JP2005082074A - 防振マウント装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 規制部材43が一体的に設けられた防振マウント装置3の生産性を向上し、生産コストの低減化を図る。
【解決手段】 ケーシング31と連結金具32とゴム支承体33とを含むマウント本体部30を有するマウント装置3において、車体前後方向に延びる規制部材43の各端部を支持する第1及び第2の弾性ブッシュ45,46の内の少なくとも一方を、マウント本体部30に設けて、上記マウント本体部の成形と同時に成形する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、自動車にパワープラントを搭載するための防振マウント装置に関する。
従来より、例えば特許文献1に開示されるように、エンジン及び変速機が直列に配置されたパワープラントの長手方向(クランク軸の延びる方向)両端部を、それぞれ、エンジンルームの左右両端側に位置する車体サイドフレームに対して2つのマウント部材(防振マウント装置)により弾性的に支持するようにしたものがある。このようなマウント部材はパワープラントの重量の殆どを受け持つことになるので、少なくとも上下方向について或る程度高い静剛性を要求され、エンジン振動の吸収・遮断という点で不利な面もある。
すなわち、エンジンのアイドル運転時等にトルク変動によって主にロール慣性主軸(以下、単にロール軸という)の周りに発生する振動は、その振幅こそあまり大きくはないが、人間が不快に感じる低周波域のものなので、マウント部材において吸収し車体への伝達を防止することが望ましい。
そこで、一般に、上記左右両側のマウント部材をパワープラントのロール軸にできるだけ近接させて配置する慣性主軸マウントが採用される。こうすれば、マウント部材が上下方向に或る程度硬い(高い静剛性を有する)ものであっても、ロール軸周りの動バネは柔らかなものとなり、これによりアイドル振動の車体への伝達が抑えられる。
しかしながら、そのようにロール軸周りの動バネを柔らかくすると、例えば急加速時等のようにエンジンの駆動出力(トルク)が大きく変動するときに、その反力(トルク)によってパワープラント全体が大きくロール軸周りに回動(ローリング)してしまい、これにより周囲の部品との干渉の問題が生じたり、或いは、マウント部材のゴム部に過大な変形を生じて耐久性が損なわれる虞れがある。そこで、一般的な慣性主軸マウントでは、パワープラントの左右に配置した主マウント部材の他に、例えば特許文献2に開示されるように、その前後に1つずつ別のマウント部材(同文献にはフロントマウント、リヤマウントと記載)を設けて、当該パワープラントのローリングを規制するようにしている。
また、例えば特許文献3に開示されるように、左右のマウント部材によるパワープラントの支持点をやや高めに設定して、該パワープラント全体を振り子(ペンデュラム)のように揺動可能に支持するとともに、その揺れを規制するための規制部材をパワープラントの下端部と車体側とを連結するように独立に設ける構造も知られている(以下、3点ペンデュラムマウントと呼ぶ)。この3点ペンデュラムマウントでは、上述した一般的な慣性主軸マウントに比べてパワープラントの荷重の支持点がロール軸から離れているため、アイドル振動の低減についてやや不利になるきらいはあるが、駆動反力(トルク)が作用したときには、パワープラントのロール軸周りの回動が左右のマウント部材自体によっても規制されることになるので、単一の規制部材でもパワープラントの揺れを抑えやすいと考えられる。
しかし、例えば大排気量エンジンを搭載した自動車やハイブリッド自動車等の場合は、パワープラントの出力が非常に大きくなるので、その反力(トルク)によるパワープラントのローリングを上記のように単一の規制部材のみで抑えることは難しい。
また、そのように大きな駆動反力によるローリングが左右のマウント部材自体によっても規制されるということは、換言すれば、それらのマウント部材に対して大きな水平方向荷重が入力するということであり、このことから、該マウント部材におけるゴム部等の耐久性の低下が懸念される。
この点について、上記3番目の従来例に記載の3点ペンデュラムマウントでは、パワープラントの下端部に設けた独立の規制部材の他に、左右のマウント部材に、それぞれ、マウント本体部の前後いずれか一方に延びるよう一体的に規制部材を設けており、これにより、駆動反力によるパワープラントのローリングをより確実に規制できるとともに、それらのマウント部材におけるゴム部等の変形を抑えて耐久性を確保することができる。
仏国特許出願公開第2736008号明細書 実開昭62−196944号公報 独国特許出願公開第4209613号明細書
ところで、上記特許文献3に開示されているマウント部材では、その規制部材の両端部に、内筒体と外筒体とこれら両筒体を連結するゴム弾性体とからなる筒型ブッシュを一体的に設け、その筒型ブッシュの一方を車体側に、他方をマウント本体部におけるパワープラント側部材に取り付けている。この構成では、車体側部材とパワープラント側部材と弾性支承体とからなるマウント部材を一体成形する一方で、それとは別途、規制部材に設けられた2つの筒型ブッシュをそれぞれ一体成形しなければならない。筒型のブッシュは、一般的には内筒体とゴム弾性体とを一体成形した後に、その一体成形物を外筒体に圧入して接着するという工程を経て生産されるため、その成形工程数は比較的多い。その結果、マウント部材全体の成形工程数は増大してしまい、それに伴い生産コストが増大してしまうという不都合がある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、規制部材が一体的に設けられた防振マウント装置の生産性を向上し、生産コストの低減化を図ることにある。
本発明の防振マウント装置は、長手方向が車幅方向となるように車両に搭載されるパワープラント両端部の少なくとも一方を車体に対して弾性支持する装置である。
上記防振マウント装置は、上記車体側に取付固定される車体側部材、上記パワープラント側に取付固定されるパワープラント側部材、上記車体側部材とパワープラント側部材との間に設けられてそのパワープラント側部材を車体側部材に弾性支持する弾性支承体、を含むマウント本体部と、上記パワープラント側部材と車体側との間で車体前後方向に延びて配設されて、上記パワープラントのロール方向の揺動を規制する規制部材と、上記規制部材の一端部をパワープラント側部材又は車体側に支持する第1の弾性ブッシュと、上記規制部材の他端部を車体側またはパワープラント側部材に支持する第2の弾性ブッシュと、を備え、上記第1及び第2の弾性ブッシュの内の少なくとも一方は、上記マウント本体部に設けられていて、上記マウント本体部の成形と同時に成形してなる。
この構成によると、規制部材の両端部にはそれぞれ、第1及び第2の弾性ブッシュが設けられ、これら第1及び第2の弾性ブッシュの内の少なくとも一方は、マウント本体部に設けられる。これにより、マウント本体部の成形と同時に弾性ブッシュを成形することが可能になり、第1及び第2の弾性ブッシュの内の少なくとも一方をマウント本体部の成形と同時に成形することによって、成形工程数の低減化が図られる。
上記第1の弾性ブッシュは、規制部材の一端部を車体側に支持するものとし、上記マウント本体部は、パワープラント側部材に一体的に形成されたパワープラント取付用のフランジをさらに含み、上記第2の弾性ブッシュは、上記フランジに設けられた貫通孔と、該貫通孔と同軸に配置された内筒体と、上記貫通孔の内周面と内筒体の外周面とを互いに連結するゴムブッシュと、を含み、上記ゴムブッシュは、車体側部材とパワープラント側部材と弾性支承体とを一体成形する際に、上記フランジに一体成形してなるものとしてもよい。
これにより、フランジには内筒体を有する筒型のブッシュ(第2の弾性ブッシュ)が設けられ、それのゴムブッシュは、車体側部材とパワープラント側部材と弾性支承体とを一体成形する際に、上記フランジに一体成形される。こうして、第2の弾性ブッシュがマウント本体部の成形と同時に成形されることになり、成形工程数が低減する。
上記フランジは、マウント本体部の側方で水平方向に拡がって配置し、上記規制部材は、板状部材によって構成して、上記マウント本体部の側方における上記フランジの上側又は下側位置に配設してもよい。
規制部材が、マウント本体部の側方で水平方向に拡がるフランジの上側又は下側位置に配設されることで、マウント本体部と規制部材とは車幅方向に並んで配置される。
車体前後方向に延びる規制部材は、マウント本体部に入力する水平方向の荷重を受け止めるものであるが、路面不整等によるパワープラントの上下振動が規制部材を介して車体に伝わることを避けようとすれば、規制部材の長さはできるだけ長い方がよい。
そこで、マウント本体部と規制部材とが車幅方向に並んで配置されるレイアウトを採用することで、規制部材の前後方向長さを比較的長くしつつも、防振マウント装置の全長は比較的短くなる。それによって、パワープラントの上下振動が車体側に伝わることを防止しつつ、防振マウント装置の他部材との干渉が防止される。
上記規制部材は、2枚の板状部材で構成して、上記マウント本体部の側方のフランジの上側及び下側位置のそれぞれに配設してもよい。
こうすることで、上記と同様に、規制部材の前後方向長さを比較的長くしつつも、防振マウント装置の全長は比較的短くなると共に、規制部材を2枚の板状部材で構成することにより、マウント本体部に入力する水平方向の荷重を確実に受け止めて、パワープラントのローリングが確実に規制される。
上記第1の弾性ブッシュは、規制部材の一端部を車体側に支持するものとし、上記マウント本体部は、パワープラント側部材に一体的に形成されかつ、該マウント本体部の側方位置に配置されたパワープラント取付用のフランジと、上記パワープラント側部材に一体的に形成されかつ、上記マウント本体部を挟んで上記フランジとは逆側位置に配置されたブラケットと、をさらに含み、上記第2の弾性ブッシュは、上記ブラケットに設けられた貫通孔と、該貫通孔と同軸に配置された内筒体と、上記貫通孔の内周面と内筒体の外周面とを互いに連結するゴムブッシュと、を含むと共に、上記ゴムブッシュは、車体側部材とパワープラント側部材と弾性支承体とを一体成形する際に、上記ブラケットに一体成形してなり、上記規制部材は、上記マウント本体部を挟んで上記パワープラントの取付側とは逆側に配設してもよい。
この構成においても、マウント本体部と規制部材とは車幅方向に並んで配置される。これにより、規制部材の前後方向長さを比較的長くしつつも、防振マウント装置の全長は比較的短くなる。それによって、パワープラントの上下振動が車体側に伝わることが防止される。尚、この構成では、規制部材は、マウント本体部とパワープラントとの取付側とは逆側に配設されるため、マウント本体部とパワープラントとの間のスペースに余裕がない場合に特に好適である。
以上、説明したように、本発明の防振マウント装置によると、規制部材の端部を支持する第1及び第2の弾性ブッシュの内の少なくとも一方を、マウント本体部の成形と同時に成形することにより、防振マウント装置全体の成形工程数が低減し、生産性の向上及び生産コストの低減を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
−全体構成−
図1及び図2は、本発明の実施形態に係る防振マウント装置を用いたエンジンマウントシステムの概略構成を示し、両図において符号Pは、エンジン1及び変速機2が直列に結合されてなるパワープラントである。このパワープラントPは、その長手方向(エンジン1のクランク軸の延びる方向)が車幅方向(車体の左右方向)となるように、図示しない自動車のエンジンルームに横置きに搭載されていて、その長手方向両端部、即ちエンジン1側及び変速機2側の各端部にそれぞれ配設されたマウント部材3,5を介して、車体サイドフレーム61,62に対し2点で弾性的に支持されている。また、パワープラントPの下端部は、上記マウント部材3,5とは独立の規制部材8によって後方の車体側部材9(サブフレーム等)に連結されている。
図1は、上記エンジン1の吸排気系や補機等を全て省略して、本体部のみを車体後方の斜め右側上方から見たものであり、エンジン本体部は、概略シリンダブロック10とその上部に配設されたシリンダヘッド11とからなり、変速機2とは反対の長手方向の端部(同図1おいて手前側に示す車体右端部)にベルトカバー12が配設され、シリンダヘッド11の上部にはヘッドカバー13が配設されるとともに、シリンダブロック10の下部にはオイルパン(図示せず)が配設されている。そして、上記シリンダヘッド11の右側壁にはベルトカバー12を貫通してエンジン側マウントブラケット15の下端側が締結され、そこから上方に向かって延びるマウントブラケット15の上端部に、マウント部材3側から延びるフランジ板31bが上方から重ね合わされた状態で締結されている。このエンジン側マウント部材3が本願発明の防振マウント装置であり、その詳しい構成については後述する。
上記変速機2は、この実施形態ではトルクコンバータや変速ギヤ列の他にディファレンシャルも一体となった自動変速機であり(手動変速機やCVTでもよい)、変速機ケース20のベルハウジング20aがエンジン1のクランク軸側端部にてシリンダブロック10に連結されるとともに、そのベルハウジング20aの後方に形成された膨出部20bから左右両側に向かって、それぞれ、自動車の前車輪を駆動するためのドライブシャフト22,22が延びている。そして、先すぼまりの変速機ケース20の先端部近傍をマウントブラケット23により車体左側のサイドフレーム62から吊り下げるようにして、変速機側マウント部材5が配設されている。この変速機側マウント部材5の詳しい構成についても後述する。
上記のようにエンジン1及び変速機2を直列に結合してなるパワープラントPでは、エンジン1の方が変速機2よりも背が高いことから、長手方向に延びるロール軸R(ロール慣性主軸)は、図に一点鎖線で示すように、エンジン1側の端部から変速機2側に向かって下向きに傾斜している。また、この実施形態では、パワープラントPの重量を受け持つ2つのマウント部材3,5がそれぞれロール軸Rから上方に離間しており、このことで、パワープラントPは、上記2つのマウント部材3,5の荷重の支持点を結ぶ線分L(揺動支軸:図2参照)の周りに振り子(ペンデュラム)のように揺動可能になっている。
そして、例えば自動車の急加速時や急減速時のように大きな駆動反力(トルク)が作用すると、パワープラントPは、図2に白抜きの矢印で模式的に示すように概ねロール軸Rの周りに回動(ローリング)しながら、全体としては上方の揺動軸Lを中心として振り子のように前後に揺れようとするが、そのようなローリングや全体的な揺れはパワープラントPの下端部に配設された規制部材8によって規制される。すなわち、この実施形態のエンジンマウントシステムの基本的な構成は従来より公知の3点ペンデュラムマウント(特許文献3のもの)と同様である。
ところで、上記3点ペンデュラムマウントでは、一般的に、慣性主軸マウントに比べてパワープラントの荷重の支持点がロール軸から離れているため、上記図2のように駆動反力が作用したときにパワープラントPのローリングが左右のマウント部材3,5自体によっても規制されることになり、この点でパワープラントPの変位の規制に有利であることは上述した。しかしながら、例えば大排気量エンジン等のように出力が非常に大きいものの場合には、大きな駆動反力を単一の規制部材8のみで抑えることは難しく、また、そのように大きな駆動反力が左右のマウント部材3,5に作用することによる耐久性の問題も考慮しなくてはならない。
そこで、この実施形態では、上記独立の規制部材8の他に、左右のマウント部材3,5にもそれぞれ一体的に規制部材43,56を設けて、これにより、駆動反力によるパワープラントPのローリングをより確実に規制できるようにするとともに、その際に大きな水平方向荷重がマウント部材3,5に入力しても、この荷重を規制部材43,56により受け止め、マウント本体部30におけるゴム部等の変形を抑えて、その耐久性を確保できるようにしている。
−マウント部材の構造−
次に、本願発明の特徴として、上記エンジン側マウント部材3の詳細な構造を図3及び図4に基づいて説明する。ここで、図3(a)はエンジン側マウント部材3の上面図であり、同図(b)は左側面図である。また、図4は、後述の規制部材43等を省略し、且つ一部分を切り欠いてマウント本体部30の内部構造を示す部分断面図である。
上記図4に示すように、この実施形態ではエンジン側のマウント部材3はいわゆる液体封入式のものであり、パワープラントPの静荷重を受けるマウント本体部30は、該パワープラント側に連結される金属製ケーシング31と車体側の連結金具32とをゴム支承体33により連結したものである。上記ケーシング31は、例えばアルミニウム合金製であり、上下方向に延びるように配置された厚肉円筒状のケーシング本体31aと、その上側外周から軸線Zに略直交する方向に延びるフランジ板31b(連結部材)とを鋳造等により一体に形成してなる。
また、上記連結金具32は、上すぼまりの略円錐形状とされ、その上端部が上記ケーシング本体31aの下端開口部の略中心に位置するように略同軸に配置されていて、上すぼまりの側面部とその外周に対向するケーシング本体31aの内周面との間にゴム支承体33が介設されている一方、該連結金具32の下端面には、車体サイドフレーム61の上面に固定される車体側マウントブラケット34の上方***部34aの上面が接合されて、両者がボルト35により締結されている。
上記ゴム支承体33の下部内周側にはすり鉢状の凹部が形成されていて、この凹部の周面が上記連結金具32のテーパ状側面部に被着されており、ゴム支承体33は該連結金具32の全周から外方に向かって放射状に拡がり、且つ斜め上方向に延びるように略円錐台状に形成されていて、その上側の部分の外周面がケーシング本体31aの内周面に接着されている。このようにケーシング本体31aの内周に接着固定されているゴム支承体33の上側の部分は、上方に向かって開口する比較的厚肉の円筒状とされ、その上端部がケーシング本体31aの上端部よりも所定長さ、下方に位置付けられている。
そして、上記ゴム支承体33の円筒状部分の上端部に円板状の仕切り板36の外周部が上方から重ね合わされ、さらに、その上方から該仕切り板36全体を覆うように概略ハット形状のゴム製ダイヤフラム37が配設されており、これにより、ゴム支承体33の上端開口部が液密に閉塞されて、その内部に空洞部が形成されている。上記ダイヤフラム37は、ハット状本体部の外周側に、ケーシング本体31aの内径と略同径の外径を有する外筒部と、その下端に鍔部を介して連続する内筒部とが一体に形成されたもので、その外筒部から内筒部に亘って概略円筒状の補強板38が埋設されており、これにより補強された外筒部がケーシング本体31aの上端側内周に上方から圧入されて、内嵌合状態で固定されている。
上記のようにしてゴム支承体33の内部に形成された空洞部にはエチレングリコール等の緩衝液が封入されていて、これがゴム支承体33に入力するパワープラントPの振動を吸収、緩和するための液室Fとなっている。この液室Fの内部は上記の仕切り板36によって上下に仕切られていて、その下側が、ゴム支承体33の変形に伴い容積が拡大又は縮小する受圧室になり、また、液室Fの上側は、ダイヤフラム37の変形によって容積が拡大又は縮小されて、上記受圧室における容積の変動を吸収する平衡室になる。すなわち、上記仕切り板36の外周部上方には、ケーシング本体31aとダイヤフラム37の鍔部及び内筒部とによって囲まれた円環状オリフィス通路39が周方向に延びるように形成され、このオリフィス通路39の一方の端が液室下側の受圧室に臨んで開口する一方、オリフィス通路39の他方の端が液室上側の平衡室に臨んで開口している。そして、それら受圧室及び平衡室の緩衝液がオリフィス通路39を介して相互に流通することによって、ゴム支承体33から受圧室に作用する低周波の振動が減衰される。
上記の如き構造のマウント本体部30に加えて、図3,4に示すように、マウント本体部30の上方を跨ぐようにして逆U字状のストッパ部材40が配設されている。このストッパ部材40は、例えば鋼板等をプレス成形してなり、マウント本体部30の上端から所定距離上方に離間して略水平に前後方向に延びる梁部40aと、その前後両端部からそれぞれ下方に折れ曲がって略真下に延びる前後一対の脚部40b,40cとを有する。そして、その前後一対の脚部40b,40cの各下端部がそれぞれ折り曲げられてフランジ部40d,40eとなり、この前後のフランジ部40d,40eがそれぞれマウント本体部30の前後両側において車体側マウントブラケット34のフランジ部34b,34bに重ね合わされた状態で、図示しないボルトによりサイドフレーム61上に締結されている。
また、上記ストッパ部材40に対応して、上記マウント本体部30にはケーシング本体31aの上部外周に上側ゴム層41が設けられ、このゴム層41におけるケーシング本体31aの前後両端部がそれぞれ上方に盛り上がって、上方膨出部41a,41aが形成されており、この各上方膨出部41aがそれぞれ上記ストッパ部材40の梁部40aに下方から当接することによって、ケーシング本体31aの上方への移動が規制されるようになっている。また、上記ゴム層41は上下方向の中間部分が所定以上の厚みを有していて、これが上記ストッパ部材40の前後の脚部40b,40cにそれぞれ当接することによって、ケーシング本体31aの車体前後方向への移動を規制するようになっている。
尚、上記ケーシング本体31aの下端部外周には、上記ゴム支承体33と連繋するようにして下側ゴム層42が形成され、このゴム層42におけるケーシング本体31aの前後両端部にもそれぞれ下方に膨出する下方膨出部42a,42aが形成されており、これが車体側マウントブラケット34の上方***部34aの前後両端部にそれぞれ当接することによって、ケーシング本体31aの下方への移動が規制されるようになっている。
そうして、本願発明の特徴として、上記マウント部材3には、図3に示すように、パワープラントPのローリングを規制するための規制部材43が一体的に配設されている。すなわち、同図(a)に示すように上方から見ると、規制部材43は、マウント本体部30の左側、即ち該マウント本体部30とエンジン1のベルトカバー12との中間位置において、ケーシング31のフランジ板31bの上方に離間して(図(b)参照)、ストッパ部材40の梁部40aと略平行に前後方向に延びるように配設されている。このようにマウント本体部30の側方で前後方向に延びるように設けられているので、規制部材43は、その揺動によってパワープラントPの上下振動を吸収できるように十分に長くしていても、マウント部材3の前後に大きく飛び出すことはなく、前後方向に干渉の問題を生じることがない。しかも、エンジン側マウント部材3のマウント本体部30と隣接するエンジン1のベルトカバー12(側壁部)との間には前後に長く且つ左右には狭いデッドスペースがあるが、規制部材43はそのデッドスペースを有効利用して配置されていることになる。
上記規制部材43は、板状部材44からなり、その前端には、後述するボルト48が内挿される貫通孔が形成されている一方、その後端には、厚肉円盤状の後端連結部46が設けられている。
上記後端連結部(第1の弾性ブッシュ)46は、板状部材44の、二股状に形成された後端に、一体に設けられた外筒部46a及びこれと同軸に位置する内筒部46bが環状のゴムブッシュ46cによって弾性連結されたものである。この規制部材43の後端連結部46は、マウント本体部30の後端部よりも車体後方位置(マウント本体部30から車体後方に離れた位置)において、ストッパ部材40の後側脚部40cに溶接されたブラケット49に固定されている。すなわち、ブラケット49は例えば鋼板等をプレスして概略逆L字状に成形したもので、上下に延びる脚部49aがストッパ部材40の後側脚部40cの側面に溶接される一方、該脚部49aの上端から横向きに延びる取付部49bの先端側には、その上面から上方に延びるようにスタッドボルト47が溶接により固定されている。そして、上記規制部材43の後端連結部46の内筒部46bが上記スタッドボルト47に上側から外挿され、該内筒部46bからさらに上方に突出するスタッドボルト47に上方からナット47aが螺合することで、規制部材43の後端連結部46がブラケット49に対し締結されている。
一方、上記規制部材43の前端は、マウント本体部30の略前端部位置において、フランジ板31bに設けられた前端連結部(第2の弾性ブッシュ)45に弾性支持されている。この前端連結部45は、図4及び図5に示すように、フランジ板31bの上面における車体前方位置に貫通形成された貫通孔45aと、この貫通孔45aと同軸に配置された内筒部45bと、上記貫通孔45aの内周面と内筒部45bの外周面を互いに連結するゴムブッシュ45cとからなる。
そして、上記内筒部45bにボルト48が下側から内挿され、該内筒部45bからさらに上方に突出するボルト48に上方から板状部材44前端部の貫通孔が内挿されると共に、そのボルト48にナット48aが螺合することで、規制部材43の前端がフランジ板31bに設けた前端連結部45に対し弾性支持されている。
この実施形態のエンジン側マウント部材3においては、マウント本体部30の側方でエンジン1との間のデッドスペースに配置した規制部材43が、該マウント本体部30とパワープラントPとの連結部材であるフランジ板31bの直ぐ近くを通ることを利用して、このフランジ板31bに規制部材43の前端部を支持しており、このため、規制部材43とパワープラントP側との連結構造が極めて簡単なものとなる。また、同様に規制部材43の後端連結部46がストッパ部材40の後側脚部40cの直ぐ近くに位置することを利用して、この両者を連結することで、規制部材43と車体側との連結構造も極めて簡単なものとなっている。
ここで、上記エンジン側マウント部材3の製造手順について簡単に説明する。先ず、液体封入式のマウント本体部30は、例えば次の手順により製造される。つまり、ケーシング本体31a及びフランジ板31bが一体に形成されたケーシング31と、連結金具32と、内筒部45bとをそれぞれ用意し、これらを所定の成形金型にセットして、ゴム支承体33、ゴムブッシュ45c及び各ゴム層41,42となる所定量の未加硫ゴム組成物を金型に注入する。そして、それらを加熱及び加圧して加硫一体化成形する。このようにして、前端連結部45のゴムブッシュ45cは、ゴム支承体33と同時に成形される。
こうして作成した一体化成形物内に緩衝液を注入すると共に、その成形物の開口に仕切り板36及びダイヤフラム37をそれぞれ嵌め入れて開口を閉塞する。こうして、マウント本体部30が完成する。
次に、規制部材43は、例えば次の手順によって製造される。つまり、内筒部46bを用意し、これを所定の成形金型にセットし、ゴムブッシュ46cとなる所定量の未加硫ゴム組成物を金型に注入する。そして、それらを加熱及び加圧して加硫一体化成形する。一方、外筒部46aが一体化された板状部材44を用意する。そうして、上記一体化成形物の外周面に接着剤を塗布し、その成形物を上記外筒部46a内に圧入し、外筒部46aとゴムブッシュ46cとを互いに接着する。こうして、規制部材43が完成する。
マウント本体部30と規制部材43とがそれぞれ完成すれば、上記規制部材43の後端連結部46を、上述したように、ストッパ部材40に設けたブラケット49に対して固定する一方、上記規制部材43の前端部を、上述したように、フランジ板31bの前端連結部45に対して固定する。また、マウント本体部30には、マウントブラケット34をボルト35によって固定する。こうして、マウント本体部30と、規制部材43と、マウントブラケット34と、ストッパ部材40とからなるエンジン側マウント部材3が完成する。
次に、変速機側マウント部材5の構造は例えば図6に拡大して示すようになっており、これは、変速機2の先端側から上方に延びるマウントブラケット23の上端部を、車体サイドフレーム62側に取り付けた金属製フレーム部材50によりゴムブロック51を介して吊り下げたものである。すなわち、上記フレーム部材50は、例えば鋼板等をプレス成形して、矩形枠状の本体部52とそこから車体後方側(図の左側)に向かって延びるステー部53とを一体に形成したもので、その本体部52の側方には別の鋼板片を溶接して側方及び下方それぞれに延びるフランジ部54,54が設けられ、このフランジ部54,54において図示しないボルトにより車体サイドフレーム62に締結されるようになっている。
また、上記フレーム部材50の本体部52には、開口部52aの周囲から上下軸線Zの四方を囲んで上方に延びるように、絞り加工等によって立壁部52bが一体形成されており、この立壁部52bに左右両端部を接着されたゴムブロック51によって、金属製連結パイプ55がその軸心を上下方向に向けて上下動可能に支持されている。すなわち、連結パイプ55は、例えば絞り加工によって下側の部分を相対的に小径とし、この小径部55aを除いた部分で上記ゴムブロック51の略中央部に埋設されるように一体に加硫成形してなる。そして、上記連結パイプ55の小径部55aに対して下側からマウントブラケット23のスタッドボルト24が挿入され、このスタッドボルト24に上方からナット25が螺合されて、マウントブラケット23と連結パイプ55とが締結されている。
さらに、この変速機側マウント部材5にも規制部材(トルクロッド)56が一体的に設けられている。すなわち、上記フレーム部材50の本体部52から車体後方に延びるステー部53の先端(後端)は下方に向かい略直角に折り曲げられていて、その折曲げ部53aは、上記のようにしてフレーム部材本体部52に対し連結された連結パイプ55の小径部55aの真後ろ、即ち車体後方に略水平に離れた位置にある。そして、このステー折曲げ部53aと連結パイプ55の小径部55aとの間に車体前後方向に延びるように規制部材56が配設されている。
この規制部材56は、板状部材57の両端部にそれぞれゴムブッシュ58a,59cを介在させた連結部58,59が設けられたものである。この内、前端の連結部59は筒型のブッシュであって、外筒部59a、内筒部59b及びゴムブッシュ59cからなり、その内筒部59bが連結パイプ55の小径部55aに外挿されて、外嵌合状態で結合されている。一方、規制部材56の後端側の連結部58は、板状部材57の先端部で串刺しにした2つのリング状ゴムブッシュ58a,58aの間にステー折曲げ部53aを挟み込んで固定するスタッド型のブッシュである。
すなわち、上記規制部材56の板状部材57の後端側には円形の鍔部58bが一体形成され、この鍔部58bよりも先端の部分がステー部53の折曲げ部53aに形成された丸穴を貫通していて、その折曲げ部53a及び鍔部58bの間にゴムブッシュ58aが挟持されている。また、上記折曲げ部53aよりも車体後方に延びる板状部材57の後端側には別のゴムブッシュ58aとワッシャ58cとが配置され、さらに、その板状部材57の先端部には小径のネジ部57aが設けられていて、このネジ部57aに螺合されるナット58dによりワッシャ58cが板状部材57の先端に締結されることで、該ワッシャ58c及び折曲げ部53aの間にゴムブッシュ58aが挟持されている。
上述の如き構成の左右2つのマウント部材3,5によってパワープラントPの重量を支持するこの実施形態のエンジンマウントシステムにおいては、例えば自動車が停止していてエンジン1がアイドル運転状態にあるときに、トルク変動に起因する低周波の振動がロール軸Rの周りに発生すると、エンジン側マウント部材3のマウント本体部30においてパワープラントP側のケーシング31が車体側の連結金具32に対し前後に微小に振動し、同様に、変速機側マウント部材5においてもパワープラントP側の連結パイプ55が車体側のフレーム部材50に対し前後に微小に振動することになる。しかし、その振動は低周波のもので且つ振幅が非常に小さいので、ゴム支承体33やゴムブロック51により吸収され、車体への伝達は非常に少ない。また、アイドル振動は上記両マウント部材3,5の規制部材43,56においてもゴムブッシュ45c,46c,58a,59cの撓みによって吸収されるので、この振動が規制部材43,56を介して車体側に伝達されることはない。
また、例えば自動車の発進時や急加速時等のように大きな駆動反力(トルク)が作用すると、パワープラントPは、図2に白抜きの矢印で模式的に示すように概ねロール軸Rの周りに回動(ローリング)しながら、全体としては上方の揺動支軸Lを中心として振り子のように前後に揺れようとする。このときに、そのロール軸R周りの回動変位は、パワープラントP下端部の独立の規制部材8と、左右のマウント部材3,5の規制部材43,56とからそれぞれ付与される反力によって効果的に抑えられ、これにより、駆動反力によるパワープラントPの変位が過度に大きくなることがない。
例えばエンジン側のマウント部材3においては、略水平方向の荷重入力を受けて規制部材43の前後両端部にそれぞれ配設されたゴムブッシュ45c,46cが最大限に撓んだ後、この規制部材43が入力荷重を受け止める。同様にして、変速機側のマウント部材5においても規制部材56が駆動反力による水平方向の大きな荷重入力を受け止める。こうして、マウント部材3,5のゴム支承体33やゴムブロック51に過大な変形が生じたり、それが剥がれたりすることが防止されて、十分な耐久性を確保することができる。
したがって、この実施形態に係る防振マウント装置(エンジン側マウント部材3)によると、パワープラントPの下端部に独立の規制部材8を設けるだけでなく、左右のマウント部材3,5にもそれぞれ規制部材43,56を設けたことで、パワープラントPに作用する駆動反力をしっかりと受け止めて、該パワープラントPの揺れを抑えることができるとともに、それらマウント部材3,5のゴム部の過大な変形を抑えて、耐久性を確保することができる。
さらに、例えば自動車が不整路面を走行していて、これにより車体及びパワープラントPが相対的に上下に振動する場合、エンジン側のマウント部材3においてはゴム支承体33が、また、変速機側のマウント部材5においてはゴムブロック51が、それぞれ上下に弾性変形して振動を吸収するとともに、該両マウント部材3,5においてそれぞれ規制部材43,56が揺動することで、上下振動を吸収する。すなわち、いずれの規制部材43,56もその長さが十分に長く設定されているので、車体及びパワープラントPの相対的な上下変位に対する規制部材43,56の揺動角が小さくなり、上下方向の振動はゴムブッシュの撓みによって吸収されることになる。
特に、エンジン側のマウント部材3の規制部材43は、板状部材44から構成されるため、水平方向の荷重入力に対しては高剛性となる一方で、上下方向の荷重入力については板状部材44の撓みにより比較的低剛性となる。それにより、水平方向については比較的硬いばね特性が得られてパワープラントPのローリングが確実に規制される一方で、上下方向については比較的軟らかいばね特性が得られて、パワープラントPの上下振動が車体側に伝達することが効果的に防止される。
そして、相対的に周囲のスペースに余裕のないエンジン側のマウント部材3においては規制部材43をマウント本体部30の側方で前後方向に延びるように設けたことで、該規制部材43の長さを十分に長くしていても、これがマウント部材3の前後に大きく飛び出すことはなく、これにより、干渉の問題の発生を防止することができる。
特に、この実施形態のようにエンジン1及び変速機2を直列配置したパワープラントPの場合は、エンジン1側の端部が車体サイドフレーム61に近接し、その付近ではスペースの余裕が極めて少なくなるが、この実施形態では、エンジン側マウント部材3のマウント本体部30とその側方に隣接するエンジン1との間のデッドスペースを有効利用して、そこに規制部材43を配設することができる。
さらに、この実施形態では、上記マウント本体部30の上方を跨ぐようにストッパ部材40を配設し、これにより上方及び前後方向への変位を確実に規制できるようにしているが、こうしたときでも、上記マウント本体部30の側方に配置された規制部材43がストッパ部材40と干渉することはないから、両者を何れも最適にレイアウトすることができる。
そして、上記エンジン側マウント部材3は、規制部材43の後端部は、板状部材44に一体的に設けた後端連結部46によって車体側に支持するのに対し、その前端部はフランジ板31bに設けた前端連結部45によってパワープラント側に支持する。前端連結部45をフランジ板31bに設けることによって、そのゴムブッシュ45cがゴム支承体33と同時に成形可能になり、その同時成形によってマウント部材3の成形工程数が減少し、生産コストの低減化が図られる。
(実施形態2)
図7は、実施形態2に係るエンジン側マウント部材3の構造を示していて、実施形態1に係るマウント部材3と異なる点は、規制部材43が、2枚の板状部材44を有している点と、後端連結部46がストッパ部材40側に設けられている点と、である。尚、実施形態2に係るエンジン側マウント部材3において、実施形態1と同じ部材については、同じ符号を付してその説明は省略する。
上記後端連結部46は、ストッパ部材40の後側脚部40cに溶接されたブラケット70に一体化されている。このブラケット70は、水平方向に拡がりかつ上下方向に並んで配置された2枚の板材からなり、後端連結部46の外筒部46a外周面に例えば溶接により連結されている。
上記後端連結部46は、上記実施形態1と同様に、外筒部46aと内筒部46bとゴムブッシュ46cとからなるものであるが、その内筒部46bの上端及び下端にはそれぞれ規制部材43を構成する2枚の板状部材44がそれぞれ当接しており、下側から内筒部46bに内挿されたボルト48に対して、ナット48aが螺合することにより、2枚の板状部材44の一方の後端部は、内筒部46bとボルト48の頭部とによって挟持され、他方の板状部材44の後端部は、内筒部46bとナット48aとによって挟持されている。こうして、上記規制部材43の後端が後端連結部46によって弾性支持される。
そして、上記板状部材44は、フランジ板31bの上側及び下側位置のそれぞれで車体前後方向に延びて配設されており、フランジ板31bに設けた前端連結部45の内筒部45bの上端及び下端にはそれぞれ2枚の板状部材44の前端部がそれぞれ当接している。この状態で、上記内筒部45bに対しボルト48が下側から内挿されると共に、そのボルト48にナット48aが螺合することによって、2枚の板状部材44の一方の前端部は、内筒部45bとボルト48の頭部とによって挟持され、他方の板状部材44の前端部は、内筒部45bとナット48aとによって挟持されている。こうして、上記規制部材43の前端が前端連結部45によって弾性支持される。
このように、規制部材43を2枚の板状部材44によって構成することで、駆動反力による水平方向の大きな荷重入力を確実に受け止め、パワープラントPのローリングを確実に規制すると共に、マウント部材3のゴム支承体33の十分な耐久性を確保することができる。
(実施形態3)
図8は、実施形態3に係るエンジン側マウント部材3の構造を示していて、実施形態1に係るマウント部材3と異なる点は、規制部材43がマウント部材3とエンジン1との間に配設されるのではなく、規制部材43がマウント部材3を挟んでエンジン側とは逆側位置(つまり、マウント本体部30の右側位置)に配設される点である。尚、実施形態3に係るエンジン側マウント部材3において、実施形態1と同じ部材については、同じ符号を付してその説明は省略する。
実施形態3においても、上記後端連結部46は、ストッパ部材40の後側脚部40cに溶接されたブラケット70に一体化されている。このブラケット70は、エンジン側とは逆側位置において上記ストッパ部材40の後側脚部40cに溶接されている。
上記後端連結部46は、上記実施形態1,2と同様に、外筒部46aと内筒部46bとゴムブッシュ46cとからなるものであり、内筒部46bに締結されるボルト・ナット48,48aによって、板状部材(1枚又は2枚の)44の後端部が後端連結部46に弾性支持されている。
一方、規制部材43の前端部を支持する前端連結部45は、フランジ板31bではなく、このフランジ板31bに対してマウント本体部30を挟んだ逆側位置において、マウント本体部30の外周面から車体前後方向の斜め前方に延びて配設されたブラケット31cの先端部に設けられている。このブラケット31cは、フランジ板31bと同様に、ケーシング本体31aと一体的に形成すればよい。
そうして、上記規制部材43の前端部は上記前端連結部45に対してボルト・ナット8,48aによって固定され、それによって、上記規制部材43は、エンジン側とは逆側位置において車体前後方向に延びて配設されることになる。
このように、規制部材43の配設位置については特に制限がなく、規制部材43は余裕のあるスペースに配設すればよい。その際に、図8に示すように、他部材(図例では、マウント本体部30)との干渉を回避すべく、板状部材44に必要に応じて凹部等を設けてもよい。
(他の実施形態)
本発明の構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、本願発明に係るエンジン側マウント部材3(防振マウント装置)を液体封入式のものとしているが、これに限るものではない。すなわち、例えば図9に一例を示すように、上記実施形態のマウント本体部30から仕切り板36やダイヤフラム37を取り去って、パワープラントPの静荷重をゴム支承体33のみによって支持するようにしてもよい。こうすれば、コストの低減が図られる。
また、上記実施形態では、規制部材の後端連結部46を、マウント部材3のブラケット49,70に固定しているが、規制部材の後端連結部46は、車体側(例えばサイドフレーム61)に固定してもよい。
また、上記実施形態では、前端連結部45をマウント本体部30に設けているが、これとは逆に後端連結部46をマウント本体部30に設けてもよい。この場合は後端連結部46のゴムブッシュ46cをゴム支承体33と同時に成形すればよい。また、前端連結部45と後端連結部46との双方をマウント本体部30に設けてもよい。この場合は前端及び後端連結部45,46のゴムブッシュ45c,46cのそれぞれをゴム支承体33と同時に成形すればよい。、また、前端連結部45を車体側部材に設けて、後端連結部46をパワープラント側部材に固定してもよい。
また、上記実施形態では、本願発明に係る防振マウント装置の構成をエンジン側マウント部材3のみに適用しているが、これに限らず、変速機側のマウント部材5にも適用することができる。
さらにまた、上記実施形態のパワープラントPは、長手方向にエンジン1及び変速機2を直列に配置したものであるが、これに限るものではなく、パワープラントPは、例えばエンジンルームに横置きに搭載したエンジン1の後方に、入力側のシャフト等が車幅方向に延びるように並列に変速機を配置したものであってもよい。
エンジンマウントシステムの概略構成を示す斜視図である。 パワープラントを車体左側から見て、駆動反力(トルク)の作用する様子を模式的に示す説明図である。 エンジン側マウント部材の構造を示す拡大図であり、(a)は上面図で、(b)は左側面図である。 マウント本体部の内部構造を示す図5のA−A断面図である。 マウント本体部の上面図である。 変速機側マウント部材についての図3相当図である。 実施形態2に係る防振マウント装置の構成を示す図である。 実施形態3に係る防振マウント装置の構成を示す図である。 液体封入式でない他の防振マウント装置の構成を示す図である。
符号の説明
P パワープラント
1 エンジン
2 変速機
3 エンジン側マウント部材(防振マウント装置)
30 マウント本体部
31 ケーシング
31b フランジ板(フランジ)
31c ブラケット
32 連結金具(車体側部材)
33 ゴム支承体(弾性支承体)
43 規制部材
45 前端連結部(第2の弾性ブッシュ)
45a 貫通孔
45b 内筒部
45c ゴムブッシュ
46 後端連結部(第1の弾性ブッシュ)
61,62 サイドフレーム

Claims (5)

  1. 長手方向が車幅方向となるように車両に搭載されるパワープラント両端部の少なくとも一方を車体に対して弾性支持する防振マウント装置であって、
    上記車体側に取付固定される車体側部材、上記パワープラント側に取付固定されるパワープラント側部材、上記車体側部材とパワープラント側部材との間に設けられてそのパワープラント側部材を車体側部材に弾性支持する弾性支承体、を含むマウント本体部と、
    上記パワープラント側部材と車体側との間で車体前後方向に延びて配設されて、上記パワープラントのロール方向の揺動を規制する規制部材と、
    上記規制部材の一端部をパワープラント側部材又は車体側に支持する第1の弾性ブッシュと、
    上記規制部材の他端部を車体側またはパワープラント側部材に支持する第2の弾性ブッシュと、を備え、
    上記第1及び第2の弾性ブッシュの内の少なくとも一方は、上記マウント本体部に設けられていて、上記マウント本体部の成形と同時に成形してなることを特徴とする防振マウント装置。
  2. 請求項1に記載の防振マウント装置において、
    第1の弾性ブッシュは、規制部材の一端部を車体側に支持するものであり、
    マウント本体部は、パワープラント側部材に一体的に形成されたパワープラント取付用のフランジをさらに含み、
    第2の弾性ブッシュは、上記フランジに設けられた貫通孔と、該貫通孔と同軸に配置された内筒体と、上記貫通孔の内周面と内筒体の外周面とを互いに連結するゴムブッシュと、を含み、
    上記ゴムブッシュは、車体側部材とパワープラント側部材と弾性支承体とを一体成形する際に、上記フランジに一体成形してなることを特徴とする防振マウント装置。
  3. 請求項2に記載の防振マウント装置において、
    フランジは、マウント本体部の側方で水平方向に拡がって配置され、
    規制部材は、板状部材によって構成されていて、上記マウント本体部の側方における上記フランジの上側又は下側位置に配設されていることを特徴とする防振マウント装置。
  4. 請求項3に記載の防振マウント装置において、
    規制部材は、2枚の板状部材で構成されていて、上記マウント本体部の側方におけるフランジの上側及び下側位置のそれぞれに配設されていることを特徴とする防振マウント装置。
  5. 請求項1に記載の防振マウント装置において、
    第1の弾性ブッシュは、規制部材の一端部を車体側に支持するものであり、
    マウント本体部は、パワープラント側部材に一体的に形成されかつ、該マウント本体部の側方位置に配置されたパワープラント取付用のフランジと、上記パワープラント側部材に一体的に形成されかつ、上記マウント本体部を挟んで上記フランジとは逆側位置に配置されたブラケットと、をさらに含み、
    第2の弾性ブッシュは、上記ブラケットに設けられた貫通孔と、該貫通孔と同軸に配置された内筒体と、上記貫通孔の内周面と内筒体の外周面とを互いに連結するゴムブッシュと、を含むと共に、上記ゴムブッシュは、車体側部材とパワープラント側部材と弾性支承体とを一体成形する際に、上記ブラケットに一体成形してなり、
    上記規制部材は、上記マウント本体部を挟んで上記パワープラントの取付側とは逆側に配設されていることを特徴とする防振マウント装置。
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