JP4968598B2 - アンテナ装置及びこれを用いた通信機器 - Google Patents

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Description

本発明は、携帯電話や無線LAN(Local Area Network)などに用いられるマルチバンド、特にトリプルバンドに対応できる小型で帯域幅の広いアンテナ装置に関する。
携帯電話やパソコンなどの通信機器、電子機器に対する小型化の要請から、使用されるアンテナ装置も小型化する必要がある。そこで、誘電体や磁性体などの基体の表面或いは内部に、給電用電極、放射電極を設けたチップアンテナが使われるようになってきた。
一方、携帯電話のシステムには、例えば主に欧州で盛んなEGSM(Extended Global System for Mobile Communications)方式およびDCS(Digital Cellular System)方式、米国で盛んなPCS(Personal Communication Service)方式、日本で採用されているPDC(Personal Digital Cellular )方式などの時分割マルチプルアクセス(TDMA)を用いた様々なシステムがある。昨今の携帯電話の急激な普及に伴い、特に先進国の主要な大都市部においては各システムに割り当てられた周波数帯域ではシステム利用者を賄いきれず、接続が困難であったり、通話途中で接続が切断するなどの問題が生じている。そこで、利用者が複数のシステムを利用できるようにして、実質的に利用可能な周波数の増加を図り、さらにサービス区域の拡充や各システムの通信インフラを有効活用することが提唱されている。その為、1個のアンテナで2つ以上の周波数帯を共用するマルチバンド(multi−band)のニーズが増大している。例えば、携帯電話の多機能化のニーズに伴い、通話向けシステムであるセルラ(Cellular:国によって異なるが例えば送信周波数:824〜849 MHz、受信周波数:869〜894 MHz)と、位置検出の機能を果すGPS(Global Positioning System:中心周波数1575MHz帯)のデュアルバンド(dual−band)、また、あるいはEGSM(送信周波数:880〜915MHz、受信周波数:925〜960MHz)と、DCS(送信周波数:1710〜1785MHz、受信周波数:1805〜1880MHz)及びPCS(送信周波数:1850〜1910MHz、受信周波数:1930〜1990MHz)の各システムを取り扱うトリプルバンドに対応できるようなマルチバンド対応の小型アンテナ装置が望まれている。
従来、図6に示すような、2つの放射電極を備えて2つの共振周波数に対応するチップアンテナを並設したデュアルバンドのアンテナ装置が提案された(例えば、特許文献1参照)。図6において、アンテナ装置90は、基板91と、基板91の一方主面92aに搭載された2つのチップアンテナ93a、93bで構成される。基板91の一方主面92aには給電線94と接地電極95が形成されている。接地電極95と2つのチップアンテナ93a、93bとは近接して配置される。給電線94の一端は2つに分けられ、それぞれ2つのチップアンテナ93a、93bの給電用電極96a、96bに接続され、他端は高周波信号源(図示せず)に接続されている。チップアンテナ93a、93bの基体上に形成された放射電極の他端は開放端となり、各々、第1放射電極97a、第2放射電極97bを構成してアンテナ装置となしている。
しかし、特許文献1のアンテナ装置では、長方体状のチップアンテナを2個用いている。小型化するために、チップアンテナ93bを基板91の他方主面92bに搭載することも提案されているが、その場合、実装基板の厚みも加わって薄型化のニーズには合わない。また、このとき接地電極95とチップアンテナ93aとの対向する面積の増加によりこれらの静電容量が大きくなることから帯域幅は減少方向となる。以上のことより、特許文献1では小型化・省スペース化と広帯域化の両立ができていなかった。
他方、特許文献2では、基体に形成された放射電極と、放射電極の一端が接続される給電用電極と、放射電極の他端が接続される端子電極とを備えたチップアンテナと、このチップアンテナを搭載し、その表面上に形成された放射導体を備えた実装基板とからなるアンテナ装置が開示されている。このアンテナ装置によればチップアンテナの放射電極と実装基板の放射導体とを接続するため、導体の実効長を長くすることができ、その結果アンテナ装置の放射電界が強くなり高利得及び広帯域幅が実現できるとある。
さらに、特許文献3に開示されたアンテナ装置では、実装基板上に搭載したチップアンテナとこれに隣接する高周波回路との間のグランド部に切り欠き状のスリットを設けることが提案されている。このアンテナ装置の場合、切り欠きスリットによりチップアンテナから高周波回路側に流れる高周波電流の流れを抑制し、その結果放射特性を改善することができるとある。
特開平11−4117号公報 特開平11−330830号公報 特開2001−274719号公報
特許文献2には広帯域化の提案があるが、低周波数帯域で帯域幅の劣化を抑えるだけで、マルチバンドに対応できない。また、特許文献3に開示されたアンテナ装置は、切り欠きスリットにより、放射特性が改善されるとあるが、切り欠きスリットによりグランド電極に流れる高周波電流の経路を限定するだけで、広帯域化やマルチバンド化には対応できない。よって、従来のアンテナ装置には、小型化、省スペース化及び広帯域化を全て満たすことができないという問題がある。
また、従来のアンテナ基体に複数の放射電極を形成してマルチバンド化する場合、放射電極間に生じる静電容量のため、アイソレーションを保つことには困難が生じる。具体的には、放射電極間の静電容量が増加するほど、互いの高周波電流が多く反対方向に流れる結果、電磁波の放射を互いに弱め合うことになり、利得(感度)が低下するという問題がある。マルチバンド対応のアンテナ装置にあっては、複数の周波数帯域においてそれぞれが広帯域かつ高利得であるのが望ましいが、特許文献1及び特許文献2ではそのような検討はされていない。
また、最近では、健康面から携帯電話等から放射された電磁波が人体(頭部)に与える影響の軽減化が重要になってきており、電磁波の比吸収率SAR(Specific Absorption Rate)が低いアンテナ装置が望まれている。
そこで、本発明は、小型化・省スペース化を図ると共に、複数の周波数帯域においてもアイソレーションを保って利得の低下を防ぐと共に、各周波数帯において帯域幅が広く且つ平均利得も高いマルチバンド対応のアンテナ装置及びこれを用いた通信機器の提供を目的とする。
本発明は、グランド部及び非グランド部を有する実装基板と、基体と、前記基体に形成された第1の放射電極と、前記第1の放射電極の一端に接続又は非接続にされた第1の給電電極を有するチップアンテナと、前記実装基板の非グランド部に導体パターンで形成され、かつ、前記実装基板のチップアンテナ搭載面の裏面に形成された少なくとも1つの放射電極(第3の放射電極)とを有し、前記実装基盤の裏面に形成された放射電極は一端が前記第1の放射電極に電気的に接続され、他端が開放端であるアンテナ装置である。
前記第3の放射電極は、その開放端が前記第1の給電電極に近づくように形成することで2共振モードを得やすい。さらに、前記チップアンテナと実装基板のグランド部との間に溝穴を設けることで広帯域化ができる。
また、第1の放射電極の長手方向と、前記第3の放射電極を実質的に平行に配置することが好ましい。
上記アンテナ装置は、前記第1の放射電極の自己インダクタンスと、前記第1の放射電極と実装基板のグランド電極との間の静電容量と、前記第1の放射電極と実装基盤の裏面に形成された放射電極との間の静電容量とで構成されるLC共振回路により第1の共振モードを得ることができ、かつ、前記実装基盤の裏面に形成された放射電極の自己インダクタンスと、前記実装基盤の裏面に形成された放射電極とグランド電極との間の静電容量と、前記第1の放射電極と前記実装基盤の裏面に形成された放射電極との間の静電容量と、さらに前記実装基盤の裏面に形成された放射電極の開放端と給電電極との間の静電容量とで構成されるLC共振回路により、第2の共振モードを得ることができる。
また、前記第1の放射電極はヘリカル構造またはミアンダ構造であることが好ましい。
また、前記チップアンテナ搭載面のチップアンテナと対向面に形成されている第3の放射電極との接続をスルーホールで行うことが望ましい。
本発明のアンテナ装置において、チップアンテナに設けた前記第1の放射電極と第2の放射電極との間にアイソレーションを確保するための所定の間隔を設けることが重要である。例えば、チップアンテナの基体の比誘電率をEr、第1の放射電極12と第2の放射電極16の共振周波数をfh[Hz]、第1の放射電極12と第2の放射電極16との間隔(アイソレーション確保部)10の長さをWa[m]とすると、次式が得られる。Wa>(3×10)/fh×√Er/100、ここで、北米の携帯電話で使われる最も高い周波数帯fh=1.9[GHz]、チップアンテナ基体のEr=8とし、これらを上式に代入すると、Wa>4.5[mm]が得られる。このようにしてアイソレーション確保部を設定することが好ましい。また、前記第1の給電電極と第2の給電電極のそれぞれに独立した電源回路を設けることが好ましい。
本発明は、上記した何れかのアンテナ装置を搭載したことを特徴とする携帯電話等の通信機器である。
本発明に係るアンテナ装置は、第3の放射電極を裏面に形成したので、基体の導体パターンは基板を介して放射電極として機能するので、基板の厚さだけ第1の放射電極と第3の放射電極との幾何学的距離が大きくなり、両者間の静電容量が減少する。その分両者間の結合が弱まるのでアイソレーションを確保でき、同時に帯域幅も広がる。また、基板スペースを有効利用し、より小型化が可能となる。
前記第3の放射電極は、その開放端が前記第1の給電電極に近づくように形成することで2共振モードを得やすい。
また、アンテナ基体に第1、2の放射電極を並べて設けると共に実装基板に第3の放射電極を設ければ、これにより広帯域化と小型化が図られる。このとき基体に設けた個々の放射電極間に適宜の間隔を保って配置することによりアイソレーションのとれたマルチバンド対応のアンテナ装置となる。
本発明のアンテナ装置では、放射電極を実装基板側にも設けているので人体頭部に近接される電界分布の集中が緩和される。この結果、SAR値の小さい携帯電話等の通信機を提供できる。
本発明に係るアンテナ装置の1実施例を示す斜視図である。 本発明に係るアンテナ装置を示す図1の平面図である。 本発明に係るアンテナ装置に用いるチップアンテナの他の例を示す斜視図である。 本発明に係るアンテナ装置の1実施例における周波数‐VSWR特性曲線図である。 本発明に係るアンテナ装置の1実施例におけるアイソレーション特性図である。 従来のアンテナ装置の一例を示す斜視図である。」
図1、図2は本発明の一実施例によるアンテナ装置100を示す。実装基板2は、グランド電極パターンを有するグランド部21(チップアンテナ搭載面に設けられたグランド部21a、及びチップアンテナ搭載面の対向面(裏面)に設けられたグランド部21b)と、グランド電極パターンが形成されていない非グランド部22(チップアンテナ搭載面に設けられた非グランド部22a、及びチップアンテナ搭載面の対向面上の非グランド部22b)とからなる。また、実装基板20の非グランド部22aには、チップアンテナ1と、チップアンテナ1の搭載面に設けられた線状導体パターンからなる第3の放射電極3とが形成されており、これらによりアンテナ装置100を構成している。
チップアンテナ1は、略直方体状の基体11の一方の端部領域にヘリカルタイプのモノポールアンテナを形成し、他方の端部領域に逆Fタイプのモノポールアンテナを形成している。ヘリカルタイプのモノポールアンテナは、他端が開放端15(図3参照)である第1の放射電極12と、第一の放射電極12の一端が接続された給電電極13とを有し、給電電極13には接続用の電極41を介して第1の給電電源51が接続される。基体11の側面に設けた端子電極14(図3参照)は、チップアンテナ1に形成された第1の放射電極12を第3の放射電極3と接続する場合に使用する。この場合、第1の放射電極12の開放端15と端子電極14とは半田付け等で直接接続しても良いし、また非接続として容量結合させても良い。同様に端子電極14と第3の放射電極3の間も、接続又は非接続のいずれでも良い。非接続とすると、容量が増え、放射電極を短くできる。
一方、逆Fタイプのモノポールアンテナは、他端が開放端18である第2の放射電極16と、第2の放射電極16の一端が接続された給電電極17とを有している。給電電極17には接続用の電極42を介して第2の給電電源52が接続される。ここでは第2の放射電極16の開放端18側の非グランド部22aにはグランド部21aに接続されたグランド電極43を有している。
そして、第1の放射電極12と第2の放射電極16との間にはこれらの共振回路間の干渉が生じないようにアイソレーションを確保するための間隔(アイソレーション確保部)10を設けている。アイソレーション確保部10を介し、放射電極12と放射電極16或は給電電極の間では静電容量が生じることにより、この静電容量が大きくなるほどアイソレーションは減少する。したがって静電容量を小さくしアイソレーションを増加するためには、確保部10を長くとれば良いのだが、反面、アンテナが大型化するため好ましくない。この問題を解決するため、以下に述べるようなアイソレーション確保部の条件を見出すに至った。即ち、第1の放射電極と第2の放射電極がアイソレーション確保部10を介して直列に結合することから、これらの直列共振周波数foが各々の放射電極を持つアンテナの共振周波数と異なるよう、確保部10の長さを調節すれば良いのである。また、基体上もしくは基体内部に複数の放射電極を設けたマルチバンド式のアンテナの場合、高周波に伴って放射電極の相互間の静電結合が強くなるためアイソレーションの劣化が起こりやすい。さらに、チップアンテナ基体の誘電率による波長短縮効果によって、比誘電率が大きいほど放射電極が短くなり小形化を図れるものの、反面、放射電極相互間の静電容量が大きくなるため、アイソレーションが劣化し易くなることを実験により明らかにした。この問題を解決するためには、放射電極相互の間隔を大きくしアイソレーションを増加するのが望ましいが、限られたアンテナ体積により制約がある。従って、アイソレーションと小形化のトレードオフの問題を解決するため、本実施例に示すようなアンテナ構造の発明に至り、アイソレーション確保部10の最適条件を求めた。例えば、上述したようにチップアンテナの基体の比誘電率をEr、第1の放射電極12と第2の放射電極16のうち、比較的高い共振周波数をfh[Hz]を対象としてアイソレーションを選び、第1の放射電極12と第2の放射電極16との間隔(アイソレーション確保部)10の長さをWa[m]とすると、次式が得られることを見出した。
Wa>(3×10)/fh×√Er/100
例えば、北米の携帯電話で使われる最も高い周波数帯fh=1.9[GHz]、チップアンテナ基体のEr=8とし、これらを上式に代入すると、Wa>4.5[mm]が得られる。ここでは実施例として、アイソレーション確保部10の長さWaを5mmに設定している。
また、本発明のアンテナ装置は、実装基板に搭載したチップアンテナと、チップアンテナと同じ搭載面又はその対向面に形成した第3の放射電極とを組み合わせることにより、例えばチップアンテナに形成した第1の放射電極により第1の周波数帯域(高帯域側)で共振するようにし、さらに、この第1の放射電極から実装基板上の第3の放射電極を経由して流れる共振電流により第2の周波数帯域(低帯域側)で共振するようにしてデュアルバンド対応となすことができる。さらに、チップアンテナの他方に形成した第2の放射電極により第3の周波数帯域(高帯域側)で共振するようにする。よって、トリプルバンドに用いることができる。
ここで、デュアルバンドの共振モードについては、第1の放射電極の自己インダクタンスと、第1の放射電極と実装基板のグランド電極との間の静電容量と第1の放射電極と第3の放射電極との間の静電容量とで構成されるLC共振回路により、第1の共振モードが得られ、一方、第3の放射電極の自己インダクタンスと、第3の放射電極とグランド電極との間の静電容量と、第1の放射電極と第3の放射電極との間の静電容量と、さらに第3の放射電極の開放端と給電電極との間の静電容量とで構成されるLC共振回路により、第2の共振モードが得られる。第3の放射電極の開放端を給電電極側に近づけると、2つの共振モードが確実に得られるので好ましい。このとき、2共振モード間でのアイソレーションをとるために、第3の放射電極は実装基板の裏面に設ける方が良い。何故ならば第3の放射電極を裏面に形成した場合、導体パターンは基板を介して放射電極として機能するので、基板の厚さだけ第1の放射電極と第3の放射電極との幾何学的距離が大きくなり、両者間の静電容量が減少する。その分両者間の結合が弱まるのでアイソレーションを確保でき、同時に帯域幅も広がる。例えば、約3mmの厚さのチップアンテナを約0.6mmの厚さの基板(比誘電率εr=5の銅張積層基板)に実装すると、静電容量を形成する電極間の間隔は3.6mmになる。その結果、第3の放射電極と第1の放射電極との結合は弱まり、さらに広帯域化がなされる。
さて、本実施例のアンテナ装置100は、実装基板20の非グランド部22a上にチップアンテナ1を実装することにより第1の放射電極12による、例えばPCS(1.9GHz)帯の共振と、第1の放射電極12と第3の放射電極3による、例えばセルラ(0.8GHz)帯の共振の帯域をカバーするデュアルバンドを送受信するアンテナとなしている。一方、逆Fタイプの第2の放射電極16はシングルバンド、例えばGPS(1.5GHz帯)を受信するアンテナとなし、合わせてトリプルバンドアンテナを構成している。よって、デュアルバンドアンテナ部分は第1の給電電源51から給電することにより、セルラとPCSをカバーする周波数帯で共振し、放射抵抗分がアンテナより空中に放射される。逆に受信波は共振回路を介して電圧に変換される。一方、シングルバンドアンテナ部分はGPSの受信専用となっており、受信波が共振回路を介して電圧に変換される。本例ではそれぞれの電源を並列に機能させる2電源構造をとっている。この他には両アンテナの送受信を切り換えるスイッチ回路を設けて1電源で共用することが考えられる。しかしこの場合、スイッチやアンテナ共用器を用いて、セルラ、PCS及びGPSの搬送信号をそれぞれ分離する必要があるので、電力損失や信号の歪(スプリアス)が生じるし、回路構成が複雑となる欠点がある。この点で2電源方式はこれら周波数分離のための回路素子を低減することができ、回路構成を簡素化して高信頼性かつ高効率の無線装置を実現できる点で望ましい。
また、デュアルバンドの送信信号、とりわけGPS帯に近いPCSや、セルラから発せられる高調波の送信信号の一部がGPS側に漏れるアイソレーション障害を起こすことがある。マルチバンドを有するアンテナにおいて、アイソレーションの向上のためにより高い共振周波数を対象とするのが一般であるが、前記GPSアンテナのように受信専用の周波数帯域に合わせアイソレーションを改善する場合もある。このときアイソレーション特性を十分得るためには上記したように第1の放射電極と第2の放射電極間の間隔を所定量確保することがまず必要である。さらにここで電源を2つに分けて干渉を避けると言う回避手段も有効であり、この場合は2電源方式が好ましい。
また、シングルバンド対応、又は一つの共振で比較的近い複数の帯域をカバーするデュアルバンド対応の場合、表面実装型のチップアンテナが好ましい。図3(a)〜(c)はチップアンテナ1に設ける第1の放射電極12あるいは第2の放射電極16の好ましい形状を示している。図面上は1つの放射電極しか図示していないが、このような放射電極構造を並列的に設けることができると言う意味である。上記実施例では、図3(a)のヘリカルタイプのモノポールアンテナを用いたが、代わりに、L字状(図3(b))、コ字状又はクランク状の放射電極や、図3(c)に示すようなミアンダ状放射電極、又はそれらの組合せを用いることができる。また放射電極を台形状、階段状、曲線状等にしても良い。ヘリカル又はミアンダ構造の場合、放射電極が長くなり、低い共振周波数まで対応できるし、第3の放射電極と組み合わせることにより、さらに低い周波数まで対応できる。尚、本発明においては、第1、第2の放射電極と、第1、第2の給電用電極と、端子電極と、グランド電極などとそれぞれ機能的な名称を付しているが、実際にはこれらの電極はパターン印刷により一体形成するので外見上区別されるものではない。
本発明のアンテナ装置において、第1の放射電極と第3の放射電極との間には端子電極を設けている。このとき第1の放射電極の一端と端子電極との間、また端子電極と第2の放射電極との間はそれぞれ直接接続した構造をとることも出来るし、あるいは非接続の構造をとることもできる。前者の場合、第1の放射電極と端子電極は区別せず一体の導体パターンで構成すれば良いし、第3の放射電極との間は半田等で電気的に接続すればよい。また、第3の放射電極を基板裏面に設けた場合はスルーホールを用いると簡便で確実である。この場合もスルーホール内に半田等を充填しても良いし、しなくても良い。一方、後者の非接続の場合は、容量結合を形成し電極間の静電容量は逆に増加する。本発明は小型化を図りつつ放射電極間の容量結合量を調整するものであるが、この場合は小型化の観点から容量結合を増加させ放射電極の長さを短くしてチップアンテナ自体を小型にすることを意図している。
また、場合によっては、第1、第2の放射電極の一端とそれぞれの給電用電極との間を非接続に形成して容量結合を図ることも出来る。この場合の意図は、給電電極と放射電極に直列接続した静電容量により、給電側で広帯域のインピーダンス整合を図るためである。これによって、アンテナ給電側では外付けの整合回路が不要となることから、アンテナ周辺回路の簡素や電力損失の低減が図れるため、アンテナ回路全体の効率向上を実現できる。
また、チップアンテナとグランド部の間の実装基板に溝穴を設けると、チップアンテナとグランド部との結合、及び第3の放射電極とグランド部との結合が弱くなり、帯域幅を広くする効果がある。
チップアンテナの基体11の材質は、誘電体、磁性体又はそれらの混合物である。また誘電体あるいは磁性体とプラスチック等の樹脂とガラスの混合材を用いて形成しても良い。基体11が誘電体や磁性体からなる場合、波長短縮効果によりチップアンテナ1を小型化できる。例えば比誘電率εr=8のアルミナ系誘電体を用いることができる。アルミナ系誘電体は、主成分がAl、Si、Sr及びTiの酸化物からなり、主成分の合計を100質量%として、10〜60質量%(Al換算)のAl、25〜60質量%(SiO換算)のSi、7.5〜50質量%(SrO換算)のSr、20質量%以下(TiO換算)のTiを含有し、さらに副成分として、0.1〜10質量%(Bi換算)のBi、0.1〜5質量%(NaO換算)のNa、0.1〜5質量%(KO換算)のK、0.1〜5質量%(CoO換算)のCoの少なくとも1種を含有しても良い。
基体11が磁性体からなる場合、インダクタンスが大きいため、さらにチップアンテナ1を小型化できるとともに、アンテナのQ値が低下し、広帯域化できる。
基体11が誘電体と磁性体の混合物からなる場合、波長短縮効果によるアンテナの小型化と、アンテナのQ値の低下による広帯域化が可能である。
この実施例では、基体11の寸法は、例えば幅3mm、長さ30mm、厚さ3mmである。同じ特性を有する携帯電話用アンテナを、従来技術である板金状アンテナを実現するために必要な寸法は幅12mm、長さ34mm、厚さ8mm程度となり、本発明のアンテナによる小形化を実現できた。
チップアンテナ10のインピ−ダンス整合は、給電線とチップアンテナ1の間に整合回路(図示せず)を挿入することにより調整できる。また第3の放射電極3の導体パターンの幅及び長さ、第2の放射電極3と実装基板20との距離(基板厚さ)の調整等により、インピーダンス整合をとることもできる。
線状導体パターンは印刷により形成するのが望ましいが、線の幅及び長さには制限はない。また導体パターンは線状に限られず、アンテナ装置の要求特性に応じて四角形、台形、三角形等の種々の形状とすることができる。導体パターンは板金やフレキシブル基板等で形成しても良い。板金を用いる場合、銅張り基板のエッチング工程を省略できる。フレキシブル基板を用いる場合、実装設計の自由度が高い。
次に、特性評価について説明する。図1に示すアンテナ装置100のアンテナ特性として、ネットワークアナライザから入力する信号を用いて、上記実施例1について0.75〜2.2GHzの周波数範囲でVSWR(電圧定在波比)を測定した。VSWRは、アンテナと送信機(又は受信機)との間での反射の大きさを表す指数である。最も反射が小さい場合、VSWR=1で、送信機からの供給電力は全く反射せずアンテナに送り出される。逆に最も反射が大きい場合、VSWRは無限大であり、供給電力は完全に反射され、無効電力となる。
アンテナ測定用の実装基板の一端に設けた給電端子とネットワークアナライザの入力端子とを同軸ケーブル(特性インピーダンス50Ω)を介して接続し、前記給電端子においてネットワークアナライザ側から見たアンテナの散乱パラメータ(Scattering Parameter)を測定し、VSWRを算出した。
図4は周波数とVSWR(電圧定在波比)との関係を、横軸に周波数、縦軸にVSWRで示している。点線は求められる帯域幅を表しており、VSWR=3において帯域幅を満足していれば良い。図4の結果をみるとセルラ帯域で若干劣るものの、PCS帯域、GPS帯域では十分満足しており、実質的に問題のないアンテナ特性といえる。
図5はアイソレーションの測定結果を示す。ネットワークアナライザを用いて2つのアンテナの給電電極にポート1とポート2を接続し、S21特性を測定してものである。セルラ帯域でのアイソレーションは良好であり、GPS帯域、PCS帯域でもアイソレーション10dBを満足している。そして無線装置に実装した状態で通信試験を行った結果、実用上問題ないことを確認した。
次に、アンテナ装置を折り畳み携帯電話に実装する場合、液晶ディスプレイ側の実装基板に配置することも可能であるし、スピーカの周辺部、あるいはマイクの周辺部に実装することも可能である。しかし、どちらにしても実装基板の裏側に配置することが望ましい。その方が人体頭部からの距離も遠くなるし、また、携帯電話を閉じている場合と開いた場合との両方の場合で、液晶ディスプレイ、スピーカ、マイク等の干渉部品から遠ざかって配置することが出来るのでアンテナ特性に与える影響が少なくなる。
また、携帯電話から放射される電磁波(高周波の電界強度)から人体頭部が近接した状態では一部の電磁波が人体に吸収される。この人体での吸収された電磁波の影響により、頭部方向の空間に放射される電磁波が弱められることから、この方向で利得の低下が起こるといった問題がある。さらに人体の電磁波吸収により、最近では健康への悪影響が懸念されており、比吸収率(SAR)の法的規制が行われている。人体の電磁波吸収効果による利得低下を抑止すると共にSAR値の低減を図るためには、チップアンテナで発生する電界を人体頭部から出来る限り離すことが最も効果的な手段であり、これにはチップアンテナを人体頭部と反対面に実装することが好ましい。
本発明に係るアンテナ装置によれば、帯域幅の広いアンテナ装置を得ることができマルチバンド化することが容易である。例えば、GSM(0.9GHz帯)+GPS+PCS(1.8GHz帯)+DCS(1.9GHz帯)、セルラ(0.8GHz帯)+PCS(1.9GHz帯)+GPS(1.5GHz帯)+W−CDMA(2GHz帯)などの携帯電話や、広帯域CDMA(Code Division Multiple access 2GHz帯)、802.11a(5GHz帯)+802.11b(2.4GHz帯)の無線LAN、あるいはデジタルTV放送、UWB(Ultra Wide Band)などの通信機器に使用することができる。
本発明に係るアンテナ装置によると、帯域幅の広いものを得ることができる。従って、このアンテナ装置を携帯電話に限らず、携帯端末、パソコン、自動車等の内部に搭載するGPS機器や無線LAN他、あらゆる無線通信機器への利用が可能である。
1:チップアンテナ、2:実装基板、3:第3の放射電極、10:アイソレーション確保部、11:基体、12:第1の放射電極、13:第1の給電用電極、14:端子電極、15、18、30:開放端、16:第2の放射電極、17:第2の給電電極、21a、21b:実装基板のグランド部、22a、22b:実装基板の非グランド部、43:グランド電極、41、42:接続用電極、51:第1の供給電源、52:第2の供給電源、100:アンテナ装置

Claims (7)

  1. グランド部及び非グランド部を有する実装基板と、
    基体と、前記基体に形成された第1の放射電極と、前記第1の放射電極の一端に接続又は非接続にされた第1の給電電極を有するチップアンテナと、
    前記実装基板の非グランド部に導体パターンで形成され、かつ、前記実装基板のチップアンテナ搭載面の裏面に形成された少なくとも1つの放射電極とを有し、
    前記実装基盤の裏面に形成された放射電極は、一端が前記第1の放射電極に電気的に接続され、他端が開放端であることを特徴とするアンテナ装置(但し、前記放射電極及び/またはチップアンテナと前記グランド部との間に溝穴からなる空間部分が設けられている場合を除く)
  2. 前記実装基盤の裏面に形成された放射電極の開放端を前記給電電極に近づけた位置に配置することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記第1の放射電極の長手方向と、前記実装基盤の裏面に形成された放射電極を実質的に平行に配置したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記第1の放射電極の自己インダクタンスと、前記第1の放射電極と実装基板のグランド電極との間の静電容量と、前記第1の放射電極と実装基盤の裏面に形成された放射電極との間の静電容量とで構成されるLC共振回路により第1の共振モードを得ることができ、
    かつ、前記実装基盤の裏面に形成された放射電極の自己インダクタンスと、前記実装基盤の裏面に形成された放射電極とグランド電極との間の静電容量と、前記第1の放射電極と前記実装基盤の裏面に形成された放射電極との間の静電容量と、さらに前記実装基盤の裏面に形成された放射電極の開放端と給電電極との間の静電容量とで構成されるLC共振回路により、第2の共振モードを得ることができる請求項1乃至請求項3に記載のアンテナ装置。
  5. 前記第1の放射電極はヘリカル構造またはミアンダ構造であることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載のアンテナ装置。
  6. 前記第1の放射電極と、前記実装基盤の裏面に形成された放射電極を実装基盤に設けたスルーホールで接続することを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載のアンテナ装置。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載のアンテナ装置を搭載したことを特徴とする通信機器。
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