JP2005091166A - 半導体圧力センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】 線膨張係数の違いによりセンサチップが受ける応力を緩和し、かつ小型化が可能な半導体圧力センサを提供すること。
【解決手段】 第1主面と第2主面とを有する半導体基板と、第1主面に凹設されて底面に薄肉部212を有するダイヤフラム210と、第2主面に設けられてダイヤフラム210の撓み量に応じた電気信号を出力する検知部と、を有する圧力センサチップ200と、
第1主面に接合された第1の台座1と、
前記第2主面に接合され、ダイヤフラム210と相対する位置に凹部21を有するとともに電極と相対する位置を基端として設けられた配線22と配線22の先端に設けられた微小導電突起23とを有する第2の台座2と、を備えてなり、
第1の台座1及び第2の台座2の少なくともどちらか一方に薄肉部212と連通する圧力導入孔11を有したことを特徴とする半導体圧力センサ。
【選択図】 図1
【解決手段】 第1主面と第2主面とを有する半導体基板と、第1主面に凹設されて底面に薄肉部212を有するダイヤフラム210と、第2主面に設けられてダイヤフラム210の撓み量に応じた電気信号を出力する検知部と、を有する圧力センサチップ200と、
第1主面に接合された第1の台座1と、
前記第2主面に接合され、ダイヤフラム210と相対する位置に凹部21を有するとともに電極と相対する位置を基端として設けられた配線22と配線22の先端に設けられた微小導電突起23とを有する第2の台座2と、を備えてなり、
第1の台座1及び第2の台座2の少なくともどちらか一方に薄肉部212と連通する圧力導入孔11を有したことを特徴とする半導体圧力センサ。
【選択図】 図1
Description
本発明は半導体圧力センサに関し、特にフェースダウンボンディングを利用した半導体圧力センサに関するものである。
この種の背景技術として、例えば、特開2002−082009号公報(特許文献1)に提案されている圧力センサがあり、これを図4に示す。このものは、基体100と、センサチップ200とを主要構成要素としている。
基体100は、金属製のステム110と信号取り出し用のリード120とから構成されており、リード120は、ステム110の一方の面から他方の面に向かって貫通するように設けられている。また、リード120とステム110との間にはハーメチックガラス130が充填されており、両者は電気的に絶縁されている。
センサチップ200は、シリコン(Si)からなる半導体基板にて形成されている。半導体基板の一方の面側には圧力検出用のダイヤフラム210が形成されており、そのダイヤフラム210における半導体基板の他方の面側には圧力変化に応じてその抵抗値が変化するピエゾ抵抗(図示せず)が設けられており、検知部を構成している。また、このピエゾ抵抗は、同じく半導体基板の他方の面側に形成されたアルミニウム等からなる電極パッド(図示せず)と電気的に接続されている。さらに、センサチップ200は、例えば金からなるバンプ220を介して基体100にフェースダウンボンディングされている。このバンプ220は、電極パッド上に形成されており、さらにリード120の端部と電気的に接続されている。
また、センサチップ200のダイヤフラム210を形成した面側には、例えばガラスにて形成した台座230が陽極接合等により固着されており、ダイヤフラム210及び台座230にて囲まれた空間に、例えば真空にされた圧力基準室211を形成している。
この圧力センサによれば、基体100とセンサチップ200とをバンプ220を介してフェースダウンボンディングすることにより、リード120をステム110とセンサチップ200とが相対する領域内に設けることができ、ワイヤボンディング接続と比較してステム110を小型化することができる。
しかしながら、このような圧力センサは、基体100とセンサチップ200とがバンプ220により直接接合されているため、圧力センサの置かれている環境温度が変化すると、両者の線膨張係数の違いにより応力が発生して圧力検出特性に影響を及ぼしてしまう。
この課題に対して特許文献1には図4とは別の圧力センサが提案されており、これを図5に示す。この圧力センサは、バンプ220の形成位置が上記圧力センサと異なっており、電極パッドをダイヤフラム210の一端側の外周部に形成してダイヤフラム210とバンプ220との間に距離を設けている。
線膨張係数の違いにより圧力センサチップが受ける応力は、その発生ポイントからの距離に反比例するため、上記構成をとることにより、応力の影響を緩和することができる。
しかしながら、このような圧力センサは、センサチップ200上に広い緩衝領域を必要としてしまい、小型化において制約が生じてしまう。
特開2002−082009号公報
本発明は、上記の点に鑑みてなしたものであり、その目的とするところは、線膨張係数の違いによりセンサチップが受ける応力を緩和し、かつ小型化が可能な半導体圧力センサを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の半導体圧力センサは、第1主面と第2主面とを有する半導体基板と、前記第1主面に凹設されて底面に薄肉部を有するダイヤフラムと、前記第2主面に設けられて前記ダイヤフラムの撓み量に応じた電気信号を出力する検知部と、を有する圧力センサチップと、前記第1主面に接合された第1の台座と、前記第2主面に接合されて前記ダイヤフラムと相対する位置に凹部を有するとともに前記電極と相対する位置を基端として設けられた配線と前記配線の先端に設けられた微小導電突起とを有する第2の台座と、を備えてなり、前記第1の台座及び前記第2の台座の少なくともどちらか一方に前記薄肉部と連通する圧力導入孔を有したことを特徴とするものである。
請求項2に係る発明の半導体圧力センサは、請求項1に記載の構成において、前記圧力導入孔の一方の開口部を前記台座の厚み方向と平行な面に設けているものである。
請求項3に係る発明の半導体圧力センサは、請求項2に記載の構成において、前記圧力導入孔を前記凹部と同一平面上に設け、前記凹部を介して前記薄肉部と連通させているものである。
請求項4に係る発明の半導体圧力センサは、請求項1乃至3のいずれかに記載の構成において、前記第1の台座及び前記第2の台座の少なくともどちらか一方は半導体基板からなり、かつその表面に電気回路を備えているものである。
本発明の半導体圧力センサによれば、圧力センサチップに第2の台座を設けることにより微小導電突起と圧力センサチップとの距離を長くして応力の伝達距離を長くしているので、圧力センサチップでの応力の影響、すなわち、ダイヤフラムが応力を受けることによる圧力検知特性の劣化を抑制して圧力感度を向上することができる。また、第2の台座に圧力センサチップの電極と電気的に接合された微小導電突起を設けているので、被実装体、例えば回路基板に形成された回路パターンにフェイスダウンボンディングすることが可能となり、かつ半導体圧力センサが回路基板を占有する面積は、圧力センサチップと略同等の面積となり小型化することができる。
また、圧力導入孔の一方の開口部を台座の厚み方向と平行な面に設けることにより、ダイヤフラムへの異物の進入を抑制することができるので、ダイヤフラムの薄肉部が異物と接触することによる圧力検知特性の劣化や薄肉部の破損を低減することができる。
また、圧力導入孔を凹部と同一平面上に設けることにより、圧力センサチップと台座との接合領域を小さくして応力の伝達経路を少なくすることができるので、より圧力検知特性の劣化を抑制して圧力感度を向上することができる。
また、第1の台座及び第2の台座の少なくともどちらか一方を半導体基板にて構成することにより、台座の表面に通常の半導体プロセスを用いて抵抗、コンデンサ及びトランジスタ等の回路素子を形成することが可能となり、例えば制御回路や信号処理回路等を一体形成した半導体圧力センサが圧力センサチップと略同等の面積で実現できる。
[第1の実施形態]
第1の実施形態に係る半導体圧力センサを図1に基づいて説明する。図1は、その中央付近を切断したときの断面斜視図である。
第1の実施形態に係る半導体圧力センサを図1に基づいて説明する。図1は、その中央付近を切断したときの断面斜視図である。
この半導体圧力センサは、圧力センサチップ200と、第1の台座1と、第2の台座2と、を主要構成要素としている。
このうち、圧力センサチップ200は、背景技術のものと実質的に同一であるので、同一部材には同一の番号を付して説明を省略する。
第1の台座1は、例えば耐熱ガラスにて形成しており、その大きさは圧力センサチップ200と略同等である。また、このものは、圧力センサチップ200のダイヤフラム210を形成した面に固着している。
また、第1の台座1には圧力導入孔11を設けている。この圧力導入孔11は、被測定圧力をダイヤフラム210に導入するためのものであり、第1の台座1の他方の面(図1の上側)からダイヤフラム210に向かって台座の厚み方向に沿うように形成している。
第2の台座2は、第1の台座1と同じく圧力センサチップ200と略同等の大きさに形成されており、例えば、耐熱ガラスにて形成している。また、その一方の面には凹部21を設けている。このものは、第2の台座2を圧力センサチップ200の第1の台座1を接合した面とは反対側の面に固着したときにダイヤフラム210の薄肉部212と相対する位置に形成しており、その平面視における大きさは、ダイヤフラム210の薄肉部212と略同等又はそれ以上の大きさであり、その深さは薄肉部212の撓み量と略同等又はそれ以上に設定している。また、本実施形態において、この凹部21は閉空間であって圧力測定の際には圧力基準室となる。また、凹部21の内圧は、接合の時点で任意の圧力に設定可能であり、例えば、減圧の状況下で接合して略真空の状態にしている。
ここにおいて、凹部21及び前述の圧力導入孔11は、例えば、サンドブラスト加工、レーザー加工及びエッチング加工等のいずれかを用いて形成している。
また、第2の台座2には圧力センサチップ200の電極パッド(図示せず)と電気的に接続する配線22を設けている。この配線22は、第2の台座2における圧力センサチップ200の電極パッドと当接する位置からその厚み方向に貫通孔22aを形成し、その内部に、例えば、アルミニウム(Al)からなる導電性材料を充填させることにより形成している。
ここにおいて、圧力センサチップ200の電極パッドと配線22との接続は、第2の台座2を圧力センサチップ200に固着する際に行われる。その固着方法として、例えば、表面活性常温接合法、半田溶融接合法及び陽極接合法の周知技術を用いることが可能である。このうち、表面活性常温接合法及び半田溶融接合法を用いる場合は、凹部21の周縁部と圧力センサチップ200との間及び電極パッドと配線22との間に金属層(図示せず)を介在させており、表面活性常温接合法において金からなる金属層、半田溶融接合法においてはクロムからなる金属層を形成している。この金属層は圧力センサチップ200と第2の台座2との接合面を全てに形成しておくのが好ましい。ただし、この場合は金属膜と電極パッド及び配線22が電気的に絶縁された状態にしておく必要がある。
一方、配線22の他端には、微小導電突起23を形成している。このものは、例えば、金又は半田により構成している。そして、この微小導電突起23を介して半導体圧力センサを回路基板(図示せず)の回路パターン(図示せず)に電気的及び物理的に接続している。
以上説明した本実施形態の半導体圧力センサによれば、圧力センサチップ200と回路基板との線膨張係数の違いで発生する応力の伝達距離を第2の台座2を介在させて長くしているので、ダイヤフラム210が応力を受けることによる圧力検知特性の劣化を抑制して圧力感度を向上することができる。
そして、第2の台座2の大きさを圧力センサチップ200と略同等の大きさとし、かつ圧力センサチップ200の電極パッドと相対する位置にアルミニウムを充填した貫通孔22aからなる配線22を形成し、その他端側に微小導電突起23を形成しているので、回路基板に形成された回路パターンにフェイスダウンボンディングすることが可能となり、かつ半導体圧力センサが回路基板を占有する面積は、圧力センサチップ200と略同等の面積となり、結果的に、低背化及び低面積化を実現した小型化の半導体圧力センサを提供することができる。
なお、圧力導入孔11は、第1の台座1のみに形成されるものではなく、例えば、第2の台座2に形成し、凹部21を介してダイヤフラム210の薄肉部212と連通させてもよいし、第1の台座1及び第2の台座2の両方に形成してもよい。
ここにおいて、圧力導入孔11を第2の台座2にのみ形成した場合は、ダイヤフラム210及び第1の台座1で形成された空間が圧力基準室となる。圧力導入孔11を第1の台座1及び第2の台座2の両方に形成した場合は、ダイヤフラム210の薄肉部212と第1の台座1及び第2の台座2で囲まれた2つの領域のどちらか一方が圧力基準室となり、そのそれぞれの領域に導入された圧力の差を検知することができる。
また、配線22の内方に充填する導電性材料は、アルミニウム(Al)の他に導電性材料を混入させた樹脂(例えば、銀ペースト)を用いてもよい。
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る半導体圧力センサを図2に基づいて説明する。図2は、その中央付近を切断したときの断面斜視図である。
第2の実施形態に係る半導体圧力センサを図2に基づいて説明する。図2は、その中央付近を切断したときの断面斜視図である。
この実施形態の半導体圧力センサは、圧力導入孔12が第1の実施形態と異なるものであり、他の構成要素は第1の実施形態のものと実質的に同一であるので、同一部材には同一の番号を付して説明を省略する。
本実施形態の圧力導入孔12は、その一端の開口部を側面(図2の左右方向の面)に形成したことが第1の実施形態と異なっている。この圧力導入孔12は、ダイヤフラム210から第1の台座1の厚み方向に沿って形成した第1導入孔12aと、その端部から第1の台座1の平面方向に沿って形成した第2導入孔12bとの2つの導入孔にて形成しており、その断面視における形状はL字状型としている。
以上説明した本実施形態の半導体圧力センサによれば、圧力導入孔12をL字状に形成してダイヤフラム210の薄肉部212と外部との間に折曲部を設けているので、薄肉部212への異物の直接の進入を抑制することができ、薄肉部212が異物と接触することによる圧力検知特性の劣化や薄肉部212の破損を低減することができる。
なお、本実施形態においても第1の実施形態と同様に圧力導入孔12を第1の台座1及び第2の台座2のどちらに設けてもよいし、両方に設けてもよい。
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係る半導体圧力センサを図3に基づいて説明する。図3は、その中央付近を切断したときの断面斜視図である。
第3の実施形態に係る半導体圧力センサを図3に基づいて説明する。図3は、その中央付近を切断したときの断面斜視図である。
この実施形態の半導体圧力センサは、圧力導入孔13が上述した実施形態と異なるものであり、他の構成要素は実質的に同一であるので、同一部材には同一の番号を付して説明を省略する。
本実施形態の圧力導入孔13は、その形成位置を第2の台座2の圧力センサチップ200との接合面上に形成していることが第1及び第2の実施形態と異なっている。
この圧力導入孔13は、第2の台座2の凹部21を形成した面と同一平面上に形成しており、凹部21から第2の台座2の周縁(図3の左右方向の面)に向かって延設している。このとき、圧力導入孔13は配線22と干渉しない位置に形成している。また、その長手方向と直交する方向の断面形状は略四角形状である。
以上説明した本実施形態の半導体圧力センサによれば、圧力センサチップ200と第2の台座2との接合面積が第1及び第2の実施形態の半導体圧力センサより小さくなり、これにより応力の伝達経路を少なくすることができるので、より圧力検知特性の劣化を抑制することができる。
なお、圧力導入孔13は、その個数が1つに限定されるものではなく、可能な範囲で複数個形成するのが好ましい。また、複数個形成する場合は圧力センサチップ200の中央を基準として点対称となる位置に形成するのが好ましい。このようにすると、応力伝達が均等に行われ、例えば、圧力センサチップ200に形成されたピエゾ抵抗(図示せず)がホイートストンブリッジを構成している場合、応力による抵抗値変動は打ち消し合う方向に働くため好ましい。
以上、本発明の半導体圧力センサを3つの実施形態にて説明した。ここにおいて、第1の台座1及び第2の台座2の少なくともどちらか一方を、例えば、シリコンからなる半導体基板を用いることにより、その一方の面に周知の半導体プロセスを利用してトランジスタ(図示せず)や抵抗(図示せず)等の回路素子(図示せず)を形成することも可能である。回路素子としては、例えば、圧力センサチップ200からの信号を処理する回路やその動作を制御する回路等を構成することが可能である。また、この場合、圧力センサチップ200や回路素子には配線22を介して電気信号を授受する。
このように、台座に通常の半導体プロセスを用いて抵抗、コンデンサ及びトランジスタ等の回路素子を形成しているので、例えば制御回路や信号処理回路等を一体形成した半導体圧力センサが圧力センサチップ200と略同等の面積で実現できる。
1 第1の台座
11 圧力導入孔
2 第2の台座
21 凹部
22 配線
23 微小導電突起
200 圧力センサチップ
210 ダイヤフラム
212 薄肉部
11 圧力導入孔
2 第2の台座
21 凹部
22 配線
23 微小導電突起
200 圧力センサチップ
210 ダイヤフラム
212 薄肉部
Claims (4)
- 第1主面と第2主面とを有する半導体基板と、前記第1主面に凹設されて底面に薄肉部を有するダイヤフラムと、前記第2主面に設けられて前記ダイヤフラムの撓み量に応じた電気信号を出力する検知部と、を有する圧力センサチップと、
前記第1主面に接合された第1の台座と、
前記第2主面に接合され、前記ダイヤフラムと相対する位置に凹部を有するとともに前記電極と相対する位置を基端として設けられた配線と前記配線の先端に設けられた微小導電突起とを有する第2の台座と、を備えてなり、
前記第1の台座及び前記第2の台座の少なくともどちらか一方に前記薄肉部と連通する圧力導入孔を有したことを特徴とする半導体圧力センサ。 - 前記圧力導入孔は、その一方の開口部を前記台座の厚み方向と平行な面に設けている請求項1に記載の半導体圧力センサ。
- 前記圧力導入孔は、前記凹部と同一平面上に設けてなり、前記凹部を介して前記薄肉部と連通する請求項2に記載の半導体圧力センサ。
- 前記第1の台座及び前記第2の台座の少なくともどちらか一方は半導体基板からなり、かつその表面に電気回路を備えている請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体圧力センサ。
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