JP2005097362A - 積層板用プリプレグ及び積層板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 誘電率、誘電正接に優れ、さらに成形性、耐熱性等にも優れた積層板用プリプレグ、及びこれを用いた金属張積層板を提供する。
【解決手段】 特定の構造(含芳香族系ポリエーテル結合)を有するビニル化合物を必須成分とする樹脂組成物と有機高分子基材からなる積層板用プリプレグ及び金属張積層板。
【効果】 低誘電率、低誘電正接で、成形性、耐熱性が良好である積層板用プリプレグ、及び金属張積層板が得られる。
【選択図】なし
【解決手段】 特定の構造(含芳香族系ポリエーテル結合)を有するビニル化合物を必須成分とする樹脂組成物と有機高分子基材からなる積層板用プリプレグ及び金属張積層板。
【効果】 低誘電率、低誘電正接で、成形性、耐熱性が良好である積層板用プリプレグ、及び金属張積層板が得られる。
【選択図】なし
Description
本発明は、特定の構造を有するビニル化合物を使用する樹脂組成物を用いた積層板用プリプレグ、及び該プリプレグと金属箔からなる金属張積層板に関する。本発明から得られる金属張積層板は、低誘電率・低誘電正接であり、高周波用途に使用されるプリント配線板として有用な材料である。
近年、通信やコンピューター等の進歩に伴い高周波化が進んでおり、信号伝達速度の向上及び伝送ロスの低減化を目的として、プリント配線板に対して低誘電特性化が要求されている。この要求に対応するために、誘電特性に優れたふっ素樹脂やポリフェニレンエーテル等の熱可塑樹脂や、ポリフェニレンエ−テルにエポキシ樹脂、スチレンを主としたビニル化合物、シアネ−トエステル樹脂及びビスマレイミドトリアジン樹脂等の材料が提案されているが、誘電特性が良好な組成物は、融点や軟化点が高いことから成形に高温、高圧が必要であったり、成形性が十分でなかったり、硬化物が硬くて脆く、接着性、耐半田性に問題があり、更なる改善が望まれていた。ビニル化合物を使用する事例としては、ポリエ−テルイミドとビニル−ジビニル共重合体を使用して誘電特性の向上を図る手法が提案(例えば特許文献1参照)されているが、ビニル−ジビニル共重合体を製造する際に、そのモノマ−であるスチレン・ジビニルベンゼンが揮発しやすく、組成が変化する欠点や、できあがった硬化物が脆いという問題がある。また、ノボラック型の芳香族炭化水素−ホルムアルデヒド樹脂に、中央にアルキレンエ−テル構造をもつ両末端ジビニル化合物を硬化剤として使用し、可撓性を持たせた組成物が提案されている(例えば特許文献2参照)が、誘電特性について不明である。
特開平5−156159公報
特開平5−78552公報
本発明の目的は、プリント配線板材料において、近年著しく高周波化している使用形態に応えるべく、要求特性の中で誘電率、誘電正接に優れ、さらに成形性、耐熱性等にも優れた積層板用プリプレグ、及びこれを用いた金属張積層板の提供である。
本発明者らは、特定の構造を有するビニル化合物を必須成分として用い、必要に応じて、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を配合した樹脂組成物を用いることにより、誘電特性、成形性、耐熱性に優れる積層板用プリプレグ及び金属張積層板が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、一般式(1)で示される特定の構造を有するビニル化合物を必須成分とする樹脂組成物と有機高分子基材からなる積層板用プリプレグ及び該プリプレグと金属箔からなる金属張積層板である。
本発明の積層板用プリプレグ及び金属張積層板は低誘電率、低誘電正接であり、成形性、耐熱性が良好である。したがって、高周波用電気部品の絶縁材料に好適であり、高周波信号用配線基板用材料として好適である。
本発明の必須成分であるビニル化合物は、一般式(1)で表されるビニル化合物であれば、特に限定されるものではない。一般式(1)において、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基またはフェニル基である。-(O-X-O)-は構造式(2)、構造式(3)で定義される1種類の構造または2種類以上の構造からなる。R8,R9,R10,R14,R15は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R11,R12,R13は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R16,R17,R22,R23は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R18,R19,R20,R21は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。Aは、炭素数20以下の直鎖状あるいは、分岐状あるいは、環状炭化水素である。-(Y-O)-は構造式(4)で定義される1種類の構造、または構造式(4)で定義される2種類以上の構造がランダムに配列したものである。R24,R25は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R26,R27は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。Zは、炭素数1以上の有機基であり、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子を含むこともある。a,bは、少なくともいずれか一方が0でない、0〜30の整数を示す。c,dは、0または1の整数である。特に、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7は水素原子、R8,R9,R10,R14,R15,R16,R17,R22,R23は炭素数3以下のアルキル基、R11,R12,R13,R18,R19,R20,R21は水素原子または炭素数3以下のアルキル基、Zはメチレン基、c、dは1であるビニル化合物が好適である。
一般式(1)で示されるビニル化合物の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、特願2002-216724、特願2002-224937、特願2003-110687に記載の方法などで製造することができる。一般式(1)で示されるビニル化合物の数平均分子量は 500〜3,000の範囲が望ましい。数平均分子量が 3,000を超えると融点の上昇に伴い、溶剤に対しての溶解性の低下や反応性が低下し、数平均分子量が 500未満であると低誘電特性が発現しにくい傾向がある。
本発明に使用される樹脂組成物に使用する熱硬化性樹脂としては、プリント配線材料に使用される熱硬化性樹脂であれば、特に限定されるものではない。熱硬化性樹脂の代表的な例としては、エポキシ樹脂、シアン酸エステル樹脂、 ビスマレイミドーシアン酸エステル樹脂、マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和基含有ポリフェニレンエーテル樹脂などが挙げられ、1種もしくは2種以上を適宜組み合わせて使用することも可能である。好適なものとしては、エポキシ樹脂、またはシアン酸エステル樹脂が挙げられる。本発明に使用される熱硬化性樹脂には、必要に応じて、熱硬化性樹脂の硬化剤、硬化促進剤を併用することも可能である。これらは周知であり、熱硬化性樹脂の硬化剤、硬化促進剤に一般に使用されるものであれば、特に限定されるものではない。
本発明に好適に使用されるエポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば、特に限定されるものではない。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ、ビスフェノールF型エポキシ、ビスフェノールZ型エポキシ、ビフェノール・エポキシ、テトラメチルビフェノール・エポキシ、ヘキサメチルビフェノール・エポキシ、キシレンノボラック・エポキシ、ビフェニルノボラック・エポキシ、ジシクロペンタジエンノボラック・エポキシ、フェノールノボラック・エポキシ、クレゾールノボラック・エポキシ、あるいはこれらの臭素化された難燃性エポキシ樹脂などが例示され、単独または2種類以上適宜配合して使用することも可能である。
本発明に好適に使用されるシアン酸エステル樹脂としては、1分子中に2個以上のシアネート基を有する化合物であれば、特に限定されるものではない。具体的には、1,3-または1, 4-ジシアネートベンゼン、1,3,5-トリシアネートベンゼン、1,3-、1,4-、1,6-、1,8-、2,6-または2,7-ジシアネートナフタレン、1,3、6-トリシアネートナフタレン、4,4’-ジシアネートビフェニル、ビス(4-シアネートフェニル)メタン、2,2-ビス(4-シアネートフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジブロモ-4-シアネートフェニル)プロパン、ビス(4-シアネートフェニル)エーテル、およびノボラックとハロゲン化シアンとの反応により得られるシアネート類などが例示され、1種もしくは2種以上を適宜組み合わせて使用することも可能である。
本発明に使用される樹脂組成物に使用する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカ−ボネ−ト、ポリフェニレンエ−テル、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ABS樹脂、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリオレフィンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に使用される一般式(1)で示されるビニル化合物を必須成分とする樹脂組成物は、硬化速度を速くして作業性、経済性などを改善する目的で熱硬化触媒を添加することができる。熱硬化触媒としては、ビニル基の重合を開始しうるカチオンまたはラジカル活性種を、熱または光によって生成するものが使用できる。例えば、カチオン重合開始剤としては、BF4、PF6、AsF6、SbF6を対アニオンとするジアリルヨードニウム塩、トリアリルスルホニウム塩および脂肪族スルホニウム塩が挙げられ、ラジカル重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチル等のベンゾイン系化合物、アセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン系化合物、チオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、4,4’-ジアジドカルコン、2,6-ビス(4’-アジドベンザル)シクロヘキサノン、4,4’-ジアジドベンゾフェノン等のビスアジド化合物、アゾビスイソブチロニトリル、2,2-アゾビスプロパン、ヒドラゾン等のアゾ化合物、2,5-ジメチル-2.5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2.5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物等が挙げられる。これらは単独または2種類以上混合して用いることができる。
本発明に使用される樹脂組成物には、公知の無機或いは有機の充填剤、染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、カップリング剤、光増感剤、紫外線吸収剤、難燃剤などの各種添加剤を所望により添加することができる。
本発明において必要に応じて使用する有機溶剤としては、樹脂組成物と相溶するものであれば、特に限定されるものではない。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジメチルエーテル、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ、単独もしくは2種以上の溶剤を適宜混合して使用することが可能である。
本発明において使用される有機高分子基材としては、有機高分子樹脂を使用した、織布・不織布・シ−ト・多孔質体であれば、特に限定されるものではない。具体的には、液晶樹脂、例えば、芳香族ポリアミド、ポリフェニレンビスベンゾチアゾ−ル等のライオトロピック液晶樹脂、芳香族ポリエステル、ポリエステルアミド等のサ−モトロピック液晶樹脂や、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂等が例示され、目的とする用途や性能により適宜選択され、必要により、単独もしくは2種類以上を組み合わせて使用することも可能である。基材の厚みについては、特に制限はされるものではないが、通常は3〜200μm程度を使用する。
本発明の積層板用プリプレグの製造方法は、一般式(1)で示されるビニル化合物を必須成分とする樹脂組成物と基材を組み合わせ、プリプレグが得られるものであれば、特に限定されるものではない。具体的には、上記樹脂組成物を、基材に含浸又は塗布させた後、100〜200℃の乾燥機中で、1〜30分加熱させる方法などにより、Bステージ化して、プリプレグを製造する方法などが例示される。基材に対する樹脂組成物の付着量は、プリプレグの樹脂量で30〜90重量%の範囲である。
本発明の好ましい態様である金属張積層板は、前述の積層板用プリプレグを用いて積層成形したものである。具体的には前述のプリプレグを適宜、1枚ないし複数枚以上を重ね、所望によりその片面もしくは両面に、銅やアルミニウムなどの金属箔を配置した構成で、積層成形することにより製造する。使用する金属箔は、プリント配線板材料に用いられるものであれば特に限定されるものではない。
金属張積層板の成形条件としては、通常のプリント配線板用積層板及び多層板の手法が適用できる。例えば、多段プレス、多段真空プレス、連続成形、オートクレーブ成形機などを使用し、温度 100〜300℃、圧力 0.2〜10MPa、加熱時間 0.1〜5時間の範囲が一般的である。また本発明のプリプレグと、別途作成した内層用の配線板を組み合わせ、積層成形することにより、多層板とすることも可能である。
以下に、実施例および比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、「部」および「%」は重量部、重量%をあらわす。
合成例1
(2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体の合成)
攪拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12Lの縦長反応器にCuBr2 3.88g(17.4mmol)、N,N’-ジ-t-ブチルエチレンジアミン 0.75g(4.4mmol)、n-ブチルジメチルアミン 28.04g(277.6mmol)、トルエン 2,600gを仕込み、反応温度 40℃にて攪拌を行い、あらかじめ 2,300gのメタノールに溶解させた2,2’-,3,3’-,5,5’-ヘキサメチル-(1,1’-ビフェノール)-4,4’-ジオール 129.32g(0.48mol)、2,6-ジメチルフェノール 292.19g(2.40mol)、N,N’-ジ-t-ブチルエチレンジアミン 0.51g(2.9mmol)、n-ブチルジメチルアミン 10.90g(108.0mmol)の混合溶液(構造式(2)で表される2価のフェノール体と構造式(3)で表される1価のフェノール体のモル比率1:5)を、窒素と空気とを混合して酸素濃度 8%に調整した混合ガスを 5.2 L/minの流速でバブリングを行いながら 230分かけて滴下し、攪拌を行った。滴下終了後、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム 19.89g(52.3mmol)を溶解した水 1,500gを加え、反応を停止した。水層と有機層を分液し、有機層を 1Nの塩酸水溶液、次いで純水で洗浄した。得られた溶液をエバポレーターで 50wt%に濃縮し、2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体(樹脂「A」)のトルエン溶液を 833.40g得た。樹脂「A」の数平均分子量は 930、重量平均分子量は 1,460、水酸基当量が 465であった。
(2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体の合成)
攪拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12Lの縦長反応器にCuBr2 3.88g(17.4mmol)、N,N’-ジ-t-ブチルエチレンジアミン 0.75g(4.4mmol)、n-ブチルジメチルアミン 28.04g(277.6mmol)、トルエン 2,600gを仕込み、反応温度 40℃にて攪拌を行い、あらかじめ 2,300gのメタノールに溶解させた2,2’-,3,3’-,5,5’-ヘキサメチル-(1,1’-ビフェノール)-4,4’-ジオール 129.32g(0.48mol)、2,6-ジメチルフェノール 292.19g(2.40mol)、N,N’-ジ-t-ブチルエチレンジアミン 0.51g(2.9mmol)、n-ブチルジメチルアミン 10.90g(108.0mmol)の混合溶液(構造式(2)で表される2価のフェノール体と構造式(3)で表される1価のフェノール体のモル比率1:5)を、窒素と空気とを混合して酸素濃度 8%に調整した混合ガスを 5.2 L/minの流速でバブリングを行いながら 230分かけて滴下し、攪拌を行った。滴下終了後、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム 19.89g(52.3mmol)を溶解した水 1,500gを加え、反応を停止した。水層と有機層を分液し、有機層を 1Nの塩酸水溶液、次いで純水で洗浄した。得られた溶液をエバポレーターで 50wt%に濃縮し、2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体(樹脂「A」)のトルエン溶液を 833.40g得た。樹脂「A」の数平均分子量は 930、重量平均分子量は 1,460、水酸基当量が 465であった。
(ビニル化合物の合成)
攪拌装置、温度計、還流管を備えた反応器に樹脂「A」のトルエン溶液 833.40g、ビニルベンジルクロライド(商品名CMS-P;セイミケミカル(株)製)160.80g、塩化メチレン 1600g、ベンジルジメチルアミン 12.95g、純水 420g、30.5wt% NaOH溶液 175.9gを仕込み、反応温度 40℃で攪拌を行った。24時間攪拌を行った後、有機層を1Nの塩酸水溶液、次いで純水で洗浄した。得られた溶液をエバポレーターで濃縮し、メタノール中へ滴下して固形化を行い、濾過により固体を回収、真空乾燥して樹脂「B」501.43gを得た。樹脂「B」の数平均分子量は 1165、重量平均分子量は 1630であった。
攪拌装置、温度計、還流管を備えた反応器に樹脂「A」のトルエン溶液 833.40g、ビニルベンジルクロライド(商品名CMS-P;セイミケミカル(株)製)160.80g、塩化メチレン 1600g、ベンジルジメチルアミン 12.95g、純水 420g、30.5wt% NaOH溶液 175.9gを仕込み、反応温度 40℃で攪拌を行った。24時間攪拌を行った後、有機層を1Nの塩酸水溶液、次いで純水で洗浄した。得られた溶液をエバポレーターで濃縮し、メタノール中へ滴下して固形化を行い、濾過により固体を回収、真空乾燥して樹脂「B」501.43gを得た。樹脂「B」の数平均分子量は 1165、重量平均分子量は 1630であった。
合成例2
(2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体の合成)
攪拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12Lの縦長反応器にCuCl 13.1g(0.12mol)、ジ-n-ブチルアミン 707.0g(5.5mol)、メチルエチルケトン 4000gを仕込み、反応温度 40℃にて攪拌を行い、あらかじめ 8000gのメチルエチルケトンに溶解させた 4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルフェノール)410.2g(1.6mol)と 2,6-ジメチルフェノール 586.5g(4.8mol)を2 L/minの空気のバブリングを続けながら撹拌を行った。これに、エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム水溶液を加え、反応を停止した。その後、1Nの塩酸水溶液で3回洗浄を行った後、イオン交換水で洗浄を行った。得られた溶液をエバポレーターで濃縮し、さらに減圧乾燥を行い、2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体(樹脂「C」)を 946.6g得た。樹脂「C」の数平均分子量は 801、重量平均分子量は 1081、水酸基当量が 455であった。
(2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体の合成)
攪拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12Lの縦長反応器にCuCl 13.1g(0.12mol)、ジ-n-ブチルアミン 707.0g(5.5mol)、メチルエチルケトン 4000gを仕込み、反応温度 40℃にて攪拌を行い、あらかじめ 8000gのメチルエチルケトンに溶解させた 4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルフェノール)410.2g(1.6mol)と 2,6-ジメチルフェノール 586.5g(4.8mol)を2 L/minの空気のバブリングを続けながら撹拌を行った。これに、エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム水溶液を加え、反応を停止した。その後、1Nの塩酸水溶液で3回洗浄を行った後、イオン交換水で洗浄を行った。得られた溶液をエバポレーターで濃縮し、さらに減圧乾燥を行い、2官能性フェニレンエーテルオリゴマー体(樹脂「C」)を 946.6g得た。樹脂「C」の数平均分子量は 801、重量平均分子量は 1081、水酸基当量が 455であった。
(ビニル化合物の合成)
攪拌装置、温度計、還流管を備えた反応器に樹脂「C」480.0g、ビニルベンジルクロライド(商品名CMS-P;セイミケミカル(株)製)260.2g、テトラヒドロフラン 2000g、炭酸カリウム 240.1g、18-クラウン-6-エーテル 60.0gを仕込み、反応温度 30℃で攪拌を行った。6時間攪拌を行った後、エバポレーターで濃縮し、トルエン 2000gで希釈、水洗を行った。有機層を濃縮しメタノール中へ滴下して固形化を行い、濾過により固体を回収、真空乾燥して樹脂「D」392.2gを得た。樹脂「D」の数平均分子量は 988、重量平均分子量は 1420であった。
攪拌装置、温度計、還流管を備えた反応器に樹脂「C」480.0g、ビニルベンジルクロライド(商品名CMS-P;セイミケミカル(株)製)260.2g、テトラヒドロフラン 2000g、炭酸カリウム 240.1g、18-クラウン-6-エーテル 60.0gを仕込み、反応温度 30℃で攪拌を行った。6時間攪拌を行った後、エバポレーターで濃縮し、トルエン 2000gで希釈、水洗を行った。有機層を濃縮しメタノール中へ滴下して固形化を行い、濾過により固体を回収、真空乾燥して樹脂「D」392.2gを得た。樹脂「D」の数平均分子量は 988、重量平均分子量は 1420であった。
実施例1,2
合成例1で得られた樹脂「B」,「D」をそれぞれメチルエチルケトンに溶解し、樹脂分 60%となるように調整した。芳香族ポリエステル不織布(ベクルス、坪量:50g/m2、クラレ製)を、個々のワニスに浸し、樹脂を含浸させた後、160℃で3分間乾燥させて、タック性のない、170℃でのゲルタイム:120〜150秒の「プリプレグB」,「プリプレグD」を得た。次に、「プリプレグB」,「プリプレグD」を各々4枚ずつ重ね、その上下面に 12μmの電解銅箔を配置し、温度 200℃、圧力2MPaの条件で2時間プレスを行い、0.4mm厚の両面銅張積層板を各々作成した。また、両面にパターニングしたコア材(銅箔厚み 35μm)の両面に、「プリプレグB」,「プリプレグD」を各々1枚ずつ配置し、さらにその両面に 12μmの電解銅箔を配置し、温度 200℃、圧力2MPaの条件で2時間プレスを行い、4層板を各々作成した。この両面銅張積層板の特性、並びに4層板の成形性の評価結果を表―2に示した。
合成例1で得られた樹脂「B」,「D」をそれぞれメチルエチルケトンに溶解し、樹脂分 60%となるように調整した。芳香族ポリエステル不織布(ベクルス、坪量:50g/m2、クラレ製)を、個々のワニスに浸し、樹脂を含浸させた後、160℃で3分間乾燥させて、タック性のない、170℃でのゲルタイム:120〜150秒の「プリプレグB」,「プリプレグD」を得た。次に、「プリプレグB」,「プリプレグD」を各々4枚ずつ重ね、その上下面に 12μmの電解銅箔を配置し、温度 200℃、圧力2MPaの条件で2時間プレスを行い、0.4mm厚の両面銅張積層板を各々作成した。また、両面にパターニングしたコア材(銅箔厚み 35μm)の両面に、「プリプレグB」,「プリプレグD」を各々1枚ずつ配置し、さらにその両面に 12μmの電解銅箔を配置し、温度 200℃、圧力2MPaの条件で2時間プレスを行い、4層板を各々作成した。この両面銅張積層板の特性、並びに4層板の成形性の評価結果を表―2に示した。
実施例3〜6
表−1に示す配合比率で、樹脂分 60%となるように調整しワニスとし、表−1に示す基材にワニスに浸し、樹脂を含浸させた後、160℃で3分間乾燥させプリプレグを得た。このプリプレグを各々4枚ずつ重ね、その上下面に 12μmの電解銅箔を配置し、温度 200℃、圧力2MPaの条件で2時間プレスを行い、0.4mm厚の両面銅張積層板を作成した。また、両面にパターニングしたコア材(銅箔厚み 35μm)の両面にこれらのプリプレグを各々1枚ずつ配置し、さらにその両面に 18μmの電解銅箔を配置し、温度 200℃、圧力2MPaの条件で2時間プレスを行い、4層板を作成した。この両面銅張積層板の特性、並びに4層板の成形性の評価結果を表―2に示した。
表−1に示す配合比率で、樹脂分 60%となるように調整しワニスとし、表−1に示す基材にワニスに浸し、樹脂を含浸させた後、160℃で3分間乾燥させプリプレグを得た。このプリプレグを各々4枚ずつ重ね、その上下面に 12μmの電解銅箔を配置し、温度 200℃、圧力2MPaの条件で2時間プレスを行い、0.4mm厚の両面銅張積層板を作成した。また、両面にパターニングしたコア材(銅箔厚み 35μm)の両面にこれらのプリプレグを各々1枚ずつ配置し、さらにその両面に 18μmの電解銅箔を配置し、温度 200℃、圧力2MPaの条件で2時間プレスを行い、4層板を作成した。この両面銅張積層板の特性、並びに4層板の成形性の評価結果を表―2に示した。
比較例1,2
表−1に示す配合比率で、樹脂分 60%となるように調整しワニスとした。基材をワニスに浸し、樹脂を含浸させた後、160℃で3分間乾燥させプリプレグを得た。このプリプレグを4枚重ね、12μmの電解銅箔を両面に配置し、温度 200℃、圧力2MPaの条件で2時間プレスを行い、0.4mm厚の両面銅張積層板を作成した。また、両面にパターニングしたコア材(銅箔厚み 35μm)の両面にこららのプリプレグを各々1枚ずつ配置し、さらにその両面に 18μmの電解銅箔を配置し、温度 200℃、圧力2MPaの条件で2時間プレスを行い、4層板を作成した。この両面銅張積層板の特性、並びに4層板の成形性の評価結果を表―2に示した。
BT2110:ビスマレイミドトリアジンプレポリマ−(三菱ガス化学製)
FR53:臭素化ポリカ−ボネ−ト(三菱ガス化学製)
V:ベクルス(芳香族ポリエステル不織布、クラレ製、坪量:50g/m2)
A:ケブラー(ポリアミド不織布、デュポン製、坪量:40g/m2)
E:積層板用ガラスクロス(Eガラス、日東紡製、坪量:110 g/m2)
銅箔:3EC−III (三井金属鉱業製)
誘電率・誘電正接:空洞共振摂動法により測定(測定周波数 1GHz)
耐熱性:試験片を沸騰水に1時間浸漬後、260℃の半田浴に30秒浸漬し外観を目視で判定。(○:膨れなし △:小さな膨れあり ×:大きな膨れあり)
成形性:4層板の内層パターンの埋め込み性を目視で判定。(○:ボイドなし △:小さなボイドあり ×:大きなボイドあり)
表−1に示す配合比率で、樹脂分 60%となるように調整しワニスとした。基材をワニスに浸し、樹脂を含浸させた後、160℃で3分間乾燥させプリプレグを得た。このプリプレグを4枚重ね、12μmの電解銅箔を両面に配置し、温度 200℃、圧力2MPaの条件で2時間プレスを行い、0.4mm厚の両面銅張積層板を作成した。また、両面にパターニングしたコア材(銅箔厚み 35μm)の両面にこららのプリプレグを各々1枚ずつ配置し、さらにその両面に 18μmの電解銅箔を配置し、温度 200℃、圧力2MPaの条件で2時間プレスを行い、4層板を作成した。この両面銅張積層板の特性、並びに4層板の成形性の評価結果を表―2に示した。
FR53:臭素化ポリカ−ボネ−ト(三菱ガス化学製)
V:ベクルス(芳香族ポリエステル不織布、クラレ製、坪量:50g/m2)
A:ケブラー(ポリアミド不織布、デュポン製、坪量:40g/m2)
E:積層板用ガラスクロス(Eガラス、日東紡製、坪量:110 g/m2)
銅箔:3EC−III (三井金属鉱業製)
耐熱性:試験片を沸騰水に1時間浸漬後、260℃の半田浴に30秒浸漬し外観を目視で判定。(○:膨れなし △:小さな膨れあり ×:大きな膨れあり)
成形性:4層板の内層パターンの埋め込み性を目視で判定。(○:ボイドなし △:小さなボイドあり ×:大きなボイドあり)
Claims (3)
- 一般式(1)で示されるビニル化合物を必須成分とする樹脂組成物と有機高分子基材からなる積層板用プリプレグ。
- 上記樹脂組成物が熱硬化性樹脂、及び/又は熱可塑性樹脂である請求項1記載の積層板用プリプレグ。
- 請求項1又は2に記載の積層板用プリプレグと金属箔からなる金属張積層板。
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KR1020040065896A KR20050023039A (ko) | 2003-08-20 | 2004-08-20 | 수지조성물, 이를 이용한 라미네이트용 프리프렉 및 그프리프렉을 이용하여 제조한 금속-클래드 라미네이트 |
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EP04255019.4A EP1508594B1 (en) | 2003-08-20 | 2004-08-20 | Resin composition and prepreg for laminate and metal-clad laminate |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007169587A (ja) * | 2005-11-24 | 2007-07-05 | Sekisui Chem Co Ltd | 繊維複合体及びその製造方法 |
JP2010138366A (ja) * | 2008-04-01 | 2010-06-24 | Mitsubishi Gas Chemical Co Inc | 樹脂組成物、プリプレグおよび金属箔張り積層板 |
-
2003
- 2003-09-22 JP JP2003330410A patent/JP2005097362A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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