JP2005071938A - 二次電池用負極活物質、それを用いた二次電池用負極および二次電池、ならびに二次電池用負極活物質およびそれを用いた二次電池用負極の製造方法 - Google Patents

二次電池用負極活物質、それを用いた二次電池用負極および二次電池、ならびに二次電池用負極活物質およびそれを用いた二次電池用負極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】二次電池のサイクル特性を向上させる。
【解決手段】炭素材料32中にLi吸蔵材料34が埋設された複合粒子30を負極活物質として用いる二次電池において、複合粒子が下記(i)〜(iii)の少なくともいずれか一つの条件を満たすようにする。(i)Li吸蔵材料粒子の重心が複合粒子中に位置すること(ii)複合粒子の一断面において、1個の複合粒子中に存在するすべてのLi吸蔵材料粒子について、その複合粒子中に存在するすべてのLi吸蔵材料粒子全体の重心を算出したときに、複合粒子の重心を中心とし、面積が最大となるような複合粒子の内接円の中に、Li吸蔵材料粒子全体の重心が位置すること(iii)一の複合粒子中に含まれるすべてのLi吸蔵材料粒子のそれぞれの重心と複合粒子の重心との間の距離の標準偏差を前記距離の平均値で割った値に100を乗じた変異係数が10以上であること。
【選択図】図2

Description

本発明は、二次電池用負極活物質、それを用いた二次電池用負極および二次電池、ならびに二次電池用負極活物質およびそれを用いた二次電池用負極の製造方法に関する。
携帯電話や携帯型ノートパソコン等のモバイル端末の普及により、その電力源となる二次電池の役割が重要視されている。これらの二次電池には小型、軽量でかつ高容量であり、充放電を繰り返しても、劣化しにくい性能が求められる。
こうした二次電池の負極には、高エネルギー密度でかつ軽量という観点から金属リチウムを用いられることもあるが、この場合充放電サイクルの進行にともない、充電時にリチウム表面に針状結晶(デンドライト)が析出し、この結晶がセパレータを貫通し、内部短絡を起こし、電池の寿命が短くなることがあった。
一方、リチウムイオンを吸蔵、放出可能な黒鉛やハードカーボン等の炭素材料を負極として用いた場合、充放電サイクルを良好に繰り返すことができる。ところが黒鉛材料は金属リチウム、リチウム合金と比較しその容量は小さく、またハードカーボンは初回充放電における不可逆容量が大きく充放電効率が低いため、これらの材料は金属リチウムに比べてエネルギー密度が小さかった。
そこで、エネルギー密度を高める材料として、組成式がLiA(AはAlなどの金属からなる)で表されるリチウムと合金を形成するLi吸蔵物質を負極活物質として用いることが検討されている。この負極は単位体積当りのリチウムイオンの吸蔵放出量が多く、高容量である。最近では、Sn等を含む金属酸化物を負極材料として用いることが開示されている(特許文献1)。このような負極材料を用いることによって、高容量の負極が得られるとされている。
ところが、この種のLi吸蔵物質を用いた負極は、単位体積当りのリチウムイオンの吸蔵放出量が多く、高容量であるものの、リチウムイオンが吸蔵放出される際に電極活物質であるLi吸蔵物質自体が膨脹収縮するために微粉化が進行し、初回充放電における不可逆容量が大きく、また充放電サイクル寿命が短かった。
そこで、Li吸蔵物質を用いた負極のサイクル寿命を改善する方法として、アルカリ金属と合金を形成するLi吸蔵物質を炭素質で被覆する方法が提案されている(特許文献2)。ところが、これらの炭素被覆材料は充放電の過程でLi吸蔵物質が膨張して炭素質を破壊することがあった。炭素質が破壊されると、導電性が低下し、充放電サイクル特性が著しく低下することがあった。
特開平11−45712号公報 特開平6−279112号公報
以上のように、負極にリチウムと合金を形成するLi吸蔵物質を用いる場合、従来の技術では、充分なサイクル特性が得られなかった。この原因について本発明者が検討したところ、充放電において負極のLi吸蔵物質が膨張収縮することにより、集電特性が低下するためと考えられた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、二次電池のサイクル特性を向上させる技術を提供することにある。
本発明によれば、炭素材料粒子内に、リチウムを吸蔵、放出可能なLi吸蔵材料粒子の少なくとも一部が埋設された複合粒子を含み、前記Li吸蔵材料粒子のそれぞれの重心が前記複合粒子中に位置し、前記炭素材料粒子のアルゴンレーザーラマンによる1580cm-1に対する1360cm-1のピーク強度比が10以下であることを特徴とする二次電池用負極活物質が提供される。
本発明において、リチウムの吸蔵には、たとえばリチウムと層間化合物を形成する態様、リチウムと結晶侵入型化合物を形成する態様、結晶間にリチウムイオンを挿入する態様およびリチウムと合金を形成する態様が含まれる。Li吸蔵材料粒子は炭素材料のリチウム吸蔵の理論容量より多くのリチウムイオンを吸蔵可能な粒子であることが好ましい。
本発明の二次電池用負極活物質においては、Li吸蔵材料粒子のそれぞれの重心が複合粒子中に位置している。このため、Li吸蔵材料粒子を、複合粒子中に確実に埋設された状態とすることができる。このため、炭素材料とLi吸蔵材料との電気的接触を確保することができる。よって、負極の集電性を向上させることができる。したがって二次電池のサイクル特性を向上させることができる。
また、複合粒子を構成する炭素物質はLi吸蔵物質粒子が埋設された部位で構造が破壊され、炭素物質とLi吸蔵物質粒子との密着性が高まっている。しかし、炭素物質が全て破壊されてしまうと、不可逆容量が増えて、充放電特性が悪くなる。このため、結晶性炭素領域の存在も確保されていることが好ましい。上記密着性および充放電特性を兼ね備えた複合粒子を得るために、アルゴンレーザーラマンによる1580cm-1に対する1360cm-1のピーク強度比を10以下とする。上記により、炭素物質とLi吸蔵物質粒子の密着性を保ち、かつ炭素物質自体電池のサイクル特性を向上させることができる。
本発明によれば、炭素材料粒子内に、リチウムを吸蔵、放出可能なLi吸蔵材料粒子の少なくとも一部が埋設された複合粒子を含み、前記炭素材料粒子のアルゴンレーザーラマンによる1580cm-1に対する1360cm-1のピーク強度比が10以下であり、前記複合粒子の一断面において、一つの複合粒子中に存在するすべての前記Li吸蔵物質粒子について、その断面積をもとにそれぞれの重心の位置を算出し、前記重心の位置に前記断面積の重みをかけて、一の前記複合粒子中に存在するすべての前記Li吸蔵物質粒子全体の重心を算出したときに、前記複合粒子の重心を中心とし、面積が最大となるような前記複合粒子の内接円の中に、前記Li吸蔵粒子全体の重心が位置することを特徴とする二次電池用負極活物質が提供される。
本発明の二次電池用負極活物質においては、複合粒子の一断面において、複合粒子の重心を中心とし面積が最大となるような複合粒子の内接円の中に、その複合粒子中に含まれるLi吸蔵粒子全体の重心が位置する。このため、Li吸蔵材料粒子が複合粒子中に偏らずに分散した状態とすることができる。よって、充放電によりLi吸蔵粒子が体積膨張・収縮を繰り返しても複合粒子は破壊されず、炭素材料とLi吸蔵材料との電気的接触を確保することができる。したがって、負極の集電性を向上させることができる。このため、二次電池のサイクル特性を向上させることができる。
なお、本発明においては、各Li吸蔵材料粒子の比重が略等しく、また各Li吸蔵材料粒子は球形に近い形状をしている。このため、重心を算出する際に、各粒子の比重を体積に置き換えて考えることができる。そして、複合粒子の断面については、各粒子の面積を用いて重量の概念を近似することができる。また、本発明において、上述の重心を算出する際には、複合粒子の任意の一断面について評価すればよい。
本発明によれば、炭素材料粒子内に、リチウムを吸蔵、放出可能なLi吸蔵材料粒子の少なくとも一部が埋設された複合粒子を含み、前記炭素材料粒子のアルゴンレーザーラマンによる1580cm-1に対する1360cm-1のピーク強度比が10以下であり、一の複合粒子中に含まれるすべての前記Li吸蔵材料粒子の重心と前記複合粒子のそれぞれの重心との間の距離の標準偏差を前記距離の平均値で割った値に100を乗じた変異係数が10以上であることを特徴とする二次電池用負極活物質が提供される。
本発明の二次電池用負極活物質は、一の複合粒子中に含まれるすべての前記Li吸蔵材料粒子の重心と前記複合粒子の重心との間の距離の標準偏差を前記距離の平均値で割った値に100を乗じた変異係数が10以上である複合粒子を含む。このため、Li吸蔵材料粒子を複合粒子中に均一に分散させることができる。Li吸蔵材料粒子の分散性を高めることにより、Li吸蔵材料粒子がリチウムを吸蔵放出する際の体積変化による炭素材料の破壊を抑制することができる。このため、Li吸蔵材料粒子と炭素材料粒子との電気的接触を確保し、集電性を向上させることができる。よって、電池のサイクル特性を向上させることができる。
本発明の二次電池用負極活物質において、前記Li吸蔵材料粒子が、Si、Ge、In、Sn、Ag、AlまたはPbからなる群から選択される少なくとも一の金属またはその酸化物を含むことができる。本発明の二次電池用負極活物質においては、Li吸蔵材料粒子としてSi粒子やGe粒子等の充放電容量が大きい材料を用いた場合にLi吸蔵材料粒子が微粉化した際にも、炭素材料粒子との電気的接触を良好に保つことができる。このため、電池のサイクル特性を向上することができる。
本発明の二次電池用負極活物質において、前記Li吸蔵材料粒子が、Si、Ge、In、Sn、Ag、AlまたはPbからなる群から選択される少なくとも一の金属またはその酸化物と、Fe、Co、Ni、Cu、Ti、Mo、Ta、Mg、Cr、Nb、Mn、V、W、Zrからなる群から選択される少なくとも一の金属との合金または混合物を含むことができる。こうすることにより、さらに確実に集電特性にすぐれた負極活物質とすることができる。
本発明の二次電池用負極活物質において、前記Li吸蔵材料粒子が非晶質構造であってもよい。こうすることにより、さらに確実に複合粒子の集電特性を向上させることができる。
本発明の二次電池用負極活物質において、前記複合粒子中の前記Li吸蔵材料粒子の平均粒径が5μm以下であってもよい。こうすることにより、Li吸蔵材料粒子の体積あたりの表面積を広く保つことができる。よって、複合粒子において、Li吸蔵材料とこれらを炭素材料との電気的接触を良好に保つことができる。
本発明によれば、前記二次電池用負極活物質を有する層と、負極集電体とを含むことを特徴とする二次電池用負極が提供される。本発明に係る二次電池用負極は、集電特性にすぐれた負極活物質を有するため、二次電池のサイクル特性を向上させることができる。
本発明の二次電池用負極において、前記負極活物質を有する層における前記負極活物質の体積充填率が45%以上75%以下であってもよい。二次電池用負極活物質の体積充填率を45%以上とすることにより、電池容量を充分に高めることができる。また、二次電池用負極活物質の体積充填率を75%以下とすることにより、Li吸蔵材料粒子が微粉化した際にも集電性を充分に保つことができ、サイクル特性を向上することができる。
本発明によれば、少なくとも正極と負極を備えた二次電池において、前記二次電池用負極を含むことを特徴とする二次電池が提供される。本発明に係る二次電池は、集電特性にすぐれた負極活物質を有するため、高いサイクル特性を安定的に発揮することができる。
本発明によれば、炭素材料粒子とリチウムを吸蔵、放出可能なLi吸蔵材料粒子とを機械的に混合して複合粒子を作製する工程と、得られた前記複合粒子をサンプリングし、検査する工程と、を順次繰り返し、前記検査の結果、サンプリングした前記複合粒子が以下(i)乃至(iii)いずれかの条件を満たしたときに、前記混合の操作を終了することを特徴とする負極活物質の製造方法が提供される。
(i)前記Li吸蔵材料粒子の重心が前記複合粒子中に位置すること
(ii)前記複合粒子の一断面において、一つの複合粒子中に存在するすべての前記Li吸蔵物質粒子について、その断面積をもとにそれぞれの重心の位置を算出し、前記重心の位置に前記断面積の重みをかけて、一の前記複合粒子中に存在するすべての前記Li吸蔵物質粒子全体の重心を算出したときに、前記複合粒子の重心を中心とし、面積が最大となるような前記複合粒子の内接円の中に、前記Li吸蔵粒子全体の重心が位置すること
(iii)一の複合粒子中に含まれるすべての前記Li吸蔵材料粒子のそれぞれの重心と前記複合粒子の重心との間の距離の標準偏差を前記距離の平均値で割った値に100を乗じた変異係数が10以上であること
本発明に係る製造方法では、サンプリングした前記複合粒子が以下(i)乃至(iii)いずれかの条件を満たしたときに、前記混合の操作を終了する。このため、上記(i)乃至(iii)のいずれかの条件を満たす複合粒子を確実に製造することができる。よって、Li吸蔵物質粒子と炭素物質粒子の密着性にすぐれた複合粒子を得ることができる。あるいは、複合粒子中のLi吸蔵物質粒子の分散性を高めることができるため、充放電時におけるLi吸蔵物質粒子の膨張収縮に起因する複合粒子の破壊を抑えることができる。
したがって、集電特性にすぐれた負極活物質を確実に製造することができる。なお、本発明において、複合粒子が上記(i)乃至(iii)の二以上の条件を満たすことがさらに好ましく、すべての条件を満たすことがより一層好ましい。
本発明によれば、前記負極活物質の製造方法により負極活物質を得る工程と、前記負極活物質と、結着剤とを溶媒に溶解または分散してペーストを調製する工程と、前記ペーストを集電体上に塗布した後、乾燥する工程と、を含むことを特徴とする二次電池用負極の製造方法が提供される。
本発明に係る製造方法によれば、集電特性にすぐれた負極を簡便かつ確実に製造することができる。
なお、本発明において、複合粒子の大部分が上記(i)乃至(iii)のいずれかの条件を満たすようにすることにより、負極の集電性を向上させることができる。複合粒子の大部分とは、具体的には過半数であることが好ましく、より好ましくは複合粒子の70%以上である。また、すべての複合粒子について、複合粒子中のすべてのLi吸蔵材料粒子が上記(i)乃至(iii)のいずれかの条件を満たすようにすることが好ましい。
本発明によれば、二次電池のサイクル特性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1(a)および図1(b)は、本発明の実施の形態におけるリチウムイオン二次電池の構成を示す概略図である。リチウムイオン二次電池10は、負極活物質を有する層12および負極集電体14により構成される負極16と、正極活物質を有する層18および正極集電体20により構成される正極22と、電解液24と、ならびにセパレータ26とを含む。負極16および正極22は、図1(a)に示すように、負極集電体14および正極集電体20の片面だけに負極活物質を有する層12および正極活物質を有する層18のそれぞれが形成された構造とすることもできる。また、図1(b)に示すように、負極集電体14および正極集電体20の両面に負極活物質を有する層12および正極活物質を有する層18がそれぞれ形成された構造とすることもできる。
(第一の実施形態)
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、負極活物質として、炭素粒子とLi吸蔵物質とを含む複合粒子を有する。
図2は、図1(a)、図1(b)に示したリチウムイオン二次電池の、負極活物質を有する層12中の負極活物質である複合粒子30を模式的に示す断面図である。
図2に示したように、複合粒子30は、炭素材料32およびLi吸蔵材料粒子34を含む。複合粒子30の平均粒径は、たとえば500nm以上60μm以下である。
炭素材料32の材料は、Liを吸蔵可能な炭素とすることができる。たとえば、黒鉛、フラーレン、カーボンナノチューブ、DLC(ダイヤモンド状炭素)、アモルファスカーボン、ハードカーボンあるいはこの混合物とすることができる。炭素材料32は、黒鉛とすることが好ましい。こうすることにより、電池のサイクル特性を確実に向上させることができる。
Li吸蔵材料粒子34の材料は、Liと合金を形成する元素を含有する金属の微結晶あるいはアモルファス金属とすることができる。このうち、アモルファス構造をとることが望ましい。具体的には、Si、Sn、Ag、Ge、Pb、In、またはAlから選ばれる少なくとも一元素を含有し、上記元素を含んだ金属、合金、金属酸化物、アモルファス金属、あるいは上記金属、合金、金属酸化物、アモルファス金属のうち2種以上からなる混合物とすることができる。また、Li吸蔵材料粒子34は、上述のLiを吸蔵する元素と、Fe、Co、Ni、Cu、Ti、Mo、Ta、Mg、Cr、Nb、Mn、V、W、またはZrとの合金または混合物を含有してもよい。このような材料として、具体的には、SiOまたはSnOとFe、Co、Ni等の上記金属との複合材料を用いることができる。こうすることにより、さらに集電効率を向上させることができる。また、これらのLi吸蔵材料粒子34にB、P、As、またはSbをドープし、抵抗率を下げてもよい。
Li吸蔵材料粒子34の平均粒径は、たとえば20μm以下とすることができる。また、Li吸蔵材料粒子34の平均粒径は、5μm以下とするのが好ましく、1μm以下とすることがさらに好ましい。こうすることにより、リチウム二次電池のサイクル寿命を長く保つことができる。また、Li吸蔵材料粒子34の平均粒径の下限に特に制限はないが、たとえば10nm以上とすることができる。
また、複合粒子30の平均半径に対するLi吸蔵材料粒子34の平均粒径を小さくすることが好ましい。こうすることにより、Li吸蔵材料粒子34の体積あたりの表面積を広く保つことができ、複合粒子30において、Li吸蔵材料粒子34とこれらを含有する炭素材料32の電気的接触を良好に保つことができる。
Li吸蔵材料粒子34は少なくとも一部が炭素材料32中に埋設されており、表面が炭素材料32で完全に覆われた粒子と炭素質物質の外部に一部を露出している粒子が存在する。複合粒子30の表面が炭素材料32で完全に覆われることが好ましいが、炭素材料32の外部に一部を露出していてもよい。また、一つの複合粒子30中には、炭素材料32に埋設された1個あるいは複数個のLi吸蔵材料粒子34が存在する。特に、Li吸蔵材料粒子34が多数存在しても、炭素材料32に埋設されていれば特性上問題とはならない。Li吸蔵材料粒子34には、炭素材料32が接触していることが好ましい。このような構造を有することにより、充放電特性が向上する。
ここで、複合粒子30は、下記(i)の条件を満たす。
(i)複合粒子30中に存在する個々のLi吸蔵材料粒子34粒子の重心が複合粒子30の内部に位置する。
複合粒子30が上記(i)を満たすことにより、複合粒子30の集電性が向上する。このため、二次電池の負極活物質として用いた際に電池のサイクル特性を向上させることができる。
次に、上記(i)の判断方法について、図3(a)および図3(b)を用いて説明する。まず負極活物質を有する層12に含まれる複合粒子30の断面写真を走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影する。
複合粒子30を樹脂で包埋し、これをスライスした切片をSEM観察することにより、複合粒子30の断面を観察することができる。ここで、複合粒子30を5個以上10個以下含んだ断面写真をSEMにより撮影することが望ましい。
断面は、複合粒子30について任意の一断面とすることができる。このとき、複合粒子30を5個以上含むようにする(図3(a))。また、負極活物質を有する層12の断面写真に含まれる複合粒子30は10個以下であることが望ましい。図3(a)では、複合粒子30を5個含む場合を例示している。
得られた断面写真中に存在する任意の5個の複合粒子30について、複合粒子30中に存在するLi吸蔵材料粒子34のそれぞれについて、断面積、位置を算出し、幾何的重心g1を計算する。ただし、幾何的重心とは、粒子断面における二次元図形の重心を意味する。そして、それぞれの幾何的重心g1が、複合粒子30中に位置するかどうかを判定する。
複合粒子30の大部分について、一つの複合粒子30中に含まれるすべてのLi吸蔵材料粒子34の幾何的重心g1が炭素材料32中に存在するようにすることにより、複合粒子30の集電性を向上させることができる。ここで、複合粒子30の大部分とは、具体的には過半数であることが好ましく、より好ましくは複合粒子30の70%以上である。また、すべての複合粒子30について、複合粒子30中のすべてのLi吸蔵材料粒子34の幾何的重心g1が炭素材料32中に存在するようにすることが好ましい。
また、複合粒子30の比表面積は10m2/g以下であることが好ましい。こうすることにより、複合粒子30表面の不可逆サイトに起因する不可逆容量を減らすことができる。
次に、複合粒子30の作製方法について説明する。複合粒子30は、炭素材料32とLi吸蔵材料粒子34とを機械的に混合することにより得られる。混合する際に、炭素材料32とLi吸蔵材料粒子34同士に機械的に圧力をかけることにより、Li吸蔵材料粒子34を炭素材料32に埋設させることで形成できる。
具体的には、原料粉体を運動する気体にのせて粒子同士をぶつける方法であるジェットミル、粉体を強固な壁にぶつけるハイブリダイゼーション、狭い空間を大きな力で通し、粉体にせん断力をあたえるメカノフュージョンを用いる方法があげられる。あるいは、原料粉体と反応に関しない運動体を与えてこれに振動、回転またはこれらが組み合わされた動きをあたえるボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、転動ボールミルを用いる方法を用いることができる。また、機械的な粉砕と圧接により、Li吸蔵材料粒子34を炭素材料32に埋設させた後、炭素前駆体とを混合して炭化処理する、あるいはCVDにより炭素コートをする方法によっても、複合粒子30を製造できる。
ここで、粒子同士に機械的に圧力をかける条件を工夫することにより、上記(i)を満たす粒子を得ることができる。たとえば、遊星ボールミルを用いた場合には、炭素材料32、Li吸蔵材料粒子34の混合量比、粒径、粒子の形状、ミリングに用いるボールの量、ボールの粒径、回転数、ミリングを行う容器の大きさ、容器に占める材料の体積等を最適化することにより、上記(i)を満たす粒子を得ることができる。
図6は、複合粒子30の作製手順を示す図である。まず、炭素材料32中にLi吸蔵材料粒子34を埋設させるため、上述の方法で炭素材料32と複合粒子30とを機械的に混合する(S11)。所定の時間混合を行った後、複合粒子30の一部、たとえば5個以上10個以下の複合粒子30、をサンプリングする(S12)。そして、図3を用いて前述した方法により、サンプリングしたすべての複合粒子30について上記(i)が成り立つかどうかを確認する。
サンプリングしたすべての複合粒子30について上記(i)が成立していれば(S13のYES)、その時点で混合を終了し、複合粒子30を得る。また、サンプリングしたすべての複合粒子30について上記(i)が成立していなければ(S13のNO)、さらに混合、サンプリングのステップからなるサイクルを繰り返す。このようにすれば、複合粒子30の大部分が上記(i)を満たすようにすることができる。
なお、機械的な粉砕と圧接の過程で、炭素材料32にはLi吸蔵材料粒子34が埋設し、炭素材料32はLi吸蔵材料粒子34が埋設された部位で構造の破壊が起こるが、その後も結晶性炭素領域を保持していることが望ましく、炭素材料32のアルゴンレーザーラマンによる1580cm-1に対する1360cm-1のピーク強度比は10以下であることが好ましい。
図1に戻り、負極集電体14は充放電の際電流を電池の外部に取り出したり、外部から電池内に電流を取り込む電極である。負極集電体14は導電性を有する金属箔であればどのような材料により構成してもよい。負極集電体14は、たとえばアルミニウム、銅、ステンレス、金、タングステン、モリブデンにより構成される。好ましくは、負極集電体14は、圧延銅箔または電解銅箔により構成される。負極集電体14は、たとえば約5μm以上25μm以下の厚さを有する。
負極活物質を有する層12は、たとえば以下のようにして製造することができる。まず、複合粒子30、カーボンブラック等の導電性物質、およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の結着剤をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の溶剤と分散混練して塗布液とする。次いで、この塗布液を負極集電体14上に塗布する。塗布方法としてはドクターブレード法やスプレー塗布等を用いることができる。これにより、図1(a)に示す構成の負極16が製造される。また、図4に示すように、負極集電体14の両面に塗布液を塗布することにより、図1(b)に示す構成の負極16が製造される。
ここで、複合粒子30を含んだ負極活物質を有する層12における負極活物質の体積充填率が45%以上75%以下であることが好ましい。こうすることにより、集電性を保ち、かつ複合粒子30の破壊が抑えられて充放電サイクル特性が向上する。
正極集電体20は、負極集電体14と同様、充放電の際電流を電池の外部に取り出したり、外部から電池内に電流を取り込む電極である。正極集電体20は、負極集電体14と同様の材料により構成することもでき、負極集電体14の材料として例示した他の材料により構成することもできる。
正極22において、正極活物質を有する層18に含まれる正極活物質としては、たとえば、LiCoO、LiCo1−y、LiNiO、LiMnO、LiMnF、LiMnS、LiMn1−y、LiMn1−y、LiMn1−y2−z、LiMn1−yMyO2−z、LiMn、LiMn、LiMn、LiMn2−y、LiMn2−y4−zまたはLiMn2−yMyO4−z(0<x≦1.5、0<y<1.0、Z≦1.0、Mは、少なくとも1つ以上の遷移金属を表す)等の正極活物質材料により構成することができる。正極活物質を有する層18は、たとえば、10μm以上500μm以下の厚さを有する。
正極集電体20は、負極集電体14と同様、充放電の際電流を電池の外部に取り出したり、外部から電池内に電流を取り込む電極である。正極集電体20は、負極集電体14と同様の材料により構成することもでき、負極集電体14の材料として例示した他の材料により構成することもできる。
正極22は、たとえば以下のようにして製造することができる。まず、正極活物質材料、カーボンブラック等の導電性物質、およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の結着剤をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の溶剤と分散混練して塗布液とする。次いで、この塗布液を正極集電体20上に塗布する。ここでも、塗布方法としてはドクターブレード法やスプレー塗布等を用いることができる。これにより、図1(a)に示す構成の正極22が製造される。また、正極集電体20の両面に塗布液を塗布することにより、図1(b)に示す構成の正極22が製造される。
電解液24としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の鎖状カーボネート類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクトン等のγ−ラクトン類、1,2−エトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)等の鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル類、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、N−メチルピロリドン、などの非プロトン性有機溶媒を一種または二種以上混合して用いることができる。
電解液24は、さらに、これらの有機溶媒に溶解するリチウム塩を溶解させて用いることもできる。リチウム塩としては、たとえばLiPF、LiAsF、LiAlCl、LiClO、LiBF、LiSbF、LiCFSO、LiCFCO、Li(CFSO、LiN(CFSO、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウム、LiBr、LiI、LiSCN、LiCl、イミド類等を用いることができる。また、上述した電解液にかえてポリマー電解質を用いることもできる。
セパレータ26としては、たとえばポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、フッ素樹脂等の多孔性フィルムを有する材料を用いることができる。
リチウムイオン二次電池10は、負極16、セパレータ26、および正極22を積層させ、または積層したものを巻回した後に、電池缶に収容したり、合成樹脂と金属箔との積層体からなる可とう性フィルム等によって封口することにより製造することができる。
なお、本発明のリチウム二次電池において用いることのできる容器の形状は、たとえば、有底円筒形、有底角筒形、袋状とすることができる。これらの容器は、たとえば、フィルム材、金属板等から形成することができる。金属板から作製された容器(金属缶)は、アルミニウム、鉄、ステンレス、ニッケルなどから形成することができる。容器を構成するフィルム材としては、金属フィルム、熱可塑性樹脂などの樹脂製フィルム、金属層と樹脂層を含む複合フィルム、たとえば、可撓性を有する金属層の片面または両面を熱可塑性樹脂のような樹脂層で被覆した構成のラミネートフィルム、等を挙げることができる。
中でも、ラミネートフィルムは、軽量で、強度が高く、かつ外部からの水分の侵入を防止することができるため、望ましい。上記金属フィルムは、たとえば、アルミニウム、鉄、ステンレス、ニッケルなどから形成することができる。上記複合フィルムを構成する樹脂層は、たとえば、熱可塑性樹脂から形成することができる。上記熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィンなどが挙げられる。上記樹脂層は、1種類の樹脂もしくは2種類以上の樹脂からそれぞれ形成することができる。上記複合フィルムの金属層は、たとえば、アルミニウム、鉄、ステンレス、ニッケルなどから形成することができる。前記金属層は、1種類の金属もしくは2種類以上の金属から形成することができる。中でも、電池内部への水の侵入が防げるアルミニウムから形成することが望ましい。
複合フィルムを用いて作製された容器の封止は、たとえば、ヒートシールによりなされる。このため、容器の内面には、熱可塑性樹脂を配することが望ましい。前記熱可塑性樹脂の融点は、120℃以上、さらに望ましくは140℃〜250℃の範囲にあるものが好ましい。前記熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィンなどが挙げられる。特に、融点が150℃以上のポリプロピレンを用いるのは、ヒートシール部の封止強度が高くなるため、望ましい。
上記フィルム材及び金属板の厚さは、0.5mm以下であることが望ましい。フィルム材及び金属板の厚さが0.5mmを超えると、リチウムイオン二次電池の体積エネルギー密度及び重量エネルギー密度の向上が阻害される。また、フィルム材及び金属板の厚さは、0.05mm以上、0.5mm以下にすることがより好ましい。フィルム材及び金属板の厚さを上述の範囲にすることによって、容器の強度を確保することができると共に、リチウムイオン二次電池の体積エネルギー密度及び重量エネルギー密度の向上を図ることが可能になる。特に望ましい厚さの範囲は0.05mm以上、0.5mm以下である。これにより、容器の強度を確保しつつ、電池の薄型化・軽量化を実現することができる。
次に、図1の電池の負極16の動作について詳細に説明する。充電の際、負極16は正極22側から電解液24を介してリチウムイオンを受け取る。次いで、リチウムイオンは負極活物質を有する層12に含まれる複合粒子30中の炭素材料32およびLi吸蔵材料粒子34に吸蔵される。逆に、放電の際、炭素材料32とLi吸蔵材料粒子34から充電時に吸蔵したリチウムイオンが放出される。充電時において、Li吸蔵材料粒子34は吸蔵量が大きいため、炭素材料と比較して体積膨張率が大きくなる。そのため、Li吸蔵材料粒子34を含有する複合粒子30も体積膨張する。逆に、放電時はLi吸蔵材料粒子34からLiが放出されることにより、Li吸蔵材料粒子34は元の体積に戻るように収縮する。
リチウムイオンの吸蔵と放出を繰り返すと、Li吸蔵材料粒子34は体積膨張・収縮による応力によって徐々に微粉化してしまう。しかし、本実施形態において、複合粒子30の平均半径に対するLi吸蔵材料粒子34の平均半径が小さく、また、Li吸蔵材料粒子34の重心が炭素材料32中に存在するように構成されているため、Li吸蔵材料粒子34とこれらを含有する炭素材料32の電気的接触を良好に保つことができる。これにより、負極16の集電性の劣化を抑制することができる。
(第二の実施形態)
第一の実施形態に記載のリチウムイオン二次電池において、負極活物質として用いられる複合粒子30は、以下のような構成とすることもできる。
本実施形態において、Li吸蔵材料粒子34は複合粒子30中に均一に分布していることが好ましく、下記の(ii)を満たす。
(ii)複合粒子30の一断面において、1個の複合粒子30中に存在するすべてのLi吸蔵材料粒子34について、その断面積をもとにそれぞれの重心の位置を算出し、重心の位置に断面積の重みをかけて、その複合粒子30中に存在するすべてのLi吸蔵材料粒子34全体の重心を算出したときに、複合粒子30の重心を中心とし、面積が最大となるような複合粒子30の内接円の中に、Li吸蔵材料粒子34全体の重心が位置する。
複合粒子30は上記(ii)を満たしているため、Li吸蔵材料粒子34が複合粒子30の中に安定的に埋設されている。このため、炭素材料32とLi吸蔵材料粒子34との集電性が好適に確保される。よって、負極活物質として用いた際に電池のサイクル特性を向上させることができる。
次に、上記(ii)の認定方法について、図4(a)〜図4(c)を用いて説明する。まず、第一の実施形態と同様にして、複合粒子30を5個以上含んだ複合粒子30の任意の一断面の写真を走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影する。断面写真に含まれる複合粒子30は5個以上10個以下であることが望ましい。
得られた画像に存在する任意の5個の複合粒子30について、複合粒子30中に存在するLi吸蔵材料粒子34それぞれについて、面積、位置を算出し、幾何的重心g1の位置を求める。
また、1つの複合粒子30中に存在するすべてのLi吸蔵材料粒子34を一つの系として、Li吸蔵材料粒子34の重心位置、およびそれぞれのLi吸蔵材料粒子34の断面積から、Li吸蔵材料粒子全体の重心g2を算出する(図4(b))。
さらに、複合粒子全体の重心g3を求める。複合粒子30それぞれについて、複合粒子の重心g3を中心として面積が最大となるような内接円を描き、Li吸蔵材料粒子全体の重心g2が内接円中に位置するかどうかを判定する。
本実施形態に係る複合粒子30は、上記(ii)の条件を満たすため、炭素材料32中のLi吸蔵材料粒子34の分散性が良好に確保されている。このため、集電特性にすぐれたリチウムイオン二次電池の負極活物質として好適に用いることができる。
なお、本実施形態では、各Li吸蔵材料粒子34の比重が略等しく、また各Li吸蔵材料粒子34は球形に近い形状をしている。このため、各粒子の面積を用いて重量の概念を近似することができる。よって、各粒子の比重を体積に置き換えて考えることができる。そして、各粒子の断面積に応じた重みづけをすることにより、各粒子の比重を反映したLi吸蔵材料粒子全体の重心g2を算出することができる。
本実施形態に係る複合粒子30は、粒子同士に機械的に圧力をかける条件を工夫することにより得ることができる。たとえば、遊星ボールミルを用いた場合には、炭素材料32、Li吸蔵材料粒子34の混合量比、粒径、粒子の形状、ミリングに用いるボールの量、ボールの粒径、回転数、ミリングを行う容器の大きさ、容器に占める材料の体積等を最適化することにより、上記(ii)の条件を満たす粒子を得ることができる。
複合粒子30の作製には、第一の実施形態で説明した図6に示した手順を用いることができる。まず、炭素材料32中にLi吸蔵材料粒子34を埋設させるため、上述の方法で炭素材料32と複合粒子30とを機械的に混合する(S11)。所定の時間混合を行った後、複合粒子30の一部、たとえば5個以上10個以下の複合粒子30、をサンプリングする(S12)。そして、図4を用いて前述した方法により、サンプリングしたすべての複合粒子30について上記(ii)の条件が成り立つかどうかを確認する。
複合粒子30の大部分について上記(ii)の条件を満たすようにすることにより、複合粒子30の集電性を向上させることができる。ここで、複合粒子30の大部分とは、具体的には過半数であることが好ましく、より好ましくは複合粒子30の70%以上である。また、すべての複合粒子30について、上記(ii)の条件を満たすようにすることが好ましい。
(第三の実施形態)
第一の実施形態に記載のリチウムイオン二次電池において、負極活物質として用いられる複合粒子30は、以下のような構成とすることもできる。
本実施形態において、複合粒子30はLi吸蔵材料粒子34が均一に分布していることが好ましく、下記の(iii)を満たす。
(iii)一の複合粒子30中に含まれるすべてのLi吸蔵材料粒子34のそれぞれの重心と複合粒子30の重心との間の距離の標準偏差を平均値で割った値に100を乗じた値すなわち変異係数が10以上である。
次に、上記(iii)の認定方法について、図5(a)および図5(b)を用いて説明する。複合粒子30が上記(iii)を満たすかどうかの認定は、複合粒子30の任意の一断面を第一および第二の実施形態と同様にして走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより行う。
すなわち、複合粒子30を樹脂で包埋し、これをスライスした切片をSEM観察することにより、複合粒子30の断面を観察することができる。ここで、複合粒子30を5個以上10個以下含んだ断面写真をSEMにより撮影することが望ましい。
得られた画像に存在する任意の5個の複合粒子30について、複合粒子30および複合粒子30中に存在するLi吸蔵材料粒子34それぞれについて、面積、位置を算出し、第一の実施形態と同様にして幾何的重心g1の位置を求める。また、第二の実施形態と同様にして複合粒子30全体の重心g3の位置を求める(図5(a))。
1つの複合粒子30中に存在するすべてのLi吸蔵材料粒子34について、Li吸蔵材料粒子34の重心g1と複合粒子30の重心g3との距離Lを算出する(図5(b))。
1つの複合粒子30中に存在するすべてのLi吸蔵材料粒子34について、距離Lの標準偏差および平均値を算出し、標準偏差を平均値で割った値に100をかけた値である変異係数を算出する。そして、変異係数が10以上であれば、本実施形態の条件(iii)を満たしていると判断することができる。
本実施形態に係る複合粒子30は、上記(iii)を満たすため、炭素材料32中のLi吸蔵材料粒子34の分散性が良好に確保されている。このため、複合粒子30中のLi吸蔵材料粒子34の分布が上記(iii)を満たすことで、Li吸蔵材料粒子34が充放電時に膨張収縮した際にも複合粒子30には均一な力が加わり、複合粒子30の破壊が抑えられて集電特性が向上する。よって、リチウムイオン二次電池の負極活物質として好適に用いることができる。
本実施形態に係る複合粒子30は、粒子同士に機械的に圧力をかける条件を工夫することにより、上記(iii)を満たす粒子を得ることができる。たとえば、遊星ボールミルを用いた場合には、炭素材料32、Li吸蔵材料粒子34の混合量比、粒径、粒子の形状、ミリングに用いるボールの量、ボールの粒径、回転数、ミリングを行う容器の大きさ、容器に占める材料の体積等を最適化することにより、上記(iii)を満たす粒子を得ることができる。
複合粒子30の作製には、第一および第二の実施形態で説明した図6に示した手順を用いることができる。まず、炭素材料32中にLi吸蔵材料粒子34を埋設させるため、上述の方法で炭素材料32と複合粒子30とを機械的に混合する(S11)。所定の時間混合を行った後、複合粒子30の一部、たとえば5個以上10個以下の複合粒子30、をサンプリングする(S12)。そして、図5を用いて前述した方法により、サンプリングしたすべての複合粒子30について上記(iii)が成り立つかどうかを確認する。
複合粒子30の大部分について上記(iii)を満たすようにすることにより、複合粒子30の集電性を向上させることができる。ここで、複合粒子30の大部分とは、具体的には過半数であることが好ましく、より好ましくは複合粒子30の70%以上である。また、すべての複合粒子30について、上記(iii)を満たすようにすることが好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
(例1)
Li吸蔵材料粒子34として、平均粒径5μmの非晶質Si粒子を用い、炭素材料32として、平均粒径30μmの人造黒鉛粒子を用いた。上記非晶質Si粒子、上記人造黒鉛粒子を重量比3:7で配合し、これを遊星型ボールミル装置で、20分間おきに10分の停止時間を設けて繰り返し、機械的な圧接を繰り返すボールミル処理を20時間施した。ボールミル容器および直径10mmのボールはジルコニア製で、粉末調整およびボールミルはAr雰囲気で行った。Si−黒鉛複合粉末:PVDF=85:15の重量比となるようにPVDFのN−メチルピロリドン溶液とSi−黒鉛複合粉末を混錬し、厚さ20μmのCu箔に塗布した。これを120℃で10分間乾燥後、24時間90℃にて乾燥させた。その後、ローラープレスにより電極塗布部の体積充填率が60%となるまで加圧成型し、最終的には直径20mmに打ち抜き、負極とした。
正極活物質には、平均粒径10μmのLiCoO2の粉末を用いた。LiCoO2粉末:黒鉛:PVDF=90:6:4の重量比となるよう混合し、スラリーを形成した。このときも負極と同様にN−メチルピロリドン溶液を用いた。このスラリーを十分に混錬後、厚さ20μmのAl箔に塗布した。これを120℃で1時間乾燥後、ローラープレスにより電極を加圧成型し、最終的には直径20mmに打ち抜き、正極とした。ここで、負極の容量が大きいために、負極合剤に対する正極合剤の重量比を7とした。
上述の負極および正極を、コイン型電池を構成してその特性を評価した。電解液には、エチレンカーボネイト(EC)とジエチルカーボネイト(DEC)との3:7の混合溶媒に1モル/リットルのLiPF6を溶解したものを用いた。
この電池を充電電流1mA、充電終止電圧4.2Vで充電し、放電電流1mA、放電終止電圧2.7Vで放電させる充放電サイクル試験を実施した。
(例2)
Li吸蔵材料粒子34として、平均粒径5μmの多結晶Si粒子を用いた。これ以外は、例1と同様の電極設計および作製方法にてコイン型電池を作製した。
(例3)
Li吸蔵材料粒子34として、平均粒径5μmの非晶質Sn粒子を用いた。これ以外は、例1と同様の電極設計および作製方法にてコイン型電池を作製した。
(例4)
Li吸蔵材料粒子34として、平均粒径5μmの非晶質SiO粒子を用いた。これ以外は、例1と同様の電極設計および作製方法にてコイン型電池を作製した。
(例5)
Li吸蔵材料粒子34として、平均粒径1μmの非晶質SnO粒子を用いた。これ以外は、例1と同様の電極設計および作製方法にてコイン型電池を作製した。
(例6)
Li吸蔵材料粒子34として、平均粒径5μmの非晶質FeSi粒子を用いた。これ以外は、例1と同様の電極設計および作製方法にてコイン型電池を作製した。
(例7)
Li吸蔵材料粒子34として、平均粒径5μmの非晶質NiSi粒子を用いた。これ以外は、例1と同様の電極設計および作製方法にてコイン型電池を作製した。
(例8)
Li吸蔵材料粒子34として、平均粒径5μmの非晶質TiSi粒子を用いた。これ以外は、例1と同様の電極設計および作製方法にてコイン型電池を作製した。
(例9)
Li吸蔵材料粒子34として、平均粒径5μmの非晶質Ge粒子を用いた。これ以外は、例1と同様の電極設計および作製方法にてコイン型電池を作製した。
(例10)
Li吸蔵材料粒子34として、SiO粒子とNi粒子を重量比1:4の割合で混合し、ボールミル処理により圧接した後、焼成した後、粉砕処理にて平均粒径5μmとした複合粒子を用いた。これ以外は、例1と同様の電極設計および作製方法にてコイン型電池を作製した。
(例11)
Li吸蔵材料粒子34として、SiO粒子とFe粒子を重量比1:4の割合で混合し、ボールミル処理により圧接した後、焼成した後、粉砕処理にて平均粒径5μmとした複合粒子を用いた。これ以外は、例1と同様の電極設計および作製方法にてコイン型電池を作製した。
(例12)
例1で行ったボールミルによる機械的な圧接処理を1時間行って負極作製を行った。これ以外は、例1と同様の電極設計および作製方法にてコイン型電池を作製した。
なお、例1〜例12の負極活物質は、上述した(ii)の条件を満たすものとした。
(例13)
例1で行ったボールミルによる機械的な圧接処理を行わずに負極作製を行った。これ以外は、例1と同様の電極設計および作製方法にてコイン型電池を作製した
(例14)
例1で行ったボールミルによる機械的な圧接処理を15分行って負極作製を行った。これ以外は、例1と同様の電極設計および作製方法にてコイン型電池を作製した。
(例15)
炭素材料32として、平均粒径30μmの人造黒鉛粒子を用い、例1で行ったボールミルによる機械的な圧接処理を行わずに、Li吸蔵材料粒子34を含まない負極を作製した。これ以外は、例1と同様の電極設計および作製方法にてコイン型電池を作製した。
(評価1)
例1〜例15で用いた複合粒子30の炭素質部分のアルゴンレーザーラマン分析での1580cm-1に対する1360cm-1のピーク強度比を表1に示す。また、例1〜例15の100サイクル後の容量維持率を表1に示す。100サイクル後の容量維持率は下記式(1)を用いて算出した。
(各サイクルにおける放電容量)/(5サイクル目における放電容量) (1)
例1〜例12で、複合粒子30の炭素質部分のアルゴンレーザーラマン分析での1580cm-1に対する1360cm-1のピーク強度比は1〜10の値をとった。一方、例13〜例15では、上記ピーク強度比は12〜10000の値となった。また、例1〜例12では、活物質が炭素のみである例15と比べると、負極のエネルギー密度が1.2の値を示した。また、ラマン分析のピーク強度比が10を越える範囲にある例13、例14と比べて、例1〜例12の100サイクル後の容量維持率は24%以上増加した。
アルゴンレーザーラマン分析での1580cm-1に対する1360cm-1のピーク強度比が10を越える例13、例14では、Li吸蔵材料粒子34と炭素材料32の密着性が悪いため、集電性が悪くなり、サイクル劣化が起きるのに対し、例1〜例12では、Li吸蔵材料粒子34と炭素材料32の密着性がよいため、上記特性が得られたと考えられる。
このように、例1〜例12により、負極活物質の一部としてLi吸蔵物質を用いたサイクル特性のよい電池を提供できることが証明できた。
Figure 2005071938
(例16)
Li吸蔵材料粒子34として、平均粒径5μmの金属Sn粒子を用いた。負極作製後の負極体積充填率は45%とした。これ以外は、例1と同様の電極設計および作製方法にてコイン型電池を作製した。
(例17)
Li吸蔵材料粒子34として、平均粒径5μmの多結晶Sn粒子を用いた。負極作製後の負極体積充填率は75%とした。これ以外は、例1と同様の電極設計および作製方法にてコイン型電池を作製した。
(例18)
負極作製後の負極体積充填率は35%とした。これ以外は、例16と同様の電極設計および作製方法にてコイン型電池を作製した。
(例19)
負極作製後の負極体積充填率は80%とした。これ以外は、例16と同様の電極設計および作製方法にてコイン型電池を作製した。
(例20)
Li吸蔵材料粒子34として、平均粒径20μmの多結晶Sn粒子を用いた。これ以外は、例12と同様の電極設計および作製方法にてコイン型電池を作製した。
(評価2)
例16〜例19で用いた複合粒子30の炭素質部分のアルゴンレーザーラマン分析での1580cm-1に対する1360cm-1のピーク強度比、負極塗布部の充填密度、100サイクル後の容量維持率を表2に示す。100サイクル後の容量維持率は上記式(1)の計算式にて算出した。
表2より、負極塗布部の体積充填率が45%〜75%の範囲にある例16および例17は、負極塗布部の体積充填率が35%である例18、負極塗布部の体積充填率が80%である例19と比べて、100サイクル後の容量維持率は30%以上増加した。負極塗布部の体積充填率が35%である例18では、粒子同士の集電性が悪いため、サイクル劣化が起きるのに対し、例16および例17では粒子同士の集電性がよいため、上記特性が得られたと考えられる。
また、負極塗布部の体積充填率が80%である例19では、負極塗布部での空隙が少ないため、充放電時におけるLi吸蔵物質の膨張収縮の影響を避けられず、サイクル劣化が起きるのに対し、例16および例17では負極塗布部内に存在する空隙により、Li吸蔵物質の影響を緩和できるため、上記特性が得られたと考えられる。このように、例16および例17により、Li吸蔵物質を用いたサイクル特性のよい電池を提供できることがわかった。
また、例16および例20で用いた複合粒子30の炭素質部分のアルゴンレーザーラマン分析での1580cm-1に対する1360cm-1のピーク強度比、Li吸蔵材料粒子34の粒径100サイクル後の容量維持率を表3に示す。100サイクル後の容量維持率は式(1)の計算式にて算出した。
Li吸蔵材料粒子34の粒径が5μmである例16は、Li吸蔵材料粒子34の粒径が20μmである例20と比べて、100サイクル後の容量維持率は30%以上増加した。Li吸蔵材料粒子34の粒径が20μmである例20では、充放電時におけるLi吸蔵物質の膨張収縮による微粉化によるサイクル劣化が起きるのに対し、例16ではLi吸蔵物質の膨張収縮による微粉化度合いが小さいため、上記特性が得られたと考えられる。このように、例16により、Li吸蔵物質を用いたサイクル特性のよい電池を提供できることがわかった。
Figure 2005071938
Figure 2005071938
(例21)
Li吸蔵材料粒子34として、平均粒径5μmのSnSi合金粒子を用い、炭素材料32として、平均粒径40μmの鱗片状天然黒鉛粒子を用いた。上記SnSi合金粒子、上記天然黒鉛粒子を重量比1:4で配合し、これに機械的な圧接を繰り返す、メカノフュージョン処理を施した。処理を行った複合粒子30は適宜取り出し、粒子の断面SEM観察を行った。複合粒子30を5個以上含有した画像を選び、得られた画像から、図3を用いて上述した算出方法に従ってLi吸蔵材料粒子34の重心g1を算出し、複合粒子30中にLi吸蔵材料粒子34の重心g1が位置するかどうかを判定し、上記(i)の条件を満たすようになるまでメカノフュージョン処理を繰り返した。
さらに、Ar雰囲気中で1000℃,2時間の熱処理を施した。SnSi合金−黒鉛複合粉末:PVDF=90:10の重量比となるようにPVDFのN−メチルピロリドン溶液とSnSi合金−黒鉛複合粉末を混錬し、厚さ20μmのCu箔に塗布した。これを120℃で1時間乾燥後、ローラープレスにより電極を加圧成型し、7cm幅に切断した後、負極とした。
正極活物質には、平均粒径10μmのLiCoO2の粉末を用いた。LiCoO2粉末:黒鉛:PVDF=90:6:4の重量比となるよう混合し、スラリーを形成した。このときも負極と同様にN−メチルピロリドン溶液を用いた。このスラリーを十分に混錬後、厚さ20μmのAl箔に塗布した。これを120℃で1時間乾燥後、ローラープレスにより電極を加圧成型し、正極とした。
得られた負極および正極を、円筒型電池を構成してその特性を評価した。電解液には、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との3:7の混合溶媒に1mol/LのLiPF6 を溶解したものを用いた。
この電池を充電電流1A、充電終止電圧4.2Vで充電し、放電電流1A、放電終止電圧2.7Vで放電させる充放電サイクル試験を実施した。
(例22)
例21のメカノフュージョン処理の途中で得られた複合粒子30で、上記(i)の条件を満たさないものを用いた。これ以外は、例21と同様のSEM観察、電極設計および作製方法にて円筒型電池を作製した。
(評価3)
例21および例22で用いた複合粒子30の炭素質部分のアルゴンレーザーラマン分析での1580cm-1に対する1360cm-1のピーク強度比、個々のLi吸蔵材料粒子34の複合粒子30との距離の最小値(μm)、100サイクル後の容量維持率を表4に示す。100サイクル後の容量維持率は上記式(1)の計算式にて算出した。
Li吸蔵材料粒子34の重心g1が複合粒子30中に位置しないLi吸蔵材料粒子34を含む例22と比べて、すべてのLi吸蔵材料粒子34の重心g1が複合粒子30中に位置する例21では、サイクル特性が30%向上した。Li吸蔵材料粒子34粒子の重心g1が複合粒子30中に位置しないLi吸蔵材料粒子34を含む例22では、充放電時にLi吸蔵材料粒子34が複合粒子30から脱離しやすいため、集電特性が低下してしまうのに対し、例21では、Li吸蔵材料粒子34が複合粒子30から脱離しにくいため、上記特性が得られたと考えられる。このように、上述の(i)の条件を満たす複合粒子30を用いることにより、Li吸蔵物質を用いたサイクル特性のよい電池を提供できることがわかった。
Figure 2005071938
(例23)
Li吸蔵材料粒子34として、平均粒径5μmのSiGe合金粒子を用い、炭素材料32として、平均粒径50μmの鱗片状天然黒鉛粒子を用いた。上記SiGe合金粒子、上記天然黒鉛粒子を重量比1:4で配合し、これに機械的な圧接を繰り返す、メカノフュージョン処理を施した。
処理を行った複合粒子30は適宜取り出し、粒子の断面SEM観察を行った。複合粒子30を5個以上含有した画像を選び、得られた画像から、図4を用いて上述した算出方法に従ってm全系の重心g2と複合粒子30の内接円を算出し、全系の重心g2が複合粒子30の内接円中に位置するかどうかを判定し、上述の(ii)の条件を満たすようになるまでメカノフュージョン処理を繰り返した。
SiGe合金−黒鉛複合粉末:PVDF=90:10の重量比となるようにPVDFのN−メチルピロリドン溶液とSiGe−黒鉛複合粉末を混錬し、厚さ20μmのCu箔に塗布した。これを120℃で1時間乾燥後、ローラープレスにより電極を加圧成型し、7cm幅に切断した後、負極とした。これ以外は、例21と同様の電極設計および作製方法にて円筒型電池を作製した。
(例24)
例23のメカノフュージョン処理の途中で得られた複合粒子30で、算出方法(ii)の条件を満たさないものを用いた。これ以外は、例21と同様の電極設計および作製方法にて円筒型電池を作製した。
(評価4)
例23および例24で用いた複合粒子30の炭素質部分のアルゴンレーザーラマン分析での1580cm-1に対する1360cm-1のピーク強度比、全系の重心g2と複合粒子30の内接円、100サイクル後の容量維持率を表5に示す。100サイクル後の容量維持率は、上記式(1)を用いて算出した。
全系の重心g2が複合粒子30の内接円中に位置しない複合粒子30を含む例24と比べて、全系の重心g2が複合粒子30の内接円中に位置する例23では、サイクル特性が32%向上した。全系の重心g2が複合粒子30の内接円中に位置しない複合粒子30を含む例24では、Li吸蔵材料粒子34の複合粒子30中の位置分布に偏りがあるため、充放電時にLi吸蔵材料粒子34の膨張収縮により、複合粒子30が破壊されやすいのに対し、例23では、Li吸蔵材料粒子34が複合粒子30から脱離しにくいため、上記特性が得られたと考えられる。このように、上述の条件(ii)を満たす複合粒子30を用いることにより、Li吸蔵物質を用いたサイクル特性のよい電池を提供できることがわかった。
Figure 2005071938
(例25)
Li吸蔵材料粒子34として、平均粒径5μmの金属Al粒子を用い、炭素材料32として、平均粒径50μmの球状人造黒鉛を用いた。上記金属Al粒子、上記球状人造黒鉛粒子を重量比1:4で配合し、これを振動型ボールミル装置で機械的な圧接を繰り返す、ボールミル処理を施した。処理を行った複合粒子30は適宜取り出し、粒子の断面SEM観察を行った。複合粒子30を5個以上含有した画像を選び、得られた画像から、上述した算出方法に従って変異係数を算出し、上述の(iii)の条件を満たすようになるまでボールミル処理を繰り返した。
ボールミル容器および直径10mmのボールはジルコニア製で、粉末調整およびボールミルはAr雰囲気で行った。さらに、Ar雰囲気中で1200℃、2時間の熱処理を施した。Al−黒鉛複合粉末:PVDF=90:10の重量比となるようにPVDFのN−メチルピロリドン溶液とAl−黒鉛複合粉末を混錬し、厚さ20μmのCu箔に塗布した。これを120℃で1時間乾燥後、ローラープレスにより電極を加圧成型し、7cm幅に切断した後、負極とした。これ以外は、例21と同様の電極設計および作製方法にて円筒型電池を作製した。
(例26)
例25のボールミル処理の途中で得られた複合粒子30で、上述した算出方法(iii)の条件を満たさないものを用いた。これ以外は、例21と同様の電極設計および作製方法にて円筒型電池を作製した。
(評価5)
例25および例26についてレーザーラマン測定を行った結果およびサイクル特性試験の結果を表6に示す。変異係数が9である例26と比べて、変異係数が30である例25では、サイクル特性が25%向上した。変異係数が9である例26では、Li吸蔵材料粒子34の複合粒子30の中心からの距離にばらつきが少ないため、充放電時にLi吸蔵材料粒子34の膨張収縮により、複合粒子30中の特定の部位に負荷がかかり、複合粒子30が破壊しやいため、集電特性が低下してしまう。
一方、例25では、Li吸蔵材料粒子34が複合粒子30中に均一に分散しているため充放電時にも複合粒子30は壊れにくく、上記特性が得られたと考えられる。このように、上述の(iii)の条件を満たす複合粒子30を負極活物質として用いることにより、Li吸蔵物質を用いたサイクル特性のよい電池を提供できることがわかった。
Figure 2005071938
実施の形態におけるリチウムイオン二次電池の構成を示す概略図である。 実施の形態における負極活物質の構成を示す断面図である。 実施の形態における負極活物質の構成を示す断面図である。 実施の形態における負極活物質の構成を示す断面図である。 実施の形態における負極活物質の構成を示す断面図である。 実施の形態における複合粒子の作製手順を示す図である。
符号の説明
10 リチウムイオン二次電池
12 負極活物質
14 負極集電体
16 負極
18 正極活物質
20 正極集電体
22 正極
24 電解質
26 セパレータ
30 複合粒子
32 炭素材料
34 Li吸蔵材料粒子

Claims (12)

  1. 炭素材料粒子内に、リチウムを吸蔵、放出可能なLi吸蔵材料粒子の少なくとも一部が埋設された複合粒子を含み、
    前記Li吸蔵材料粒子のそれぞれの重心が前記複合粒子中に位置し、
    前記炭素材料粒子のアルゴンレーザーラマンによる1580cm-1に対する1360cm-1のピーク強度比が10以下であることを特徴とする二次電池用負極活物質。
  2. 炭素材料粒子内に、リチウムを吸蔵、放出可能なLi吸蔵材料粒子の少なくとも一部が埋設された複合粒子を含み、
    前記炭素材料粒子のアルゴンレーザーラマンによる1580cm-1に対する1360cm-1のピーク強度比が10以下であり、
    前記複合粒子の一断面において、
    一つの複合粒子中に存在するすべての前記Li吸蔵物質粒子について、その断面積をもとにそれぞれの重心の位置を算出し、
    前記重心の位置に前記断面積の重みをかけて、一の前記複合粒子中に存在するすべての前記Li吸蔵物質粒子全体の重心を算出したときに、
    前記複合粒子の重心を中心とし、面積が最大となるような前記複合粒子の内接円の中に、前記Li吸蔵粒子全体の重心が位置することを特徴とする二次電池用負極活物質。
  3. 炭素材料粒子内に、リチウムを吸蔵、放出可能なLi吸蔵材料粒子の少なくとも一部が埋設された複合粒子を含み、
    前記炭素材料粒子のアルゴンレーザーラマンによる1580cm-1に対する1360cm-1のピーク強度比が10以下であり、
    一の複合粒子中に含まれるすべての前記Li吸蔵材料粒子のそれぞれの重心と前記複合粒子の重心との間の距離の標準偏差を前記距離の平均値で割った値に100を乗じた変異係数が10以上であることを特徴とする二次電池用負極活物質。
  4. 請求項1乃至3いずれかに記載の二次電池用負極活物質において、前記Li吸蔵材料粒子が、Si、Ge、In、Sn、Ag、AlまたはPbからなる群から選択される少なくとも一の金属またはその酸化物を含むことを特徴とする二次電池用負極活物質。
  5. 請求項1乃至3いずれかに記載の二次電池用負極活物質において、前記Li吸蔵材料粒子が、Si、Ge、In、Sn、Ag、AlまたはPbからなる群から選択される少なくとも一の金属またはその酸化物と、Fe、Co、Ni、Cu、Ti、Mo、Ta、Mg、Cr、Nb、Mn、V、W、Zrからなる群から選択される少なくとも一の金属との合金または混合物を含むことを特徴とする二次電池用負極活物質。
  6. 請求項1乃至5いずれかに記載の二次電池用負極活物質において、前記Li吸蔵材料粒子が非晶質構造であることを特徴とする二次電池用負極活物質。
  7. 請求項1乃至6いずれかに記載の二次電池用負極活物質において、前記複合粒子中の前記Li吸蔵材料粒子の平均粒径が5μm以下であることを特徴とする二次電池用負極活物質。
  8. 請求項1乃至7いずれかに記載の二次電池用負極活物質を有する層と、負極集電体とを含むことを特徴とする二次電池用負極。
  9. 請求項8に記載の二次電池用負極において、前記負極活物質を有する層における前記負極活物質の体積充填率が45%以上75%以下であることを特徴とする二次電池用負極。
  10. 少なくとも正極と負極を備えた二次電池において、請求項8または9に記載の二次電池用負極を含むことを特徴とする二次電池。
  11. 炭素材料粒子とリチウムを吸蔵、放出可能なLi吸蔵材料粒子とを機械的に混合して複合粒子を作製する工程と、
    得られた前記複合粒子をサンプリングし、検査する工程と、
    を順次繰り返し、
    前記検査の結果、サンプリングした前記複合粒子が以下(i)乃至(iii)いずれかの条件を満たしたときに、前記混合の操作を終了することを特徴とする負極活物質の製造方法。
    (i)前記Li吸蔵材料粒子の重心が前記複合粒子中に位置すること
    (ii)前記複合粒子の一断面において、
    一つの複合粒子中に存在するすべての前記Li吸蔵物質粒子について、その断面積をもとにそれぞれの重心の位置を算出し、
    前記重心の位置に前記断面積の重みをかけて、一の前記複合粒子中に存在するすべての前記Li吸蔵物質粒子全体の重心を算出したときに、
    前記複合粒子の重心を中心とし、面積が最大となるような前記複合粒子の内接円の中に、前記Li吸蔵粒子全体の重心が位置すること
    (iii)一の複合粒子中に含まれるすべての前記Li吸蔵材料粒子のそれぞれの重心と前記複合粒子の重心との間の距離の標準偏差を前記距離の平均値で割った値に100を乗じた変異係数が10以上であること
  12. 請求項11に記載の負極活物質の製造方法により負極活物質を得る工程と、
    前記負極活物質と、結着剤とを溶媒に溶解または分散してペーストを調製する工程と、
    前記ペーストを集電体上に塗布した後、乾燥する工程と、
    を含むことを特徴とする二次電池用負極の製造方法。
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