりポリマー吐出量を1.2g/minになるようにし、第1引き取りローラ15と第2引き取りローラ16の引き取り速度と巻取装置3の巻取速度を3000m/min、3500m/min、4000m/min、4500m/min、5000m/minの条件でポリエステル溶融ポリマー100を紡糸口金10から吐出して冷却装置6からの冷却風によりガラス転移点以下に冷却し、ポリエステル繊維110を集束して糸120の状態で油剤付与ガイド7により所定の油剤を付与た後、第1引き取りローラ15、第2引き取りローラ16で弛み、揺れ等のない状態で引き取り次いで巻取装置4によりパッケージ130として巻き取った場合、繊度(dtx)および破断伸度(%)、複屈折率(△n)、比重(g/cm3)等の物性値を測定したところ表1に示す通りであった。
【0009】
【表1】
Figure 2005097750
【0010】
表1からポリエステル繊維は物性値の破断伸度が80%以上、複屈折率(Δn)が0.07以下のものは引き取り、巻き取りの速度が4000m/min以下の速度であり、比重が1.35g/cm3以下のものは引き取り、巻き取りの速度が4500m/min以下の速度になっていることが判る。
【0011】
上述の引き取り速度と巻取速度が4000m/minの条件で得られた破断伸度が93%、複屈折率(△n)が0.068、比重が1.338g/cm3の物性値を有するポリエステル繊維110(サンプル1−3)を図6に示されるようなパッケージ130から糸120を引き出して所定の速度で送る第1送りローラ51と、糸120を所定の温度に加熱する接触型あるいは非接触型の加熱装置52と、冷却装置53、糸130に撚りを付与する仮撚装置54と、第1送りローラ51より高速度回転し糸120を延伸する第2送りローラ55と、延伸仮撚加工された嵩高加工糸140を巻き取る巻取装置56とがこの順序で設置された延伸仮撚機を使用し、加工速度が1000m/min、延伸倍率が1.54、加工張力が49cNと、加工速度が1400m/min、延伸倍率が1.60、加工張力が57cNの条件で延伸仮撚加工を行ったところ得られた嵩高加工糸140の残留伸度が25.5%と19.7%であり、表5、表6に比較例として表示する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような比重が1.338g/cm3のような物性値を有する半延伸糸のポリエステル繊維(サンプル1−3)の場合には加工速度が1000m/min、加工張力が49cNのような条件で延伸仮撚加工されると得られた嵩高加工糸140(表5のサンプル1−3)の残留伸度は25.5%となり、加工速度が1400m/min、加工張力が57cNのような高速度、高張力の状態で延伸仮撚加工されると得られた嵩高加工糸140(表6のサンプル1−3)の残留伸度は19.7%と低下し、加工速度の高速度化、高張力化に対処することができないという問題がある。
【0013】
また、伸度の低い嵩高加工糸140ではその後の織布工程や編みたて工程において糸切れの増加、布品質の低下を生じるという問題がある。
【0014】
本発明は延伸仮撚加工する工程において高速度化、高張力化を行なっても伸度低下を生じないポリエステル繊維を得ることを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を達成するために本発明のポリエステル繊維は請求項1に記載にように複屈折率(Δn)が0.07以下、破断伸度が80%以上、比重が1.35g/cm3以上の物性値を有している。
【0016】
また、本発明のポリエステル繊維の製造方法は請求項2に記載にように紡糸口金より溶融吐出されたポリエステル繊維を冷却装置によりガラス転移温度以下に冷却し、前記繊維が集束されて糸状になったものを引き取りローラの引き取り速度が3000m/min以上4000m/min以下の状態で、引き取りローラあるいは引き取りローラの下流に設置された加熱装置によりガラス転移温度以上に昇温した後巻き取り、複屈折率(Δn)が0.07以下、破断伸度が80%以上、比重が1.35g/cm3以上の物性値を有するポリエステル繊維を得るようにしてある。
【0017】
本発明のポリエステル繊維の製造方法は請求項3に記載にように紡糸口金より溶融吐出されたポリエステル繊維を筒状の空気整流体で形成された冷却部と、該冷却部の下流に設けられた繊維の走行方向の気流と共に繊維が走行する応力緩和部においてガラス転移温度以下に冷却し、引き取りローラあるいは引き取りローラの下流に設置された加熱装置によりガラス転移温度以上に昇温した後巻き取り、複屈折率(Δn)が0.07以下、破断伸度が80%以上、比重が1.35g/cm3以上の物性値を有するポリエステル繊維を得るようにしてある。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明のポリエステル繊維は繊維軸方向の複屈折率(Δn)が0.07以下、破断伸度が80%以上、比重が1.35g/cm3以上の物性値を有することを特徴とするもである。
【0019】
延伸仮撚機により複屈折率(Δn)が0.07より高くかつ破断伸度が80%以下の半延伸糸(POY)のポリエステル繊維を延伸仮撚加工すると、複屈折率(Δn)、破断伸度(%)および糸に付着させた油剤等に僅かなばらつきがあっても延伸仮撚工程の加工張力が大きく変動し著しく糸切れが増加するため生産性が低下し好ましくない。
【0020】
そこで糸切れを増加させることなく、延伸仮撚工程において加工速度を増加し加工張力を増加したときに嵩高加工糸の残留伸度(%)が低下する問題を解決するため、鋭意検討の結果、複屈折率(Δn)が0.07以下、破断伸度が80%以上であるという条件を満たし、かつ比重を1.35g/cm3以上に高めることによって、延伸仮撚加工における加工張力を高めても、嵩高加工糸の残留伸度(%)が低下しないことを見出して本発明のポリエステル繊維に至ったものである。
【0021】
本発明のポリエステル繊維の製造方法を実施するするためのポリエステル繊維製造設備の構成の第1の実施例の概略図は図1に示す通りである。
【0022】
該ポリエステル繊維製造設備はポリエステル溶融ポリマ100を吐出する紡糸装置1と、吐出された繊維110が集束されて糸120の状態になったものを所定の速度で引き取る引き取りローラ2と、引き取りローラ2から送られる糸120をパッケージ130として巻き取る巻取装置3と、引き取りローラ2における第1引き取りローラ15と第2引き取りローラ16の間に設置された加熱装置4とにより構成されている。
【0023】
この内紡糸装置1、引き取りローラ2、巻取装置3は図5に示される従来のポリエステル繊維製造設備の構成と同一であるため説明を省略する。
【0024】
加熱装置4は図2、図3に示されるように覆い部20aと給電用ケーブルを有するコネクタ20b、20cと取り付け用ブラケツト20dとを備えた加熱装置本体20と、該コネクタ20b、20c間に取り付けられたハロゲンランプ20とにより構成され、ハロゲンランプ21から所定の間隔をもって走行する糸120をガラス転移温度以上に加熱するようになっている。
【0025】
該加熱装置4は従来の延伸仮撚機に設置されているようなシーズヒータによって加熱されたブロックに糸が接触した状態で走行して加熱される接触型加熱装置、あるいは該ブロックから離れた位置を走行して加熱される非接触型加熱装置を使用することができる。
【0026】
また、上述の加熱装置4に代えて第1引き取りローラ15と第2引き取りローラ16の少なくとも一方を加熱ローラにして糸120を加熱する構成にできることは言うまでもない。
【0027】
【実施例1】
上述の第1のポリエステル繊維製造設備を使用して1繊維当たりポリマー吐出量が1.2g/min、加熱装置4の設定温度が180℃、第1引き取りローラ15と第2引き取りローラ16の引き取り速度および巻取装置3の巻取速度が3000m/min、3500m/min、4000m/min、4500m/min、5000m/minの条件でポリエステル繊維を製造する。
【0028】
紡糸口金10から吐出されたポリエステル溶融ポリマー100は冷却装置6からの冷却風によりガラス転移温度以下に冷却される。このとき第1引き取りローラ15の引き取り速度まで繊維110は加速されて所定の太さに細化され、複数の繊維110が油剤付与ガイド7を通過することによって集束されて糸120の状態で次行程に送られる。第1引き取りローラ15を出た糸120は加熱装置4のハロゲンランプ21の発光熱によってガラス転移温度以上の温度に加熱される。加熱された糸120は周囲の空気で冷却されながら第2引き取りローラ16に至り、該第2引き取りローラ16を出た糸120は巻取装置3によりパッケージ130として巻き取られる。
【0029】
該第1引き取りローラ15と第2引き取りローラ16と巻取装置3の回転速度は糸120が弛み、揺れ、糸切れ等のない状態で走行するように調整する必要がある。
【0030】
上述の各引き取り、巻き取り速度条件で得られたポリエステル繊維110の繊度(dtx)および破断伸度(%)、複屈折率(△n)、比重(g/cm3)等の物性値を測定したところ表2に示す通りであった。
【0031】
【表2】
Figure 2005097750
【0032】
該表2から引き取り速度と巻取速度が3000m/min〜4000m/minの範囲においては破断伸度が80%以上、複屈折率(Δn)が0.07以下、比重が1.35g/cm3以上の物性値のポリエステル繊維(サンプル2−1〜2−3)を得られることが判る。
【0033】
なお、引き取り速度と巻取速度が3000m/min以下になると、加熱装置4によりガラス転移温度以上の温度に加熱しても比重が1.35g/cm3以下にしかならず、引き取り速度と巻取速度が4000m/min以上になると、破断伸度が80%以下になる。
【0034】
これ等のことから引き取り速度と巻取速度は3000m/min以上、4000m/min以下にする必要がある。
【0035】
次に、本発明のポリエステル繊維の製造方法を実施するするためのポリエステル繊維製造設備の構成の第2の実施例の概略図は図4に示す通りである。
【0036】
該ポリエステル繊維製造設備はポリエステル溶融ポリマ100を吐出する紡糸装置22と、吐出された繊維110が集束されて糸120の状態になったものを所定の速度で引き取る引き取りローラ2と、引き取りローラ2から送られる糸120をパッケージ130として巻き取る巻取装置3と、引き取りローラ2における第1引き取りローラ15と第2引き取りローラ16の間に設置された加熱装置4とにより構成されている。
【0037】
この内、紡糸装置22におけるスピンビーム5と油剤付与用ガイド7、引き取りローラ2、巻取装置3等は従来のポリエステル繊維製造設備における装置の構成と同一であり、加熱装置4は図1〜図3に示される第1のポリエステル繊維製造設備における各装置の構成と同一であるため説明を省略する。
【0038】
紡糸装置22はスピンビーム5と、冷却装置23と、油剤付与ガイド7とにより構成されている。
【0039】
冷却装置23はスピンブロック5の下方に位置するように機台(図示せず)に設置された冷却部本体24と、紡糸パック9と同心状になるよう冷却部本体24に取り付けられ冷却用風を整流して繊維110に向かって円周方向から吹き出す環状の整流体25と、送風用のブロァ26と、該ブロァ26と冷却部本体24とを連結する送風管27とにより冷却部を構成し、紡糸口金10から吐出された繊維110に該繊維の走行方向と直交する方向から冷却用風を吹き出してガラス転移点以下に冷却する冷却部を形成すると共に、冷却部本体24の下部に一体的に取り付けられた応力緩和部本体28と、整流体25の下部に一体的に取り付けられた円錐状の連結部と所定長さの円筒部からなる気流用内筒29と、該気流用内筒29の円筒部の外周と所定の間隔を有するように応力緩和部本体28の底部に取り付けられた気流用外筒30と、送風用のブロァ31と、該ブロァ31と応力緩和部本体28とを連結する送風管32とにより構成し、気流用内筒29と気流用外筒30とによりエジェクタ機構を成して繊維110の走行方向と同方向の平行気流を繊維110に作用させて該繊維110がガラス転移点の状態で張力が減少されるような応力緩和部を形成するようになっている。
【0040】
【実施例2】
上述の第2のポリエステル繊維製造設備を使用して1繊維当たりポリマー吐出量が1.2g/min、第1引き取りローラ15と第2引き取りローラ16の引き取り速度および巻取装置3の巻取速度が3000m/min、3500m/min、4000m/min、4500m/min、5000m/min、加熱装置4の設定温度が180℃、冷却装置23における応力緩和部の平行気流速度が1200m/minの条件でポリエステル繊維を製造する。
【0041】
上述の各引き取り、巻き取り速度条件で得られたポリエステル繊維110の繊度(dtx)および破断伸度(%)、複屈折率(△n)、比重(g/cm3)等の物性値を測定したところ表3に示す通りであった。
【0042】
【表3】
Figure 2005097750
【0043】
該表3から引き取り速度と巻取速度が4000m/min〜4500m/minの範囲においては破断伸度が80%以上、複屈折率(Δn)が0.07以下、比重が1.35g/cm3以上の物性値のポリエステル繊維(サンプル3−1、3−2)を得られることが判る。
【0044】
なお、引き取り速度と巻取速度が5000m/min以上の場合には、得られたポリエステル繊維(サンプル3−3)の破断伸度が87%の状態であった。
【0045】
【実施例3】
実施例2における条件の内の冷却装置21における応力緩和部の平行気流速度を2400m/minに変更し、他の条件はそのままでポリエステル繊維を製造したところ、上述の各引き取り、巻き取り速度条件で得られたポリエステル繊維110の繊度(dtx)および破断伸度(%)、複屈折率(△n)、比重(g/cm3)等の物性値を測定したところ表4に示す通りであった。
【0046】
【表4】
Figure 2005097750
【0047】
該表4から引き取り速度と巻取速度が4000m/min〜5000m/minの範囲において破断伸度が80%以上、複屈折率(Δn)が0.07以下、比重が1.35g/cm3以上の物性値のポリエステル繊維(サンプル4−1〜4−3)を得ることができ、応力緩和部における平行気流速度を増加させると破断伸度(%)が高値に推移することが判る。
【0048】
上述の実施例1、2、3において引き取り、巻取速度が4000m/minの条件で得られたポリエステル繊維(サンプル2−3、3−1、4−1)を図6に示されるような延伸仮撚機を使用し、加工速度が1000m/min、延伸倍率が1.54、加工速度が1400m/min、延伸倍率が1.60の条件で延伸仮撚加工を行ない得られた嵩高加工糸140の残留伸度(%)は表5、表6の通りであった。
【0049】
【表5】
Figure 2005097750
【0050】
【表6】
Figure 2005097750
【0051】
該表5から本発明のポリエステル繊維(サンプル2−3、3−1、4−1)は何れも加工速度が1000m/min、加工張力が54cN〜58cNの場合では得られた嵩高加工糸140の残留伸度は何れも26%以上であることが判る。
【0052】
また、表6からサンプル4−1は加工速度が1400m/min、加工張力が62cNの場合でも得られた嵩高加工糸140の残留伸度は26%以上であり、他のサンプル2−3、4−1の場合も得られた嵩高加工糸140の残留伸度は23%以上を維持していることが判る。
【0053】
これに対して従来のポリエステル繊維(サンプル1−3)では加工速度が1000m/min、加工張力が49cNの場合は得られた嵩高加工糸140の残留伸度は25.5%であり、加工速度が1400m/min、加工張力が57cNの場合は得られた嵩高加工糸140の残留伸度は19.7%である。
【0054】
これ等のことから本発明のポリエステル繊維の場合は高加工速度、高張力の条件で延伸仮撚加工を行っても残留伸度(%)が高い嵩高加工糸を得ることができる。
【0055】
【発明の効果】
本発明のポリエステル繊維は請求項1に記載にように複屈折率(Δn)が0.07以下、破断伸度が80%以上、であり、比重が1.35g/cm3以上の物性値を有しているため、高速度、高張力で延伸仮撚加工しても高残留伸度の嵩高加工糸を得ることができる。
【0056】
また、本発明のポリエステル繊維の製造方法は請求項2に記載にように紡糸口金より溶融吐出されたポリエステル繊維を冷却装置によりガラス転移温度以下に冷却し、前記繊維が集束されて糸状になったものを引き取りローラの引き取り速度が3000m/min以上4000m/min以下の状態で、引き取りローラあるいは引き取りローラの下流に設置された加熱装置によりガラス転移温度以上に昇温した後巻き取り、複屈折率(Δn)が0.07以下、破断伸度が80%以上、比重が1.35g/cm3以上の物性値を有するポリエステル繊維を得るようにしているため、従来のポリエステル繊維と比較して延伸仮撚工程において加工速度が高速度化した場合、加工張力が増加した場合であっても嵩高加工糸の破断伸度(%)を高伸度に保つことができる。
【0057】
本発明のポリエステル繊維の製造方法は請求項3に記載にように紡糸口金より溶融吐出されたポリエステル繊維を筒状の空気整流体で形成された冷却部と、該冷却部の下流に設けられた繊維の走行方向の気流と共に繊維が走行する応力緩和部においてガラス転移温度以下に冷却し、引き取りローラあるいは引き取りローラの下流に設置された加熱装置によりガラス転移温度以上に昇温した後巻き取り、複屈折率(Δn)が0.07以下、破断伸度が80%以上、比重が1.35g/cm3以上の物性値を有するポリエステル繊維を得るようにしているため、延伸仮撚工程において加工速度が1400m/minのような高速度で、加工張力が62cNと高張力の場合でも1000m/min、加工張力が49cNで加工した嵩高加工糸の破断伸度(%)より高伸度に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるポリエステル繊維の製造装置の構成の第1の実施例を示す概略図である。
【図2】図1における加熱装置の構成の第1の実施例を示す概略図である。
【図3】図2におけるI−I矢視図である。
【図4】本発明におけるポリエステル繊維の製造装置の構成の第2の実施例を示す概略図である。延伸仮撚工程の説明図である。
【図5】従来のポリエステル繊維の製造装置の構成の一実施例を示す概略図である。
【図6】延伸仮撚機の構成の一実施例を示す概略図である。
【符号の説明】
1、22 紡糸装置
2 引き取りローラ
3 巻取装置
4 加熱装置
5 スピンビーム
6、23 冷却装置
7 油剤付与ガイド
8 ポリマー管
9 紡糸パック
10 紡糸口金
11、24 冷却部本体
12、25 整流体
13、26、31 ブロァ
14、27、32 送風管
15 第1引き取りローラ
16 第2引き取りローラ
17 スピンドル
18 トラバース機構
19 接触ローラ
20 加熱装置本体
21 ハロゲンランプ
28 応力緩和部本体
29 気流用内筒
30 気流用外筒
100 溶融ポリマー
110 繊維
120 糸
130 パッケージ
140 嵩高加工糸
20a 覆い部
20b、20c コネクタ
20d 取り付け用ブラケット

Claims (3)

  1. 複屈折率(Δn)が0.07以下、破断伸度が80%以上、比重が1.35g/cm3以上の物性値を有することを特徴とするポリエステル繊維。
  2. 紡糸口金より溶融吐出されたポリエステル繊維を冷却装置によりガラス転移温度以下に冷却し、前記繊維が集束されて糸状になったものを引き取りローラの引き取り速度が3000m/min以上4000m/min以下の状態で、引き取りローラあるいは引き取りローラの下流に設置された加熱装置によりガラス転移温度以上に昇温した後巻き取り、複屈折率(Δn)が0.07以下、破断伸度が80%以上、比重が1.35g/cm3以上の物性値を有するポリエステル繊維を得ることを特徴とするポリエステル繊維の製造方法。
  3. 紡糸口金より溶融吐出されたポリエステル繊維を筒状の空気整流体で形成された冷却部と、該冷却部の下流に設けられた繊維の走行方向の気流と共に繊維が走行する応力緩和部においてガラス転移温度以下に冷却し、引き取りローラあるいは引き取りローラの下流に設置された加熱装置によりガラス転移温度以上に昇温した後巻き取り、複屈折率(Δn)が0.07以下、破断伸度が80%以上、比重が1.35g/cm3以上の物性値を有するポリエステル繊維を得ることを特徴とするポリエステル繊維の製造方法。
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