JP2005094742A - アンテナ装置及びこれを用いた通信機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 帯域幅が広く且つ平均利得も高いアンテナ装置及びこれを用いた通信機器の提供を目的とする。
【解決手段】 基体11と、基体11に形成された第1の放射電極12と、第1の放射電極12の一端が接続された給電用電極13と、他端が接続された端子電極14とを有するチップアンテナ10と、チップアンテナ10を非グランド部に搭載する実装基板20と、実装基板20のチップアンテナ搭載面に、あるいはチップアンテナ搭載面と反対側の裏面に形成し、端子電極14にスルーホール19で接続され他端が開放端41となる第2の放射電極40と、第2の放射電極40とチップアンテナ10の少なくとも一方と実装基板20のチップアンテナ搭載面側のグランド21a、チップアンテナ搭載面と反対側の裏面のグランド21bとの間に形成した溝穴30とを具備するアンテナ装置80である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、携帯電話や無線LAN(Local Area Network)などに用いられ、特にデュアルバンド、トリプルバンド等のマルチバンドに対応できる小型で帯域幅の広いアンテナ装置に関する。
携帯電話やパソコンなどの通信機器、電子機器に対する小型化の要請から、使用されるアンテナ装置も小型化する必要がある。そこで、誘電体や磁性体などの基体の表面或いは内部に、給電用電極、放射電極を設けたチップアンテナが使われるようになってきた。
一方、携帯電話のシステムには、例えば主に欧州で盛んなEGSM(Extended Global System for Mobile Communications)方式およびDCS(Digital Cellular System)方式、米国で盛んなPCS(Personal Communication Service)方式、日本で採用されているPDC(Personal Digital Cellular )方式などの時分割マルチプルアクセス(TDMA)を用いた様々なシステムがある。昨今の携帯電話の急激な普及に伴い、特に先進国の主要な大都市部においては各システムに割り当てられた周波数帯域ではシステム利用者を賄いきれず、接続が困難であったり、通話途中で接続が切断するなどの問題が生じている。そこで、利用者が複数のシステムを利用できるようにして、実質的に利用可能な周波数の増加を図り、さらにサービス区域の拡充や各システムの通信インフラを有効活用することが提唱されている。その為、1個のアンテナで2つ以上の周波数帯を共用するマルチバンド(multi-band)のニーズが増大している。例えば、携帯電話の多機能化のニーズに伴い、通話向けシステムであるセルラ(Cellular:国によって異なるが例えば送信周波数:824〜849 MHz、受信周波数:869〜894 MHz)と、位置検出の機能を果すGPS(Global Positioning System:中心周波数1575MHz帯)のデュアルバンド(dual-band)、また、あるいはEGSM(送信周波数:880〜915MHz、受信周波数:925〜960MHz)と、DCS(送信周波数:1710〜1785MHz、受信周波数:1805〜1880MHz)及びPCS(送信周波数:1850〜1910MHz、受信周波数:1930〜1990MHz)の各システムを取り扱うトリプルバンドに対応できるようなマルチバンド対応の小型アンテナ装置の実現が望まれている。
従来、図21に示すような、2つの放射電極を備えて2つの共振周波数に対応するチップアンテナを並設したデュアルバンドのアンテナ装置が提案された(例えば、特許文献1参照)。図21において、アンテナ装置90は、基板91と、基板91の一方主面92aに搭載された2つのチップアンテナ93a、93bで構成される。基板91の一方主面92aには給電線94と接地電極95が形成されている。接地電極95と2つのチップアンテナ93a、93bとは近接して配置される。給電線94の一端は2つに分けられ、それぞれ2つのチップアンテナ93a、93bの給電用電極96a、96bに接続され、他端は高周波信号源(図示せず)に接続されている。チップアンテナ93a、93bの基体上に形成された放射電極の他端は開放端となり、各々、第1放射電極97a、第2放射電極97bを構成してアンテナ装置となしている。
しかし、特許文献1のアンテナ装置では、長方体状のチップアンテナを2個用いている。小型化するために、チップアンテナ93bを基板91の他方主面92bに搭載することも提案されているが、その場合、実装基板の厚みも加わって薄型化のニーズには合わない。また、このとき接地電極95とチップアンテナ93aとの対向する面積の増加によりこれらの静電容量が大きくなることから帯域幅は減少方向となる。以上のことより、特許文献1では小型化・省スペース化と広帯域化の両立ができていなかった。
他方、特許文献2では、基体に形成された放射電極と、放射電極の一端が接続される給電用電極と、放射電極の他端が接続される端子電極とを備えたチップアンテナと、このチップアンテナを搭載し、その表面上に形成された放射導体を備えた実装基板とからなるアンテナ装置が開示されている。このアンテナ装置によればチップアンテナの放射電極と実装基板の放射導体とを接続するため、導体の実効長を長くすることができ、その結果アンテナ装置の放射電界が強くなり高利得及び広帯域幅が実現できるとある。
さらに、特許文献3に開示されたアンテナ装置では、実装基板上に搭載したチップアンテナとこれに隣接する高周波回路との間のグランド部に切り欠き状のスリットを設けることが提案されている。このアンテナ装置の場合、切り欠きスリットによりチップアンテナから高周波回路側に流れる高周波電流の流れを抑制し、その結果放射特性を改善することができるとある。
特開平11−4117号公報 特開平11−330830号公報 特開2001−274719号公報
従来のアンテナ装置においては、小型化・省スペース化と広帯域化の両立ができないという問題があった。その点で特許文献2では広帯域化の提案がなされているが、この場合低周波数帯域において帯域幅の劣化を抑えるだけでマルチバンドに対応できるものではなかった。また一方で、特許文献3のように切り欠きスリットによる高利得化の提案がなされているが、この場合はグランド電極上に流れる高周波電流の経路を特定するだけで広帯域化やマルチバンド化に対応できるものではなかった。
さらに、従来アンテナ基体に複数の放射電極を形成してマルチバンド化しようとする場合、各放射電極間に生じる静電容量のため、アイソレーションを保つことが困難になると言う問題があった。具体的には、放射電極間の静電容量が増加するほど、互いの高周波電流が反対方向に流れる結果、電磁波の放射を互いに弱め合うことになり、結果、利得(感度)が低下するという問題があった。即ち、マルチバンド対応のアンテナ装置にあっては、複数の周波数帯域においてそれぞれが広帯域且つ高利得であることが望ましいが、特許文献1、2共にそのような考慮はなく、その検討は途上であり課題として残されていた。
また、最近では健康面から、携帯電話等から入放射される電磁波が人体(頭部)に与える影響の軽減が重要視されてきており、電磁波吸収率(SAR:Specific Absorption Rate)を低減するアンテナ装置が望まれている。
そこで、本発明は、小型化・省スペース化を図ると共に、複数の周波数帯域においてもアイソレーション確保によって利得の低下を防ぐと共に、各周波数帯において帯域幅が広く且つ平均利得も高いマルチバンド対応のアンテナ装置及びこれを用いた通信機器の提供を目的とする。
そこで、本発明のアンテナ装置は、基体と、該基体に形成された放射電極と給電用電極とを有するチップアンテナと、グランド部と非グランド部を有し、前記チップアンテナを非グランド部に搭載する実装基板と、該実装基板の非グランド部には導体パターンで形成した少なくとも1つの第2の放射電極とを有し、前記第2の放射電極及び/又はチップアンテナと前記実装基板のグランド部との間に空間部分を設けたことを特徴としている。
本発明の一手段としては、図1、図9等に例示するように、基体11と、該基体11に形成された第1の放射電極12と、該第1の放射電極12の他端に接続された給電用電極13と、前記第1の放射電極12の一端が接続されるか、あるいは非接続にされた端子電極14とを有するチップアンテナ10と、グランド部21(通常、表面の21aと裏面の21bを合わせて21とするが、一方の面のみにある場合も含む。以下同様。)と非グランド部22(表面の22aと裏面の22bを合わせて22とする。以下同様。)を有し、前記チップアンテナ10を非グランド部22aに搭載する実装基板20と、該実装基板20のチップアンテナ搭載面の非グランド部22aにあって前記端子電極14に接続又は非接続にされ、他端が開放端41aとなる導体パターンで形成した少なくとも1つの第2の放射電極40とを有し、第2の放射電極40及び/又はチップアンテナ10と実装基板20のグランド部21aとの間に溝穴30からなる空間部分を設けたアンテナ装置80である。
本発明の別の一手段としては、図8、図10、図11、図14、図15に例示するように、基体11と、該基体11に形成された第1の放射電極12と、該第1の放射電極12の他端に接続された給電用電極13と、前記第1の放射電極12の一端が接続されるか、あるいは非接続にされた端子電極14とを有するチップアンテナ10と、グランド部21と非グランド部22を有し、前記チップアンテナ10を非グランド部22aに搭載する実装基板20と、該実装基板20のチップアンテナ搭載面に対向する他の面の非グランド部22bにあって前記端子電極14に接続又は非接続にされ、他端が開放端41aとなる導体パターンで形成した少なくとも1つの第2の放射電極40とを有し、第2の放射電極40及び/又はチップアンテナ10と実装基板20のグランド部21との間に溝穴30からなる空間部分を設けたアンテナ装置80である。
本発明の更に別の一手段としては図16に例示するように、基体11と、該基体11に形成された第1の放射電極12と、該第1の放射電極12の他端に接続された給電用電極13と、前記第1の放射電極12の一端が接続されるか、あるいは非接続にされた端子電極14とを有するチップアンテナ10と、グランド部21と非グランド部22を有する実装基板20と、該実装基板20とは別体の副基板25とを有し、当該副基板25のアンテナ搭載面の非グランド部22aあるいは対向する他の面の非グランド部22bには、前記端子電極に接続又は非接続にされ、他端が開放端41aとなる導体パターンで形成した少なくとも1つの第2の放射電極40を有し、前記副基板25に前記チップアンテナ10を搭載し、さらに当該副基板25を前記実装基板20から離間して装着し、前記第2の放射電極40及び/又はチップアンテナ10と前記実装基板20のグランド部21との間に空隙35からなる空間部分を設けてなるアンテナ装置である。
上記において、チップアンテナと第2の放射電極を形成した面が対向する他の面の場合は、前記実装基板に搭載したチップアンテナの端子電極と、他の面の第2の放射電極との接続をスルーホールを用いて行うことが小型にする上で、また特性を安定させる上で望ましい。
また、実装基板に搭載したチップアンテナと、他の面に形成した第2の放射電極が上から見て重ならないように配置することにより帯域幅が広がるので望ましい。一方、逆に重なるように配置した場合は中心周波数が下がるので、これを利用して周波数調整を行うことができる。
また、前記溝穴を設けたことにより形成される実装基板の残存部が前記第2の放射電極の開放端側にあることは望ましい。これにより、アンテナ基体の小型化が可能である。
また、前記第1の放射電極の他端と給電用電極との間を非接続に形成することも出来る。
また、本発明では、図1、図9に例示するように、第2の放射電極40の開放端41aが前記チップアンテナ10の給電用電極13に対して遠ざかるように第1の放射電極12から延長するように第2の放射電極40を形成することができる。この場合は、一つの共振モードではあるが広帯域を実現できるので、シングルバンド対応あるいは比較的近い複数の帯域、例えばDCSとPCSシステムの周波数帯をカバーするデュアルバンド対応のアンテナ装置に適している。
また、本発明は、図8、図10、図11、図14、図16に例示するように、第2の放射電極40の他方の開放端41bが前記チップアンテナ10の給電用電極13に対して近づくように端子電極14から折り返して第2の放射電極40を形成することができる。この場合は、第2の放射電極が双方向にあり2つの共振モードを有することから、お互いに離れている2つの帯域、例えばセルラーとGPSをカバーするデュアルバンド対応、またあるいはEGSMと、DCS、PCSをカバーするトリプルバンド対応のアンテナ装置に適している。
尚、上記においてチップアンテナ搭載面に対向する他の面に第2の放射電極を設けると述べているが、他の面は基板裏面に限らない。例えば、実装基板を積層基板となし、その中間層に第2の放射電極を設けること、若しくは他の層に第3、第4の放射電極を設けることによりデュアルバンド以上のマルチバンドに対応することも可能である。このようにチップアンテナ搭載面に対向する他の面、即ち、実装基板の裏面や多層基板の中間層に第2以下の放射電極を設けることができる。
そして、本発明は、上記した何れかのアンテナ装置を搭載したことを特徴とする携帯電話等の通信機器である。
本発明のアンテナ装置において、空間部分を設けたとあるが、ここで言う空間部分とは基板に設けた溝穴や基板同士を離して設けることによって生じた空隙等が考えられる。溝穴30は、実装基板20に設けられた貫通穴、スロット、切欠きスリット等がある。また、残存部31は溝穴30以外の部分である。例えば、図1は、溝穴30を実装基板20内で完結する貫通穴(スロット)とし、残存部31はその両端にある部分である。図6(a)は溝穴30を実装基板20の端部まで延びる切欠きとした例を、図6(b)は丸穴を複数個、チップアンテナ10及び第2の放射電極40とチップアンテナ搭載面側のグランド部21aとの間に形成した例を示している。尚、本発明では貫通しない溝穴を用いても良いが、その場合よりも貫通穴とした溝穴を用いる場合の方が帯域幅の拡大効果は大きい。また、切欠きスリットでは残存部を第2の放射電極の開放端側に配置できないことがあるため望ましくない場合がある。また、溝穴などを設ける範囲は、チップアンテナ及び第2の放射電極とグランド部との間に設けることが望ましく、少なくとも第2の放射電極とグランド部間には溝穴等の空間部分を設けると良い。
本発明に係るアンテナ装置は、第2の放射電極を設けることによって帯域幅が広がり、デュアルバンドやトリプルバンドに対応することが可能となる。このとき、チップアンテナ及び/又は第2の放射電極と、実装基板のグランド部との間に溝穴等の空間部を設けたことにより両者間の容量結合量が小さくなる。また第2の放射電極を実装基板の他の面(裏面)あるいは中間層等に設けた場合は、グランド部との離間距離がさらに増し両者間の容量結合がより小さくなる。これらによりQ値が小さくなると共に、アイソレーションが保たれ共振電流の損失も小さくなる。その結果、帯域幅が広く利得の高いアンテナ装置となる。
また、本発明に係るアンテナ装置は、第2の放射電極を実装基板のチップアンテナ搭載面とは異なる他の面に設けたので、基板スペースを有効利用し、より小型化が可能となる。
本発明のアンテナ装置では、放射電極はアンテナ基体だけではなく実装基板の主面や裏面あるいは中間層等に分散して設けることができたので人体頭部に近接される電界分布の集中が緩和される。この結果、携帯電話から人体頭部に放射される電磁波の吸収が軽減されSAR値が小さくなる。
これら本発明により、小型かつSAR値の小さいデュアルバンドあるいはトリプルバンド等のマルチバンドに対応の通信機を実現できた。
ここで本発明に係るアンテナ装置のアンテナ特性に及ぼす作用効果について説明する。
まず、広帯域化を図るためには、チップアンテナ及び/又は第2の放射電極と、実装基板のグランド部(チップアンテナ搭載面側のグランド部及び/又はチップアンテナ搭載面と反対側(裏面)のグランド部)との距離を離すことが重要である。本発明では距離を離すだけではなく溝穴を設けることにより広帯域化と高利得化に大きく関与することを知見した。本願発明では放射電極と電極間の容量成分で構成されるLC共振回路のうち第1、第2の放射電極と実装基板のグランド電極との間で形成される静電容量、特に第2の放射電極とグランド電極との間で形成される静電容量がQ値を支配していると考え、両者間に誘電率及び透磁率が1の空間部分である溝穴を設けることにより支配的な結合量を減少させQ値を小さくしたことが特徴である。ここで溝穴の隔離長さ(溝穴の幅)としては共振周波数の1/20λ以下(λは波長)であること、高い周波数帯では1/10λ以下であることが望ましいことも知見した。また、一方でアンテナ装置の小型化について考えれば、第2の放射電極の開放端とグランド部との間には残存部を形成することが効果的である。即ち、残存部があることにより開放端との間に容量が装荷し易い状況を残しておき放射電極の、ひいてはアンテナ装置の小型化を図ることが出来るからである。このことも本発明では重要な特徴である。また、溝穴を設けることにより平均利得の向上にも効果的であることも分かった。以上により、小型化を図りつつ帯域幅が広く且つ平均利得も高いアンテナ装置とすることが出来る。尚、上記でチップアンテナとグランド部との間に溝穴を設けると述べているが、グランド部と離間させる対象は詳しくは第1の放射電極、給電用電極及び端子電極等の電極パターンである、本発明ではこれらを含めてチップアンテナと記載している。
次に、本発明に係るアンテナ装置は、2つ以上の共振モードでお互いに離れている複数の帯域をカバーするマルチバンド化にも適している。マルチバンドに用いる場合には、実装基板に搭載したチップアンテナと、さらにチップアンテナと同一搭載面に形成した第2の放射電極、またはチップアンテナ搭載面の他の面に形成した第2の放射電極、あるいは多層基板、積層基板を用いる場合には中間層の表面に形成した第2の放射電極の少なくとも1つを組み合わせることで実施できる。即ち、第2、第3、第4・・・の放射電極を、チップアンテナ搭載面、チップアンテナ搭載面の反対面あるいは多層基板の中間層に線状導体パターンとして配置し、チップアンテナと組み合わせることにより、マルチバンドに対応させることができる。例えば、チップアンテナに形成した第1の放射電極の形状、長さ等を調節して第1の周波数帯域において共振するようになし、実装基板上に線状の導体パターンで形成した第2の放射電極の形状、長さ等を調節して第2の周波数帯域において共振するようになしデュアルバンド対応とすることができる。しかし、第1の放射電極と第2の放射電極の配置によっては複数の周波数帯域間でのアイソレーションがとれず、このため第1放射電極と第2放射電極の静電結合の増大によりアンテナからの電磁波の放射が妨げられる結果、利得が低下することがある。そこで、この点については第2の放射電極は実装基板の厚みを介してその裏面あるいは中間層に設けることが有効であり、これによってアイソレーションを確保できるようになした。
さらに、第2の放射電極を介した2つの共振モードを利用するために給電を行うが、これにはその開放端を給電用電極側に近づけて結合を確実にすることが必要である。第1の共振モードは第1の放射電極の自己インダクタンスと、第1の放射電極と基板のグランド電極との間で形成される静電容量、第1の放射電極と第2の放射電極の相互間で形成される静電容量とでLC共振回路が構成され、これらにより第1の共振モードが得られる。一方、第2の共振モードは第2の放射電極の自己インダクタンスと、第2の放射電極とグランド電極との間で形成される静電容量、第1の放射電極と第2の放射電極の相互間で形成される静電容量及び第2の放射電極の開放端と給電用電極との間で形成される静電容量とでLC共振回路が構成され、第2の共振モードが得られる。よって、第2の放射電極の開放端は給電電極側により近づくように配置させることにより、2つの共振モードが確実なものとなる。このような電極配置も本発明の特徴である。
以上により、給電用電極から各共振回路に信号が入力されると、入力信号のエネルギーは第1の周波数帯と第2の周波数帯において共振し、その一部が空中に放射されて送信アンテナとして機能する。逆に受信波が入力されると各共振回路を介して電圧に変換されて受信アンテナとして機能する。
上述してきた通り、第2の放射電極はチップアンテナの搭載面と同一面に形成しても良いし、裏面に設けることも出来る。裏面に形成した場合は基板裏面の導体パターンが、基板厚みを介して放射電極として機能するので基板厚みだけ、第1の放射電極との幾何学的平均距離が大きくなり、両者間の静電容量が減少する。その分両者間の結合が弱まりアイソレーションを確保でき、同時に帯域幅も広がる方向に作用する。例えば、チップアンテナの厚みは3mm程度であるが、チップアンテナを実装する基板実装基板(比誘電率εr=5の銅張積層基板)を0.6mm程度の厚みのアンテナ装置にすれば、形成される静電容量における電極間の間隔が3mmから3.6mmになる。その結果、第2の放射電極と第1の放射電極との間の結合は弱まり実装面に設けた場合よりもさらに広帯域化が達成される。
また、副基板を別体で設け、これにチップアンテナや第2の放射電極を形成する場合は、上記した効果の他に、アンテナ装置だけを独立して組立てることが出来ることから実装基板側の設計の制約を考える必要がなく、設計や組立て上の取り扱いが容易となる。また液晶画面等に対して距離を置いて配置できるのでノイズや電磁波の影響を受け難い構造とすることが出来る。さらに、人体頭部からアンテナに発せられる電界放射を遠ざけることにより、SAR値を大幅に低減できる効果も得られた。
ところで本発明のアンテナ装置において、第1の放射電極と第2の放射電極との間には端子電極を設けている。このとき第1の放射電極の一端と端子電極との間、また端子電極と第2の放射電極との間はそれぞれ直接接続した構造をとることも出来るし、あるいは非接続の構造をとることもできる。前者の場合、第1の放射電極と端子電極は区別せず一体の導体パターンで構成すれば良いし、第2の放射電極との間は半田等で電気的に接続すればよい。また、第2の放射電極を基板裏面に設けた場合はスルーホールを用いると簡便で確実である。この場合もスルーホール内に半田等を充填しても良いし、しなくても良い。一方、後者の非接続の場合は、容量結合を形成し電極間の静電容量は逆に増加する。本発明は小型化を図りつつ放射電極間の容量結合量を調整するものであるが、この場合は小型化の観点から容量結合を増加させ放射電極の長さを短くしてチップアンテナ自体を小型にすることを意図している。このことは第2の放射電極の開放端とグランド部との間に基板残存部を残しておくことと同じ意図である。尚、場合によっては、第1の放射電極の他端と給電用電極との間を非接続に形成して容量結合を図ることも出来る。この場合の意図は、給電電極と放射電極に直列接続した静電容量により、給電側で広帯域のインピーダンス整合を図るためである。これによって、アンテナ給電側では外付けの整合回路が不要となることから、アンテナ周辺回路の簡素や電力損失の低減が図れるため、アンテナ回路全体の効率向上を実現できた。このように広帯域化や高効率化と小型化のバランスを図ることも本発明の特徴である。
以下、本発明を図面に示す実施例によって具体的に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明に係るアンテナ装置80の一実施例を示す部分平面図である。実装基板20は、グランド部用の電極パターンが形成されたグランド部21、詳しくはチップアンテナ搭載面側のグランド部21a、チップアンテナ搭載面に対向する他の面(裏面)のグランド部21bと、グランド部用の電極パターンの形成されない非グランド部22、詳しくはチップアンテナ搭載面側の非グランド部22a、チップアンテナ搭載面に対向する他の面の非グランド部22bとからなる。ここで実装基板20のグランド部21aの電極パターンの形成されない部分(非グランド部22a)には、チップアンテナ10と、実装基板20のチップアンテナ10搭載面に形成された線状の導体パターンで形成した第2の放射電極40との、2つのアンテナ素子が形成され組み合わされる。
図2(a)は図1と同じく、チップアンテナ10の搭載面側から見た部分平面図、図2(b)はチップアンテナ10の搭載面と反対側の他の面(裏面)から見た部分平面図である。このように、チップアンテナ10及び/又は第2の放射電極40と、チップアンテナ搭載面側のグランド部21a、同じくチップアンテナ搭載面と反対側(裏面)のグランド部21bとの距離は離隔されている。従って、チップアンテナ10及び/又は第2の放射電極40とチップアンテナ搭載面側のグランド部21a、並びにチップアンテナ10及び/又は第2の放射電極40とチップアンテナ搭載面と反対側(裏面)のグランド部21bとの結合を弱めている。それによりQ値が低下し帯域幅を広げることができる。
更に、チップアンテナ10及び/又は第2の放射電極40とチップアンテナ搭載面側のグランド部21a、チップアンテナ搭載面と反対側(裏面)のグランド部21bとの間に溝穴30を設けて、チップアンテナ10及び/又は第2の放射電極40とチップアンテナ搭載面側のグランド部21a、並びにチップアンテナ10及び/又は第2の放射電極40とチップアンテナ搭載面と反対側のグランド部21bとの結合を一層弱めている。それにより帯域幅を一層広げることができる。
以上、図1、図2に示したアンテナ装置80は、セルラ帯(800MHz)のシングルバンドに対応できるものである。基体11に延長電極である第2の放射電極40を直列接続し、アンテナ長を長くして800MHzに共振させ、且つ溝穴30により広帯域化した。
シングルバンド或いは一つの共振で比較的近い複数の帯域をカバーするデュアルバンド対応の場合には、表面実装型のチップアンテナが好ましい。図3に、この実施例で用いたチップアンテナ10の模式図を示す。この例では図3(a)のヘリカルタイプのモノポールアンテナを用いており、基体11と、基体11に形成され一端が開放(開放端15)となった放射電極12と、放射電極12の他端が接続された給電用電極13とを有している。端子電極14は、基本的に基体側面に設けられるが、チップアンテナ10に形成された第1の放射電極12を第2の放射電極40と接続する場合に使用される。この場合、第1の放射電極12の開放端15と端子電極14とは半田付けなどで接続しても良いし、また容量結合的に非接続としても良い。また、同様に端子電極14と第2の放射電極との間も接続しても良いし非接続でも良い。非接続とすることにより容量を増やし放射電極長さを短く出来る。このことは以下の実施例でも同様である。
ヘリカルタイプのモノポールアンテナの代わりに例えば図3(b)のようなL字状、コ字状、クランク状や図3(c)のようなミアンダ状が用いられる。さらに(b)と(c)を組み合わせた形状も可能である。また台形状、階段状、曲線状等の構造を用いることもできる。ヘリカルやミアンダ構造にした場合、放射電極の長さを大きくすることができ、共振周波数の低い周波数まで対応できる。さらに実装基板側に延長して第2の放射電極を組み合わせることによりさらに低い周波数まで対応できる。この場合、線状の電極の幅、長さを調整することにより共振周波数を容易に調整できる。尚、本発明においては、第1の放射電極、給電用電極、端子電極とそれぞれ機能的な名称で表しているが、実際には電極はパターン印刷により一体形成することが多いので、これらの電極は機能的にも区別されるものではない。
チップアンテナ10の基体11に用いる材質としては、誘電体、磁性体、またはそれらの混合物などが使える。
チップアンテナ10の基体11に用いる材質として誘電体を用いる場合には、波長短縮効果によりチップアンテナ10を小型化できる。比誘電率εr=8のアルミナ系誘電体を用いることができるが、それに限定されるものではない。主成分がAl、Si、Sr、Tiの酸化物で構成され、Al、Si、Sr、TiをそれぞれAl23、SiO2、SrO、TiOに換算し、合計100質量%としたとき、Al23換算で10〜60質量%、SiO2換算で25〜60質量%、SrO換算で7.5〜50質量%、TiO換算で20質量%以下のAl、Si、Sr、Tiを含有し、前記合計100質量%に対し副成分として、Bi換算で0.1〜10質量%のBiを含有し、さらにNaO換算で0.1〜5質量%のNa、KO換算で0.1〜5質量%のK、CoO換算で0.1〜5質量%のCoのうち少なくとも1種以上を含有しているものなどが使える。
また、チップアンテナ10の材質として磁性体を用いる場合には、インダクタンスを大きくできるため、更に小型化できるとともに、さらにアンテナのQ値は低下し広帯域化できる。
チップアンテナ10の材質として誘電体と磁性体の混合物を用いる場合には、波長短縮効果によるアンテナの小型化と、アンテナのQ値を低下できることによる広帯域化が可能である。尚、この実施例の基体11の寸法は、幅4mm、長さ10mm、厚さ3mmである。
チップアンテナ10のインピ−ダンスマッチングは、給電線61とチップアンテナ10の間に図示しない整合回路を入れて調整することもできる。また、第2の放射電極40の導体パターンの幅、長さや、実装基板20との距離(基板厚さ)の調整などにより、インピーダンスマッチングをとることもできる。
また、導体パターンは、線状のものを印刷形成することが望ましいが、これは線状に限るものではなく、線の幅や長さには規制はなく、四角形、台形、三角形または曲面を有する種々の形状になることを妨げないものである。これらの形態は個々のアンテナ装置の状況や求める特性によって変化する。さらに導体パターンは、板金やフレキシブル基板などで放射電極となすことも出来る。板金を用いる場合には銅張り基板のエッチング工程が省略でき、フレキシブル基板を用いる場合には実装設計の自由度が向上する。
この実施例の溝穴30はチップアンテナ10及び第2の放射電極40とグランド電極21(21a、21b)との間のほぼ全長にわたって設けている。しかし、比較的結合が強い部分に溝穴を設けるだけでも十分である。この場合は第2の放射電極側の結合が強いのでこの領域にだけ設けるのでも良い。図6(a)は溝穴30を実装基板20の端部に延在する切欠きとした例を、図6(b)は丸穴を複数個、チップアンテナ10及び第2の放射電極40とチップアンテナ搭載面側のグランド部21aとの間に形成した例を示す。その他、溝穴30として、本発明の技術的思想の範囲内で、チップアンテナ10及び/又は第2の放射電極40とチップアンテナ搭載面側のグランド部21a等との間を、貫通穴をもって離隔できれば、当業者は任意の形状を必要に応じて採用できる。
また、溝穴30の形成方法は限定されるものではなく、専用金型の使用、パンチ、打ち抜き、鋸、ドリルなどで形成できる。例えば、図1に例示した溝穴30は打ち抜きで、図6(a)に例示した溝穴30は鋸で、図6(b)に例示した溝穴30はドリルで形成できる。
次に、図1に示すアンテナ装置80のアンテナ特性を測定した結果について説明する。ネットワークアナライザから信号を入力して、0.75〜0.95GHzの周波数範囲について、周波数−VSWR(電圧定在波比)特性を測定した。溝穴30の有る場合(本発明)と無い場合(比較例)について測定した。
VSWRの測定方法について述べる。アンテナ測定用の実装基板の一端に設けた給電端子と、ネットワークアナライザの入力端子とを、同軸ケーブル(特性インピーダンス50Ω)を介して接続し、前記給電端子においてネットワークアナライザ側からみた、アンテナの散乱パラメータ(Scattering Parameter)を測定することにより、この値に基づいてVSWRを算出した。
図4に周波数−VSWR(電圧定在波比)特性を示す。溝穴30の有る場合(本発明)は、無い場合(比較例)に比べて15〜20%程度、広帯域化できている。すなわち、本発明の場合は広い周波数にわたったVSWRが1に近い良好な特性を示し、反射電力が10%程度に相当するVSWR=2で(a)本発明と(b)比較例を比べた場合、本発明によると帯域幅が15〜20%程度広がっていることが分かる。尚、VSWRは、アンテナと送信機(あるいは受信機)との間での反射の大きさを表す指数である。最も反射が小さい場合が1で、このとき送信機からの供給電力は全く反射せずアンテナに効率よく送り出される。逆に、最も反射が大きい場合は無限大となり、供給電力は完全に反射され無効電力となる。
図5は、図1に例示した実施例における周波数に対する平均利得曲線を示す。アンテナ効率を示すものである。溝穴30を設けた本発明によるものと、溝穴30の無い場合(比較例)とを併記している。図より本発明が比較例に比べて0.5〜1dBくらい利得が向上していることが分かる。
平均利得の測定に際しては、電波無響暗室内で被試験アンテナ(送信側)の給電端子に信号発生器を接続し、前記アンテナから放射された電力を受信用基準アンテナで受信することにより測定した。被試験アンテナからくる受信電力をPaとし、既知の利得Grを有する送信用基準アンテナにより測定した受信電力をPrとすると、被試験アンテナの利得Gaは、Ga=Gr×Pa/Prで表される。
平均利得が向上した理由について述べる。チップアンテナ10及び/又は第2の放射電極40と、チップアンテナ搭載面側のグランド部21a及び/又はチップアンテナ搭載面と対向する他の面(例えば、裏面)のグランド部21bとの間の距離が、溝穴30の無い場合(比較例)と同一とした場合でも、本発明によると両者間の静電容量を大幅に減少できるからである。例えば、チップアンテナ10とチップアンテナ搭載面側のグランド部21aとの間の距離を同一とした場合でも、本発明によると、チップアンテナ10とチップアンテナ搭載面側のグランド部21aとの間に溝穴30を設けたので、両者間の静電容量が大幅に減少すると共に互いの共振電流を打ち消す向きに流れる電流が減少した結果、電磁波の放射が効率よく行われ、利得が増加したものと考えられる。
図7は、本発明の他の実施例を示しチップアンテナ10のみでアンテナ装置を形成した例である。チップアンテナ10とチップアンテナ搭載面側のグランド部21aとの間に、溝穴30を形成することにより広帯域化し、1575〜1800MHzの広い周波数範囲で共振するようにして、主に北米の携帯電話規格であるPCS(Personal Communication Services)とGPSの両方の周波数帯域をカバーし、デュアルバンドに用いるアンテナ装置80を構成した例である。PCSの周波数帯域は1800MHzであるのに対し、GPSの周波数帯域が1575MHzと比較的近いため、広帯域化すれば1個のチップアンテナ10でデュアルバンドに対応できる。本発明では第2の放射電極を設けることが望ましい。しかし場合によっては第2の放射電極を設けなくても良い場合がある。例えば、アンテナが使われる周波数が単一周波数であり、かつ帯域幅が狭くてよい場合が挙げられる。このようなアンテナの設計では、第2の放射電極を設けず、チップアンテナの表面上に設けられた第1の放射電極のみでも、所要の仕様を満たすアンテナを実現可能である。それでも広帯域化が図られることは溝穴を設けたことによる効果であり、このことは本発明に含むと考える。
図8は、チップアンテナ10を実装基板20の一方の主面に搭載し、第2の放射電極40を実装基板20の他方の面(裏面)に配置したものである。この例では端子電極14を実装基板側に延長し、ここにスルーホール19(実装側を黒丸、裏面側を白丸で示す)を設け、内部に充填した導電電極を介してチップアンテナ10と第2の放射電極40を接続したものである。この例はチップアンテナ10の電極と第2の放射電極40の電極との相互作用で800MHz帯のセルラと1575MHz帯のGPSとのデュアルバンド化を実現したものである。2つの共振周波数に対応させるには、セルラ側については第2の放射電極40の一方の開放端41aを給電用電極から遠ざかるようにして有効電気長を延ばし低周波数帯域に対応させており、GPS側については第2の放射電極40の他方の開放端41bを給電電極13側に近づけて第2の共振モードを得やすいようにし、もう一つの高周波数帯域の共振モードを発生させている。つまり開放端41bは給電用電極側に折り返して形成し、これによりGPSの周波数帯域で共振モードを構成することが出来ている。また、グランド部21から見てチップアンテナ10よりさらに遠い位置に第2の放射電極を設けることによりグランド部21a、21bとの結合が弱まり、更に溝穴30を設けることで広帯域化と高利得化を同時に実現している。
この実施例の場合、チップアンテナ10と第2の放射電極40とを、実装基板20を挟んで対向させているので、チップアンテナ10と第2の放射電極40との間の静電容量を、実装基板20の厚み分だけ減少できる。従って、アイソレーションが確保できると共に帯域幅やアンテナ利得をより向上できる。また、第2の放射電極40とチップアンテナの配置関係は、通常本例のように上から見て重ならないように配置することが好ましい。重ねないことにより容量結合分の上昇がなく広帯域と高利得を維持できるからである。
また、第2の放射電極40を、チップアンテナ10を搭載する主面と対向する他の面、例えば裏面(多層基板を用いる場合には、中間層に形成しても良い)、に配置するため主面側にできた実装スペースを有効に利用できるし、あるいは実装面積を削減し小型化できる。また、第2の放射電極40の寸法(幅、長さ)は自由に変更できるので、それによっても静電容量を自由に変更でき、中心周波数帯の変更などマルチバンドを容易に構成できる利点がある。そして、スルーホール19を用いることにより基板表面と裏面の接続が簡便で且つ確実である。
図9は、チップアンテナ10と第2の放射電極40を実装基板20の同一面上で、基体側面に形成した端子電極14と第2の放射電極40を対面させ半田接続したものでチップアンテナ10と第2の放射電極40を直交配置したものである。図1、2に例示したものに比べ、第2の放射電極40の長さをより長くすることができ、アンテナ装置を800MHz帯のセルラなどにおいて、より広帯域化できる。この例では第2の放射電極40とグランド部21aとの間にのみ溝穴30を設けており、チップアンテナ10との間には設けていない。しかし、チップアンテナ10の第1の放射電極はヘリカル形状であることからもグランド部21a、21bとの結合はそれほど強くなく広帯域化に与える影響も少ない。チップアンテナの放射電極等の結合よりも基板側に設けた放射電極の方が結合が強いことが分かっており、従って、溝穴を設ける位置も第2の放射電極側を主体にした方が効率的である。強度上からもこの方が良いし、携帯電話や携帯型の情報端末などの基板では搭載スペースが限られるので、この様な配置が適している場合もある。
図10は、チップアンテナ10と第2の放射電極40を、実装基板20の表面と裏面に各々、直交配置し、スルーホール19を介して基板表面のチップアンテナ10と基板裏面の第2の放射電極40を接続している。この例では第2の放射電極40はチップアンテナ10の搭載位置に関係無く延長形成できるので、第2の放射電極40の長さをL字状に、より長くすることができ、アンテナ装置を800MHz帯のセルラと1575MHz帯のGPSなどのデュアルバンドに対応できるように、より広帯域化することが可能である。
また、この実施例の場合、マルチバンド(共振周波数f、f、f・・・)のアンテナ装置にしたとき、高周波側での共振周波数f、f、f・・・の周波数ピッチの調整が容易であるという効果もある。これを図10(b)を用いて説明する。
第2の放射電極40の部分40aの長さL1とチップアンテナ10との直列共振モードは、低周波側での共振周波数を決定する主因子であり、他方の第2の放射電極40の部分40bの長さL2の部分とチップアンテナ10との直列共振モードは高周波数側の共振周波数を決定する主因子である。これにより800MHz帯と1575MHz帯の2つの共振モードが得られデュアルバンド対応が可能となる。さらに、第2の放射電極40の部分40bは、対向する面(基板表面)に配置されたチップアンテナ10との結合が比較的強いことから、第2の放射電極40の部分40bの長さL2を変化させることによって、共振周波数f、fの周波数ピッチのそれぞれを調整することが可能である。例えば、低周波側fのみを低くして所望の周波数に調整する場合、L1を長くことにより周波数を調整すれば良いが、L1の長さは基板幅によって制限される。さらにfを低周波側に調整するためには、チップアンテナ表面の第1放射電極を長くするが、この際、高周波側の共振周波数fも低くなってしまうため、L2を短くすることによりfを元の周波数に戻して調整した。このように多周波アンテナの共振周波数を個々に調整することが図られた結果、通信機の安定性や信頼性が著しく向上した。尚、チップアンテナ10の巻回数、巻回ピッチ、電極パターン形状などを変化させてもチップアンテナ10と第2の放射電極40の長さL2の部分40bとの結合度を変化させることができ、これにより、共振周波数を制御することができる。
また、本例のように平面視、即ち上から見て第2の放射電極40をチップアンテナ10と重なるように配置すると、容量結合が増える分、周波数帯域は下がることになる。よって、このような重なり具合を増減することによって得ようとする中心周波数を調節することも可能である。
尚、第1の放射電極12を構成するチップアンテナ10と第2の放射電極40との結合長さを調整してマルチバンド(共振周波数f、f、f・・・)のアンテナ装置を得ること、つまり共振周波数f、f、fの周波数ピッチを調整するという技術的思想は、この実施例にのみ限定されるものではなく、本発明に係るアンテナ装置の全てに適用できる。
図11は、チップアンテナ10を実装基板20の表面に搭載し、第2の放射電極40を実装基板20の裏面に各々配置した他の例である。基板実装面に延長した端子電極14からスルーホール19を介してチップアンテナ10と裏面の第2の放射電極40を接続している。この実施例では、第2の放射電極40をアンテナ実装面と反対側の裏面でチップアンテナ10の配置とずらして重ならないように設けている。これにより周波数帯域が上昇し、さらに第2の放射電極を折り返して給電電極側に近づくように長くできるので第2の共振モードが得やすい。また、両端形状の自由度があり周波数の調整がし易いという利点がある。
ここで、溝穴30の幅wを変化させた場合の利得の変化について調べた。幅wは(1)10mm(λ/37.5)、(2)6mm(λ/62.5)、(3)2mm(λ/187.5)と変えた。ここで、アンテナの共振周波数は870MHz(λ=375[mm])である。その結果、大きな差はないが利得は(1)>(2)>(3)の順に良い結果となった。しかし、通常は基板の占有面積の制限もあるので溝穴の幅wは共振周波数のλ/20以下、高い周波数帯ではλ/10以下が望ましい。現実的には3〜5mmで特性は得られる。
以上、本例によれば、第2の放射電極40はグランド部21からより遠くに配置され、且つ溝穴30を設けたことにより800MHz帯のセルラと1575MHz帯のGPSなどのデュアルバンドにおいても、さらなる広帯域化かつ高利得化を実験により検証できた。
図12、図13に、溝穴の幅wを10mmとして試作した上記デュアルバンド用アンテナについて、セルラ、GPSの利得を測定した結果をそれぞれ示す。いずれの結果でも、通信帯域仕様において目標を満たす高い利得が得られていることを確認した。特に図12に示したセルラにおいては、中心周波数870MHzでの平均利得は最大+1dBi、最小−1dBiであり、従来使われていたホイップ(Whip)型アンテナに比較しても、同等以上の高い性能が得られた。
図14は、矢印でチップアンテナ10を搭載することを示すようにチップアンテナ10を実装基板20の表面に搭載し、第2の放射電極40を実装基板20の裏面に各々配置した例である。尚、29の電極はチップアンテナを半田付けするための接続補強電極である。この実施例は上記してきた例と基本構成は同じであるが、第2の放射電極40の中央部の形状をミアンダ状45となし電極長さを稼いだ構成としている。このように第2の放射電極40はスクリーン印刷手段などで基板上に容易に形成できる点で優れている。また、放射電極の導体パターンを形成後、これを絶縁膜で覆うことなども容易に出来るので好ましい。
図15は、上記の実施例と同様にチップアンテナ10を実装基板20の表面に搭載し、第2の放射電極40を実装基板20の裏面に配置した例である。この例はチップアンテナに形成した第1の放射電極12の他端と給電用電極13との間を非接続にした例を示している。このように給電用電極13と基板上の第2の放射電極の一端を接続し、この他端と第1の放射電極12を接続する電極構造により、給電用電極13と第1の放射電極の開放端との間を容量結合するように非接続することもできる。しかし、この実施例はこれまでの実施例とは逆に、まず給電用電極13を第2の放射電極40側に接続し、第2の放射電極40を端子電極14を介してチップアンテナ側の第1の放射電極12に接続し、第1の放射電極12の他端を開放端となした構成であると言える。即ち、図15(a)の給電線61はスルーホール19aを介して実装基板20の裏面に形成した第2の放射電極40の一端41cに接続され、第2の放射電極40の導体パターンは実装基板の裏面を他端41dまで延出して延び、そこからスルーホール19bを介して実装基板の主面側に置かれたチップアンテナ10の端子電極14に接続される。この端子電極14は第1の放射電極12に繋がっており、第1の放射電極12はアンテナ基体の側面から上面に延びて開放端12aとなっている。この様な構成であっても本発明は上記実施例と同様に効果を得ることが出来る。
図16は、実装基板とは別に副基板を設け、この副基板にチップアンテナを搭載した例である。図16(a)は実装基板と副基板及びチップアンテナの形態を示す斜視図、(b)はその側面図、(c)は副基板部分の上面図である。この実施例では、副基板25は0.6mmのPCB基板であり、その実装面にチップアンテナ10を搭載している。放射電極12の一端は、これまでの実施例と同様に端子電極14を介して第2の放射電極40に接続されており、本例の第2の放射電極40は副基板25の裏面に設けてスルーホール19により接続される。一方の給電用電極13側は、副基板側の給電電極61を介して実装基板20から立設する給電ピン65に接続され、これは給電源62へと繋がっている。本実施例では、副基板25は給電ピン65と他のピン66を支柱として固定した例を示しているが、台座や他の部品に嵌め込む等種々構造をとることが出来る。最終的な構造としては空間に浮いた状態となっており、実装基板20のグランド部21aとの間に空隙からなる空間部35を形成する。このような空間部を有することにより、グランド部との結合量が減少するのでQ値は小さくなり、結果、より広帯域化が図られる。さらに、第2の放射電極40を、副基板25の裏面に設けているので、チップアンテナ10と第2の放射電極40との間の静電容量を、副基板25の厚み分だけ減少でき、アイソレーションが確保できると共に帯域幅やアンテナ利得をより向上できる構成である。
また、折畳式の携帯電話ではアンテナを搭載する基板を液晶ディスプレイの裏側あるいはキーボードの裏側に配置することが多い(図18参照)。このとき本例のようにチップアンテナを搭載した副基板が立設されて液晶ディスプレイLD等から、より遠い位置に配置されると、液晶ディスプレイ等のノイズの影響を受けることが少なくなり利得の向上効果もある。また、頭部からも遠ざかることになるのでSAR値の低減を図ることができる。さらに、別体の基板を実装基板に装着する構造であるから、アンテナメーカとしては副基板にチップアンテナを搭載した組立て品までを設計製造し、実装基板への装着は別途携帯電話メーカの組立工程で行えば良く、両者の製造効率が良くなり、部品管理等の合理化も図られる。また部品の交換やメンテナンスが必要な場合にも都合がよい。
図17は、実装基板を積層構造にした実施例である。実装基板20は第1の層201と第2の層202及び第3の層203の3層を貼り合わせて構成しており、第1の層201の非グランド部22a上にチップアンテナ10を搭載し、第2の層202に第2の放射電極401を印刷形成し、第3の層203の裏面に第3の放射電極402を印刷形成し、チップアンテナの第1の放射電極12と第2の放射電極401及び第3の放射電極402とをスルーホールを介して接続している。これらの放射電極によりトリプルバンド対応にすることが可能である。尚、本例のチップアンテナ10では第1の放射電極12は図3(b)のクランク形状を一例として用いており、チップアンテナ10とグランド部21との間に全層に渡って溝穴30を形成している。また、第2の層202にはグランド電極を設けてもまた設けなくても良い。
次に、図18、図19は、アンテナ装置80を携帯電話MHに実装した一例であり、携帯電話の本体基板(キーボード側)20の裏側に実装した構造の模式図である。このアンテナ装置は基本的には小型にできるので、液晶ディスプレイLD側(例えば折り畳の上側)の実装基板に配置することも可能であるし、スピーカの周辺部、あるいはマイクの周辺部に実装することも可能である。しかし、どちらにしても実装基板の裏側に配置する。尚且つ空間を介して配置する方が人体頭部からの距離も遠くなるし、また、携帯電話を閉じている場合と開いた場合との両方の場合で、液晶ディスプレイ、スピーカ、マイク等の干渉部品から遠ざかって配置することが出来るのでアンテナ特性に与える影響が少なく望ましい。
また、図18に示したように、携帯電話から放射される電磁波(高周波の電界強度)から人体頭部Hが近接した状態では一部の電磁波が人体に吸収される。この人体での吸収された電磁波の影響により、頭部方向の空間に放射される電磁波が弱められることから、この方向で利得の低下が起こるといった問題がある。さらに人体の電磁波吸収により、最近では健康への悪影響が懸念されており、比吸収率(SAR)の法的規制が行われている。人体の電磁波吸収効果による利得低下を抑止すると共にSAR値の低減を図るためには、チップアンテナで発生する電界を人体頭部から出来る限り離すことが最も効果的な手段であり、このため本発明ではチップアンテナを本体基板に対し、人体頭部と反対面に実装することができるので好ましい。特に、実施例9で示したように副基板を別体にして設け、さらに距離を離すような支柱や台座を設けて、この上に副基板を装着するようにすればチップアンテナと液晶ディスプレイLDとの距離を更に取ることが出来るので望ましい。但し、チップアンテナを図19に示すような携帯電話本体の中央部もしくはキーボードKB側のマイク周辺部に実装することが可能であるならば、そのような配置を選択することが液晶ディスプレイLDから与えられるノイズ、またSAR値の低減の点で望ましいと言える。
本発明に係るアンテナ装置は、以上例示した実施例に限定されるものではない。
例えば、図20は、本発明に係るアンテナ装置80のその他の実施例を示すブロック図である。図20(a)は、高周波信号源62から給電線61を介して給電用電極13で並列にチップアンテナ10a、10bを接続し、給電用電極13と反対側の端子電極14を第2の放射電極40と接続したアンテナ素子を組み合わせたアンテナ装置を示している。
また、図20(b)は、高周波信号源62から給電線61を介して給電用電極13でチップアンテナ10を接続し、給電用電極13と反対側の端子電極14を並列接続された2つの第2の放射電極40a、40bとに接続したアンテナ素子を組み合わせたアンテナ装置を示している。このような構成を上記した実施例にならって実装基板上に具現することによって本発明を実施することが出来る。
以上、本発明に係るアンテナ装置80によると、帯域幅の広いアンテナ装置を得ることができ、シングルバンドのみならず、マルチバンド化することが容易である。例えば、GSM(0.9GHz)+GPS+PCS(1.8GHz)+DCS(1.9GHz)、セルラ(0.8GHz)+PCS(1.9GHz)+GPS(1.5GHz)+...の携帯電話や、広帯域CDMA(Code Division Multiple Access) (2GHz帯)、802.11a(5GHz帯)+802.11b(2.4GHz)の無線LANなどの通信機器に使用することができる。
本発明に係るアンテナ装置によると、帯域幅の広いものを得ることができる。従って、このアンテナ装置を携帯電話に限らず、携帯端末、パソコン、自動車等の内部に搭載するGPS機器や無線LAN他、あらゆる無線通信機器への利用が可能である。
本発明に係るアンテナ装置の1実施例を示す部分平面図である。 本発明に係るアンテナ装置の1実施例を示す部分平面図であり、図2(a)はチップアンテナチップ搭載面側、図2(b)はチップアンテナ搭載面側と反対側(裏面)から見た部分平面図である。 本発明に係るアンテナ装置に用いるチップアンテナの模式図である。 本発明に係るアンテナ装置の1実施例における周波数‐VSWR特性曲線図である。 本発明に係るアンテナ装置の1実施例における周波数‐平均利得特性曲線図である。 本発明に係るアンテナ装置の別実施例を示す部分平面図であり、図6(a)は溝穴として切り欠きを設けた場合の部分平面図、図6(b)は溝穴として複数の丸穴を設けた場合の部分平面図である。 本発明に係るアンテナ装置の別の実施例を示す部分平面図である。 本発明に係るアンテナ装置の更に別の実施例を示す部分平面図である。 本発明に係るアンテナ装置の更に別の実施例を示す部分平面図である。 本発明に係るアンテナ装置の更に別の実施例を示す部分平面図である。 本発明に係るアンテナ装置の更に別の実施例を示す部分平面図である。 図11のアンテナ装置におけるセルラの利得測定結果を示す図である。 図11のアンテナ装置におけるGPSの利得測定結果を示す図である。 本発明に係るアンテナ装置の更に別の実施例を示す基板平面図とアンテナ斜視図である。 本発明に係るアンテナ装置の更に別の実施例を示す基板平面図とアンテナ斜視図である。 本発明に係るアンテナ装置の更に別の実施例を示す斜視図、側面図、上面図である。 本発明に係る別のアンテナ装置の実施例を示す積層基板の展開図である。 本発明に係るアンテナ装置により人体頭部に電磁波が吸収する原理を示す模式図である。 本発明に係るアンテナ装置を携帯電話に実装した一例を示す模式図である。 本発明に係るアンテナ装置のその他の実施例を示すブロック図である。 従来のアンテナ装置の一例を示す斜視図である。
符号の説明
10:チップアンテナ
10a,10b:チップアンテナ
11:基体
12:第1の放射電極
13:給電用電極
14:端子電極
15、51a:開放端
16:接地電極
17:固定用電極
19:スルーホール
20:実装基板
21a、21b:実装基板のグランド部
22a、22b:実装基板の非グランド部
25:副基板
30:溝穴(空隙部)
31:基板残存部(非空隙部)
35:空隙部(空間部分)
40:第2の放射電極
41:開放端
50:放射導体(金属箔版)
60:チップ素子(非空隙部)
61:給電線
62:高周波信号源
65:給電ピン
80:アンテナ装置
L1、L2:第2の放射電極の長さ
MH:携帯電話
LD:液晶ディスプレイ
KB:キーボード
SP:スピーカ
MI:マイク

Claims (13)

  1. 基体と、該基体に形成された放射電極と給電用電極とを有するチップアンテナと、グランド部と非グランド部を有し、前記チップアンテナを非グランド部に搭載する実装基板と、該実装基板の非グランド部には導体パターンで形成した少なくとも1つの第2の放射電極とを有し、前記第2の放射電極及び/又はチップアンテナと前記実装基板のグランド部との間に空間部分を設けたことを特徴とするアンテナ装置。
  2. 基体と、該基体に形成された第1の放射電極と、該第1の放射電極の他端に接続された給電用電極と、前記第1の放射電極の一端が接続又は非接続にされた端子電極とを有するチップアンテナと、グランド部と非グランド部を有し、前記チップアンテナを非グランド部に搭載する実装基板と、該実装基板のチップアンテナ搭載面の非グランド部にあって前記端子電極に接続又は非接続され、他端が開放端となる導体パターンで形成した少なくとも1つの第2の放射電極とを有し、前記第2の放射電極及び/又はチップアンテナと前記実装基板のグランド部との間に溝穴からなる空間部分を設けたことを特徴とするアンテナ装置。
  3. 基体と、該基体に形成された第1の放射電極と、該第1の放射電極の他端に接続された給電用電極と、前記第1の放射電極の一端が接続又は非接続にされた端子電極とを有するチップアンテナと、グランド部と非グランド部を有し、前記チップアンテナを非グランド部に搭載する実装基板と、該実装基板のチップアンテナ搭載面に対向する他の面の非グランド部にあって前記端子電極に接続又は非接続され、他端が開放端となる導体パターンで形成した少なくとも1つの第2の放射電極とを有し、前記第2の放射電極及び/又はチップアンテナと前記実装基板のグランド部との間に溝穴からなる空間部分を設けたことを特徴とするアンテナ装置。
  4. 基体と、該基体に形成された第1の放射電極と、該第1の放射電極の他端に接続された給電用電極と、前記第1の放射電極の一端が接続又は非接続にされた端子電極とを有するチップアンテナと、グランド部と非グランド部を有する実装基板と、該実装基板とは別体の副基板を有し、当該副基板のアンテナ搭載面の非グランド部あるいは対向する他の面の非グランド部には、前記端子電極に接続又は非接続にされ、他端が開放端となる導体パターンで形成した少なくとも1つの第2の放射電極を有し、前記副基板に前記チップアンテナを搭載し、さらに当該副基板を前記実装基板から離間して装着し、前記第2の放射電極及び/又はチップアンテナと前記実装基板のグランド部との間に空隙からなる空間部分を設けてなることを特徴とするアンテナ装置。
  5. 前記実装基板に搭載したチップアンテナの端子電極と他の面の第2の放射電極との接続をスルーホールで行うことを特徴とする請求項3又は4に記載のアンテナ装置。
  6. 前記実装基板に搭載したチップアンテナと、他の面に形成した第2の放射電極が上から見て重ならないように配置したことを特徴とする請求項3又は4に記載のアンテナ装置。
  7. 前記実装基板に搭載したチップアンテナと、他の面に形成した第2の放射電極が上から見て重なるように配置したことを特徴とする請求項3又は4に記載のアンテナ装置。
  8. 前記第2の放射電極の開放端が前記チップアンテナの給電用電極に対して遠ざかるように形成されていることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のアンテナ装置。
  9. 前記第2の放射電極の開放端が前記チップアンテナの給電用電極に対して近づくように形成されていることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のアンテナ装置。
  10. 前記溝穴を設けたことにより形成される基板残存部が前記第2の放射電極の開放端側にあることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載のアンテナ装置。
  11. 前記第1の放射電極の他端と給電用電極との間を非接続にしたことを特徴とする請求項2〜10の何れかに記載のアンテナ装置。
  12. 基体と、該基体に形成され一端が開放となった放射電極と、該放射電極の他端が接続された給電用電極とを有するチップアンテナと、グランド部と非グランド部を有し前記チップアンテナを非グランド部に搭載した実装基板と、該実装基板のグランド部と前記チップアンテナとの間に形成した溝穴とを具備することを特徴とするアンテナ装置。
  13. 請求項1〜12の何れかに記載のアンテナ装置を搭載したことを特徴とする通信機器。
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