JP2005082871A - 永久磁石用合金 - Google Patents

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Abstract


【課題】 磁気特性が良好で、かつ、製造コストが安価な永久磁石用合金を提供するものである。
【解決手段】 本発明に係る永久磁石用合金は、
R-Fe-M−B(R:希土類元素)系の永久磁石用合金であって、
Rは少なくともNd及びPrを含み、
Nd:Prが1:2.0〜3.3の原子配合比であり、
MはNb、Cu、Al、Cr、Ti、V、Mn、Ni、Zn、Zr、又はHfから選択される元素の少なくとも一種を含むものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、永久磁石用合金に係り、特に、モータやセンサなどに用いられる小型で高性能な永久磁石用合金に関するものである。
近年、自動車・電気製品用のモータやセンサ、発電機、又は自動車用リターダ等に用いられる永久磁石は、小型化(高性能化)及び低価格化の要求が高まっている。これらの要求を満たす高性能な永久磁石としては、希土類元素の内で比較的低価格なNdを用いたNd-Fe-B系合金が、一般に広く用いられている。
従来、化学量論的組成のNd-Fe-B系合金(Nd12Fe826)より、低希土類組成のNd-Fe-B系合金は、種々のものが開発・報告されている。
報告されている低希土類組成のNd-Fe-B系合金の内、Nd11Fe727.5Co81.5の合金組成において、19.1MGOe(152.7kJ/m3)の最大磁気エネルギー積(以下、(BH)maxと表す)が得られている(例えば、非特許文献1参照)。また、Nd9-FeBal-Co5〜15-Zr2〜7-B5〜10の合金組成において、17MGOe(135kJ/m3)の(BH)maxが得られている(例えば、非特許文献2参照)。
また、高保磁力(強磁性)のハード相(硬磁性結晶粒)と高飽和磁束のソフト相(軟磁性結晶粒)とを交換結合させて、より高い性能を引き出した磁石、即ち、ハード相にNd2Fe14B相を、ソフト相にFe3B相又はαFe相を用いた二相合金ナノコンポジット磁石(又は交換スプリング磁石)が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
山本、他3名,「Nd-Fe-Co-B-V系急冷薄帯およびボンド磁石の磁気特性」,日本応用磁気学会誌,社団法人日本応用磁気学会,1989年,第13巻,第2号,p.219-222 T.Yoneyama、O.Kohmoto、and K.Yajima,「MAGNETIC PROPERTIES OF RAPIDLY QUENCHED ND-FE-T-B(T=ZR,NB) MAGNETS」,9th International Workshop on Rare-Earth Magnet and their Applications,August 31-September 2,1987,p.495-502 特開平11−288807号公報
ところで、前述した低希土類組成のNd-Fe-B系合金を用いた磁石及び二相合金ナノコンポジット磁石のいずれにおいても、20MGOeを超える(BH)maxは未だ得られていない。
また、比較的高い磁気特性を有する非特許文献1,2記載のNd-Fe-B系合金、及び特許文献1記載の磁石合金粒子粉末は、Ndと共に非常に高価な元素であるCoを多量に含有するものであるため、合金の製造コストが高いという問題があった。
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、磁気特性が良好で、かつ、製造コストが安価な永久磁石用合金を提供することにある。
上記目的を達成すべく本発明に係る永久磁石用合金は、
R-Fe-M−B(R:希土類元素)系の永久磁石用合金であって、
Rは少なくともNd及びPrを含み、
NdとPrとの原子配合比が1:2.0〜3.3であり、
MはNb、Cu、Al、Cr、Ti、V、Mn、Ni、Zn、Zr、又はHfから選択される元素の少なくとも一種を含むものである。
具体的には、請求項2に示すように、Mが少なくともNbを含み、Nbの成分組成が0.2〜0.8at%であることが好ましい。
請求項3に示すように、Mが少なくともCuを含み、Cuの成分組成が0.03〜0.25at%であることが好ましい。
請求項4に示すように、Mが少なくともNb及びCuを含み、Nbの成分組成が0.2〜0.8at%及びCuの成分組成が0.03〜0.25at%であることが好ましい。
これによって、Coを全く含有していないが、良好な磁気特性を有する永久磁石用合金が得られる。
本発明によれば、Coを全く含んでいないが、良好な磁気特性を有する永久磁石用合金を得ることができるという優れた効果を発揮する。
以下、本発明の好適一実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
本発明者らが以前開発した二相合金ナノコンポジット磁石である高性能希土類永久磁石用合金(特開2001−323343号公報参照)は、Coを全く含有しておらず、従来の合金と比較して製造コストが安価であった。しかし、(BH)maxが最大で15MGOe強であり、磁気特性がやや低いという問題があった。そこで、本発明者らが鋭意研究を行った結果、以下に示す発明を創案するに到った。
本発明の好適一実施の形態に係る永久磁石用合金は、
R-Fe-M−B(R:希土類元素)系、具体的には(Nd1-a,Prax-FeBal-My-Bz系の永久磁石用合金であって、
Rは少なくともNd及びPrを含み、
NdとPrとの原子配合比がNd:Pr=1:2.0〜3.3であり、
MはNb、Cu、Al、Cr、Ti、V、Mn、Ni、Zn、Zr、又はHfから選択される元素の少なくとも一種を含むものである。一方、本実施の形態に係る永久磁石用合金を、組織的な観点から表現すると、金属組織が、(Nd,Pr)2Fe14B相及びαFe相の略二相組織で構成されるR-Fe-M−B系の永久磁石用合金である。
ここで、Mは、Nb、Cu、Al、Cr、Ti、V、Mn、Ni、Zn、Zr、又はHfから選択される元素の少なくとも一種で構成される。好ましくは、MはNbb及び/又はCucであり、Nbの成分組成bは0.2〜0.8at%、Cuの成分組成cは0.03〜0.25at%である。
また、(Nd1-a,Pra)の成分組成xは8.5〜9.6at%である。Bの成分組成zは4.0〜5.5at%で、かつ、x/zの値は1.60〜2.25、好ましくは2前後である。
また、永久磁石用合金の結晶粒サイズは5〜100nm、好ましくは10〜40nmである。ここで、結晶粒サイズを5〜100nmと限定したのは、高い保磁力を得るには、二相合金ナノコンポジット磁石における交換結合を強め、(Nd,Pr)2Fe14B相の高い磁気異方性でαFe相の磁化反転を抑制する必要があるからである。よって、(Nd,Pr)2Fe14B相及びαFe相の接触面積を増やすべく、各相の結晶粒のサイズを、前述した範囲に限定することが有効である。
次に、前述した永久磁石用合金においてPr、Nb、及びCuを選択した理由を以下に述べる。
R-Fe-B(R:希土類元素)の結晶は立方晶であることから、Sm以外の軽希土類元素で、大きな結晶磁気異方性を得るには、{001}面間のR−R距離を、{001}面内のR−R距離よりも大きくする必要がある。しかし、Sm2Fe14B、Er2Fe14B、Tm2Fe14Bなどでは面内異方性が確認され(R−R距離の増大が望めず)、Nd2Fe14Bのようにc軸異方性を期待することができない。
また、Ndの一部を、結晶磁気異方性がより大きな重希土類元素、例えばTbやDy等で置換すると、更に大きな保磁力を得ることができる。しかし、TbやDy等の重希土類元素は、そのスピンとFeスピンとが反平行になるため、飽和磁化が減少し、結果として(BH)maxが低下する。
これらの点を考慮した結果、Ndの一部と置換することによって磁気性能の向上を図ることが可能な希土類元素は限られており、その中でも磁気性能の向上に特に有効で、かつ、原料コストが比較的安価なPrを選択した。Prの添加により、保磁力及び角型比の向上が期待できる。
Nb及びCuは、結晶粒微細化に有効な元素であり、磁性粉を単磁区化し、保磁力を高めるのに有効である。Nb及びCuを添加させた結果として、交換相互作用の働きを助け、残留磁束密度を高めて(BH)maxを向上させる。
次に、組成(Nd1-a,Prax-FeBal-My-Bzにおける適した数値範囲と、その数値範囲の理由を以下に述べる。
二相合金ナノコンポジット磁石の場合、αFe相と、Nd2Fe14B相(以下、φ相と表す)との比率が問題となる。ここで、αFe相量が約28at%以上になると、保磁力と共に(BH)maxが低下する。これは、αFe相の増加に伴ってφ相が減少するためである。また、αFe相量が約18at%以下になると、飽和磁束密度と共に(BH)maxが低下する。これは、αFe相が少なくなると、磁気モーメントの交換相互作用が減少するためである。これらのバランスを考慮すると、αFe相量は18〜28at%の範囲の時、最もφ相との交換相互作用を発揮することができ、磁気性能も高くなる。
18〜28at%のαFe相量は、組成(Nd,Pr)x-FeBal-Bzに換算すると、成分組成xが8.5〜9.6at%である。よって、組成(Nd1-a,Prax-FeBal-My-Bzにおいて、(Nd1-a,Pra)の成分組成xを8.5〜9.6at%と限定した。
また、組成(Nd1-a,Prax-FeBal-My-Bz、例えば、本実施の形態に係る永久磁石用合金の一実施例である(Nd1-a,Pra9Fe84.9Nb0.5Cu0.1B5.5において、a/(1−a)の値を2.0〜3.3と限定したのは、a/(1−a)の値が2.0未満では、図6に示すように保磁力の低下を招き、図1及び図4に示すように(BH)maxが低下してしまうためである。また、a/(1−a)の値が3.3を超えると、図6に示す保磁力及び図5に示す残留磁束密度の両者の低下を招き、図1及び図4に示すように(BH)maxが急激に低下してしまうためである。図4〜図6において、(Nd1-a,Pra9Fe84.9Nb0.5Cu0.1B5.5を○印で結んだ破線で、(Nd1-a,Pra9Fe86B5を■印で結んだ実線で示している。また、図1は、図4の破線におけるa/(1−a)=1〜3.5の部分の拡大図である。
また、組成(Nd1-a,Prax-FeBal-My-Bz、例えば、本実施の形態に係る永久磁石用合金の一実施例である(Nd0.25,Pr0.759FeBalNbbCu0.1B5.5において、MとしてNbを用い、かつ、その成分組成bを0.2〜0.8at%、好ましくは0.4〜0.65at%と限定したのは、図2に示すように、Nbの成分組成bが0.2at%未満では、飽和磁化の低下を招き、(BH)maxが低下してしまうためである。また、Nbの成分組成bが0.8at%を超えると、保磁力及び飽和磁化が共に低下して(BH)maxが低下してしまうためである。
また、組成(Nd1-a,Prax-FeBal-My-Bz、例えば、本実施の形態に係る永久磁石用合金の一実施例である(Nd0.25,Pr0.759FeBalNb0.5CucB4.5において、MとしてCuを用い、かつ、その成分組成cを0.03〜0.25at%、好ましくは0.07〜0.17at%と限定したのは、図3に示すように、Cuの成分組成cが0.03at%未満では、飽和磁化の低下を招き、(BH)maxが低下してしまうためである。また、Cuの成分組成cが0.25at%を超えると、保磁力が低下し、(BH)maxが低下してしまうためである。
また、組成(Nd1-a,Prax-FeBal-My-Bzにおいて、MとしてNb及びCuを同時に用いることで両者の交互作用が得られる。両者の好適な成分組成b及びcは、Nbの成分組成bが0.2〜0.8at%、かつ、Cuの成分組成cが0.03〜0.25at%、より好ましくは図7中に斜線領域で示すように、Nbの成分組成bが0.28〜0.77at%、かつ、Cuの成分組成cが0.03〜0.20at%である。これによって、18MGOe以上の(BH)maxを有する永久磁石用合金が得られる。
また、組成(Nd1-a,Prax-FeBal-My-Bzにおいて、Bの成分組成zを4.0〜5.5at%、かつ、x/zの値を1.60〜2.25と限定したのは、x/zの値が1.60未満では、Fe3B相が析出して保磁力が低くなり、(BH)maxが低下してしまうためである。また、x/zの値が2.25を超えると、Nd2Fe17相が析出して保磁力が低くなり、(BH)maxが低下してしまうためである。
本実施の形態に係る永久磁石用合金によれば、成分組成範囲を上記範囲に限定することで、金属組織が高保磁力の(Nd,Pr)2Fe14B相と、高飽和磁束のαFe相との略完全な二相組織となり、(Nd,Pr)2Fe14B相とαFe相とが距離的に近接した状態となるため、各相の交換相互作用を十分(略最大限)に活かすことができる。即ち、αFe相の高い磁化特性を活かしつつ、保磁力を略最大限に高めることができるため、20MGOeを超える(BH)maxを有する永久磁石用合金、つまり磁気特性に優れた永久磁石用合金を得ることができる。
また、第4元素として、Nb、Cu、Al、Cr、Ti、V、Mn、Ni、Zn、Zr、又はHfから選択される元素の少なくとも一種からなる非磁性金属元素(M)を、0.3〜1.2at%の範囲で添加することで、結晶粒の微細化を促し、交換相互作用を更に活かすことができる。
また、本実施の形態に係る永久磁石用合金の、(Nd,Pr)2Fe14B相及びαFe相の結晶粒サイズを、5〜100nm、好ましくは10〜40nmの範囲に限定することで、各相の接触面積が増大し、更に保磁力を高めることができる。
また、本実施の形態に係る永久磁石用合金は、Co成分を含有していないため、前述した非特許文献1,2記載のNd-Fe-B系合金、又は特許文献1記載の磁石合金粒子粉末と比較して製造コストが安価となる。
次に、本発明の好適一実施の形態に係る永久磁石用合金の製造方法を説明する。
先ず、組成(Nd1-a,Prax-FeBal-My-Bzにおいて、
(Nd1-a,Pra)の成分組成xが8.5〜9.6at%、かつ、a/(1−a)の値が2.0〜3.3、
Nb、Cu、Al、Cr、Ti、V、Mn、Ni、Zn、Zr、又はHfから選択される元素の少なくとも一種からなる非磁性金属元素(M)を0.3〜1.2at%、好ましくはNb及び/又はCuで構成され、Nbbの成分組成bが0.2〜0.8at%、Cucの成分組成cが0.03〜0.25at%、
Bの成分組成zが4.0〜5.5at%、かつ、x/zの値が1.60〜2.25、好ましくは2前後、
残部がFe、
となるように、各元素の原料体を秤量し、合金原料体を得る。
得られた合金原料体を加熱して合金溶湯を溶製する。その後、合金溶湯に対して不活性ガス(例えば、Arガス)等を用いてガスアトマイズを行い、合金溶湯の液滴を生成させると共に、その液滴を、15〜18m/sの周速度で回転する回転冷却体に衝突させて急冷し、リボン状の急冷凝固合金体を得る。
これによって、金属組織が(Nd,Pr)2Fe14B相及びαFe相の略二相で、かつ、各相の結晶のサイズが5〜100nm、好ましくは10〜40nmである合金体が得られる。
このようにして得られた急冷凝固合金体(永久磁石用合金)を適宜粉砕し、得られた粉末と樹脂とを混合することで、ボンド磁石が得られる。また、この永久磁石用合金粉末にホットプレス加工を施すことでバルク材が得られる。さらに、この永久磁石用合金粉末に対して、ダイアプセット法を用いることで異方性バルク材が得られる。
15〜18m/sの周速度で回転する回転冷却体に衝突させて急冷する冷却方法としては、工業的に適用されている従来の高速急冷法等を用いることができ、特に限定するものではない。合金溶湯の液滴を、15〜18m/sの周速度で回転する回転冷却体に衝突させて急冷し、冷却速度をコントロールすることで、(Nd,Pr)2Fe14B相及びαFe相の略二相組織構造であるリボン状急冷凝固体が得られる。
本実施の形態に係る永久磁石用合金を用いて作製したボンド磁石は、従来のボンド磁石(例えば、非特許文献1,2記載のNd-Fe-B系合金又は特許文献1記載の磁石合金粒子粉末を用いて作製したボンド磁石)と比較して、磁気特性が良好である((BH)maxが高い)と共に製造コストが安価である。このため、モータ類やセンサ類、特に自動車・電気製品用のモータやセンサ、発電機、又は自動車用リターダ等に適用することで、小型化(高性能化)及び低価格化を実現することができる。モータやセンサ、発電機、又は自動車用リターダの他にも、磁気特性に優れた高性能磁石を必要とする様々な装置・機器に適用可能である。
また、従来のボンド磁石と同等の磁気特性を有するボンド磁石を、本実施の形態に係る永久磁石用合金を用いて作製することで、従来と比較して磁石粉末量を低減することが可能となり、より安価にボンド磁石を製造することができる。
以上、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、他にも種々のものが想定されることは言うまでもない。
次に、本発明の実施の形態について、実施例に基づいて説明するが、本発明の実施の形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実験例1>
原料体として、Nd、Pr、Fe、Nb、Cu、及びFe-Bを用い、組成の異なる14種類の永久磁石用合金粉末を作製する。その後、各試料をアルゴンガス雰囲気下でアーク溶解し、φ8〜12mm、長さ50〜200mmのインゴットをそれぞれ鋳造した。
次に、各インゴットを、溶融スピニングマシンの石英ノズル(外径12mm、ノズル先端の穴径0.3〜0.6mm)内に配置する。石英ノズルのノズル先端はカーボンリングの穴内に臨んで配置されている。また、石英ノズルの下部には、石英ノズル及びカーボンリングを取り囲むように高周波コイルが設けられている。
その後、高周波コイルにより石英ノズルを加熱し、1300〜1400℃で各インゴットを溶解する。その後、噴出圧1.2〜2.0×105PaのArガスを用いて、合金溶湯を石英ノズルの先端から噴霧して合金溶湯の液滴を生じさせ、その液滴を、Arガス雰囲気下、15〜18m/sの周速度で回転する外径250mmの銅ロールの表面に衝突させて急冷凝固させる。これによって、厚さ約30μmのリボン状急冷凝固体(永久磁石用合金)をそれぞれ作製した(実施例1〜10及び比較例1〜4)。
次に、実施例1〜10及び比較例1〜4の各急冷凝固体の磁気特性について、VSM(試料振動型磁力計)を用いて評価を行った。磁気特性は、飽和磁束密度(以下、Jsと表す)、残留磁束密度(以下、Jrと表す)、保磁力(以下、iHcと表す)、(BH)max(最大磁気エネルギー積)について評価した。各急冷凝固体の合金組成及び評価結果を表1に示す。
Figure 2005082871
表1に示すように、Nd、Pr、Nb、及びBの成分組成を固定し(Feは残部)、Cuの成分組成のみを変化させた実施例1〜5の各急冷凝固体は、Jsが13.5〜14.9kG、Jrが10.7〜11.8kG、iHcが6.4〜6.6kOe、(BH)maxが17.9〜20.5MGOeであり、Cuの成分組成が0.10及び0.15の時、20MGOeを超える(BH)maxが得られた。
これに対して、比較例1の急冷凝固体は、Cuを全く添加していないことから、飽和磁化の低下を招いてしまい、(BH)maxも12.8MGOeと低かった。
また、Nd、Pr、Cu、及びBの成分組成を固定し(Feは残部)、Nbの成分組成のみを変化させた実施例6〜8の各急冷凝固体は、Jsが13.0〜14.8kG、Jrが10.3〜11.6kG、iHcが6.3〜7.5kOe、(BH)maxが17.8〜20.9MGOeであり、Nbの成分組成が0.5の時、20MGOeを超える(BH)maxが得られた。
これに対して、比較例2の急冷凝固体は、Nbを全く添加していないことから、飽和磁化の低下を招いてしまい、(BH)maxも16.1MGOeと低かった。また、比較例3の急冷凝固体は、Nbの添加量が限定範囲(0.2〜0.8at%)よりも多い1.2at%であるため、飽和磁化の低下を招くと共に、0.3〜0.8at%の間で微増していたiHcが減少(6.3kOe)に転じており、(BH)maxが急激に低下した(13.0MGOe)。
また、Nb、Cu、及びBの成分組成を固定し(Feは残部)、Nd及びPrの成分組成のみを変化させた実施例9,10及び7の各急冷凝固体は、Jsが13.9〜14.1kG、Jrが11.1〜11.2kG、iHcが6.4〜7.0kOe、(BH)maxが18.0〜20.9MGOeであり、Ndの成分組成が0.25及びPrの成分組成が0.75(PrとNdの組成比(Pr/Nd)が3.0)の時、20MGOeを超える(BH)maxが得られた。
これに対して、比較例4の急冷凝固体は、Pr/Ndの値が限定範囲(2.0〜3.3)よりも多い3.5であるため、飽和磁化の低下を招いてしまい、(BH)maxが急激に低下した(14.9MGOe)。
以上、本実施の形態に係る永久磁石用合金である実施例1〜10の各急冷凝固体は、約18MGOe以上の(BH)maxを有する磁気特性に優れた合金であった。
本実施の形態に係る永久磁石用合金の一実施例である(Nd1-a,Pra9Fe84.9Nb0.5Cu0.1B5.5におけるa/(1−a)比と最大磁気エネルギー積との関係を示す図である。 本実施の形態に係る永久磁石用合金の一実施例である(Nd0.25,Pr0.759FeBalNbbCu0.1B5.5におけるNbの成分組成bと最大磁気エネルギー積との関係を示す図である。 本実施の形態に係る永久磁石用合金の一実施例である(Nd0.25,Pr0.759FeBalNb0.5CucB4.5におけるCuの成分組成cと最大磁気エネルギー積との関係を示す図である。 本実施の形態に係る永久磁石用合金の一実施例である(Nd1-a,Pra9Fe84.9Nb0.5Cu0.1B5.5におけるPrの成分割合aと最大磁気エネルギー積との関係を示す図である。 本実施の形態に係る永久磁石用合金の一実施例である(Nd1-a,Pra9Fe84.9Nb0.5Cu0.1B5.5におけるPrの成分割合aと残留磁束密度との関係を示す図である。 本実施の形態に係る永久磁石用合金の一実施例である(Nd1-a,Pra9Fe84.9Nb0.5Cu0.1B5.5におけるPrの成分割合aと保磁力との関係を示す図である。 本実施の形態に係る永久磁石用合金の一実施例である(Nd0.25,Pr0.759FeBalNbbCucB4.5におけるNbの成分組成b及びCuの成分組成cと最大磁気エネルギー積との関係を示す図である。

Claims (4)

  1. R-Fe-M−B(R:希土類元素)系の永久磁石用合金であって、
    Rは少なくともNd及びPrを含み、
    NdとPrとの原子配合比が1:2.0〜3.3であり、
    MはNb、Cu、Al、Cr、Ti、V、Mn、Ni、Zn、Zr、又はHfから選択される元素の少なくとも一種を含むことを特徴とする永久磁石用合金。
  2. 上記Mが少なくともNbを含み、Nbの成分組成が0.2〜0.8at%である請求項1記載の永久磁石用合金。
  3. 上記Mが少なくともCuを含み、Cuの成分組成が0.03〜0.25at%である請求項1記載の永久磁石用合金。
  4. 上記Mが少なくともNb及びCuを含み、Nbの成分組成が0.2〜0.8at%及びCuの成分組成が0.03〜0.25at%である請求項1記載の永久磁石用合金。
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